JP2005096743A - シフトレバー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノブを大型化することなく、ノブに設けられたシフトパターンやシフト位置等の明確に見ることができるシフトレバー装置を得る。
【解決手段】 ノブ90の内部に光源であるランプ144を配置せず、ライトガイド98、146によってインジケータレンズ112まで光を導く。このため、ノブ90の構造を簡素化できると共にノブ90の小型化が可能となる。しかも、ライトガイド98は、ノブ90の構造の一部である。このため、この意味でもノブ90の構造を簡素化できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の変速機を操作するためのシフトレバー装置に関する。
車両の自動変速機を車両の室内側から操作して自動変速機に設定されたシフトレンジを変更するための操作装置には、棒状のシフトレバーを備え、このシフトレバーを旋回操作することで自動変速機を操作するシフトレバー装置が一般的に使用されている。
この種のシフトレバー装置では、例えば、略車両左右方向を軸方向としてこの軸周りにのみシフトレバーを旋回操作(平面視では直線的に操作)する所謂ストレート式のシフトレバー装置の他に、略車両左右方向及び略車両前後方向の各方向をそれぞれ軸方向としてこれらの軸周りにシフトレバーをジグザグに旋回操作する所謂ゲート式のシフトレバー装置がある。
これらのシフトレバー装置では、シフトレバーの回動操作のパターンであるシフトパターンが予め設定される。また、このシフトパターンの範囲内に複数のシフト位置が設定され、所望のシフトレンジに対応したシフト位置までシフトレバーをシフト操作すると、自動変速機のシフトレンジが、そのシフト位置に対応したシフトレンジに変更される構成になっている。
一方、以上のようなシフトパターンやシフト位置を、例えば、シフトレバーのノブに表示し、これにより、シフトパターンやシフト位置の確認を容易にする構造が考案されている。さらには、下記特許文献1、2等には、ノブにランプやLED等の照明手段を設けた構造が開示されており、このような照明手段を発光させることでノブに表示したシフトパターンやシフト位置の確認を更に容易にさせている。
特開昭61-50835号公報 特開昭62-84809号公報
しかしながら、上記の特許文献1、2に開示された構造のように、シフトレバーのノブにランプやLED等の照明手段を設けることで、ノブの内部構造が複雑になり、その結果、ノブが大型化してしまう。
本発明は、上記事実を考慮して、ノブを大型化することなく、ノブに設けられたシフトパターンやシフト位置等の明確に見ることができるシフトレバー装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、複数のシフトレンジが設定された変速機に基端側が直接又は間接的に接続され、先端側が車両室内側へ突出したレバー本体を、予め設定された所定の方向へシフト操作して所定のシフト位置に到達させることにより、前記変速機を前記シフト位置に対応したシフトレンジに変更するシフトレバー装置であって、前記シフト操作可能に前記レバー本体を直接又は間接的に支持するハウジング及び前記レバー本体の何れか一方に直接又は間接的に設けられた光源と、車両乗員による把持が可能に前記レバー本体の先端に取り付けられ、光を透過可能な透過部から内部に導かれた光を外部へ光を透過するノブと、前記レバー本体及び前記ノブの少なくとも何れか一方に設けられ、前記光源にて発せられた光が内部を透過して前記ノブの内部に導く光誘導手段と、を備えることを特徴としている。
請求項1に記載の本発明に係るシフトレバー装置によれば、車両乗員がレバー本体の先端に取り付けられたノブを把持してレバー本体を所定のシフト操作方向へ移動させて、予め設定されたシフト位置にレバー本体を到達させると、変速機がこのシフト位置に対応したシフトレンジに変更される。
また、本発明に係るシフトレバー装置には光源が設けられており、光源にて発せられた光は光誘導手段の内部を透過する。光誘導手段の内部を透過した光はノブの内部に導かれ、更にノブに設けられた透過部を透過してノブの外部に放出される。これにより、レバー本体及びノブを含めて構成されるシフトレバーの先端が発光する。
したがって、例えば、シフトレバーの先端に透過部を設けて、更に、透過部にシフト操作の操作パターンを形成しておけば、透過部を光が透過してシフトレバーの先端が発光することで、仮に、車両室内が暗くても透過部に形成された操作パターンを明確に認識できる。
ここで、本発明に係るシフトレバー装置では、上記の光源がレバー本体又はレバー本体を直接又は間接的に支持するハウジングに設けられる。すなわち、本発明に係るシフトレバー装置では光源がノブとは別の部位に設けられ、ノブとは別の部位で発せられた光が光誘導手段の内部を透過して誘導されることにより、ノブの透過部を光が透過する。このように、ノブに光源を設けないことで、ノブの小型化やノブの構造の簡素化を図ることができる。
なお、シフトレバー装置には、シフト操作した後のシフト位置でシフトレバーが留まる構造と、所望のシフト位置までシフト操作されたシフトレバーが、予め設定された操作開始位置に復帰する構造等、様々であるが、本発明はこのようなシフト操作の具体的な態様に限定されるものではない。すなわち、シフトレンジを選択するために、シフトレバーをシフト操作して所望のシフト位置に到達させることでシフトレンジを変更できる構成であれば、その後のシフトレバーの挙動には一切限定されない。
請求項2に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項1に記載の本発明において、予め設定された少なくとも1つの特定のシフト位置に前記レバー本体が到達した場合に前記ノブの内部に前記光を導き、前記シフト操作の範囲内で前記特定のシフト位置以外に前記レバー本体が位置した場合に前記ノブへの前記光の誘導を中止する光誘導制御手段を備える、ことを特徴としている。
請求項2に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、変速機に設定された複数のシフトレンンジの各々に対応してシフト位置が設定される。これらのシフト位置のうち、少なくとも1つの特定のシフト位置にレバー本体(シフトレバー)が到達すると、光源にて発せられた光は光誘導手段を透過してノブの内部に導かれる。したがって、この状態では、ノブの先端(すなわち、シフトレバーの先端)が発光する。このため、透過部にシフト操作の操作パターンを形成しておけば、操作パターンを容易に確認(視認)できる。
一方、レバー本体(シフトレバー)がシフト操作されて、このような特定のシフト位置からレバー本体が離脱すると、光誘導制御手段によりノブの内部への光の誘導が中止される。したがって、この状態では、ノブの先端が発光することがない。このように、特定のシフト位置からレバー本体が離脱した状態ではノブの先端が発光しないことで、仮に、シフト操作の操作パターンを透過部等に形成した構成であっても、このような操作パターンを注視することなく、特定のシフト位置からレバー本体が離脱したことを確認できる。
なお、本発明において、特定のシフト位置は、変速機に設定された複数のシフトレンンジの各々に対応した複数の所定のシフト位置の全てでもよいし、これらの複数の所定のシフト位置のうちの何れかでもよい。
また、本発明において、光誘導制御手段は結果的にレバー本体が特定のシフト位置に到達した場合に光をノブの内部に誘導でき、特定のシフト位置からレバー本体が離脱した場合にノブの内部への光の誘導を中止できればよい。したがって、ノブの内部よりも光源側で光を遮断し、又、遮断を解除する遮光部材を光誘導制御手段としてもよいし、光源の発光を制御する電気的な制御回路等を光誘導制御手段としてもよい。
請求項3に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項2に記載の本発明において、前記光源にて発せられた光が前記透過部に到達するまでの前記光の光路上における所定の遮光位置と当該遮光位置から離脱した位置との間で往復移動可能に設けられ、前記遮光位置に移動した状態では前記光を遮り、前記特定のシフト位置への前記シフト操作に連動して前記遮光位置から離脱するシャッタ部材を前記光誘導制御手段とした、ことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、光源にて発せられた光が透過部に到達するまでの間の光路上の所定の遮光位置には、シャッタ部材が設けられている。レバー本体が特定のシフト位置に到達している状態では、光源から光が発せられていても、シャッタ部材が遮光位置で光を遮断している。このため、基本的には光がノブの内部に到達することはなく、ノブの先端が発光することはない。
これに対して、レバー本体がシフト操作されて特定のシフト位置から離脱すると、このシフト操作に連動してシャッタ部材が遮光位置から離脱する。これにより、シャッタ部材による遮光(光の遮断)が解除され、光源から発せられた光は光誘導手段を介してノブの内部に到達する。したがって、この状態では、ノブの内部に到達した光によりノブの先端が発光する。
さらに、この状態から、レバー本体がシフト操作されて特定のシフト位置にレバー本体が到達すると、このシフト操作に連動してシャッタ部材が遮光位置に移動する。これにより、再び、光が遮断される。
このように、本発明に係るシフトレバー装置では、レバー本体のシフト操作にシャッタ部材が機械的に連動することで遮光及び遮光解除が行なわれる。このため、シフト操作に連動した光源の発光制御を行なわずとも、ノブの先端における発光を制御できる。
請求項4に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記レバー本体の基端側まで導かれた前記レバー本体の先端側へ誘導可能な光透過性の材料により形成されたノブ本体と、前記ノブ本体の外表面に前記ノブ本体に一体的に設けられた遮光性を有する遮光部と、を含めて前記ノブを構成し、前記ノブ本体を前記光誘導手段とした、ことを特徴としている。
請求項4に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、ノブ本体が光透過性の材料により形成され、光はノブ本体に導かれることでノブ本体内を透過して透過部に到達する。すなわち、本発明に係るシフトレバー装置では、ノブ本体自体が光誘導手段になる。このため、光誘導手段を別途設けなくてもよく、コストを安価にできると共に、ノブの小型化が可能になる。
また、上記のように、本発明に係るシフトレバー装置では、光がノブ本体自体を透過するが、ノブ本体の表面には遮光性を有する遮光部が設けられているため、ノブの外部から見た場合、基本的に透過部以外の部位でノブが発光することがない。
なお、本発明において、遮光部はノブ本体の外表面から漏れる光を遮光できる構成であればよい。したがって、例えば、光を透過しない色の合成樹脂材で成形された遮光部により、光透過性の合成樹脂材により成形されたノブ本体を被覆する構成であってもよいし、光透過性の合成樹脂材により成形されたノブ本体の外表面に、塗装や印刷等を施し、これにより遮光部を形成する構成であってもよい。
請求項5に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項4に記載の本発明において、前記ノブ本体の外表面の少なくとも一部が外部に露出すると共に、外部に露出した前記外表面の近傍で且つ前記レバー本体の外側に前記光源を配置し、前記光源の光が外部に露出した前記外表面から入射する、ことを特徴としている。
請求項5に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、ノブ本体の外表面の少なくとも一部が外部に露出している。この露出した部分の近傍で且つレバー本体の外側には光源が配置され、光源の光はレバー本体の外側を通過して、上記の露出した外表面に入射される。これにより、光がノブ本体を透過して透過部に到達する。
請求項6に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項4又は請求項5に記載の本発明において、前記レバー本体の先端部に固定される固定部を筒状に形成される前記遮光部の内側に設けると共に、前記固定部を前記遮光部に一体的に連結する連結片を前記遮光部の内側に設け、前記遮光部、前記連結片、及び前記固定部を同じ合成樹脂材により一体成形する、ことを特徴としている。
請求項6に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、遮光部が筒状に形成され、更に、遮光部の内側には固定部が設けられる。固定部は連結片を介して遮光部に一体的に連結される。したがって、固定部がレバー本体の先端部に固定されることで間接的に遮光部がレバー本体の先端部に固定される。
ここで、本発明に係るシフトレバー装置では、上記の遮光部、連結片、及び固定部が同じ合成樹脂材により一体成形される。このため、部品点数を削減でき、コストを安価にできる。
請求項7に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項6に記載の本発明において、前記遮光部及び前記ノブ本体の何れか一方を予め成形し、前記遮光部及び前記ノブ本体の何れか他方を成形する金型内に、前記何れか一方をインサートした状態で前記何れか他方が成形される、ことを特徴としている。
請求項7に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、遮光部及びノブ本体の何れか一方が予め成形される。次いで、遮光部及びノブ本体の何れか他方を成形する際には、この何れか他方を成形する金型に予め成形された上記の何れか一方がインサートされる。この状態で金型を閉じて何れか他方を成形すると、遮光部及びノブ本体の何れか一方に何れか他方が一体となった状態で成形される。
このため、ノブ本体を遮光部とは別の独立した部品で構成して組み付ける構造とした場合に比べて、組み付け工程を省くことができ、そのため、コストを軽減できる。
しかも、本発明に係るシフトレバー装置では、上記のようにインサート成形する構成であるため、ノブ本体と遮光部とを別体で構成して組み付ける構成ならば、組み付けるにあたって遮光部及びノブ本体の何れか一方の一部が何れか他方に干渉して組み付けができないような構造や形状を採用できる。
このため、光の取り込みや誘導、更には、誘導した光の照射等に最適な構造や形状にノブ本体を成形できる。
請求項8に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項7に記載の本発明において、前記レバー本体に対する前記ノブの装着状態で、前記ノブの基端側へ向けて開口した筒状に前記固定部を形成し、前記固定部の開口端から前記レバー本体の先端が入り込むことで前記レバー本体に前記固定部が固定されると共に、前記固定部の前記透過部と対向する側の端面の少なくとも一部を、前記ノブ本体が被覆する、ことを特徴としている。
請求項8に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、固定部が筒状に形成されており、固定部の開口端からレバー本体の先端が固定部の内側に入り込むことでレバー本体の先端に固定部が固定され、これにより、レバー本体にノブが装着される。
一方、透過部と対向する側の固定部の端部は、ノブ本体により被覆される。ここで、ノブ本体を遮光部とは別の独立した部品で構成して組み付ける構造の場合、遮光部が筒状であることから遮光部に対するノブ本体の組付方向が固定部の軸方向に沿う構造になる可能性が極めて高い。
このような組み付けでは、固定部の軸方向端部にノブ本体が対向すると、レバー本体の先端にノブ本体が干渉され組み付けができない。したがって、このような組み付けの場合には、固定部の軸方向端部にノブ本体を対向させて被覆することができない。
これに対して、本発明に係るシフトレバー装置では、遮光部及びノブ本体のうち、予め成形した方を金型内に配置した状態で合成樹脂材を充填することで遮光部に対して一体にノブ本体を成形する構成であるため、固定部の軸方向端部の少なくとも一部をノブ本体で被覆できる。これにより、光を取り入れる部分の面積や、誘導した光を照射する面積を大きくでき、効率よく光を導いたり、また、ノブの先端から見た場合、光を比較的均一に照射できる。
請求項9に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の本発明において、前記固定部の内周部に雌ねじを形成すると共に、前記レバー本体の先端側の外周部に雄ねじを形成し、前記雄ねじを前記雌ねじに螺合させて前記固定部を前記レバー本体に固定する、ことを特徴としている。
請求項9に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、固定部に形成された雌ねじに、レバー本体の先端側に形成された雄ねじが螺合することで固定部がレバー本体に固定され、その結果、ノブがレバー本体に装着される。
ここで、本発明に係るシフトレバー装置では、遮光性を有する遮光部と同じ材料で形成された固定部に雌ねじが形成される構成である。このため、雌ねじに雄ねじに螺合するのに必要な機械的な強度が固定部を構成する材料、すなわち、遮光部を構成する材料だけが有していればよく、ノブ本体にこのような強度が要求されない。このため、光の透過性が良好な材料でノブ本体を形成できる。
請求項10に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、基端部から先端部へ向けて貫通した筒状に前記レバー本体を形成して、前記レバー本体の内部に前記光誘導手段を通過させると共に、前記レバー本体の基端部の側方に設けられた前記光源にて出力された光を前記光誘導手段で前記レバー本体の先端側へ導く、ことを特徴としている。
請求項10に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、レバー本体が筒状に形成されており、その内部を光誘導手段が通過している。光源はレバー本体の基端側の側方に設けられており、光源にて発せられた光はレバー本体の基端側における光誘導手段の端部に集光される。
レバー本体の基端側における光誘導手段の端部にて集光された光は、光誘導手段の内部を透過してレバー本体の先端側における光誘導手段の端部からノブ内に導かれる。
このように、本発明に係るシフトレバー装置では、光誘導手段がレバー本体の内部を通過しているため、光誘導手段の集光部分が位置するレバー本体の基端側では光源がハウジング等によって覆われる。これにより、ハウジングの隙間等からの光漏れを効果的に防止できる。
請求項11に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項10に記載の本発明において、前記レバー本体の基端側で前記レバー本体に前記光源を一体的に取り付けた、ことを特徴としている。
請求項11に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、レバー本体の基端側で光源がレバー本体に一体的に取り付けられている。このため、レバー本体がシフト操作されると、レバー本体及び光誘導手段と共に光源が一体的に移動する。
すなわち、本発明に係るシフトレバー装置では、レバー本体がシフト操作されても、レバー本体の基端側における光誘導手段の端部(すなわち、集光部位)と光源との間に相対移動が生じない。これにより、シフト操作が行われてもレバー本体の基端側における光誘導手段の端部と光源との対向状態を維持でき、シフト操作によってノブにおける発光の状態が変化することを防止又は効果的に抑制できる。
請求項12に記載の本発明に係るシフトレバー装置は、請求項10に記載の本発明において、前記光源に対向する集光面及び前記レバー本体の基端側における前記光誘導手段の端部に対向する発光面を有し、前記レバー本体の基端側における前記光誘導手段の端部と前記光源との間に介在して、前記発光面にて集光した前記光源からの光が内部を通過して前記発光面から発光すると共に、複数の前記シフト位置の何れに前記レバー本体が位置した状態でも、前記集光面及び前記発光面の何れか一方の面形状が前記レバー本体の基端側における前記光誘導手段の端部及び前記光源のうち、前記何れか一方の面に対応した方と対向可能に設定された集光手段を備える、ことを特徴としている。
請求項12に記載の本発明に係るシフトレバー装置では、レバー本体の基端側における光誘導手段の端部と光源の間には集光手段が介在している。光源からの光は、光源に対向する集光手段の集光面にて集光される。集光面で集光された光は集光手段の内部を通過する。
集光手段の内部を光が通過して集光手段の発光面に到達すると発光面が発光する。発光面はレバー本体の基端側における光誘導手段の端部と対向しているため、発光面が発光するとレバー本体の基端側における光誘導手段の端部にて光が集光され、これにより、光誘導手段の内部を光が透過してノブに導かれる。
ここで、発光面及び集光面の何れか一方の面はレバー本体がどのシフト位置にあっても、レバー本体の基端側における光誘導手段の端部及び光源のうち対応する方に対向するように面形状が設定されている。このため、レバー本体がシフト操作されても、集光面と光源及び光誘導手段の端部と発光面との対向状態が維持される。
これにより、シフト操作によってノブにおける発光の状態が変化することを防止又は効果的に抑制できる。
以上説明したように、本発明に係るシフトレバー装置では、ノブの外部に設けられた光源からノブの内部に光を導くため、電球やLED等の照明手段をノブの内部に設けなくても、ノブの内部から発光させることができる。これにより、ノブの構造を複雑にしたり、大型化することなく、シフトパターンやシフト位置を容易に確認できる。
<第1の実施の形態の構成>
図3には本発明の第1の実施の形態に係るシフトレバー装置10の構成が分解斜視図により示されており、また、図1には本シフトレバー装置10の要部の構成が分解斜視図により示されている。図3に示されるように、本シフトレバー装置10はハウジング12を構成するロアハウジング14を備えている。ロアハウジング14は、例えば、車両の運転席と助手席との間の前方側の所定位置、その一例としては、コンソールボックスの前方側の下方や、インスツルメントパネルの裏面側等に設けられている。
ロアハウジング14は、略車両左右方向に沿って互いに対向する一対の側壁16と、略車両前後方向に沿って互いに対向する一対の側壁18とを含めて断面略矩形の筒形状に形成されている。図3におけるロアハウジング14の上側の開口端は、アッパハウジング20により閉止されている。アッパハウジング20の上面は、車両室内側に露出しており、アッパハウジング20によってロアハウジング14の開口端を閉止することで、ロアハウジング14の内側の諸々の部材を隠していると共に、異物等の侵入を防止又は抑制している。
また、ロアハウジング14の内側には、シフトレバー22を構成するレバー本体24が設けられている。レバー本体24は、リテーナ26を備えている。リテーナ26は、正面視で下端が頂部となった逆三角形状に形成されている。上端部は、側壁16の対向方向に沿って貫通した略筒状の筒部28が形成されている。
この筒部28には側壁16の対向方向に沿って軸方向とされたシャフト30が貫通した状態で略一体的に連結されている。シャフト30は、その軸方向両端側で両側壁16を貫通しており、側壁16により支持されている。これにより、リテーナ26及びシャフト30がシャフト30の軸心周りに回動可能に軸支されている。
シャフト30の軸方向一端には、センサアーム32がねじ等により一体的に固定されている。センサアーム32には、シャフト30の回転周方向に沿って厚さ方向とされた一対の押圧片34が形成されている。これらの押圧片34は、センサアーム32が設けられた側のシャフト30の端部を支持している側壁16に一体的に取り付けられたセンサケース35の内側に入り込む。
センサケース35の内部には、位置検出手段(シフト方向位置検出手段)を構成する1乃至複数の磁気センサとしてのホールIC素子と、ホールIC素子と共に位置検出手段を構成する1乃至複数のマグネット(符号無きものに関しては何れも図示省略)が収容されている。センサケース35に収容されているマグネットは、上記の押圧片34に直接又は間接的に係合しており、シャフト30がその軸心周りに回動することで押圧片34がマグネットを押圧すると、押圧片34からの押圧力によりマグネットが移動する。
このマグネットの移動による生じた磁気の変動をセンサケース35内に収容したホールIC素子が検出すると、ホールIC素子からの信号が後述するPCボード62上のECUに入力され、ECUにてシャフト30、ひいてはリテーナ26がシャフト30の軸心周りに回動したことを検出する。
また、レバー本体24はボディ36を備えている。ボディ36はブロック状の基部38を備えている。基部38の下端部からは一対の脚板40が延出されている。両脚板40は、各々が側壁18の対向方向に沿って厚さ方向とされていると共に、側壁18の対向方向に沿って互いに対向する如く形成されている。
これらの脚板40の間隔は、上述したリテーナ26の厚さ寸法よりも僅かに大きく、これらの脚板40の間にリテーナ26が配置される。これらの脚板40の下端部には各々の脚板40の厚さ方向に沿って貫通した透孔42が形成されている。これらの透孔42に対応して上記のリテーナ26の下端部には透孔44が形成されている。透孔42、44には、側壁18の対向方向に沿って軸方向とされたシャフト46が貫通しており、シャフト46の軸心周りにリテーナ26に対してボディ36が相対的に回動可能に軸支されている。
さらに、ロアハウジング14の内側で且つ一方の脚板40の他方とは反対側には、センサケース48が配置されている。センサケース48の上端部にはシャフト50がボディ36側へ突出形成されており、センサリンク52が側壁18の対向方向を軸方向とする軸周りに回動可能に軸支されている。
センサリンク52に対応して一方の脚板40には、係合突起54がセンサケース48側へ向けて突出形成されている。係合突起54はセンサリンク52に機械的に連結されており、ボディ36がシャフト46周りに回動すると、係合突起54がセンサリンク52を押圧してシャフト50周りに回動させる。
センサリンク52を介してセンサケース48とは反対側にはスライダ56が配置されている。スライダ56は、側壁16の対向方向に沿ってスライド可能にセンサケース48に保持されていると共に、スライダ56から突出した図示しない係合ピンが、センサケース48を貫通してセンサリンク52の回動半径方向先端側に形成された長孔58に入り込んだ状態で係合している。
スライダ56は、センサリンク52がシャフト50の軸心周りに回動した際に長孔58の内壁に係合ピンが押圧されることで側壁16の対向方向にスライドする。また、スライダ56には、位置検出手段(セレクト方向位置検出手段)を構成するマグネット(永久磁石)60が固定されている。マグネット60は、例えば、Srフェラト磁石とされており、その周囲に所定の磁界を形成する。また、マグネット60は、スライダ56に固定されていることで、スライダ56と共にマグネット60が一体的にスライドする。したがって、このようにマグネット60がスライドすることで、マグネット60の周囲に形成される磁界もまたスライドする。
さらに、スライダ56を介してセンサケース48とは反対側にはPCボード62がセンサケース48に取り付けられている。PCボード62には図示しないECUに接続された一対のホールIC素子64、66(図3では図示省略、図4参照)が側壁16の対向方向に並んで配置されている。これらのホールIC素子64、66は、マグネット60が形成する磁界の変動(更に詳細に言えば、ホールIC素子64、66を構成するホール素子を通過する磁気の強さの変化)を検出し、この磁界の変動に対応した電気信号を出力する。
一方、図3に示されるように、ボディ36の基部38の上面には有底の円孔78が形成されており、シフトレバー22を構成する棒状のレバー部材80の基端部が挿入されて一体的に固定されている。レバー部材80は、その長手方向中間部にてアッパハウジング20に形成されたシフト孔82を貫通している。シフト孔82は所定の方向に長手とされた縦孔82A及び縦孔82Aの長手方向に対して交差(例えば、直交)する方向に長手とされた横孔82Bとにより、全体的に平面視で略「h」形状に形成されている。レバー部材80はシフト孔82を貫通して、その先端側はアッパハウジング20の外側に延出されている。さらに、アッパハウジング20の外側に延出されたレバー部材80には、ノブ90が取り付けられている。
図2乃至図5に示されるように、ノブ90は、光誘導手段としてのノブ本体92を備えている。ノブ本体92は、略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材、例えば、アクリル樹脂(PMMA:ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル樹脂)等により形成された基部94を備えている。基部94には貫通孔96が形成されており、レバー部材80の先端側が挿入される。基部94の上面には基部94と同様に略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材により形成されたライトガイド98が形成されている。
図2に示されるように、ライトガイド98は、基本的に貫通孔96に対して略同軸の円筒形状に形成されている。また、ライトガイド98には、3つのスリット100が貫通孔96の軸心周りに所定角度毎に形成されている。これらのスリット100は、ライトガイド98の内周部、外周部、及び上端部にて開口しており、これらのスリット100を形成することで、実質的にライトガイド98が貫通孔96の軸心周りに3分割されている。
また、図5に示されるように、基部94のライトガイド98とは反対側の端面は、採光面101とされており、採光面101に光が照射されると、採光面101からノブ本体92内に光が取り込まれる。
また、図2及び図5に示されるように、ノブ90は被覆部としてのノブボディ102を備えている。ノブボディ102は、光を透過しない程度に着色されたナイロン樹脂(PA)等の合成樹脂材により略筒状に形成された外筒部103を備えている。外筒部103の内周形状は、ライトガイド98の外周形状に対応しており、ノブ本体92の上方から外筒部103の内側にライトガイド98を挿し込むように外筒部103をライトガイド98に装着することで、ライトガイド98の外周部が外筒部103により被覆される。
さらに、外筒部103の内側には、金属により略円筒形状に形成され、内周部に雌ねじ104Aが形成された雌ねじ部104が設けられている。この雌ねじ部104の外周部とノブボディ102の内周部との間には複数の連結片106が雌ねじ部104の軸心周りに所定角度毎に設けられており、連結片106によってノブボディ102と雌ねじ部104とが一体的に連結されている。連結片106は、雌ねじ部104の軸周り方向に沿って厚さ方向とされており、その厚さ寸法は上記のスリット100の内幅寸法よりも極僅かに小さい。
また、これらの連結片106は、スリット100に対応するように形成されており、外筒部103の内側にライトガイド98を挿入すると、ライトガイド98の内側に雌ねじ部104が同軸的に挿入されると共に、各スリット100に対応する連結片106が入り込む。これにより、ライトガイド98及び雌ねじ部104の軸心周り方向に沿ったノブ本体92に対するノブボディ102の相対的な変位が規制される。
このようにノブ本体92にノブボディ102が装着された状態で、ノブ本体92の基部94の下方からレバー部材80が挿し込まれ、レバー部材80の先端に形成された雄ねじ80Aが雌ねじ部104の雌ねじ104Aに螺合することで、レバー部材80にノブ90が連結される。
一方、雌ねじ部104の上側にはキャップ107が設けられている。キャップ107は透過部としてのガイドレンズ108を備えている。ガイドレンズ108は上記のライトガイド98と同様に略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材により形成されており、外筒部103の内側に配置されている。また、ガイドレンズ108の外周形状は、外筒部103(ノブボディ102)の外周形状に対応しており、ガイドレンズ108の外周部に塗布された接着剤によりガイドレンズ108は外筒部103の内周部に一体的に固定されている。
また、ガイドレンズ108上には、透過部としてのインジケータプレート110が設けられている。インジケータプレート110は、基本的に略透明の板材により形成されているが、アッパハウジング20に形成されたシフト孔82の形状に対応したシフトパターン部分と、このシフトパターン部分の側方で、シフトレンジを意味するマーク部分を除いては、光を通さない色で着色されている。したがって、インジケータプレート110の下方側から一様に光が照射されても、上記のシフトパターン部分及びマーク部分の部位のみ光を透過する。
さらに、インジケータプレート110上には、透過部としてのインジケータレンズ112が設けられている。インジケータレンズ112は、ガイドレンズ108と同様に略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材により形成されている。インジケータレンズ112はその外周形状がインジケータプレート110に対して略相似形状であるものの、インジケータプレート110よりも僅かに大きく、更に、インジケータレンズ112の外周形状はノブボディ102の上端における外周形状と略同じ形状となっている。
インジケータレンズ112、インジケータプレート110、及びガイドレンズ108は、インモールド成形により一体に形成されており、インジケータプレート110の外周部よりも外側に位置するインジケータレンズ112の下面(インジケータプレート110側の面)に塗布された接着剤により、ノブボディ102の上端部に一体的に固着されている。
一方、図3に示されるように、レバー部材80の側方では、ボディ36の基部38に円筒状のピン収容部120が形成されている。ピン収容部120は、図3の上方側の端部にて開口しており、その内部には、圧縮コイルスプリング122とピン124とが収容されている。また、図1及び図3に示されるように、ロアハウジング14の内側で且つアッパハウジング20の裏側には、ゲート部材126が配置されている。ゲート部材126の裏面には図示しない復帰溝が形成されている。
復帰溝は上底を有する有底の溝で、平面視(裏面視)ではシフト孔82と同じ略「逆h」形状とされている。上記のピン124は、圧縮コイルスプリング122を上方から圧縮した状態で上端が復帰溝に入り込み、圧縮コイルスプリング122の付勢力により復帰溝の上底に圧接されている。また、復帰溝の上底は、適宜に傾斜しており、図4に示されるシフト孔82での復帰位置Sにレバー本体24が位置した状態で、復帰溝における復帰位置と同じ位置が最も復帰溝が深くなっている。
また、図1に示されるように、ゲート部材126には、シフト孔82と略同形状のシフト孔128が形成されており、レバー部材80が貫通している。さらに、ゲート部材126には一対のゲートプレート130が設けられている。ゲートプレート130は、側壁18の対向方向に沿ったゲート部材126の両端側にそれぞれ設けられており、ゲート部材126の上面との間に所定の隙間が形成される程度にゲート部材126の上面に対して離間した状態でゲート部材126に一体的に形成されている。
また、ゲート部材126の上面上にはカバープレート132が配置されている。カバープレート132は平面視で略矩形に形成されており、側壁18の対向方向に沿ったカバープレート132の両端側がゲート部材126の上面とゲートプレート130との間に入り込んでいる。これにより、カバープレート132は、基本的に側壁16の対向方向に沿った方向のスライド以外の変位が規制されている。
さらに、上述したゲート部材126のシフト孔128に対応して、カバープレート132には長孔134が形成されており、上記のレバー部材80が貫通している。リテーナ26及びボディ36がシャフト30の軸周りに回動した際には、長孔134の長手方向に沿ってレバー部材80が長孔134の内側を移動する。
これに対して、ボディ36がシャフト46の軸周りに回動するとレバー部材80は長孔134の内周部を押圧してカバープレート132を押圧し、カバープレート132を側壁16の対向方向に沿ってスライドさせる。
さらに、カバープレート132の裏面(カバープレート132とゲート部材126の上面との間)には略三角形状又は略扇形状のカバープレート136が配置されている。カバープレート136は、そのコーナ部に形成された透孔138にカバープレート132の裏面から突出された図示しないピンが嵌挿されており、これにより、このピンの軸周り、すなわち、カバープレート132の厚さ方向を軸方向とする軸周りに回動自在にカバープレート136が軸支されている。
また、カバープレート136には円孔140が形成されている。円孔140は、上記の長孔134及びシフト孔128に対応して形成されており、レバー部材80が貫通している。
さらに、上述したアッパハウジング20には、ランプハウス142が形成されており、その内側には通電により点灯するランプ(電球)144が収容されている。また、ランプハウス142の内側には、適宜に屈曲した角棒形状のライトガイド146が収容されている。ライトガイド146はその一部がランプ144と対向していると共に、長手方向に一方の端面がレバー部材80の長手方向に対して傾斜した方向に沿って上述したノブ本体92を構成する基部94の下面へ向く。
また、これらのランプ144及びライトガイド146に対応して上記のカバープレート132の上面上には光制御手段及びシャッタ部材としてのシャッタ148が形成されている。シャッタ148は、側壁16の対向方向に沿った互いに対向した側壁150を備えている。これらの側壁150は、カバープレート132が側壁16の対向方向にスライドしても上記のランプハウス142に干渉されない程度の間隔を有しており、この側壁150の内側にランプハウス142の一部が収容される。
さらに、これら側壁150の長孔134側の端部はシャッタ壁152により繋がっている。シャッタ壁152には矩形の切欠154が形成されており、側壁18の対向方向に沿ってライトガイド146の一方の端面と切欠154とが対向した状態では、ライトガイド146の一端から出た光が基部94の下端に到達できる。しかしながら、ライトガイド146の一端と基部94の下端との間にシャッタ壁152の切欠154以外の部位が介在した状態では、ライトガイド146の一端から出た光がシャッタ壁152に遮られて基部94の下端に到達できない構造になっている。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本シフトレバー装置10では、図4のS位置にてレバー本体24がシフト孔82を貫通した状態から、ノブ90を把持してシフトレバー22を図4の紙面右方へ(図4の矢印R方向)へ押圧すると、シャフト46周りにボディ36がリテーナ26に対して回動する。これにより、図4のN位置でレバー部材80がシフト孔82を貫通する。このようにシャフト46周りにリテーナ26に対してボディ36の回動すると、係合突起54がセンサリンク52を押圧してシャフト50周りにセンサリンク52を回動させる。
センサリンク52が回動すると、スライダ56、ひいてはマグネット60がスライドする。マグネット60がスライドすることで、PCボード62に対するマグネット60の位置が変わり、これにより、これまでマグネット60と対向していたホールIC素子64とマグネットとの対向状態が解除され、新たに、それまでマグネット60と対向していなかったホールIC素子66がマグネット60と対向する。これにより、ホールIC素子64から出力される信号はLowレベルになり、ホールIC素子66から出力される信号がHighレベルになる。
次いで、この状態から、ノブ90を図4の上方(図4の矢印U方向)へ押圧すると、ボディ36及びリテーナ26がシャフト30周りに回動する。これにより、レバー部材80が図4のD位置にてシフト孔82を貫通すると(すなわち、複数のシフト位置のうち、所定のD位置にレバー部材80が到達すると)、センサケース35に収容されたマグネットが押圧片34に押圧されて移動し、このマグネットの移動に応じて変化した磁界の変動をセンサケース35の内側に収容されたホールIC素子が検出し、この磁界の変動に対応した信号がPCボード62のECU68に入力される。
一方、上記のように、S位置からN位置へシフトレバー22を回動させた後に、ノブ90を図4の下方(図4の矢印D方向)へ押圧すると、ボディ36及びリテーナ26がシャフト30周りに回動する。これにより、レバー部材80が図4のR位置にてシフト孔82を貫通すると(すなわち、複数のシフト位置のうち、所定のR位置にレバー部材80が到達すると)、センサケース35に収容されたマグネットが押圧片34に押圧されて移動し、このマグネットの移動に応じて変化した磁界の変動をセンサケース35の内側に収容されたホールIC素子が検出し、この磁界の変動に対応した信号がPCボード62のECU68に入力される。
これに対して、図4のS位置にてレバー本体24がシフト孔82を貫通した状態から、ノブ90を図4の上方(図4の矢印U方向)へ押圧すると、ボディ36及びリテーナ26がシャフト30周りに回動する。これにより、レバー部材80が図4のB位置にてシフト孔82を貫通すると(すなわち、複数のシフト位置のうち、所定のB位置にレバー部材80が到達すると)、センサケース35に収容されたマグネットが押圧片34に押圧されて移動し、このマグネットの移動に応じて変化した磁界の変動をセンサケース35の内側に収容されたホールIC素子が検出し、この磁界の変動に対応した信号がPCボード62のECU68に入力される。
以上のように、S位置、D位置、R位置、及びB位置の何れでレバー本体24がシフト孔82を貫通しているかにより、ホールIC素子64、66、及びセンサケース35内のホールIC素子からの信号の少なくとも何れか一方のレベルが異なる。これらの信号のレベルの変化に基づいて、PCボード62のECU68ではレバー部材80(すなわち、シフトレバー22)がS位置、D位置、R位置、及びB位置の何れに位置しているかが判定される。
さらに、ECU68では、レバー部材80の位置の判定結果に基づいた信号を出力する。ECU68にて出力された信号、すなわち、レバー部材80の位置の判定結果はECU70に信号に入力される。
ECU70では、ECU68からの信号に基づいて、レバー部材80の位置がD位置であれば、シフトレンジをドライブレンジ(Dレンジ)に変更させ、車両が前進できる状態とする。また、レバー部材80の位置がR位置であれば、シフトレンジをリバースレンジ(Rレンジ)に変更させ、車両が後退できる状態とする。さらに、レバー部材80の位置がB位置であれば、シフトレンジをエンジンブレーキ(Bレンジ)に変更させ、比較的ギヤ比が低いギヤを多用するシフトレンジに変更する。本来比較的ギヤ比が高いギヤを使用して走行する状態で、このようにギヤ比が低いギヤを多用するシフトレンジに変更すると、所謂エンジンブレーキがきく状態になる。
さらに、上述したように、S位置からD位置やR位置、若しくはB位置にレバー部材80(シフトレバー22)を移動させた後に、ノブ90に付与する押圧力を解除すると、ゲート部材126の裏面に形成されたゲート溝の上底に、圧縮コイルスプリング122の付勢力で圧接されたピン124が、圧縮コイルスプリング122の付勢力に応じてゲート溝の上底から受ける反力で最もゲート溝が深い部分であるS位置まで移動させられる。これにより、レバー部材80(シフトレバー22)がS位置に復帰する。
このように、本シフトレバー装置10は、基本的にレバー部材80(シフトレバー22)はS位置にてシフト孔82を貫通した状態で維持され、シフトレンジを変更する際に所望のシフトレンジに対応したシフト位置(D位置やR位置、若しくはB位置)までレバー部材80(シフトレバー22)を回動させる。シフトレンジ変更後は、レバー部材80(シフトレバー22)はS位置に復帰し、他のシフト位置までレバー部材80(シフトレバー22)を回動させるまでは、それまでのシフトレンジは維持される。
一方、夜間等で車両のヘッドライトや車幅灯を点灯させるべく車両室内におけるスイッチ操作を行なうと、これに連動して、ランプ144が点灯する。上記のS位置にてレバー本体24がシフト孔82を貫通している状態では、切欠154を介して基部94の下面とライトガイド146の長手方向一端とが対向している。したがって、この状態では、ランプ144の光は、ライトガイド146に案内されてライトガイド146の長手方向一端から出射される。
ライトガイド146の長手方向一端から出射された光は切欠154を通過して基部94の下端に入射される。基部94の下端に入射された光は、基部94からライトガイド98を通過してライトガイド98の上面から出射される。ライトガイド98の上面から出射された光は、ガイドレンズ108に入射され、インジケータプレート110、及びインジケータレンズ112を通過してノブ90の外部に出る。
上記のように、インジケータプレート110は、シフト孔82の形状に対応したシフトパターン部分と、このシフトパターン部分の側方で、シフトレンジを意味するマーク部分のみ光を透過できる構造になっている。このため、シフトパターン部分及びマーク部分の形状に対応してノブ90の上端(先端)が発光する。したがって、ノブ90の上面を視認することで、夜間等、車両室内が暗い場合でもシフトパターンを確認できる。
一方、上記のように、S位置からN位置へレバー部材80(シフトレバー22)を回動させると、レバー部材80に押圧されたカバープレート132がスライドする。このカバープレート132のスライドによりシャッタ壁152がスライドし、切欠154とライトガイド146との対向状態が解除され、シャッタ壁152の切欠154以外の部分がライトガイド146から基部94の下端までの間の光路上に介在する。
これにより、ライトガイド146から基部94へ向かう光は遮断され、基部94の下端に入射できない。このため、上記のようなノブ90の上端(先端)での発光が生じない。このように、本シフトレバー装置10では、D位置やR位置へシフトレバー22を移動させるべく、S位置からN位置へシフトレバー22を移動させると、ノブ90の上端における発光が停止されて消灯される。
このように、ノブ90の上面における発光を意図的に停止させることで、乗員からノブ90の上面におけるシフトパターン等が見え難くなる。このため、ドライブレンジやリバースレンジにシフトレンジを変更するにあたり、乗員がノブ90を注視することを防止できる。
また、このように、本シフトレバー装置10では、ノブ90の内部に光源であるランプ144を配置せず、ライトガイド98、146によってインジケータレンズ112まで光を導く構造としたため、ノブ90の構造を簡素化できると共にノブ90の小型化が可能になる。しかも、ライトガイド98は、ノブ90の構造の一部であるため、この意味でもノブ90の構造を簡素化できる。
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態を説明するうえで、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
図6には本実施の形態に係るシフトレバー装置160の要部の拡大斜視図が示されている。また、図7には本シフトレバー装置160の要部の拡大断面図が示されている。
これらの図に示されるように、本シフトレバー装置160のノブ162を構成するノブボディ102は、雌ねじ部104を備えておらず、代わりに固定部としての雌ねじ部164を備えている。雌ねじ部164は外筒部103の開口方向に沿って両端が開口した円筒形状に形成され、その内周部に雌ねじ164Aが形成されている点については雌ねじ部104と同じであるが、本実施の形態では雌ねじ部164が外筒部103及び連結片106と同一の合成樹脂材により形成されている点で前記第1の実施の形態における雌ねじ部104とは構成が異なる。
一方、本実施の形態において、ノブ本体92はライトガイド98に代わり、ライトガイド166を備えている。ライトガイド166を含めてノブ本体92は、全体的に透明のアクリル樹脂(PMMA:ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル樹脂)等により形成されている点では前記第1の実施の形態と同じであるが、本実施の形態では、ノブ本体92を構成する合成樹脂材とノブボディ102を構成する合成樹脂材とでは材質的に異なっている。
また、ライトガイド166は、円筒状に形成されているものの、ライトガイド98とは異なりスリット100が形成されておらず、ライトガイド166の半径方向に沿って連結片106がライトガイド166を貫通している。
外筒部103の上端側(すなわち、外筒部103の軸方向他端側)に向いたライトガイド166の上端は、雌ねじ部164の上端よりも上方に位置している。また、本実施の形態では、外筒部103の上端に上底部168が形成されており、雌ねじ部164の上端を上底部168が被覆している(すなわち、ライトガイド166は、基本的に上端が上底部168により閉止された有底円筒形状に形成されている)。
また、上底部168にはライトガイド166の軸方向に貫通した透孔170が形成されている。透孔170はライトガイド166の内方側にて雌ねじ部164の内側と連通しており、レバー部材80(レバー本体24、シフトレバー22)の先端の雄ねじ80Aが、雌ねじ部164の雌ねじ164Aに螺合して、レバー部材80の先端が上底部168に接近した際に、雌ねじ部164内の空気を雌ねじ部164及びライトガイド166の外部に抜いて雌ねじ部164内に空気が閉じ込められることを防止している。
<ノブ162の製造工程の概略と本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態におけるノブ162の製造工程について説明する。
ノブ162の製造工程では、先ず、ノブボディ成形工程でノブボディ102が製造される。ノブボディ成形工程では、図8に示されるように、上型174及び下型176を含めて構成される金型172が用いられる。
下型176のキャビティ178は、基本的に外筒部103の外周形状に対応した形状に成形されている。この下型176のキャビティ178に対応して上型174のコア180の形状は、連結片106及び雌ねじ部164の外周形状に対応する部分を除いて外筒部103の内周形状に対応して成形されている。また、下型176には、ねじ成形用のコア182が突出形成されている。
ノブボディ成形工程では、このような上型174と下型176とを含めて構成される金型172を型締めした後にナイロン樹脂(PA)等の合成樹脂材が金型172内に充填され、充填された合成樹脂材が冷却、硬化することでノブボディ102が成形される。
次いで、図9に示されるように、ノブボディ成形工程にて製造されたノブボディ102はガイド成形工程にて用いられる金型184内に配置される。金型184は上型186及び下型188を含めて構成されている。下型188のキャビティ190の深さ方向中間部よりも上側(開口端側)での内周形状は、ノブボディ102の外周形状(すなわち、外筒部103の外周形状)に対応しており、ノブボディ102を下型188のキャビティ190内に配置すると、キャビティ190の深さ方向中間部よりも上側でキャビティ190の内周部にノブボディ102の外周部が一様に当接する。また、下型188のキャビティ190には透孔44及び雌ねじ部164の内周部に対応してコア192が形成されている。
一方、上型186には、ライトガイド166を成形する部分を除いてコア194が形成されている。コア194の外周形状は基本的に外筒部103の内周形状に対応しており、キャビティ190内にノブボディ102を配置した状態で金型184を型締めすると、コア194の外周部がノブボディ102の内周部に当接する。
ガイド成形工程では、下型188内にノブボディ102が配置された状態で金型184が型締めされて、アクリル樹脂(PMMA)等の合成樹脂材が金型184内に充填される。金型184に充填された合成樹脂材が冷却、硬化することでノブ本体92が成形される。
このようにして、ノブ本体92が一体成形されたノブボディ102に対して、キャップ装着工程でキャップ107を組み付けて固着させることでノブ162が形成される。
ここで、本シフトレバー装置160のノブ162は、金型184内にノブボディ102が配置された状態でノブ本体92が成形される。このため、ノブ本体92は成形されることで既にノブボディ102に連結されている。これにより、ノブボディ102とノブ本体92とを全く独立した別部品とした場合に比べて、ノブボディ102とノブ本体92とを組み付けるための工程を実質的に廃止できる。このため、ノブ162の製造コストを安価にできる。
また、このようにして形成されたノブ162は、雌ねじ部164がノブボディ102の一部としてノブボディ102の成形時に成形される。このため、雌ねじ部164に対応するねじ部材を別途用いなくてもよい。これにより、部品点数を削減でき、この意味でもコストの削減を図ることができる。
さらに、ノブボディ102ではなくノブ本体92に雌ねじ部164を形成すれば、構造的に簡素になるが、ノブ本体92に用いられるアクリル樹脂等に比較して、ノブボディ102に用いられるナイロン樹脂等は耐磨耗性や耐衝撃性に優れるため、レバー部材80の先端に形成された雄ねじ80Aにノブ162の雌ねじ部164を螺合させて組み付けるにあたり、雌ねじ部164の破損等が生じることを効果的に減らすことができ、格別な注意を払わなくてもノブ162をレバー部材80に組み付けることができる。これにより、作業性を向上させることができ、この意味でもコストの削減を図ることができる。
また、図9に示されるように、本シフトレバー装置160のノブ162は、ライトガイド166に上底部168が形成されている。これにより、上底部168を形成しない構成に比べて、ノブボディ102を上から見た場合のライトガイド166の端面の面積が大きくなる。
基部94の採光面101にて取り込まれた光はライトガイド166へ導かれることでライトガイド166の端面で発光し、この光がキャップ107を透過する構成であることを考慮すると、上記のように、上底部168を形成してライトガイド166の端面が大きくなることにより、発光面積が大きくなり、キャップ107を透過する光の明るさのばらつきを小さくできる。
ここで、ノブボディ102とノブ本体92とを全く独立した別部品として組み付ける構成とした場合には、ノブボディ102の下側の開口端からライトガイド166を挿入してノブボディ102にノブ本体92を組み付ける構成になる。このような組み付けの場合には、ライトガイド166の上端に雌ねじ部164が貫通できる大きさの孔や、連結片106が通過できる大きさの切欠きを形成しなくてはならず、上底部168の形成することができないばかりか、切欠等を形成することでライトガイド166の端面の面積の増加が図れない。
これに対して、本シフトレバー装置160のノブ162は、上記のように金型184内にノブボディ102を配置する所謂インサート成形にてノブ本体92を成形するため、上底部168の形成が可能になり、上記のように、発光面積を大きくでき、その結果、キャップ107を透過する光の明るさのばらつきを小さくできる。
<第3の実施の形態の構成>
図10には本発明の第3の実施の形態に係るシフトレバー装置210の要部の拡大斜視図が示されている。
この図に示されるように、本シフトレバー装置210はシフトレバー212を備えている。シフトレバー212は所定の方向(例えば、略車両上下方向)に沿って長手方向とされた略円筒状のレバー本体としての第1レバー214を備えている。
第1レバー214の長手方向基端部は、その長手方向に対して直交する前後方向及びこの前後方向と長手方向の双方に対して直交する左右方向の両方向を軸方向として旋回自在にベース部材(図示省略)に支持されている。
なお、ここで言う前後方向及び左右方向とは車両の前後、左右とは直接的には関係なく、あくまでも便宜上の方向である。すなわち、車両の上下方向に沿って概ねシフトレバー212の長手方向になるように本シフトレバー装置210を設置するのであれば、上記の前後方向及び左右方向は車両の前後方向及び左右方向と略一致するが、例えば、本シフトレバー装置210を車両のインスツルメントパネル等に設置する場合にはシフトレバー212の長手方向は車両の前後方向になる。
第1レバー214の長手方向基端側にはブラケット216が設けられている。図12に示されるように、ブラケット216は内部が中空とされている。第1レバー214の基端側はブラケット216の上壁218を貫通してブラケット216の内部に入り込んだ状態で図示しないねじやボルト等の締結手段を代表とする固定手段によってブラケット216に一体的に固定されている。
一方、ブラケット216の底壁220からは一対の縦壁222が延出されている。これらの縦壁222は、前後方向に沿って互いに対向している。図10に示されるように、これらの縦壁222の間には、略棒状のレバー本体としての第2レバー224の長手方向先端側が入り込んでいる。第2レバー224の先端が入り込んだ上記の縦壁222には、その対向方向(すなわち、前後方向)に沿ってシャフト226が貫通しており、これにより、第2レバー224に対して第1レバー214がシャフト226周りに旋回できる。
上記の第2レバー224の長手方向中間部は、ベース228の側壁230に左右方向を軸方向として旋回可能に支持されている。ベース228は車両の適宜位置、例えば、本シフトレバー装置210が、車両の運転席と助手席との間に配置されるならば、運転席と助手席の間で車体に固定される。
さらに、第2レバー224の長手方向中間部よりも他端側では、図示しないワイヤケーブル等の機械的接続手段を介して車両の自動変速機(変速機)に接続されており、第2レバー224が所定の旋回位置に達したことを自動変速機の制御装置が検出すると、自動変速機に予め設定された複数のシフトレンジうち、第2レバー224の旋回位置に応じたシフトレンジに変更される。
一方、ベース228の上方にはハウジング232が配置されており、ハウジング232よりも下側に配置された本シフトレバー装置210を構成する各部材が覆われる。
ハウジング232には、前後左右に適宜に屈曲したジグザグ形状のシフト孔234が形成されている。シフト孔234は第1レバー214が貫通しており、このシフト孔234に沿ってシフトレバー212がジグザグに操作される。
なお、このように前後左右にシフト操作されるシフトレバー212の旋回位置のうち、左右方向を軸方向とした軸周りの旋回位置は、上述したように、第2レバー224がワイヤケーブル等の機械的接続手段を介して自動変速機に接続されることで自動変速機はシフトレバー212の旋回位置を検出できる。
これに対して、前後方向を軸方向とした軸周りのシフトレバー212の旋回位置、すなわち、シャフト226周りの第1レバー214の旋回位置は、ベース228の側壁230等に設けられたマイクロスイッチ等の検出手段により検出され、検出手段の導通状態や検出手段から出力された信号に基づき、自動変速機の制御装置が旋回位置を検出する構造になっている。
一方、図10に示されるように、第1レバー214の先端には把持用のノブ236が設けられている。図10に示されるように、ノブ236は合成樹脂材により成形されており、その下端部には第1レバー214を挿入するための貫通孔238が形成され、第1レバー214の先端側が貫通孔238の下側開口端から入り込んでいる。
貫通孔238に入り込んだ第1レバー214はノブ236に一体的に固定されている。なお、この第1レバー214とノブ236との固定に関しては特に限定するものではない。したがって、ねじ等の締結手段による締結固定や接着剤等の接着手段による接着固定、更には、貫通孔238への第1レバー214の圧入等の何れでもよいし、また、第1レバー214の先端側で外周部に雄ねじを形成すると共に、貫通孔238の内周部に雌ねじを形成し、第1レバー214とノブ236とを螺合させて固定してもよい。
また、ノブ236にはランプハウス240が形成されている。ランプハウス240はノブ236の上端で開口した略凹形状に形成された空間で、その底部にて上記の貫通孔238の上端が開口している。
さらに、ランプハウス240の上側開口端には透過部としてのインジケータ242が取り付けられている。インジケータ242は、透明又は半透明或いは光の透過が可能に所望の色に着色された板状部材で、所謂スナップフィットや熱溶着、又は、接着剤等による接着により、ランプハウス240の上側開口端を閉止した状態でノブ236に一体的に固定されている。
図11に示されるように、インジケータ242の表面には、上述したシフト孔234と略同形状をした線と、この線の側方に位置する文字及び数字とにより構成された操作パターンとしてのシフトパターン244が形成されている。このシフトパターン244のうち、シフト孔234と略同形状をした線はシフトレバー212の操作方向を示し、線の側方に位置する文字及び数字はシフトレンジを示す。
また、図10に示されるように、ランプハウス240の内部には光誘導手段としての光ファイバ246が設けられている。従来から周知の通り、光ファイバ246はガラス等により形成された紐状部材で、その長手方向基端側から先端側へ光を透過させることができる。
光ファイバ246の長手方向先端部には、光誘導手段としてのライトガイド248が一体的に固定されている。ライトガイド248は、ランプハウス240の内部で上記のインジケータ242の裏面に固定されており、照明手段を構成する光ファイバ246の長手方向基端側から先端へ送られた光がライトガイド248を透過し、更に、インジケータ242を透過する。
光ファイバ246の基端側は貫通孔238の上側開口端に嵌挿されたリング状の防振ゴム250の内部を通過している。さらに、光ファイバ246の基端側は貫通孔238及び第1レバー214の内部を通過し、図12に示されるように、第1レバー214の基端部からブラケット216の内部に入り込んでいる。
ブラケット216内に入り込んだ光ファイバ246に対応してブラケット216の底部上にはガイド部材252が配置されている。ガイド部材252はその一部に略直角で且つ角部は円弧状に湾曲したガイド面254が形成されており、第1レバー214からブラケット216内に入り込んだ光ファイバ246はガイド部材252のガイド面254に案内されてブラケット216の側壁256側へ案内されている。
さらに、光ファイバ246の基端部の側方には、基板258が配置されている。基板258は厚さ方向一方の面を光ファイバ246の基端部に向けた状態でブラケット216の底部上に立設されていると共に、ブラケット216の側壁256の外側から、先端側が側壁256を貫通したねじ260により固定されている。
基板258の厚さ方向一方の面(光ファイバ246の基端部側の面)には、発光手段として照明手段を構成するLED262が設けられていると共に、基板258の厚さ方向両面のうちの一方には抵抗素子やトランジスタ等の図示しない電子部品が設けられて回路を構成している。
また、基板258の厚さ方向他方の面には2本のコード264の先端が固定されている。両コード264は基板258上の回路に電気的に接続されている。これに対し、コード264の基端側は側壁256を貫通してブラケット216の外部に延び、更に、ECU等の図示しない制御手段を介して車両に搭載されたバッテリー(符号無きものは何れも図示省略)に接続されている。例えば、ECUは車両の外部照明用のヘッドランプスイッチに接続されており、車幅灯やヘッドランプを灯火させるためにヘッドランプスイッチを操作すると、ECUがコード264を介して基板258の回路に電流を流す構造になっている。
<第3の実施の形態の作用、効果>
本シフトレバー装置210では、車両乗員によりノブ236が把持され、この状態でシフトレバー212がシフト孔234に沿って左右方向又は前後方向を軸方向とする軸周りに旋回操作される。シフト孔234内の所定の位置に第1レバー214が到達すると、自動変速機の制御手段がそれまでのシフトレンジからシフトレバー212の旋回位置に対応したシフトレンジに変更する。
一方、夜間等において、車両乗員がヘッドランプスイッチを操作し、車両のヘッドランプや車幅灯を点灯させると、通常は、これに伴い、インパネに設けられたメータ類が照明される。これにより、車両室内が暗くてもメータ類を容易に視認することができる。
また、このように、ヘッドランプや車幅灯を点灯させるためにヘッドランプスイッチを操作すると、ヘッドランプスイッチに接続されたECUがコード264を介して基板258の電気回路に電流を流す。基板258の回路に電流が流されると、LED262が発光する。LED262は光ファイバ246の基端部と対向しているため、LED262から発せられた光は、光ファイバ246の基端部から光ファイバ246中を通過して先端側へ向かう。さらに、光ファイバ246を通過してその先端側へ向かった光は、光ファイバ246の先端部に設けられたライトガイド248を透過し、インジケータ242の裏面側から表面側へ光が透過する。
このようにして、インジケータ242の裏面側から表面側へ光が透過することで、ノブ236の上面が発光し、これにより、車両室内が暗くてもインジケータ242に形成されたシフトパターン244を容易に視認することが可能になる。
また、本実施の形態では、LED262にて発せられた光が光ファイバ246を通過してインジケータ242を透過させる構成であるが、LED262が設けられた基板258がブラケット216内に取り付けられていることで、シフトレバー212を操作した場合にも、基本的にLED262と光ファイバ246との間の相対変位が生じない。
このため、シフトレバー212を操作してもLED262と光ファイバ246の基端部とが必ず対向する。したがって、シフトレバー212が如何なる旋回位置にあっても、LED262にて発せられて光ファイバ246の基端部に到達する光量が変わらない。これにより、シフトレバー212の旋回位置に拘わらずインジケータ242における輝度を一定にできる。
<第4の実施の形態の構成>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態を含めて以下の各実施の形態を説明するうえで、前記第3の実施の形態と基本的にに同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
図14には、本発明の第4の実施の形態に係るシフトレバー装置280の要部の構成が図12に対応した断面図により示されている。
この図に示されるように、本シフトレバー装置280は、前記第3の実施の形態に係るシフトレバー装置210とは異なり、基板258がブラケット216内に設けられておらず、ブラケット216の側壁256の外側で、ベース228の側壁230に一体的に固定されている。
また、本シフトレバー装置280では、ブラケット216の内部に集光手段としてのライトガイド282が設けられている。ライトガイド282は、ガラス等により底部側から頂部側へ向けて漸次先細になる略四角錐形状に形成されている。ライトガイド282の底面は集光面284とされており、集光面284に照射された光は、ライトガイド282内で屈折しつつその頂部側へ向かい、頂部から発せられる構造になっている。
ライトガイド282は、その頂部が光ファイバ246の基端部と対向しており、ライトガイド282内を通過して頂部から発せられた光は光ファイバ246の基端部へ向かう。また、ライトガイド282は、集光面284側が側壁256に形成された開口部86を貫通してブラケット216の外部に突出し、基板258に取り付けられたLED262と対向している。ここで、ライトガイド282の集光面284は、少なくとも、シフトレバー212が前後方向及び左右方向に旋回した状態でもLED262と対向する広さを有している。
<第4の実施の形態の作用、効果>
このように、本シフトレバー装置280は、前記第3の実施の形態に係るシフトレバー装置210とは異なり、基板258がベース228に取り付けられている。このため、シフトレバー212が旋回操作されることで、光ファイバ246の基端部がLED262に対して前後左右に接離移動する。しかしながら、シフトレバー212が旋回操作されても、ブラケット216に取り付けられたライトガイド282の集光面284はシフトレバー212が如何なる旋回位置にあってもLED262と対向している。
このため、シフトレバー212の旋回位置に拘わらず、LED262にて発せられた光はライトガイド282の集光面284に到達する。このように、集光面284に到達した光はライトガイド282内を通過して頂部から発せられ、光ファイバ246の基端部へ向かい、更に、光ファイバ246の基端部に到達した光は光ファイバ246内を通過する。
以上のように、本シフトレバー装置280では、基板258がベース228に取り付けられているものの、LED262から発せられた光を光ファイバ246に送ることができる。このため、前記第3の実施の形態と同様にノブ236の上面が発光させることができ、その結果、車両室内が暗くてもインジケータ242に形成されたシフトパターン244を容易に視認することが可能になる。
また、本実施の形態では、基板258がベース228に取り付けられているため、シフトレバー212が旋回操作されても、基板258やコード264が動くことはない。このため、シフトレバー212の旋回操作に起因する振動や衝撃が基板258に伝わることを防止若しくは軽減でき、必要以上に基板258の耐振性や耐衝撃性を向上させる必要がない。
さらに、上記のように、シフトレバー212が旋回操作されてもコード264が動かない。このため、シフトレバー212が旋回操作された際のコード264の移動量を予め見込んで、ベース228とブラケット216との間でコード264を屈曲させたり、撓ませておく必要がない。これにより、コード264の曲げ性を必要以上に向上させる必要がない。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図15には、本実施の形態に係るシフトレバー装置300の要部が図10に対応した断面図により示されている。
この図に示されるように、本シフトレバー装置300では、前記第3及び第4の実施の形態で用いた光ファイバ246に代わり、光ファイバ246よりも外径寸法が充分に小さな(すなわち、細い)光誘導手段としての光ファイバ302を複数本備えている。
これらの光ファイバ302は、前記第4の実施の形態で用いた光ファイバ246と同様に、その先端側はランプハウス240内に位置していると共に、基端側が貫通孔238及び第1レバー214内を通過してブラケット216内で屈曲されて基端部がライトガイド282の頂部と対向している。
但し、本実施の形態では、光ファイバ302の先端部にライトガイド248が設けられていない。
しかも、これらの光ファイバ302の先端部は概ねインジケータ242に向けられているものの、個々には異なる方向を向いており各光ファイバ302を通過して先端部に達した光は、個々に異なる方向で全体的には略放射状に発せられる。
このように、本実施の形態では、各光ファイバ302の先端部が個々に異なる方向を向いていることで、全体的には光が略放射状に拡散されて発せられる。これにより、インジケータ242の裏面に対して広い範囲で光が照射される。このため、インジケータ242における輝度のムラが少なくなる。
本発明の第1の実施の形態に係るシフトレバー装置の要部の分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシフトレバー装置のノブの分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシフトレバー装置の全体構成を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシフトレバー装置のシフトパターン及びシフト位置を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るシフトレバー装置のノブの断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るシフトレバー装置の要部の斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るシフトレバー装置のノブの断面図である。 ノブボディ成形工程に用いる金型の概略的な断面図である。 ガイド成形工程に用いる金型の概略的な断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るシフトレバー装置のノブの断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るシフトレバー装置のノブの平面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るシフトレバー装置のレバー本体の基端側及びその近傍部分の断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るシフトレバー装置の概略的な斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係るシフトレバー装置の図8に対応した断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係るシフトレバー装置の図6に対応した断面図である。
符号の説明
10 シフトレバー装置
12 ハウジング
24 レバー本体
90 ノブ
92 ノブ本体(光誘導手段)
102 ノブボディ(遮光部)
108 ガイドレンズ(透過部)
106 連結片
110 インジケータプレート(透過部)
112 インジケータレンズ(透過部)
144 ランプ(光源)
146 ライトガイド(光誘導手段)
148 シャッタ(光制御手段、シャッタ部材)
160 シフトレバー装置
162 ノブ
164 雌ねじ部(固定部)
166 ライトガイド(光誘導手段)
184 金型
210 シフトレバー装置
212 シフトレバー
214 第1レバー(レバー本体)
224 第2レバー(レバー本体)
232 ハウジング
236 ノブ
242 インジケータ(透過部)
246 光ファイバ(光誘導手段)
248 ライトガイド(光誘導手段)
280 シフトレバー装置
282 ライトガイド(集光手段)
300 シフトレバー装置
302 光ファイバ(光誘導手段)

Claims (12)

  1. 複数のシフトレンジが設定された変速機に基端側が直接又は間接的に接続され、先端側が車両室内側へ突出したレバー本体を、予め設定された所定の方向へシフト操作して所定のシフト位置に到達させることにより、前記変速機を前記シフト位置に対応したシフトレンジに変更するシフトレバー装置であって、
    前記シフト操作可能に前記レバー本体を直接又は間接的に支持するハウジング及び前記レバー本体の何れか一方に直接又は間接的に設けられた光源と、
    車両乗員による把持が可能に前記レバー本体の先端に取り付けられ、光を透過可能な透過部から内部に導かれた光を外部へ光を透過するノブと、
    前記レバー本体及び前記ノブの少なくとも何れか一方に設けられ、前記光源にて発せられた光が内部を透過して前記ノブの内部に導く光誘導手段と、
    を備えることを特徴とするシフトレバー装置。
  2. 予め設定された少なくとも1つの特定のシフト位置に前記レバー本体が到達した場合に前記ノブの内部に前記光を導き、前記シフト操作の範囲内で前記特定のシフト位置以外に前記レバー本体が位置した場合に前記ノブへの前記光の誘導を中止する光誘導制御手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシフトレバー装置。
  3. 前記光源にて発せられた光が前記透過部に到達するまでの前記光の光路上における所定の遮光位置と当該遮光位置から離脱した位置との間で往復移動可能に設けられ、前記遮光位置に移動した状態では前記光を遮り、前記特定のシフト位置への前記シフト操作に連動して前記遮光位置から離脱するシャッタ部材を前記光誘導制御手段とした、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシフトレバー装置。
  4. 前記レバー本体の基端側まで導かれた前記レバー本体の先端側へ誘導可能な光透過性の材料により形成されたノブ本体と、
    前記ノブ本体の外表面に前記ノブ本体に一体的に設けられた遮光性を有する遮光部と、
    を含めて前記ノブを構成し、前記ノブ本体を前記光誘導手段とした、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のシフトレバー装置。
  5. 前記ノブ本体の外表面の少なくとも一部が外部に露出すると共に、外部に露出した前記外表面の近傍で且つ前記レバー本体の外側に前記光源を配置し、前記光源の光が外部に露出した前記外表面から入射する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のシフトレバー装置。
  6. 前記レバー本体の先端部に固定される固定部を筒状に形成される前記遮光部の内側に設けると共に、前記固定部を前記遮光部に一体的に連結する連結片を前記遮光部の内側に設け、前記遮光部、前記連結片、及び前記固定部を同じ合成樹脂材により一体成形する、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシフトレバー装置。
  7. 前記遮光部及び前記ノブ本体の何れか一方を予め成形し、前記遮光部及び前記ノブ本体の何れか他方を成形する金型内に、前記何れか一方をインサートした状態で前記何れか他方が成形される、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシフトレバー装置。
  8. 前記レバー本体に対する前記ノブの装着状態で、前記ノブの基端側へ向けて開口した筒状に前記固定部を形成し、前記固定部の開口端から前記レバー本体の先端が入り込むことで前記レバー本体に前記固定部が固定されると共に、
    前記固定部の前記透過部と対向する側の端面の少なくとも一部を、前記ノブ本体が被覆する、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシフトレバー装置。
  9. 前記固定部の内周部に雌ねじを形成すると共に、前記レバー本体の先端側の外周部に雄ねじを形成し、前記雄ねじを前記雌ねじに螺合させて前記固定部を前記レバー本体に固定する、
    ことを特徴とする請求項6乃至請求項8の何れか1項に記載のシフトレバー措置。
  10. 基端部から先端部へ向けて貫通した筒状に前記レバー本体を形成して、前記レバー本体の内部に前記光誘導手段を通過させると共に、前記レバー本体の基端部の側方に設けられた前記光源にて出力された光を前記光誘導手段で前記レバー本体の先端側へ導く、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のシフトレバー装置。
  11. 前記レバー本体の基端側で前記レバー本体に前記光源を一体的に取り付けた、
    ことを特徴とする請求項10に記載のシフトレバー装置。
  12. 前記光源に対向する集光面及び前記レバー本体の基端側における前記光誘導手段の端部に対向する発光面を有し、前記レバー本体の基端側における前記光誘導手段の端部と前記光源との間に介在して、前記発光面にて集光した前記光源からの光が内部を通過して前記発光面から発光すると共に、複数の前記シフト位置の何れに前記レバー本体が位置した状態でも、前記集光面及び前記発光面の何れか一方の面形状が前記レバー本体の基端側における前記光誘導手段の端部及び前記光源のうち、前記何れか一方の面に対応した方と対向可能に設定された集光手段を備える、
    ことを特徴とする請求項10に記載のシフトレバー装置。
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