JP2005103557A - 内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法 - Google Patents

内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 長尺管を使用しても、加工中に管が破断しにくく、均一に溝を形成することができる内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法を提供する。
【解決手段】 矯正ロール25a乃至25eが、素管1の両側に交互に、即ち、千鳥状に配置されている矯正機により、巻きぐせにより湾曲した素管1の湾曲中心側の面と外側の面とを交互に押圧してその巻きぐせを真直に矯正した後、保持ダイス3に挿入する。次に、保持ダイス3及び保持プラグ2により素管1の形状及び肉厚を均一化した後、転造部7aで第1の溝を形成する。その後、サイジングダイス8aにより素管1を縮径加工し、転造部7bで第2の溝を形成する。そして、サイジングダイス8bにより縮径加工して内面溝付管にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、家庭用及び業務用エアコンディショナ等に使用される空冷式熱交換器に組み込まれる伝熱管として好適なシームレス内面溝付管の製造装置及びこの装置を使用する内面溝付管の製造方法に関し、特に、溝付プラグ及びロール圧延により管の内面に溝を形成する内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法に関する。
内面溝付管は、エアコンディショナ等に使用される空冷式熱交換器に組み込まれる伝熱管として使用されている。内面溝付管には、転造加工により製造されるシームレス内面溝付管及び高周波誘導溶接等により製造される溶接内面溝付管の2種類がある。溶接内面溝付管は、溶製後の鋳塊を一旦板材に成形し、この板材に溝ロールにより溝加工を施し、その後ロールフォーミングにより前記板材を円弧状に丸め、高周波溶接又はTIG(Tungsten Inert Gas)溶接により管に成形することにより製造される。一方、シームレス内面溝付管は、溶製後の鋳塊から直接管を成形し、この管に溝加工を施すことにより製造される。このため、シームレス内面溝付管は、溶接内面溝付管よりも製造に要する工程が少なく、生産性において溶接内面溝付管よりも優れている。また、溶接内面溝付管の製造においては、生産性を向上させるために加工速度を増加すると、溶接品質の安定性が低下すると共に、高電流を加熱コイルに流すことになるため、加熱コイルの寿命が短くなる。更に、電力消費量が大きくなり、製造コストがかえって増大する。
シームレス内面溝付管の製造方法には、ボール転造による製造方法とロール加工による製造方法とがある。先ず、ボール転造による内面溝付管の製造方法(以下、ボール転造法という)を説明する。素材には、光輝焼鈍又はインダクションヒーターによる焼鈍により調質された焼鈍材(O材)からなる素管を使用する。この素管の内部に、外面に溝が形成された溝付プラグを挿入すると共に、前記素管の外面に転接して遊星回転する転造ボールを前記溝付プラグに対応する位置に配置する。転造ボールの遊星回転は磁気浮上式高速モータにより行う。そして、この転造ボールにより前記素管を前記溝付プラグに向けて押圧すると共に、前記素管を引き抜くことにより、溝付プラグは管軸を中心に回転し、前記素管の内面全体に前記溝付プラグの溝が転写され、溝が形成される。
しかしながら、前述のボール転造法には以下に示すような問題点がある。先ず、ボール転造法においては、転造ボールを高速で回転させるために磁気浮上式高速モータを使用する必要がある。この磁気浮上式高速モータは極めて高価な装置であるため、設備コストが高くつくという問題点がある。
また、ボール転造法において、シームレス内面溝付管の生産性を向上させ、製造コストを低減するためには、管の引き抜き速度を速くする必要がある。一方、ボール転造法において、管内面の溝成形性に影響を及ぼす因子の一つに加工ピッチ(1個のボールが1公転する間に進む素管の長さ)がある。この加工ピッチを従来と同程度にして溝成形性を維持しながら引き抜き速度を速くするためには,転造ボールの公転速度を早くする必要がある。しかしながら、通常の磁気浮上式高速モータにおいては、回転速度の上限値は約30,000回転/分である。このため、管の加工ピッチが1回転当たり2mmである場合、引き抜き速度の上限値は約60m/分となる。現有する最高速度の磁気浮上式高速モータにおいても、回転速度は約45,000回転/分が限界であり、従って、引き抜き速度は約90m/分が限界である。このため、ボール転造法においては、管の引き抜き速度をあまり速くすることができず、生産性の向上にも限界がある。
更に、ボール転造法においては、素管として焼鈍材(O材)を使用する必要がある。これは、ボール転造法は、公転する転造ボールにより素管を管径方向に変形させるため、素管が焼鈍材のように軟質な材料によって構成されていないと、素管が十分に変形することができず、溝を形成できないためである。このため、ボール転造法によりシームレス内面溝付管の製造する場合、ボール転造を行う前に素管を焼鈍材により構成する必要があり、製造コストが高くつく。なお、溶接管を使用する場合、焼鈍を行っていない材料(H材)でも溝形成は可能であるが、溝ロールに欠損を生じやすく、かえってコストアップになるため、溝成形性の向上を考慮して、素管を焼鈍材により構成することが好ましい。
このように、ボール転造法によるシームレス内面溝付管の製造は、溶接内面溝付管の製造よりは製造コストを低減できるものの、製造設備に磁気浮上式高速モータを設ける必要があるため設備コストが高くなり、また、管の引き抜き速度を速くすることが困難であり、製造コストの低減には限界がある。
更にまた、ボール転造法においては、管の材料が溝付プラグの外面に刻まれた溝に流れ込みながら管が引き抜かれるため、管の引き抜きに伴い溝付プラグが回転する。この回転により、溝付プラグの管に対する相対的な移動が潤滑に行われる。しかしながら、溝付きプラグの溝のリード角、即ち、溝付プラグの側面における軸方向に平行な直線と溝が延びる方向とのなす角度を0゜(管の引き抜き方向に平行)にすると、溝付プラグが回転しなくなり、管の破断が生じる。このため、ボール転造法においては、管内面に管軸方向に平行な溝を形成することが困難である。
更にまた、溝付プラグの外面に相互に異なるリード角を有する複数個の溝を形成しても、溝付プラグは回転できなくなる。このため、ボール転造法によりリード角が互いに異なる溝付帯を形成することはできない。更にまた、溝付プラグの外面にリード角は等しいがピッチが異なる溝を形成した場合、この溝付プラグは管の引き抜きに伴って回転することはできる。しかしながら、転造ボールが公転する際、この公転に伴って管の材料が管周方向に移動して溝付プラグの溝に流れ込み、管内面に溝を形成するため、公転ボールが溝付プラグにおける溝が密な領域から溝が疎な領域に移動したときに、管の材料の逃げ場がなくなってしまう。この結果、管内面に形成される溝形状が不安定になったり、引き抜き荷重が変動することにより管の破断を生じたりする。
更にまた、転造加工を2回行うことにより、管内面に交差溝及びピッチが異なる溝を形成することが原理的に可能となるが、実際には、2回目の転造加工において溝付プラグに印加される負担が大きくなりすぎ、溝付プラグが欠損しやすくなる。このため、2回の転造加工により管内面に交差溝又はピッチが異なる溝を形成することは、実際上は極めて困難である。
更にまた、ボール転造法においては、管内面を管周方向において複数の領域に分割し、夫々の領域において異なる種類の溝を形成又は一部の領域にのみ溝を形成し、残りの領域には溝を形成しないことは不可能である。このように、ボール転造法においては、管の内面にリード角及びピッチが一定な単純な螺旋溝しか形成できず、管内面に形成できる溝パターンの自由度が極めて小さいという問題点がある。
これらの問題点を解決する手段として、ロール加工によるシームレス内面溝付管の製造方法がある(例えば、特許文献1乃至3参照。)。ロール加工によるシームレス内面溝付管の製造方法(以下、ロール転造法という)を以下に説明する。
図11は従来のロール転造法によるシームレス内面溝付伝熱管の製造装置及び製造方法を示す断面図であり、図12は図11に示す製造装置の転造部を示す拡大断面図であり、図13は図12に示すA−A線による断面図である。図11に示すように、銅又は銅合金(以下、総称して銅という)からなる素管1の内部に、保持プラグ2が挿入されている。保持プラグ2の形状は、管供給側(上流側)の外径が素管1の内径よりやや小さく、管引抜き側(管引き抜き方向下流側)の外径は管供給側の外径よりも小さくなっている。保持プラグ2と整合する位置における素管1の外面には、保持プラグ2と共に素管1を縮径加工する保持ダイス3が配置されている。また、保持プラグ2にはプラグ軸4を介して溝付プラグ15が連結されている。溝付プラグ15の外周面には、素管1の内周面に形成すべき形状の溝が加工されている。溝付プラグ15はプラグ軸4を軸として自在に回転することができる。
また、図12に示すように、溝付プラグ15は、円柱部11と、この円柱部11の両端に形成されたテーパ部12とで構成されている。このテーパ部12は、溝付プラグ15の角に管が接触した際に、管が破断することを防止するために面取りされた部分であり、一般に、円柱部11の側縁とテーパ部12の側縁とがなす角度φは45°程度である。また、溝付プラグ15の軸方向の長さは、5乃至30mm程度であり、円柱部11の側面には溝が形成されている。この溝のリード角β、即ち、円柱11の側面における軸方向に平行な直線と溝が延びる方向とのなす角度は、0乃至10°である。そして、溝付プラグ15の円柱部11においては、溝間がフィンとなっており、溝の深さ、即ち、フィンの高さは0.05乃至0.15mmである。また、溝付プラグ15の軸に直交する断面において、溝底部の曲率半径は0.04乃至0.06mmであり、フィンの頂部の曲率半径は約0.05mmであり、フィン14の山頂角は80乃至120°である。
更に、素管1の外側における溝付プラグ15に整合する位置には、1対の圧延ロール6が素管1の外面に転接するように配設されている。各圧延ロール6は自転することができ、その回転軸の方向は素管1の管軸方向に直交している。なお、溝付プラグ15及び圧延ロール6により転造部17が構成されている。また、転造部17の管引抜き方向下流側には、内面に溝が形成された素管1の外径を所定の寸法に縮径加工するサイジングダイス8が設けられている。
図12に示すように、管引き抜き方向において、圧延ロール6の回転軸は、溝付プラグ15の長手方向中心より管引き抜き方向下流側に位置している。そして、図13に示すように、圧延ロール6の形状はロール中央部の直径がロール両端部の直径よりも小さい鼓形であり、この圧延ロール6の回転軸を含み管引き抜き方向に対して垂直な断面において、側縁の形状が素管1の外面形状に略整合するようになっている。即ち、圧延ロール6の側面の曲率半径は素管1の外面の曲率半径と略等しくなっている。
次に、従来の内面溝付管の製造方法について説明する。図11に示すように、先ず、素管1の内部における保持プラグ2の上流側に抽伸油10を充填する。そして、素管1を保持プラグ2及び保持ダイス3により縮径加工する。次に、この縮径加工された素管1の外面を、この外面に転接して自転する圧延ロール6によって押圧することによって縮径すると共に、溝付プラグ15に向けて押圧する。これにより、素管1の内面に溝付プラグ15の溝が転写される。このとき、溝付プラグ15はプラグ軸4を介して保持プラグ2に連結されており、保持プラグ2は素管1の引抜きによる摩擦力及び保持ダイス3からの抗力により、保持ダイス3と整合する位置に係止しているため、溝付プラグ15も圧延ロール6と整合する位置に停止している。次に、転造部17を通過した内面に溝が形成された素管1は、サイジングダイス8により更に縮径されると共に管軸直交断面の形状が真円形となるように成形され、所定の外径を有する内面溝付管9となる。
このように、ロール転造法においては、転造ボールを使用しないため、転造ボールを回転させるための磁気浮上式高速モータが不要である。このため、設備コストを抑えることができる。また、転造ボールを使用しないため、管の引き抜き速度が転造ボールの公転速度によって決定されることがない。このため、管の引き抜き速度を向上させ、生産性を向上させることができる。
しかしながら、図11乃至13に示す製造装置により内面溝付管9を製造する場合、素管1の内面に形成される溝の形状又は引き抜き速度等の製造条件によっては、圧延ロール6とサイジングダイス8との間又はサイジングダイスの出側において、素管1が破断することがある。そこで、圧延ロールを自由又は引き抜き方向に回転させることで摩擦を低減し、管の破断防止する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭58−86923号公報 (第1−4頁、第1図) 特開平1−99713号公報 (第2−5頁、第1図) 特開平4−302999号公報 (第3−4頁、第1−2図)
しかしながら、前述の特許文献1乃至3に記載の方法では、素管の長尺化が困難であるという問題点がある。内面溝付管に加工する素管1に長尺の直管を使用する場合、素管1はコイル状に巻かれているため、湾曲した状態で保持ダイスに挿入される。このため、保持プラグ2及び保持ダイス3と素管1との接触状態が素管1の円周方向で異なり、素管1に印加される面圧が円周方向で異なるため、素管1の肉厚が変化して均一な溝成形ができないという問題点がある。また、素管1は長手方向で曲がり具合が変化するため、保持ダイス3への侵入角度が変化する。これにより、管の引き抜き荷重が変化するため、管の破断及び管の長手方向における溝形状の変化が生じる。更に、素管1の曲がり具合が変化すると、保持プラグ2より管引き抜き方向上流側において、素管1内に挿入された溝付きプラグ15を保持するプラグ軸10と素管1の内面が接触することがあり、これにより、切り粉が発生したり、溝形状が不均一になったりするが、ひどい場合は管が破断する。
このように、素管が保持ダイスに角度を持って挿入されたり、又は素管の挿入角度が長手方向で変化したりすることは、素管がコイル状に巻かれており、コイル状に巻かれた素管がペイオフから供給される際に常に同じ位置(圧延ラインの中央に対して)から供給されないために生じる。また、素管にH材のような硬い材料を使用すると、素管の湾曲を真っ直ぐに矯正するためには、大きな応力を加えなけらばならず、例えば、保持ダイスの手前に配置されるガイドダイスでは矯正することができない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、長尺管を使用しても、加工中に管が破断しにくく、均一に溝を形成することができる内面溝付管の製造装置及び内面溝付管の製造方法を提供することを目的とする。
本願第1発明に係る内面溝付管の製造装置は、金属管の外面に接触する保持ダイスと、前記金属管の内部に配置され前記保持ダイスに係合されて前記保持ダイスと共に前記金属管を縮径加工する保持プラグと、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグと、前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置され前記金属管の外面に転接して前記金属管を前記溝付プラグに向けて押圧し前記金属管の内面に溝を形成する1対の圧延ロールと、この圧延ロール対よりも前記金属管の引き抜き方向下流側に配置され前記金属管の外面に接触して前記金属管を縮径加工するサイジングダイスと、前記保持ダイスよりも前記金属管の引き抜き方向上流側に配置され前記金属管の巻きぐせを真直に矯正する矯正機と、を有することを特徴とする。
本発明においては、保持ダイスよりも管引き抜き方向上流側に、前記金属管の巻きぐせを真直に矯正する矯正機を設けているため、保持ダイスに金属管が挿入される角度が安定化する。この結果、引き抜き荷重の変化及び金属管とプラグ軸との接触が抑制され、長尺管を使用しても加工中に管が破断しにくく、均一な溝を形成することができる。
前記矯正機は、回転軸が相互に平行で且つ前記金属管の管軸を含む断面において前記金属管の両側に交互に配置されて前記金属管に転接する少なくとも3個の第1の矯正ロールを有し、前記第1の矯正ロールのうち、前記金属管の引き抜き方向に対して最も上流側の初段ロールは、巻きぐせにより湾曲した前記金属管の湾曲中心側の面に転接するように配置されていることが好ましい。これにより、効率的に巻きぐせを矯正することができる。
また、前記矯正機には、更に、前記第1の矯正ロールよりも前記金属管の引き抜き方向上流側に、回転軸が相互に平行で且つ前記金属管の管軸を含む断面において前記金属管の両側に配置されて前記金属管に転接する1対の第2の矯正ロールが設けられていてもよい。更に、前記矯正機には、前記第1の矯正ロールよりも前記金属管の引き抜き方向上流側に配置され前記金属管が挿通する孔が形成されたダイスが設けられていてもよい。更にまた、前記矯正機よりも前記金属管引き抜き方向上流側には、前記金属管表面の汚れを除去する脱脂槽が設けることもできる。
前記溝付プラグ及び前記圧延ロール対からなる転造部及び前記サイジングダイスは、前記金属管の引き抜き方向に沿って複数段配置されていてもよい。これにより、金属管内面に溝をより均一に形成することができる。また、金属管の内面に複数種類の溝を形成することができる。
前記圧延ロール対には、前記圧延ロールより大径で、前記圧延ロールを前記金属管方向に押圧する1対のバックアップロールが転接されていてもよい。これにより、前記圧延ロールが前記金属管を押圧する力が均一化される。
本願第2発明に係る内面溝付管の製造方法は、矯正機により軸方向に引き抜かれる金属管の巻きぐせを真直に矯正にする矯正工程と、前記金属管の管外に配置された保持ダイス及び管内に配置され前記保持ダイスに係合する保持プラグにより前記金属管を縮径加工する工程と、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグ及び前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置された1対の圧延ロールにより前記金属管を前記溝付プラグに押圧して前記金属管の内面に溝を形成する工程と、サイジングダイスにより前記金属管に縮径加工を施す工程と、を有することを特徴とする。
本発明においては、前記矯正機により金属管の巻きぐせを真直に矯正した後、保持ダイスに金属管を挿入するため、保持ダイスに挿入される角度が安定化する。この結果、引き抜き荷重の変化及び素管とプラグ軸との接触を防ぐことができるため、長尺管を使用しても加工中に管が破断しにくく、均一な溝を形成することができる。
本発明によれば、内面溝付管の製造装置における圧延加工機の管引き抜き方向上流側に、素管の湾曲を真っ直ぐに矯正する矯正機を設けることにより、保持ダイスに素管が挿入される角度が安定化するため、引き抜き荷重の変化及び素管とプラグ軸との接触が抑制され、長尺管を使用しても加工中に管が破断しにくく、均一な溝を形成することができる。
以下、本発明の実施形態に係る内面溝付管の製造装置について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の内面溝付管の製造装置を示す側面図である。また、図2は図1に示す矯正機20を示す平面図であり、図3は図1示す保持ダイス以降の工程を示す断面図である。なお、図1乃至3に示す構成要素のうち、図11乃至13に示す従来の装置の構成要素と同じものには同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。図1に示すように、本実施形態の内面溝付管の製造装置は、保持ダイス3の管引き抜き方向上流側に、素管1の巻きぐせを真直に矯正する矯正機20が設けられている。
図2に示すように、本実施形態の矯正機20は、回転軸が相互に平行な5個の第1の矯正ロール25a乃至25eが、素管1の管軸を含む断面において素管1の両側に交互に、即ち、千鳥状に配置されている。この第1の矯正ロール25のうち、素管1の引き抜き方向に対して最も上流側の初段ロール25aは、巻きぐせにより湾曲した素管1の湾曲中心側の面に転接するように配置されている。これらの矯正ロール25の位置は、素管1の管軸方向に調節可能である。図4は矯正ロールの形状を示す断面図である。図4に示すように、矯正ロール25は、ロール中央部27の直径がロール端部28の直径よりも小さい鼓形である。この矯正ロール25の回転軸yを含む断面におけるロール中央部27の曲率半径の2倍の値は、素管1の外径の1.1乃至1.5倍であることが好ましい。ロール中央部27の曲率半径の2倍の値が素管1の外径の1.1倍より小さいと、矯正ロール25と素管1との接触面積が大きくなり、矯正ロール25と素管1との摩擦係数が増加するため、引き抜き加重が増加して破断が生じやすくなる。また、曲率半径の2倍の値が素管1の外径の1.5倍より大きいと、ロール内における素管1の上下方向への自由度が大きくなり、素管1の中心軸がダイスセンターから外れやすくなり、矯正機によって巻きぐせを矯正する効果が低減する。
また、矯正ロール25より引き抜き方向上流側には、回転軸が相互に平行で且つ素管1の管軸を含む断面において素管1の両側に転接する1対の第2の矯正ロール26が配置されている。これら第1の矯正ロール25及び第2の矯正ロール対26は、回転軸が相互に平行でその対向方向が素管1の管軸方向に直交するように配置されている。更に、第1の矯正ロール25及び第2の矯正ロール対26には、回転をしやすくするためにベアリングが使用されており、その回転方式は、駆動式でも、非駆動式でもよい。更にまた、第1の矯正ロール25及び第2の矯正ロール対26の材料としては、鋼、超硬、樹脂等を使用することができるが、ロールが駆動式である場合は鋼及び超硬を使用することが好ましく、非駆動式の場合は樹脂を使用することが好ましい。
本実施形態においては、矯正ロール25が5個設けられている場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、矯正ロール25は3個以上設けられていればよい。また、本実施形態においては、矯正ロール25より引き抜き方向上流側に1対の第2の矯正ロール対26を設けた場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の矯正ロール対26の代わりに素管1が挿通する孔が形成されたダイスを設けてもよく、その両方を設けることがより好ましい。
また、図3に示すように、本実施形態の内面溝付管の製造装置においては、保持プラグ2に、プラグ軸4を介して溝付プラグ5aと、この溝付プラグ5aより小径の溝付プラグ5bとが連結されている。これら溝付プラグ5a及び5bは、相互に回転可能に取り付けられており、その外周面には素管1の内周面に形成すべき形状の溝が加工されている。また、溝付プラグ5a及び5bは、超微粒子超合金により構成されていることが好ましく、例えば、直径が0.5μm以下のタングステンカーバイド(WC)の微粒子を含む超微粒子合金であることがより好ましい。
更に、素管1の外側の溝付プラグ5aに整合する位置には相互に平行な回転軸を有する1対のワークロール(圧延ロール)16aが、溝付プラグ5bに整合する位置には相互に平行な回転軸を有する1対のワークロール16bが、夫々素管1の外面に転接するように配設されている。ワークロール対16a及び16bは、それらの回転軸が延びる方向が素管1の管軸方向に直交し、更にワークロール対16aの対向方向とワークロール対16bの対向方向とが相互に直交する位置(以下、この位置を基本位置という)に配置されている。そして、このワークロール対16a及び16bは駆動式であり、素管1の引き抜き速度よりも高速で自転することができる。
図5は本実施形態の内面溝付管の製造装置に使用されているワークロールの形状を示す断面図である。ワークロール16の外周面には、周方向に沿って延びる凹部22が設けられている。外周面における凹部22以外の領域が最外周面23であり、ワークロール16の外周面は凹部22と最外周面23とから構成されている。このとき、ワークロール16の最大外径mは、ワークロール16接する部分における素管1の外径の2乃至10倍であることが好ましい。ワークロール16の最大外径mが、素管1の外径の2倍より小さいと、強度が低下してロールが破損することがある。一方、最大外径mが素管1の外径の10倍を超えると、ワークロール16と素管1との接触面積が大きくなるため、素管1の引き抜き加重が増加して、破断を生じやすくなる。また、図5に示すワークロール16の回転軸xを含む断面において、凹部22の形状は円弧状であり、この円弧の半径、即ち、凹部22の曲率半径は、溝付プラグ5a及び5bの半径と素管1の肉厚との和に略等しくなっている。このため、ワークロール16は素管1に略均等に線接触する。
更に、凹部22は図5に示す角度θの領域において加工されており、この角度θは、例えば、80乃至140°である。角度θが80°未満の場合、ロールと素管1との接触面積が大きくなるため、引き抜き加重が増加し、破断が生じやすくなる。また、角度θが140°を超えると、ロールと素管1との接触面積が小さくなり、溝形成領域が狭くなるため、所定の伝熱性能が得られない。更にまた、最外周面23と凹部22との境界部は面取り加工が施されており、この境界部の直径、即ち、境界部の曲率半径rの2倍は、素管1のワークロール16a及び16bに接している部分の外径の0.05倍以上であることが好ましい。最外周面23と凹部22との境界部の曲率半径の2倍が素管1の外径の0.05倍未満では、対向するワークロールの間で素管1が挟まれることがある。例えば、転造部7aにおいて素管1がワークロール対16aの間に挟まれた場合、素管1の外面に凸部が形成され、転造部7bにおいて所定の溝を形成することができなくなる。
本実施形態のワークロール16は、超硬又はベアリング鋼から構成されている。前述のベアリング鋼とは、JISG0203乃至4503において規定されている鉄合金であり、高炭素低クロム鋼が代表的鋼種である。また、このベアリング鋼は、一般に、転がり軸受の球、ころ、内輪及び外輪等に使用されており、高速で変動する繰り返し荷重に耐える必要性から高い疲れ強さと耐摩耗性とが要求されるため、通常、鋼の清浄度及び組織の均一性を重視して製造される。
更に、このワークロール16aより大径で、ワークロール16aを素管1方向に押圧する1対のバックアップロール18aが、ワークロール16aに転接するように配置されている。同様に、ワークロール16bより大径で、ワークロール16bを素管1方向に押圧する1対のバックアップロール18bが、ワークロール16bに転接するように配設されている。このように、バックアップロールでワークロールを押圧することにより、素管1に均一に力を加えることができる。前述のワークロール及びバックアップロールは、例えば、超硬又はSUJ−2等のベアリング鋼により構成することができる。なお、溝付プラグ5a、ワークロール対16a及びバックアップロール対18aにより転造部7aが形成され、溝付プラグ5b、ワークロール対16b及びバックアップロール対18bにより転造部7bが形成されている。
そして、1段目の転造部7aと2段目の転造部7bとの間には、素管1を成形するサイジングダイス8aが設けられており、2段目の転造部7bより管引き抜き方向下流側には、内面に溝が形成された素管1の外径を所定の寸法に加工するサイジングダイス8bが設けられている。即ち、この圧延加工機21は、圧延ロールが2段設けられたダンデム圧延方式である。なお、本実施形態の内面溝付管の製造装置における上記以外の構成は、図11乃至13に示す従来の製造装置と同様である。
次に、上述の如く構成された内面溝付管の製造装置の動作、即ち、本実施形態に係る内面溝付管の製造方法について説明する。本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、図1に示すように、先ず、ペイオフ(図示せず)から巻き解かれた素管1を、矯正機20に挿入する。この素管1を形成する材料は、管に加工可能な金属であれば何でもよいが、例えば、伝熱性及び加工性が良好な銅又は銅合金等のH材が使用される。
矯正機20に挿入された素管1は、第2の矯正ロール対26の間を通過して、第1の矯正ロール25aにより、素管1の湾曲中心側の面、即ち、ペイオフに巻回されていた際に内側であった面が押圧される。そして、第1の矯正ロール25bにより外側であった面が押圧され、その後、順次、内側の面と外側の面とが交互に押圧される。これにより、素管1の巻きぐせが真直に矯正される。
その後、素管1を保持ダイス3に挿入して引き抜き方向に引き抜く。このとき、素管1の内部における保持プラグ2より素管1の引き抜き方向上流側には、抽伸油10を充填しておく。これにより、素管1は、保持プラグ2及び保持ダイス3により縮径された後、1段目の転造部7aにおいて溝付プラグ5a及びワークロール対16aにより、縮径されると共に内面に溝が形成される。その際、転造部7aで溝付加工された素管1は、転造部7aに設けられた溝付プラグ5aの回転により多少捻られる。一般に、2段目の転造部7bは、転造部7aで溝が形成されない領域に溝を形成するために設置される。例えば、転造部7aで素管1の上側及び下側の半分に溝加工が行われる場合、素管1に捻れがないのであれば、ワークロール16aの回転軸線と、ワークロール16bの回転軸線は、素管1の引き抜き方向に垂直な断面において、90°の角度をなしていればよい。ところが、実際には、上述のように、転造部7aで溝付加工された素管1は、転造部7bの位置に達したとき、捻れにより溝の形成されていない領域がずれている。そこで、本実施形態の内面溝付管の製造装置においては、転造部7bにおいて転造部7aで溝が形成されていない領域に溝を形成されるように、ワークロール対16a及び16bのうち少なくとも一方のワークロール対の対向方向を、前述の基本位置から角度θだけ変化させる。この角度θは、形成される溝形状及び加工条件等を考慮し、0乃至90°の範囲内で適宜設定することができる。
その後、素管1は、サイジングダイス8aにより管軸直交断面が真円形になるように成形される。次に、転造部7bにおいて、溝付プラグ5b及びワークロール対16bにより、縮径されると共に内面に溝が形成され、更に、サイジングダイス8bにより縮径されると共に成形されて、内面溝付管19になる。このとき、溝付プラグ5a及び5bは、プラグ軸4を介して保持プラグ2に連結されており、この保持プラグ2は素管1の引き抜きによる摩擦力及び保持ダイス3からの抗力により、保持ダイス3と整合する位置に係止されているため、溝付プラグ5a及び5bもワークロール16a及び16bと整合する位置に停止している。
本実施形態におけるワークロール対16a及び16bは駆動式であり、素管1の引き抜き速度よりも高速で自転することができ、その周速度は、例えば、素管1の引き抜き速度の約2倍とすることができる。また、本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、バックアップロールにより圧延荷重を制御する。これにより、ワークロール対16a及び16bの回転軸の変動を抑制することができる。更に、ワークロール対16a及び16bが素管1を押圧する量は、ワークロール対16a及び16bの押付荷重及びロールギャップを調整することにより制御することができる。
本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、保持ダイス3により縮径加工を行う工程の前に、矯正機により素管1の巻きぐせを真直に矯正することにより、保持ダイス3の挿入部に対して垂直に素管1が挿入されるため、保持プラグ2及び保持ダイス3により、転造部7aにて転造加工される前の素管1の肉厚を均一にし、更に長手方向の形状を安定させることができる。その結果、引き抜き荷重の変動を抑制し、管の破断を防止することができる。
また、転造部7aにて素管1の内面に溝を形成する工程の前に、素管1を縮径加工することにより、矯正機により発生した素管1の扁平化が矯正されるため、素管1と溝付プラグ5aとの間のクリアランスを均一化させることができる。この溝付きプラグ5aは、ワークロール16aの直下に保持されているため、安定した圧延が可能になる。この圧延により、素管1の断面形状は上下の長さが左右の長さに比べて短い長円形となるが、サイジングダイス8aを通過することにより再び真円状に成形され、外面が平滑なシームレス内面溝付管を形成することができる。
更に、ワークロール16bにより素管1を押圧することにより、ワークロール16aにより成形された部分とは別の管内面部分に溝を形成することができる。このように転造工程を複数回繰り返すことにより、金属管の内面に複数の異なるパターンの溝付帯を形成することができる。このとき、素管1に第1の溝を形成する工程(転造部7a)と、第2の溝を形成する工程(転造部7b)との間に、サイジングダイス8aにより素管1を縮径加工する工程を設けているため、ワークロール対16aにより押圧されて扁平化した素管1を矯正して、その管軸直交断面の形状を略真円形にする。これにより、第2の溝を形成する工程(転造部7b)において、溝付プラグ5bと素管1との間のクリアランスを最小限に抑えることができる。この結果、第2の溝を形成する工程(転造部7b)において、素管1に噛出部が形成されることを防止することができるため、その後の縮径工程において噛出部に起因する凹部が形成されるこがなく、外面が平滑なシームレス内面溝付管を形成することができる。
本実施形態の内面溝付管の製造方法においては、2個の転造部を有するタンデム圧延方式の装置を使用する場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、転造部が1個のシングル圧延方式の装置を使用することもできる。また、その転造部についても、本実施形態においては、溝付きプラグ、ワークロール及びバックアップロールにより構成されている場合について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図10に示す従来の製造装置のように、バックアップロールを使用せずに、溝付プラグ及びワークロール(圧延ロール)により構成されていてもよい。更に、ペイオフと矯正機20との間に脱脂槽を設けて、素管1の外面に付着している油及び金属粉等を除去することもできる。
以下、本発明の実施例の効果について本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。本発明の実施例として、図1乃至図3に示す内面溝付管の製造装置を使用して、図6に示す形状の内面溝付管を製造した。その際、矯正ロールには樹脂製のロールを使用し、これらのロールの動力は非駆動式とした。保持ダイスはストレート形状とし、潤滑剤は、ダイスには共英油化社製J2BSを使用し、ロールには共英油化社製S6Cを使用した。素管は、引張強さが300N/mm以上であるJISH3300のC1220で規定されているりん脱酸銅のH材を使用し、素管の引き抜き速度は2m/秒とした。
また、本実施例においては、溝付プラグとして、素管1の引き抜き方向下流側になるに従い直径が小さくなるテーパプラグを使用した。図7は本実施例で使用した溝付プラグの形状示す側面図である。図7に示すように、本実施例で使用したテーパプラグは、素管1の引き抜き方向上流側の端部は外側にふくらんだ曲面となっており、テーパプラグの中心軸を含む断面において円弧状となっている。一方、素管1の引き抜き方向下流側の端部は面取り加工が施されている。このテーパプラグは、テーパ角αを2°、リード角βを8°とし、材料にはJISV6相当の超硬を使用した。更に、本実施例においては、サイジングダイスとして、断面が円弧状の超硬製ダイスを使用した。図8は本実施例で使用したサイジングダイスの形状を示す断面図である。なお、本実施例においては、転造部において溝形成をする際に、圧延ロール対16a及び圧延ロール対16bの中心線を結んだ線分が溝付プラグの大径部に一致し、最も深い溝が0.1mmになり、その近傍の底肉厚は0.25mmになるようにワークロールの押し付け量を調節した。
次に、本発明の比較例として、矯正機を使用せずにペイオフから圧延加工機に素管を挿入して内面溝付管を製造した。その際の加工条件は、前述の実施例と同様にした。
上述の実施例及び比較例について、保持ダイス、ワークロール16a及び16bにおける荷重の変化量を測定した。また、実施例及び比較例において製造された内面溝付管を5m毎に20本サンプリングして、溝深さの変化量を測定した。保持ダイス荷重の変化量は、保持ダイスの出側にロードセルを配置し、保持ダイスとダイスケースの間に働く荷重を測定した。ワークロールの押し付け荷重の変化量は、100m加工する間の荷重の最大値と最小値の差をとった。その結果を下記表1に示す。また、図9は横軸に素管長さをとり、縦軸に荷重をとって、実施例における保持ダイス及びワークロールにおける荷重の変化を示すグラフ図である。更に、図10は横軸に素管長さをとり、縦軸に荷重をとって、比較例における保持ダイス及びワークロールにおける荷重の変化を示すグラフ図である。
Figure 2005103557
表1、図9及び図10に示すように、矯正機を設けた本実施例の内面溝付管の製造方法では、保持ダイス及びワークロールにおける荷重が矯正機を設けていない比較例の製造方法より安定した。更に、製造された内面溝付管の溝深さの変化量も、比較例で製造された内面溝付管に比べて少なく、安定した溝成形ができた。
本発明の実施形態の内面溝付管の製造装置を示す側面図である。 本発明の実施形態の内面溝付管の製造装置における矯正機を示す平面図である。 本発明の実施形態の内面溝付管の製造装置における保持ダイス以降の工程を示す断面図である。 本発明の実施形態の内面溝付管の製造装置における矯正ロールの形状を示す断面図である。 本発明の実施形態の内面溝付管の製造装置におけるワークロールの形状を示す断面図である。 本発明の実施例で製造された内面溝付管の溝形状を示す管軸直交断面図である。 本発明の実施例で使用した溝付プラグの形状を示す側面図である。 本発明の実施例で使用したサイジングダイスの形状を示す側面図である。 横軸に素管長さをとり、縦軸に荷重をとって、実施例における保持ダイス及びワークロールにおける荷重の変化を示すグラフ図である。 横軸に素管長さをとり、縦軸に荷重をとって、比較例における保持ダイス及びワークロールにおける荷重の変化を示すグラフ図である。 従来のロール転造法によるシームレス内面溝付管の製造装置及び製造方法を示す断面図である。 図11に示す製造装置の転造部を示す拡大断面図である。 図12に示すA−A線による断面図である。
符号の説明
1;素管
2;保持プラグ
3;保持ダイス
4;プラグ軸
5a、5b、15;溝付プラグ
6;圧延ロール
7a、7b、17;転造部
8、8a、8b;サイジングダイス
9、19;内面溝付管
10;抽伸油
11;円柱部
12;テーパ部
16、16a、16b;ワークロール
18a、18b;バックアップロール
20;矯正機
22;凹部
23;最外周面
27;ロール中央部
28;ロール端部
25、25a、25b、25c、25d、25e;第1の矯正ロール
26;第2の矯正ロール
29;超硬ダイス
30;ダイスケース
m:最大外径
x、y;回転軸

Claims (11)

  1. 金属管の外面に接触する保持ダイスと、前記金属管の内部に配置され前記保持ダイスに係合されて前記保持ダイスと共に前記金属管を縮径加工する保持プラグと、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグと、前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置され前記金属管の外面に転接して前記金属管を前記溝付プラグに向けて押圧し前記金属管の内面に溝を形成する1対の圧延ロールと、この圧延ロール対よりも前記金属管の引き抜き方向下流側に配置され前記金属管の外面に接触して前記金属管を縮径加工するサイジングダイスと、前記保持ダイスよりも前記金属管の引き抜き方向上流側に配置され前記金属管の巻きぐせを真直に矯正する矯正機と、を有することを特徴とする内面溝付管の製造装置。
  2. 前記矯正機は、回転軸が相互に平行で且つ前記金属管の管軸を含む断面において前記金属管の両側に交互に配置されて前記金属管に転接する少なくとも3個の第1の矯正ロールを有し、前記第1の矯正ロールのうち、前記金属管の引き抜き方向に対して最も上流側の初段ロールは、巻きぐせにより湾曲した前記金属管の湾曲中心側の面に転接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内面溝付管の製造装置。
  3. 前記矯正機は、更に、前記第1の矯正ロールよりも前記金属管の引き抜き方向上流側に、回転軸が相互に平行で且つ前記金属管の管軸を含む断面において前記金属管の両側に配置されて前記金属管に転接する1対の第2の矯正ロールを有することを特徴とする請求項2に記載の内面溝付管の製造装置。
  4. 前記矯正機は、更に、前記第1の矯正ロールよりも前記金属管の引き抜き方向上流側に配置され前記金属管が挿通する孔が形成されたダイスを有することを特徴とする請求項2又は3に記載の内面溝付管の製造装置。
  5. 前記矯正機よりも前記金属管引き抜き方向上流側には、前記金属管表面の汚れを除去する脱脂槽が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の内面溝付管の製造装置。
  6. 前記溝付プラグ及び前記圧延ロール対からなる転造部と前記サイジングダイスとが前記金属管の引き抜き方向に沿って複数段配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の内面溝付管の製造装置。
  7. 前記圧延ロール対には、前記圧延ロールより大径で、前記圧延ロールを前記金属管方向に押圧する1対のバックアップロールが転接していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内面溝付管の製造装置。
  8. 矯正機により軸方向に引き抜かれる金属管の巻きぐせを真直に矯正にする矯正工程と、前記金属管の管外に配置された保持ダイス及び管内に配置され前記保持ダイスに係合する保持プラグにより前記金属管を縮径加工する工程と、前記保持プラグのプラグ軸に回転可能に軸支され外面に溝が形成された溝付プラグ及び前記金属管の外面に回転軸が相互に平行で前記金属管の管軸方向に直交するように配置された1対の圧延ロールにより前記金属管を前記溝付プラグに押圧して前記金属管の内面に溝を形成する工程と、サイジングダイスにより前記金属管に縮径加工を施す工程と、を有することを特徴とする内面溝付管の製造方法。
  9. 前記矯正工程は、回転軸が相互に平行で且つ前記金属管の管軸を含む断面において前記金属管の両側に交互に配置されて前記金属管に転接する少なくとも3個の第1の矯正ロールにより、前記金属管の外面を交互に押圧する工程を有し、前記第1の矯正ロールのうち、前記金属管の引き抜き方向に対して最も上流側の初段ロールは、巻きぐせにより湾曲した前記金属管の湾曲中心側の面を押圧することを特徴とする請求項8に記載の内面溝付管の製造方法。
  10. 前記金属管は、脱脂槽により脱脂され、前記金属管表面の汚れが除去された後、前記矯正工程が行われることを特徴とする請求項8又は9に記載の内面溝付管の製造方法。
  11. 前記溝付プラグ及び前記圧延ロール対からなる転造部と前記サイジングダイスとが前記金属管の引き抜き方向に沿って複数段配置され、前記溝を形成する工程及び前記サイジングダイスにより縮径加工を施す工程が複数回行われることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の内面溝付管の製造方法。
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