以下、本発明に係る遊技機を、スロットマシンを例示して添付図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの一例を示した斜視図であり、図2は、スロットマシンの遊技領域を拡大して示す図である。
本実施形態に係るスロットマシン1は、前面に開閉可能なドア(前面扉)2を有する箱体3を備えている。ドア2には、その前面のほぼ中央より上部に、パネル表示部2a、各種の画像を演出として表示する液晶表示装置(第2の演出手段)を構成する液晶表示部2b、及び固定表示部2cが設けられている。ドア2の内部(液晶表示部2b背面)には、3個の変動表示装置(ここでは、機械的に回転する3個の回転リールで構成されている;以下、リールと称する)3L,3C,3Rが回転自在に横一列に配設されており、これら各リールの外周表面には、複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれている。各リールに形成された図柄は、矩形の図柄表示領域21L,21C,21Rを通して視認できるようになっており、各リールは、定速回転(例えば、80回転/分)可能に構成されている。
パネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cの下方には、略水平面の台座部4が形成されている。この台座部4の左側には、押しボタン操作によりクレジットされているメダルを賭けるための最大BETボタン5cが設けられており、その上方位置には、同様に1−BETボタン5a及び2−BETボタン5bが設けられている。また、台座部4の右側には、遊技媒体であるメダルを投入する投入口6が設けられており、その前面部左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pボタン7が設けられている。このC/Pボタンの切り換えにより、正面下部のメダル払出し口8からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部9に溜められる。
前記C/Pボタン7の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、図柄表示領域21L,21C,21R内での図柄の変動を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー(遊技者による操作が可能な遊技開始指令手段)10が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。また、台座部4の前面中央部で、スタートレバー10の右側には、上記した3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン(遊技者による操作によって各リールの変動を停止させる変動表示停止手段)11L,11C,11Rが設けられている。
前記ドア2の上方の左右には、遊技中に遊技の興趣を増大するため、演出用の効果音を発音するスピーカ12L,12R(第1の演出手段)が設けられており、その2台のスピーカ12L,12Rの問には、入賞図柄の組み合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル13が設けられている。また、左右スピーカ12L,12R、及び配当表パネル13の上方には、同様に、遊技中に遊技の興趣を増大するため、幅方向全体に亘って発光装置である演出用のランプ30(第2の演出手段)が設けられており、光報知による演出が行なわれるようになっている。
上記したパネル表示部2aは、特別遊技であるボーナスゲームの遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19等によって構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDから成り、ボーナスゲーム中の遊技情報を表示する。1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17cは、ゲームを行なうために賭けられたメダルの数に応じて点灯するものであり、1−BETランプ17aは、BET数が「1」の場合に点灯し、2−BETランプ17bは、BET数が「2」の場合に点灯し、最大BETランプ17cは、BET数が「3」の場合に点灯する。また、払出表示部18及びクレジット表示部19は、それぞれ7セグメントLEDから構成されており、入賞成立時のメダルの払出枚数及び貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示する。なお、それ以外にも、例えば、遊技動作を表示するランプや、役物作動回数を表示する表示部等、各種のランプが設けられていても良い。
ここで、上記したボーナスゲームについて簡単に説明する。
ボーナスゲームには、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームが所定回数行なえる特別増加入賞役(「ビッグボーナス」と称し、以下「BB」と略記する)と、遊技者に相対的に小さい利益を与える遊技を所定ゲーム行なえる特別入賞役(「レギュラーボーナス」と称し、以下「RB」と略記する)がある。
前記BBの遊技とは、例えば、有効となった入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、「7」「7」「7」のようになったことを開始条件として行われる遊技であり、所定枚数、例えば15枚の遊技メダルが払い出された後、さらに、一般遊技と比較して多くの遊技メダルを獲得できる遊技である。このビッグボーナスの遊技では、一般遊技とほぼ同様の遊技を最大30回まで行なうことができ、このビッグボーナス中の一般遊技では、有効となった入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせに応じて所定枚数のメダルが払い出されると共に、さらに、図柄の組み合わせが特定入賞態様になるとJACゲームに移行することができる(JACIN状態)。
このJACゲームでは、所定枚数、例えば1枚の遊技メダルを投入し、停止表示された図柄の組み合わせが、所定の組み合わせとなった場合に、所定枚数、例えば15枚の遊技メダルが払い出される。このJACゲームは、最大ゲーム回数と最大入賞回数が制限されており、例えば上述したゲームが、最大ゲーム回数である12回行われるか、または、上述した入賞が、最大入賞回数である8回に達するとJACゲームが終了する。このため、JACゲームに移行すると、遊技者にとってメダルの増加スピードも速くなる。
上記RBの遊技とは、例えば、有効となった入賞ライン上に、所定のキャラクタ図柄になったことを開始条件として行われる遊技であり、所定枚数、例えば15枚のメダルが払い出された後、さらに、レギュラーボーナスの遊技を行なうことができる。このレギュラーボーナスは、上述したビッグボーナスと比較して獲得できる利益が少なくなっており、例えば、上述したJACゲームを1回行なうことができるようになっている。
上記した液晶表示部2bは、図柄表示領域21L,21C,21R、これらを囲むようにして設けられた窓枠表示領域22L,22C,22R、及び演出表示領域23を備えており、前記窓枠表示領域22L,22C,22Rは、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示窓の枠を表している。このような液晶表示部2bでは、遊技中に遊技の興趣を増大するため、各種の演出画像が表示される他、遊技者が遊技を有利に進めるために必要な情報の表示等を行なっても良い。
上記した固定表示部2cは、予め定めた画像を表示する領域であり、この固定表示部2cに表示された画像と、演出表示領域23に表示された画像により一つの静止画像又は動画像を表示できるようになっている。
なお、前記液晶表示部2bは、保護ガラス、表示板、液晶パネル、導光板、反射フィルム、蛍光ランプ、及び液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)からなり液晶パネルの端子部に接続されるフレキシブル基板、等を備えた透過型の液晶表示装置31(前面液晶表示装置)で構成されている。
液晶パネルの表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されており、液晶を駆動できない事態が生じても、図柄表示領域21L,21C,21Rを通して、各リール3L,3C,3R上に配置された図柄を視認でき、遊技を継続できるようになっている。そして、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動しない場合には、前記リール3L,3C,3Rの図柄が視認できると共に、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動すると、その部分での表示される画像を視認することが可能となる。
上記した各リール3L,3C,3R上に配置された図柄は、例えば、図3に示すような構成となっている。この図では、各リール3L,3C,3Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には「00」〜「20」のコードナンバーが付され、データテーブルとして、後述するROMに格納されている。また、これらの図柄列は、各リールが回転駆動された際、矢印方向に移動するように回転駆動される。
次に、スロットマシンの遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
上記したように、本実施形態のスロットマシンは、演出効果を高めるための透過型の液晶表示装置を備えており、膨大な画像データに基づいて、液晶表示装置における画像表示を制御すると共に、それに応じて複雑な効果音を発生するための音声データ、及び光の点滅を制御する必要がある。このため、本実施形態では、遊技全体の進行を制御する制御手段を、もっぱら遊技処理動作を制御するための基板(メイン制御基板)上に設けておき、それ以外の処理を制御する制御手段(ランプの駆動制御、液晶表示装置での画像表示制御、スピーカからの音声制御等、各演出を行なう演出制御手段)を、前記メイン制御基板とは分割され、メイン制御基板から各種のコマンドを受けて実行するサブ制御基板上に設けている。
図4は、メイン制御基板の一構成例を示すブロック図である。
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技処理動作を制御する主制御回路81を備えている。この主制御回路81は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ40は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行なうメインCPU(以下、CPU)41と、記憶手段であるプログラムROM(以下、ROM)42及び制御RAM(以下、RAM)43を含む。
CPU41には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路44及び分周器45と、内部抽選手段を構成するサンプリングされる乱数を発生する乱数発生器46及びサンプリング回路47とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ40内で、すなわちCPU41の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成しても良い。その場合、乱数発生器46及びサンプリング回路47は省略可能であり、或いは乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ40のROM42には、スタートレバー10を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、ストップボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、後述するサブ制御基板200の副制御回路82へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、例えば、「スタートコマンド」、「停止出目コマンド」、「ボーナス遊技状態変更指示コマンド」、「入賞役コマンド(当選役決定コマンド)」、「演出指示コマンド」、「デモ表示コマンド」等がある。なお、副制御回路82が主制御回路81ヘコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路81から副制御回路82への一方向で通信が行われる。
主制御回路81には、周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。これらの周辺装置は、マイクロコンピュータ40からの制御信号により動作が制御されるようになっており、主要な周辺装置としては、各種ランプ(例えば、1−BETランプ17a、2−BETランプ17b及び最大BETランプ17c、WINランプ17、遊技メダル投入ランプ24、遊技開始表示ランプ25、遊技動作表示ランプ26等)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、役物作動回数表示部20)と、メダルを収納し、ホッパ駆動回路51の命令により所定枚数のメダルを払い出す遊技価値付与手段としてのホッパ(払い出しのための駆動部を含む)50と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ59L,59C,59Rなどがある。
更に、ステッピングモータ59L,59C,59Rを駆動制御するモータ駆動回路49、ホッパ50を駆動制御するホッパ駆動回路51、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路55、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路58がI/Oポート48を介してCPU41の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU41から出力される駆動指令などの制御信号を受けて各アクチュエータの動作を制御する。また、マイクロコンピュータ40が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ10a、1−BETスイッチ5a´、2−BETスイッチ5b´及び最大BETスイッチ5c´、貯留メダル精算スイッチ14、投入メダルセンサ22S、リール停止信号回路56、リール位置検出回路60、払出完了信号回路61などがある。これらもI/Oポート48を介してCPU41に接続されている。
前記スタートスイッチ10a、1−BETスイッチ5a´、2−BETスイッチ5b´及び最大BETスイッチ5c´は、夫々スタートレバー10、1−BETボタン5a、2−BETボタン5b及び最大BETボタン5cの操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口6に投入されたメダルを検出する。リール停止信号回路56は、各ストップボタン11L,11C,11Rの操作に応じて停止信号を発生する。リール位置検出回路60は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU41へ供給する。払出完了信号回路61は、メダル検出部50Sの計数値(ホッパ50から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払い出し完了を検知するための信号を発生する。
前記乱数発生器46は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路47は、スタートレバー10が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数、及びROM42内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ59L,59C,59Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスの計数値が「0」にクリアされる。これにより、RAM43内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、上述した図柄テーブルがROM42内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバー(図3参照)と、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
さらに、上記したROM42内には、入賞図柄組み合わせテーブルが格納されている。この入賞図柄組み合わせテーブルでは、入賞となる図柄の組み合わせと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組み合わせテーブルは、左のリール3L、中央のリール3C、右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行なうときに参照される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU41は、遊技者がストップボタン11L,11C,11Rを操作したタイミングでリール停止信号回路56から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路49に送る。
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU41は、払い出し指令信号をホッパ駆動回路51に供給してホッパ50から所定個数のメダルの払い出しを行なう。その際、メダル検出部50Sは、ホッパ50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払い出し完了信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパ駆動回路51を介してホッパ50の駆動を停止し、「メダルの払い出し処理」を終了する。
図5は、サブ制御基板の一構成例を示すブロック図である。
サブ制御基板200は、副制御回路82を備えており、副制御回路82は、主制御回路81からの制御指令(コマンド)に基づいて、液晶表示部2bにおける表示制御、スピーカ12L,12Rからの音の出力制御、及びランプ30の点滅制御等、メイン制御基板から送信されるコマンドに基づき、各種の演出制御を行なう。この副制御回路82は、主制御回路81を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成されており、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)83を主たる構成要素とし、液晶表示部2bの表示制御手段としての画像制御回路91(第2の演出手段)、スピーカ12L,12Rにより出音される音を制御する音源IC88及び増幅器としてのパワーアンプ89(第1の演出手段)、並びに、ランプ30の点滅を駆動制御するランプ駆動回路110(第2の演出手段)を備えている。
サブマイクロコンピュータ83は、主制御回路81から送信された制御指令に従って制御動作を行なうサブCPU84と、記憶手段としてのプログラムROM85と、ワークRAM86とを含んでいる。また、副制御回路82は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU84の動作プログラム上で、変動演出を実行するか否かを抽選処理するように構成されている。
サブCPU84の機能として、メイン制御基板100からのコマンドを、INポート87を介して受信する受信機能、メイン制御基板100からのコマンドに基づき、それに対応する各種の演出(画像演出、音演出、ランプ点滅演出)を、プログラムROM85に格納された各種演出テーブルから選択、決定する演出選択機能を備えており、さらに、選択された各演出種別を、OUTポート90を介して画像制御回路91に送信する送信機能、選択された演出種別に基づいて具体的な効果音のシーケンス制御を行なう効果音制御機能、選択された演出種別に基づいて具体的なランプ点灯のシーケンス制御を行なうランプ点灯制御機能を備えている。
すなわち、プログラムROM85は、サブCPU84で実行する制御プログラム、及びメイン制御基板100側から送信されるコマンドに関連した演出画像選択テーブル、効果音選択テーブル、ランプ点滅選択テーブルを格納しており、サブCPU84は、画像制御回路91の画像制御CPU92に対し、各種の演出画像を液晶表示部2bに表示させるコマンド、音源IC88に対し、各種の効果音をスピーカ12L,12Rで発音させるためのコマンド、ランプ駆動回路110に対し、ランプ30を点滅させるためのコマンドを送信する。
上記したワークRAM86は、上記した制御プログラムをサブCPU84で実行するときの一時記億手段としての機能を有する。
前記画像制御回路91は、画像制御CPU92、画像制御ワークRAM93、画像制御プログラムROM94、画像ROM96、ビデオRAM97及び画像制御IC98で構成される。画像制御CPU92は、サブマイクロコンピュータ83で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM94内に格納する画像制御プログラムに従って液晶表示部2bでの表示内容を決定する。
この画像制御プログラムROM94は、液晶表示部2bでの表示に関する画像制御プログラムや、上記したメイン制御基板側から送信されるコマンドに応じた各種演出パターンなど、各種の選択テーブルを格納する。また、画像制御ワークRAM93は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU92で実行するときの一時記億手段として構成され、画像制御IC98は、画像制御CPU92で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示部2bに出力する。また、画像ROM96は液晶表示部2bで表示される各種の画像を形成するためのドットデータを格納し、ビデオRAM97は画像制御IC98で画像を形成するときの一時記億手段として構成される。
前記音源IC88には、各種のサウンドデータが記憶されたサウンドROM112が接続されており、音源IC88は、サブCPU84の制御の下、パワーアンプ89を介してスピーカ12L,12Rから演出音を放音させる。具体的には、サブCPU84は、メイン制御基板100側から送信されるサウンド指示コマンドに従い、音源IC88およびパワーアンプ89を制御し、メダル投入音、スタートレバー操作音、停止ボタン操作音、遊技中における各種の演出音(ボーナスゲーム中の遊技音を含む)をスピーカ12L,12Rから出力させる。なお、特定の音(例えば、リール回転不可音、遊技メダル投入音、遊技メダル払い出し音等の単独音)については、サブCPU84の制御に依存せずに、スピーカ12L,12Rから報音するようにしても良い。
また、サブCPU84には、非遊技状態を監視するための監視用タイマ120が接続されている。この監視用タイマ120は、本実施形態では、サブCPU84が、スタートレバーが操作される際にメイン制御基板側から送信される遊技開始コマンド(スタートコマンド)を受信する毎にサブCPU84によってセットされ、遊技が開始されてからの経過時間を計時する。サブCPU84では、所定条件が成立したことを条件として、上記した各演出手段実行中に、ROM85に格納されているプログラムに従い、サウンド音量調節処理を、割り込み処理として実行する(所定条件、及びサウンド音量調節処理の手順については後述する)。
なお、サブCPU84、ROM85、RAM86、及び監視用タイマ120は、遊技がされていない状態を検出する状態検出手段を構成している。
次に、上記したメイン制御基板100の主制御回路81におけるCPU41の制御動作例について、図6〜図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、遊技開始時の初期化処理が行なわれ(S1)、次に、CPU41は、前回遊技終了時に制御RAM43に記憶されていたデータをクリアする(S2)。続いて、メダルの自動投入の要求があるか否かを判断する(S3)。自動投入の要求がある場合とは、前の遊技において再遊技の入賞が成立した場合である。メダルの自動投入の要求があるときは、投入要求分のメダルを自動投入し(S4)、メダルの自動投入の要求がないときは、メダル投入口及びベットボタンからのメダルの投入を受け付ける(S5)。一般遊技中は最大3枚までのメダルを投入することができ、BBゲームやRBゲーム中のボーナスゲームでは1枚のメダルを投入することができる。
次に、スタートレバー10の操作により、スタートスイッチ10aからのスタート信号入力があったか否かが判断され(S6)、スタートスイッチが「オン」のときは、前遊技から4.1秒経過しているか否かを判断する(S7)。前遊技から4.1秒経過していないときは、ウエイト機能が働いて4.1秒が経過するまで遊技開始待ち時間が消化される(S8)。スタートレバーの操作がこの4.1秒経過前に行なわれると、スピーカ12L,12Rからリール回転不可音が出力され、ウエイト機能が働いたことが遊技者に対して報知される。なお、このスタートレバー10を操作した際、サブ制御基板200のサブCPU84には、スタートコマンドが送信され、ボーナスゲーム中では、サウンド音量調節処理が実行される。
前回遊技から4.1秒を経過すると、次に、乱数発生器46で発生した抽選用の乱数がサンプリング回路47によって抽出される(S9)。具体的には、0〜16383の範囲から乱数を抽出する。続いて、一遊技監視用タイマをセットする(S10)。次に、確率抽選処理を行なう(S11)。この確率抽選処理では、上記S9の処理で抽出された乱数値、及び遊技状態監視処理で判断した現在の遊技状態に対応した確率抽選テーブルに基づいて、内部当選役を決定する。確率抽選テーブルは、各入賞役毎に内部当選となる乱数値が予め定められている。
確率抽選処理が終了すると、次に、リール回転処理が行なわれる(S12)。このリール回転処理では、まず、リール3L,3C,3Rの各回転位置が書き込まれるRAM43の所定領域が、CPU41によってリール回転の開始に際して初期化され、引き続いて各リール3L,3C,3Rがステッピングモータ59L,59C,59Rによって回転駆動される。
次に、CPU41は、ストップボタンが「オン」であるか否かを判断し(S13)、ストップボタンが「オン」のときは、S15の処理に移り、ストップボタンが「オフ」のときは、S14の処理に移る。S14の処理では、自動停止タイマの値が「0」であるか否かを判断し、自動停止タイマの値が「0」のときは、S15の処理に移り、自動停止タイマの値が「0」でないときは、S13の処理に移る。S15の処理では、当選要求(内部当選役のこと)、図柄位置(停止操作時におけるリールの回転位置)、選択されている停止制御テーブルなどから、所定範囲内、例えば4コマの範囲内で滑りコマ数を決定する。
そして、S15の処理で決定された滑りコマ数分、リールを回転させ(S16)、その後、全てのリールが停止したか否かを判断する(S17)。全てのリールが停止していない場合、S13の処理に戻り、全てのリールが停止した場合、CPU41によって入賞検索処理が行なわれる(S18)。この入賞検索処理では、有効化入賞ライン上に実際に揃っている図柄の組み合わせを示す入賞フラグの種類と、確率抽選処理によって決定された内部当選役の種類との一致がとられ、この入賞フラグが正常であるか否かを判断する(S19)。入賞フラグが正常な場合には、メダルのクレジット、又は、実際の払い出し処理が行なわれ(S21)、入賞フラグが正常でない場合には、イリーガルエラーの表示を行ない(S20)、処理を中断する。
入賞フラグが正常の場合、続いて、それに応じたWINランプの点灯処理が行なわれる(S22)。次に、今回のゲームが、BBもしくはRB作動中であるか否を判断する(S23)。BBもしくはRB作動中でない場合は、CPU41による遊技処理は、上記のS2に戻り、次の新たな遊技制御を開始する。また、BBもしくはRB作動中である場合、次にBBもしくはRBの遊技数をCPU41によってチェックする(S24)。
続いて、CPU41によって現在の遊技状態がBB終了時か否かが判定される(S25)。BB終了時であれば、BB終了時のRAMクリア処理がRAM43に対して行なわれ(S26)、CPU41による遊技処理は、上記のS2に戻り、次の新たな遊技制御を開始する。また、上記S25において、BBが終了時でなければ、遊技処理は上記のS2に戻り、次の新たな遊技処理を開始する。
上述したメイン制御基板の処理において、サブ制御基板200のサブCPU84は、メイン制御基板100側から送信される各種コマンドの解析処理を繰り返し行っている。ここで、メイン制御基板100側から送信される各種コマンドの内、遊技開始コマンド(スタートコマンド)が送信された際の処理手順について、図9のフローチャートを参照して説明する。
サブCPU84は、遊技開始コマンドを受信すると、まず、監視用タイマ120をセットし(S51)、このタイマ120に遊技開始タイミングからの経過時間の計時を開始させる。また、このタイマセット処理と共に、サブCPU84は、この監視用タイマ120による計時の一定時間の経過毎、例えば、10秒経過毎に、後述するサウンド音量調節処理を割り込み処理として行なわせるセットをする。
引き続き、サブCPU84は、受信した遊技開始コマンドに基づき、現在の遊技状態がBB作動中であるか、またはRB作動中であるか否かを判別する(S52)。BB作動中またはRB作動中でない場合には、サブCPU84は、その時の遊技状態に応じた画像演出を液晶表示装置31に行なわせると共に、ランプ30に対して点滅演出(光演出)を行なわせる(S55)。一方、BB作動中またはRB作動中である場合、サブCPU84は、スピーカ12L,12Rから出音されている遊技音の音量が最大(MAX)であるか否かを判別する(S53)。遊技音の音量が最大である場合には、S55の処理を行ない、遊技音の音量が最大でない場合、すなわち、前回のゲームで音量が下げられたか、或いは消音された場合には、遊技音の音量を最大に設定してボーナス作動音を出音させる(S54)。
次に、上述したサブCPU84が割り込み処理として行なうサウンド音量調節処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。なお、このサウンド音量調節処理は、BBまたはRBが作動した際に行なわれる割り込み処理であり、以下の所定条件によって処理が成される。
まず、サブCPU84は、現在、スピーカ12L,12Rから遊技音(ボーナス作動音)を出音している最中か否かを判別する(S61)。出音中でない場合には割り込み処理を終了し、また、出音中である場合には、サブCPU84は、次に、監視用タイマ120のカウントを読み込み、今回のゲームの開始タイミングから30秒以上経過しているか否かを判別する(S62)。30秒以上経過していない場合には、サブCPU84は、スピーカ12L,12Rから出音している遊技音の音量を最大(MAX)にセットして出音させて割り込み処理を終了する(S63)。
また、S62で30秒以上経過している場合には、サブCPU84は、次に、今回のゲームの開始タイミングから60秒以上経過しているか否かを判別する(S64)。60秒以上経過していない場合には、サブCPU84は、スピーカ12L,12Rから出音している遊技音の音量を1段階下げて出音させて割り込み処理を終了する。(S65)。
また、S64で60秒以上経過している場合には、サブCPU84は、次に、今回のゲームの開始タイミングから90秒以上経過しているか否かを判別する(S66)。90秒以上経過していない場合には、サブCPU84は、スピーカ12L,12Rから出音している遊技音の音量を更に1段階下げて出音させて割り込み処理を終了する。(S67)。また、S66で90秒以上経過している場合には、サブCPU84は、スピーカ12L,12Rから出音されている遊技音を消音させる(S68)。
この結果、スピーカ12L,12Rから出音されるボーナス遊技中の効果音は、図11(a),(b)のグラフに示すように変化する。同グラフの横軸は時間であり、縦軸は音量を示している。つまり、(a)のグラフに示すように、効果音はボーナスゲームがスタートされる際に出音され始め、ボーナスゲームが行われている最中、継続的に出音される。ここで、例えば、遊技者が遊技台を離れたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をするために遊技を中断すると、遊技が行われないまま時間が経過して行く。
このとき、サブCPU84では、上述したサウンド音量調節割り込み処理が上記の手順に従って行われており、前回の遊技スタート時から30秒経過していない時には、スピーカ12L,12Rから出音される効果音は、S63の処理で(a)のグラフに示すように最大にセットされた状態にある。しかし、前回の遊技スタート時から30秒経過すると、スピーカ12L,12Rから出音される効果音は、S65の処理で(a)のグラフに示すように一段階下げられる。さらに、前回の遊技スタート時から60秒経過すると、スピーカ12L,12Rから出音される効果音はS67の処理で(a)のグラフに示すように更に一段階下げられる。
そして、前回の遊技スタート時から90秒経過すると、スピーカ12L,12Rから出音される効果音はS68の処理で(a)のグラフに示すように消音させられる。90秒経過した後は、(b)のグラフに示すように、次遊技がスタートされるまで消音状態が継続され、再び次遊技がスタートされると、スピーカ12L,12Rから効果音が最大の音量で出音される。
ところで、上述したサウンド音量調節の割り込み処理が行なわれている間、サブCPU84は、演出音以外の演出(液晶表示装置31における画像演出、及びランプ30による光の演出)については、引き続き処理を続行している。すなわち、ボーナスゲームによる効果音は、経過時間に応じて段階的に下げられて行き、最終的に消音させられてしまうものの、それ以外の演出については、引き続き継続された状態にある。従って、ボーナスゲームが成立した場合において、遊技者が所定時間遊技をしないと、その音による演出(耳障りな演出)が控えられるので、周囲に迷惑をかけたり、遊技の邪魔をするようなことが無くなると共に、そのようなボーナス状態は、音以外の演出手段によって周囲に認識させることができるため、その遊技機が空台になっているような印象を与えることも無い。
なお、上記した実施形態では、音以外の演出手段は、上記した割り込み処理が実行されている間も継続して実施させるように構成したが、サブCPU84は、割り込み処理と同期させて、上記した音以外の演出手段(第2の演出手段であり、ここでは、画像演出、及び/又は、光演出)を、それまでの演出とは異なる演出(特定演出)に変更するように制御しても良い。例えば、図12のフローチャートに示すように、第1の演出手段作動中において、30秒経過していないときは、第2の演出手段は、それまでの演出を継続して行ない(S71,S72,S73)、30秒経過して60秒以内であれば、異なる演出パターン1に変更し(S72,S74,S75)、60秒経過して90秒以内であれば、また、異なる演出パターン2に変更し(S74,S76,S77)、90秒を経過した場合であれば、更に異なる演出パターン3に変更する(S76,S78)ようにする。
この場合、変更される演出パターンとしては、画像による演出であれば、例えば、登場キャラクターを変える、表示内容を変更する等すれば良く、光による演出であれば、例えば、点滅パターンを変える、色彩を変える等すれば良い。
このように、効果音の音量変化に伴って、第2の演出手段の演出パターンも段階的に変化させることで、周囲の遊技者に迷惑かけることなく、遊技が中止されてからのおおよその時間を把握させることも可能となり、また、周囲の好奇心を集めることも可能となる。
上述した実施形態の説明においては、BBゲームまたはRBゲームが行われている際、遊技がされていない状態が検出されると、スピーカ12L,12Rから出音されている効果音の音量を段階的に下げ、最終的に消音させる構成としているが、効果音の音量を最小音量まで段階的に下げるだけで消音しない構成にしたり、所定時間経過後、直ちに最小音量まで下げる構成にしても良い。また、段階的に消音させる経過時間の設定については限定されることは無く、上記した実施形態よりも長い時間で設定して消音させても良いし、段階数についても適宜変形することが可能である。
また、上記した実施形態においては、監視用タイマ120等からなる状態検出手段による非遊技状態の検出は、スタートレバー10が操作された遊技開始タイミングを基準に判断したが、メダル投入口6にメダル投入が行われるタイミングを基準とする遊技開始タイミングとしたり、或いは、リール3L,3C,3Rの停止タイミングや、メダル払い出し処理タイミングといった遊技終了タイミングを基準に、非遊技状態の検出を行なうようにしても良い。このように、非遊技状態の検出のための基準は任意のタイミングに設定することが可能である。また、上記した実施形態においては、状態検出手段として、それ専用の監視用タイマ120をサブCPU84に設けたが、図6のフローチャートのS10で使用される1遊技の時間(4.1秒)を計時する1遊技監視用タイマを兼用して用いることも可能である。
また、上記した実施形態においては、音量調整処理を行なう遊技として、ボーナスゲームを例示して説明したが、本発明は、このような遊技に限定されることはない。例えば、アシストタイム(AT)、チャレンジタイム(CT)、シングルボーナスの集中等、特別な遊技状態が成立して、高音量の効果音が報音される各種の遊技について実施するようにしても良い。
また、上記した実施形態におけるメイン制御基板とサブ制御基板との間で行われる制御は、一例を示したに過ぎず、適宜変形することが可能である。例えば、上述した構成では、制御手段をメイン制御基板100とサブ制御基板200とに分け、サブ制御基板200側に状態検出手段を設けたが、このような状態検出手段は、メイン制御基板100側に設けても良い。或いは、メイン制御基板とサブ制御基板とを分けることなく制御全体を1つの制御基板上で行なうようにしても良い。
また、第2の演出手段である画像表示装置の構成、配置個所、及び発光装置(ランプ)の構成、配置個所、光の色彩等については、適宜変更することが可能であり、そこで行なわれる演出の方法についても、適宜変更することが可能である。