JP2005103579A - プレス絞り加工方法及びその金型装置 - Google Patents

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Yoshihiko Sugakawa
義彦 菅川
Kazunari Okuda
一成 奥田
Tetsuo Nakamura
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Abstract

【課題】ポンチの絞り加工降下時に、クッション機構によりブランクをポンチとダイクッションパッドとで適正圧力で挟圧した状態で絞り加工を行うことができ、ブランクの割れ、しわ、絞り傷の発生を抑制することができる。
【解決手段】ブランクWの上面を押圧可能なブランクホルダー2を上下動自在に設け、ブランクホルダーにポンチ挿通穴部3を設け、ブランクを絞り加工可能なポンチ4を上下動作自在に設けてなる上型装置1と、ブランクの底面を載置可能なダイホルダー6を固定的に配置し、絞り加工用穴部7を設けてなる下型装置5との協動によりプレス絞り加工を行うに際し、ポンチと絞り加工用穴部に配置された裏面を載置可能なダイクッションパッド8とで適正圧力で挟圧した状態でプレス絞り加工を設けてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は例えばステンレス流し台の天板やシンク等のプレス絞り加工に用いられるプレス絞り加工方法及びその金型装置に関するものである。
近年、この種の流し台用シンクにあっては、例えば、都市型マンションやキッチンのリフォーム等において、システムキッチンなどの高級流し台を設置する場合、調理スペースを広く確保するため、設置スペースの制約を受けることが多くあり、又、最近では食器洗い乾燥機が天板の下部に組み込まれ、シンク下のキャビネット部分が必然的に狭くなることなどから、シンクの小型化が強く望まれている。
従来、この種のステンレス流し台のシンク等の絞り加工にあっては、材料の絞り性及び張出し性並びに割れ、しわ、絞り傷の発生などの観点から、例えば、図4から図7の如く、シンクWのコーナー半径rの小径化に際し、一回で深絞り加工を行うことが困難であるため、複数回に分けて段階的に絞り加工を行ったり、絞り工程の途中に焼鈍工程を行ったりしている。
特開2001−47142号公報
しかしながら上記従来のプレス絞り加工方法の場合、複数回に亙る絞り加工や焼鈍工程を必要とするため、加工生産性が低下し易いと共に半製品受け渡しのための付随設備も必要となり、それだけ設備コストが高騰すると装置の大きな設置スペースを必要とするという不都合を有している。
本発明はこれらの不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうちで、請求項1記載の発明は、ブランクの上面を押圧可能なブランクホルダーを上下動自在に設け、該ブランクホルダーにポンチ挿通穴部を設け、該ポンチ挿通穴部に該ブランクを絞り加工可能なポンチを上下動作自在に設けてなる上型装置と、該ブランクの底面を載置可能なダイホルダーを固定的に配置し、該ダイホルダーに絞り加工用穴部を設けてなる下型装置との協動によりプレス絞り加工を行うに際し、上記ブランクを上記ポンチと上記絞り加工用穴部に配置された該ブランクの裏面を載置可能なダイクッションパッドとで適正圧力で挟圧した状態でプレス絞り加工をなすことを特徴とするプレス絞り加工方法にある。
又、請求項2記載の発明は、上記プレス絞り加工方法により流し台用のシンクを加工するに際し、該シンクの深さ、該シンクのコーナー半径及びシンクの板厚をそれぞれd、r及びtとしたとき、下記(a)〜(d)の関係式
3<(d/r)<5・・・・・・(a)
150mm≦d≦210mm・・(b)
40mm<r・・・・・・・・・(c)
0.5mm≦t≦1.2mm・・(d)
を満足することを特徴とする流し台用シンクのプレス絞り加工方法にある。
又、請求項3記載の発明は、上記シンクの材質は、JIS G 4305 SUS304であることを特徴とするものである。
又、請求項4記載の発明は、ブランクの上面を押圧可能なブランクホルダーを上下動自在に設け、該ブランクホルダーにポンチ挿通穴部を設け、該ポンチ挿通穴部に該ブランクを絞り加工可能なポンチを上下動作自在に設けてなる上型装置と、該ブランクの底面を載置可能なダイホルダーを固定的に配置し、該ダイホルダーに絞り加工用穴部を設けてなる下型装置とからなり、上記絞り加工用穴部に該ブランクの裏面を載置可能なダイクッションパッドを上下動作自在に配置し、該ポンチの絞り加工降下時に該ブランクを該ポンチと該ダイクッションパッドとで適正圧力で挟圧した状態で該ダイクッションパッドの降下を許容するクッション機構を設けてなることを特徴とするプレス絞り加工金型装置にある。
又、請求項5記載の発明は、上記クッション機構は油圧シリンダ構造からなることを特徴とするものである。
本発明は上述の如く、請求項1又は4記載の発明にあっては、ポンチの絞り加工降下時に、クッション機構によりブランクをポンチとダイクッションパッドとで適正圧力で挟圧した状態で絞り加工を行うことができ、ブランクの割れ、しわ、絞り傷の発生を抑制することができ、例えば、コーナー半径の小さなシンクを焼鈍せずに一回若しくは多くとも二回の絞り加工で絞ることができ、それだけ、加工生産性を高めることができ、半製品受け渡しのための付随設備も必要となり、設備コストの低減及び設置スペースの省スペース化を図ることができる。
又、請求項2記載の発明にあっては、シンクの深さ、シンクのコーナー半径及びシンクの板厚をそれぞれd、r及びtとしたとき、下記(a)〜(d)の関係式
3<(d/r)<5・・・・・・(a)
150mm≦d≦210mm・・(b)
40mm<r・・・・・・・・・(c)
0.5mm≦t≦1.2mm・・(d)
を満足するように形成しているので、小さなコーナー半径のシンクを製作することができ、それだけ、シンクの小型化の要請及びこれに相反するシンクの内容積の確保及び底面積の維持拡大の要望に十分応えることができると共にスクエアー感のある斬新なデザイン感を感得し得るシンクを製作することができ、さらに、これら関係式を満足する限りにおいて、複数回に分けて段階的に絞り加工したり、焼鈍せずに、一回若しくは多くとも二回のプレス絞り加工により製作することができ、それだけ、製作を容易に行うことができて製作コストの低減を図ることができる。
又、請求項3記載の発明にあっては、上記シンクの材質として、JIS G 4305 SUS304を用いることにより、固有の材質の特性から、例えば、矩形、異形と称されるような形態が複雑なシンクを焼鈍せずに一回若しくは多くとも二回のプレス絞り加工により容易に製作することができる。
又、請求項5記載の発明にあっては、上記クッション機構は油圧シリンダ構造からなるので、クッション機構の構造を簡素化することができると共に挟圧力の制御を容易におこなうことができる。
図1乃至図8は本発明の実施の形態例を示し、この場合、流し台のシンクWの絞り加工に適用したもので、1は上型装置であって、図示省略の油圧シリンダ等により上下昇降するスライドに取り付けられ、シンクWとなるブランクWの上面を押圧可能なブランクホルダー2を備えてなり、このブランクホルダー2にポンチ挿入穴部3を形成し、かつ、このポンチ挿入穴部3にブランクWを絞り加工可能なポンチ4を油圧シリンダ等によりブランクホルダー2とは独立して上下動作自在に設けて構成している。
5は下型装置であって、上記ブランクWの底面を載置可能なダイホルダー6を固定的に配置してなり、このダイホルダー6に絞り加工用穴部7を設けて構成している。
8はダイクッションパッド、9はクッション機構であって、この場合、上記絞り加工用穴部7にシンクWとなるブランクの裏面を載置可能なダイクッションパッド8を上下動作自在に配置し、ダイクッションパッド8の下方位置にシリンダ部9a及びピストン部9bからなる油圧シリンダ構造のクッション機構9を配置し、ダイクッションパッド8とピストン9bとの間にクッションピン10を介装し、シリンダ部9aに図示省略の圧力制御部を接続して、ポンチ4の絞り加工降下時にブランクWをポンチ4とダイクッションパッド8とで適正圧力で挟圧した状態でダイクッションパッド8の降下を許容するように構成している。
又、シンクWのブランクの材質としては、一般的な流し台に用いられ、シンクの形態が単純な長方形状のものに用いられるフェライト系のJIS G 4305 SUS430[SUS430SUS430(18%Cr)]やシステムキッチンなどの高級流し台に用いられ、矩形、異形と呼ばれるシンクの形態が複雑な形状をしているものに用いられるオーステナイト系のJIS G 4305 SUS304[SUS430SUS304(18%Cr−8%Ni)]の二種類のステンレス鋼が用いられ、その他、抗菌性や絞り性をよくするためにCuを添加した材質(SUS304J1)なども用いられる。
これらシンクWは、上型装置及び下型装置の協動によりプレス絞り加工により製作され、例えば、縁部W1、槽部W2、接続口部W3及び栓用口部W4が形成される。
そして、この場合、図4乃至図7の如く、シンクの深さ(上面から外底面まで)、シンクのコーナー半径及びシンクの板厚をそれぞれd、r及びtとしたとき、下記(a)〜(d)の関係式
3<(d/r)<5・・・・・・(a)
150mm≦d≦210mm・・(b)
40mm<r・・・・・・・・・(c)
0.5mm≦t≦1.2mm・・(d)
を満足するように形成されている。
すなわち、図8に示す斜線領域内の関係を満足するように製作されている。
ここに、シンク深さdを150mm≦d≦210mmとしているのは、一般的にシンクの深さは、浅いもので150mm、深いものでも210mmであるからであり、又、40mm<rとしたのは、コーナー半径rが40mm以下になると清拭が厄介となるので使用の手入れ性を考慮したものであり、又、0.5mm≦t≦1.2mmとしたのは、板厚が0.5mm以下になると材料強度に問題が起きるおそれがあると共に多くても二回のプレス絞り加工で絞り成形をしようとすると割れの発生が起こり易くなり、1.2mm以上になると、材料の流れの点から深く絞れないことがあるからである。
したがって、上記(b)・(c)・(d)の関係式の条件下において、上記(a)の3<(d/r)<5の関係式を満足する限りにおいて、焼鈍せずに一回若しくは多くとも二回のプレス絞り加工により、シンクWの製作は可能となる。即ち、(d/r)が3以下になるとコーナー半径rが大きくなって所期の目的が達成できず、(d/r)が5以上になると、焼鈍せずに一回若しくは二回でのプレス絞り加工の限界だからである。
この実施の形態例は上記構成であるから、図1の如く、ブランクWは人為的又自動的にダイホルダー6及びクッションパッド8上に給送され、そして、図2の如く、先ず上型装置1のブランクホルダー2が下降し、ブランクWをブランクホルダー2とダイホルダー6及びクッションパッド8とで挟持し、次いで、この挟持状態において、上型装置1のポンチ4が下降し、プレス絞り加工が完了することになり、そして、加工完了後、先ずポンチ4が上昇したのち、ブランクホルダー2が上昇し、この絞り加工された半製品は取り出され、他の打ち抜き金型装置に移送され、図4、図5の如く、所定形状に打ち抜き加工されることになる。
従って、上記ポンチ4の絞り加工降下時に、クッション機構9によりブランクWをポンチ4とダイクッションパッド8とで適正圧力で挟圧した状態で絞り加工を行うことができ、ブランクWの割れ、しわ、絞り傷の発生を抑制することができ、かつ、例えば、コーナー半径rの小さなシンクを焼鈍せずに一回若しくは多くとも二回の絞り加工で絞ることができ、それだけ、加工生産性を高めることができ、半製品受け渡しのための付随設備も必要となり、設備コストの低減及び設置スペースの省スペース化を図ることができる。
又、この場合、これらプレス絞り加工おいて、図4乃至図8の如く、上記シンクの深さ、該シンクのコーナー半径及びシンクの板厚をそれぞれd、r及びtとしたとき、下記(a)〜(d)の関係式
3<(d/r)<5・・・・・・(a)
150mm≦d≦210mm・・(b)
40mm<r・・・・・・・・・(c)
0.5mm≦t≦1.2mm・・(d)
を満足するように形成しているので、小さなコーナー半径rのシンクを製作することができ、それだけ、シンクの小型化の要請及びこれに相反するシンクの内容積の確保及び底面積の維持拡大の要望に十分応えることができると共にスクエアー感のある斬新なデザイン感を感得し得るシンクを製作することができ、さらに、これら関係式を満足する限りにおいて、複数回に分けて段階的に絞り加工したり、焼鈍せずに、一回若しくは多くとも二回のプレス絞り加工により製作することができ、それだけ、製作を容易に行うことができて製作コストの低減を図ることができる。
この際、上記シンクの材質として、JIS G 4305 SUS304を用いることにより、固有の材質の特性から、矩形、異形と称されるような形態が複雑なシンクを焼鈍せずに一回若しくは多くとも二回のプレス絞り加工により容易に製作することができる。
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、上型装置1、ブランクホルダー2、ポンチ4、下型装置5、ダイホルダー6、ダイクッションパッド8及びクッション機構9の構造や形態等は適宜変更して設計される。
以上、所期の目的を充分達成することができる。
本発明の実施の形態例の説明縦断面図である。 本発明の実施の形態例の説明縦断面図である。 本発明の実施の形態例の説明縦断面図である。 本発明の実施の形態例のシンクの平面図である。 本発明の実施の形態例のシンクの斜視図である。 本発明の実施の形態例のシンクの部分縦断面図である。 本発明の実施の形態例のシンクの部分平面図である。 本発明の実施の形態例のシンクの深さ、コーナー半径の関係説明図である。
符号の説明
W シンク(ブランク)
d 深さ
t 板厚
r コーナー半径
1 上型装置
2 ブランクホルダー
3 ポンチ挿入穴部
4 ポンチ
5 下型装置
6 ダイホルダー
7 絞り加工用穴部
8 ダイクッションパッド
9 クッション機構
10 クッションピン

Claims (5)

  1. ブランクの上面を押圧可能なブランクホルダーを上下動自在に設け、該ブランクホルダーにポンチ挿通穴部を設け、該ポンチ挿通穴部に該ブランクを絞り加工可能なポンチを上下動作自在に設けてなる上型装置と、該ブランクの底面を載置可能なダイホルダーを固定的に配置し、該ダイホルダーに絞り加工用穴部を設けてなる下型装置との協動によりプレス絞り加工を行うに際し、上記ブランクを上記ポンチと上記絞り加工用穴部に配置された該ブランクの裏面を載置可能なダイクッションパッドとで適正圧力で挟圧した状態でプレス絞り加工をなすことを特徴とするプレス絞り加工方法。
  2. 請求項1記載のプレス絞り加工方法により流し台用のシンクを加工するに際し、該シンクの深さ、該シンクのコーナー半径及びシンクの板厚をそれぞれd、r及びtとしたとき、下記(a)〜(d)の関係式
    3<(d/r)<5・・・・・・(a)
    150mm≦d≦210mm・・(b)
    40mm<r・・・・・・・・・(c)
    0.5mm≦t≦1.2mm・・(d)
    を満足することを特徴とする流し台用シンクのプレス絞り加工方法。
  3. 上記シンクの材質は、JIS G 4305 SUS304であることを特徴とする請求項1又は2記載のプレス絞り加工方法。
  4. ブランクの上面を押圧可能なブランクホルダーを上下動自在に設け、該ブランクホルダーにポンチ挿通穴部を設け、該ポンチ挿通穴部に該ブランクを絞り加工可能なポンチを上下動作自在に設けてなる上型装置と、該ブランクの底面を載置可能なダイホルダーを固定的に配置し、該ダイホルダーに絞り加工用穴部を設けてなる下型装置とからなり、上記絞り加工用穴部に該ブランクの裏面を載置可能なダイクッションパッドを上下動作自在に配置し、該ポンチの絞り加工降下時に該ブランクを該ポンチと該ダイクッションパッドとで適正圧力で挟圧した状態で該ダイクッションパッドの降下を許容するクッション機構を設けてなることを特徴とするプレス絞り加工金型装置。
  5. 上記クッション機構は油圧シリンダ構造からなることを特徴とする請求項4記載のプレス絞り加工金型装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105121050A (zh) * 2013-04-15 2015-12-02 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 制造高尺寸稳定的轴瓦的方法和制造轴瓦的装置
CN111182979A (zh) * 2017-10-06 2020-05-19 蒂森克虏伯钢铁欧洲股份公司 借助于预成型构件制造成型板材构件的方法和装置
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