JP2005098718A - 人工脂質膜の形成方法とそのための脂質平面膜形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熟練した技術を要せず、安定的に黒膜又は水中に張られる脂質平面膜を形成できる新規な方法及びそのための装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の脂質平面膜を形成する方法は、第一の室30と、第一の室から隔壁22より隔離された第二の室32とを設けられ、隔壁には、第一の室と第二の室とを流体的に連通する少なくとも一つの小孔24を設け、次いで、第一の室を第一の水溶液50で満たし、第二の室を脂質を含有する有機溶液52で満たし、小孔を介して第一の水溶液と有機溶液とを接触させ、更に第二の室内の有機溶液を第二の水溶液56に置換することにより、小孔を覆う脂質平面膜58を形成することを特徴とする。更に室が流路の一部として構成される脂質平面膜形成装置が開示される。本発明の装置は、脂質膜チップ又は膜タンパク質チップとして利用可能である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、脂質膜を形成するための方法及び装置に係り、より詳細には、膜タンパク質の機能及び活性の測定に用いられるのに適した脂質膜の形成方法と、その方法に適したチップ又はマイクロアレイに係る。
従来より、膜タンパク質やその他の生体膜上(又は膜の内外)に存在する生理活性物質(以下、「膜関連物質」とする。)の機能や活性を調べるために、人工的に脂質膜を構成し、その人工脂質膜に膜タンパク質等の膜関連物質を埋め込んで、それらの膜関連物質の電気特性や物質透過特性など種々の測定が行われている。また、膜関連物質の機能を種々のセンサとして利用すべく(バイオセンサ)、機能性を有する物質の土台として脂質膜を人工的に構成する試みも多くなされている。
そのような測定のために及びバイオセンサの構築のために利用される人工脂質膜の一つとしては、所謂「黒膜」(又は「ブラックメンブレン(Black Membrane)」)が、伝統的によく知られている。黒膜は、簡単に述べれば、プラスチック板に小孔を設け、水溶液中で、脂質分子をn−デカンなどの有機溶媒に溶解したもの(脂質溶液)をプラスチック板の小孔に塗りつけることにより、小孔を覆う平面状の膜として形成されるものである。これは、脂質分子が水溶液中で自発的に脂質二重層膜を構成するという性質を利用したものである。その他の人工脂質膜としては、LB膜、リポソームなどが知られている。
上記の如き人工脂質膜を構成する方法又は装置、及び、それらの人工膜を利用する方法又は装置が種々提案され且利用されている。そのような例は、例えば、下記の特許文献1−5或いは非特許文献1−3に記載されている。イデ等は、蛍光顕微鏡下で膜タンパク質1分子を可視化しつつ、その分子の機能及び活性を測定するために、脂質平面膜をプラスチックシートに開けた小孔に形成し、その膜を顕微鏡の対物レンズの焦点面に平行に広がるように、即ち、膜表面が顕微鏡下で観察できる観察用チャンバを構成した。そして、その膜上の分子の動きを可視化しつつ膜の電気特性の測定を行った(非特許文献1、2参照)。また、特許文献5には、バイオセンサ等の応用を想定した脂質二重層アレイが提案されている。
特開平02−35941号公報 特開平05−253467号公報 特開平07−241512号公報 特表2002−505007 特表2003−511679 イデ(Ide)外1名、バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーション(Biochemical and Biophysical Research Communications)、1999年、265巻、p.595-599 イデ(Ide)外3名、シングル・モレキュールズ(Single Molecules)、2002年、1巻、p.33-42 岡田泰伸編、新パッチクランプ実験技術法、2001年7月5日発行、株式会社吉岡書店、p.209-244 マーク・マドウ(Marc Madou)著、ファンダメンタルス オブ マイクロファブリケーション(Fundametals of Microfabrication)、1997年、シー・アール・シー・プレス・エルエルシー(CRC Press LLC)
上記の種々の形式の人工脂質膜のうち、黒膜は、両面が水相に面した(水中に膜のみで張られた)平面膜であり、膜の両側の水相に電極を配置するだけで、膜又はそこに埋め込まれた膜関連物質の電気的特性を測定することができ、又、任意の刺激に対する膜の応答を感知することができる。従って、膜関連物質の機能測定又はセンサの用途において、黒膜は、小胞状であるリポソームよりも、或いは、膜面の一方が基板に貼着された平面膜であるLB膜よりも構造的に有利である。また、上記の如く、黒膜は、水中の小孔に脂質溶液を適用するだけで自然に形成されるので、形成操作は、比較的単純である。
しかしながら、従来の黒膜又は水中に張られた脂質膜の形成は、実際のところ、形成操作が単純であるが故に、熟練した技能を必要とし、又、常に、同一の状態の膜を形成することが極めて難しく、同じように形成操作を行ったとしても形成し損なう場合も多い。それは、小孔に脂質溶液を与える量やタイミングに微妙な調節が必要なためであり、現在のところ、例えば、上記のイデ等の方法の場合、膜の形成に成功した者から直接に操作を習得しなければ、成功裡に膜を形成することは困難となっている。
もし簡便な形成操作により、熟練した技術を要せず、この分野の通常の実験操作技術を有する者であれば誰でもが、安定的に、即ち、ばらつきが少なく、黒膜又は脂質平面膜を形成することができるようになれば、黒膜又は脂質平面膜は、より広範な実験や検査若しくはセンサ等の装置に利用可能となると考えられる。更に、黒膜又は脂質平面膜の安定的な形成が可能となれば、黒膜又は脂質平面膜をアレイ状に形成した試料標本、即ち、「脂質平面膜マイクロアレイ」又は「脂質平面膜チップ」を調製することも可能となると考えられ、光学顕微鏡や分光装置などを用いた種々の検査又は試験も行えるようになり、また、バイオセンサ等への応用も広範囲に且容易になると考えられる。
従って、本発明の解決しようとする一つの課題は、熟練した技術を要せず、安定的に又は再現性よく黒膜又は水中に張られる脂質平面膜を形成できる新規な方法及びそのための装置を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、上記の如き方法又は装置であって、光学顕微鏡又はその他の光学的な測定装置に容易に用いられる脂質平面膜の形成方法及びそのための装置を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、脂質膜チップ若しくはマイクロアレイを提供することである。
本発明のもう一つの課題は、脂質膜チップ又は脂質膜マイクロアレイに於いて容易に且安定的に脂質膜を形成する方法を提供することである。
上記の課題は、脂質平面膜を形成する方法であって、第一の室と、該第一の室から隔壁により隔離された第二の室とを設ける過程にして、隔壁には、第一の室と第二の室とを流体的に連通する少なくとも一つの小孔を設ける過程と、第一の室を第一の水溶液で満たし、第二の室を脂質を含有する有機溶液で満たし、小孔を介して第一の水溶液と有機溶液とを接触させる過程と、第二の室内の有機溶液を第二の水溶液に置換する過程とを含み、これにより小孔を覆う脂質平面膜を形成することを特徴とする方法により達成される。
従前の黒膜の形成方法は、上記に簡単に述べた如く、水中にて小孔へ刷毛などで脂質溶液を塗りつける、又はピペットなどで与えるか、水槽の外で小孔へ脂質溶液を「適量」与え、しかる後に水中に小孔を沈めるというものであった。かかる方法では、脂質溶液の適用の仕方がばらつき、巧く膜を張るには、微妙な「技」を要し、かくして、形成された膜の性状もばらついて、安定的に膜を形成することを難しくしていたものと思われる。
上記の本発明によれば、まず、第一の室と第二の室を、それぞれ、第一の水溶液と、脂質の含有した有機溶液、即ち、脂質溶液とで満たし、水溶液と脂質溶液とを小孔を介して接触させる。この時点で水溶液と脂質溶液との界面となる小孔にて、脂質分子が少なくとも単分子膜を形成するものと考えられる。その後、脂質溶液を第二の水溶液(第一の室に充填したものと同一であっても同一でなくともよい。)に置換することにより、脂質膜が自発的に形成されるようになる。かかる操作は、この分野の通常の実験技術を有する者であれば、容易に行うことができる。しかも、従前の如く小孔に塗りつけられるべき、脂質溶液の「適量」を調節する操作を行う必要がなく、かくして、形成される脂質膜の性状も従前に比してばらつきのないものとすることができる。なお、第一の室に脂質溶液を注入し、第二の室に水溶液を注入してもよいことは理解されるべきであり、「第一」及び「第二」という語は、本明細書において、二つの室を区別するために用いられているすぎず、互いに置換されることは理解されるべきであり、置換されて表現される発明は、全て本発明に属する(以下、同様)。
上記の本発明の方法において、本発明者は、更に、第二の室内の有機溶液を第二の水溶液に置換する過程において、有機溶液を空気にて置換した後、第二の水溶液を第二の室内へ導入すると、より効率的に且安定的に小孔に形成できることを見出した。実験によれば、第二の室内を、脂質溶液又は有機溶液から、第二の水溶液へ直接置換するのではなく、一旦、空気に置き換えた後、水溶液を導入すると、より安定的な薄い脂質膜が形成されることが見出された。
更に、上記の本発明の方法において、第一の室を第一の流路の一部として構成し、第二の室を第二の流路の一部として構成してよい。このことにより、各室への溶液の導入及び室内の溶液又は空気の置換が容易にとなり、形成操作がより一層容易となる。また、従来では、脂質溶液を人の手で小孔へ与えなければならなかつたところ、流路を用いて室へ溶液又は空気を導入することにより、ポンプ等を用いて形成操作を自動化することも可能となる。
上記の本発明の方法は、脂質平面膜を形成するための装置であって、第一の流路と、第二の流路にしてその少なくとも一部が実質的に平板状の隔壁を挟んで第一の流路の少なく一部と隣接して設けられている第二の流路とを含み、隔壁に前記第一の流路と第二の流路とを流体的に連通する少なくとも一つの小孔が貫通しており、これにより、第一及び第二の流路のうちの一方を水溶液で満たし、第一及び第二の流路のうちの他方に脂質を含有する有機溶液で満たすことにより、小孔を介して水溶液と有機溶液が接触可能となっており、しかる後に有機溶液を水溶液と置換することにより、小孔に脂質平面膜が形成可能となる装置によって実施することができる。なお、本発明の方法において構成される室に対応する部分は、第一及び第二の流路内の隔壁の小孔の近傍の部分であることは理解されるべきである。
上記の本発明の装置によれば、人の手により流路へ溶液を流入させてもよいが、シリンジポンプなど、この分野においてカラム又はチャンバの溶液交換に、通常、用いられている送液用の機械器具を流路へ接続することにより、流速又は流量を制御しつつ、溶液又は空気の導入又は置換操作を行うことが可能となる。そして、上記の脂質膜形成装置は、シリンジポンプ等の機械器具を用いられれば、黒膜の如き脂質平面膜の自動且大量調製(形成)が可能となる。
また、本発明の方法及び装置において、脂質膜を形成する小孔を流路の途中に設けるという構成によれば、脂質膜の形成後に、脂質膜の面する水溶液の交換を極めて容易に且迅速に行うことができるようになる。そして、膜タンパク質(又は膜タンパク質を含むベシクル)やその他の膜関連物質を分散させた水溶液を流路に導入することにより、小孔に形成された脂質膜へ膜タンパク質その他の膜関連物質を付与する、即ち、「膜タンパク質を脂質膜へ埋め込む」ことも容易となる。
更に、上記の本発明の方法において、第一の室又は流路を第一の平板部材とそれに積層された第二の平板部材との間に設け、第二の室又は流路を第二の部材とそれに積層された第三の平板部材との間に設け、第二の平板部材の少なくとも一部に隔壁を構成し、小孔を第二の平板部材の一方の面から他方の面へを貫通するよう設けるようにしてよい。このようにすることで、脂質膜の膜面は、第一乃至第三の積層された平面部材の面に平行に構成されることとなる。そうすると、例えば、光学顕微鏡のステージに載置することが可能となり、しかも膜面を対物レンズにより観察することができるようになる。
従って、本発明の脂質平面膜を形成するための装置においては、第一の流路が第一の平板部材とそれに積層された第二の平板部材との間に設けられ、第二の流路が第二の部材とそれに積層された第三の平板部材との間に設けられ、第二の平板部材の少なくとも一部が隔壁を構成し、小孔が第二の平板部材の一方の面から他方の面へを貫通するよう設けるよう構成されてよい。そして、更に、膜上の現象を光学的に捉えるために、第一及び第三の平板部材の少なくとも一方が透明な材料で形成されてよい。
更に、本発明の方法において注目されるべき特徴は、小孔のそれぞれに個別に脂質溶液を与える必要はないということである。本発明によれば、上記の隔壁に、複数の小孔を設けることにより、一度に、それぞれの小孔に複数の脂質膜を調製することが可能である。そして、それらの小孔は、任意に隔壁に設けられてよい。従って、隔壁において、小孔を、例えば、格子状に配列するなどして、即ち、アレイ状に配列すれば、所謂「脂質膜マイクロアレイ」又は「脂質膜チップ」を構成することができる。かくして、本発明の装置においては、隔壁に小孔が複数個設けられていてよく、又、複数の小孔がアレイ状に配列されていてよい。その場合、第一及び第二の流路の一方又は両方に、隣接する小孔を互いに流体的に隔離するための手段が設けられて良い。そうすると、それぞれの小孔について、そこに形成された脂質膜に接する水溶液が互いに混合しない独立の系を構成することが可能となり、小孔毎に、独立に実験又は計測を行うことができるので有利である。また、脂質膜チップの調製後又は調製とともに、脂質膜へ膜タンパク質を埋め込めば、「膜タンパク質チップ」又は「膜タンパク質マイクロアレイ」を調製することもできる。
また、本発明で形成される脂質膜は、両面が水相に面する黒膜と同様の態様で構成されているので、第一及び第二の流路内のそれぞれに少なくとも一つの電極を付設し、小孔を挟んで膜に電圧を印加できるようになっていてよい。脂質膜に膜タンパク質等の膜関連物質を埋め込めば、それらの膜関連物質の電気的特性又は応答を測定することも可能となる。その場合、複数個の小孔のそれぞれに対し一対の電極が設けられ(一方の電極は、共通であってもよいことは理解されるべきである)、第一及び第二の流路の一方又は両方に、隣接する小孔を互いに電気的に絶縁するための手段が設けられていると有利である。そうすれば、小孔毎に独立に膜へ電気的な刺激を与えたり、又は、電気的な応答を検出したりすることが可能となり、一つのチップで同時に異なる測定が行えるようになる(チップのマルチチャンネル化)。
本発明の方法及び装置により調製される脂質膜は、この分野の通常の知識を有する者の理解され得る範囲で、任意の大きさにて形成することができるが、例えば、膜上の膜関連物質の、一分子観察などの分子レベルの機能又は応答の測定等が為される場合には、マイクロメートルオーダーの大きさにて形成されてよい。そのような場合、本発明の装置における流路、室等の構造は、半導体回路の製造に用いられるマイクロ加工技術を有利に採用することができる。特に、本発明者は、小孔の形成に際して、隔壁としてシリコン板を用い、シリコン板をその結晶方向に沿ってエッチングすると、小孔に適した、例えば、縁にテーパーを有する構造を形成することができることを見出した。勿論、本発明の隔壁及び小孔は、その他の手法で構成されてよく、それらの全ては、本発明に含まれると理解されるべきである。
更に、小孔の縁の表面を積極的に疎水的にすると、よりよく脂質膜が形成されることが見出された。その際、小孔の縁及びその近傍、或いは隔壁全体を疎水性処理する際には、パリレン等の疎水性被覆が有利に用いられてよい。
近時、タンパク質やDNAなどの生理活性物質或いは細胞を、それらの機能や活性を調べるために、「マイクロアレイ」又は「チップ」、即ち、基板上にマイクロメートルオーダーの間隔にて生理活性物質を固定した試料標本の開発が試みられている。チップ化した試料標本は、特定の病気若しくは疾患についての迅速かつ精度の高い診断手段としての利用も期待されている。しかしながら、現在のところ、膜タンパク質等の、膜に埋め込まれなければ活性の発現しない膜関連物質については、チップ化した標本は、殆ど提案されておらず、実用化にいたっていない。その理由の一つは、前述の如く、安定的に黒膜又は平面膜を形成することが難しく、従って、黒膜又は平面膜をアレイ状に配列する、又は、チップ化するといったことが非常に困難であったことである。
本発明によれば、従来の黒膜の調製方法の如く小孔に適用される脂質溶液の適量を調節するといった、実験者の手によって直接に調節する操作や、その他の熟練した技能を要せずに、安定的に或いは再現性よく黒膜又は平面膜を形成することが可能である。そして、隔壁に小孔を複数設けておけば、一度の形成操作によって、複数の脂質膜を形成することも可能であり、従って、脂質膜をアレイ状に配列した、脂質膜チップの調製も可能となる。
下記の実施態様の欄においては、本発明の装置としては、主として、光学顕微鏡での観察用のプレパラートの形態が記載されるが、本発明は、その他の形式の試料標本にも適用可能であることは理解されるべきである。下記の実施例では、膜面、即ち、小孔が水平に置かれ、光学顕微鏡の対物レンズの焦点面に平行に置かれて、膜面が対物レンズを通して観察できるようになっているが、本発明の装置は、例えば、分光器の試料として、膜面が垂直になるように構成されてもよく、そのような装置は、本発明の範囲に属すると解されるべきである。
本発明の方法及び装置において特記すべきことは、脂質膜が張られる小孔を流路の途中又は流路の一部を構成する室に設けることにより、小孔の両面における溶液の置換が容易となり、より一層、脂質膜の形成が容易となっている点である。かかる特徴によれば、流路にシリンジポンプ等の機器を接続し、それらの機器により溶液交換を行うようにシステムを構成することにより、脂質膜の形成を自動化することができ、脂質膜チップの大量生産も可能となるであろう。そして、脂質膜の形成後においても、脂質膜の両側の溶液の交換が非常に簡単であるので、膜関連物質を含有するベシクル又はリポソームの溶液を流路内に流通させることにより、脂質膜に膜関連物質を埋め込むことも可能となり、かくして、例えば、膜タンパク質をアレイ状に配列した「膜タンパク質チップ」の調製が可能となる。
更に、本発明の装置においては、実施形態の欄に例示される如く、マイクロ加工技術等を用いてマイクロ流路を構成することにより、アレイ状に配列された脂質膜又は膜関連物質を含む脂質膜を流体的に隔離し又は電気的に絶縁することが可能である。このことにより、アレイ状の脂質膜をそれぞれ独立した系として構成することができ、一つのチップで異なる実験又は計測できるようになる、即ち、チップのマルチチャンネル化が達成される。
膜タンパク質等の膜関連物質は、実際の細胞において、細胞内外の物質輸送や情報伝達に於ける多くの重要な現象に、或いは、種々の特有の病気又は疾患に関与していることがわかっている。かかる膜関連物質をアレイ状に配列してチップ化することにより、膜関連物質についての、今までにない検査若しくは試験、或いは、従前では検出し得なかった病気又は疾患の診断が可能となる。また、膜タンパク質等の膜関連物質は、既存の半導体素子等にはない有用な機能を有している可能性もある。本発明は、かかる膜タンパク質等の膜関連物質の機能活性測定及び解析のためのハイスループットの検出ツールとして、或いは、膜タンパク質等膜関連物質の機能を利用した新規な装置として、例えば、超高感度膜タンパク質分析装置、超高感度・多チャンネル創薬スクリーニング装置、超高感度イオンセンサーなどとして利用可能である。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
脂質平面膜形成装置 図1及び図2A−Eには、本発明の脂質平面膜を形成する方法に従って、脂質膜を形成することのできる脂質平面膜形成装置10であって、特に光学顕微鏡下において、観察されるよう構成されたプレパラートの形態を有する装置の模式図が例示されている。脂質平面膜形成装置10は、平坦な上板12と、下板14と、それらの間に挟持される中板16とから構成されている。上板12と下板14とは、任意のガラス、プラスチック、金属などから形成されていてよい。光学顕微鏡等その他の光学的な機器により、脂質膜を観察して膜上に見られる現象又は機能等の測定を行う場合には、上板12及び下板14は、全体が、又は、以下に説明する小孔の近傍のみが、透明な材料で形成されていることが好ましい。
中板16には、第一の流路18と、第二の流路20と、隔壁22とが形成され、隔壁22には、少なくとも一つの小孔24が穿孔されている。以下に説明するように、小孔24に脂質平面膜が形成されることとなる。中板16は、上板12及び下板14と同様の材料で形成されてもよいが、流路や隔壁等の構造を形成することのできるマイクロ加工技術の分野において利用されている任意の材料であることが好ましい。第一の流路18は中板16の下側に、第二の流路20は中板16の上側に、それぞれ溝状に形成され、中板16が下板14及び上板12の間に挟持されることにより、流体を流通させられる通路を構成する。各々の流路の両端には、流路内への溶液の導入を容易にするために、任意にチューブ等が接続できるよう管継手26、28が設けられ、図示していない送液ポンプへ接続可能となっていてよい。流路の断面形状や幅及び深さ等の寸法は、任意に定められてよいが、装置10が、光学顕微観察用のプレパラートとして構成される場合、幅及び深さは、ミリメートル若しくはサブミリメートルのオーダーであってよい。図示の如く、追加的に、流路には枝流路21及び管継手29が設けられてよい。この場合、空気を含む種々の流体を順々に流通させる場合に有利である。
第一の流路18と第二の流路20とは、それぞれ、互いに併設されて隔壁22により仕切られた第一の室30及び第二の室32とを含む。隔壁22には、上記の如く小孔24が穿孔され、かくして、第一の流路18と第二の流路20、又は、第一の室26及び第二の室28とは、小孔を介して流体的に連通する。図1及び図2A−Cの例では、隔壁22に3つの小孔が設けられているが、小孔は、一つであってもよく、又、任意に、例えば、格子状に配列されていてもよい(図2E参照)。小孔の形状及び大きさは、任意に選択されてよい。例えば、以下に詳細に説明される如き実施例における実験の条件においては、よりよく安定的に脂質膜を形成される小孔の径は数十μmから百数十μmの範囲であった。小孔の形状については、図示の如く、好ましくは、小孔の縁に内方へ向かってテーパー36aが設けられる。また、小孔の縁の表面は、好ましくは、疎水的であることが好ましく、該表面を疎水性にするために疎水性物質により任意に被覆が施されていて良い。
図1及び図2A−Dの例では、第一及び第二の室30、32の大きさは、それぞれ、第一及び第二の流路18、20の幅と同一となっているが、室の部分のみ任意の大きさであってもよい。しかしながら、後に説明されるように、室内の溶液交換が効率よくなされるためには、流路の幅と同一か若しくは小さい方が好ましいであろう。
更に、装置10の小孔24の近傍若しくは室に、脂質膜の電気特性又は電気的応答を検出するために電極34、36が設けられていてよい。電極は、小孔ごとに一対ずつ設けられていてもよく、室全体に対して一対設けられるようになっていてもよい。電極の数又は形状及び寸法は、当業者において、実験又は測定の目的によって任意に選択されてよく、それらの全てが本発明の範囲に属することは理解されるべきである。
また、隔壁22に複数の小孔が設けられている場合には、隣接した小孔に形成された脂質膜を流体的に隔離し、或いは、電気的に絶縁して、独立の系を構成するべく、小孔毎に第一及び第二の流路を流体的又は電気的に遮断する手段が設けられてよい。かかる手段の構成は、以下に説明する。
図示の例は、脂質膜の形成される室と流路とが一体的に形成されている。しかしながら、図示していないが、装置10に第一及び第二の室のみを構成し、室に流体の出入口を設け、チューブ等で構成された流路が室の出入口に接続されるよう構成されてもよく、そのような装置も本発明の範囲に属する。
脂質平面膜形成装置の製造方法 上記の本発明の装置10の、特に、中板16は、以下の如く、マイクロ加工技術(非特許文献4参照)により有利に形成することができる。特に、小孔24の好適な形状は、シリコン板をその結晶方向にエッチングすることにより、形成することができる。かかる方法によれば、小孔の形状は、シリコンの結晶により定められることになるので、同一の形状を有する小孔を形成することが容易となり、極めて有利である。以下、図3を参照して、中板16の形成過程を説明する。
(a)シリコンウェハ38の両表面を熱で酸化してSiO2膜40を形成した後、ICP−RIEエッチングにより、図において下側のシリコン板の表面に小穴42(約50μm幅、約200μm深さ)を形成する(図3A)。
(b)S1830フォトレジストをスピンコーター(MIKASA SPINNER IH-D2)を用いて3000rpm 90秒にてスピンコーティング、即ち、回転させて薄く一様にコートし、次いで、紫外線を照射し、小穴を形成した面の流路及び室のパターンを感光し、レジストのエッチャントで紫外線の当たったところのレジストを除去する。かくして、流路と室に対応する表面のレジストが除去される。
(c)SiO2をBHF(バッファードふっ酸)でエッチングし(図3B)、更に、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液中で反応させると、Siだけが結晶方向に沿ってエッチングされ、小穴が形成された部位には、ピラミッドの形状の窪み44が形成される(図3C)。
(d)次いで、図にて上側の面において、ICP−RIEエッチングにより、流路と室とが形成され、ピラミッド形状の窪みとなった小穴部位は、貫通し、縁にテーパーを有する小孔24が形成される(図3D)。
(e)その後、シリコンが剥き出しなった表面を酸化し、更に、疎水性物質にて、酸化された表面を被覆する(図3E)。疎水性被覆46は、例えば、パリレン(Specialty coating systems)薄膜が好適であるが、その他の当業者において任意に選択し得る物質による被覆であってよい。
(f)しかる後、上板12及び下板14にて中板16を挟持するよう固定する。固定には、ガラス接着剤SU−8等48が用いられて良い。その際、電極も同時に固定されてよい(図3F)。
上記の製作においては、中板16のみに流路等の構造を形成したが、任意に上板及び下板にも同様の成形加工が施されてよく、そのような構成を有する装置も本発明の範囲に属すると理解されるべきである。
シリコンの結晶方向にエッチングすることにより形成された小孔の電子顕微鏡像が、図4(A)、(B)に例示されている(図4(C)は、図4(B)の模式図である。)
脂質平面膜の形成方法 本発明による脂質平面膜の形成方法は、図1及び図2の装置により以下の手順により、成功裡に行うことができる。ただし、本発明の概念及び範囲を逸脱することなく、他の装置によっても本発明の方法が実施可能であることは理解されるべきであり、かかる他の装置を用いた脂質膜の形成方法も本発明の範囲に含まれると理解されるべきである。
本発明による脂質平面膜の形成は、以下の如く行われる。
(a)第一の流路18へ任意の水溶液50が管継手26より注入され、第一の室30に充填される。好ましくは、水溶液は、少なくとも小孔の先縁にくるまで導入される。一方、第二の流路20へは、脂質を溶解した有機溶液、即ち、脂質溶液52が管継手28より注入され、第二の室32に充填される(図5A)。脂質溶液も、好ましくは、少なくとも小孔の先縁にくるまで導入され、かくして、水溶液と脂質溶液とは、小孔に接触した状態となる。上記溶液の注入は、シリンジポンプなどの送液用ポンプが任意に用いられてよい。
水溶液は、脂質膜を形成後に行われる実験又は測定に用いられる水溶液であってもよく、また、別のものであってもよい。脂質溶液は、任意のリン脂質、糖脂質など、常温で脂質二重層を形成し得る脂質が、n−デカン、クロロホルムなど、この分野の当業者が黒膜を形成するために用いている任意の有機溶媒に溶解したものであってよい。脂質は、アゾレクチンなどの天然物から抽出した脂質であってもよく、また、ジフィタノイルフォスファチジルコリンなどの合成脂質であってよい。脂質の濃度は、例えば、数十mg/mlであってよく、好ましくは、約20mg/mlである。
(b)次いで、第二の流路20及び第二の室32の脂質溶液を、第二の流路へ空気54を注入することにより排出する。この時点において、図5Bに示されている如く、小孔の水溶液の界面には、脂質溶液の一部が残留する。
(c)次いで、第二の流路20へ水溶液56が注入されて空気54を押し出し(図5C)、第二の流路20及び第二の室32が脂質溶液から空気を介して水溶液に置換される(図5D)。そうすると、小孔24には、模式的に描かれている如く、脂質平面膜58が形成される。水溶液を流入する際の流速は、使用者により任意に設定されてよく、例えば、数十μm/sであってよい。流量は、流路の断面積と流速により定められる。
上記の(b)の過程において、脂質溶液は、水溶液により押し出されるよう操作が行われてもよいが、本発明者の実験によれば、一度、空気に置換すると、より安定に脂質膜が形成されることが見出された。
脂質膜の形成方法に於いて好適に脂質膜を形成するための種々の条件、例えば、水溶液の流速及び流量等は、脂質溶液の組成、水溶液のイオン強度、浸透圧等により変動するので、安定的に脂質膜を調製するために、初めに好適な条件を調べるための試行形成が行われる。しかしながら、本発明の方法及び装置によれば、操作は、水溶液の流速等を調節するのみで、例えば、従前の脂質膜の方法の如く、操作者の技能的な操作がないため、一旦、好適な条件が定まれば、それ以後、同一の条件の下、安定的に脂質膜を調製可能となることは理解されるべきである。また、隔壁上に複数の小孔を設けることにより、上記(a)−(c)の過程を一度行うことにより、多数の脂質膜が形成され、脂質膜マイクロアレイが形成されることとなる。
更に、脂質膜の形成後、膜タンパク質を含むリポソーム又は細胞から得た生体膜を小胞化したベシクル等を含む溶液を第一又は第二の流路へ注入することにより、小孔に形成された脂質膜と接触させ、膜タンパク質又は膜関連物質を脂質膜に取り込むようにすることが可能である。
第一及び第二の流路を小孔毎に遮断する構成 隔壁に小孔が複数設けられている場合、形成された脂質膜のそれぞれが流体的に又は電気的に独立した系を構成するよう流路を遮断する手段が図6に示されている。
図6(A)及び(B)は、第一及び第二の流路のいずれか一方又は両方において、小孔を流体的に又は電気的に遮断するための構成及びその方法の一つの実施形態が示されている。同図から理解される如く、流路には、隣接する小孔の間の壁のそれぞれに、流路を遮断する物質を注入する副流路60が設けられる。流路を遮断する物質は、典型的には、空気62であってよいが、その他の水溶液と混合しない任意の有機溶媒等であってよい。
小孔毎の流路の遮断は、図6(A)に示されている如く、図5に関連して説明された脂質膜の形成方法により、一連の小孔に脂質膜が形成された後、図6(B)に示されている如く、空気等の遮断物質を流路内に注入することにより達成される。
図6(C)は、小孔毎の流路の遮断のためのもう一つの実施形態を例示しており、この実施形態においては、電極34又は36とは別に、隣接する小孔の間において、流路内に又は流路の側部に、気泡発生用電極64が設けられる。この実施形態においては、上記の脂質膜の形成方法により、各小孔に脂質膜を形成した後、気泡発生用電極に電流を流し、気泡を流路中の水溶液に気泡70を発生させる。かかる気泡70により、図示の如く、流路は、小孔毎に流体的に又は電気的に遮断されることとなる。気泡発生のメカニズムは、(1)ジュール熱による発泡又は(2)水の電気分解により水素気泡発生のいずれであってもよい。
理解されるべきことは、上記の遮断手段は、第一及び第二の流路の各々に設けられることが好ましいが、脂質膜は、金属イオンや水溶性物質に対しては、実質的に非透過性を示すので、実験又は計測によっては、第一又は第二の流路のいずれか一方のみ遮断されれば十分である場合があり、そのような構成も本発明に含まれる。
かくして、小孔に形成された脂質膜は、互いに流体的に又は電気的に遮断され、それぞれが独立系を構成し、これにより、個々の脂質膜の化学的反応の計測又は電気的計測が可能となる。なお、上記の流路の遮断操作は、膜タンパク質等が脂質膜に導入される場合は、かかる膜タンパク質等の導入操作の後に行われる。
上記に説明した本発明の有効性を検証するために、以下の如き実験を行った。なお、以下の実施例は、本発明の有効性を例示するものであって、本発明の範囲を限定するものではないことは理解されるべきである。
脂質平面膜の形成 上記の装置10を用い、本発明の脂質平面膜の形成方法の手順により、小孔24に脂質平面膜を形成した。脂質は、大豆由来のリン脂質であるアゾレクチン(Sigma Chemicals社)を用い、有機溶媒としてn−デカンに溶解し、脂質濃度は、20mg/mlとした。水溶液は、0.1MKCl、0.1M グルコースを用いた。第二の流路に充填した脂質溶液を空気にて追い出した後、水溶液を第二の水溶液を注入する際には、シリンジポンプ KDS−200(KDサイエンティフィック社 米国)を用いた。
装置10の流路及び室の幅は、500μmであり、深さは、約100μmとした。隔壁の厚さは、約100μmであり、小孔の口径は、約130μmとした。膜の形成過程は、光学顕微鏡(IX−71 オリンパス光学)にて、対物レンズ40倍を用いて観察した。
図7(a)は、脂質溶液を第二の室から追い出した後(図5(B)参照)の小孔の状態の顕微鏡像である。図7(b)は、図5(C)に示す如く、第二の室に水溶液を導入する過程の顕微鏡像である。図7(c)は、形成された脂質平面膜の顕微鏡像であり、小孔の中央部の概ね円形の部分にイデ等の文献(非特許文献1、2参照)と同様の脂質二重層膜が形成されたことが確認された。(小孔の周囲に観察される半透明の不規則な形状の物体は、脂質の塊である。)
以上の説明は、本発明の実施の態様に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易になされることは、理解されるべきであり、本発明は、上記に例示された実施態様のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは理解されるであろう。
本発明の一つの実質形態である脂質平面膜形成装置の模式的な斜視図。図中の点線は、裏面の流路構造を示す。 図1に例示された脂質平面膜形成装置模式的な(A)平面図と、(B)底面図と、(C)(B)の線d−dに沿って見た断面図と、(D)小孔近傍の断面図とが示されている。(E)は、別の実施形態に於ける小孔アレイの模式図である。図中の点線は、裏面の流路構造を示す。 本発明による脂質平面膜形成装置の製作過程の模式図。(A)表面が酸化されたシリコンウェハに小穴を開けた状態。(B)小穴を開けた面のエッチング過程。(C)TMAHエッチングにより、シリコンウェハにピラミッド形状の窪みが形成された状態。(D)上面をエッチングし、小孔が貫通した状態。(E)シリコンウェハの表面を酸化し、パリレンコートを施した状態。(F)上板及び下板で中板を挟持し固定した状態。 (A)小孔が形成された隔壁の電子顕微鏡像。(B)小孔の電子顕微鏡像。(C)(B)の像の模式図。 本発明による脂質平面膜の形成過程の模式図。(A)第一の流路に水溶液を、第二の流路に脂質溶液を充填した状態。(B)第二の流路から脂質溶液を追い出した状態。(C)第二の流路に水溶液を導入する過程。(D)第二の流路に水溶液を充填し脂質平面膜が小孔に形成された状態。 本発明による脂質膜形成後の小孔毎の流路の遮断過程の模式図。(A)流路を遮断するための手段の一つの実施形態であって、一連の小孔に脂質膜を形成した状態。(B)副流路から空気を流路へ注入し、小孔毎に流路を遮断した状態。(C)流路を遮断するための手段のもう一つの実施形態であって、一連の小孔に脂質膜を形成した後、気泡発生用電極により、流路に気泡を発生させ、小孔毎に流路を遮断した状態。 脂質平面膜の形成過程に於ける小孔の光学顕微鏡像。像の該縁の黒い領域は小孔の縁であり、小孔は概ね正方形に開口している。(a)図5(B)に対応する状態。(b)図5(C)に対応する状態。(c)図5(D)に対応する状態。脂質平面膜が形成されている。
符号の説明
10…脂質平面膜形成装置
12…上板
14…下板
16…中板
18…第一の流路
20…第二の流路
22…隔壁
24…小孔又は小孔のアレイ
26、28、29…管継手
30…第一の室
32…第二の室
34、36…電極
38…シリコンウェハ
40…酸化シリコン膜
42…小穴
46…疎水性被覆
50、56…水溶液
52…脂質溶液
54…空気
58…脂質平面膜
60…副流路
62…遮断物質(空気)
64…気泡発生用電極
70…気泡

Claims (17)

  1. 脂質平面膜を形成する方法であって、
    第一の室と、該第一の室から隔壁により隔離された第二の室とを設ける過程にして、前記隔壁には、前記第一の室と前記第二の室とを流体的に連通する少なくとも一つの小孔を設ける過程と、
    前記第一の室を第一の水溶液で満たし、前記第二の室を脂質を含有する有機溶液で満たし、前記小孔を介して前記第一の水溶液と前記有機溶液とを接触させる過程と、
    前記第二の室内の有機溶液を第二の水溶液に置換する過程と
    を含み、これにより前記小孔を覆う脂質平面膜を形成することを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法であって、更に、前記第二の室内の有機溶液を第二の水溶液に置換する過程において、前記有機溶液を空気にて置換した後前記第二の水溶液を前記第二の室内へ導入することを特徴とする方法。
  3. 請求項1の方法であって、前記第一の室が第一の流路の一部であり、前記第二の室が第二の流路の一部であり、前記第二の室内の有機溶液を第二の水溶液に置換する過程において、前記第二の流路へ空気を導入することにより前記有機溶媒を押し出した後、前記第二の流路に前記第二の水溶液を導入することを特徴とする方法。
  4. 請求項1の方法であって、前記小孔の縁にテーパーを設けることを特徴とする方法。
  5. 請求項1の方法であって、前記小孔の縁の表面を疎水性にすることを特徴とする方法。
  6. 請求項1の方法であって、前記隔壁をシリコン板で形成し、前記シリコン板をエッチングすることにより前記小孔を形成することを特徴とする方法。
  7. 請求項1又は3の方法であって、前記第一の室を第一の平板部材とそれに積層された第二の平板部材との間に設け、前記第二の室を前記第二の部材とそれに積層された第三の平板部材との間に設け、前記第二の平板部材の少なくとも一部に前記隔壁を構成し、前記小孔を前記第二の平板部材の一方の面から他方の面へを貫通するよう設けることを特徴とする方法。
  8. 脂質平面膜を形成するための装置であって、第一の流路と、第二の流路にしてその少なくとも一部が隔壁を挟んで前記第一の流路の少なく一部と隣接して設けられている第二の流路とを含み、前記隔壁に前記第一の流路と前記第二の流路とを流体的に連通する少なくとも一つの小孔が貫通しており、これにより、前記第一及び第二の流路のうちの一方を水溶液で満たし、前記第一及び第二の流路のうちの他方に脂質を含有する有機溶液で満たすことにより、前記小孔を介して前記水溶液と前記有機溶液が接触可能となっており、しかる後に前記有機溶液を水溶液と置換することにより、前記小孔に脂質平面膜が形成される装置。
  9. 請求項8の装置であって、前記隔壁がシリコン板で形成され、前記シリコン板をその結晶方向に沿ってエッチングすることにより前記小孔が形成されていることを特徴とする装置。
  10. 請求項8の装置であって、前記小孔と前記隔壁の少なくとも一部が疎水性被覆されていることを特徴とする装置。
  11. 請求項8の装置であって、前記隔壁に前記小孔が複数個設けられていることを特徴とする装置。
  12. 請求項11の装置であって、前記複数の小孔がアレイ状に配列されていることを特徴とする装置。
  13. 請求項11の装置であって、前記第一及び第二の流路の少なくとも一方に、隣接する前記小孔を互いに流体的に隔離するための手段を有していることを特徴とする装置。
  14. 請求項8の装置であって、前記第一及び第二の流路内のそれぞれに少なくとも一つの電極が付設され、前記小孔を挟んで電圧を印加できるようになっていることを特徴とする装置。
  15. 請求項14の装置であって、前記隔壁に複数個の小孔が設けられ、前記第一及び第二の流路の少なくとも一方に、隣接する前記小孔を互いに電気的に絶縁するための手段を有していることを特徴とする装置。
  16. 請求項8の装置であって、前記第一の流路が第一の平板部材とそれに積層された第二の平板部材との間に設けられ、前記第二の流路が前記第二の部材とそれに積層された第三の平板部材との間に設けられ、前記第二の平板部材の少なくとも一部が前記隔壁を構成し、前記小孔が前記第二の平板部材の一方の面から他方の面へを貫通するよう設けることを特徴とする装置。
  17. 請求項16の装置であって、前記第一及び第三の平板部材の少なくとも一方が透明な材料で形成され、光学顕微鏡により小孔を観察できるよう構成されていることを特徴とする装置。
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