JP2005095728A - バイオマス処理装置およびバイオマス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
薬品を用いることなく茶滓のような抽出残渣などのバイオマスを液状化し、カテキンやキシロースなどの生合成物質を液状物の中に抽出可能な状態とする。また、複数種類の生合成物質が含まれるこの液状物から生合成有物質を個別に濃縮された状態で抽出する。
【解決手段】
バイオマスを水蒸気爆砕処理して泥状の液状物とする。ついで、この液状物をクロマト分離器などの濃縮分離手段に供給し、この液状物の中から生合成物質を個別に濃縮した状態で抽出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生物体(バイオマス)に含まれる生合成物質を回収することができるバイオマス処理装置に関し、特に茶滓、コーヒー滓などの植物系バイオマス由来の固体有機性廃棄物からカテキンやキシロースなどの有用物質を得るバイオマス処理装置に関する。
従来、バイオマス由来の固体有機性廃棄物は、焼却、生物分解、薬品酸化などにより処理されている。こうした固体有機性廃棄物を構成するバイオマスは、リグニン、セルロースまたはキチンなどからなる細胞壁を有し、物理化学的強度が高い。また、特に植物系バイオマス由来の固体有機性廃棄物は、タンニンやカテキンなどの抗菌作用を示す物質を含む場合も多い。このため、バイオマス由来の固体有機性廃棄物は、分解されにくく、特に生物分解により処理することは困難である。
そこで、セルロースとリグニンに富む細胞壁から構成される植物系バイオマスを爆砕処理してスラリー状とした後、屎尿のような窒素含有比の高い有機性廃棄物を混合してメタン発酵する有機性廃棄物の処理方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法では、爆砕処理によって植物系バイオマスの細胞壁を破壊するとともに、窒素含有比の高い有機性廃棄物を混合して被処理物の炭素と窒素の含有比を調整するため、植物系バイオマスは生物分解されやすくなる。したがって、この方法によれば、生物分解が困難な植物系バイオマス由来の固体有機性廃棄物を含む、性状の異なる有機性廃棄物を効率よく処理し、エネルギー源として利用可能なメタンを得ることができる。
しかし、爆砕処理後のスラリーにはキシロースをはじめとする糖類などが含まれるため有機物濃度が高く、爆砕処理後に生物処理を行なう場合の負荷が高い。また、このスラリーには、糖類などの易分解性物質以外に、リグニンや抗菌作用を示すカテキンのように難分解性で生物分解を阻害する物質が含まれる。このため、上記の方法では、スラリーをオゾンで処理するなどして難分解性物質などを分解し、生物分解しやすくする必要がある。しかし、この場合は装置が複雑化し、処理コストの高騰を招く。また、この方法では、バイオマスに含まれるカテキンやキシロースなどの有用な生合成物質を回収することができない。
特開2003−94022号公報
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な装置で効率よくバイオマスを処理し、バイオマスを容易に分解されるものとすることである。また、本発明は、抽出残渣のように生合成物質の抽出が困難なバイオマスに対しても、薬品を用いることなく、短い時間でバイオマスを液状化し、バイオマスに含まれる生合成物質を回収できるバイオマス処理装置およびバイオマス処理方法を提供することを目的とする。
本発明においては、バイオマスを水蒸気爆砕処理することにより、バイオマスを泥状の液状物にして分解容易なものとするとともに、複数種類の生合成物質を低分子化するなどして他の成分から分離して抽出可能な状態とし、この液状物中に含まれる生合成物質を個別に濃縮分離して抽出する。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1)バイオマスを水蒸気爆砕処理して複数の生合成物質を含む液状物に変換する水蒸気爆砕処理手段と、前記生合成物質を個別に濃縮して分離をする濃縮分離手段と、を含むバイオマス処理装置。
ここで、本明細書において「バイオマス」とは、工業原料として利用することができる生物体からなる生物資源を意味する。「バイオマス」は生物体の種類に応じて、木材、作物の葉、茎または果実などの植物系バイオマス、動物由来の動物系バイオマス、排水の生物処理で発生する汚泥などの微生物系バイオマスに大別できる。これらのバイオマスのうち、植物系バイオマスと微生物系バイオマスは、セルロースまたはキチンを主成分とする細胞壁で生物体が構成されている。そこで、本明細書においては、植物系バイオマスと微生物系バイオマスとを併せて「細胞壁質バイオマス」と称する。また、本明細書では「バイオマス」のうち、茶滓や豆滓といった抽出残渣などの食品廃棄物、排水の生物処理により生じる汚泥、または籾殻や籾殻などの農業廃棄物など、従来、工業原料として利用されずに廃棄されていた固形のバイオマスを特に「固体有機性廃棄物」と称する。
本発明では、植物系バイオマス、動物系バイオマス、微生物系バイオマスのいずれも処理することができる。これらのバイオマスの中で、物理化学的強度が高い細胞壁を有する細胞壁質バイオマスは、無処理では分解が困難である一方、水蒸気爆砕処理によれば短時間で泥状の液状物になるように改質することができるため、本発明において好適に処理される。
また、「生合成物質」とは、生物により合成され、生物体内に蓄積される物質であり、バイオマス中に含有されている生体有用物質のことを意味する。生合成物質の具体例としては、キシロースおよびキチンなどの糖類、カフェインおよびニコチンなどのアルカロイド類、カテコール化合物をはじめとするカテキン、カフェー酸およびドーパなどのポリフェノール類が挙げられる。
水蒸気爆砕処理は、処理対象物を、温度100〜300℃、好ましくは180〜230℃の水蒸気により、圧力(ゲージ圧力)0.2〜5MPa、好ましくは1〜3Mpaで1〜60分、好ましくは3〜30分間で処理したのち、急激に減圧する処理である。
濃縮分離手段とは、複数種類の物質が含まれる混合液から、特定の物質を個別に濃縮した状態で分離する手段を指し、具体例としては、液体クロマト分離器、分留器などが挙げられる。
(2)本発明はまた、(1)記載のバイオマス処理装置において、前記液状物を固液分離して固形分と前記生合成物質を含む液とに分離をする固液分離手段と、該固液分離手段で分離された液を前記濃縮手段に導入する導入手段と、をさらに含むバイオマス処理装置を提供する。
固液分離手段には、不溶性懸濁物質(SS)を含む液体からSSを分離する任意の機器を使用することができる。固液分離手段の具体例としては横流式沈殿池、中心駆動円形沈殿池などの沈殿池、有機膜または無機膜を備えた膜分離器、遠心分離器などが挙げられる。
(3)本発明はさらに、(1)または(2)記載のバイオマス処理装置において、前記濃縮分離手段は、前記生合成物質を吸着する吸着材が充填されたカラムを備える液体クロマト分離器であるバイオマス処理装置を提供する。
液体クロマト分離器のカラムには、抽出対象物質の種類に応じて、イオン交換樹脂、シリカゲルなどの任意の吸着材を充填する。特に、強酸性陽イオン交換樹脂はキシロース、サポニンなどの糖、カテキンなどを吸着するため、好適に用いることができる。
(4)本発明はまた、バイオマスを水蒸気爆砕処理して複数の生合成物質を含む液状物に変換する水蒸気爆砕処理工程と、前記生合成物質を個別に濃縮して分離をする濃縮分離工程と、を含むバイオマス処理方法を提供する。
(5)さらに、本発明は、前記濃縮分離工程の前に、前記液状物を固液分離して固形分と前記生合成物質を含む液とに分離をする固液分離工程をさらに含む(4)記載のバイオマス処理方法を提供する。
(6)本発明は、前記バイオマスは固体有機性廃棄物であり、前記生合成物質は糖類、アルカロイド類およびポリフェノール類からなる群から選択された少なくともひとつである(4)または(5)記載のバイオマス処理方法を提供する。
(1)および(4)記載の発明によれば、バイオマスを水蒸気爆砕処理することにより、酸などの薬品を用いることなく短時間でバイオマスを泥状の液状物として分解容易なものとするとともに、バイオマスに含まれる生合成物質を液相に移行させ、抽出目的物質を他の物質から分離して抽出可能な状態とすることができる。また、濃縮分離処理により、水蒸気爆砕処理により得られる液状物の中から抽出対象とする生合成物質を、他の物質から分離し、濃縮した状態で選択的に抽出することができる。さらに、濃縮分離処理を行なうことにより、濃縮処理後に生じる廃液の有機物濃度を低減し、生物分解容易なものとすることができる。
また、(2)および(5)記載の発明では、泥状の液状物を固液分離して液状物中の固形分を分離するため、後段の濃縮分離がSSによる妨害を受けることを防止できる。さらに、水蒸気爆砕処理手段から排出される高温の液状物が固液分離処理を受ける間に冷却されるため、濃縮分離手段の部材が熱により変性または性能劣化することを防止することができる。また、固液分離により得られる固形物は、タンニンやリグニンなどの生物分解を受けにくい物質の含有量が少ないため、この固形物は容易に生物分解することができ、また、生分解性プラスチックの原料などとして利用することもできる。
(3)記載の発明では、濃縮分離手段として、抽出対象の生合成物質を吸着する吸着材が充填されたカラムを備える液体クロマト分離器を用いる。このため、抽出用の溶媒を適宜選択することにより、一台のバイオマス処理装置を用いて簡易な操作で複数種類の生合成物質を個別に濃縮した状態で抽出することができる。
(6)記載の発明では、バイオマスとして固体有機性廃棄物を処理し、この固体有機性廃棄物からキシロース、サポニンなどの糖類、カフェイン、ニコチンなどのアルカロイド類、カテコール化合物をはじめとするカテキンを含むタンニン、ドーパ、カフェー酸などのポリフェノール類からなる群から選択された少なくともひとつを抽出する。本発明は、抽出残渣などの固体有機性廃棄物からも生合成物質を抽出することができるため、従来は廃棄物として処分されていた固体有機性廃棄物を再資源化することができる。また、固体有機性廃棄物から生合成物質を抽出する場合は、水蒸気爆砕処理によって固体有機性廃棄物が加熱殺菌されるため、得られた液状物などを殺菌する必要がない。本発明においては、水蒸気爆砕処理および濃縮分離処理により、固体有機性廃棄物中の生合成物質が回収されるとともに、処理過程において生じる固形分および廃液中の難分解性物質の含有量が低減される。このため、前記固形分または廃液は、メタン発酵法や活性汚泥法などにより、容易に分解処理することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態の説明にあたって、同一構成については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
[第一実施形態]
図1は本発明の一実施形態であるバイオマス処理装置の模式図である。図1のバイオマス処理装置は、飲料製造過程で発生する固体有機性廃棄物である緑茶茶葉の茶滓を原料として、茶滓に含まれるカテキンを抽出する茶滓処理装置1として構成されている。茶滓処理装置1は、水蒸気爆砕処理手段10、固液分離手段としての膜濾過器21および濃縮分離手段としてのクロマト分離器31を備える。
水蒸気爆砕処理手段10は、水蒸気発生器10a、耐圧容器10bおよび受器10cを備え、水蒸気供給管10dが水蒸気発生器10aと耐圧容器10bとに接続されている。茶滓処理装置1では、茶滓を原料として耐圧容器10bに入れ、水蒸気発生器10aで発生させた水蒸気を、水蒸気供給管10dを通して耐圧容器10bに供給する。耐圧容器10b下部には耐圧容器10b内を急激に減圧するための弁10eが設けられるとともに、生成された液状物を受ける受器10cが液状物管10fを介して接続されている。
この水蒸気爆砕処理手段10においては、以下の手順により、茶滓を水蒸気爆砕処理して泥状の液状物にする水蒸気爆砕処理工程を実施する。
まず、茶滓を耐圧容器10bに入れ、弁10eを閉じた状態で、水蒸気発生器10aで発生させた水蒸気を水蒸気供給管10dから耐圧容器10bに供給し、温度100〜300℃、好ましくは180〜230℃、ゲージ圧力0.2〜5MPa、好ましくは1〜3MPaで処理時間1〜60分、好ましくは3〜30分、高温高圧処理する。水蒸気爆砕処理は、後述する濃縮分離手段において、水蒸気爆砕処理により得られる液状物に対して抽出対象の生合成物質の種類に応じた精製処理を連続的に行なって当該生合成物質を個別に濃縮して分離抽出することができるような速度に調整するか、それを達成する構造体などを付加することが好ましい。
前記の水蒸気爆砕処理により、茶葉の細胞壁に含まれているヘミセルロースは、水溶性の単糖または小糖に分解され、水に可溶となる。また、リグニンは有機溶媒や希アルカリに溶解する低分子に分解される。つぎに弁10eを開放し、空気を一気に導入することにより、耐圧容器10b内を急激に減圧する。このとき、茶滓と混合された水蒸気が膨張し、リグニンなどによる茶葉の細胞壁のセルロース包理構造が破壊されるため、茶滓は繊維状のセルロース、可溶化された糖類、リグニンの低分子化物を含んだ泥状の液状物になる。液状物は液状物管10fを介して、受器10cに導入される。
前記液状物は繊維状のセルロースなどの不溶性物質であるSSを多量に含むため、固液分離手段により、固形分と液とに分離することが好ましい。固液分離手段としては、沈殿池、濾過器、遠心分離器などを採用することができる。これらの固液分離手段の中で、焼結金属膜やセラミック膜などの無機素材の精密濾過(MF)膜を備えた膜モジュールは、耐熱性があり、また清澄化液のSS濃度を低くできるため、後段の濃縮分離手段への負荷を下げることができる。一方、液状物のSS濃度は10〜30重量%と高く、また、水蒸気爆砕処理されたセルロース繊維は固液分離性がよいため、重力沈降による沈殿により容易に液相から分離することができる。このため、固液分離手段としては、沈殿池を用いてもよい。固液分離手段は、1種または2種以上のものを単独で用いてもよく、複数用いてもよい。
本実施形態では、固液分離手段として、セラミック製の孔径0.1μmのチューブ状MF膜を備えた膜濾過器21を用いる。膜濾過器21には液状物供給管51と送液管52、および引き抜き管54とが接続されている。送液管52は、膜濾過器21で固形分と分離された液を濃縮分離手段に導入する導入手段である。液状物供給管51は、受器10cとも接続されており、水蒸気爆砕処理工程で得られた液状物は、受器10cに送られた後、液状物供給管51を介して膜濾過器21に供給される。以下、膜濾過器21を用いた固液分離工程について説明する。
膜濾過器21はMF膜を介して、被処理液側と処理液側に仕切られ、固液分離前のSSを含む液状物は膜濾過器21の被処理液側に供給され、膜濾過器21内を通過することにより、SSが除去された液が処理液側に漉し出されて固液分離が行なわれる。膜濾過器21を用いた固液分離工程において、被処理液側の液状物中の固形分は被処理液側に留まり、引き抜き管54を通じて適宜、膜濾過器21外へ排出される。一方、SSが除去された液は生合成物質を含み、膜濾過器21に接続された送液管52を通じて濃縮分離手段へ供給される。
液状物を固液分離することにより得られる液のSS含有量は0〜0.5重量%と低いため、固液分離手段を設けることで濃縮分離手段の負荷を低減することができる。また、耐圧容器10bから排出される液状物は150〜250℃の高温であるが、固液分離を行なう過程で放熱するため、濃縮分離手段に用いられる部材が熱により変性または性能劣化することを防止できる。
固液分離工程で分離された固形物はセルロース繊維が主体で、このセルロース繊維は難分解性物質であるリグニンやペクチン、ヘミセルロースなどと分離されている。このため、固液分離工程から排出される固形物は生物分解されやすく、メタン発酵することにより、エネルギーに変換することができ、あるいは堆肥の原料とすることができる。また、この固形物は生分解性プラスチックの原料としたり、酵素処理により容易にタンパク質やアルコールに変換して利用することもできる。
一方、固液分離工程で液状物中のSSが除去されて得られる液には、水蒸気爆砕処理により可溶化された糖類、低分子化したリグニンあるいはカテキンなどの生合成物質が含まれる。そこで、この液を濃縮分離手段に供給し、液中の糖類などを個別に抽出する。濃縮分離手段としては、抽出対象の物質とその他の物質からなる不純物とが含まれる混合液から抽出対象の物質を個別に濃縮分離する任意の手段を採用できる。このような濃縮分離手段の具体例としては、抽出対象の物質を吸着する吸着材を固定相として有するカラムを備えたクロマト分離器や、沸点の違いを利用して混合液中の物質を個別に濃縮分離する分留器が挙げられる。
本実施形態では、濃縮分離手段としてクロマト分離器31を用いる。クロマト分離器31には抽出対象とする生合成物質を吸着する吸着材が充填されている。クロマト分離器31に充填される吸着材は、抽出対象の物質に合わせて適宜、選択することができ、例えばカテキンおよびキシロースを抽出対象物質とする場合、スチレン−ジビニルベンゼン系、メタアクリル酸エステル系、親水性ビニル系などを基材とし、必要に応じてこれらの吸着材をカルシウム、ナトリウムなどの金属イオンでイオン交換した吸着材が使用できる。本実施形態においては、クロマト分離器31は、スチレン−ジビニルベンゼン系の陽イオン交換樹脂とスチレン−ジビニルベンゼン系の陽イオン交換樹脂にカルシウムをチャージした吸着材が充填されたカラムを備える。以下、このクロマト分離器31を用いた濃縮分離工程について説明する。
濃縮分離工程では、固液分離工程で液状物からSSが除去されて得られる液を送液管52からクロマト分離器31に供給する。SSが除去された液をクロマト分離器31のカラムに導入することにより、カテキンを吸着材に吸着させる。クロマト分離器31からは生合成物質が吸着された廃液は排出管53から排出する。この廃液からは生合成物質が回収されているため、この液体の有機物濃度は濃縮分離処理前に比して低く、また、タンニンなどの難分解性物質の含有量が低いことから、活性汚泥法などにより容易に処理することができる。
固液分離工程で分離された、生合成物質を含む液を通液した後、クロマト分離器31には、メタノールまたはエタノールなどの抽出溶媒を供給し、カテキンを濃縮した状態で抽出し、抽出管53から回収する。
[第二実施形態]
図2は本発明の一実施形態である連続式茶滓処理装置2の模式図である。連続式茶滓処理装置2は、水蒸気爆砕処理手段10として連続式の水蒸気爆砕処理器を用い、固液分離手段として沈殿池22を備える他は図1の茶滓処理装置1と同様の構成とされる。
連続式茶滓処理装置2は、水蒸気爆砕処理手段10として水蒸気発生器10aおよび連続爆砕処理器11を備える。連続爆砕処理器11にはバイオマスを供給するスクリュー10mが設けられ、水蒸気爆砕処理された液状物が通る液状物管10fが接続されている。茶滓はスクリュー10mにより、連続爆砕処理器11内に供給され、連続爆砕処理器11内で水蒸気発生器10aおよび水蒸気供給管10dから供給される水蒸気により高温高圧処理される。高温高圧処理された茶滓はスクリュー10mの動きに伴い、連続爆砕処理器11内を高温高圧処理室11aから減圧室11bへと移動する際に一気に減圧され、水蒸気が膨化して泥状の液状物とされる。
水蒸気爆砕処理手段10から排出される液状物は、液状物管10fを通り、固液分離手段に送られる。本実施形態では固液分離手段として沈殿池22を設ける。沈殿池22では、液状物に含まれるSSであるセルロース繊維と水の比重差を利用し、固液分離が行われる。すなわち、沈殿池22を用いた固液分離工程において、液状物中のセルロース繊維などのSSを重力で沈降させて液相から分離してセルロース繊維を主体とする固形物と、SSが除去された液とを得る。重力沈降により、沈殿池22の下部に沈降した固形物は引き抜き管54を通じて適宜、沈殿池22外へ排出される。一方、SSが除去された液は沈殿池22上部に接続された導入手段としての送液管52から濃縮分離手段へ供給され、前述した濃縮分離が行われる。
[実施例1]
図1の茶滓処理装置1と同様の構成の茶滓処理装置を用い、緑茶製造後の抽出残渣である緑茶の茶滓を原料として茶カテキンを抽出した。耐圧容器10bに含水率80重量%の茶滓を供給し、水蒸気発生器10aで発生させた水蒸気を水蒸気供給管10dから供給した。水蒸気は温度205℃、耐圧容器10b内の圧力は1.8〜2.0MPaとした。クロマト分離器31のカラム内の吸着材に吸着された茶カテキンは20重量%のメタノールにより溶出した。80重量%の含水率の茶滓1kgから乾燥重量で28.7gの茶カテキンを得た。
[実施例2]
実施例1の茶滓処理装置1と同様の装置を用いて、二番茶を摘み取った後に得られる茶葉夏葉から茶カテキンを抽出した。原料となる茶葉は剪定後、無処理の状態で耐圧容器10bに供給し、実施例1と同様の条件で水蒸気爆砕処理した。水蒸気爆砕処理により得られた液状物をクロマト分離器31に供給し、20重量%のメタノール溶液を抽出溶媒として茶カテキンを濃縮分離した。1kgの茶葉(含水率70重量%)の茶葉から、乾燥重量で21gの茶カテキンが得られた。
本発明は、バイオマスに含まれる複数種類の生合成物質を抽出可能な状態とし、個別に濃縮した状態で抽出するために用いることができる。より具体的には、本発明は、甘味料として利用されるキシロースや、抗アレルギー作用、抗菌作用などの薬理効果を有するカテキンなどの工業原料となる物質をバイオマスから効率よく抽出するために用いることができる。特に、本発明は従来、焼却法などにより処分されていた個体有機性廃棄物から有用な生合成物質を回収し、これらの固体有機性廃棄物を効率よく処理するために用いることができる。
本発明の一実施形態である茶滓処理装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態である連続式茶滓処理装置を示す模式図である。
符号の説明
1 茶滓処理装置
2 連続式茶滓処理装置
10 水蒸気爆砕処理手段
21 膜濾過器
31 クロマト分離器
52 送液管

Claims (6)

  1. バイオマスを水蒸気爆砕処理して複数の生合成物質を含む液状物に変換する水蒸気爆砕処理手段と、
    前記生合成物質を個別に濃縮して分離をする濃縮分離手段と、を含むバイオマス処理装置。
  2. 請求項1記載のバイオマス処理装置において、
    前記液状物を固液分離して固形分と前記生合成物質を含む液とに分離をする固液分離手段と、該固液分離手段で分離された液を前記濃縮分離手段に導入する導入手段と、をさらに含むバイオマス処理装置。
  3. 請求項1または2記載のバイオマス処理装置において、
    前記濃縮分離手段は、前記生合成物質を吸着する吸着材が充填されたカラムを備える液体クロマト分離器であるバイオマス処理装置。
  4. バイオマスを水蒸気爆砕処理して複数の生合成物質を含む液状物に変換する水蒸気爆砕処理工程と、
    前記生合成物質を個別に濃縮して分離をする濃縮分離工程と、を含むバイオマス処理方法。
  5. 前記濃縮分離工程の前に、前記液状物を固液分離して固形分と前記生合成物質を含む液とに分離をする固液分離工程をさらに含む請求項4記載のバイオマス処理方法。
  6. 前記バイオマスは固体有機性廃棄物であり、
    前記生合成物質は糖類、アルカロイド類およびポリフェノール類からなる群から選択された少なくともひとつである請求項4または5記載のバイオマス処理方法。
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