JP2005097039A - セラミック焼結体の製造方法及びこれによって得られたセラミック焼結体 - Google Patents

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Abstract

【課題】界面活性剤とセラミック粉末との間で電気的な反発力が発生せず、セラミック粉末を十分に分散させられないため、光硬化によって得られたセラミック焼結体にクラックが生じやすい。
【解決手段】セラミック粉末、光硬化性樹脂およびカチオン界面活性剤を混合してスラリーを作る工程と、このスラリーに光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所望形状のセラミック成形体を造る工程と、このセラミック成形体を加熱して光硬化性樹脂を脱脂するとともにセラミック成形体を焼結させる工程とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光硬化性樹脂を含有するセラミックスラリーに特定範囲の波長を有する光を照射することで得られる緻密質なセラミック焼結体の製造方法及びその方法で得られた焼結体に関する。
セラミック焼結体の製造工程には、その焼結体の特性に重要な影響を与えるセラミック粉末の成形工程がある。従来、この成形工程で用いる成形方法としては、所定形状の成形型を用いて行う方法が一般的である。例えば、金型にセラミック粉末を充填した後、加圧成形する乾式加圧成形、ゴム型にセラミック粉末を充填した後、全方向から均一に加圧成形する静水圧加圧成形、石膏型のような吸水性の型を用いるスリップキャスト成形、反応性スラリーを特定の型に充填し、重合、架橋、凝集等の反応により固化成形するゲル成形方法等が知られていた。これらの方法はいずれも成形型を用いるため、型製作の費用や時間を要するとともに、型を用いることからその成形形状には自ずと限界があり、複雑形状品の成形は困難であった。このようなセラミック粉末の成形方法の課題を解決するために、特許文献1及び特許文献2では、プラスチックスの成形分野で用いられている光硬化性樹脂を結合剤として利用したセラミック粉末の成形方法が提案されている。
その方法として、特許文献1の実施例1では、セラミック粉末としてシリカ粉末、光重合開始剤としてヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、光硬化性樹脂としてビスフェノールA−エポキシ樹脂、分散剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、及び溶媒としてn−ブタノールからなるセラミックスラリーを用い、所定厚みのスラリー層を形成した後、このスラリー層に光を照射することにより硬化させてセラミック硬化層とし、この操作を所定回数繰り返すことで順次セラミック硬化層を積層してセラミック焼結体を得る方法が提案されている。
また、特許文献1の実施例3では、セラミック粉末としてシリカ粉末、光重合開始剤として4−ベンゾイルベンジル−塩化トリメチルアンモニウム、光硬化性樹脂としてポリエチレングリコールアクリレート、分散剤としてポリカルボン酸塩型界面活性剤及び溶媒として純水からなるセラミックスラリーを用い、所定厚みのスラリー層を形成した後、このスラリー層に光を照射することにより硬化させてセラミック硬化層とし、この操作を所定回数繰り返すことで順次セラミック硬化層を積層してセラミック焼結体を得る方法も提案されている。
また、特許文献2の実施例6では、セラミック粉末としてアルミナ粉末、光重合開始剤を含む脂肪族及び芳香族多官能アクリレート類からなる光硬化性樹脂、分散剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、及び溶媒としてエトキシジエチレングリコールアクリレートからなるセラミックスラリーを用い、所定厚みのスラリー層を形成した後、このスラリー層に光を照射することにより硬化させてセラミック硬化層とし、この操作を所定回数繰り返すことで順次セラミック硬化層を積層してセラミック焼結体を得る方法が提案されている。
このような光造形法を用いた場合、(1)石膏型のような吸水、吸溶媒用の型を用いる必要がないため、型の制約がなく自由に、容易に複雑な形状の成形が可能である。(2)予め設計通りの成形が可能であり、ニアネット成形ができる。(3)成形後の後加工を必要としないため、セラミック粉末の使用量を削減できる。(4)金型、石膏等の型を必要としないため、型作製時間が不要となり、短時間での所定形状の成形が可能であり、型作製費用を軽減できる。その上、大型の金型、石膏型等の取扱いにおける過度な作業を要しないといった利点を有するものである。
特開平6−329460号公報 特開平8−91940号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2で提案された方法では、界面活性剤として、ノニオン(非イオン)界面活性剤に分類されるポリエキシエチレンソルビタンモノステアレートやアニオン(陰イオン)界面活性剤に分類されるポリカルボン酸塩型界面活性剤を用いているが、セラミック粉末は通常正に帯電するため、上記界面活性剤とセラミック粉末との間で電気的な反発力が発生しない。その結果、セラミック粉末を十分に分散させられないため、焼成後に部分的に緻密質でないセラミック焼結体になってしまうという課題があった。
さらに、得られたセラミック成形体は、一般的に大気雰囲気中で脱脂されるため、セラミック成形体中に含まれる光硬化性樹脂は大気中の酸素と結合することで発熱し、特にセラミック焼結体が大型構造部品である場合には、発熱による熱応力が大きく、クラックが生じやすいという課題があった。
そこで、本発明は、セラミックスラリーの分散安定性、焼成時の焼結性ともに良好なセラミック焼結体の製造方法及びその製造方法によって得られる緻密質なセラミック焼結体を提供することである。
上記課題に鑑み、本発明のセラミック焼結体の製造方法は、光硬化性樹脂、セラミック粉末およびカチオン界面活性剤を混合してスラリーを作る工程と、このスラリーに光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所望形状のセラミック成形体を造る工程と、このセラミック成形体を加熱して光硬化性樹脂を脱脂するとともにセラミック成形体を焼結させる工程とを具備することを特徴とするものである。
また、上記カチオン界面活性剤をスラリーに対して0.1〜7体積%であることを特徴とする。
さらに、上記カチオン界面活性剤がアミン塩系であることを特徴とするものである。
またさらに、上記カチオン界面活性剤がリン酸エステルのアミン塩、キシレンに添加したポリカルボン酸のアミドアミン塩の少なくともいずれか1種であることを特徴とする。
さらにまた、上記スラリーの粘度が1.5Pa・s以下であることを特徴とする。
また、上記スラリーに可塑剤としてジオクチルフタレート、ポリブタジエンの少なくともいずれか1種を添加したことを特徴とする。
さらに、上記可塑剤がスラリーに対して3〜26体積%であることを特徴とする。
またさらに、上記光硬化性樹脂が0.1mm以上の硬化深度が得られる光硬化性樹脂であることを特徴とする。
さらにまた、上記セラミック成形体に含まれる光硬化性樹脂を真空雰囲気中、窒素ガス雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で脱脂することを特徴とするものである。
また、本発明のセラミック焼結体は上述の製造方法を用いて得られることを特徴とするものである。
さらに、上記セラミック焼結体は中空体であることを特徴とするものである。
本発明のセラミック焼結体の製造方法によれば、セラミック粉末、光硬化性樹脂およびカチオン界面活性剤を混合してスラリーを作る工程と、このスラリーに光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所望形状のセラミック成形体を造る工程と、このセラミック成形体を加熱して光硬化性樹脂を脱脂するとともにセラミック成形体を焼結させる工程とを具備するため、従来の光造形を用いた効果、即ち
(1)石膏型のような吸水、吸溶媒用の型を用いる必要がないため、型の制約がなく自由に、容易に複雑な形状の成形が可能である。
(2)予め設計通りの成形が可能であり、ニアネット成形ができる。
(3)成形後の後加工を必要としないため、セラミック粉末の使用量を削減できる。
(4)金型、石膏等の型を必要としないため、型作製時間が不要となり、短時間での所定形状の成形が可能であり、型作製費用を軽減できる。その上、大型の金型、石膏型等の取扱いにおける過度な作業を要しない。
に加え、セラミックスラリーの分散安定性、焼成時の焼結性ともに良好であるとともに、緻密質なセラミック焼結体を得ることができる。
また、上記カチオン界面活性剤をスラリーに対して0.1〜7体積%とすることで、セラミック粉末の粒径に係わらずセラミック粉末を均一に分散させることができ、緻密なセラミック焼結体を安定して作製することができる。
また、上記カチオン界面活性剤はアミン塩系であることが好適であり、大気中の水分がスラリー中に溶媒として混入されにくく、特にリン酸エステルのアミン塩、キシレンに添加したポリカルボン酸のアミドアミン塩の少なくともいずれか1種であることが好適である。
また、上記スラリーの粘度を1.5Pa・s以下とすることで、半硬化状となっているスラリー層の平滑性を向上させることができるため、セラミック焼結体の平滑性も向上させられる。また、成形を短時間かつ効率的にすることができ、量産性も上げることができる。
また、上記スラリーに可塑剤としてジオクチルフタレート、ポリブタジエンの少なくともいずれか1種を添加することで、セラミック焼結体に発生する反りを低減することができる。特に、上記可塑剤はスラリーに対して3〜26体積%であることが好ましく、セラミック焼結体の製品サイズに係わらず、反りを低減することができるとともに、脱脂性を良好に維持することができ、緻密なセラミック焼結体を得ることができる。
また、上記光硬化性樹脂の硬化深度を0.1mm以上とすることで、短時間でセラミック成形体として硬化させることができる。
また、上記光硬化性樹脂を真空雰囲気中、窒素ガス雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で脱脂することで、クラックの発生を確実に防止することができる。
また、上記製造方法によって得られるセラミック焼結体は、腐食性のガスに対し耐食性を示すとともに、緻密質であることが要求される部品、例えば液晶製造装置用部品や半導体製造装置用部品に用いることができる。
また、上記セラミック焼結体を中空体とすることで、軽量化あるいは断熱を要求される部品にも適用することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、プラスチックスの成形分野で用いられている光硬化性樹脂を用いた光造形法を用いたセラミック焼結体の製造方法であり、セラミック粉末、光硬化性樹脂および界面活性剤等を混合してセラミックスラリー(以下、スラリーと称す)を得、このスラリーに光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所望形状のセラミック成形体を得た後、このセラミック成形体を加熱して光硬化性樹脂を脱脂するとともにセラミック成形体を焼結させるものである。
なお、上記光硬化は、スラリー中のセラミック粒子の照射波長に対する透光性により影響を受ける。そのため、用いるセラミック粒子が使用する照射波長に対して実質的に透光性を示すものにするか、または透光性を示す照射波長を有する光源を使用することが好ましい。
本発明で用いるセラミック粉末は、例えばアルミナ、コージェライト、ジルコニア、イットリア等の酸化物、炭化珪素、炭化ホウ素、炭化チタン等の炭化物、窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化物、またはこれらの混合物等の各種セラミックスを用いることができる。特に、セラミック粉末としてアルミナを用いる場合、光照射後、短時間で硬化させることができるという理由により、平均粒径は0.5〜10μmであって、粒径分布は0.1〜30μmであることが好ましい。
また、本発明で用いる光硬化性樹脂は、X線、紫外線、エキシマレーザー、He−Cdレーザー、Arイオンレーザーまたは可視光線等の光線によって硬化する樹脂であり、例えば、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系樹脂等のラジカル重合型光硬化性樹脂、エポキシ樹脂等のカチオン重合系光硬化性樹脂等を用いることができる。
さらに、本発明で用いる界面活性剤は、アミン塩系、第4級アンモニウム塩系、ピリジウム塩系等のカチオン界面活性剤に特定される。
これは、スラリー中においてセラミック粉末は通常正に帯電しているため、カチオン界面活性剤を混合することで、セラミック粉末、カチオン界面活性剤間で反発力が発生し、分散安定性を向上させることができるからである。一方、ノニオン界面活性剤やアニオン界面活性剤を用いると、セラミック粉末とこれら界面活性剤の間には反発力が発生しない上、アニオン界面活性剤ではセラミック粉末を吸着してしまうために分散安定性を向上させることはできない。
また、上記カチオン界面活性剤をスラリーに対して0.1〜7体積%含有させることが好ましく、セラミック粉末の粒径に係わらずセラミック粉末を十分に分散させることができるとともに、緻密なセラミック焼結体を安定して作製することが可能となる。上記カチオン界面活性剤がスラリーに対して0.1体積%未満では短時間で十分に分散させることができず、一方、7体積%を超えるとカチオン界面活性剤が焼結後に造孔剤として作用するおそれがある。
また、カチオン界面活性剤の代表的なものとして、アミン塩系、第4級アンモニウム塩系が挙げられるが、例えば一般式が化1で表されるようなアミン塩系を用いることが好ましい。
Figure 2005097039
このアミン塩系のカチオン界面活性剤は、第4級アンモニウム塩系より吸湿しにくいため、大気中の水分がスラリー中に混入しにくく、より緻密なセラミック焼結体を得られるからである。
また、上記アミン塩系のカチオン界面活性剤の中でも、リン酸エステルのアミン塩、キシレンに添加したポリカルボン酸のアミドアミン塩の少なくともいずれか1種であることがより好ましい。
上記リン酸エステルのアミン塩としては、ジブチルホスフェートブチルアミン塩、ジブチルホスフェートオクチルアミン塩、ジブチルホスフェートステアリルアミン塩、ジオクチルホスフェートブチルアミン塩、ジオクチルホスフェートオクチルアミン塩、ジオクチルホスフェートラウリルアミン塩、ジオクチルホスフェートステアリルアミン塩、ジ−2−エチルヘキシルホスフェートブチルアミン塩、ジ−2−エチルヘキシルホスフェートオクチルアミン塩、ジ−2−エチルヘキシルホスフェートラウリルアミン塩、ジ−2−エチルヘキシルホスフェートステアリルアミン塩、ジラウリルホスフェートブチルアミン塩、ジラウリルホスフェートオクチルアミン塩、ジラウリルホスフェートブチルアミン塩、ジオレイルホスフェートラウリルアミン塩、ジオレイルホスフェートオクチルアミン塩、ジオレイルホスフェートラウリルアミン塩、ジオレイルホスフェートステアリルアミン塩等があり、また、ポリカルボン酸のアミドアミン塩としては、例えば、C8−20脂肪酸(ステアリン酸などのC16−18高級脂肪酸など)とジC1−6アルキルC1−6アルキレンジアミン(ジエチルエチレンジアミンなど)との縮合物の塩等を用いればよい。
これらリン酸エステルのアミン塩、キシレンに添加したポリカルボン酸のアミドアミン塩は、セラミック粉末の分散性が最も優れており、得られたセラミック成形体の歪みを小さくすることができる。
また、上記スラリーに可塑剤としてジオクチルフタレート、ポリブタジエンの少なくともいずれか1種を添加することで、セラミック成形体に柔軟性が付与され、セラミック成形体やセラミック焼結体に発生する反りを低減することができる。特に、上記可塑剤はスラリーに対して3〜26体積%の範囲で含有することが好ましく、セラミック焼結体のサイズに係わらず、反りを低減することができるとともに、脱脂性も良好にすることができ、緻密なセラミック焼結体を得ることができる。上記可塑剤の含有量が3体積%未満となると、セラミック成形体やセラミック焼結体に大きな反りが発生しやすく、一方、26体積%を超えると、後の脱脂工程で脱脂性が低下し、気孔が残る場合がある。
上記ジオクチルフタレートとしては、例えば一般式が化2で表されるようなものがあり、また、ポリブタジエンとしては、一般式が化3で表されるような1,2ポリブタジエン、一般式が化4で表されるような1,4CISポリブタジエン、一般式が化5で表されるような1,4TRANSブタジエン等を用いることができる。
Figure 2005097039
Figure 2005097039
Figure 2005097039
Figure 2005097039
また、上記光硬化性樹脂の硬化を誘発させるための光重合開始剤としては、通常の光重合に用いる開始剤、例えば、パーオキシド系、オニウム塩系、アセトフェニル系、ベンゾインエーテル系、ベンジルペタール系、ケトン類、アミン類、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の開始剤が挙げられる。光重合開始剤は、光硬化性樹脂100重量%に対して、1〜20重量%であることが好ましく、光重合開始剤の機能も備えた光硬化性樹脂を用いる場合には光重合開始剤を添加する必要はない。
また、上記スラリーの粘度は1.5Pa・s以下であることが好ましく、1.5Pa・s以下とすることで、半硬化状となっているスラリー層の平滑性を向上させることができるため、セラミック焼結体の平滑性も向上させられる。また、成形を短時間かつ効率的にすることができ、量産性も上げられる。
なお、スラリーの粘度を1.5Pa・s以下とするには、例えば、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂38〜44.9体積%、カチオン界面活性剤0.1〜7体積%及び平均粒径0.5〜10μmのセラミック粉末55〜61.9体積%を容積500〜2000ccのポットに投入し、直径5〜20mmのアルミナボールを用い、回転数100〜700rpmで24時間撹拌混合すればよい。
さらに、上記スラリーの粘度は1.0Pa・s以下であることがより好ましく、例えば、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂38〜44.9体積%、カチオン界面活性剤0.1〜7体積%及び平均粒径5〜10μmのセラミック粉末27.5〜30.95体積%を容積500〜2000ccのポットに投入し、直径5〜20mmのアルミナボールを用い、回転数100〜700rpmで0.5〜2時間撹拌混合した後、上記セラミック粉末を27.5〜30.95体積%を前記ポットに投入し、24時間撹拌混合することによって得られる。
なお、上記セラミック粉末、光硬化性樹脂およびカチオン界面活性剤等の混合については上述のようにポット内で撹拌混合する以外にも、回転ミル、振動ミル、万能混合攪拌機、三本ロール等の混合・分散装置等を用いてもよい。
また、上記光硬化性樹脂の硬化深度は、0.1mm以上であることが好ましく、短時間でセラミック成形体として硬化させることができる。このような光硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂等を用いればよい。
なお、上記光硬化性樹脂の硬化深度は、所定の条件でセラミック硬化層1層のみからなるセラミック成形体を作製し、金属顕微鏡等でその厚みを測定すればよい。
ここで、上述のようにして得られたスラリーを用いてセラミック焼結体を作製する工程について説明する。
先ず、得られたスラリーに光照射することで一層ずつ硬化層を作り、これを積層することにより3次元的なセラミック成形体を作製する。
具体的には、最初に光照射して硬化させた層の上に所定厚さになるようにスラリーを供給し、光照射し硬化させるという工程を繰り返し積層していく。この方法を用いれば図1に示すように底板4、隔壁3、天板2と硬化層で形成した後、内部のスラリーを排出することで中空体1の製造も可能となる。この場合、内部に溜まったスラリーを抜くための排出口5を形成しておくことが必要である。このような中空体1は、軽量化または断熱を要求される部品、例えば半導体製造装置用部品や液晶製造装置用部品に適用することが好適である。照射する光は、使用する光硬化性樹脂の特性に応じて可視光や紫外光等の種々の光を使用することができる。
照射方法としては、水銀ランプ等を光源として用い、所定形状のマスクを通して照射する方法、紫外線レーザー、半導体レーザー、ArイオンレーザーまたはHe−Cdレーザー等を用いて所定形状にスキャンさせる方法が適用できる。
また、レーザーの照射光量は50〜1000mJ/cmであることが好ましく、光硬化性樹脂の硬化深度、セラミック粉末の種類に応じて、レーザーの出力、スキャン間隔、スキャン速度を適宜選択すればよい。
なお、上記照射光量(mJ/cm)は、
レーザー出力(mW)/(スキャン間隔(cm)×スキャン速度(cm/sec))
によって定義される。
次いで、セラミック成形体に含まれる光硬化性樹脂を真空雰囲気中、窒素ガス雰囲気中、またはアルゴンガス等不活性ガス雰囲気中で必要に応じて脱脂する。このような雰囲気で脱脂することにより、光硬化性樹脂が過度に発熱することはなく、クラックの発生を完全に防止することができる。
脱脂は、真空雰囲気中、窒素ガス雰囲気中、不活性ガス雰囲気中のいずれかで、昇温速度1〜50℃/時間の範囲で、300〜600℃の範囲まで昇温し、光硬化性樹脂が急激な分解とならないように設定することが好ましく、セラミック成形体の肉厚や体積に応じて個々に設定し、例えば肉厚が厚いほど昇温速度はゆっくり上げる方が良く、雰囲気についても、窒素ガスと不活性ガスの混合ガス雰囲気であってもよい。
しかる後、上記脱脂されたセラミック成形体を、通常のセラミック成形体の焼成方法である常圧焼結法等によって焼結させ、セラミック焼結体を得ることができる。
また、この製造方法によって得られるセラミック焼結体は、腐食性のガスに対し耐食性を示すとともに、緻密質であることが要求される部品、例えば液晶製造装置用部品や半導体製造装置用部品に用いることができ、特に、軽量化あるいは断熱を要求される部品にも適用する中空体のセラミック焼結体を容易に得ることができる。
なお、本発明のセラミック焼結体の製造方法は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内であれば種々の変更は可能である。
以下本発明の実施例を具体的に説明する。
(実施例1)
セラミック粉末として、平均粒径0.7μmのアルミナ粉末と、平均粒径4μmのアルミナ粉末とを混合したアルミナ粉末を用い、このアルミナ粉末100重量%に、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂としてウレタンアクリレート20重量%を混合したペーストを30mm×30mmのプラスチック基板に塗布し、ペーストに表1に示す界面活性剤0.1mlを滴下、混合した後、試料として分散性評価用スラリーを得た。
界面活性剤の滴下、混合直後、プラスチック基板上を上記試料が均一に拡がったものを◎、界面活性剤を滴下、混合した後、プラスチック基板上を均一に拡がるのに0.5〜1分要したものを○、プラスチック基板の長手方向中央を支点とし、周波数30Hz、振幅30mmとして両端を上下に揺動させた後に均一に拡がったものを△、両端を上下に揺動させた後も均一に拡がらなかったものを×として分散性を評価した。
その結果を表1に示す。
Figure 2005097039
表1から、アニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤を滴下、混合した試料(No.13〜16)は、分散性が乏しかったのに対し、本発明で用いるカチオン界面活性剤を滴下、混合した試料(No.1〜12)は、分散性が良好であった。特に、リン酸エステルのアミン塩、またはキシレンに添加したポリカルボン酸のアミドアミン塩がスラリーに対して0.1〜7体積%の試料(No.2〜4,7〜9)は、分散性がより向上した。
(実施例2)
セラミック粉末として、平均粒径0.7μmのアルミナ粉末と平均粒径4μmのアルミナ粉末とを混合してその体積を56.8cmとし、このアルミナ粉末と、光重合開始剤を含む光硬化性樹脂としてウレタンアクリレート41cm3と、カチオン界面活性剤としてリン酸エステルアミン塩2.2cm3とをアルミナ製ポットに投入した後、アルミナボールを用いて24時間撹拌混合を行うことで、リン酸エステルアミン塩を2.2体積%含有するスラリーを得た。
このスラリーを所定の容器に排出し、真空脱泡した後、E型粘度計を用いてスラリーの粘度を測定した。
次いで、可塑剤としてジオクチルフタレート、ポリブタジエン、リン酸トリクレシルまたはオレイン酸ブチルを表2に示す比率で添加し、撹拌混合することで混合体を得た。
そして、得られた混合体をそれぞれ光造形装置の液槽に投入し、Arイオンレーザーを照射して50mm×50mm×5mmの角板状成形体を各試料毎にそれぞれ10個作製した。
なお、厚み0.1mm毎に50回積層することで、角板状成形体の厚みを5mmとし、成形、硬化に要する時間を測定した。次に、上記角板状成形体をエタノールで洗浄して、未硬化部分を除去した。
ここで上記角板状成形体の反りについては、JIS B 6330−1980に準拠し、50mm×50mmの平面における測定距離45mmの真直度として測定し、角板状成形体各10個のうち、測定した真直度の最大値を表2に示した。
その後、表2に示す雰囲気中にて、昇温速度1.5℃/時間で600℃まで昇温し脱脂した。得られた脱脂体を、大気中にて昇温速度200℃/時間で1700℃まで昇温、2時間保持し焼成することでセラミック焼成体を得た。
ここで、それぞれのセラミック焼成体10個に対し、クラックの発生した個数を示した。
その結果を表2に示す。
Figure 2005097039
表2より、スラリーの粘度は、いずれも1.5Pa・s以下であり、成形性は良好であった。また、可塑剤を添加しない試料(No.39)や可塑剤としてリン酸トリクレシルまたはオレイン酸ブチルを添加した試料(No.37,38)は、真直度が210μm以上と大きかったのに対し、可塑剤としてジオクチルフタレートまたはポリブタジエンを添加した試料(No.17〜36)は、真直度が100μm以下と小さくすることができた。
特に、上記可塑剤の添加量が3〜26体積%である試料(No.18〜25,28〜35)は、反りが25μm以下とさらに小さくできた。
また、大気雰囲気中で脱脂した試料(No.20,30)には、クラックが発生した試料があったのに対し、真空雰囲気中、窒素ガス雰囲気中、アルゴンガス雰囲気中のいずれかで脱脂した試料(No.17〜19,21〜29,31〜39)は、クラックの発生がなく良好であった。
(実施例3)
次に硬化深度が0.1mm以上の2種類の光硬化性樹脂(ウレタンアクリレート系樹脂及びエポキシアクリレート系樹脂)を用いたスラリーと0.1mm未満の光硬化性樹脂(オキセタン系樹脂)を用いたスラリーにそれぞれArイオンレーザーを照射し、セラミック成形体を得るのに要した時間を比較した。
先ず、平均粒径0.7μmのアルミナ粉末と平均粒径4μmのアルミナ粉末とを混合してその体積を56.8cm3とし、このアルミナ粉末と、光重合開始剤を含む樹脂Aとしてウレタンアクリレート系樹脂41cm3と、カチオン界面活性剤としてリン酸エステルアミン塩2.2cm3とをアルミナ製ポットに投入した後、アルミナボールを用いて24時間撹拌混合することで、スラリーを得た。
このスラリーを所定の容器に排出し、真空脱泡した後、可塑剤としてジオクチルフタレートを15体積%添加し、撹拌混合することで混合体を得た。
エポキシアクリレート系樹脂、オキセタン系樹脂を用いた混合体についてもエポキシアクリレート系樹脂やオキセタン系樹脂を使用した以外は、ウレタンアクリレート系樹脂を用いた混合体と同様の方法で作製した。
そして、得られた混合体をそれぞれ光造形装置の液槽に投入し、Arイオンレーザーを照射して50mm×50mm×5mmの角板状成形体を得るのに要した時間を測定した。
その結果を表3に示す。
Figure 2005097039
表3より、オキセタン系樹脂を用いた試料(No.42)は、上記各板状成形体を得るのに要した時間は4.2時間もかかったのに対し、ウレタンアクリレート系樹脂を用いた試料(No.40)及びエポキシアクリレート系樹脂を用いた試料(No.41)は、3時間以下で済み、短時間で成形、硬化できることがわかる。
本発明のセラミック焼結体の一実施例である中空体を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は同図(a)のA−A線断面図である。
符号の説明
1・・・中空体
2・・・天板
3・・・隔壁
4・・・底板
5・・・排出口

Claims (11)

  1. セラミック粉末、光硬化性樹脂およびカチオン界面活性剤を混合してスラリーを得る工程と、このスラリーに光を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所望形状のセラミック成形体を得る工程と、このセラミック成形体を加熱して光硬化性樹脂を脱脂するとともにセラミック成形体を焼結させる工程とを具備することを特徴とするセラミック焼結体の製造方法。
  2. 上記カチオン界面活性剤をスラリーに対して0.1〜7体積%含有することを特徴とする請求項1に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  3. 上記カチオン界面活性剤がアミン塩系であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  4. 上記カチオン界面活性剤がリン酸エステルのアミン塩、キシレンに添加したポリカルボン酸のアミドアミン塩の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項3に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  5. 上記スラリーの粘度が1.5Pa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミック焼結体の製造方法。
  6. 上記スラリーに可塑剤としてジオクチルフタレート、ポリブタジエンの少なくともいずれか1種を添加したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のセラミック焼結体の製造方法。
  7. 上記可塑剤がスラリーに対して3〜26体積%含有することを特徴とする請求項6に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  8. 上記光硬化性樹脂の硬化深度が0.1mm以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のセラミック焼結体の製造方法。
  9. 上記光硬化性樹脂を真空雰囲気中、窒素ガス雰囲気中または不活性ガス雰囲気中で脱脂することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のセラミック焼結体の製造方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法を用いて得られることを特徴とするセラミック焼結体。
  11. 上記セラミック焼結体が中空体であることを特徴とする請求項10に記載のセラミック焼結体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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