JP2005101961A - 無線応答装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型で高精度にセンシングが可能な無線応答装置を提供する。
【解決手段】 この無線応答装置は、一方のアンテナ4Aが質問器から質問信号を無線で受信すると、質問信号がアンテナ4Aに接続された櫛型電極3Aにより弾性表面波に変換され、その弾性表面波は誘電体薄膜2を介して櫛型電極3Bに伝播する。このとき、誘電体薄膜2を伝播する弾性表面波の周波数は、質問信号が有する周波数から誘電体薄膜2の温度に応じてシフトする。他方の櫛型電極3Bに伝播した弾性表面波は、櫛型電極3Bにより応答信号に変換され、その応答信号は、櫛型電極3Bに接続されたアンテナ4Bから無線により質問器に送信される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、質問器との間で無線により信号を送受信する無線応答装置に関し、特に、小型で高精度にセンシングが可能な無線応答装置に関する。
従来、遠隔場所での物理量、化学量等の測定量を検出するためには、測定場所にセンサを配置し、信号線を延設するか、固有のエネルギー供給源を有する無線装置を配置することで、計測を可能としてきた。
しかし、信号線を延設する構造では、移動体や回転体等の内部へのセンサの設置は困難であり、また、血液中の酸素分圧や血圧、体温等の生体の状態の定常的な分析や、大気または水中の化学・生物的汚染の定常的な分析等の微小・過酷な遠隔場所からの定常的計測が必要な場合に困難を生じる。
また、固有のエネルギー源を併設した無線装置を有する構造は、必然的にその容積が大きくなり、センサの設置場所に制約が生じるとともに、エネルギー源の供給が途絶えることによりセンサーとして機能しなくなるという問題が生じる。
この問題を解決するために、弾性表面波素子に送受信のための機能を加え、遠隔場所からの呼びかけあるいは質問に対して、固有のエネルギー源を有さずに外部の情報をセンシングし、応答する無線応答装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
また、弾性表面波素子のセンサとしての性能も、結晶基板を用いた場合、例えば、電位センサとしては、強誘電体等の結晶基板を用いた構造のものが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
USP1067320 特開昭55−46159号公報 特許第3315984号号公報 特開昭57−166563号公報
しかし、特許文献1〜3に記載された従来の無線応答装置によると、変換部に弾性表面波素子を用いているが、例えば、弾性表面波素子にLiNbO3、PZT等の強誘電体結晶基板を用いた場合、アンテナと変換部をワンチップ上に一体化して作ると、アンテナ部の面積が弾性表面波部の面積の10〜1000倍程度となり、非動作部の面積がチップコストを大きく上げてしまうという問題がある。
そこで、変換部のみを強誘電体結晶基板上に形成し、それをカッティッングした後、安価な基板上にアンテナを形成したものの上に実装することで、無線応答装置を形成する方法が通常取られるが、この構造では、例えば、400MHz近辺の周波数ではアンテナは数十cm角と大きくなり、無線応答装置の微小な遠隔場所への設置が困難になるとともに、実装のコストの増大も生じる。
特許文献4に記載された従来の無線応答装置によると、変位を検出すべき膜厚方向の厚さが数百μmと厚いために、検出できうる電圧が数百Vと大きく、実用には大きな問題が生じる。
従って、本発明の目的は、小型で高精度にセンシングが可能な無線応答装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、基板上に、無線により信号を送受信する送受信部と、前記信号と弾性表面波とのエネルギー変換を行う変換部とを有する無線応答装置において、前記基板上に形成され、前記弾性表面波が伝播する誘電体薄膜を備え、前記送受信部および前記変換部は、前記誘電体薄膜上に金属薄膜により一体的に形成されたことを特徴とする無線応答装置を提供する。
本発明の無線応答装置によれば、基板上に誘電体薄膜を形成し、その上に送信部および変換部を金属薄膜により一体的に形成することにより、材料および実装にかかるコストを低減することができる。また、誘電体薄膜上に送受信部のアンテナを形成することにより、誘電体薄膜上でのアンテナの波長短縮効果を利用して、アンテナの大きさを小型化することが可能となり、更にセンサとしての性能が向上するため、これまで実現できなかった遠隔場所での高精度なセンシングが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る無線応答装置を示す。この無線応答装置は、基板1と、基板1上に形成され、弾性表面波が伝播する誘電体薄膜2と、誘電体薄膜2上に形成された、電気信号と弾性表面波とのエネルギー変換を行う変換部としての一対の櫛型電極(IDT:Interdigital Transducer)3A,3Bと、一対の櫛型電極3A,3Bの一端にインピーダンスマッチング部5A,5Bを介して接続された送受信部としての一対のアンテナ4A,4Bと、一対の櫛型電極3A,3Bの他端に接続されたグランド6A,6Bと、基板1の裏面に形成され、グランド6A,6Bに図示しないスルーホールによって接続されたグランド電極7とを備える。
基板1の材料としては、Si,Ge,ダイアモンド等の単体半導体、ガラス、AlAs,AlSb,AlP,GaAs,GaSb,InP,InAs,InSb,AlGaP,AlLnP,AlGaAs,AlInAs,AlAsSb,GaInAs,GaInSb,GaAsSb,InAsSb等のIII−V系の化合物半導体、ZnS,ZnSe,ZnTe,CaSe,CdTe,HgSe,HgTe,CdS等のII−VI系の化合物半導体、導電性もしくは半導電性の単結晶基板として、Nb,La等をドープしたSrTiO3,AlドープZnO,In23,RuO2,BaPbO3,SrRuO3,YBa2Cu27-x,SrVO3,LaNiO3,La0.5Sr0.5CoO3,ZnGa24,CdGa24,Mg2TiO4,MgTi24等の酸化物、またはPd,Pt,Al,Au,Ag等の金属等が挙げられるが、既存の半導体プロセスとの適合性やコストの面から、Si、GaAs、ガラス等の材料を用いることが好ましい。
誘電体薄膜2の材料としては、SiO2,SrTiO3,BaTiO3,BaZrO3,LaAlO3,ZrO2,Y238%−ZrO2,MgO,MgAl24,LiNbO3,LiTaO3,Al23,ZnO等の酸化物、ABO3型のペロブスカイト型として、BaTiO3,PbTiO3,Pb1-xLax(ZryTi1-y1-x/43(xおよびyの値によりPZT、PLT、PLZT),Pb(Mg1/3Nb2/3)O3,KNbO3等の正方晶,斜方晶もしくは擬立方晶系材料、擬イルメナイト構造体としてLiNbO3,LiTaO3等に代表される強誘電体等、またはタングステンブロンズ型として、SrxBa1-xNb26,PbxBa1-xNb26等が挙げられる。この他に、Bi4Ti312、Pb2KNb515、K3Li2Nb515、さらに以上列挙した強誘電体の置換誘導体等から選択される、鉛を含むABO3型のペロブスカイト型酸化物も好適に用いられる。これらの材料のうち、特に、LiNbO3、LiTaO3、ZnO等の材料が弾性表面波の表面速度、結合係数、圧電定数等の点から好ましい。誘電体薄膜2の膜厚は、目的に応じて適宜選択されるが、通常は0.1μmから10μmの間に設定される。
また、この誘電体薄膜2は、櫛型電極3における電気機械結合係数/圧電係数、あるいはアンテナ4の誘電損失等の観点から、エピタキシャルまたは単一配向性を有することが好ましい。また、誘電体薄膜2上にGaAs等のIII−V族半導体あるいはダイヤモンド等の炭素を含有する薄膜を形成してもよい。これにより、弾性表面波の表面速度、結合係数、圧電定数等を向上させることもできる。
櫛型電極3A,3B、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよびグランド6A,6Bは、導電パターンにより一体的に形成される。この導電パターンの材料としては、Ti,Cr,Cu,W,Ni,Ta,Ga,In,Al,Pd,Pt,Au,Ag等の金属、またはTi−Al,Al−Cu,Ti−N,Ni−Cr等の合金を、単層もしくは2層以上の多層構造に積層することが好ましく、金属としてはAu,Ti,W,Al,Cu、及びこれらの合金が特に好ましい。また、この金属層の膜厚は、1nm以上10μm未満とすることが好ましい。
次に、この実施の形態に係る無線応答装置の製造方法の一例について説明する。まず、基板1を準備し、この基板1上に誘電体薄膜2を成膜し、所定の位置にスルーホール用穴を形成する。誘電体薄膜2を基板1上に成膜する方法としては、電子ビーム蒸着、フラッシュ蒸着、イオン・プレーティング、Rf−マグネトロン・スパッタリング、イオン・ビーム・スパッタリング、レーザー・アブレーション、MBE(分子線エピタキシャル)、CVD(気相成長法),プラズマCVD,MOCVD(有機金属気相成長法)等の気相法、ゾルゲル法、及びMOD法等のウエット・プロセスのいずれの方法をも用いることができる。
次に、基板1の誘電体薄膜2表面および裏面に金属膜を成膜する。このとき、スルーホール用穴の表面にも金属膜を成膜して表面と裏面の金属膜を導通させる。金属膜は、電子ビーム蒸着、フラッシュ蒸着、イオン・プレーティング、Rf−マグネトロン・スパッタリング、DC−マグネトロン・スパッタリング、イオン・ビーム・スパッタリング、レーザー・アブレーション、MBE等によって作製することができる。
次に、基板1の表面上に成膜した金属膜から所定の形状の導電パターン、すなわち櫛型電極3、アンテナ4、インピーダンスマッチング部5およびグランド部6を形成する。金属膜から所定の形状の導電パターンを形成する方法としては、金属膜を成膜した後、不要部分をエッチングにより除去するエッチング法と、金属膜を形成しない部分にマスクを形成し、このマスクを用いて金属膜を成膜した後、マスクを除去するリフトオフ法とがある。
エッチング法の場合は、金属膜を成膜した後、薄膜上にフォトレジストあるいは電子線レジストを塗布、露光してマスクを形成し、このマスクを用いてエッチングを行う。エッチング方法としては、HCl,HNO3,HF,H2SO4,H3PO4,C222,NH4F等の水溶液やその混合水溶液によるウエット・エッチング、CCl4,CCl22,CHClFCF3やそれらのO2との混合ガスによるリアクティブ・イオン・エッチング、またはイオンビーム・エッチング等のドライ・エッチング等が好適である。
リフトオフ法の場合は、光導波路上にフォトレジストあるいは電子線レジストを塗布し、ネガパターンを露光してマスクを形成し、このマスクを用いて金属を成膜する。その後、マスク上の堆積物と共にマスクを除去する。金属膜の形成は、上記エッチング法とリフトオフ法のいずれによっても可能であるが、下側に形成される誘電体膜に対する損傷がより少ない点で、リフトオフ法の方が好ましい。
次に、本実施の形態の動作を説明する。一方のアンテナ4Aが質問器から質問信号を無線で受信すると、質問信号がアンテナ4Aに接続された櫛型電極3Aにより弾性表面波に変換され、その弾性表面波は誘電体薄膜2を介して櫛型電極3Bに伝播する。このとき、誘電体薄膜2を伝播する弾性表面波の周波数は、質問信号が有する周波数から誘電体薄膜2の温度に応じてシフトする。他方の櫛型電極3Bに伝播した弾性表面波は、櫛型電極3Bにより応答信号に変換され、その応答信号は、櫛型電極3Bに接続されたアンテナ4Bから無線により質問器に送信される。質問器側では、信号処理により質問信号から応答信号への周波数のシフト量を求め、これに基づいて誘電体薄膜2の温度、すなわち応答無線装置が検出した温度を検知する。
この実施の形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)基板1上に誘電体薄膜2を形成し、櫛型電極3A,3B、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよびグランド6A,6Bを一体的に形成することにより、材料および実装にかかるコストを低減することができる。
(ロ)誘電体薄膜2上にアンテナ4A,4Bを形成することにより、誘電体薄膜2上におけるアンテナ4A,4Bの波長短縮効果を利用して、送受信部のアンテナ4A,4Bの大きさを小型化することが可能となる。例えば、比誘電率が100以上の材料を用いることにより、比誘電率が1程度の基板上に作成したアンテナに比べて1/10程度まで小さくでき、微小な遠隔場所のセンシングが可能となる。
(ハ)弾性表面波を発生する部分を薄膜化することで、センサとしての性能を向上させることが可能となる。例えば、電位センサ等の場合、膜厚が結晶基板の1/100程度の薄膜を用いることで、検出部に加わる電界を大きくして検出可能な電圧を結晶基板の場合の1/100以下に低減することが可能となり、また温度センサ等の場合、熱容量が向上して応答速度が向上する。
(ニ)誘電体薄膜2を複数の誘電体薄膜による多層構造とすることにより、櫛型電極3A,3Bの圧電係数、電気機械結合係数を向上させ、またアンテナ部の誘電損失を低減させることが可能となり、無線応答装置の特性を向上させることができる。
(ホ)誘電体薄膜2をペロブスカイト構造あるいは擬イルメナイト構造を有する圧電性誘電体、あるいは炭素系化合物としたり、誘電体薄膜2上にIII−V族半導体もしくはII−VI族半導体からなる櫛型電極3A,3Bを形成することにより、櫛型電極3A,3Bの圧電係数、電気機械結合係数を向上させ、無線応答装置の特性を向上させることができる。
図2は、本発明の実施例1の無線応答装置を示す。この無線応答装置は、Si基板11上に、バッファ層としてMgO薄膜12a、および誘電体薄膜としてLiNbO3薄膜12bからなる積層誘電体層を形成し、その上部にAlからなる櫛型電極13A,13B、アンテナ14a,14B、インピーダンスマッチング部15A,15Bおよびグランド16A,16Bを形成し、Si基板11の裏面にグランド電極7を形成したものである。
この実施例1の製造方法を説明する。まず、洗浄、エッチング、乾燥を予め行ったSi基板11となるSiウェハ上に、RFスパッタリング法により、RFパワー50W、O2/Arガス流量比が0.05、O2/Ar圧力比が0.005、圧力0.5Pa、基板温度600℃の条件で、化学量論的組成比が酸化マグネシウム密度90%以上のターゲットから高配向のMgO薄膜12aを50nm形成した。更にそのMgO薄膜12a上にRFスパッタリング法により、RFパワー50W、O2/Arガス流量比が0.05、O2/Ar圧力比が0.005、圧力0.5Pa、基板温度600℃の条件で、化学量論的組成比がLiNbO3密度90%以上のターゲットから高配向のLiNbO3薄膜12bを2μm形成した。
次に、薄膜12a,12bを積層したSiウェハ表面に、フォトレジストをスピンコートし、プリベークの後、幅2.5μm、長さ500μm、電極対数50の櫛型電極13A,13Bと約2cm角のアンテナ14A,14B、それらを結ぶインピーダンスマッチング部15A,15B、およびグランド16A,16Bの配線形状に露光した。さらにポストベークを行い、これに続いて現像を行うことにより、テーパ状レジストパターンを形成した。
このレジストパターンを用いて、DC−マグネトロンスパッタリング装置により、Arガス流量が200sccm、圧力0.5Pa、基板温度100℃の条件で、AlにCuを5重量%添加した密度90%以上のターゲットからAl−Cu薄膜をスパッタリング形成した。ここでリフトオフを行い、幅2.5μm、長さ500μm、電極対数50の櫛型13A,13B、約2cm角のアンテナ14A,14B、それらを結ぶインピーダンスマッチング部15A,15Bおよびグランド16A,16BのAl−Cu導電パターンをSiウェハ上に形成した。
このSiウェハから幅約4cm、長さ約2cmの無線応答装置を切り出し、装置内部の直径10cmの円筒可動部品内に設置して、装置内部の温度を計測したところ、0〜100℃の領域にて、温度変化に対応した応答を示し、約400MHzの周波数にて数十cm離れた状態でのモニタリングに成功した。
<比較例1>
図3は、実施例1に対応する比較例1として一般的な無線応答装置を示す。この無線応答装置は、ダイポールアンテナ24A,24Bおよびインピーダンスマッチング部25A,25Bが形成されたガラス基板21上に、LiNbO3結晶基板20a上に一対の櫛型電極23A,23Bを有するチップ20を実装し、一対の櫛型電極23A,23Bの一端とインピーダンスマッチング部25A,25Bとをボンディングワイヤ29A,29Bによって接続したものである。
次に、この比較例1の製造方法を説明する。まず、洗浄、エッチング、乾燥を予め行ったLiNbO3結晶基板20a上に、フォトレジストをスピンコートし、プリベークの後、幅2.5μm、長さ500μm、電極対数50の櫛型電極23A,23Bの形状に露光した。さらにポストベークを行い、これに続いて現像を行うことにより、櫛型電極形状のテーパ状レジストパターンを形成した。
このレジストパターンを用いて、DC−マグネトロンスパッタリング装置により、Arガス流量が200sccm,圧力0.5Pa、基板温度100℃の条件で、AlにCuを5重量%添加した密度90%以上のターゲットからAl−Cu薄膜をスパッタリング形成した。ここでリフトオフを行い、幅2.5μm、長さ500μm、電極対数50のAl−Cuからなる櫛型電極23A,23Bを形成した。
このLiNbO3結晶基板20aから約1mm角のチップ20をダイシングし、そのチップ20を予め約35cmのダイポールアンテナ24A,24Bおよびインピーダンスマッチング部25A,25Bが形成されたガラス基板21上に接着し、櫛型電極23A,23Bとインピーダンスマッチング部25A,25Bとをボンディングワイヤ29A,29Bによって接続した。
この比較例1の無線応答装置の動作を約400MHzにて確認できたが、その大きさが30cm以上あったため、装置の内部、特に実施例1に示すような直径10cmの円筒可動部品内に設置することができなかった。
図4は、本発明の実施例2の無線応答装置を示す。この無線応答装置は、SrTiO3基板31と、SrTiO3基板31上に酸化物導電体としてSrRuO3薄膜32aとその上部に誘電体薄膜としてPZT薄膜32bを形成し、その上部にAlからなる櫛型電極33A,33B、アンテナ34A,34B、インピーダンスマッチング部35A,35Bグランド36A,36Bを形成し、SrTiO3基板31上の櫛型電極33A,33B間に電位測定用電極37を形成したものである。
次に、この実施例2の製造方法を説明する。まず、洗浄、エッチング、乾燥を予め行ったSrTiO3基板31上に、RFスパッタリング法により、RFパワー50W、O2/Arガス流量比が0.1、O2/Ar圧力比が0.15、圧力1.0Pa、基板温度600℃の条件で、化学量論的組成比よりSrが2%過剰なSrRuO3ターゲットから高配向SrRuO3薄膜32aを100nmスパッタリング形成した。更にそのSrRuO3薄膜32a上にRFスパッタリング法により、RFパワー50W、O/Arガス流量比が0.05、O/Ar圧力比が0.005、圧力0.5Pa、基板温度700℃の条件で、化学量論的組成比がPZT密度90%以上のターゲットから高配向PZT薄膜32bを3μmスパッタリング形成した。
誘電体薄膜32a,32bを積層したSrTiO3基板31表面に、フォトレジストをスピンコートし、プリベークの後、幅85.6μm、長さ500μm、電極対数20の櫛型電極33A,33Bと約2cm角のアンテナ34A,34B、それらを結ぶインピーダンスマッチング部35A,35Bおよび電位測定用電極37の形状に露光した。さらにポストベークを行い、これに続いて現像を行うことにより、テーパ状レジストパターンを形成した。
このレジストパターンを用いて、DC−マグネトロンスパッタリング装置により、Arガス流量が200sccm、圧力0.5Pa、基板温度100℃の条件で、AlにCuを5重量%添加した密度90%以上のターゲットからAl−Cu薄膜をスパッタリング形成した。ここでリフトオフを行い、幅85μm、長さ500μm、電極対数20の櫛型電極33A,33B、約2cm角のアンテナ34A,34Bとそれらを結ぶインピーダンスマッチング部35A,35Bおよび電位測定用電極37のAl−Cu導電パターンを形成した。
この約2cm角の無線応答装置をSiウェハから切り出し、装置の中に設置して、装置内部の電位を計測したところ、数Vの分解能を示し、約13MHzの周波数にて数十cm離れた状態での良好なワイヤレス電位モニタリングに成功した。
<比較例2>
図5は、実施例2に対応する比較例2の無線応答装置を示す。この無線応答装置は、ガラス基板41上にダイポールアンテナ44A,44Bおよびインピーダンスマッチング部45A,45Bを形成し、PZT結晶板48の上面に一対の櫛型電極43A,43Bと電位測定用上部電極47Aを形成し、PZT結晶板48の下面に電位測定用下部電極47Bを形成したチップ40をガラス基板41上に実装し、一対の櫛型電極43A,43Bとインピーダンスマッチング部45A,45Bとをボンディングワイヤ49A,49Bによって接続したものである。
次に、この比較例2の製造方法を説明する。まず、洗浄、エッチング、乾燥を予め行ったPZT結晶基板48上に、フォトレジストをスピンコートし、プリベークの後、幅85.6μm、長さ500μm、電極対数20の櫛型電極43A,43Bと電位測定用上部電極47Aの形状に露光した。さらにポストベークを行い、これに続いて現像を行うことにより、櫛型電極形状のテーパ状レジストパターンを形成した。
このレジストパターンを用いて、DC−マグネトロンスパッタリング装置により、Arガス流量が200sccm、圧力0.5Pa、基板温度100℃の条件で、AlにCuを5重量%添加した密度90%以上のターゲットからAl−Cu薄膜をスパッタリング形成した。ここでリフトオフを行い、幅85.6μm、長さ500μm、電極対数20の櫛型電極43A,43Bと電位測定用上部電極47AのAl−Cu導電パターンを形成した。
このPZT結晶基板48の裏面に上述と同様な手段でAl−Cuグランド電極(電位測定用下部電極47B)を形成した後、約1mm角のチップ40をダイシングし、そのチップ40を予め約50cmのダイポールアンテナ44A,44Bとインピーダンスマッチング部45A,45Bを形成したガラス基板41上に接着し、櫛型電極43A,43Bとインピーダンスマッチング部45A,45Bとをボンディングワイヤ49A,49Bによって接続した。
この比較例2の無線応答装置の動作を約13MHzにて確認できたが、膜厚約0.5mmの結晶基板を用いたため、薄膜構造と異なり、膜厚方向に大きな電位が必要となり、分解能が数百V以上と大きく、数V程度の低電位を計測することができなかった。
図6は、本発明の実施例3の無線応答装置を示す。この無線応答装置は、Si基板51上にバッファ層としてSiO2薄膜52a、および誘電体薄膜としてZnO薄膜52bからなる積層誘電体層を形成し、その上部にAlからなる櫛型電極53A,53B、アンテナ54A,54Bおよびインピーダンスマッチング部55A,55Bを形成し、Si基板51の裏面中央に凹部51aを形成するとともにその両側にグランド電極57A,57Bを形成したものである。
次に、この実施例3の製造方法を説明する。まず、洗浄、エッチング、乾燥を予め行ったSi基板51上に、PECVD法により、RFパワー1000W、O2を搬送ガスとしてTEOSを5l/min、圧力0.2Pa、基板温度350℃の条件で、SiO2薄膜52aを100nm形成した。更にそのSiO2薄膜52a上にRFスパッタリング法により、RFパワー50W、O2/Arガス流量比が0.05、O2/Ar圧力比が0.005、圧力0.5Pa、基板温度400℃の条件で、化学量論的組成比が酸化亜鉛密度90%以上のターゲットから高配向ZnO薄膜52bを5μmスパッタリング形成した。
誘電体薄膜52a,52bを積層したSi基板51表面に、フォトレジストをスピンコートし、プリベークの後、幅0.8μm、長さ200μm、電極対数100の櫛型電極53A,53Bと約1cm角のアンテナ54A,54B、それらを結ぶインピーダンスマッチング部55A,55Bおよびグランド56A,56Bの形状に露光した。さらにポストベークを行い、これに続いて現像を行うことにより、テーパ状レジストパターンを形成した。
このレジストパターンを用いて、DC−マグネトロンスパッタリング装置により、Arガス流量が200sccm、圧力0.5Pa、基板温度100℃の条件で、Al密度90%以上のターゲットからAl薄膜をスパッタリング形成した。ここでリフトオフを行い、幅0.8μm、長さ200μm、電極対数100の櫛型電極53A,53Bおよび約1cm角のアンテナ54A,54Bとそれらを結ぶインピーダンスマッチング部55A,55B、およびグランド56A,56Bの形状のAl導電パターンを形成した。次に、このSi基板51の櫛型電極53A,53Bおよびこれらの間の誘電体薄膜52a,52bに対応する裏面の部分を図5のようにエッチングして凹部51aを形成した。
この約2cm角の無線応答装置をSiウェハから切り出し、タイヤの内部に設置し、その圧力を計測したところ、約2.4GHzの周波数の領域にて、圧力変化に対応した応答を示し、数十cm離れた状態でのモニタリングに成功した。
なお、上記実施の形態および上記実施例では、一対の櫛型電極を用いたが、櫛型電極と弾性表面波を反射する反射器との組合せを用いてもよい。また、質問器側の信号処理は、周波数の比較に限らず、検出対象に応じて位相や伝播時間等の比較により行ってもよい。さらに、検出対象は、誘電体薄膜の材質等や構造等を適宜選択することにより、温度、圧力に限らず、湿度、変位等の他の物理量あるいは化学量を検出することができる。
(a)は本発明の実施の形態に係る無線応答装置の平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。 (a)は本発明の実施例1に係る無線応答装置の平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。 (a)は実施例1に対応する比較例1の無線応答装置の平面図、(b)は(a)におけるC−C線断面図である。 (a)は本発明の実施例2に係る無線応答装置の平面図、(b)は(a)におけるD−D線断面図である。 (a)は実施例2に対応する比較例2の無線応答装置の平面図、(b)は(a)におけるE−E線断面図である。 (a)は本発明の実施例3に係る無線応答装置の平面図、(b)は(a)におけるF−F線断面図である。
符号の説明
1 基板
2 誘電体薄膜
3A,3B 櫛型電極
4A,4B アンテナ
5A,5B インピーダンスマッチング部
6A,6B グランド
7 グランド電極
11 Si基板
12a MgO薄膜
12b LiNbO3薄膜
13A,13B 櫛型電極
14a,14B アンテナ
15A,15B インピーダンスマッチング部
16A,16B グランド
20 チップ
20a LiNbO3結晶基板
21 ガラス基板
23A,23B 櫛型電極
24A,24B ダイポールアンテナ
25A,25B インピーダンスマッチング部
29A,29B ボンディングワイヤ
31 SrTiO3基板
32a SrRuO3薄膜
32b PZT薄膜
33A,33B 櫛型電極
34A,34B アンテナ
35A,35B インピーダンスマッチング部
37 電位測定用電極
40 チップ
41 ガラス基板
43A,43B 櫛型電極
44A,44B ダイポールアンテナ
45A,45B インピーダンスマッチング部
47A 電位測定用上部電極
47B 電位測定用下部電極
48 PZT結晶板
49A,49B ボンディングワイヤ
51 Si基板
52a SiO2薄膜
52b ZnO薄膜
53A,53B 櫛型電極
54A,54B アンテナ
55A,55B インピーダンスマッチング部

Claims (7)

  1. 基板上に、無線により信号を送受信する送受信部と、前記信号と弾性表面波とのエネルギ変換を行う変換部とを有する無線応答装置において、
    前記基板上に形成され、前記弾性表面波が伝播する誘電体薄膜を備え、
    前記送受信部および前記変換部は、前記誘電体薄膜上に金属薄膜により一体的に形成されたことを特徴とする無線応答装置。
  2. 前記誘電体薄膜は、複数の誘電体薄膜による多層構造を有することを特徴とする請求項1記載の無線応答装置。
  3. 前記複数の誘電体薄膜は、同一の材料により形成されていることを特徴とする請求項2記載の無線応答装置。
  4. 前記誘電体薄膜は、ペロブスカイト構造あるいは擬イルメナイト構造を有する圧電性誘電体薄膜からなることを特徴とする請求項1記載の無線応答装置。
  5. 前記誘電体薄膜は、炭素系化合物からなることを特徴とする請求項1記載の無線応答装置。
  6. 前記誘電体薄膜は、前記送受信部および前記変換部との間に半導体薄膜を有することを特徴とする請求項1記載の無線応答装置。
  7. 前記半導体薄膜は、III−V族半導体あるいはII−VI族半導体からなることを特徴とする請求項6記載の無線応答装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007232707A (ja) * 2005-04-20 2007-09-13 Nec Tokin Corp 力学量センサ及びその製造方法
JP2011044579A (ja) * 2009-08-21 2011-03-03 Murata Mfg Co Ltd 圧電薄膜素子及びその製造方法

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