JP2005105200A - 酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物およびそれを用いた積層体、包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 酸素インジケータ機能を有するだけでなく、内容物による影響を受けず、マイクロウェーブ適性を有し、酸素吸収による物性の変化が少ない包装体、およびこのような包装材の材料として好適に用いられる酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物、およびそれを用いた積層体を提供する。
【解決手段】 包装体の材料として、熱可塑性樹脂と、酸素欠陥を有する無機酸化物と、樹脂系顔料分散剤とを含有し、酸素欠陥を有する無機酸化物が、熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であり、樹脂系顔料分散剤の、酸素欠陥を有する無機酸化物に対する質量比が、0.1〜5である酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物、および酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含む層を有する積層体を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 包装体の材料として、熱可塑性樹脂と、酸素欠陥を有する無機酸化物と、樹脂系顔料分散剤とを含有し、酸素欠陥を有する無機酸化物が、熱可塑性樹脂100質量部に対し、1〜100質量部であり、樹脂系顔料分散剤の、酸素欠陥を有する無機酸化物に対する質量比が、0.1〜5である酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物、および酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含む層を有する積層体を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物およびそれを用いた積層体、包装体に関し、さらに詳細には、酸素に敏感な内容物における酸素リークの状況を簡便に認識でき、改竄防止などの機能を付与する事が可能な、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物およびそれを用いた積層体、包装体に関する。
近年、インテリジェントパッケージという言葉がキーワードとしてあげられている。その内容の一つとして、ある刺激に対して応答性を有するパッケージがあり、代表的なものとして酸化による色剤の変色を利用した酸素インジケータが挙げられる。このようなインジケータ機能が求められる背景としては、我々消費者あるいは得意先が、外的刺激、例えば酸素、水分、温度により内容物が変質、分解した状態を一目で認識できる機能を要求していることが挙げられる。最近の内容物、特に食料品だけでなく、医療医薬、エレクトロニクス分野において酸素や水分や温度に対して敏感な材質が多くなり、さらにインジケータ機能を求める要求が増えてきている。
インジケータ機能という点では、メタクレゾールパープルなどの有機系薬剤の酸化還元反応を利用した酸素インジケータなどが開発されており、水分や温度については、シリカゲルの色調変化あるいはサーモラベルのような温度応答性の材料が用いられている。ただし、これらのインジケータは個包装タイプのインジケータが多い。これらの個包装タイプのインジケータについては、誤飲の問題や、充填できる内容物を限定するなどの課題を有する。また、酸素インジケータについていえば、上述したように酸化還元反応を利用した錠剤やインキタイプのインジケータに関する開示が多く認められる(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このような色素や還元反応に用いる還元剤などは耐熱性に劣る材料が多く、溶融状態の熱可塑性樹脂に配合する事が困難である。
したがって、このような色素や還元反応に用いる還元剤などを一体化した樹脂製包装体を製造することは困難であった。
したがって、このような色素や還元反応に用いる還元剤などを一体化した樹脂製包装体を製造することは困難であった。
インテリジェントパッケージと言うキーワードを考慮すると、包材とインジケータ機能の一体型容器が求められるが、現状では、容器一体型のインジケータ機能を備えた包装容器は現れていない。
特開昭53−117495号公報
よって、本発明の目的は、容器一体型のインジケータ機能を備えた包装体、およびこのような包装体の材料として好適に用いられる酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物、およびそれを用いた積層体を提供することにある。
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物とを含有することを特徴とする。
前記無機酸化物の含有量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましい。
前記無機酸化物は、酸素欠陥を有する無機酸化物であることが好ましい。
前記無機酸化物は、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
ここで、酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合は、0.01〜25%であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、ポリα−オレフィン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアミド、および脂肪族ポリアミドからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記無機酸化物の含有量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましい。
前記無機酸化物は、酸素欠陥を有する無機酸化物であることが好ましい。
前記無機酸化物は、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
ここで、酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合は、0.01〜25%であることが好ましい。
前記熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、ポリα−オレフィン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアミド、および脂肪族ポリアミドからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、本発明のフィルムは、本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物からなることを特徴とするものである。
また、本発明の積層体は、本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含有するインジケータ層を有することを特徴とするものである。
また、本発明の積層体は、酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を有することが好ましい。
ここで、前記バリア層は、熱可塑性樹脂層、金属箔層、および蒸着層からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、前記バリア層が、前記インジケータ層の片側に設けられることが好ましい。
本発明の包装体は、本発明の積層体を用いた包装体であって、前記バリア層が外側になるように形成され、該包装体の少なくとも一部から、前記インジケータ層が視認可能であることを特徴とする。ここで、本発明の包装体は、一部がヒートシールされ、ヒートシールされる部位およびヒートシールされない部位の双方で前記インジケータ層が視認可能であることが好ましい。
また、本発明の積層体は、本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含有するインジケータ層を有することを特徴とするものである。
また、本発明の積層体は、酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を有することが好ましい。
ここで、前記バリア層は、熱可塑性樹脂層、金属箔層、および蒸着層からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
また、前記バリア層が、前記インジケータ層の片側に設けられることが好ましい。
本発明の包装体は、本発明の積層体を用いた包装体であって、前記バリア層が外側になるように形成され、該包装体の少なくとも一部から、前記インジケータ層が視認可能であることを特徴とする。ここで、本発明の包装体は、一部がヒートシールされ、ヒートシールされる部位およびヒートシールされない部位の双方で前記インジケータ層が視認可能であることが好ましい。
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物とを含有するので、容器一体型の酸素インジケータ機能を備える包装体の材料として好適なものとなる。
ここで、前記無機酸化物として、酸素欠陥を有する無機酸化物を用いれば、酸化状態/還元状態での色調の判別が容易であり、さらに酸素吸収能に優れた包装体の材料として好適なものとなる。
また、前記無機酸化物が、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上であれば、酸素欠陥を有する無機酸化物を容易に得ることができ、また、酸化状態/還元状態での色調の判別がさらに容易となる。
さらに、酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合が0.01〜25%であれば、酸素の導入に対し酸素インジケータ機能を発揮する反応速度に優れた包装体の材料として好適なものとなる。
ここで、前記無機酸化物として、酸素欠陥を有する無機酸化物を用いれば、酸化状態/還元状態での色調の判別が容易であり、さらに酸素吸収能に優れた包装体の材料として好適なものとなる。
また、前記無機酸化物が、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上であれば、酸素欠陥を有する無機酸化物を容易に得ることができ、また、酸化状態/還元状態での色調の判別がさらに容易となる。
さらに、酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合が0.01〜25%であれば、酸素の導入に対し酸素インジケータ機能を発揮する反応速度に優れた包装体の材料として好適なものとなる。
また、本発明の積層体は、本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含有するインジケータ層を有するので、酸素インジケータ機能を有し、容器一体型の酸素インジケータ機能を備える包装体の材料として好適なものとなる。
また、本発明の積層体が、酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を有すれば、包装体にしたとき、包装体の外部から透過した酸素ガスによる酸素吸収の誤判定あるいは酸素インジケータ機能の低下が少ない為、酸素インジケータ機能を正確に発揮することが可能になる。
また、本発明の包装体は、本発明の積層体を用いたものであるので、容器一体型の酸素インジケータ機能を備えたものとなる。
また、本発明の積層体が、酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を有すれば、包装体にしたとき、包装体の外部から透過した酸素ガスによる酸素吸収の誤判定あるいは酸素インジケータ機能の低下が少ない為、酸素インジケータ機能を正確に発揮することが可能になる。
また、本発明の包装体は、本発明の積層体を用いたものであるので、容器一体型の酸素インジケータ機能を備えたものとなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<無機酸化物>
本発明における酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物とは、該無機酸化物の酸化状態における色調と、還元状態における色調とが、目視にて区別できるものであればよい。
このような無機酸化物を用いることにより、還元状態にある無機酸化物と酸素が反応した場合に、無機酸化物が酸化状態へ移行し、それに伴って色調変化を示すことから、本発明において、酸素インジケータ機能を付与することができる。
本発明における酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物とは、該無機酸化物の酸化状態における色調と、還元状態における色調とが、目視にて区別できるものであればよい。
このような無機酸化物を用いることにより、還元状態にある無機酸化物と酸素が反応した場合に、無機酸化物が酸化状態へ移行し、それに伴って色調変化を示すことから、本発明において、酸素インジケータ機能を付与することができる。
前記無機酸化物としては、例えば、酸素欠陥を有する無機酸化物を用いることができる。酸素欠陥を有する無機酸化物とは、無機酸化物に還元処理を施すことによって、無機酸化物中の一部の酸素原子が除去され、格子欠陥が形成された無機酸化物である。
酸化状態/還元状態での色調の判別が容易であり、さらに酸素吸収能に優れた包装体を可能ならしめるために、酸素欠陥を有する無機酸化物が好ましく用いられる。
酸化状態/還元状態での色調の判別が容易であり、さらに酸素吸収能に優れた包装体を可能ならしめるために、酸素欠陥を有する無機酸化物が好ましく用いられる。
無機酸化物の還元処理は、光導電性無機酸化物を無酸素条件下で、かつアルゴン、ネオン、ヘリウム、窒素などの不活性ガスと水素ガスの混合ガス雰囲気下で、必要に応じて還元触媒の存在下で、加熱あるいはUVなどの光照射を行う事で行われる。特に加熱処理および光照射を併用する事で、酸素欠陥の割合が大きい酸素欠陥を有する無機酸化物を、短時間で得る事が可能である。そのような意味で、本発明においては、光感受性の強い化合物、つまり光導電性無機酸化物を用いた方が好ましい。
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物に用いられる、酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物は、結晶構造中において局所的な電子準位が生じ、色中心と相称される局所構造を形成する事が可能なものを用いる事が好ましい。つまり、この黒色とは上述した色中心と総称される局所構造を形成する事で光が吸収された色であり、それが酸素により酸化され、格子欠陥が満たされる事で、もとの白色の材料に戻る事が挙げられる。
この内容を考慮し、色調変化が顕著な材料として、例えば、アナターゼ型二酸化チタンを、必要に応じて還元触媒を配合し、上記混合ガス中で加熱、UV処理を施す事で、黒色から白灰色と最も明度が低い色から明度が高い色への色調変化を有する無機酸化物を得る事ができる。
この内容を考慮し、色調変化が顕著な材料として、例えば、アナターゼ型二酸化チタンを、必要に応じて還元触媒を配合し、上記混合ガス中で加熱、UV処理を施す事で、黒色から白灰色と最も明度が低い色から明度が高い色への色調変化を有する無機酸化物を得る事ができる。
無機酸化物としては、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどの光導電性無機酸化物が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。このことにより、酸素欠陥を有する無機酸化物を容易に得ることができ、また、酸化状態/還元状態での色調の判別がさらに容易となる。
酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物として酸素欠陥を有する無機酸化物を用いる場合、その酸化欠陥の割合は、0.01〜25%であることが、さらに酸素を吸収する速度(酸素吸収速度)に優れた包装体を可能ならしめるために好ましい。酸素欠陥の割合が0.01%未満では、還元状態での色調と酸化状態での色調との変化が小さくなる。酸素欠陥の割合が25%を超えると、結晶構造が著しく変化し、色調を変化させるための酸化反応が起こりにくくなる。
光導電性無機酸化物としては、上述した二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムなどが挙げられる。二酸化チタンの結晶形としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが挙げられ、酸化亜鉛の結晶形としては、ウルツ鉱型が挙げられ、酸化セリウムの結晶形としては、酸化ランタン型、螢石型などが挙げられる。中でも、特にアナターゼ型二酸化チタンが、製造などの要因とともに、上述したように、酸化状態における色調と還元状態における色調との差が大きいことから、本発明における光導電性無機酸化物として好適である。
<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂としては、酸素を透過するものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、ポリα−オレフィン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドが挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中から最終的に求める包装体に応じて、適切な材料を選択すればよい。
熱可塑性樹脂としては、酸素を透過するものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、ポリα−オレフィン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドが挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中から最終的に求める包装体に応じて、適切な材料を選択すればよい。
ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンが挙げられる。
オレフィン系共重合体とは、エチレン、プロピレン、およびC4以上のα−オレフィン(1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなど)からなる群より選ばれる2種以上のオレフィンからなる共重合体であり、エチレン−環状オレフィン共重合体も含まれる。
ポリα−オレフィンとしては、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられ、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられ、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物としては、エチレン−(メタ)アクリル酸の各種イオン架橋物が挙げられる。
オレフィン系共重合体とは、エチレン、プロピレン、およびC4以上のα−オレフィン(1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなど)からなる群より選ばれる2種以上のオレフィンからなる共重合体であり、エチレン−環状オレフィン共重合体も含まれる。
ポリα−オレフィンとしては、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体が挙げられ、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体が挙げられ、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物としては、エチレン−(メタ)アクリル酸の各種イオン架橋物が挙げられる。
<酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物>
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物とを含有する。このことによって、容器一体型の酸素インジケータの材料として好適なものとなる。
前記無機酸化物の配合量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましい。1質量部より少ないと、色調の変化の程度が小さくなり、100質量部より多いと、反応対象である酸素に対して、前記無機酸化物が大過量となりやすいために、僅かな酸素と反応したくらいでは変色が目立たない。
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と、酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物とを含有する。このことによって、容器一体型の酸素インジケータの材料として好適なものとなる。
前記無機酸化物の配合量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し1〜100質量部であることが好ましい。1質量部より少ないと、色調の変化の程度が小さくなり、100質量部より多いと、反応対象である酸素に対して、前記無機酸化物が大過量となりやすいために、僅かな酸素と反応したくらいでは変色が目立たない。
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物には、必要に応じて、酸素欠陥を有する無機酸化物の分散性を向上させる為に、樹脂系顔料分散剤、界面活性剤等の分散剤を適宜配合しても構わない。また、その他にも、フェノール系あるいはリン系あるいはラクトン系の酸化防止剤、充填剤、難燃剤、光安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤など各種添加剤を配合しても構わない。
分散剤としては、例えば、樹脂系顔料分散剤として、低分子量ポリオレフィン系ワックス、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
一般的に、二酸化チタン等の無機酸化物の粒子は、その表層が吸着水により水酸基化されている。無機酸化物と熱可塑性樹脂はその表面自由エネルギーが大きく異なる為、通常は、熱可塑性樹脂中における無機酸化物の分散性は著しく低い。上述した酸素欠陥を有する無機酸化物は、その微粒子の表層から酸素欠陥が生成し、酸素欠陥の生成した点を起点にして酸素吸収を開始する。したがって、酸素欠陥を有する無機酸化物が巨大な2次凝集体を形成する場合には、酸素吸収の効率が著しく低下する。
これに対し、上述のような樹脂系顔料分散剤を用いることにより、酸素欠陥を有する無機酸化物を、熱可塑性樹脂中に良好に分散させることができる。したがって、酸素欠損を有する無機酸化物の酸素インジケータ機能を、熱可塑性樹脂中で良好に維持することができる。
さらに、樹脂系顔料分散剤として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体のいずれかのカルボン酸変性物を用いると、酸素欠陥を有する無機酸化物を、上述の熱可塑性樹脂中にさらに安定して分散させることができることから好ましい。
樹脂系顔料分散剤は、その質量平均分子量が500〜10000であることが、無機酸化物への濡れ性および樹脂との相溶性を向上させるために好ましい。
一般的に、二酸化チタン等の無機酸化物の粒子は、その表層が吸着水により水酸基化されている。無機酸化物と熱可塑性樹脂はその表面自由エネルギーが大きく異なる為、通常は、熱可塑性樹脂中における無機酸化物の分散性は著しく低い。上述した酸素欠陥を有する無機酸化物は、その微粒子の表層から酸素欠陥が生成し、酸素欠陥の生成した点を起点にして酸素吸収を開始する。したがって、酸素欠陥を有する無機酸化物が巨大な2次凝集体を形成する場合には、酸素吸収の効率が著しく低下する。
これに対し、上述のような樹脂系顔料分散剤を用いることにより、酸素欠陥を有する無機酸化物を、熱可塑性樹脂中に良好に分散させることができる。したがって、酸素欠損を有する無機酸化物の酸素インジケータ機能を、熱可塑性樹脂中で良好に維持することができる。
さらに、樹脂系顔料分散剤として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体のいずれかのカルボン酸変性物を用いると、酸素欠陥を有する無機酸化物を、上述の熱可塑性樹脂中にさらに安定して分散させることができることから好ましい。
樹脂系顔料分散剤は、その質量平均分子量が500〜10000であることが、無機酸化物への濡れ性および樹脂との相溶性を向上させるために好ましい。
酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は、最終製品の成形方法および必要とされる酸素吸収能により設定した所定配合量の各種材料を、リボンミキサー、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサーなどを用いてドライブレンドしたもの、あるいはあらかじめ混練機に搭載されている各フィーダーを用いて所定量配合したものを、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、バンバリーミキサーなどの混練機を用いて、ベースとなる熱可塑性樹脂の融点以上260℃以下、好ましくは240℃以下、さらに好ましくは220℃以下で混練することで得られる。
<フィルム、積層体>
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は、押出ラミネーション成形、押出キャスト成形、インフレーション成形、インジェクション成形、ダイレクトブロー成形など各種成形法を用いて、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物の単膜フィルムあるいは本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含有する層(以下、インジケータ層と記す)を有する積層体とすることが可能である。
また、得られたフィルム(インフレーションフィルムなど)については、後工程でドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーションなどによって積層体とすることも可能である。
また、インジェクション成形で得られたプリフォームを、延伸ブロー成形により多層延伸ブローボトルにすることも可能である。なお、成形法は、これらの成形法に限られるものではない。
本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は、押出ラミネーション成形、押出キャスト成形、インフレーション成形、インジェクション成形、ダイレクトブロー成形など各種成形法を用いて、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物の単膜フィルムあるいは本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含有する層(以下、インジケータ層と記す)を有する積層体とすることが可能である。
また、得られたフィルム(インフレーションフィルムなど)については、後工程でドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーションなどによって積層体とすることも可能である。
また、インジェクション成形で得られたプリフォームを、延伸ブロー成形により多層延伸ブローボトルにすることも可能である。なお、成形法は、これらの成形法に限られるものではない。
積層体として用いる場合には、前記インジケータ層の厚さを5〜100μmで設けることが好ましい。5μmより薄いと色調変化に劣り、100μmより厚いと、前記インジケータ層中に含まれる、無機酸化物の絶対量が多くなり、僅かな酸素と反応したくらいでは変色が目立たなくなる。
包装体への展開を考慮すると、例えば、包装体外部における酸素の存在を感知する酸素インジケータ機能、または包装体内部で発生あるいは内部に侵入した酸素を感知する酸素インジケータとしての展開が挙げられる。
包装体内部で発生あるいは内部に侵入した酸素を感知する酸素インジケータとして展開する場合は、包装体外部からの酸素はできるだけ除去した方が好ましい。つまり、包装体が、ピンホールなど何かしらのダメージを受けることで、包装体の内部へ酸素が透過または通過されるようになった場合に、そこを透過した酸素を認識するために、包装体の外部に通常存在する酸素とは、極力反応をさせないほうが好ましい。そのため、積層体としては、酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を、包装体としたときにバリア層がインジケータ層よりも外層となるように設けた方が好ましい。図1に、上記のようなバリア層を設けた積層体の例を示す。
ここで、図1では、バリア層5が、熱可塑性樹脂層3を介してインジケータ層2の片側に設けられているが、バリア層5が、熱可塑性樹脂層3を介してインジケータ層2の両側に設けられてもよい。バリア層5を、インジケータ層2の両側に設けた場合は、例えば、各層の両端を開放したままで他の密封容器に入れ、両側に設けられたバリア層5を取り扱うことで、取扱い性に優れた個包装タイプのインジケータとして用いることができる。さらに、バリア層5を、インジケータ層2の片側に設けた場合は、本発明の積層体を、閉じた袋状、箱状等の様々な形状の容器と成して、容器一体型の酸素インジケータを提供できることから好ましい。
包装体内部で発生あるいは内部に侵入した酸素を感知する酸素インジケータとして展開する場合は、包装体外部からの酸素はできるだけ除去した方が好ましい。つまり、包装体が、ピンホールなど何かしらのダメージを受けることで、包装体の内部へ酸素が透過または通過されるようになった場合に、そこを透過した酸素を認識するために、包装体の外部に通常存在する酸素とは、極力反応をさせないほうが好ましい。そのため、積層体としては、酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を、包装体としたときにバリア層がインジケータ層よりも外層となるように設けた方が好ましい。図1に、上記のようなバリア層を設けた積層体の例を示す。
ここで、図1では、バリア層5が、熱可塑性樹脂層3を介してインジケータ層2の片側に設けられているが、バリア層5が、熱可塑性樹脂層3を介してインジケータ層2の両側に設けられてもよい。バリア層5を、インジケータ層2の両側に設けた場合は、例えば、各層の両端を開放したままで他の密封容器に入れ、両側に設けられたバリア層5を取り扱うことで、取扱い性に優れた個包装タイプのインジケータとして用いることができる。さらに、バリア層5を、インジケータ層2の片側に設けた場合は、本発明の積層体を、閉じた袋状、箱状等の様々な形状の容器と成して、容器一体型の酸素インジケータを提供できることから好ましい。
バリア層としては、熱可塑性樹脂層、金属箔層、蒸着層が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、前記バリア層としては、目視にて簡便にインジケータ層の色調変化を確認できるために、少なくとも一部が透明であるものが好ましい。
熱可塑性樹脂層の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂;ポリアミド6、ポリアミド6−ポリアミド66共重合体、芳香族ポリアミド(MXD6など)のポリアミド樹脂;ポリアクリルニトリル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデンなどのバリア性を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。
金属箔層の材料としては、アルミニウム箔などが挙げられる。
金属箔層の材料としては、アルミニウム箔などが挙げられる。
蒸着層としては、熱可塑性樹脂層にアルミニウム蒸着層、シリカ蒸着層、アルミナ蒸着層を設けたな蒸着熱可塑性樹脂層が挙げられる。蒸着は、アルミニウム、シリカ、アルミナなどのPVD蒸着法、あるいはヘキサメチレンジシロキサンなどのオルガノシラン、アセチレンガス、その他の炭素ガス源を用いたCVD蒸着法により行われる。
さらには、これらの蒸着層、特にPVD蒸着法による蒸着層において、そのガスバリア性を向上させる為、ポリビニルアルコール/シラン化合物系のオーバーコート層を設けても構わない。また、蒸着層と熱可塑性樹脂層の密着性を向上させる為の各種プライマー層を設けていても構わない。
さらには、これらの蒸着層、特にPVD蒸着法による蒸着層において、そのガスバリア性を向上させる為、ポリビニルアルコール/シラン化合物系のオーバーコート層を設けても構わない。また、蒸着層と熱可塑性樹脂層の密着性を向上させる為の各種プライマー層を設けていても構わない。
このようなバリア層を用いることで、包装体内部に別の要因で透過した、あるいは包装体に保存された内容物から発生した酸素ガスを、酸素インジケータを有する樹脂組成物が感知し、インジケータとしての機能を果たす事が可能である。その際、包装体内部はできるだけ酸素が無い環境、つまり窒素などの不活性ガスなどで置換をしておいた方が好ましい。
さらに、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は酸化される事で色調変化を示すものであり、すなわち、酸素を吸収することが可能である事を示し、ある程度過剰に前記無機酸化物を添加する事で、不活性ガスでも完全に除去しきれなかった包装体内部の微量の酸素を捕獲する事が可能で、かつリークなどによる多量の酸素に関しては、色調変化を示すといった機能を備える事が可能である。
さらに、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物は酸化される事で色調変化を示すものであり、すなわち、酸素を吸収することが可能である事を示し、ある程度過剰に前記無機酸化物を添加する事で、不活性ガスでも完全に除去しきれなかった包装体内部の微量の酸素を捕獲する事が可能で、かつリークなどによる多量の酸素に関しては、色調変化を示すといった機能を備える事が可能である。
これらのバリア層を、インジケータ層を有する積層体と積層させるには、様々な手法を用いることが可能である。最も代表的な例としては、バリア層と、インジケータ層を有する積層体とを、ウレタン系の接着剤を用いてドライラミネーション手法で積層させる方法;バリア層にウレタン系の接着剤を用いて、インラインで製膜されたインジケータ層を有する積層体を押出ラミネーション手法あるいはニーラム手法で積層させる方法;サンドラミネーション手法により、インラインでバリア層に設けられたウレタン系の接着剤上に、インジケータ層を有する積層体を、押出ラミネーションにより製膜されたポリオレフィン系樹脂などで挟みこむ方法;さらには、あらかじめバリア層にドライラミネーション手法でポリオレフィン系樹脂のキャストあるいはインフレーションフィルムを積層させ、この積層バリア層を用いて上述してきた方法によりインジケータ層を有する積層体を積層させる方法が挙げられる。
<包装体>
これらの積層体を用いて包装体に展開した場合の例を以下に示す。
ここで、A:ポリオレフィン樹脂、B:酸無水物グラフト変性ポリオレフィン樹脂、C:エチレン−ビニルアルコール共重合体、D:アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、E:アルミニウム箔、F:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、G:ポリビニルアルコール系オーバーコート層、H:ウレタン系接着剤、I:ポリエステルフィルム、J:本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物である。
これらの積層体を用いて包装体に展開した場合の例を以下に示す。
ここで、A:ポリオレフィン樹脂、B:酸無水物グラフト変性ポリオレフィン樹脂、C:エチレン−ビニルアルコール共重合体、D:アルミナ蒸着ポリエステルフィルム、E:アルミニウム箔、F:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、G:ポリビニルアルコール系オーバーコート層、H:ウレタン系接着剤、I:ポリエステルフィルム、J:本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物である。
(構成例−1):A/B/C/B/J/A
成形法:押出成形、射出成形、ブロー成形、など。
用途:シート、ボトル、カップ、トレーなど。
(構成例−2):D/G/H/A/J/A
成形法:押出ラミネート、ドライラミネートなど。
用途:軟包装体、蓋材。
(構成例−3):I/H/E/F/J/A
成形法:押出ラミネート、など。
用途:インナーキャップなど。
(構成例−4):紙/A/D/G/H/A/J/A
成形法:押出ラミネートなど。
用途:複合紙容器など。
成形法:押出成形、射出成形、ブロー成形、など。
用途:シート、ボトル、カップ、トレーなど。
(構成例−2):D/G/H/A/J/A
成形法:押出ラミネート、ドライラミネートなど。
用途:軟包装体、蓋材。
(構成例−3):I/H/E/F/J/A
成形法:押出ラミネート、など。
用途:インナーキャップなど。
(構成例−4):紙/A/D/G/H/A/J/A
成形法:押出ラミネートなど。
用途:複合紙容器など。
積層体に用いられる熱可塑性樹脂は、酸素を透過するものであればよい。
ここで、バリア層の材料は、インジケータ層における色調変化を、包装体と成した場合に包装体の外側から視認するために、透明であることが好ましい。なお、透明であるとは、必ずしも光の透過率が100%であることを意味せず、目視にて、前記無機酸化物の、酸化状態と還元状態との色調変化を判別することができればよい。このようなバリア層としては、
なお、包装体の第一の形態として、図1に示す積層体を用いて成る包装体が挙げられ、また、包装体の第二の形態として、印刷層をさらに設けて包装体を構成することも可能である。この場合、印刷層の少なくとも一部にパートコート(抜き部)等の、酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物の色調を包装体の外部から視認可能とする機構を設けることが必要である。意匠性の付与等の面から、第二の形態を広範な用途に用いることができる。
例えば、構成例−1、構成例−2については容器全体がインジケータ機能を有する事になり、構成例−2に至っては、印刷インキなどで印刷を施し、局所的にこの樹脂組成物層を見る事が可能な窓部を設ける事で、印刷による意匠性だけでなくインジケータ機能を付与する事も可能である。また、構成例−3についてはアルミ箔を用いている為、外観による目視での認識は困難であるが、包装体を開封時には、その影響を観察する事が可能である。また構成例−4については、酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物の色調を包装体の外部から視認可能とする切り欠きを紙層に設ける事で構成例−2と同じ機能を付与する事が可能である。上述したように、様々な構成で得られた積層体は、そのまま各種用途の包装体へ展開することが可能である。
ここで、バリア層の材料は、インジケータ層における色調変化を、包装体と成した場合に包装体の外側から視認するために、透明であることが好ましい。なお、透明であるとは、必ずしも光の透過率が100%であることを意味せず、目視にて、前記無機酸化物の、酸化状態と還元状態との色調変化を判別することができればよい。このようなバリア層としては、
なお、包装体の第一の形態として、図1に示す積層体を用いて成る包装体が挙げられ、また、包装体の第二の形態として、印刷層をさらに設けて包装体を構成することも可能である。この場合、印刷層の少なくとも一部にパートコート(抜き部)等の、酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物の色調を包装体の外部から視認可能とする機構を設けることが必要である。意匠性の付与等の面から、第二の形態を広範な用途に用いることができる。
例えば、構成例−1、構成例−2については容器全体がインジケータ機能を有する事になり、構成例−2に至っては、印刷インキなどで印刷を施し、局所的にこの樹脂組成物層を見る事が可能な窓部を設ける事で、印刷による意匠性だけでなくインジケータ機能を付与する事も可能である。また、構成例−3についてはアルミ箔を用いている為、外観による目視での認識は困難であるが、包装体を開封時には、その影響を観察する事が可能である。また構成例−4については、酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物の色調を包装体の外部から視認可能とする切り欠きを紙層に設ける事で構成例−2と同じ機能を付与する事が可能である。上述したように、様々な構成で得られた積層体は、そのまま各種用途の包装体へ展開することが可能である。
以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例においては、以下の材料を用いた。
[樹脂組成物]
<熱可塑性樹脂>
A−1:エチレン−1−ヘキセン共重合体(密度0.920g/cm3 、MI=4.0、宇部興産(株)製ユメリット(商品名)」)。
本実施例においては、以下の材料を用いた。
[樹脂組成物]
<熱可塑性樹脂>
A−1:エチレン−1−ヘキセン共重合体(密度0.920g/cm3 、MI=4.0、宇部興産(株)製ユメリット(商品名)」)。
<無機化合物>
B−1:アナターゼ型二酸化チタン[格子欠陥率(酸素欠陥の割合)7.5%、B−2の二酸化チタンを水素熱還元することにより得られ、アナターゼ型の結晶構造を保持する低次酸化チタン、TiO1.85]。
B−2:アナターゼ型二酸化チタン[格子欠陥率(酸素欠陥の割合)0%、比表面積280m2/gでTiO2の純度93%を有し、アナターゼ型の結晶構造を有する粉末状二酸化チタン。なお、不純物の殆どは水分である]。
B−3:酸化亜鉛[格子欠陥率(酸素欠陥の割合)2.5%]。
B−1:アナターゼ型二酸化チタン[格子欠陥率(酸素欠陥の割合)7.5%、B−2の二酸化チタンを水素熱還元することにより得られ、アナターゼ型の結晶構造を保持する低次酸化チタン、TiO1.85]。
B−2:アナターゼ型二酸化チタン[格子欠陥率(酸素欠陥の割合)0%、比表面積280m2/gでTiO2の純度93%を有し、アナターゼ型の結晶構造を有する粉末状二酸化チタン。なお、不純物の殆どは水分である]。
B−3:酸化亜鉛[格子欠陥率(酸素欠陥の割合)2.5%]。
[積層体]
<熱可塑性樹脂>
C−1:エチレン−1−ヘキセン共重合体(密度0.920g/cm3 、MI=4.0、宇部興産(株)製「ユメリット(商品名)」)。
<熱可塑性樹脂>
C−1:エチレン−1−ヘキセン共重合体(密度0.920g/cm3 、MI=4.0、宇部興産(株)製「ユメリット(商品名)」)。
<基材>
D−1:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/アルミナ蒸着層/オーバーコート層(酸素透過度0.5cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)、凸版印刷(株)製「GL−AE」)。
D−2:2軸延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)(酸素透過度3000cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)、(株)トクヤマ製)。
D−1:2軸延伸ポリエステルフィルム(12μm)/アルミナ蒸着層/オーバーコート層(酸素透過度0.5cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)、凸版印刷(株)製「GL−AE」)。
D−2:2軸延伸ポリプロピレンフィルム(30μm)(酸素透過度3000cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)、(株)トクヤマ製)。
<包装体の第一の形態>
[実施例1]
熱可塑性樹脂(A−1)100質量部に対し、酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物として、無機化合物(B−1)からなる酸素欠陥を有する無機酸化物65質量部と、分散剤として、エチレン-プロピレン共重合体ワックスの無水マレイン酸変性物(質量平均分子量1600)からなるポリオレフィン系分散剤7質量部を加えた。これらをドライブレンドによりプレミックスした混合物を、2軸押出機(φ=30、L/D=49)により吐出9kg、180℃、50rpmの条件で混練し、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は、空冷ペレタイズした。
[実施例1]
熱可塑性樹脂(A−1)100質量部に対し、酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物として、無機化合物(B−1)からなる酸素欠陥を有する無機酸化物65質量部と、分散剤として、エチレン-プロピレン共重合体ワックスの無水マレイン酸変性物(質量平均分子量1600)からなるポリオレフィン系分散剤7質量部を加えた。これらをドライブレンドによりプレミックスした混合物を、2軸押出機(φ=30、L/D=49)により吐出9kg、180℃、50rpmの条件で混練し、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は、空冷ペレタイズした。
ついで、図1に示す積層体を作製した。
3種3層共押出ラミネート機を用いて、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物および熱可塑性樹脂(C−1)を共押出し、中間層に酸素欠陥を有する無機酸化物1を含むインジケータ層2を、表層に熱可塑性樹脂層3、3を設けた2種3層の共押出多層フィルムを製膜した。層構成は外側より、15μm/40μm/15μmである。ここで、得られた多層フィルムのうちインジケータ層2を、走査型電子顕微鏡にて観察し、酸素欠陥を有する無機酸化物1の分散状態を確認した。その結果、酸素欠陥を有する無機化合物1が、インジケータ層2において均一に微細分散化されている、すなわち、単分散した酸素欠陥を有する無機酸化物1、または酸素欠陥を有する無機化合物1の2次凝集体の直径が、1μm以下である事が判明した。
上記で製膜した多層フィルムのどちらか一方にコロナ処理を施し、ポリエステル系主剤およびポリイソシアネート系硬化剤からなるポリウレタン系接着剤により、ドライラミネート機を用いて基材(D−1)を積層し、熱可塑性樹脂層3上に接着剤層4を介してバリア層5を設けた。
3種3層共押出ラミネート機を用いて、酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物および熱可塑性樹脂(C−1)を共押出し、中間層に酸素欠陥を有する無機酸化物1を含むインジケータ層2を、表層に熱可塑性樹脂層3、3を設けた2種3層の共押出多層フィルムを製膜した。層構成は外側より、15μm/40μm/15μmである。ここで、得られた多層フィルムのうちインジケータ層2を、走査型電子顕微鏡にて観察し、酸素欠陥を有する無機酸化物1の分散状態を確認した。その結果、酸素欠陥を有する無機化合物1が、インジケータ層2において均一に微細分散化されている、すなわち、単分散した酸素欠陥を有する無機酸化物1、または酸素欠陥を有する無機化合物1の2次凝集体の直径が、1μm以下である事が判明した。
上記で製膜した多層フィルムのどちらか一方にコロナ処理を施し、ポリエステル系主剤およびポリイソシアネート系硬化剤からなるポリウレタン系接着剤により、ドライラミネート機を用いて基材(D−1)を積層し、熱可塑性樹脂層3上に接着剤層4を介してバリア層5を設けた。
上記で得られた積層体を220×220mmサイズにカットし、さらに二つ折りをした後にシール幅10mmのヒートシーラーにてシールを施す(ヒートシールする)事で、有効面積40000mm2 の220×110mmサイズのパウチを作製した。
このパウチをグローブボックス(窒素)中で封緘し、パウチ内を完全に窒素で置換した。窒素置換したパウチを、40℃、相対湿度90%の条件下で1週間静置した後、穿刺してバリア層5から最下部の熱可塑性樹脂層3に貫通するピンホールを作製し、ピンホールを作製してから24時間後および1週間後に、バリア層5の上から観察されるインジケータ層2の色調を、目視により評価した。
パウチ上に観察された色調は、ピンホールを作製する前の時点では、黒色であった。ピンホールを作製してから24時間経過後には、白〜薄灰色であった。評価結果を表1に示す。
このパウチをグローブボックス(窒素)中で封緘し、パウチ内を完全に窒素で置換した。窒素置換したパウチを、40℃、相対湿度90%の条件下で1週間静置した後、穿刺してバリア層5から最下部の熱可塑性樹脂層3に貫通するピンホールを作製し、ピンホールを作製してから24時間後および1週間後に、バリア層5の上から観察されるインジケータ層2の色調を、目視により評価した。
パウチ上に観察された色調は、ピンホールを作製する前の時点では、黒色であった。ピンホールを作製してから24時間経過後には、白〜薄灰色であった。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
無機化合物(B−1)の代わりに無機化合物(B−3)を用いた以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
インジケータ層2の厚みを200μmとした以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
無機化合物(B−1)の添加量を120質量部とした以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
無機化合物(B−1)の添加量を0.5質量部、分散剤の添加量を0.5質量部にした以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
バリア基材(D−1)の代わりにバリア基材(D−2)を用いた以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
無機化合物(B−1)の代わりに無機化合物(B−3)を用いた以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
インジケータ層2の厚みを200μmとした以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
無機化合物(B−1)の添加量を120質量部とした以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
無機化合物(B−1)の添加量を0.5質量部、分散剤の添加量を0.5質量部にした以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
バリア基材(D−1)の代わりにバリア基材(D−2)を用いた以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
無機化合物(B−1)の代わりに無機化合物(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
無機化合物(B−1)の代わりに無機化合物(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にパウチを作製し、インジケータ機能を評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1〜6のパウチは、密封されたパウチ内に酸素が導入される前は、無機化合物が還元状態の黒色を示し、ピンホールがあき酸素がパウチ内に導入される事で、白〜灰色に色調変化する事が確認された。
特に、実施例1、2、5では、酸素の導入から24時間以内という迅速な色調の変化を得ることができた。このことは、酸化と反応した無機化合物、すなわち白色に変化した無機化合物の、酸素と未反応の黒色の無機化合物に対する存在比が、目視にて色調を判別できるに十分な値になるまでの時間が、より短くてよいためと推測される。
なお、バリア基材として、酸素バリア性の劣る延伸ポリオレフィンフィルムを用いた実施例6では、ピンホールを開ける以前に色調の変化を呈した。このことは、実施例のような促進試験環境では、パウチ外部からの酸素透過が顕著である為と推測され、外部雰囲気中の酸素に対するインジケータとしての機能を発揮した。
一方、格子欠陥率0%の無機化合物(B−2)を用いた比較例1は、表示部8の色調が白色のままであり、酸素インジケータ機能を示さなかった。
特に、実施例1、2、5では、酸素の導入から24時間以内という迅速な色調の変化を得ることができた。このことは、酸化と反応した無機化合物、すなわち白色に変化した無機化合物の、酸素と未反応の黒色の無機化合物に対する存在比が、目視にて色調を判別できるに十分な値になるまでの時間が、より短くてよいためと推測される。
なお、バリア基材として、酸素バリア性の劣る延伸ポリオレフィンフィルムを用いた実施例6では、ピンホールを開ける以前に色調の変化を呈した。このことは、実施例のような促進試験環境では、パウチ外部からの酸素透過が顕著である為と推測され、外部雰囲気中の酸素に対するインジケータとしての機能を発揮した。
一方、格子欠陥率0%の無機化合物(B−2)を用いた比較例1は、表示部8の色調が白色のままであり、酸素インジケータ機能を示さなかった。
<包装体の第二の形態>
[実施例7]
印刷層を保持するバリア基材を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成した。
この積層体は、図3に示すように、中間層に酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物1を含むインジケータ層2を有し、該インジケータ層2の両外側に熱可塑性樹脂層3が設けられている。これらの熱可塑性樹脂層3のうち一方に、印刷層6を保持したバリア層5が、印刷層6を熱可塑性樹脂層3に向け、接着剤層4を介して積層されている。バリア層5に保持された印刷層6においては、一部に印刷を施していない抜き部7が設けられている。この積層体をバリア層5側から観察する場合、抜き部7に相当する面積において、バリア層5、接着剤層4、熱可塑性樹脂層3を通してインジケータ層2の色調を視認可能な表示部8が形成される。
この積層体を用いて、実施例1と同様にパウチを作成した。
なお、パウチは、図2−(a)に示すように、表示部8がヒートシールされず、包装部12上に形成されるように作製した。
得られたパウチにおいて、実施例1と同じ評価法で検討を行った結果、ピンホールの作製前は、図2−(a)に示すように、表示部8において黒色が観察されたのに対し、ピンホールの作製後24時間経過時には、図2−(b)に示すように、表示部8が薄灰色に確認された。すなわち、表示部8において、実施例1と同様の色調変化を容易に確認する事ができた。
[実施例7]
印刷層を保持するバリア基材を用いた以外は、実施例1と同様の方法で積層体を作成した。
この積層体は、図3に示すように、中間層に酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物1を含むインジケータ層2を有し、該インジケータ層2の両外側に熱可塑性樹脂層3が設けられている。これらの熱可塑性樹脂層3のうち一方に、印刷層6を保持したバリア層5が、印刷層6を熱可塑性樹脂層3に向け、接着剤層4を介して積層されている。バリア層5に保持された印刷層6においては、一部に印刷を施していない抜き部7が設けられている。この積層体をバリア層5側から観察する場合、抜き部7に相当する面積において、バリア層5、接着剤層4、熱可塑性樹脂層3を通してインジケータ層2の色調を視認可能な表示部8が形成される。
この積層体を用いて、実施例1と同様にパウチを作成した。
なお、パウチは、図2−(a)に示すように、表示部8がヒートシールされず、包装部12上に形成されるように作製した。
得られたパウチにおいて、実施例1と同じ評価法で検討を行った結果、ピンホールの作製前は、図2−(a)に示すように、表示部8において黒色が観察されたのに対し、ピンホールの作製後24時間経過時には、図2−(b)に示すように、表示部8が薄灰色に確認された。すなわち、表示部8において、実施例1と同様の色調変化を容易に確認する事ができた。
[実施例8]
印刷層を保持するバリア基材を用いた以外は、 実施例1と同様の方法で積層体を作製した。得られた積層体を用いて、印刷の抜き部(バートコート)を、ヒートシールされる部位と、ヒートシールされない部位との双方にまたがるように施した以外は、実施例3と同様にパウチを作製した。
この例のパウチでは、図4−(a)、(b)に示すように、パウチの外縁に形成されたヒートシール部10と、ヒートシールされない包装部12との双方にまたがる位置で、図5に示すように、包装体の一方の面を成す積層体において、印刷層6を保持したバリア層5に、印刷の施されていない抜き部7が設けられている。したがって、図4−(a)、(b)に示すように、パウチの外縁に形成されたヒートシール部10と、ヒートシールされない包装部12との双方にまたがる位置に、表示部8が形成されている。
ここで、表示部8のうち、包装部12に形成された表示部8を半遮蔽部13、ヒートシール部10に形成された表示部8を密閉部14とする。
図5に示すように、密閉部14においては、パウチを作製するために用いた積層体の2組がヒートシールによって互いに接着されており、両側の表層にバリア層5が設けられ、これらのバリア層5の内側に、それぞれ接着層4を介して、熱可塑性樹脂層3、インジケータ層2、熱可塑性樹脂層3がこれらの順に積層されている。このような密閉部14においては、インジケータ層2は、バリア層5によって包装体外部の大気から遮断される。一方、半遮蔽部13は、インジケータ層2は、バリア層5によって包装体外部の大気から遮断されると同時に、包装体の内部空間16側に位置する熱可塑性樹脂層3を介して、該内部空間16と気体を交換できる。
このパウチを用いて、実施例1と同様に評価を行った結果、ピンホールの作製前は、図4−(a)に示すように、表示部8が黒色に観察されたのに対し、ピンホールの作製後24時間経過時には、図4−(b)に示すように、表示部8のうち、半遮蔽部13が薄灰色に確認された。すなわち、半遮蔽部13において、パウチ内部への酸素の導入に伴い、実施例1と同様の色調変化を容易に確認する事ができた。ここで、表示部8のうち、密閉部14は、ピンホールの作製後も黒色のままであった。
したがって、包装体内部への酸素の導入後に、密閉部14の色調と半遮蔽部13の色調とを比較することで、容易に包装体内への酸素の導入状況を確認できた。
印刷層を保持するバリア基材を用いた以外は、 実施例1と同様の方法で積層体を作製した。得られた積層体を用いて、印刷の抜き部(バートコート)を、ヒートシールされる部位と、ヒートシールされない部位との双方にまたがるように施した以外は、実施例3と同様にパウチを作製した。
この例のパウチでは、図4−(a)、(b)に示すように、パウチの外縁に形成されたヒートシール部10と、ヒートシールされない包装部12との双方にまたがる位置で、図5に示すように、包装体の一方の面を成す積層体において、印刷層6を保持したバリア層5に、印刷の施されていない抜き部7が設けられている。したがって、図4−(a)、(b)に示すように、パウチの外縁に形成されたヒートシール部10と、ヒートシールされない包装部12との双方にまたがる位置に、表示部8が形成されている。
ここで、表示部8のうち、包装部12に形成された表示部8を半遮蔽部13、ヒートシール部10に形成された表示部8を密閉部14とする。
図5に示すように、密閉部14においては、パウチを作製するために用いた積層体の2組がヒートシールによって互いに接着されており、両側の表層にバリア層5が設けられ、これらのバリア層5の内側に、それぞれ接着層4を介して、熱可塑性樹脂層3、インジケータ層2、熱可塑性樹脂層3がこれらの順に積層されている。このような密閉部14においては、インジケータ層2は、バリア層5によって包装体外部の大気から遮断される。一方、半遮蔽部13は、インジケータ層2は、バリア層5によって包装体外部の大気から遮断されると同時に、包装体の内部空間16側に位置する熱可塑性樹脂層3を介して、該内部空間16と気体を交換できる。
このパウチを用いて、実施例1と同様に評価を行った結果、ピンホールの作製前は、図4−(a)に示すように、表示部8が黒色に観察されたのに対し、ピンホールの作製後24時間経過時には、図4−(b)に示すように、表示部8のうち、半遮蔽部13が薄灰色に確認された。すなわち、半遮蔽部13において、パウチ内部への酸素の導入に伴い、実施例1と同様の色調変化を容易に確認する事ができた。ここで、表示部8のうち、密閉部14は、ピンホールの作製後も黒色のままであった。
したがって、包装体内部への酸素の導入後に、密閉部14の色調と半遮蔽部13の色調とを比較することで、容易に包装体内への酸素の導入状況を確認できた。
酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物、特に二酸化チタンを用いた本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物に関しては、酸化状態/還元状態で色調変化が顕著である事から、特に良好な酸素インジケータ機能を発揮することが可能である。このような樹脂組成物を用いて成形することにより、容器一体型の酸素インジケータ機能を備えた包装体への展開が可能である。本発明の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物をさらに紙基材と積層させる事で、複合紙容器への展開も可能である。さらには用いる樹脂や成形法を展開する事で多層シート成形品や、多層(延伸)ブロー容器への展開も可能である。
1 酸化状態/還元状態で色調の異なる無機酸化物
2 インジケータ層
5 バリア層
2 インジケータ層
5 バリア層
Claims (13)
- 熱可塑性樹脂と、酸化状態/還元状態で色調が異なる無機酸化物とを含有することを特徴とする酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物。
- 前記無機酸化物の含有量は、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し1〜100質量部であることを特徴とする請求項1に記載の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物。
- 前記無機酸化物は、酸素欠陥を有する無機酸化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物。
- 前記無機酸化物は、酸素欠陥を有する二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化セリウムからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物。
- 酸素欠陥を有する無機酸化物の酸素欠陥の割合が0.01〜25%であることを特徴とする請求項3または4に記載の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、ポリα−オレフィン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分/完全けん化物、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルの部分/完全けん化物、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリアミド、および脂肪族ポリアミドからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物からなることを特徴とするフィルム。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物を含有するインジケータ層を有することを特徴とする積層体。
- 酸素透過度が50cm3 ×25μm(厚さ)/m2 (面積)/24h/(1.01325×105 Pa)(圧力)以下であるバリア層を有することを特徴とする請求項8に記載の積層体。
- 前記バリア層が、熱可塑性樹脂層、金属箔層、および蒸着層からなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項9に記載の積層体。
- 前記バリア層が、前記インジケータ層の片側に設けられることを特徴とする請求項9または10に記載の積層体。
- 請求項11に記載の積層体を用いた包装体であって、
前記バリア層が外側になるように形成され、該包装体の少なくとも一部から、前記インジケータ層が視認可能であることを特徴とする包装体。 - 一部がヒートシールされ、ヒートシールされる部位およびヒートシールされない部位の双方で前記インジケータ層が視認可能であることを特徴とする請求項12に記載の包装体。
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JP2003343208A JP2005105200A (ja) | 2003-10-01 | 2003-10-01 | 酸素インジケータ機能を有する樹脂組成物およびそれを用いた積層体、包装体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007139539A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-07 | Toppan Printing Co Ltd | 酸素検知機能を有するバリア性包装材料及び包装袋 |
JP2008013238A (ja) * | 2006-07-10 | 2008-01-24 | Toppan Printing Co Ltd | 酸素インジケーター |
JP2008096375A (ja) * | 2006-10-16 | 2008-04-24 | Toppan Printing Co Ltd | 酸素インジケーターおよび包装材料 |
CN111394094A (zh) * | 2020-02-18 | 2020-07-10 | 东华大学 | 含CeO2-x的光响应可逆变色体系及其制备方法 |
-
2003
- 2003-10-01 JP JP2003343208A patent/JP2005105200A/ja active Pending
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CN111394094B (zh) * | 2020-02-18 | 2021-06-11 | 东华大学 | 含CeO2-x的光响应可逆变色体系及其制备方法 |
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