JP2005100143A - モータ駆動装置の制御方法及び制御装置 - Google Patents

モータ駆動装置の制御方法及び制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 外界との衝突発生時に安全な位置にモータ駆動装置を停止させる。
【解決手段】 多軸のモータ駆動装置の制御装置は、モータ駆動装置が障害物31と衝突した衝突点32での作業座標系における衝突時の速度ベクトルVcに対して逆向きである逆方向速度ベクトルVr(=−Vc)を実現するために必要な、各軸の退避速度dθ/dtを算出する退避速度器21と、度退避速度dθ/dtに基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出器22を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、溶接ロボットを含む各種ロボットのようなモータが被駆動体を駆動する多軸のモータ駆動装置において、被駆動体と外界との衝突時にモータ駆動装置を安全な位置に停止させるための制御に関する。
ロボットなどのモータ駆動装置の被駆動体が治具などの外界と衝突すると、被駆動体自体や外界が破損する。そのため、被駆動体と外界との衝突を検知し、被駆動体を安全な位置に停止させるための種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、衝突検知時に衝突時の速度と逆方向の速度指令をモータ駆動装置に与えることが記載されている。特許文献2には、衝突検知時に所定量逆方向に移動した位置に被駆動体を停止させることが記載されている。特許文献3には、衝突検知時に逆方向の制動トルク指令をモータ駆動装置に与えることが記載されている。特許文献4には、衝突検知前の位置指令データをもとに衝突検知後の位置データを変更することが記載されている。特許文献5には、衝突を検知した軸は逃動作、他の主軸は停止、手首軸は外力に対して自在に可動とし、所定時間後に全軸を拘束する制御方法が記載されている。さらに、特許文献6には、衝突検知時に外乱を緩和する回転方向にモータ駆動装置を駆動し、逆方向に所定時間制動トルク指令を与えることが記載されている。
上記特許文献1から6に記載された制御は、以下のように大別される。まず、特許文献1、2、及び3に記載のものは、衝突時の速度と逆方向に各軸を駆動する。次に、特許文献4に記載のものは、各軸を衝突前の位置に戻す。また、特許文献5に記載のものは、衝突時に各軸をその場で停止させ、あるいは自在に可動させる。さらに、特許文献6に記載のものは、外乱を緩和する方向に各軸を駆動する。
特許文献1、2、及び3に記載されているように衝突時の速度と逆方向に各軸を駆動した場合、必ずしも衝突を緩和する方向とはならず、安全な位置に停止できるとは限らない。
また、特許文献4に記載されているように衝突前の位置に各軸を戻した場合、モータ駆動装置や周りの環境が衝突によって変化していなければ問題はない。しかし、いずれかの軸が衝突によって駆動不能となったり、治具が衝突によって破損した場合、衝突前の位置に戻ったとしても完全に安全である保障はない。
さらに、特許文献5に記載されているように、各軸をその場で停止あるいは自在に可動とする場合、自在に可動な状態となり得るのはロボットの手首軸などだけで、主軸はその場で停止するしかない。特許文献5に記載の方法では、衝突を検知した軸のみ逃げ動作を行うようにしているが、衝突を検知した軸が実際に衝突した軸である確証はなく、衝突検知した軸の逃げ動作によって、さらなる再衝突を招くおそれがある。また、衝突を検知しなかった軸はその場で停止するが、衝突を検知した軸が逃げ動作を実施しても、他の軸に対する衝突による影響が緩和される保証はなく、停止することによって、衝突による破損を広げる可能性がある。
さらにまた、特許文献6に記載されているように外乱を緩和する方向に駆動した場合、軸単位では外乱を緩和する方向に向かおうとするが、衝突時の外乱の向きに応じて逃げ方向を決定したのでは、ロボットなどの多軸のモータ駆動装置ではかえって衝突を悪化させる可能性がある。
衝突発生時の各軸の停止方向や停止位置には関係ないが、衝突後の被害を低減するための種々の制御も提案されている。例えば、特許文献7には、外乱が閾値以上ならトルクリミットを減少することが記載されている。また、特許文献8には、衝突検知時にゲインを小さくし、トルクを制限することが記載されている。さらに、特許文献9には、衝突時に位置ゲインを小さくすることが記載されている。しかし、これらの制御は衝突時の根本的な安全を確保するものではない。
また、外力に応じたモータ駆動制御に関する提案としては、特許文献10に外乱に応じて力制御指令を位置指令に加算することが記載されている。さらに、特許文献11に外乱に応じたコンプライアンス制御量に対して動作方向を制限しながら位置指令に加算することが記載されている。しかし、これはいずれも衝突時を想定したものではなく、衝突時における外界との接触の影響(接触による拘束や障害物からの反力や摩擦力の影響)や、安全な退避方向は考慮されておらず、衝突時の安全を確保するものではない。
特開平3−3687号公報 特開平6−245561号公報 特開平6−284764号公報 特開平11−245191号公報 特開平11−277483号公報 特開2000−271886号公報 特開平6−292379号公報 特開平10−180663号公報 特開平11−10580号公報 特開平10−156771号公報 特開平11−42575号公報
上記従来の問題に鑑み、本発明は、外界との衝突発生時に安全な位置にモータ駆動装置を停止させることを課題とする。
第1の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御方法において、上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における衝突時の速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルを実現するために必要な、各軸の退避速度又は位置増分を算出し、上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
第1の発明において、衝突時の各軸の速度と符号が逆で大きさが同じである逆方向各軸速度又は位置増分を算出し、上記逆方向各軸速度又は位置増分に全ての軸で同一の正の定数を乗算して、上記各軸の退避速度又は位置増分を算出してもよい。
また、第1の発明において、衝突時の各軸の速度と、上記衝突点の上記作業座標系へのヤコビ行列とから、上記衝突時の速度ベクトルを算出し、上記衝突点の上記作業座標系へのヤコビ行列の逆行列情報と、上記衝突時の速度ベクトルとから上記各軸の退避速度又は位置増分を算出してもよい。
第2の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御方法において、上記モータ駆動装置と外界の衝突検知時の各軸の外乱情報を取得し、上記衝突検知時の各軸の外乱情報に全ての軸で同一の正の定数を乗算して、衝突から退避するための各軸の退避速度又は位置増分を算出し、上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
第2の発明において、上記衝突検知時の各軸の外乱情報と、上記退避速度又は位置増分とのうちの少なくとも一方を、上記モータ駆動装置と外界との衝突点での作業座標系に対する各軸速度のヤコビ行列内で使用される各軸の長さ情報により補正してもよい。
第3の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御方法において、上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における外力ベクトル方向を求め、上記外力ベクトル方向に沿って衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度又は位置増分を算出し、上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
第4の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御方法において、上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルに沿って、衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度又は位置増分を算出し、上記算出された退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、トルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
第5の発明は、多軸のモータ駆動装置が外界と衝突した衝突点を移動させる制御方法において、上記衝突検知時の作業座標系での速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルと、上記衝突検知時の各軸の外乱情報に基づいて求めた上記衝突点での作業座標系での速度ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における外力ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルとのうち、いずれか2つ以上のベクトル方向によって内包されるベクトル方向に、上記衝突点を移動させるために必要な退避各軸速度又は位置増分を算出し、上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
上記衝突点に代えて、各軸のリンク先端点と、最先端の軸に設けられた治具取付用のフランジ面とを含む衝突点として想定される点を使用してもよい。
第6の発明は、衝突を検知するための評価値を算出し、該評価値と閾値の比較により外界との衝突を検知する、多軸のモータ駆動装置の制御方法において、第1の評価値と第1の閾値との比較により、いずれかの軸と外界との衝突が検知されると、上記第1の評価値と上記第1の閾値よりも衝突検知の判断が成立しやすい第2の閾値との比較、上記第1の評価値よりも衝突の検知感度が高い第2の評価量と上記第1の閾値との比較、又は上記第2の評価値と上記第2の閾値との比較に基づいて、上記第1の評価値と第1の閾値との比較により外界との衝突が検知された軸以外に外界と衝突した可能性のある軸を推定し、上記推定の結果に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
第7の発明は、多軸のモータ駆動装置が外界と衝突した衝突点を移動させる制御方法において、衝突時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を求め、固有振動数を含む特定周波数成分を除去して上記衝突時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を補正し、補正後の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
第8の発明は、衝突を検知し、1つ以上の手法により衝突後の退避方向を決定する多軸のモータ駆動装置の制御方法において、上記1つ以上の手法によって決定された退避各軸速度又は位置増分の向きと一致しない向きに対しては、位置制御又は速度制御の比例ゲインを第1の値に設定し、積分ゲインを0相当に設定し、又はトルクの上下限値の範囲を第1の範囲に設定し、上記1つ以上の手法によって決定された全ての退避各軸速度又は位置増分の向きと一致する向きに対しては、上記位置制御又は速度制御の比例ゲインを上記第1の値よりも大きい第2の値に設定し、上記積分ゲインを上記0相当よりも大きい値に設定し、又は上記トルクの上下限値の範囲を第1の範囲よりも大きい第2の範囲に設定する、ことを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法を提供する。
第9の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における衝突時の速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルを実現するために必要な、各軸の退避速度を算出する退避速度算出手段と、上記退避速度で算出された退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段とを備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置を提供する。
第10の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、上記モータ駆動装置の外界との衝突検知時の各軸の外乱情報を算出する外乱情報算出手段と、上記外乱情報算出手段により算出された上記衝突検知時の各軸の外乱情報に全ての軸で同一の正の定数を乗算し、衝突から退避するための各軸の退避速度を算出する退避速度算出手段と、上記退避速度算出手段によって算出された退避速度に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段とを備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置を提供する。
第11の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における外力ベクトル方向を算出する外力ベクトル算出手段と、上記外力ベクトル方向に沿って、衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度を算出する退避速度算出手段と、上記退避速度算出手段によって算出された退避速度に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段とを備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置を提供する。
第12の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルに沿って、衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度又は位置増分を算出する退避速度又は位置増分算出手段と、上記退避速度又は位置増分算出手段によって算出された該退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段とを備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置を提供する。
第13の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、上記モータ駆動装置の外界との衝突を検知する手段と、上記衝突時の作業座標系での速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルと、上記衝突検知時の各軸の外乱情報に基づいて求めた衝突点での作業座標系における速度ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における外力ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルとのうち、いずれか2つ以上のベクトル方向によって内包されるベクトル方向に、上記衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度を算出する、退避速度算出手段と、上記退避速度算出手段によって算出された退避速度に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段とを備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置を提供する。
第14の発明は、衝突を検知するための評価値を算出する手段と、該評価値と閾値の比較により外界との衝突を検知する検知する検知手段とを備える、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、上記検知手段による第1の評価値と第1の閾値との比較により、いずれかの軸と外界との衝突が検知されると、上記第1の評価値と上記第1の閾値よりも衝突検知の判断が成立しやすい第2の閾値との比較、上記第1の評価値よりも衝突の検知感度が高い第2の評価量と上記第1の閾値との比較、又は上記第2の評価値と上記第2の閾値との比較に基づいて、上記第1の評価値と第1の閾値との比較により外界との衝突が検知された軸以外に外界と衝突した可能性のある軸を推定する、推定手段と、上記推定手段による推定結果に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段とを備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置を提供する。
第15の発明は、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、衝突時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を求める手段と、固有振動数を含む特定周波数成分を除去して上記衝突時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を補正する補正手段と、補正手段により補正された各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを算出する指令算出手段とを備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置を提供する。
本発明では、逆方向速度ベクトル、外乱情報、外力ベクトル、又は弾性変位ベクトルに基づいて、衝突時の各軸の位置、速度、又はトルクを制御するので、モータ駆動装置が外界と衝突した際に、衝突を緩和する安全な位置に確実にモータ駆動装置を退避させることができる。
(第1実施形態)
図1は、モータ駆動装置の一例である3リンクのマニピュレータを示し、リンク1〜3と、パラレル駆動型の関節軸S1,S2と、シリアル駆動型の関節軸(以下、単に軸という。)S3とを備える。また、図1においてθ1〜θ3は各軸の関節角度を示す。
この3リンクのマニピュレータにおいて図2に示されるような衝突が発生した場合、マニピュレータと障害物(外界)31との衝突点32における作業座標系での速度は、衝突時の各関節角速度(各軸速度)による衝突点32の速度の合成速度として記述される。
この時、単に各軸速度と逆方向に所定の速度で駆動し(上述の特許文献1参照。)、あるいは単に各軸速度と逆方向に所定量移動した位置に停止した場合(上述の特許文献2参照)を図3示す。全ての軸S1〜S3の移動量は同一としている。この図3から明らかなように、単軸毎の判断により退避するべくとった退避行動によって、結果として得られた衝突点32での合成速度が、障害物方向へ移動することとなってしまい、よりいっそう衝突による被害を悪化させることになる。換言すれば、単軸毎の衝突時の速度の向きによって退避方向を決定しても、安全な方向に退避できるとは限らず、作業座標系において、衝突点32が障害物31から離れる方向に退避することが重要である。
本実施形態は、障害物31から離れる方向への退避の一例として、衝突時における衝突点32の作業座標系での速度ベクトルVcと逆方向の速度ベクトルVr(逆方向速度ベクトル)を各軸速度dθvi/dt(添字iは第i目の軸Siを示す。)によって実現するものである。
逆方向速度ベクトルVrを実現するために必要な各軸速度dθvi/dtは、以下の式(1)で示すように衝突時の各軸速度dθci/dtに、所定の負の係数−Wv(Wvは全軸同じ値)を乗じることで算出できる。
Figure 2005100143
図4は本実施形態のモータ駆動装置の制御装置を示す。コントローラ11は軌道計画12を実現するための指令値としてトルクτをマニピュレータ13に出力し、それに従ってマニピュレータ13のモータ(図示せず)が駆動され。エンコーダ14により検出された各軸の関節角度θiはコントローラ11にフィードバックされる。また、モータ制御装置は、外乱算出器15、評価量算出器16、及び比較器17を備えている。外乱算出器15はコントローラ11から入力されるトルクτ、エンコーダ14から入力される関節角度θiを使用して各軸の外乱diを時々刻々と算出する。評価量算出器16は外乱diを使用して衝突検知のための評価量を算出し、この算出値は比較器17により閾値と比較される。比較器17の比較結果より、衝突評価量が閾値以上であれば、コントローラ11は衝突であると判定し、マニピュレータ13を安全な位置に停止させるための必要な処理を実行する。
衝突時の処理を実行するために、コントローラ1は退避速度算出器21と、指令算出器22とを備える。
退避速度算出器21は、逆方向速度ベクトルVrを実現するために必要な各軸の速度(退避速度)dθvi/dを上記式(1)により算出する。退避速度算出器21は、まず衝突時の各軸の速度dθci/dtに−1を乗じ、速度dθci/dtと符号が逆で大きさが同じである逆方向各軸速度−dθci/dtを算出する。次に、退避速度算出器21は、逆方向各軸速度−dθci/dtに全ての軸で同一の正しい定数Wvを乗じて、各軸の退避速度dθvi/dを算出する。
指令算出器22は、退避速度算出器21が算出した各軸の退避速度dθvi/dに基づいてマニピュレータ13を制御して衝突点を移動させる。この制御は各軸の位置、速度、及びトルクのいずれにより実行してもよい。
図2で示す衝突に対して退避速度算出器21により算出された退避速度dθvi/dtを衝突検知時の退避各軸速度指令値としたときの結果を図5に示す。退避速度dθvi/dtを速度指令として与える退避行動によって、衝突点32での退避時の速度ベクトルは必ず逆方向ベクトルVrとなり、衝突の影響を緩和する方向に退避することができる。この図4では所定の負の定数−Wvとして−1を与えたときの例であるが、上述のようにWvが正ならば、退避時に同様の速度ベクトルを得ることができる。
また、衝突時の各軸の位置θci(iはSi軸の位置を示す)に、位置増分として退避速度dθvi/dtを加算し、以下の式(1)’で算出された各軸の位置ないしは関節角度θviを、衝突検知後の退避各軸位置指令値としても、同様に衝突点を安全な方向に移動させることができる。
Figure 2005100143
ここで注意すべき点は、衝突時の各軸速度と逆向きに所定量移動、あるいは所定速度で移動することは、決して衝突点32の逆方向ベクトルVr方向への移動を保証するものではないということである。上記図5の例から明らかであるが、逆方向ベクトルの方向に移動するためには、向きだけではなく、その移動させる移動量や速度の大きさが重要であり。特許文献1,2に記載のもののように所定量移動するのではなく、向きと大きさを制御することによって初めて逆方向ベクトルVrに沿って衝突点32を移動させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は退避速度算出器21が各軸の退避速度dθvi/dtを算出する方法が第1実施形態と異なる。
退避速度算出器21による各軸の退避速度dθvi/dtの算出方法は、第1実施形態のものに限定されず、衝突点1での衝突時の作業座標系での速度ベクトルVcを算出すれば、逆方向速度ベクトルVrを実現するために必要な各軸の退避速度dθvi/dtの決定方法は多数考えられる。
衝突時の作業座標系での速度ベクトルVcは、衝突点32あるいは衝突点として考えられる点(リンクの先端点など)における、関節座標系から作業座標系へのヤコビ行列Jbと、衝突時の関節角速度(各軸速度)から以下の式(2)により導出することができる(ただしは転置であることを示す)。
Figure 2005100143
衝突時の速度ベクトルVcが与えられれば、例えばJbの擬似逆行列Jb×(Jb×Jb−1を用いて、以下の式(3)から各軸の退避速度dθvi/dtを決定することができる。
Figure 2005100143
図1に示す3リンクのマニピュレータにおいては(ほとんどの垂直多関節ロボットにおいて同様のことがいえる)、先端の姿勢(図ではリンク3の向いている方向)の変化速度を限定しなければ、逆方向速度ベクトルVrを実現するために必要な各軸の退避速度dθvi/dtの組み合わせは無限に存在し、その決定方法も無限に存在する。式(3)よって導出された退避速度dθvi/dtは、無限に存在する組み合わせの中で、[dθv1/dt dθv2/dt dθv3/dt・・・]のユークリッドノルムを最小にするdθvi/dtの組み合わせとなる。
式(3)によって決定された退避速度dθvi/dtを用いて図1のマニピュレータ13を制御した時の結果を図6に示す。この図6から明らかなように、第1実施形態(図5参照)と同様に、衝突点における(合成速度)速度ベクトルが衝突時と逆向きになり、衝突を緩和する方向にマニピュレータ13を退避させることができる。
図3の例では軸S2は衝突時の速度と反対向き(正転方向)に駆動されているが、図5に示すように本実施形態では軸S1の衝突点32で逆方向速度ベクトルVrを実現するために、軸S2が衝突時の速度と同じ向き(逆転方向)に駆動され、本実施形態の制御方法が特許文献1,2などと大きく異なることが分かる。
式(1),(3)式から算出された各軸速度に対して、係数w1,w3を乗算した線形和として退避速度dθvi/dtを与え、以下の式(3)’から得られる退避速度dθvi/dtに基づいて制御しても、作業座標系において逆方向速度ベクトルを実現することができる。ただしw1,w3は正負いずれでもよいが、w1+w3>0を満たすものとする。
Figure 2005100143
(第3実施形態)
第3実施形態も退避速度算出器21が退避速度dθvi/dtを算出する方法が第1実施形態と異なる。
本実施形態では、式(3)ではなく、いずれかの軸Skの速度をvkに固定し、その軸Skを除くヤコビ行列Jbkの逆行列Jbk−1を用いて以下の式(4)により各軸の退避速度によりdθvi/dtを決定する。
Figure 2005100143
速度vkを固定する軸Skは、衝突時の関節角速度が最も遅い軸(図2では軸S1が該当する。)、作用する外乱と速度の向きが同じ軸(図2では軸S2が該当する。)、あるいは衝突時の関節角速度が最も速い軸(図2では軸S3が該当する)などの観点で選ぶことができる。衝突時の関節角速度が最も遅い軸は、衝突時の速度が遅い場合には衝突に関する寄与が少ないと推定することができる。また、作用する外乱と速度の向きが同じ軸は衝突に関する寄与が少ないと推定することができる。さらに、衝突時の関節角速度が最も速い軸は退避時の速度変化が最も大きいと推定することができる。
図2に示す衝突が発生した場合に軸Skとして軸S3を選び、v3=0として式(4)から算出した各軸の退避速度dθv/dtに基づいてマニピュレータ13を退避させた例を図7に示す。この図7から明らかなように、第1実施形態(図5参照)と同様に、衝突点における(合成速度)速度ベクトルが衝突時と逆向きになり、衝突を緩和する方向にマニピュレータ13を退避させることができる。また、軸S3の速度v3を0とすることにより、衝突前後での軸S3における速度の変化が、第1実施形態(図5参照)や第2実施形態(図6参照)に比べて小さくなる。速度変化が小さい程制御による応答遅れが短くなり、速度変化が大きい程トルクの飽和などによって実際の速度が指令値に近付く時間が長くなるので、より素早く衝突後の退避行動をとることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態は、退避速度算出器21が外乱情報に基づいて各軸の退避速度を算出する点が第1から第3実施形態と異なる。
図2の衝突において、図8に示すように障害物31からの反力と摩擦力が外力としてマニピュレータ13に作用した場合、外力によって各軸に作用する外乱モーメントdi(以降、外乱と呼ぶ)が発生する。図9は各軸毎に外乱diを緩和する方向にマニピュレータ13を所定速度で駆動した場合(特許文献6参照)を示す。この図9の例では衝突点32は障害物31から離れる方向に退避することができる。しかし、図10に示すような2リンクのマニピュレータ13に対して、衝突時に外力として反力と摩擦力が作用する場合、外乱diを緩和する方向に所定速度で駆動しても、図11に示すように衝突点32で合成速度は障害物31に向かう。このように各軸の外乱diを緩和する方向にマニピュレータを駆動する退避行動では、衝突による被害を悪化させる場合がある。
本実施形態では退避速度算出器21に外乱算出器15から外乱diが入力される。退避速度算出器21は、以下の式(5)に示すように、衝突時の各軸外乱情報diに所定の正の係数Wd(Wdは全軸同じ値)を乗算して、各軸の退避速度dθdi/diを算出する。
Figure 2005100143
図12は図8に示す衝突において、式(5)により算出された各軸の退避速度dθdi/dtでマニピュレータ13を駆動した結果を示す。同様に、図13は図10に示す衝突において、式(5)により算出された各軸の退避速度dθdi/dtでマニピュレータ13を駆動した結果を示す。正の係数Wdとして1を使用した。これら図12及び図13から明らかなように、式(5)により算出したdθdi/dtを速度指令として与える退避行動によって、図8及び図10に示す衝突においても、衝突を緩和する方向にマニピュレータ13を退避させることができる。
なお、図12及び図13では、上述のように式(5)の正の係数Wdとして1を与えているが、係数Wdが正であれば同様に退避時の速度ベクトルを得ることができる。
また、衝突時の各軸の位置θciに、位置増分としてdθdi/dtを加算し、以下の式(5)’で算出されたθdiを衝突検知後の退避各軸位置指令値として与えてもよい。
Figure 2005100143
(第5実施形態)
図14は、図9と同様に2リンクであるがリンク2が短いショートアーム2リンクマニピュレータ13が障害物31と衝突した状態を示す。障害物31と衝突しているのは短いリンク2であり、外力として反力と摩擦力が作用している。この時、リンク2が短くなっているため、リンク2のリンク長に比例して、以下の2種類の影響がある。まず、軸S2に作用する外乱が小さい(影響1)。また、軸S2による衝突点32(リンク2の先端)の速度が小さい(影響2)。
図15は、図14に示す衝突において第4実施形態の式(5)で与えられる各軸の退避速度dθdi/dtでマニピュレータ13を駆動した結果を示す。この図15と図13を比較すれば明らかなように、上記リンク長に比例した2種類の影響により、軸S2による衝突点32の速度がリンク2のリンク長の自乗に比例して小さくなっている。そして、軸S2による衝突点32の速度が小さくなったことで、退避時の速度ベクトルが障害物31の方向へ向いている。
本実施形態では、退避速度算出器21は、上記2種類の影響を考慮して各軸の退避速度を算出する。
まず、図14に示す衝突における影響1に対する対策としては、以下の式(6)に示すように、衝突時の各軸の外乱diを各軸のリンク長Liで除算して補正する。
Figure 2005100143
この式(6)により算出された各軸の外乱diに対して、以下の式(7)に示すように第4実施形態と同様に所定の正の係数W(Wは全軸同じ値)を乗算する。
Figure 2005100143
さらに、影響2に対する対策として、式(7)により得られた各軸の速度dθi/dtを、以下の式(8)に示すようにさらにLiで除算し、得られたdθLLi/dtを、衝突検知時の各軸の退避速度とする。
Figure 2005100143
図16は、図14に示す衝突において式(6)〜(8)によって算出された退避速度dθLLi/dtを用いてマニピュレータ13を制御した結果を示す。この図16から明らかなように、dθLLi/dtを速度指令として与える退避行動によって、衝突点での退避時の速度ベクトルは必ず衝突時の速度ベクトルの逆方向となり、衝突を緩和する方向にマニピュレータ13を退避させることができる。
また、衝突時の各軸の位置θciに、位置増分としてdθLLi/dtを加算し、以下の式(8)’で算出されたθLLiを衝突検知後の退避各軸位置指令値として与えてもよい。
Figure 2005100143
本実施形態では、式(6),(8)においてリンク長Liによる除算を実行するので、結果的には第4実施形態の各軸の退避速度dθi/dtをリンク長Liの自乗で除算していることになる。しかし、式(6),(8)のいずれか一つのみを実施することによっても、より確実にマニピュレータを安全な方向に退避させることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態は、退避速度算出器21が見かけ上のリンク長さを使用して上記リンク長さに比例する2種類の影響を除去する点が第5実施形態と異なる。図17は一般的な垂直多関節ロボットにおける見かけ上のリンク長を示している。
図1の3リンクのマニピュレータ13を例に見かけ上のリンク長を使用した補正について説明する。ヤコビ行列Jbは以下の式(9)で表される。
Figure 2005100143
この式(9)において、jbinはi行n列のJbの要素、L1,L2,L3は各軸S1〜S3のリンク長、Lp1,Lp2,Lp3は各軸S1〜S3の見かけ上のリンク長さである。また、Lp1=L1,Lp3=L3、Lp2=√{L2+L2×L3×cos(θ3)+L3}、かつφ2=tan−1{L3×sin(θ3)/(L2+L3×cos(θ3)))とする。
式(9)から明らかなように、見かけ上のリンク長Lpiは以下の式(10)により与えられる。‖*‖は*のユークリッドノルムを示す。
Figure 2005100143
この見かけ上のリンク長Lpiの大きさに比例して以下の2種類の影響がある。まず、外力によってSi軸に作用する外乱が変化する(影響1’)。また、Si軸の関節角速度による衝突点の速度が変化する(影響2’)。従って、以下の式(6)”〜(8)”に示すように、第5実施形態の式(6)〜(8)におけるリンク長Liに代えて、見かけ上のリンク長Lpiを使用して衝突時の外乱diなどを補正することで、より正確にリンク長に比例する影響を除去することができる。
Figure 2005100143
Figure 2005100143
Figure 2005100143
なお、式(6)”,(8)”のいずれか一つのみを実施することによっても、第4実施形態よりもより確実にマニピュレータを安全な方向に退避させることができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態では、退避速度算出器21は衝突時の外力ベクトルの方向に退避するように各軸の退避速度を算出する。
図14の衝突において図示の摩擦力よりも大きな摩擦力が作用した場合、第5実施形態の式(6),(8)や第6実施形態の式(6)”,(8)”で得られる退避速度dθLLi/dtに基づく制御では、衝突点32での合成速度が、障害物方向へ移動することとなってしまい、よりいっそう衝突による被害を悪化させる可能性がある。一方、第1から第3実施形態の逆方向ベクトルの方向への退避では、衝突によるモータ駆動装置や障害物の破損や変形がない限り、必ず安全な方向に退避することができる。しかし、衝突検知時に既に破損変形があった場合には、衝突時の速度と逆方向に駆動しても再衝突の可能性が、必ず安全な方向に退避できるとは限らない。
衝突による破損変形などがあった場合においても、それ以上の破損を防ぎ、より安全な方向に退避する一つの方法としては、モータ駆動装置に作用する外力の作業座標系でのベクトル(外力ベクトルF)方向に退避すれば、必ず安全な方向に退避することができる。外力は障害物から受ける反力や摩擦力などによって構成され、そのベクトル方向は常に障害物から離れる方向にある。従って、外力ベクトルFの方向(外力を緩和する方向)に退避すれば必ず、障害物から離れる方向にモータ駆動装置が駆動され、安全な方向に移動することができる。
各軸に作用する外乱diは、仮想仕事の定理から外力ベクトルFとヤコビの転置行列Jbを用いて以下の式(10)で表される。
Figure 2005100143
また、各軸速度dθi/dtによる衝突点の作業座標系における速度ベクトルVは以下の式(11)で与えられる。
Figure 2005100143
所定のスカラ正定数Wfに対して以下の式(12)で与えられるdθfi/dtを衝突検知時の各軸の退避速度とすると、作業座標系での衝突点の速度ベクトルVfは、式(10)〜(12)より以下の式(13)で与えられる。
Figure 2005100143
Figure 2005100143
式(13)から明らかなように、作業座標系での衝突点の速度ベクトルVfの方向は、外力ベクトルFの方向と一致している。従って、dθfi/dtを各軸の退避速度とすれば、外力ベクトルFの方向に退避することができる。
本実施形態では、退避速度算出器21は式(10)〜(12)により、各軸の退避速度dθfi/dtを算出し、指令値算出器22は算出された退避速度dθfi/dtに基づいて、各軸についての位置指令値、速度指令値、又はトルク指令値を決定する。なお、式(10)の演算で使用される外乱diは外乱算出器15から退避速度算出器21に入力される。
また、衝突時の各軸の位置θciに、位置増分としてdθfi/dtを加算し、以下の式(13)’で算出されたθfiを、衝突検知後の退避各軸位置指令値として与えてもよい。
Figure 2005100143
図10及び図13の2リンクのマニピュレータ13のヤコビ行列Jbは以下の式(14)で与えられる。
Figure 2005100143
この時、ヤコビ行列Jbの逆行列Jb−1は以下の式(15)で与えられる。
Figure 2005100143
式(15)から式(12)式は、以下の式(12)’で与えられる。
Figure 2005100143
あるいは、1/{1−cos(θ2−θ1)}は1以上のスカラー量であるため、1/{1−cos(θ2−θ1)}を正の係数Wfに含めれば、式(12)は以下の式(12)”,(12)’’’で与えられる。
Figure 2005100143
Figure 2005100143
これらの式(12)”,(12)’’’に示すように、リンク長Liの逆数、及び行列Hにより外力ベクトルF方向に退避するための各軸の退避速度dθfi/dtを算出することができる。
式(12)'''からもわかるように、ヤコビの逆行列を用いた場合、第5実施形態の式(6),(8)のような形に式(12)を変形することが可能であり、この式変形を行った場合には本実施形態は第5実施形態に含まれる。以上から、見かけの上のリンク長Lpi(図10及び図13のマニピュレータ13ではリンク長Liと見かけ上のリンク長Lpiは一致している。)の逆数によって外乱diやdθfi/dtを補正することの正しさを確認できる。
図18は、図13の衝突に対し式(12)’,(12)”,又は(12)'''により算出した各軸の退避速度dθfi/dtに基づく退避の結果を示す。この図18から明らかなように、dθfi/dtを速度指令として与える退避行動によって、衝突点での退避時の速度ベクトルは必ず衝突時の速度ベクトルの逆方向となり、衝突を緩和する方向にマニピュレータ13を退避させることができる。
ここで注目すべき点は、各軸の外乱diを緩和する向き(図16参照)と、外力を緩和するために必要な各軸速度の向き(図18)が必ずしも一致しないことである。図16の軸S1は外乱diを緩和するために正転方向に駆動されているが、図18の軸S1は外力を緩和するために逆転方向に駆動されている。すなわち外力を緩和する向きと、各軸に加わる外乱を緩和する向きとは必ずしも一致せず、各軸の外乱を緩和する方向への退避行動(特許文献6参照)が決して安全である保証はない。また外力を緩和するためには、向きだけではなく、その速度や位置増分の大きさも重要であり、向きと大きさを制御することによって初めて安全な方向に退避することができる。
第1から第3実施形態における逆方向速度ベクトルVrの場合と同様に、図1に示す3リンクのマニピュレータにおいては(ほとんどの垂直多関節ロボットにおいて同様のことがいえる)、先端の姿勢(図ではリンク3の向いている方向)の変化速度を限定しなければ、外力ベクトルF方向に駆動するために必要な各軸速度dθfi/dtの組み合わせは無限に存在し、その決定方法も無限に存在する。例えば、式(3)と同様に擬似逆行列を用いた以下の式(16)で導出された退避速度dθfi/dtは、無限に存在する組み合わせの中で、[dθf1/dt dθf2/dt dθf3/dt・・・]のユークリッドノルムを最小にするdθfi/dtの組み合わせとなる。
Figure 2005100143
また、式(16)のほかに、第3実施形態の式(4)と同様に、いずれかの軸Skの速度をvkに固定し、その軸Skを除くヤコビ行列Jbkの逆行列Jbk−1を用いて以下の式(17)によりdθfi/dtを決定することも可能である。
Figure 2005100143
速度を固定する軸の選び方は、第3実施形態で列挙したものの他、例えば外乱diの小さな軸など(図ではS1軸)、外乱に起因した選別方法も考えることができる。
図2に示す衝突が発生した場合に軸Skとして外乱diが最も小さい軸であるS1軸を選び、v1=0として式(17)から算出した各軸の退避速度dθfi/dtに基づいてマニピュレータ13を退避させた例を図19に示す。この図19から明らかなように、衝突点における(合成速度)速度ベクトルが衝突時と外力ベクトルFと同方向となり、衝突を緩和する方向にマニピュレータ13を退避させることができる。
また、外力ベクトルF方向に駆動するために必要な各軸速度dθfi/dtの組み合わせを決定する方法が無限に存在するように、各軸の外乱diから外力ベクトルFを算出する方法も無限に存在する。例えば擬似逆行列(Jb×Jb−1×Jbを用いて以下の式(18)により外力ベクトルFを算出することができる。
Figure 2005100143
あるいはヤコビ行列Jbkの逆行列Jbk−1を用いて以下の式(18)’により外力ベクトルFを算出することができる。
Figure 2005100143
式(10)の関係を満足していれば、式(18),(18)’のいずれを使用しても同じ外力ベクトルFを得ることができる。しかし、一般には外乱diにはモデル化誤差や計測誤差などによる誤差があり、その誤差の影響によって式(18),(18)’のいずれを使用するかで実際には算出される外乱ベクトルFが異なる。
式(18)によって算出される外力ベクトルFは、最小自乗の意味で外乱diの誤差の影響が最も軽減された値である。また、式(18)’においても、外乱diの値が最も小さい軸をSk軸として選ぶ(誤差の影響を最も受けやすい軸をSk軸として選んで、計算から除外する)ことによって、外乱diの誤差の影響を低減することができる。
なお、上述の第2実施形態においてマニピュレータが図9及び図13で示す2リンクのマニピュレータである場合には、式(3)のように擬似逆行列を用いる必要はない。2リンクのマニピュレータでは、擬似逆行列と通常の逆行列が一致するため、式(3)は以下の式(3)’と等価である。
Figure 2005100143
また、第7実施形態の式(15)の関係を適用すれば、式(3)は以下の式(3)''と等価である。
Figure 2005100143
さらに、正の係数Wvに正のスカラ量1/{1−cos(θ2−θ1)}を含めれば、式(3)は以下の式(3)'''で表すことができる。
Figure 2005100143
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態では、退避速度算出器21は弾性変位ベクトル方向の退避動作を実現する各軸の退避速度を算出する。
第7実施形態の外力ベクトルF方向の退避以外に、衝突による破損や変形などがあった場合においても、それ以上の破損を防ぎ、より安全な方向に退避する方法としては、外力による弾性変位のベクトル方向への退避がある。
図20を参照すると、通常、産業用ロボットなどのモータ駆動装置では、モータ25とリンク26を連結する減速機27がバネ要素として作用し、弾性変形する。図21に示すように、この種のモータ駆動装置では、衝突時の外力によって弾性変形が発生し、衝突点32の位置も変位する。この弾性変形による作業座標系での衝突点4の変位を表すベクトル(弾性変位ベクトル)の方向は、必ず障害物31から離れる方向にある。この点に関し図21に基づいて説明すると、仮に弾性変位ベクトルが障害物31の方向(図21において下向き)に向いていたとすれば、弾性変形しなかった場合の衝突点32の位置は障害物31より図において上にあることとなり、障害物31と接触していないこととなる。すなわち障害物31と接触していないのに衝突したこととなり、矛盾が生じる。したがって弾性変位ベクトルが障害物31方向(図において下向き)に向くことはありえず、必ず障害物31から離れる方向となる。
次に、弾性変位ベクトル方向の退避動作を実現する各軸の退避速度の算出方法を説明する。弾性変形として、図21に示すような各軸の弾性変形のみを考える。外力による各軸の弾性変形角度εiは以下のように算出又は推定可能である。まず、外力による弾性変形角度εiを含めた全ての弾性変形角度εai(外力に加え、自重や慣性力や遠心コリオリ力などによる弾性変形角度εoiと外力による弾性変形角度εiを含む全ての弾性変形角度)を推定可能である。ここで外力以外のモーメント成分moiはモータを駆動させるために必要な必要駆動トルクであり、運動方程式モデルから算出あるいは推定可能である。モーメン成分moiによる弾性変形角度εoiは、予め同定などによって与えることが可能な各軸のバネ定数Kiから以下の式(19)で表される。
Figure 2005100143
以下の式(20)に示すように、外力による各軸の弾性変形角度εiは、全弾性変形角度εaiからモーメン成分moiによる弾性変形角度εoiを差し引くことで算出することができる。
Figure 2005100143
また、一般に衝突検知では各軸の外乱diを算出していることが多く、既に外乱diが算出されていれば、外乱diを軸力と仮定し、外乱diと各軸のバネ定数Kiとから、以下の式(21)によって外力による各軸の弾性変形角度εiの大まかな値を算出することができる。
Figure 2005100143
この式(21)はあくまで近似式であり、弾性変形角度εiの正確な値を算出するためには、式(20)や後述する式(32),(33)を使用する必要がある。特に、外乱diと外力による各軸の弾性変形角度εiの向きは必ずしも一致するとは限らない。
式(20),(21)などで算出又は推定された外力による各軸の弾性変形角度εiと弾性変位ベクトルEの間には以下の式(22)の関係が成り立つ。
Figure 2005100143
式(22)により得られた弾性変位ベクトルEを用いれば、第1実施形態の式(3)の場合と同様に、以下の式(23)から各軸の退避速度dθei/dt(ただしWeは正のスカラー量)が得られる。
Figure 2005100143
式(23)より以下の式(24)の関係が成り立つ。
Figure 2005100143
すなわち、各軸の退避速度dθei/dtによる衝突点の速度ベクトルVeの方向と、弾性変位ベクトルEの方向とが一致する。従って、式(23)から得られるdθei/dtを、衝突検知時の退避各軸速度指令値とすることで、衝突を緩和する退避を実現することができる。
衝突時の各軸の位置θciに、位置増分としてdθei/dtを加算し、以下の式(23)’で算出されるθeiを、衝突検知後の退避各軸位置指令値として与えてよい。
Figure 2005100143
また、式(22),(23)にように弾性変位ベクトルEを算出しなくても、弾性変形角度εiから以下の式(25)により退避速度dθei/dtを算出することができる。
Figure 2005100143
式(22)より以下の式(26)が成り立つので、式(25)で算出した退避速度dθei/dtを使用しても、衝突点の速度ベクトルVeの方向と、弾性変位ベクトルEの方向とが一致する。
Figure 2005100143
図10や図14に示す2リンクのマニピュレータ13では、擬似逆行列と通常の逆行列が一致するので、以下の式(25)’に示すように、式(23)は式(25)と等価となる。
Figure 2005100143
本実施形態では、退避速度算出器21は、式(22),(23)あるいは式(25)により各軸の退避速度dθei/dtを算出し、指令算出器22は算出された退避速度dθei/dtにより決定した指令値(位置、速度、又はトルク)をマニピュレータ13に出力する。
図22は、図21に示す衝突において式(25)により算出した各軸の退避速度dθei/dtを速度指令として与える退避行動を示す。衝突点32での退避時の速度ベクトルは弾性変位ベクトルEの方向と同じ方向となり、マニピュレータ13は衝突を緩和する方向に退避している。
(第9実施形態)
本実施形態では退避速度算出器21は、第1実施形態の逆方向速度ベクトルVr(−Vc)、第7実施形態の外力ベクトルF、及び弾性変位ベクトルEから衝突時の移動方向を算出する。
上述のように逆方向速度ベクトル方向Vr(モータ駆動装置や障害物に破損がない場合)、外力ベクトルF、又は弾性変位ベクトルE方向に退避すれば、必ず障害物から離れる方向に動作できる。すなわち、図23に示すように、これら3つベクトル方向に内包されるベクトルであれば必ず障害物から退避することができる。内包されるベクトル方向Vhは、以下の式(27)に示すように非負のスカラー量Wv,Wf,Weにより逆方向速度ベクトルVr、外力ベクトルF、及び弾性変位ベクトルEの線形和で与えることができる。
Figure 2005100143
退避速度算出器21は式(27)のベクトル方向Vhを実現するように各軸の退避速度dθi/dtを決定する。
また、上記3つのベクトル、第4実施形態の各軸の外乱diを緩和する方向の各軸外乱速度(式(5))に基づいて求めた作業座標系での速度ベクトルVdを考慮して以下の式(27)’によりベクトル方向Vhを決定してもよい。Wdは正のスカラー量である。
Figure 2005100143
式(27),(27)’における正のスカラー量Wv,Wf,We,Wdは、外乱や各軸速度の向きや大きさによって変更してもよい。また、上記4つのベクトルのうち、いずれか2つ以上のベクトルからベクトル方向Vhを決定してもよく、この場合には式(27)’において使用しないベクトルに乗じるスカラー量を0とすればよい。
(第10実施形態)
以上の実施形態ではマニピュレータ13の先端が衝突点であったが、図24に示すようにリンクの途中で衝突があった場合、厳密に衝突点の位置を特定することは困難である。このような衝突の場合、例えば衝突した軸S4のリンク先端点やマニピュレータそのもの先端点、計算時間短縮のために治具などを取り付ける治具取り付け用のフランジ面、あるいは主軸の先端点などを衝突点の代わりに代用し、第1から第9実施実施形態を適用してもよい。
(第11実施形態)
外乱情報を用いて衝突を検知する場合、一般に外乱情報から得られる衝突評価値が閾値を超えたことによって衝突を検知するのであるが、誤検知を防止するためにその閾値は高めに設定されており、どの軸が最小に閾値を超えるか想定がつかない。図24のような衝突においては、S4軸が衝突しているのであるが、S1〜S3軸で衝突が最初に検知され、その衝突検知軸を中心に衝突検知後の退避運動を決定すれば、S4軸が適切に退避可能か疑問である。
そこで、本実施形態では衝突検知のための比較器17は2種類の閾値を用いて、衝突が発生した軸を推定する機能を有する。詳細には、第1の閾値と評価量算出器16で算出された衝突評価量との比較によりいずれかの軸で衝突が検知されれば、衝突検知用の閾値より低い(衝突検知の判断が成立しやすい)第2の閾値を用いて、衝突した可能性のある軸を検索し、衝突した可能性のある軸の内、最も根元から遠い(先端から近い)軸を選び、その軸において衝突が発生したものとする。この推定結果を用いて退避速度算出器21と指令算出器22が、衝突後の退避行動を決定することで、よりいっそう的確な退避行動を行うことができる。
例えば、図24において軸S3で最初に衝突が検知されたとする。この時、第2の閾値を用いて、衝突評価値と第2の閾値を比較して、衝突した可能性のある軸を検索した結果、軸S2,3,4が衝突した可能性があることがわかったとする。この結果から、根元(図24では軸S1)から最も遠い軸S4にて衝突が発生したものとして(例えばS4軸のリンク先端が衝突点と仮定して)第1から第9実施形態を適用すればよい。
また、衝突した可能性がある軸よりも先端側の軸(図24では軸S4よりも先端側の軸S5,S6)については、退避行動をせず、衝突時の位置で停止、あるいは可動自在にするなどの処置を行うことによって、衝突後の再衝突の可能性を低減あるいはそれによる被害を最小限にとどめることができる。
最初の衝突検知に使用された衝突評価量(第1の衝突評価量)よりも衝突の検知感度が高い第2の衝突評価量と上記最初の衝突検知に使用された閾値(第1の閾値)との比較、又は上記第2の評価値と上記第1の閾値よりも衝突検知の判断が成立しやすい第2の閾値との比較に基づいて、外界と衝突した可能性のある軸を推定してもよい。
(第12実施形態)
衝突した可能性がある軸よりも先の軸については、停止あるいは自在に可動とする代わりに、コントローラ11が位置や速度の比例ゲインを小さくする、あるいは位置や速度の積分ゲインを0(あるいは0相当の値(0相当の値とは退避行動が終了するまでに積分ゲインによるトルク値が大きく変化しない程度に小さく、あるいの積分ゲインによる積分値の上限値を小さくする))にするなどの対策も有効である。
また、衝突した可能性がある軸より根元の軸に対しては、まず第1から第9実施形態のいずれか1つ以上の方法を選出し、選出された全ての方法による各軸の退避速度の向きを算出する。
選出された全ての方法による退避各軸速度の向きが一致した場合、各軸が退避すべき向きは信頼にたる向きであり、退避各軸速度と逆の向きに対しては、位置あるいは速度あるいは電流制御の比例ゲインを小さく、あるいは積分ゲインを0(あるいは0相当の値)に、あるいはトルクリミットを小さく設定する。一方、退避各軸速度と同じ向きに対しては、ゲインあるいはトルクリミットを逆向きよりも大きく設定することによって、退避すべき向きには高速に移動するとともに、その逆向きには移動しないように制御することができる。
また、選出された全ての方法による退避各軸速度の向きが一致なかった場合、正逆転どちらの向きに移動するのが正しいのか判断が分かれる状況であり、このような疑わしい状況ではどちらの向きに対しても、位置あるいは速度あるいは電流制御の比例ゲインを小さく、あるいは積分ゲインを0(あるいは0相当の値)に、あるいはトルクリミットを小さく設定する。これにより、選出されたいずれかの方法による誤った退避行動の影響を緩和することができる。
上記の内容を系統立てて実施する一つの方法としては、選出された方法によって算出された全ての各軸の退避速度の逆向き方向に対しては、位置、速度、あるいは電流制御の比例ゲインを小さく、積分ゲインを0(あるいは0相当の値)、あるいはトルクリミットを小さく設定すればよい。すなわち、全ての軸の退避速度の逆向きが一致した場合、その向きに対して小さくし、一致しなかった場合両方の向きに対して小さくすればよい。
このようにいずれかの方法によって算出された各軸の退避速度の向きに応じてゲインを変更することによって、誤った退避の向きによる退避行動の影響を緩和しつつ、正しいと思われる退避の向きに関してはより素早く退避することができる。またトルクリミットの中心点を、重力項などのモデルから算出可能なトルク情報をもとに変更すれば、よりいっそうの効果を得ることができる。このような各軸の退避速度あるいは位置増分の向きに応じたゲインあるいはリミット変更は、与えられた退避各軸速度あるいは位置増分の向きの信頼性が重要であり、従来技術のように安全でない方向に退避する可能性があったのでは実現できない。上記第1から第9実施形態により算出される確実に安全な方向に退避できる各軸の退避速度に基づいて、上記変更を行う必要がある。
(第13実施形態)
図25に示すように衝突時の外乱が固有振動による振動成分とランプ状の外乱で構成される場合、外乱の向きを反対に検出する可能性がある。外乱情報に基づいて各軸の退避速度を算出する第4実施形態、外乱を使用して求めた外力ベクトルFに基づいて各軸の退避速度を算出する第7実施形態、及び外乱を使用して求めた弾性変位ベクトルE方向に基づいて各軸の退避速度を算出する第8実施形態では、外乱の向きを誤検知すると誤った退避行動をとる可能性がある。
従って、第4、第7、及び第8実施形態では、評価量算出器16が以下の方法で外乱diから固有振動含む高周波による振動成分を除去し、退避速度算出器21は固有振動による振動成分を除去済みの外乱に基づいて各軸の退避速度を算出する構成とすることで、より確実に衝突を緩和する方向への退避動作を実現することができる。
評価量算出器16は以下の式(28)で示す固有振動(角速度ω)を中心としたバンドパスフィルタ処理を施すバンドパスフィルタを備える。このバンドパスフィルタ処理により、外乱diから外乱成分dniを抜き出す。Ωはフィルタが通過させるバンド幅を指定するパラメータである。
Figure 2005100143
ランプ状成分の外乱成分dliは以下の式(29)で得られる。
Figure 2005100143
(第14実施形態)
衝突検知時には、ランプ状外乱dliよりも振動成分dniの方が大きな場合が多い。第13実施形態において説明したように、振動成分dniを除去することによってランプ状外乱dliの向きを正しく判別することは可能であるが、衝突検出時の外乱の大きさはランプ状外乱dliよりも振動成分dniから判別する方がより正しい判定を行うことができる。しかし、振動成分の外乱dniの大きさは時々刻々変化するため、振動成分の外乱の大きさを正しく判断することは困難である。
第4、第7、及び第8実施形態において、評価量算出器16と退避速度算出器21を以下の構成とすることで、正確に判断した振動成分の外乱の大きさに基づいて、より確実に衝突を緩和する方向への退避動作を実現することができる。
まず、評価量算出器16は以下の式(30)で定義される固有振動を含む高周波の振動成分の外乱dniに対する外乱パワーPdniを算出する。ただし、dni’はdniの変化速度、ωniはSi軸の固有振動各速度である。
Figure 2005100143
また、退避速度算出器21は、式(30)により得られた外乱パワーPdniを使用して以下の式(31)で定義される外乱dcliを算出する。
Figure 2005100143
図26に外乱dcliの挙動を示す。固有振動周期などによって外乱dcliの大きさは大きく変化せず、またその向きもランプ状外乱dliと一致した方向を示し、向き及び大きさも安定して検出可能である。従って、外乱dcliの大きさや向きなどを用いて、退避行動を決定することで、より有効な退避行動を決定することができる。
図20のような弾性変形する軸を有する場合、その運動方程式モデルは、以下の式(32)で記述され、第13実施形態や第14実施形態の方法でリンクに作用する外乱Dを正確に推定することができる。
Figure 2005100143
しかし、従来の衝突検知などに用いられている外乱推定オブザーバでは、Θlが計測不可能であるため、式(32)から軸力K×Θεを消去し、以下の式(33)で示す運動方程式において、DではなくDを外乱として扱っている。
Figure 2005100143
そのため、Dに含まれる外乱D以外の成分の影響によって、外乱の従来の算出あるいは推定値には図25のような振動成分が重畳される。
また、従来の衝突検知ための外乱としては、式(33)式を仮定しながら、外乱推定を行う外乱としてD+Clなどの値を推定しておき、後で推定された外乱値(D+Cl)^からCl(dΘm/dt,Θm)を差し引くなどの行為を行っているが、結局、式(33)を仮定して外乱Dを算出推定していることと等価である、あるいはその変形例に過ぎない。
このようなD中のD以外の成分(固有振動などの振動成分)は、衝突を検知する上で重要な情報であるが、退避行動を決定するためにDそのものを用いれば第13実施形態で説明したように、誤った判断が行われるため、Dから振動成分を除去したD(図24中のランプ状外乱dliに相当)や、Dと振動成分を分離し、それぞれの情報を有効に活用したdcliなどによって退避行動を決定することが重要である。
あるいは外乱を推定する従来技術として、diから固有振動成分を除去するものがあるが、衝突時にはdにもいくらかの振動成分が含まれるため、一律に固有振動成分を除去することが正しいとは言えず、正しくモデルを反映させた第13実施形態や第14実施形態により正しい値を推定することが可能である。
同様に、式(33)のdiの代わりにDの第i要素diを用いた場合、算出された各軸の弾性変形角度εiにも振動成分が重畳されるため、第13実施形態と同様に振動成分の除去、あるいは分離が必要で、分離されたεiの振動成分を第13実施形態の式(29)と同様に有効に活用し、より正確な退避方向をえることも可能である。
また、diを用いた式(31)では、各軸のdiが軸力Ki×εiと一致すると仮定した式であり、軸力に対して同様の処置(振動成分の除去や除去された振動成分の活用など)を行っても同様の結果を得ることができる。
さらに、上記から自明なとおり、従来の外乱退避に用いられる外乱推定あるいは算出によって得られる外乱値は、いずれも本当の外乱dを表しておらず、第13実施形態や第14実施形態の外乱値を用いることによって、初めてロボットなどの多軸のモータ駆動装置に対する外乱を正確に算出することが可能であり、従来の退避方法に用いられていた外乱推定値と各軸速度あるいは位置増分による外乱推定値とは明らかに異なり、退避行動に活用すべく情報は、衝突検知などに使用する外乱値ではなく、固有振動などの振動成分を除去した(あるいは振動成分を別途活用した)値や、振動成分の影響を受けない第13実施形態や第14実施形態の外乱値の方が好ましい。
(第16実施形態)
第8実施形態において弾性変位ベクトルEの算出に使用する各軸の弾性変形角度εは、以下の方法で算出することができる。まず、軸力Ki×εiを正確に推定することが可能で、例えば算出あるいは推定された軸力Ki×εiから以下の式(34)によって、各軸の弾性変形角度εiを算出可能である。
Figure 2005100143
軸力Ki×εiを算出するためには、式(30)より得られる以下の式(35)から算出することができる。
Figure 2005100143
また、上式に基づいて、軸力がオフセット状に変化すると仮定すれば、オフセット外乱推定オブザーバ(通常のオブザーバ)と同様に推定可能である。あるいは式(35)のK×Θεに対して何らかのフィルタリング処理を行い、フィルタリング後の値を用いても同様の結果(フィルタリング処理によるが)を得ることができる。
あるいは軸力がランプ状に変化すると仮定し、そのランプ状に変化する軸力を推定することも可能である。
式(35)により得られる軸力の算出値あるいは推定値を用いて弾性変位ベクトルEを算出することで、第8、第9、第10、及び第13実施形態において、より確実に衝突を緩和する方向の退避行動を決定することが可能である。
また、式(33)に基づく軸力や、弾性変形角度εiを用いたとしても、モデル化誤差などの影響によって、いくらかは振動成分がその推定値あるいは算出値に重畳される可能性がある。このため上記の振動周期成分の除去あるいは分離は、算出あるいは推定される各軸の弾性変形角度εiや軸力Ki×εiの推定値あるいは算出値についても有効に作用する。
3リンクのマニピュレータの一例を示す概略図である。 図1のマニピュレータが障害物に衝突した状態を示す概略図である。 従来の方法による退避行動を示す概略図である。 第1実施形態に係るモータ駆動装置の制御装置を示すブロック図である。 第1実施形態によるマニピュレータの退避行動の一例を示す概略図である。 第2実施形態によるマニピュレータの退避行動の一例を示す概略図である。 第3実施形態によるマニピュレータの退避行動の一例を示す概略図である。 図1のマニピュレータの衝突の一例を示す概略図である。 図8の衝突に対する従来の退避行動の一例を示す概略図である。 2リンクのマニピュレータの衝突の一例を示す概略図である。 図10の衝突に対する従来の退避行動の一例を示す概略図である。 第4実施形態によるマニピュレータの退避行動の一例を示す概略図である。 第4実施形態によるマニピュレータの退避行動の他の一例を示す概略図である。 ショートアーム2リンクマニピュレータが障害物と衝突した状態を示す概略図である。 図14の衝突に対する第4実施形態の退避動作を示す概略図である。 図14に示す衝突に対する第5実施形態の退避動作を示す概略図である。 一般的な垂直多関節ロボットにおける見かけ上のリンク長を示す概略図である。 図14の衝突に対する第4実施形態の退避行動を示す概略図である。 図2の衝突に対する第7実施形態の退避行動を示す概略図である。 1リンクの弾性マニピュレータを示す概略図である。 1リンクの弾性マニピュレータが障害物と衝突した状態を示す概略図である。 図20の衝突に対する第8実施形態の退避行動を示す概略図である。 第9実施形態のベクトル方向Vhを説明するための概略図である。 3リンクのマニピュレータの途中のリンクが障害物に衝突した状態を示す概略図である。 ランプ状成分に固有振動成分が重畳された外乱の波形を示すグラフである。 外乱パワーを使用して算出した外乱の挙動を示すグラフである。
符号の説明
1,2,3 リンク
11 コントローラ
12 軌道計画
13 マニピュレータ
14 エンコーダ
15 外乱算出器
16 評価量算出器
17 比較器
21 退避速度算出器
22 指令算出器
25 モータ
26 アーム
27 減速機
31 障害物
32 衝突点

Claims (19)

  1. 多軸のモータ駆動装置の制御方法において、
    上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における衝突時の速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルを実現するために必要な、各軸の退避速度又は位置増分を算出し、
    上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  2. 衝突時の各軸の速度と符号が逆で大きさが同じである逆方向各軸速度又は位置増分を算出し、
    上記逆方向各軸速度又は位置増分に全ての軸で同一の正の定数を乗算して、上記各軸の退避速度又は位置増分を算出することを特徴とする、請求項1に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  3. 衝突時の各軸の速度と、上記衝突点の上記作業座標系へのヤコビ行列とから、上記衝突時の速度ベクトルを算出し、
    上記衝突点の上記作業座標系へのヤコビ行列の逆行列情報と、上記衝突時の速度ベクトルとから上記各軸の退避速度又は位置増分を算出することを特徴とする、請求項1に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  4. 多軸のモータ駆動装置の制御方法において、
    上記モータ駆動装置と外界の衝突検知時の各軸の外乱情報を取得し、
    上記衝突検知時の各軸の外乱情報に全ての軸で同一の正の定数を乗算して、衝突から退避するための各軸の退避速度又は位置増分を算出し、
    上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  5. 上記衝突検知時の各軸の外乱情報と、上記退避速度又は位置増分とのうちの少なくとも一方を、上記モータ駆動装置と外界との衝突点での作業座標系に対する各軸速度のヤコビ行列内で使用される各軸の長さ情報により補正することを特徴とする、請求項4に記載のモータ駆動装置の制御方法。
  6. 多軸のモータ駆動装置の制御方法において、
    上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における外力ベクトル方向を求め、
    上記外力ベクトル方向に沿って衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度又は位置増分を算出し、
    上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  7. 多軸のモータ駆動装置の制御方法において、
    上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルに沿って衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度又は位置増分を算出し、
    上記算出された退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  8. 多軸のモータ駆動装置が外界と衝突した衝突点を移動させる制御方法において、
    上記衝突検知時の作業座標系での速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルと、上記衝突検知時の各軸の外乱情報に基づいて求めた上記衝突点での作業座標系での速度ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における外力ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルとのうち、いずれか2つ以上のベクトル方向によって内包されるベクトル方向に、上記衝突点を移動させるために必要な退避各軸速度又は位置増分を算出し、
    上記退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  9. 上記衝突点に代えて、各軸のリンク先端点と、最先端の軸に設けられた治具取付用のフランジ面とを含む衝突点として想定される点を使用することを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の、モータ駆動装置の制御方法。
  10. 衝突を検知するための評価値を算出し、該評価値と閾値の比較により外界との衝突を検知する、多軸のモータ駆動装置の制御方法において、
    第1の評価値と第1の閾値との比較により、いずれかの軸と外界との衝突が検知されると、上記第1の評価値と上記第1の閾値よりも衝突検知の判断が成立しやすい第2の閾値との比較、上記第1の評価値よりも衝突の検知感度が高い第2の評価量と上記第1の閾値との比較、又は上記第2の評価値と上記第2の閾値との比較に基づいて、上記第1の評価値と第1の閾値との比較により外界との衝突が検知された軸以外に外界と衝突した可能性のある軸を推定し、
    上記推定の結果に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  11. 多軸のモータ駆動装置が外界と衝突した衝突点を移動させる制御方法において、
    衝突時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を求め、
    固有振動数を含む特定周波数成分を除去して上記衝突時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を補正し、
    補正後の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを制御することを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  12. 衝突を検知し、1つ以上の手法により衝突後の退避方向を決定する多軸のモータ駆動装置の制御方法において、
    上記1つ以上の手法によって決定された退避各軸速度又は位置増分の向きと一致しない向きに対しては、位置制御又は速度制御の比例ゲインを第1の値に設定し、積分ゲインを0相当に設定し、又はトルクの上下限値の範囲を第1の範囲に設定し、
    上記1つ以上の手法によって決定された全ての退避各軸速度又は位置増分の向きと一致する向きに対しては、上記位置制御又は速度制御の比例ゲインを上記第1の値よりも大きい第2の値に設定し、上記積分ゲインを上記0相当よりも大きい値に設定し、又は上記トルクの上下限値の範囲を第1の範囲よりも大きい第2の範囲に設定する、
    ことを特徴とする、モータ駆動装置の制御方法。
  13. 多軸のモータ駆動装置の制御装置において、
    上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における衝突時の速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルを実現するために必要な、各軸の退避速度を算出する退避速度算出手段と、
    上記退避速度で算出された退避速度に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段と
    を備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置。
  14. 多軸のモータ駆動装置の制御装置において、
    上記モータ駆動装置の外界との衝突検知時の各軸の外乱情報を算出する外乱情報算出手段と、
    上記外乱情報算出手段により算出された上記衝突検知時の各軸の外乱情報に全ての軸で同一の正の定数を乗算し、衝突から退避するための各軸の退避速度を算出する退避速度算出手段と、
    上記退避速度算出手段によって算出された退避速度に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段と
    を備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置。
  15. 多軸のモータ駆動装置の制御装置において、
    上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における外力ベクトル方向を算出する外力ベクトル算出手段と、
    上記外力ベクトル方向に沿って、衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度を算出する退避速度算出手段と、
    上記退避速度算出手段によって算出された退避速度に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段と
    を備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置。
  16. 多軸のモータ駆動装置の制御装置において、
    上記モータ駆動装置が外界と衝突した衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルに沿って、衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度又は位置増分を算出する退避速度又は位置増分算出手段と、
    上記退避速度算出手段又は位置増分算出手段によって算出された退避速度又は位置増分に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段と
    を備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置。
  17. 多軸のモータ駆動装置の制御装置において、
    上記モータ駆動装置の外界との衝突を検知する手段と、
    上記衝突検知時の作業座標系での速度ベクトルに対して逆向きである逆方向速度ベクトルと、上記衝突検知時の各軸の外乱情報に基づいて求めた衝突点での作業座標系における速度ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における外力ベクトルと、上記衝突点での作業座標系における弾性変位ベクトルとのうち、いずれか2つ以上のベクトル方向によって内包されるベクトル方向に、上記衝突点を移動させるために必要な各軸の退避速度を算出する、退避速度算出手段と、
    上記退避速度算出手段によって算出された退避速度に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段と
    を備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置。
  18. 衝突を検知するための評価値を算出する手段と、該評価値と閾値の比較により外界との衝突を検知する検知する検知手段とを備える、多軸のモータ駆動装置の制御装置において、
    上記検知手段による第1の評価値と第1の閾値との比較により、いずれかの軸と外界との衝突が検知されると、上記第1の評価値と上記第1の閾値よりも衝突検知の判断が成立しやすい第2の閾値との比較、上記第1の評価値よりも衝突の検知感度が高い第2の評価量と上記第1の閾値との比較、又は上記第2の評価値と上記第2の閾値との比較に基づいて、上記第1の評価値と第1の閾値との比較により外界との衝突が検知された軸以外に外
    界と衝突した可能性のある軸を推定する、推定手段と、
    上記推定手段による推定結果に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクの指令を算出する指令算出手段と
    を備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置。
  19. 多軸のモータ駆動装置の制御装置において、
    衝突検知時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を求める手段と、
    固有振動数を含む特定周波数成分を除去して上記衝突時の各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力を補正する補正手段と、
    補正手段により補正された各軸の速度、外乱情報、弾性変形角度、又は軸力に基づいて、各軸の位置、速度、又はトルクを算出する指令算出手段と
    を備えることを特徴とする、モータ駆動装置の制御装置。
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