JP2005098744A - 材質検出方法及び材質検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 送信器と受信器とを兼用する1つの超音波トランスデューサ14と、矩形波信号を生成する矩形波発振器11と、矩形波発振器の出力を超音波トランスデューサに供給して該超音波トランスデューサを駆動することにより送信信号である超音波を被検体19に送信し、かつ送信信号の周波数−音圧特性及び超音波トランスデューサにより受信した受信信号の周波数−音圧特性との比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、前記予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する分析部10とを有する。
【選択図】 図1
Description
ここで、従来の超音波トランスデューサの構成を図11に示す。従来の超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図11に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図11(A)に示すバイモルフ型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック61および62と、コーン63と、ケース64と、リード65および66と、スクリーン67とから構成されている。
一方、図11(B)に示すユニモルフ型の超音波トランスデューサは、1枚の圧電セラミック71と、ケース72と、リード73および74と、内部配線75と、ガラス76とから構成されている。圧電セラミック71は、内部配線75を介してリード73が接続されるとともに、ケース72に接地されている。
共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。
しかし、使用する超音波トランスデューサが共振型であるが故に僅かな反射信号の差しか得られない、それによって判別方法が複雑になる、鉄と布などは判別できるが紙質などの微妙な差が判別できない、などの問題があった。
また共振型であるが故に共振周波数を得るためのチューニングが必要である、といった欠点を有する。これに対し、後述する図3に示す静電方式の広帯域発振型超音波トランスデューサも知られている。
しかしこの材質検出装置の構成では被検体に対して超音波を送信する送信器として機能する超音波トランスデューサと、被検体からの反射波を受信する受信器として機能する超音波トランスデューサの二つのトランスデューサが必要であり、また送信波と受信波の信号差、すなわち音圧減衰で材質を判定するため構成が複雑であるという問題があった。
矩形波発振器11の出力端はドライバ12を介して切替スイッチ13の接点aに接続されており、切替スイッチ13の接点bは増幅器15の入力端に接続されている。
また、増幅器15の出力は分析部10に直接、または波形整形回路16を介して分析部10に入力されるようになっている。切替スイッチ13の端子cは超音波トランスデューサ14を介して接地されている。
次に、分析部10の具体的構成を図2に示す。同図において、分析部10は、タイミング制御部100と、FFT(Fast Fourier Transform)処理部101、102と、カウンタ103と、メモリ104と、演算部105と、判定部106と、テーブル記憶部107とを有している。
カウンタ102は、超音波の送信時から反射波の受信時までの時間を計測する機能を有している。カウンタ102は、タイミング制御部107から出力される制御信号CSの立ち上がり時点でリセットされ、計数動作を開始し、波形整形回路16より入力される矩形信号(受信信号)の立ち上がり時点で計数動作を停止するように動作する。
また、FFT処理部102は、超音波トランスデューサ14が受信した受信信号に対してFFT処理を行い、該FFT処理により得られた受信信号の各周波数成分の振幅値を求める機能を有している。FFT処理部101は本発明の第1のデータ処理手段に、FFT処理部102は本発明の第2のデータ処理手段に、それぞれ相当する。
メモリ104には、FFT処理部101、102の演算結果、すなわちFFT処理部101、102により演算された送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値、及び演算部105の演算結果、すなわち演算部105により演算された送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値の比率が格納される。
判定部106は、テーブル記憶部107に記憶されているテーブルを参照し、演算部105の演算結果と一致する超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を被検体19の材質であると同定する機能を有している。判定部106は本発明の判定手段に相当する。
FFT処理部101、102、メモリ104及び演算部105はバス108を介して相互に接続されている。
誘電体31および上電極32ならびにベース板35は、メタルリング36、37、および38、ならびにメッシュ39とともに、ケース30によってかしめられてる。
超音波トランスデューサ14では、上記矩形波信号により駆動され、超音波を被検体19に送信する。
次に、タイミング制御部100により出力されるタイミング制御信号CSにより切替スイッチ13が接点b側に切り替えられ、受信モードになると、被検体19からの超音波の反射波が超音波トランスデューサ14により受信され、その受信信号はスイッチ13、増幅器15を介して分析部10におけるFFT処理部102に入力される。受信信号の波形を図8に示す。
また、上記受信信号(図8)は、増幅器15、波形整形回路16を介して分析部10におけるカウンタ103に入力され、受信信号の立ち上がりで、計数動作が停止される。これにより被検体19に対して超音波を送信した時点から被検体19からの反射波である受信信号の受信時点までの時間が計測される。この計測結果はメモリ103に格納される。
判定部106により分析された被検体19に対する分析結果、すなわち、算出した送信信号及び受信信号のFFT処理により得られた各周波数成分の振幅値の比率、同定した材質に関するデータが表示部17に表示されるとともに、プリンタ18によりプリントアウトできる状態となる。
既述したように、受信信号をFFT処理により得られた周波数スペクトルと発振信号またはそれをFFT処理により得られた周波数スペクトルとを比較してどの周波数成分がどの程度減衰しているかを判断して紙の材質を判定する。
光沢紙のような比較的表面が硬い紙では広い周波数にわたって高い反射音圧信号が観測できる。
どの場合においても空中での減衰があるため、生の反射信号は発振信号より音圧は低い。しかし、プリンタに適用した場合など、紙と紙の材質を検出する超音波トランスデューサとが接近している場合には大きな問題にはならない。
超音波トランスデューサとして静電型の広帯域発振型超音波トランスデューサを用いることでプリンタなどの紙質を判別可能とし、紙質に合った印刷方法を選択あるいは自動選択することができる。
さらに、用紙トレイ内の紙がなくなる前に残量警告などを行うことが可能となる。
Claims (6)
- 超音波トランスデューサを用い、該超音波トランスデューサから出力される超音波を被検体に向けて送信し、かつ該被検体からの反射波を受信して、前記超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に基づいて被検体の材質を判定する材質検出方法であって、
周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生する単一の超音波トランスデューサで送信器と受信器とを兼用し、
送信信号である超音波を被検体に送信し、前記送信信号及び被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定することを特徴とする材質検出方法。 - 前記超音波の送信信号は、基本波と奇数次の高調波を重ね合わせて生成される矩形波信号であることを特徴とする請求項1に記載の材質検出方法。
- 前記送信信号の矩形波に対して予めFFT処理を行い、該FFT処理により得られた送信信号の各周波数成分の振幅値を求め、かつ前記受信信号をFFT処理して得られた各周波数成分の振幅値を求めるとともに、前記送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率を求め、
予め記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率と材質との関係を示すテーブルを参照し、
前記求めた送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率に一致する、前記テーブルに記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を前記被検体の材質であると同定することを特徴とする請求項2に記載の材質検出方法。 - 超音波を被検体に向けて送信し、かつ該被検体からの反射波を受信して、前記超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に基づいて被検体の材質を判定する材質検出装置であって、
周波数が広帯域にわたって高い音圧の音響信号を発生することができ、送信器と受信器とを兼用する1つの超音波トランスデューサと、
矩形波信号を生成する矩形波発振器と、
前記矩形波発振器の出力を前記超音波トランスデューサに供給して該超音波トランスデューサを駆動することにより送信信号である超音波を被検体に送信し、かつ前記送信信号の周波数−音圧特性及び前記超音波トランスデューサにより受信した被検体からの反射波である受信信号の周波数−音圧特性との比較結果を求め、予め記憶されている材質に対応する超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果を参照し、前記求めた前記送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に一致する、前記予め記憶されている超音波の送信信号及び受信信号の周波数−音圧特性の比較結果に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する分析手段と、
を有することを特徴とする材質検出装置。 - 前記矩形波発振器から出力される矩形波信号は、超音波周波数帯の基本波と奇数次の高調波を重ね合わせて生成され、
送信時には前記超音波トランスデューサは、前記矩形波信号により駆動され、前記被検体に対して矩形波の超音波信号を送信することを特徴とする請求項4に記載の材質検出装置。 - 前記分析手段は、
予め記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率と材質との関係を示すテーブルを記憶する記憶手段と、
前記送信信号の矩形波信号に対して予めFFT処理を行い、該FFT処理により得られた送信信号の各周波数成分の振幅値を求める第1のデータ処理手段と、
前記受信信号に対してFFT処理を行い、該FFT処理により得られた受信信号の各周波数成分の振幅値を求める第2のデータ処理手段と、
前記送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率を求める演算手段と、
前記テーブルを参照し、前記求めた送信信号及び受信信号のFFT処理による各周波数成分の振幅値の比率に一致する、前記テーブルに記憶されているFFT処理により得られた超音波の送信信号及び受信信号の各周波数成分の振幅値の比率に対応する材質を前記被検体の材質であると同定する判定手段と、
を有することを特徴とする請求項5に記載の材質検出装置。
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