JP2005098744A - 材質検出方法及び材質検出装置 - Google Patents

材質検出方法及び材質検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡単な構成で、材質の判別を高精度に行える材質検出装置を提供する。
【解決手段】 送信器と受信器とを兼用する1つの超音波トランスデューサ14と、矩形波信号を生成する矩形波発振器11と、矩形波発振器の出力を超音波トランスデューサに供給して該超音波トランスデューサを駆動することにより送信信号である超音波を被検体19に送信し、かつ送信信号の周波数−音圧特性及び超音波トランスデューサにより受信した受信信号の周波数−音圧特性との比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、前記予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する分析部10とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、本発明は、広周波数帯域に渡って一定の高音圧を発生することができる超音波トランスデューサを用いた材質検出方法及び材質検出装置に関する。
従来の超音波トランスデューサは圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。
ここで、従来の超音波トランスデューサの構成を図11に示す。従来の超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図11に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図11(A)に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック61および62と、コーン63と、ケース64と、リード65および66と、スクリーン67とから構成されている。
圧電セラミック61および62は、互いに貼り合わされていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード65とリード66が接続されている。
一方、図11(B)に示すユニモルフ型の超音波トランスデューサは、1枚の圧電セラミック71と、ケース72と、リード73および74と、内部配線75と、ガラス76とから構成されている。圧電セラミック71は、内部配線75を介してリード73が接続されるとともに、ケース72に接地されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。
上記構成からなる共振型超音波トランスデューサを用いた材質検出装置、あるいは材質検出方法は幾つか提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、使用する超音波トランスデューサが共振型であるが故に僅かな反射信号の差しか得られない、それによって判別方法が複雑になる、鉄と布などは判別できるが紙質などの微妙な差が判別できない、などの問題があった。
また共振型であるが故に共振周波数を得るためのチューニングが必要である、といった欠点を有する。これに対し、後述する図3に示す静電方式の広帯域発振型超音波トランスデューサも知られている。
特開平2001−337575号公報 特開平2003−84507号公報
この広帯域発振型の超音波トランスデューサを用いることで微妙な紙質を判別できる材質検出装置について我々は、既に出願している。
しかしこの材質検出装置の構成では被検体に対して超音波を送信する送信器として機能する超音波トランスデューサと、被検体からの反射波を受信する受信器として機能する超音波トランスデューサの二つのトランスデューサが必要であり、また送信波と受信波の信号差、すなわち音圧減衰で材質を判定するため構成が複雑であるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、材質の判別を高精度に行える材質検出方法及び材質検査装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、超音波トランスデューサを用い、該超音波トランスデューサから出力される超音波を被検体に向けて送信し、かつ該被検体からの反射波を受信して、前記超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に基づいて被検体の材質を判定する材質検出方法であって、 周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生する単一の超音波トランスデューサで送信器と受信器とを兼用し、送信信号である超音波を被検体に送信し、前記送信信号及び被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の材質検出方法において、前記超音波の送信信号は、基本波と奇数次の高調波を重ね合わせて生成される矩形波信号であることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の材質検出方法において、前記送信信号の矩形波に対して予めFFT処理を行い、該FFT処理により得られた送信信号の各周波数成分の振幅値を求め、かつ前記受信信号をFFT処理して得られた各周波数成分の振幅値を求めるとともに、前記送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率を求め、予め記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率と材質との関係を示すテーブルを参照し、前記求めた送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率に一致する、前記テーブルに記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を前記被検体の材質であると同定することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、超音波を被検体に向けて送信し、かつ該被検体からの反射波を受信して、前記超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に基づいて被検体の材質を判定する材質検出装置であって、周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生することができ、送信器と受信器とを兼用する1つの超音波トランスデューサと、矩形波信号を生成する矩形波発振器と、前記矩形波発振器の出力を前記超音波トランスデューサに供給して該超音波トランスデューサを駆動することにより送信信号である超音波を被検体に送信し、かつ前記送信信号の周波数−音圧特性及び前記超音波トランスデューサにより受信した被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性との比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、前記予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する分析手段とを有することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の材質検出装置において、前記矩形波発振器から出力される矩形波信号は、超音波周波数帯の基本波と奇数次の高調波を重ね合わせて生成され、送信時には前記超音波トランスデューサは、前記矩形波信号により駆動され、前記被検体に対して矩形波の超音波信号を送信することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の材質検出装置において、前記分析手段は、予め記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率と材質との関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、前記送信信号の矩形波信号に対して予めFFT処理を行い、該FFT処理により得られた送信信号の各周波数成分の振幅値を求める第1のデータ処理手段と、前記受信信号に対してFFT処理を行い、該FFT処理により得られた受信信号の各周波数成分の振幅値を求める第2のデータ処理手段と、前記送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率を求める演算手段と、前記テーブルを参照し、前記求めた送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率に一致する、前記テーブルに記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する判定手段とを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生する単一の超音波トランスデューサで送信器と受信器とを兼用し、送信信号である超音波を被検体に送信し、前記送信信号及び被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定するようにしたので、簡単な構成で、被検体の材質を高精度に自動的に検出することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態に係る材質検出装置の構成を図1に示す。本発明の実施形態に係る材質検出装置は、超音波トランスデューサを用い、該超音波トランスデューサから出力される超音波を被検体に向けて送信し、かつ該被検体からの反射波を受信して、前記超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に基づいて被検体の材質を判定する材質検出方法であって、 周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生する単一の超音波トランスデューサで送信器と受信器とを兼用し、送信信号である超音波を被検体に送信し、前記送信信号及び被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する材質検出方法を実施するための装置である。
図1において、本実施形態に係る材質検出装置は、被検体の材質を同定する分析部10と、超音波トランスデューサ14を駆動する矩形波信号を生成する矩形波発振器11と、ドライバ12と、切替スイッチ13と、超音波トランスデューサ14と、増幅器15と、波形整形回路16と、表示部17と、プリンタ18とを有している。
矩形波発振器11は、超音波周波数帯の基本波と奇数次の高調波を出力する複数の発振器と、これらの発振器出力を加算する手段とから構成され、超音波周波数帯の基本波と奇数次の高調波を重ね合わせることにより矩形波を生成する。
矩形波発振器11の出力端はドライバ12を介して切替スイッチ13の接点aに接続されており、切替スイッチ13の接点bは増幅器15の入力端に接続されている。
また、増幅器15の出力は分析部10に直接、または波形整形回路16を介して分析部10に入力されるようになっている。切替スイッチ13の端子cは超音波トランスデューサ14を介して接地されている。
切替スイッチ13は分析部10から出力される制御信号により、超音波トランスデューサ14が被検体19に超音波を発信する送信器として機能する送信モード(接点a側)、または被検体19からの超音波の反射波を受信する受信器として機能する受信モード(接点b側)に切り替えられるようになっている。分析部10は本発明の分析手段2相当する。
次に、分析部10の具体的構成を図2に示す。同図において、分析部10は、タイミング制御部100と、FFT(Fast Fourier Transform)処理部101、102と、カウンタ103と、メモリ104と、演算部105と、判定部106と、テーブル記憶部107とを有している。
タイミング制御部100は、切替スイッチ13を切り替えるタイミング制御信号CSを切替スイッチ13及びカウンタ103に出力する機能を有している。このタイミング制御信号CSは、出力タイミング(信号の周期)は図5に示すようであり、矩形波発振器11から出力される矩形波信号を生成するための正弦波の基本波の周波数に基づいて設定される。図5においてハイレベルとなる期間(a=1)は、送信状態となる期間を示し、ローレベルとなる期間(b=0)は、受信状態となる期間を示している。
カウンタ102は、超音波の送信時から反射波の受信時までの時間を計測する機能を有している。カウンタ102は、タイミング制御部107から出力される制御信号CSの立ち上がり時点でリセットされ、計数動作を開始し、波形整形回路16より入力される矩形信号(受信信号)の立ち上がり時点で計数動作を停止するように動作する。
FFT処理部101は超音波トランスデューサ14を駆動する矩形波発振器11から出力される矩形波信号をFFT処理を行い、該FFT処理により得られた送信信号の各周波数成分の振幅値を求める機能を有している。
また、FFT処理部102は、超音波トランスデューサ14が受信した受信信号に対してFFT処理を行い、該FFT処理により得られた受信信号の各周波数成分の振幅値を求める機能を有している。FFT処理部101は本発明の第1のデータ処理手段に、FFT処理部102は本発明の第2のデータ処理手段に、それぞれ相当する。
演算部105は、FFT処理部101、102により演算された送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値の比率を算出する機能を有している。演算部105は、本発明の演算手段に相当する。
メモリ104には、FFT処理部101、102の演算結果、すなわちFFT処理部101、102により演算された送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値、及び演算部105の演算結果、すなわち演算部105により演算された送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値の比率が格納される。
テーブル記憶部107には、FFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率と材質との関係を示すテーブルが記憶されている。テーブル記憶部107は本発明の記憶手段に相当する。
判定部106は、テーブル記憶部107に記憶されているテーブルを参照し、演算部105の演算結果と一致する超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を被検体19の材質であると同定する機能を有している。判定部106は本発明の判定手段に相当する。
FFT処理部101、102、メモリ104及び演算部105はバス108を介して相互に接続されている。
次に、超音波トランスデューサ14の具体的構成を図3に示す。図3に示す静電型の超音波トランスデューサは、振動体として3〜10μm程度の厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)等の誘電体31(絶縁体)を用いている。誘電体31に対しては、アルミ等の金属箔として形成される上電極32がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮で形成された下電極33が誘電体31の下面部に接触するように設けられている。この下電極33は、リード52が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板35に固定されている。
また、上電極32は、リード53が接続されており、このリード53は直流バイアス電源50に接続されている。この直流バイアス電源50により上電極32には50〜150V程度の上電極吸着用の直流バイアス電圧が常時、印加され上電極32が下電極33側に吸着されるようになっている。51は信号源であり、図1におけるドライバ12の出力に相当する。
誘電体31および上電極32ならびにベース板35は、メタルリング36、37、および38、ならびにメッシュ39とともに、ケース30によってかしめられてる。
下電極33の誘電体31側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極33と誘電体31との間の空隙となるので、上電極32および下電極33間の静電容量の分布が微小に変化する。このランダムな微小な溝は、下電極33の表面を手作業でヤスリで荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、超音波トランスデューサの周波数特性が図4において曲線Q1に示すように広帯域となっている。
上記構成の超音波トランスデューサ14では、上電極32に直流バイアス電圧が印加された状態で上電極32と下電極33との間に矩形波信号(ドライバ12の出力:50〜150Vp-p)が印加されるようになっている。因みに、図4に曲線Q2で示すように共振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、中心周波数(圧電セラミックの共振周波数)が例えば、40kHzであり、最大音圧となる中心周波数に対して±5kHzの周波数において最大音圧に対して−30dBである。これに対して、上記構成の広帯域発振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、40kHzから100kHz付近まで平坦で、100kHzで最大音圧に比して±6dB程度である。
上記構成からなる本実施形態に係る材質検査装置の動作について説明する。分析部10におけるタイミング制御部100より図5に示すタイミング制御信号CSが切替スイッチ13に出力されると、タイミング制御信号CSの立ち上がり時点で切替スイッチ13が接点a側に切り替えられ、送信モードとなる。この結果、矩形波発振器11より出力された図6に示す矩形波信号がドライバ12、切替スイッチ13を介して超音波トランスデューサ14に供給される。この時、同時にカウンタ103がタイミング制御信号CSによりリセットされ、カウンタ103の計数を開始する。
超音波トランスデューサ14では、上記矩形波信号により駆動され、超音波を被検体19に送信する。
また、矩形波発振器11より出力された矩形波信号は、FFT処理部101によりFFT処理がなされる。その処理結果を図7に示す。ここで、矩形波信号の基本波(20kHz)及び奇数次(例えば、3次、5次)の高調波(60kHz、100kHz等)の各周波数成分の振幅値がメモリ104に格納される。
次に、タイミング制御部100により出力されるタイミング制御信号CSにより切替スイッチ13が接点b側に切り替えられ、受信モードになると、被検体19からの超音波の反射波が超音波トランスデューサ14により受信され、その受信信号はスイッチ13、増幅器15を介して分析部10におけるFFT処理部102に入力される。受信信号の波形を図8に示す。
この受信信号はFFT処理部102によりFFT処理が行われる。その処理結果を図9に示す。この受信信号をFFT処理することにより得られた矩形波信号の基本波(20kHz)及び奇数次(例えば、3次、5次)の高調波(60kHz、100kHz等)の各周波数成分の振幅値は、送信信号と同様にメモリ104に格納される。
また、上記受信信号(図8)は、増幅器15、波形整形回路16を介して分析部10におけるカウンタ103に入力され、受信信号の立ち上がりで、計数動作が停止される。これにより被検体19に対して超音波を送信した時点から被検体19からの反射波である受信信号の受信時点までの時間が計測される。この計測結果はメモリ103に格納される。
メモリ104よりFFT処理部101、102により演算された送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値を読み出し、送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値の比率、すなわち、被検体19に対して送信した送信信号(送信した超音波に相当する。)と、受信信号(被検体19からの反射波に相当する。)の各周波数成分の振幅値を比較してどの周波数成分がどの程度減衰したかを求める。そして、演算部105は、算出した送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値の比率を判定部106に出力する。
判定部106は、テーブル記憶部107に記憶されているテーブルを参照し、演算部105の演算結果と一致する超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を被検体19の材質であると同定する。また、カウンタ103により計測された被検体19に対して超音波を送信した時点から被検体19からの反射波である受信信号の受信時点までの時間から、例えば、本実施形態に係る材質検出装置をプリンタの紙質の判定に使用する場合において、紙量を計測することができる。
判定部106により分析された被検体19に対する分析結果、すなわち、算出した送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値の比率、同定した材質に関するデータが表示部17に表示されるとともに、プリンタ18によりプリントアウトできる状態となる。
図10は、超音波トランスデューサ14として広帯域発振型超音波トランスデューサを用いた場合の超音波トランスデューサからの発振信号(送信信号)と紙質の異なる紙を被検体19としたときの受信信号の各周波数成分の振幅値(音圧)をプロットしたものである。
既述したように、受信信号をFFT処理により得られた周波数スペクトルと発振信号またはそれをFFT処理により得られた周波数スペクトルとを比較してどの周波数成分がどの程度減衰しているかを判断して紙の材質を判定する。
再生紙のような粗く柔らかい材質の紙は低周波数領域で紙にエネルギーが吸収されてしまい反射信号の低下が著しい。しかし超音波が高周波数になるにしたがってその傾向は減少していく。
光沢紙のような比較的表面が硬い紙では広い周波数にわたって高い反射音圧信号が観測できる。
また、片面使用紙を使用する場合、既に印刷されている面と裏の白紙面とを間違えてプリンタトレイなどにセットしてしまった場合などは、周波数スイープに加えてセンサでエリアスキャンを行えば、紙が間違ってセットされていることを使用者に知らせることが可能となる。
どの場合においても空中での減衰があるため、生の反射信号は発振信号より音圧は低い。しかし、プリンタに適用した場合など、紙と紙の材質を検出する超音波トランスデューサとが接近している場合には大きな問題にはならない。
本発明の実施形態に係る材質検出装置によれば、周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生する単一の超音波トランスデューサで送信器と受信器とを兼用し、送信信号である超音波を被検体に送信し、前記送信信号及び被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定するようにしたので、簡単な構成で、被検体の材質を高精度に自動的に検出することができる。
また、本実施形態に係る材質検出装置をプリンタに適用した場合には、用紙トレイの紙の材質を自動的に判別することができる。
超音波トランスデューサとして静電型の広帯域発振型超音波トランスデューサを用いることでプリンタなどの紙質を判別可能とし、紙質に合った印刷方法を選択あるいは自動選択することができる。
さらに、用紙トレイ内の紙がなくなる前に残量警告などを行うことが可能となる。
本発明に係る材質検出装置は、衣類の布地の種類の判別、プロジェクタのスクリーン材質の検出に適用することができ、さらに、各種分析用センサとして使用することができる。
本発明の施形態に係る材質検出装置の構成を示すブロック図。 図1に示した本発明の施形態に係る材質検出装置における分析部の具体的構成を示すブロック図。 図1に示した本発明の施形態に係る材質検出装置における超音波トランスデューサの構成を示す図。 図3に示した超音波トランスデューサの周波数特性を従来の超音波トランスデューサの周波数特性と対比して示す図。 図1に示した本発明の施形態に係る材質検出装置における送信モードと受信モードとを切り替えるタイミング制御信号の波形図。 図1に示した本発明の施形態に係る材質検出装置における超音波トランスデューサを駆動する矩形波信号(送信信号)の波形図。 図6に示した送信信号をFFT処理した周波数スペクトルを示す図。 図1に示した本発明の施形態に係る材質検出装置における超音波トランスデューサによる受信信号の波形図。 図8に示した受信信号をFFT処理した周波数スペクトルを示す図。 被検体が紙である場合の発振信号と被検体からの受信信号の周波数−音圧特性を示す図。 共振型の超音波トランスデューサの構成例を示す図。
符号の説明
10…分析部、11…矩形波発振器、12…ドライバ、13…切替スイッチ、14…超音波トランスデューサ、15…増幅器、16…波形整形回路、17…表示部、18…プリンタ、19…被検体、100…タイミング制御部、101、102…FFT処理部、103…カウンタ、104…メモリ、105…演算部、106…判定部、107…テーブル記憶部

Claims (6)

  1. 超音波トランスデューサを用い、該超音波トランスデューサから出力される超音波を被検体に向けて送信し、かつ該被検体からの反射波を受信して、前記超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に基づいて被検体の材質を判定する材質検出方法であって、
    周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生する単一の超音波トランスデューサで送信器と受信器とを兼用し、
    送信信号である超音波を被検体に送信し、前記送信信号及び被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定することを特徴とする材質検出方法。
  2. 前記超音波の送信信号は、基本波と奇数次の高調波を重ね合わせて生成される矩形波信号であることを特徴とする請求項1に記載の材質検出方法。
  3. 前記送信信号の矩形波に対して予めFFT処理を行い、該FFT処理により得られた送信信号の各周波数成分の振幅値を求め、かつ前記受信信号をFFT処理して得られた各周波数成分の振幅値を求めるとともに、前記送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率を求め、
    予め記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率と材質との関係を示すテーブルを参照し、
    前記求めた送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率に一致する、前記テーブルに記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を前記被検体の材質であると同定することを特徴とする請求項2に記載の材質検出方法。
  4. 超音波を被検体に向けて送信し、かつ該被検体からの反射波を受信して、前記超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に基づいて被検体の材質を判定する材質検出装置であって、
    周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生することができ、送信器と受信器とを兼用する1つの超音波トランスデューサと、
    矩形波信号を生成する矩形波発振器と、
    前記矩形波発振器の出力を前記超音波トランスデューサに供給して該超音波トランスデューサを駆動することにより送信信号である超音波を被検体に送信し、かつ前記送信信号の周波数−音圧特性及び前記超音波トランスデューサにより受信した被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性との比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、前記予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する分析手段と、
    を有することを特徴とする材質検出装置。
  5. 前記矩形波発振器から出力される矩形波信号は、超音波周波数帯の基本波と奇数次の高調波を重ね合わせて生成され、
    送信時には前記超音波トランスデューサは、前記矩形波信号により駆動され、前記被検体に対して矩形波の超音波信号を送信することを特徴とする請求項4に記載の材質検出装置。
  6. 前記分析手段は、
    予め記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率と材質との関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、
    前記送信信号の矩形波信号に対して予めFFT処理を行い、該FFT処理により得られた送信信号の各周波数成分の振幅値を求める第1のデータ処理手段と、
    前記受信信号に対してFFT処理を行い、該FFT処理により得られた受信信号の各周波数成分の振幅値を求める第2のデータ処理手段と、
    前記送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率を求める演算手段と、
    前記テーブルを参照し、前記求めた送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率に一致する、前記テーブルに記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する判定手段と、
    を有することを特徴とする請求項5に記載の材質検出装置。

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