<第1の実施の形態の構成>
図3には本発明の第1の実施の形態に係るシフトレバー装置10の構成が分解斜視図により示されており、また、図1には本シフトレバー装置10の要部の構成が分解斜視図により示されている。図3に示されるように、本シフトレバー装置10はハウジング12を構成するロアハウジング14を備えている。ロアハウジング14は、例えば、車両の運転席と助手席との間の前方側の所定位置、その一例としては、コンソールボックスの前方側の下方や、インスツルメントパネルの裏面側等に設けられている。
ロアハウジング14は、略車両左右方向に沿って互いに対向する一対の側壁16と、略車両前後方向に沿って互いに対向する一対の側壁18とを含めて断面略矩形の筒形状に形成されている。図3におけるロアハウジング14の上側の開口端は、アッパハウジング20により閉止されている。アッパハウジング20の上面は、車両室内側に露出しており、アッパハウジング20によってロアハウジング14の開口端を閉止することで、ロアハウジング14の内側の諸々の部材を隠していると共に、異物等の侵入を防止又は抑制している。
また、ロアハウジング14の内側には、シフトレバー22を構成するレバー本体24が設けられている。レバー本体24は、リテーナ26を備えている。リテーナ26は、正面視で下端が頂部となった逆三角形状に形成されている。上端部は、側壁16の対向方向に沿って貫通した略筒状の筒部28が形成されている。
この筒部28には側壁16の対向方向に沿って軸方向とされたシャフト30が貫通した状態で略一体的に連結されている。シャフト30は、その軸方向両端側で両側壁16を貫通しており、側壁16により支持されている。これにより、リテーナ26及びシャフト30がシャフト30の軸心周りに回動可能に軸支されている。
シャフト30の軸方向一端には、センサアーム32がねじ等により一体的に固定されている。センサアーム32には、シャフト30の回転周方向に沿って厚さ方向とされた一対の押圧片34が形成されている。これらの押圧片34は、センサアーム32が設けられた側のシャフト30の端部を支持している側壁16に一体的に取り付けられたセンサケース35の内側に入り込む。
センサケース35の内部には、位置検出手段(シフト方向位置検出手段)を構成する1乃至複数の磁気センサとしてのホールIC素子と、ホールIC素子と共に位置検出手段を構成する1乃至複数のマグネット(符号無きものに関しては何れも図示省略)が収容されている。センサケース35に収容されているマグネットは、上記の押圧片34に直接又は間接的に係合しており、シャフト30がその軸心周りに回動することで押圧片34がマグネットを押圧すると、押圧片34からの押圧力によりマグネットが移動する。
このマグネットの移動による生じた磁気の変動をセンサケース35内に収容したホールIC素子が検出すると、ホールIC素子からの信号が後述するPCボード62上のECUに入力され、ECUにてシャフト30、ひいてはリテーナ26がシャフト30の軸心周りに回動したことを検出する。
また、レバー本体24はボディ36を備えている。ボディ36はブロック状の基部38を備えている。基部38の下端部からは一対の脚板40が延出されている。両脚板40は、各々が側壁18の対向方向に沿って厚さ方向とされていると共に、側壁18の対向方向に沿って互いに対向する如く形成されている。
これらの脚板40の間隔は、上述したリテーナ26の厚さ寸法よりも僅かに大きく、これらの脚板40の間にリテーナ26が配置される。これらの脚板40の下端部には各々の脚板40の厚さ方向に沿って貫通した透孔42が形成されている。これらの透孔42に対応して上記のリテーナ26の下端部には透孔44が形成されている。透孔42、44には、側壁18の対向方向に沿って軸方向とされたシャフト46が貫通しており、シャフト46の軸心周りにリテーナ26に対してボディ36が相対的に回動可能に軸支されている。
さらに、ロアハウジング14の内側で且つ一方の脚板40の他方とは反対側には、センサケース48が配置されている。センサケース48の上端部にはシャフト50がボディ36側へ突出形成されており、センサリンク52が側壁18の対向方向を軸方向とする軸周りに回動可能に軸支されている。
センサリンク52に対応して一方の脚板40には、係合突起54がセンサケース48側へ向けて突出形成されている。係合突起54はセンサリンク52に機械的に連結されており、ボディ36がシャフト46周りに回動すると、係合突起54がセンサリンク52を押圧してシャフト50周りに回動させる。
センサリンク52を介してセンサケース48とは反対側にはスライダ56が配置されている。スライダ56は、側壁16の対向方向に沿ってスライド可能にセンサケース48に保持されていると共に、スライダ56から突出した図示しない係合ピンが、センサケース48を貫通してセンサリンク52の回動半径方向先端側に形成された長孔58に入り込んだ状態で係合している。
スライダ56は、センサリンク52がシャフト50の軸心周りに回動した際に長孔58の内壁に係合ピンが押圧されることで側壁16の対向方向にスライドする。また、スライダ56には、位置検出手段(セレクト方向位置検出手段)を構成するマグネット(永久磁石)60が固定されている。マグネット60は、例えば、Srフェラト磁石とされており、その周囲に所定の磁界を形成する。また、マグネット60は、スライダ56に固定されていることで、スライダ56と共にマグネット60が一体的にスライドする。したがって、このようにマグネット60がスライドすることで、マグネット60の周囲に形成される磁界もまたスライドする。
さらに、スライダ56を介してセンサケース48とは反対側にはPCボード62がセンサケース48に取り付けられている。PCボード62には図示しないECUに接続された一対のホールIC素子64、66(図3では図示省略、図4参照)が側壁16の対向方向に並んで配置されている。これらのホールIC素子64、66は、マグネット60が形成する磁界の変動(更に詳細に言えば、ホールIC素子64、66を構成するホール素子を通過する磁気の強さの変化)を検出し、この磁界の変動に対応した電気信号を出力する。
一方、図3に示されるように、ボディ36の基部38の上面には有底の円孔78が形成されており、シフトレバー22を構成する棒状のレバー部材80の基端部が挿入されて一体的に固定されている。レバー部材80は、その長手方向中間部にてアッパハウジング20に形成されたシフト孔82を貫通している。シフト孔82は所定の方向に長手とされた縦孔82A及び縦孔82Aの長手方向に対して交差(例えば、直交)する方向に長手とされた横孔82Bとにより、全体的に平面視で略「h」形状に形成されている。レバー部材80はシフト孔82を貫通して、その先端側はアッパハウジング20の外側に延出されている。さらに、アッパハウジング20の外側に延出されたレバー部材80には、ノブ90が取り付けられている。
図2乃至図5に示されるように、ノブ90は、光誘導手段としてのノブ本体92を備えている。ノブ本体92は、略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材、例えば、アクリル樹脂(PMMA:ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル樹脂)等により形成された基部94を備えている。基部94には貫通孔96が形成されており、レバー部材80の先端側が挿入される。基部94の上面には基部94と同様に略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材により形成されたライトガイド98が形成されている。
図2に示されるように、ライトガイド98は、基本的に貫通孔96に対して略同軸の円筒形状に形成されている。また、ライトガイド98には、3つのスリット100が貫通孔96の軸心周りに所定角度毎に形成されている。これらのスリット100は、ライトガイド98の内周部、外周部、及び上端部にて開口しており、これらのスリット100を形成することで、実質的にライトガイド98が貫通孔96の軸心周りに3分割されている。
また、図5に示されるように、基部94のライトガイド98とは反対側の端面は、採光面101とされており、採光面101に光が照射されると、採光面101からノブ本体92内に光が取り込まれる。
また、図2及び図5に示されるように、ノブ90は被覆部としてのノブボディ102を備えている。ノブボディ102は、光を透過しない程度に着色されたナイロン樹脂(PA)等の合成樹脂材により略筒状に形成された外筒部103を備えている。外筒部103の内周形状は、ライトガイド98の外周形状に対応しており、ノブ本体92の上方から外筒部103の内側にライトガイド98を挿し込むように外筒部103をライトガイド98に装着することで、ライトガイド98の外周部が外筒部103により被覆される。
さらに、外筒部103の内側には、金属により略円筒形状に形成され、内周部に雌ねじ104Aが形成された雌ねじ部104が設けられている。この雌ねじ部104の外周部とノブボディ102の内周部との間には複数の連結片106が雌ねじ部104の軸心周りに所定角度毎に設けられており、連結片106によってノブボディ102と雌ねじ部104とが一体的に連結されている。連結片106は、雌ねじ部104の軸周り方向に沿って厚さ方向とされており、その厚さ寸法は上記のスリット100の内幅寸法よりも極僅かに小さい。
また、これらの連結片106は、スリット100に対応するように形成されており、外筒部103の内側にライトガイド98を挿入すると、ライトガイド98の内側に雌ねじ部104が同軸的に挿入されると共に、各スリット100に対応する連結片106が入り込む。これにより、ライトガイド98及び雌ねじ部104の軸心周り方向に沿ったノブ本体92に対するノブボディ102の相対的な変位が規制される。
このようにノブ本体92にノブボディ102が装着された状態で、ノブ本体92の基部94の下方からレバー部材80が挿し込まれ、レバー部材80の先端に形成された雄ねじ80Aが雌ねじ部104の雌ねじ104Aに螺合することで、レバー部材80にノブ90が連結される。
一方、雌ねじ部104の上側にはキャップ107が設けられている。キャップ107は透過部としてのガイドレンズ108を備えている。ガイドレンズ108は上記のライトガイド98と同様に略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材により形成されており、外筒部103の内側に配置されている。また、ガイドレンズ108の外周形状は、外筒部103(ノブボディ102)の外周形状に対応しており、ガイドレンズ108の外周部に塗布された接着剤によりガイドレンズ108は外筒部103の内周部に一体的に固定されている。
また、ガイドレンズ108上には、透過部としてのインジケータプレート110が設けられている。インジケータプレート110は、基本的に略透明の板材により形成されているが、アッパハウジング20に形成されたシフト孔82の形状に対応したシフトパターン部分と、このシフトパターン部分の側方で、シフトレンジを意味するマーク部分を除いては、光を通さない色で着色されている。したがって、インジケータプレート110の下方側から一様に光が照射されても、上記のシフトパターン部分及びマーク部分の部位のみ光を透過する。
さらに、インジケータプレート110上には、透過部としてのインジケータレンズ112が設けられている。インジケータレンズ112は、ガイドレンズ108と同様に略透明又は光を透過できる程度に着色された合成樹脂材により形成されている。インジケータレンズ112はその外周形状がインジケータプレート110に対して略相似形状であるものの、インジケータプレート110よりも僅かに大きく、更に、インジケータレンズ112の外周形状はノブボディ102の上端における外周形状と略同じ形状となっている。
インジケータレンズ112、インジケータプレート110、及びガイドレンズ108は、インモールド成形により一体に形成されており、インジケータプレート110の外周部よりも外側に位置するインジケータレンズ112の下面(インジケータプレート110側の面)に塗布された接着剤により、ノブボディ102の上端部に一体的に固着されている。
一方、図3に示されるように、レバー部材80の側方では、ボディ36の基部38に円筒状のピン収容部120が形成されている。ピン収容部120は、図3の上方側の端部にて開口しており、その内部には、圧縮コイルスプリング122とピン124とが収容されている。また、図1及び図3に示されるように、ロアハウジング14の内側で且つアッパハウジング20の裏側には、ゲート部材126が配置されている。ゲート部材126の裏面には図示しない復帰溝が形成されている。
復帰溝は上底を有する有底の溝で、平面視(裏面視)ではシフト孔82と同じ略「逆h」形状とされている。上記のピン124は、圧縮コイルスプリング122を上方から圧縮した状態で上端が復帰溝に入り込み、圧縮コイルスプリング122の付勢力により復帰溝の上底に圧接されている。また、復帰溝の上底は、適宜に傾斜しており、図4に示されるシフト孔82での復帰位置Sにレバー本体24が位置した状態で、復帰溝における復帰位置と同じ位置が最も復帰溝が深くなっている。
また、図1に示されるように、ゲート部材126には、シフト孔82と略同形状のシフト孔128が形成されており、レバー部材80が貫通している。さらに、ゲート部材126には一対のゲートプレート130が設けられている。ゲートプレート130は、側壁18の対向方向に沿ったゲート部材126の両端側にそれぞれ設けられており、ゲート部材126の上面との間に所定の隙間が形成される程度にゲート部材126の上面に対して離間した状態でゲート部材126に一体的に形成されている。
また、ゲート部材126の上面上にはカバープレート132が配置されている。カバープレート132は平面視で略矩形に形成されており、側壁18の対向方向に沿ったカバープレート132の両端側がゲート部材126の上面とゲートプレート130との間に入り込んでいる。これにより、カバープレート132は、基本的に側壁16の対向方向に沿った方向のスライド以外の変位が規制されている。
さらに、上述したゲート部材126のシフト孔128に対応して、カバープレート132には長孔134が形成されており、上記のレバー部材80が貫通している。リテーナ26及びボディ36がシャフト30の軸周りに回動した際には、長孔134の長手方向に沿ってレバー部材80が長孔134の内側を移動する。
これに対して、ボディ36がシャフト46の軸周りに回動するとレバー部材80は長孔134の内周部を押圧してカバープレート132を押圧し、カバープレート132を側壁16の対向方向に沿ってスライドさせる。
さらに、カバープレート132の裏面(カバープレート132とゲート部材126の上面との間)には略三角形状又は略扇形状のカバープレート136が配置されている。カバープレート136は、そのコーナ部に形成された透孔138にカバープレート132の裏面から突出された図示しないピンが嵌挿されており、これにより、このピンの軸周り、すなわち、カバープレート132の厚さ方向を軸方向とする軸周りに回動自在にカバープレート136が軸支されている。
また、カバープレート136には円孔140が形成されている。円孔140は、上記の長孔134及びシフト孔128に対応して形成されており、レバー部材80が貫通している。
さらに、上述したアッパハウジング20には、ランプハウス142が形成されており、その内側には通電により点灯するランプ(電球)144が収容されている。また、ランプハウス142の内側には、適宜に屈曲した角棒形状のライトガイド146が収容されている。ライトガイド146はその一部がランプ144と対向していると共に、長手方向に一方の端面がレバー部材80の長手方向に対して傾斜した方向に沿って上述したノブ本体92を構成する基部94の下面へ向く。
また、これらのランプ144及びライトガイド146に対応して上記のカバープレート132の上面上には光制御手段及びシャッタ部材としてのシャッタ148が形成されている。シャッタ148は、側壁16の対向方向に沿った互いに対向した側壁150を備えている。これらの側壁150は、カバープレート132が側壁16の対向方向にスライドしても上記のランプハウス142に干渉されない程度の間隔を有しており、この側壁150の内側にランプハウス142の一部が収容される。
さらに、これら側壁150の長孔134側の端部はシャッタ壁152により繋がっている。シャッタ壁152には矩形の切欠154が形成されており、側壁18の対向方向に沿ってライトガイド146の一方の端面と切欠154とが対向した状態では、ライトガイド146の一端から出た光が基部94の下端に到達できる。しかしながら、ライトガイド146の一端と基部94の下端との間にシャッタ壁152の切欠154以外の部位が介在した状態では、ライトガイド146の一端から出た光がシャッタ壁152に遮られて基部94の下端に到達できない構造になっている。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
本シフトレバー装置10では、図4のS位置にてレバー本体24がシフト孔82を貫通した状態から、ノブ90を把持してシフトレバー22を図4の紙面右方へ(図4の矢印R方向)へ押圧すると、シャフト46周りにボディ36がリテーナ26に対して回動する。これにより、図4のN位置でレバー部材80がシフト孔82を貫通する。このようにシャフト46周りにリテーナ26に対してボディ36の回動すると、係合突起54がセンサリンク52を押圧してシャフト50周りにセンサリンク52を回動させる。
センサリンク52が回動すると、スライダ56、ひいてはマグネット60がスライドする。マグネット60がスライドすることで、PCボード62に対するマグネット60の位置が変わり、これにより、これまでマグネット60と対向していたホールIC素子64とマグネットとの対向状態が解除され、新たに、それまでマグネット60と対向していなかったホールIC素子66がマグネット60と対向する。これにより、ホールIC素子64から出力される信号はLowレベルになり、ホールIC素子66から出力される信号がHighレベルになる。
次いで、この状態から、ノブ90を図4の上方(図4の矢印U方向)へ押圧すると、ボディ36及びリテーナ26がシャフト30周りに回動する。これにより、レバー部材80が図4のD位置にてシフト孔82を貫通すると(すなわち、複数のシフト位置のうち、所定のD位置にレバー部材80が到達すると)、センサケース35に収容されたマグネットが押圧片34に押圧されて移動し、このマグネットの移動に応じて変化した磁界の変動をセンサケース35の内側に収容されたホールIC素子が検出し、この磁界の変動に対応した信号がPCボード62のECU68に入力される。
一方、上記のように、S位置からN位置へシフトレバー22を回動させた後に、ノブ90を図4の下方(図4の矢印D方向)へ押圧すると、ボディ36及びリテーナ26がシャフト30周りに回動する。これにより、レバー部材80が図4のR位置にてシフト孔82を貫通すると(すなわち、複数のシフト位置のうち、所定のR位置にレバー部材80が到達すると)、センサケース35に収容されたマグネットが押圧片34に押圧されて移動し、このマグネットの移動に応じて変化した磁界の変動をセンサケース35の内側に収容されたホールIC素子が検出し、この磁界の変動に対応した信号がPCボード62のECU68に入力される。
これに対して、図4のS位置にてレバー本体24がシフト孔82を貫通した状態から、ノブ90を図4の上方(図4の矢印U方向)へ押圧すると、ボディ36及びリテーナ26がシャフト30周りに回動する。これにより、レバー部材80が図4のB位置にてシフト孔82を貫通すると(すなわち、複数のシフト位置のうち、所定のB位置にレバー部材80が到達すると)、センサケース35に収容されたマグネットが押圧片34に押圧されて移動し、このマグネットの移動に応じて変化した磁界の変動をセンサケース35の内側に収容されたホールIC素子が検出し、この磁界の変動に対応した信号がPCボード62のECU68に入力される。
以上のように、S位置、D位置、R位置、及びB位置の何れでレバー本体24がシフト孔82を貫通しているかにより、ホールIC素子64、66、及びセンサケース35内のホールIC素子からの信号の少なくとも何れか一方のレベルが異なる。これらの信号のレベルの変化に基づいて、PCボード62のECU68ではレバー部材80(すなわち、シフトレバー22)がS位置、D位置、R位置、及びB位置の何れに位置しているかが判定される。
さらに、ECU68では、レバー部材80の位置の判定結果に基づいた信号を出力する。ECU68にて出力された信号、すなわち、レバー部材80の位置の判定結果はECU70に信号に入力される。
ECU70では、ECU68からの信号に基づいて、レバー部材80の位置がD位置であれば、シフトレンジをドライブレンジ(Dレンジ)に変更させ、車両が前進できる状態とする。また、レバー部材80の位置がR位置であれば、シフトレンジをリバースレンジ(Rレンジ)に変更させ、車両が後退できる状態とする。さらに、レバー部材80の位置がB位置であれば、シフトレンジをエンジンブレーキ(Bレンジ)に変更させ、比較的ギヤ比が低いギヤを多用するシフトレンジに変更する。本来比較的ギヤ比が高いギヤを使用して走行する状態で、このようにギヤ比が低いギヤを多用するシフトレンジに変更すると、所謂エンジンブレーキがきく状態になる。
さらに、上述したように、S位置からD位置やR位置、若しくはB位置にレバー部材80(シフトレバー22)を移動させた後に、ノブ90に付与する押圧力を解除すると、ゲート部材126の裏面に形成されたゲート溝の上底に、圧縮コイルスプリング122の付勢力で圧接されたピン124が、圧縮コイルスプリング122の付勢力に応じてゲート溝の上底から受ける反力で最もゲート溝が深い部分であるS位置まで移動させられる。これにより、レバー部材80(シフトレバー22)がS位置に復帰する。
このように、本シフトレバー装置10は、基本的にレバー部材80(シフトレバー22)はS位置にてシフト孔82を貫通した状態で維持され、シフトレンジを変更する際に所望のシフトレンジに対応したシフト位置(D位置やR位置、若しくはB位置)までレバー部材80(シフトレバー22)を回動させる。シフトレンジ変更後は、レバー部材80(シフトレバー22)はS位置に復帰し、他のシフト位置までレバー部材80(シフトレバー22)を回動させるまでは、それまでのシフトレンジは維持される。
一方、夜間等で車両のヘッドライトや車幅灯を点灯させるべく車両室内におけるスイッチ操作を行なうと、これに連動して、ランプ144が点灯する。上記のS位置にてレバー本体24がシフト孔82を貫通している状態では、切欠154を介して基部94の下面とライトガイド146の長手方向一端とが対向している。したがって、この状態では、ランプ144の光は、ライトガイド146に案内されてライトガイド146の長手方向一端から出射される。
ライトガイド146の長手方向一端から出射された光は切欠154を通過して基部94の下端に入射される。基部94の下端に入射された光は、基部94からライトガイド98を通過してライトガイド98の上面から出射される。ライトガイド98の上面から出射された光は、ガイドレンズ108に入射され、インジケータプレート110、及びインジケータレンズ112を通過してノブ90の外部に出る。
上記のように、インジケータプレート110は、シフト孔82の形状に対応したシフトパターン部分と、このシフトパターン部分の側方で、シフトレンジを意味するマーク部分のみ光を透過できる構造になっている。このため、シフトパターン部分及びマーク部分の形状に対応してノブ90の上端(先端)が発光する。したがって、ノブ90の上面を視認することで、夜間等、車両室内が暗い場合でもシフトパターンを確認できる。
一方、上記のように、S位置からN位置へレバー部材80(シフトレバー22)を回動させると、レバー部材80に押圧されたカバープレート132がスライドする。このカバープレート132のスライドによりシャッタ壁152がスライドし、切欠154とライトガイド146との対向状態が解除され、シャッタ壁152の切欠154以外の部分がライトガイド146から基部94の下端までの間の光路上に介在する。
これにより、ライトガイド146から基部94へ向かう光は遮断され、基部94の下端に入射できない。このため、上記のようなノブ90の上端(先端)での発光が生じない。このように、本シフトレバー装置10では、D位置やR位置へシフトレバー22を移動させるべく、S位置からN位置へシフトレバー22を移動させると、ノブ90の上端における発光が停止されて消灯される。
このように、ノブ90の上面における発光を意図的に停止させることで、乗員からノブ90の上面におけるシフトパターン等が見え難くなる。このため、ドライブレンジやリバースレンジにシフトレンジを変更するにあたり、乗員がノブ90を注視することを防止できる。
また、このように、本シフトレバー装置10では、ノブ90の内部に光源であるランプ144を配置せず、ライトガイド98、146によってインジケータレンズ112まで光を導く構造としたため、ノブ90の構造を簡素化できると共にノブ90の小型化が可能になる。しかも、ライトガイド98は、ノブ90の構造の一部であるため、この意味でもノブ90の構造を簡素化できる。
<第2の実施の形態の構成>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態を説明するうえで、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
図6には本実施の形態に係るシフトレバー装置160の要部の拡大斜視図が示されている。また、図7には本シフトレバー装置160の要部の拡大断面図が示されている。
これらの図に示されるように、本シフトレバー装置160のノブ162を構成するノブボディ102は、雌ねじ部104を備えておらず、代わりに固定部としての雌ねじ部164を備えている。雌ねじ部164は外筒部103の開口方向に沿って両端が開口した円筒形状に形成され、その内周部に雌ねじ164Aが形成されている点については雌ねじ部104と同じであるが、本実施の形態では雌ねじ部164が外筒部103及び連結片106と同一の合成樹脂材により形成されている点で前記第1の実施の形態における雌ねじ部104とは構成が異なる。
一方、本実施の形態において、ノブ本体92はライトガイド98に代わり、ライトガイド166を備えている。ライトガイド166を含めてノブ本体92は、全体的に透明のアクリル樹脂(PMMA:ポリメタクリル酸メチル又はメタクリル樹脂)等により形成されている点では前記第1の実施の形態と同じであるが、本実施の形態では、ノブ本体92を構成する合成樹脂材とノブボディ102を構成する合成樹脂材とでは材質的に異なっている。
また、ライトガイド166は、円筒状に形成されているものの、ライトガイド98とは異なりスリット100が形成されておらず、ライトガイド166の半径方向に沿って連結片106がライトガイド166を貫通している。
外筒部103の上端側(すなわち、外筒部103の軸方向他端側)に向いたライトガイド166の上端は、雌ねじ部164の上端よりも上方に位置している。また、本実施の形態では、外筒部103の上端に上底部168が形成されており、雌ねじ部164の上端を上底部168が被覆している(すなわち、ライトガイド166は、基本的に上端が上底部168により閉止された有底円筒形状に形成されている)。
また、上底部168にはライトガイド166の軸方向に貫通した透孔170が形成されている。透孔170はライトガイド166の内方側にて雌ねじ部164の内側と連通しており、レバー部材80(レバー本体24、シフトレバー22)の先端の雄ねじ80Aが、雌ねじ部164の雌ねじ164Aに螺合して、レバー部材80の先端が上底部168に接近した際に、雌ねじ部164内の空気を雌ねじ部164及びライトガイド166の外部に抜いて雌ねじ部164内に空気が閉じ込められることを防止している。
<ノブ162の製造工程の概略と本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態におけるノブ162の製造工程について説明する。
ノブ162の製造工程では、先ず、ノブボディ成形工程でノブボディ102が製造される。ノブボディ成形工程では、図8に示されるように、上型174及び下型176を含めて構成される金型172が用いられる。
下型176のキャビティ178は、基本的に外筒部103の外周形状に対応した形状に成形されている。この下型176のキャビティ178に対応して上型174のコア180の形状は、連結片106及び雌ねじ部164の外周形状に対応する部分を除いて外筒部103の内周形状に対応して成形されている。また、下型176には、ねじ成形用のコア182が突出形成されている。
ノブボディ成形工程では、このような上型174と下型176とを含めて構成される金型172を型締めした後にナイロン樹脂(PA)等の合成樹脂材が金型172内に充填され、充填された合成樹脂材が冷却、硬化することでノブボディ102が成形される。
次いで、図9に示されるように、ノブボディ成形工程にて製造されたノブボディ102はガイド成形工程にて用いられる金型184内に配置される。金型184は上型186及び下型188を含めて構成されている。下型188のキャビティ190の深さ方向中間部よりも上側(開口端側)での内周形状は、ノブボディ102の外周形状(すなわち、外筒部103の外周形状)に対応しており、ノブボディ102を下型188のキャビティ190内に配置すると、キャビティ190の深さ方向中間部よりも上側でキャビティ190の内周部にノブボディ102の外周部が一様に当接する。また、下型188のキャビティ190には透孔44及び雌ねじ部164の内周部に対応してコア192が形成されている。
一方、上型186には、ライトガイド166を成形する部分を除いてコア194が形成されている。コア194の外周形状は基本的に外筒部103の内周形状に対応しており、キャビティ190内にノブボディ102を配置した状態で金型184を型締めすると、コア194の外周部がノブボディ102の内周部に当接する。
ガイド成形工程では、下型188内にノブボディ102が配置された状態で金型184が型締めされて、アクリル樹脂(PMMA)等の合成樹脂材が金型184内に充填される。金型184に充填された合成樹脂材が冷却、硬化することでノブ本体92が成形される。
このようにして、ノブ本体92が一体成形されたノブボディ102に対して、キャップ装着工程でキャップ107を組み付けて固着させることでノブ162が形成される。
ここで、本シフトレバー装置160のノブ162は、金型184内にノブボディ102が配置された状態でノブ本体92が成形される。このため、ノブ本体92は成形されることで既にノブボディ102に連結されている。これにより、ノブボディ102とノブ本体92とを全く独立した別部品とした場合に比べて、ノブボディ102とノブ本体92とを組み付けるための工程を実質的に廃止できる。このため、ノブ162の製造コストを安価にできる。
また、このようにして形成されたノブ162は、雌ねじ部164がノブボディ102の一部としてノブボディ102の成形時に成形される。このため、雌ねじ部164に対応するねじ部材を別途用いなくてもよい。これにより、部品点数を削減でき、この意味でもコストの削減を図ることができる。
さらに、ノブボディ102ではなくノブ本体92に雌ねじ部164を形成すれば、構造的に簡素になるが、ノブ本体92に用いられるアクリル樹脂等に比較して、ノブボディ102に用いられるナイロン樹脂等は耐磨耗性や耐衝撃性に優れるため、レバー部材80の先端に形成された雄ねじ80Aにノブ162の雌ねじ部164を螺合させて組み付けるにあたり、雌ねじ部164の破損等が生じることを効果的に減らすことができ、格別な注意を払わなくてもノブ162をレバー部材80に組み付けることができる。これにより、作業性を向上させることができ、この意味でもコストの削減を図ることができる。
また、図9に示されるように、本シフトレバー装置160のノブ162は、ライトガイド166に上底部168が形成されている。これにより、上底部168を形成しない構成に比べて、ノブボディ102を上から見た場合のライトガイド166の端面の面積が大きくなる。
基部94の採光面101にて取り込まれた光はライトガイド166へ導かれることでライトガイド166の端面で発光し、この光がキャップ107を透過する構成であることを考慮すると、上記のように、上底部168を形成してライトガイド166の端面が大きくなることにより、発光面積が大きくなり、キャップ107を透過する光の明るさのばらつきを小さくできる。
ここで、ノブボディ102とノブ本体92とを全く独立した別部品として組み付ける構成とした場合には、ノブボディ102の下側の開口端からライトガイド166を挿入してノブボディ102にノブ本体92を組み付ける構成になる。このような組み付けの場合には、ライトガイド166の上端に雌ねじ部164が貫通できる大きさの孔や、連結片106が通過できる大きさの切欠きを形成しなくてはならず、上底部168の形成することができないばかりか、切欠等を形成することでライトガイド166の端面の面積の増加が図れない。
これに対して、本シフトレバー装置160のノブ162は、上記のように金型184内にノブボディ102を配置する所謂インサート成形にてノブ本体92を成形するため、上底部168の形成が可能になり、上記のように、発光面積を大きくでき、その結果、キャップ107を透過する光の明るさのばらつきを小さくできる。
<第3の実施の形態の構成>
図10には本発明の第3の実施の形態に係るシフトレバー装置210の要部の拡大斜視図が示されている。
この図に示されるように、本シフトレバー装置210はシフトレバー212を備えている。シフトレバー212は所定の方向(例えば、略車両上下方向)に沿って長手方向とされた略円筒状のレバー本体としての第1レバー214を備えている。
第1レバー214の長手方向基端部は、その長手方向に対して直交する前後方向及びこの前後方向と長手方向の双方に対して直交する左右方向の両方向を軸方向として旋回自在にベース部材(図示省略)に支持されている。
なお、ここで言う前後方向及び左右方向とは車両の前後、左右とは直接的には関係なく、あくまでも便宜上の方向である。すなわち、車両の上下方向に沿って概ねシフトレバー212の長手方向になるように本シフトレバー装置210を設置するのであれば、上記の前後方向及び左右方向は車両の前後方向及び左右方向と略一致するが、例えば、本シフトレバー装置210を車両のインスツルメントパネル等に設置する場合にはシフトレバー212の長手方向は車両の前後方向になる。
第1レバー214の長手方向基端側にはブラケット216が設けられている。図12に示されるように、ブラケット216は内部が中空とされている。第1レバー214の基端側はブラケット216の上壁218を貫通してブラケット216の内部に入り込んだ状態で図示しないねじやボルト等の締結手段を代表とする固定手段によってブラケット216に一体的に固定されている。
一方、ブラケット216の底壁220からは一対の縦壁222が延出されている。これらの縦壁222は、前後方向に沿って互いに対向している。図10に示されるように、これらの縦壁222の間には、略棒状のレバー本体としての第2レバー224の長手方向先端側が入り込んでいる。第2レバー224の先端が入り込んだ上記の縦壁222には、その対向方向(すなわち、前後方向)に沿ってシャフト226が貫通しており、これにより、第2レバー224に対して第1レバー214がシャフト226周りに旋回できる。
上記の第2レバー224の長手方向中間部は、ベース228の側壁230に左右方向を軸方向として旋回可能に支持されている。ベース228は車両の適宜位置、例えば、本シフトレバー装置210が、車両の運転席と助手席との間に配置されるならば、運転席と助手席の間で車体に固定される。
さらに、第2レバー224の長手方向中間部よりも他端側では、図示しないワイヤケーブル等の機械的接続手段を介して車両の自動変速機(変速機)に接続されており、第2レバー224が所定の旋回位置に達したことを自動変速機の制御装置が検出すると、自動変速機に予め設定された複数のシフトレンジうち、第2レバー224の旋回位置に応じたシフトレンジに変更される。
一方、ベース228の上方にはハウジング232が配置されており、ハウジング232よりも下側に配置された本シフトレバー装置210を構成する各部材が覆われる。
ハウジング232には、前後左右に適宜に屈曲したジグザグ形状のシフト孔234が形成されている。シフト孔234は第1レバー214が貫通しており、このシフト孔234に沿ってシフトレバー212がジグザグに操作される。
なお、このように前後左右にシフト操作されるシフトレバー212の旋回位置のうち、左右方向を軸方向とした軸周りの旋回位置は、上述したように、第2レバー224がワイヤケーブル等の機械的接続手段を介して自動変速機に接続されることで自動変速機はシフトレバー212の旋回位置を検出できる。
これに対して、前後方向を軸方向とした軸周りのシフトレバー212の旋回位置、すなわち、シャフト226周りの第1レバー214の旋回位置は、ベース228の側壁230等に設けられたマイクロスイッチ等の検出手段により検出され、検出手段の導通状態や検出手段から出力された信号に基づき、自動変速機の制御装置が旋回位置を検出する構造になっている。
一方、図10に示されるように、第1レバー214の先端には把持用のノブ236が設けられている。図10に示されるように、ノブ236は合成樹脂材により成形されており、その下端部には第1レバー214を挿入するための貫通孔238が形成され、第1レバー214の先端側が貫通孔238の下側開口端から入り込んでいる。
貫通孔238に入り込んだ第1レバー214はノブ236に一体的に固定されている。なお、この第1レバー214とノブ236との固定に関しては特に限定するものではない。したがって、ねじ等の締結手段による締結固定や接着剤等の接着手段による接着固定、更には、貫通孔238への第1レバー214の圧入等の何れでもよいし、また、第1レバー214の先端側で外周部に雄ねじを形成すると共に、貫通孔238の内周部に雌ねじを形成し、第1レバー214とノブ236とを螺合させて固定してもよい。
また、ノブ236にはランプハウス240が形成されている。ランプハウス240はノブ236の上端で開口した略凹形状に形成された空間で、その底部にて上記の貫通孔238の上端が開口している。
さらに、ランプハウス240の上側開口端には透過部としてのインジケータ242が取り付けられている。インジケータ242は、透明又は半透明或いは光の透過が可能に所望の色に着色された板状部材で、所謂スナップフィットや熱溶着、又は、接着剤等による接着により、ランプハウス240の上側開口端を閉止した状態でノブ236に一体的に固定されている。
図11に示されるように、インジケータ242の表面には、上述したシフト孔234と略同形状をした線と、この線の側方に位置する文字及び数字とにより構成された操作パターンとしてのシフトパターン244が形成されている。このシフトパターン244のうち、シフト孔234と略同形状をした線はシフトレバー212の操作方向を示し、線の側方に位置する文字及び数字はシフトレンジを示す。
また、図10に示されるように、ランプハウス240の内部には光誘導手段としての光ファイバ246が設けられている。従来から周知の通り、光ファイバ246はガラス等により形成された紐状部材で、その長手方向基端側から先端側へ光を透過させることができる。
光ファイバ246の長手方向先端部には、光誘導手段としてのライトガイド248が一体的に固定されている。ライトガイド248は、ランプハウス240の内部で上記のインジケータ242の裏面に固定されており、照明手段を構成する光ファイバ246の長手方向基端側から先端へ送られた光がライトガイド248を透過し、更に、インジケータ242を透過する。
光ファイバ246の基端側は貫通孔238の上側開口端に嵌挿されたリング状の防振ゴム250の内部を通過している。さらに、光ファイバ246の基端側は貫通孔238及び第1レバー214の内部を通過し、図12に示されるように、第1レバー214の基端部からブラケット216の内部に入り込んでいる。
ブラケット216内に入り込んだ光ファイバ246に対応してブラケット216の底部上にはガイド部材252が配置されている。ガイド部材252はその一部に略直角で且つ角部は円弧状に湾曲したガイド面254が形成されており、第1レバー214からブラケット216内に入り込んだ光ファイバ246はガイド部材252のガイド面254に案内されてブラケット216の側壁256側へ案内されている。
さらに、光ファイバ246の基端部の側方には、基板258が配置されている。基板258は厚さ方向一方の面を光ファイバ246の基端部に向けた状態でブラケット216の底部上に立設されていると共に、ブラケット216の側壁256の外側から、先端側が側壁256を貫通したねじ260により固定されている。
基板258の厚さ方向一方の面(光ファイバ246の基端部側の面)には、発光手段として照明手段を構成するLED262が設けられていると共に、基板258の厚さ方向両面のうちの一方には抵抗素子やトランジスタ等の図示しない電子部品が設けられて回路を構成している。
また、基板258の厚さ方向他方の面には2本のコード264の先端が固定されている。両コード264は基板258上の回路に電気的に接続されている。これに対し、コード264の基端側は側壁256を貫通してブラケット216の外部に延び、更に、ECU等の図示しない制御手段を介して車両に搭載されたバッテリー(符号無きものは何れも図示省略)に接続されている。例えば、ECUは車両の外部照明用のヘッドランプスイッチに接続されており、車幅灯やヘッドランプを灯火させるためにヘッドランプスイッチを操作すると、ECUがコード264を介して基板258の回路に電流を流す構造になっている。
<第3の実施の形態の作用、効果>
本シフトレバー装置210では、車両乗員によりノブ236が把持され、この状態でシフトレバー212がシフト孔234に沿って左右方向又は前後方向を軸方向とする軸周りに旋回操作される。シフト孔234内の所定の位置に第1レバー214が到達すると、自動変速機の制御手段がそれまでのシフトレンジからシフトレバー212の旋回位置に対応したシフトレンジに変更する。
一方、夜間等において、車両乗員がヘッドランプスイッチを操作し、車両のヘッドランプや車幅灯を点灯させると、通常は、これに伴い、インパネに設けられたメータ類が照明される。これにより、車両室内が暗くてもメータ類を容易に視認することができる。
また、このように、ヘッドランプや車幅灯を点灯させるためにヘッドランプスイッチを操作すると、ヘッドランプスイッチに接続されたECUがコード264を介して基板258の電気回路に電流を流す。基板258の回路に電流が流されると、LED262が発光する。LED262は光ファイバ246の基端部と対向しているため、LED262から発せられた光は、光ファイバ246の基端部から光ファイバ246中を通過して先端側へ向かう。さらに、光ファイバ246を通過してその先端側へ向かった光は、光ファイバ246の先端部に設けられたライトガイド248を透過し、インジケータ242の裏面側から表面側へ光が透過する。
このようにして、インジケータ242の裏面側から表面側へ光が透過することで、ノブ236の上面が発光し、これにより、車両室内が暗くてもインジケータ242に形成されたシフトパターン244を容易に視認することが可能になる。
また、本実施の形態では、LED262にて発せられた光が光ファイバ246を通過してインジケータ242を透過させる構成であるが、LED262が設けられた基板258がブラケット216内に取り付けられていることで、シフトレバー212を操作した場合にも、基本的にLED262と光ファイバ246との間の相対変位が生じない。
このため、シフトレバー212を操作してもLED262と光ファイバ246の基端部とが必ず対向する。したがって、シフトレバー212が如何なる旋回位置にあっても、LED262にて発せられて光ファイバ246の基端部に到達する光量が変わらない。これにより、シフトレバー212の旋回位置に拘わらずインジケータ242における輝度を一定にできる。
<第4の実施の形態の構成>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態を含めて以下の各実施の形態を説明するうえで、前記第3の実施の形態と基本的にに同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
図14には、本発明の第4の実施の形態に係るシフトレバー装置280の要部の構成が図12に対応した断面図により示されている。
この図に示されるように、本シフトレバー装置280は、前記第3の実施の形態に係るシフトレバー装置210とは異なり、基板258がブラケット216内に設けられておらず、ブラケット216の側壁256の外側で、ベース228の側壁230に一体的に固定されている。
また、本シフトレバー装置280では、ブラケット216の内部に集光手段としてのライトガイド282が設けられている。ライトガイド282は、ガラス等により底部側から頂部側へ向けて漸次先細になる略四角錐形状に形成されている。ライトガイド282の底面は集光面284とされており、集光面284に照射された光は、ライトガイド282内で屈折しつつその頂部側へ向かい、頂部から発せられる構造になっている。
ライトガイド282は、その頂部が光ファイバ246の基端部と対向しており、ライトガイド282内を通過して頂部から発せられた光は光ファイバ246の基端部へ向かう。また、ライトガイド282は、集光面284側が側壁256に形成された開口部86を貫通してブラケット216の外部に突出し、基板258に取り付けられたLED262と対向している。ここで、ライトガイド282の集光面284は、少なくとも、シフトレバー212が前後方向及び左右方向に旋回した状態でもLED262と対向する広さを有している。
<第4の実施の形態の作用、効果>
このように、本シフトレバー装置280は、前記第3の実施の形態に係るシフトレバー装置210とは異なり、基板258がベース228に取り付けられている。このため、シフトレバー212が旋回操作されることで、光ファイバ246の基端部がLED262に対して前後左右に接離移動する。しかしながら、シフトレバー212が旋回操作されても、ブラケット216に取り付けられたライトガイド282の集光面284はシフトレバー212が如何なる旋回位置にあってもLED262と対向している。
このため、シフトレバー212の旋回位置に拘わらず、LED262にて発せられた光はライトガイド282の集光面284に到達する。このように、集光面284に到達した光はライトガイド282内を通過して頂部から発せられ、光ファイバ246の基端部へ向かい、更に、光ファイバ246の基端部に到達した光は光ファイバ246内を通過する。
以上のように、本シフトレバー装置280では、基板258がベース228に取り付けられているものの、LED262から発せられた光を光ファイバ246に送ることができる。このため、前記第3の実施の形態と同様にノブ236の上面が発光させることができ、その結果、車両室内が暗くてもインジケータ242に形成されたシフトパターン244を容易に視認することが可能になる。
また、本実施の形態では、基板258がベース228に取り付けられているため、シフトレバー212が旋回操作されても、基板258やコード264が動くことはない。このため、シフトレバー212の旋回操作に起因する振動や衝撃が基板258に伝わることを防止若しくは軽減でき、必要以上に基板258の耐振性や耐衝撃性を向上させる必要がない。
さらに、上記のように、シフトレバー212が旋回操作されてもコード264が動かない。このため、シフトレバー212が旋回操作された際のコード264の移動量を予め見込んで、ベース228とブラケット216との間でコード264を屈曲させたり、撓ませておく必要がない。これにより、コード264の曲げ性を必要以上に向上させる必要がない。
<第5の実施の形態>
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図15には、本実施の形態に係るシフトレバー装置300の要部が図10に対応した断面図により示されている。
この図に示されるように、本シフトレバー装置300では、前記第3及び第4の実施の形態で用いた光ファイバ246に代わり、光ファイバ246よりも外径寸法が充分に小さな(すなわち、細い)光誘導手段としての光ファイバ302を複数本備えている。
これらの光ファイバ302は、前記第4の実施の形態で用いた光ファイバ246と同様に、その先端側はランプハウス240内に位置していると共に、基端側が貫通孔238及び第1レバー214内を通過してブラケット216内で屈曲されて基端部がライトガイド282の頂部と対向している。
但し、本実施の形態では、光ファイバ302の先端部にライトガイド248が設けられていない。
しかも、これらの光ファイバ302の先端部は概ねインジケータ242に向けられているものの、個々には異なる方向を向いており各光ファイバ302を通過して先端部に達した光は、個々に異なる方向で全体的には略放射状に発せられる。
このように、本実施の形態では、各光ファイバ302の先端部が個々に異なる方向を向いていることで、全体的には光が略放射状に拡散されて発せられる。これにより、インジケータ242の裏面に対して広い範囲で光が照射される。このため、インジケータ242における輝度のムラが少なくなる。