JP2005098945A - 反応容器とその湿度保持方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応中に複数の反応凹部相互間で湿度むらが発生することのない反応容器とその湿度保持方法を提供すること。
【解決手段】板状に成形された一方の面に複数の反応凹部2bがマトリクス状に設けられ、各反応凹部に検体と試薬とを分注して反応させる反応容器2とその湿度保持方法。反応容器2は、複数の反応凹部2bを覆う着脱自在な蓋3を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、反応容器とその湿度保持方法に関するものである。
従来、血液等の検体中に存在する物質の分析や検査においては、マイクロプレートが用いられている。このマイクロプレートは、板状に成形された一方の面にウェルと呼ばれる複数の反応凹部がマトリクス状に設けられた反応容器である。このマイクロプレートにおいては、各反応凹部に検体と試薬とを数マイクロリットル程度の微量分注して反応させ、反応によって生ずる凝集物や光等を測定することで、検体中に存在する物質を分析しており、分析作業を自動化した自動分析装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この自動分析装置においては、各種の分析項目に必要な反応時間が経過するまで多数のマイクロプレートを反応ラインに収納しておき、反応が終了したマイクロプレートを順次搬出し、各ウェルにおける凝集パターンをCCDカメラ等の検出器によって検出することで検体中に存在する物質を分析している。
特開平5−273216号公報
ところで、従来の自動分析装置においては、多数のマイクロプレートを収納した反応ラインにおいて、各種の分析項目に必要な反応時間を確保している。この場合、反応ラインに温風を送り込むことにより反応温度を一定範囲に制御することで反応を均一化し、反応に伴う凝集パターンを安定させていた。
しかし、温風の当たり方が反応ラインの位置によって異なることから、マイクロプレート毎に温度が相違するうえ、同一のマイクロプレートであってもウェルの位置によって温度が相違する。このため、複数のウェル相互間における温度の相違と、温風を送り込むことに起因してウェル相互間における検体と試薬との微量な混合液の気化量の相違、即ち、湿度むらが発生し、反応時間中にウェル相互間において検体と試薬との混合液の濃度が変化してしまう。この結果、マイクロプレートを用いて自動分析装置で分析するときには、ウェル相互間における個々の反応が不均一となり、得られる多数の凝集パターンが不安定になる恐れがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、反応中に複数の反応凹部相互間で湿度むらが発生することのない反応容器とその湿度保持方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る反応容器は、板状に成形された一方の面に複数の反応凹部がマトリクス状に設けられ、各反応凹部に検体と試薬とを分注して反応させる反応容器であって、前記複数の反応凹部を覆う着脱自在な蓋を備えていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、検体と試薬との反応時に蓋で複数の反応凹部を覆うことによって、複数の反応凹部相互間における湿度の変化を抑えるようにしている。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項2に係る反応容器の湿度保持方法は、板状に成形された一方の面に複数の反応凹部がマトリクス状に設けられ、各反応凹部に検体と試薬とを分注して反応させる反応容器の湿度保持方法であって、前記検体と試薬との反応時に、前記複数の反応凹部を不活性液体或いは空気よりも比重が大きい不活性ガスで覆うことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、検体と試薬との反応時に不活性液体或いは空気よりも比重が大きい不活性ガスで複数の反応凹部を覆うことによって、複数の反応凹部相互間における湿度の変化を抑えるようにしている。
本発明に係る反応容器とその湿度保持方法は、検体と試薬との反応中に複数の反応凹部相互間で湿度むらが発生することを抑制するという効果を奏する。
以下に、本発明の反応容器とその湿度保持方法に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の反応容器に係る実施の形態1を示す斜視図である。反応容器1は、図1に示すように、マイクロプレート2と蓋3とを有している。マイクロプレート2と蓋3は、それぞれ透明な合成樹脂から成形されている。
マイクロプレート2は、矩形に形成された板状の部材の周囲に壁2aが設けられ、壁2aに囲まれた一段低くなった部分に複数のウェル(反応凹部)2bがマトリクス状に設けられた容器である。ウェル2bは、図2に示すように、底部が階段状に縮径する円錐状に成形されている。マイクロプレート2においては、各ウェル2bに検体と試薬とを分注して反応させ、その反応結果に基づいて検体中に存在する物質の分析が行われる。
蓋3は、壁2aに囲まれた一段低くなった部分に被せて複数のウェル2bを覆う着脱自在な蓋体で、側面の適宜個所に設けた凹部3aを利用してマイクロプレート2から取り外される。
反応容器1は、以上のように複数のウェル2bを覆う着脱自在な蓋3を備えている。このため、複数のウェル2bのそれぞれに検体と試薬とを分注して分析する際、図2に示すように、蓋3を被せることによって検体と試薬との混合液Lqが収容された複数のウェル2bを覆う。これにより、反応容器1は、複数のウェル2bが蓋3で覆われるため、反応から分析迄の間、混合液Lqが気化したとしても、複数のウェル2bにおいて内部の湿度が略100%に保持される。しかも、温風の当たり方が反応ラインの位置によって異なるようなことがあっても、マイクロプレート2を蓋3で覆ったことから、フィルムのような薄い素材で覆った場合に比べると、全体としての温度が略均一となる。このため、反応容器1においては、複数のウェル2bにおいて温度のみならず、湿度も一定に保持されるため、複数のウェル2b相互間において反応が均一化されて反応に伴う凝集パターンが安定し、より一層信頼性に優れた分析結果が得られる。また、反応容器1は、分析が終了したときには、凹部3aを利用して蓋3をマイクロプレート2から容易に取り外すことができる。
実施の形態2
次に、本発明の反応容器の湿度保持方法に係る実施の形態2について説明する。実施の形態1の反応容器1は、マイクロプレート2と蓋3とを有していたが、実施の形態2においては反応容器としてはマイクロプレート2を有するのみである。但し、実施の形態2においては、検体と試薬との反応時に、複数のウェル2bを不活性液体或いは空気よりも比重が大きい不活性ガスで覆うことを特徴とする。
即ち、実施の形態2においては、複数のウェル2bに検体と試薬とを分注し、検体と試薬とを反応させるときに、図3に示すように、マイクロプレート2の上にハイドロフルオロエーテル(HFE)等の不活性液体を注いで、複数のウェル2bを不活性液体で覆うものである。
これにより、マイクロプレート2においては、図4に示すように、ウェル2bに分注された検体と試薬の混合液Lqが不活性液体Liaでシールされることから、混合液Lqの気化が抑制される。このため、マイクロプレート2は、検体と試薬との反応時に、これら検体や試薬における気化に伴う濃度変化がなく、しかも反応中は複数のウェル2bが不活性液体で覆われていることから、複数のウェル2b相互間の温度も略一定に保持される。従って、マイクロプレート2においては、実施の形態1と同様に、複数のウェル2b相互間において反応が均一化されて反応に伴う凝集パターンが安定し、より一層信頼性に優れた分析結果が得られる。
ここで、マイクロプレート2は、上述の不活性液体に代えて、空気よりも比重が大きい不活性ガス、例えば、窒素(N2),アルゴン(Ar),クリプトン(Kr),キセノン(Xe)等のガスで複数のウェル2bを覆ってもよい。この場合、必要であれば、マイクロプレート2は、空気よりも比重が大きい不活性ガスで複数のウェル2bを覆った上から更に実施の形態1の蓋3で覆ってもよい。
本発明の実施の形態1に係る反応容器を示す斜視図である。 図1の反応容器における反応凹部を通る断面図である。 本発明の実施の形態2に係る反応容器の湿度保持方法を示す斜視図である。 図2の反応容器における反応凹部を通る断面図である。
符号の説明
1 反応容器
2 マイクロプレート
2a 壁
2b ウェル(反応凹部)
3 蓋
3a 凹部
Lia 不活性液体
Lq 混合液

Claims (2)

  1. 板状に成形された一方の面に複数の反応凹部がマトリクス状に設けられ、各反応凹部に検体と試薬とを分注して反応させる反応容器であって、
    前記複数の反応凹部を覆う着脱自在な蓋を備えていることを特徴とする反応容器。
  2. 板状に成形された一方の面に複数の反応凹部がマトリクス状に設けられ、各反応凹部に検体と試薬とを分注して反応させる反応容器の湿度保持方法であって、
    前記検体と試薬との反応時に、前記複数の反応凹部を不活性液体或いは空気よりも比重が大きい不活性ガスで覆うことを特徴とする反応容器の湿度保持方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007017412A (ja) * 2005-07-11 2007-01-25 Olympus Corp 自動分析装置
CN103290487A (zh) * 2012-02-29 2013-09-11 科美仪器 生物反应装置芯片

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