JP2005095463A - 書見台および頁捲り用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な構造で書籍の頁抑えと頁捲りを容易に行なうことができる、安価で操作性の優れた書見台を提供する。
【解決手段】 書籍載置台と、その天側及び地側端部付近の所定の高さに設けられた天側及び地側の横桟と、この両横桟の左右で、それぞれ天地の横桟間に縦方向に掛け渡された一対のリング状の弾性紐状部材を備え、
開いた書籍の左右両側の端部を、上下平行に掛け渡されている紐状部材の間に挟むように挿入した時に、その下側が書籍下面を吊り支え、その上側が開いた頁の頁抑えをするように構成された書見台。また、棒状の把持部とその先端の軟質材料の接触部を有するこの書見台で用いる頁捲り用具。
【選択図】図1

Description

本発明は、書見台に関するもので、とくに簡単な構造で書籍の頁抑えと頁捲りを容易に行なうことができる操作性の優れた書見台とこれに用いる頁捲り用具に関する。
書見台は、書籍を手で保持することなく読書を可能にするという目的や、楽な姿勢で読書ができるように、紙面の角度を自由に変えられるようにするという目的で、従来から種々の形式のものが提案されてきた。このような書見台に共通する問題の一つは、見開いた頁を手を使わずに保持するための頁抑えを、如何に行なうかという点にある。
最も簡単な頁抑えの方法として、書籍載置台の下側(地側)前方に起立縁を設ける方法がある。しかしこの方法では、頁を捲る際に一々書籍を持ち上げる必要があり、また書籍の大小によってはうまく頁抑えができない場合があって、操作性が優れた方法とは言えない。そのため、載置台の天地又は左右から、一対のアーム又はクリップを延ばして、見開いた頁の左右をそれぞれに抑えるという方法が多数提案されている。
しかしこの場合、頁抑えのアーム等が文字を隠すことの無いように、余白の位置で頁を抑えなければならない。書籍の大小によって余白の位置が変わってくるから、頁抑えのアーム等の位置を可変にする機構が必要になって、書見台の構造が複雑になってしまうという問題がある。透明部材で頁抑えを形成するというアイデアも種々出されているが、やはり書見台の構造が複雑になりかつ高価になるということが避けられない。
比較的簡単な機構で、頁抑え位置を可変にする手段として、下記特許文献1,2等に提案されている方法がある。これは、一対の弾性紐状部材(ゴム紐)を、書籍載置部の上下方向に張り渡して、左右両頁の頁抑えとするものである。ゴム紐の位置は手で自由に変えられるので、書籍の大きさに対応して、抑え位置を自由に選択できる。この方法は、複雑な機構を用いることなく、簡単に抑え位置を可変にし得ることが特徴である。また、特許文献2では、弾性紐状部材の外側に筒状部材を被せるという構成が提案されている。この筒状部材の効果は、抑えを確実にすること、抑え位置の変更をより容易にすること、頁捲り時の紐の持ち上げを容易にすること等であると説明されている。
実開平1−158734号公報 特開2001−37551号公報
書見台を用いる目的の一つに、読書をしながらメモを取ったり、パソコン等OA機器に入力したりすることがあげられる。この場合、できるだけ手の動作を少なくして、頁捲りを可能にすることが望まれる。できれば右手(利き手)は使わず、左手のみの動きで、かつ簡単な動作で頁捲りが可能であれば、筆記やOA入力の作業効率が高くなる。また、読書のみの場合でも、横臥して読書するような場合は、片手の簡単な動作で頁捲りができることが望ましい。
演奏者が用いる譜面台においては、自動(電動)頁捲り装置を備えたものがあるが、書見台において、かかる大がかりかつ高価なものを用いるのは適切ではない。書見台はできるだけ簡単な機構で、書籍の大小、厚薄にも対応でき、かつ操作性の優れたものであることが望ましい。この観点から、頁抑えの方法としては、上記の特許文献1,2のような方法が適切であると判断された。しかし、本発明者が種々検討した結果では、この頁抑えの方法で、片手でも頁捲りを可能にすることは容易でないことが知れた。
すなわち、ゴム紐式の頁抑えでは、頁捲りの際にかなり複雑な動作が必要になる。まず、片側の頁を繰る際には、一方の手で片側のゴム紐を持ち上げて、他方の手で頁を捲らなければならない。さらに、反対側の頁の上に重ねる際にも、反対側のゴム紐を持ち上げて、捲られた頁をゴム紐の下に入れて、重ね合わせなければならない。前記の特許文献2のように、ゴム紐の外周に筒状部材を用いる方法でも、これを持ち上げるのに片方の手が占有されるので、頁捲りの際に両手の動作を必要とするという事情に変わりはない。
そこで本発明は、ゴム紐式の頁抑えを有する書見台において、必ずしも両手を用いることなく、簡単な動作で頁捲りを可能にする手段を提供することを課題としている。これにより、書籍の大小や厚薄に拘りなく、簡単な構造で書籍の頁抑えと頁捲りを容易に行なうことができる、操作性の優れた書見台を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の書見台は、
開いた書籍を載置しうる大きさの矩形の書籍載置台と、
該書籍載置台の天側及び地側端面付近に、これと略平行かつ水平に、書籍載置台表面から所定の高さになるように支柱により支持された天側及び地側の横桟と、この両横桟の左右の位置において、それぞれ天地の横桟間に縦方向に掛け渡され、該横桟の左右方向に移動可能な一対のリング状の弾性紐状部材とを備え、
書籍載置台上の開いた書籍の左右両側の端部付近を、それぞれ上下平行に掛け渡されている一対の紐状部材の間に挟むように挿入した時に、該上下の紐状部材の下側が書籍下面を吊り支え、その上側が開いた頁の頁抑えをするように構成されていることを特徴とする。
本発明の書見台は上記のように構成されているため、簡単な構造でありながら、頁抑えや頁捲りを容易に行なうことができ、操作性に優れるという特徴を有している。まず、横桟に掛け渡した弾性紐状部材は、自由に左右方向に移動可能であるから、書籍の大きさや厚さの違いに対応して頁抑えの位置を選択することができ、見開いた頁の左右両端部の余白部分を抑えることによって、抑え部材で文字が隠されるのを避けることができる。
また、上下平行に掛け渡されている弾性紐上部材の下側で、開いた書籍の下面を吊り支えているため、頁捲りの際には、書籍を下方に押すだけで上側の紐上部材が頁面から離れる。これにより、上側の紐上部材を持ち上げることなく、頁捲りを行なうことができ、片手でも頁捲りをすることが可能になる。さらに、書籍の下面を吊り支えているため、書籍を下方に押した時の反力が、おおよそ一定の弱い力になるように調節される。後に詳しく説明するように、これにより頁捲りの際に1頁のみを捲ることが容易になり、その下側の頁まで同伴されるのを防ぐことができる。
本発明の書見台は、上記の構成に加えて、書籍載置台の地側端部中央付近に地側端面と平行に取り付けられ又は載置された所定幅の帯板状又は角棒状の書籍受け部材を有するものであることが好ましい。これにより、ある程度地側の横桟から離れた位置に、書籍を保持することが可能になる。この書籍受け部材が無いと、書籍と横桟が極端に接近し、分厚い書籍の場合には、弾性紐上部材が急角度で開くことになって、頁抑えや頁捲りをスムーズに行なえない場合が生じるが、この書籍受け部材によって、上記の問題を防止することができる。
また、本発明の書見台は、前記地側横桟の中央の所定幅の部分が切り欠かれているものであってもよい。これにより、頁捲りの際に手や頁捲り用具が横桟に突き当たるのを防止することができ、頁捲りの動作をより容易にすることができる。
さらに、本発明の書見台は、前記地側横桟の地側端面に、又は該端面と天側横桟の天側端面との双方に、前記弾性紐状部材の横ずれを防止するための浅い縦溝が、左右略対象な位置に各1個又は各複数個設けられているものであってもよい。また、この縦溝が、書籍の版サイズに応じて、これを開いた時の左右両側端部の余白に対応する位置に設けられていることが好ましい。このように構成することにより、書見台の利用者は書籍の版サイズに合った縦溝の位置に、弾性紐状部材セットしておけばよく、この部材の位置をその都度調節するという手間を省くことができる。
本発明の頁捲り用具は、上記のいずれかの書見台で用いられるものであって、指先で掴める太さの棒状の把持部と、その先端に取り付けられた軟質材料からなり、紙葉表面と接触させてその摩擦力により紙葉を横方向に動かすための接触部とを備えていることを特徴とする。また、上記の接触部はゴム又は軟質プラスチックスからなり、半球状、先端部が丸みを帯びた円錐状、コーナー部が丸みを帯びた中実若しくは中空の円筒状又は先端側が開口した円管状の先端形状を有するものであってもよい。本発明の書見台においては、この頁捲り用具を用いることにより、指先で行なうよりも、頁捲りをより容易にすることができる。
本発明により、きわめて簡単な構造でありながら、書籍の頁抑えと頁捲りを容易に行なうことができる、操作性の優れた書見台を提供することが可能になった。この書見台においては、書籍の大小、厚薄に応じて、頁抑えの位置を容易に変更し得るとともに、片手でも簡便にかつ1頁ずつ確実に頁捲りを行なうことができる。また、この書見台においては、本発明の頁捲り用具を用いることにより、頁捲りの操作をより容易にすることができる。本発明の書見台及び頁捲り用具は、きわめて安価に製造し得るものである。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の実施例である書見台の斜視図である。この書見台は、書籍載置台1、横桟2a,2b、一対の弾性紐状部材及び書籍受け部材4などを有しており、本実施例では弾性紐状部材としてゴム紐3を用いている。また、本実施例では、書籍載置台1(以下、単に載置台という)は、矩形の木製平板からなり、高さの異なる脚部5a,5bにより前方に適度に傾斜するように構成されている。
横桟2a,2bは、一対のゴム紐3を縦(天地)方向に張り渡すためのもので、載置台1の天側端部及び地側端部付近に、その端面と略平行に設けられている。また、横桟2a,2bは、載置台1の中央寄りに立設された複数の支柱6により、載置台1の表面から所定の高さで、その表面と略平行(水平)になるように支持されている。
天側端部の横桟2aと地側端部の横桟2bの載置台1の表面からの高さは、同程度であることが好ましい。適切な高さは、対象となる書籍の厚さにもよるが、通常は下面が30〜70mm程度の高さであればよい。本実施例では、横桟には丸棒を用いているが、径10〜20mm程度の太さの棒状であればよく、その断面形状をとくに限定する必要はない。ただし、これに掛けたゴム紐3の左右への移動を容易にするために、その断面が角張ったものでないことが好ましい。
横桟の支柱6は、書籍の大きさに合わせてゴム紐3を左右に移動させる時に邪魔にならないように、載置台1の中央寄りにのみ設け、端部付近には設けない。その位置は、最小の書籍例えば文庫本の左右の余白部の幅よりも、やや中央寄りに設けてあればよい。(なお、これとは逆に、横桟の支柱6を載置台1の左右端部付近のみに設け、中央寄りに設けないようにしてもよい。)
また、地側端部の横桟2bは中央付近の所定の幅の部分が切り欠かれている。この切欠きは、頁捲りの動作を容易にするためのものであるが、必ずしも切欠きを設けなくともよい。あるいは、天地の横桟ともにその中央付近に切欠きを設けてもよい。切欠きの幅は、前述した支柱6の位置より内側でなるべく広くすればよい。
一対のゴム紐3は、後述するように、頁抑えを目的とするもので、左右の略対象な位置で、横桟2a,2bに間に掛け渡す。書籍の大きさに対応して、頁抑えの位置を可変にし得るように、ゴム紐3は左右方向に自由に位置を変更し得るように掛け渡されていればよい。本実施例では、断面が円形のゴム紐を用いているが、その断面形状を限定する必要は無く、断面が角形、楕円形や平帯状のものであってもよい。要するに頁抑えに必要な適度な弾力性を持つものであれば良く、その張力が過度にならないような長さのゴム紐を掛け渡せばよい。
書籍受け部材(以下、単に受け部材という)4は、書籍が地側に滑り落ちないようにするためのものとも言えるが、これを設ける真の目的は、ある程度地側の横桟2bから離れた位置に、書籍を保持することにある。この受け部材4が無いと、書籍と横桟2bが極端に接近し、分厚い書籍の場合には、ゴム紐3が急角度で開くことになって、頁抑えや頁捲りをスムーズに行なえない場合が生じるためである。
したがって、受け部材4は、書籍と横桟2bの間に20〜50mm程度の間隔を確保しうるような幅の、長辺が平行な、帯板状又は角棒状の部材であればよく、その長さや厚みは書籍を保持するのに十分なものであればよい。また、この受け部材は、必ずしも載置台1に固定されたものでなくとも、単に載置されただけのものでもよく、書籍の大きさに応じて、幅の異なる受け部材を交換して使用してもよい。
図2は、本実施例の書見台に書籍を置いた状態を示す斜視図である。図に示すように、ゴム紐の上側部分3aは、書籍の見開いた頁の上側を抑え、ゴム紐の下側部分は3bは、書籍の表紙を下側から吊り支えるように、ゴム紐を掛け渡す。これにより、書籍の左右端部側は、ゴム紐3bに吊り支えられて、やや空中に浮いた状態になる(書籍の中央部とくに背表紙の部分は、載置台1で支持される)。このように構成することにより、頁捲りを容易にしたことが本発明のポイントであるが、その詳細は後述する。なお、端部側が空中に浮くといっても、その高さは横桟の高さ以下であるから、読書に支障を来すようなことはない。
また、ゴム紐3aの位置は、見開いた頁の文字部分7を避け、その左右端部側の余白の部分を抑えるようにすればよい。これにより、ゴム紐3aが文字を隠して読書に支障を来すのを避けることができる。ゴム紐の位置は自由に調節できるから、これが左右余白の部分に位置するように調節することに困難さはない。また、通常書籍の左右両側端部には、それぞれ1cm程度以上の幅の余白があるから、ゴム紐3aで確実に頁抑えをすることができる。
図3は、本実施例の書見台において、頁捲りをする際の動作の説明図である。この図は、横書きの書籍(見開いた頁の左から右に頁番号が増す書籍)で、後述するような頁捲り用具を用いた場合を示し、載置台の脚部は図示していない。まず、図3(a)に示すように、頁捲り用具8で、右側の頁を上から矢印Aの方向に押す。そうすると、ゴム紐が伸びて宙に浮いている書籍の端部側は矢印Bの方向に下降する。ゴム紐の上側部分3aは、天地の横桟2a,2bで引張られているから、ゴム紐3aは書籍から離れた状態になる。この状態で、頁捲り用具8を矢印Cの方向に動かせば、右側の頁は捲られた状態になる。
その際に、頁捲りを容易にし、かつ1頁のみを確実に捲れるようにするために、頁捲り用具8を用いるのであるが、その作用効果については後述する。つづいて、図3(b)に示すように、捲られた頁を左側に倒し、倒れた頁の上から頁捲り用具8を矢印Dの方向に押す。ゴム紐が伸びて書籍の端部側が矢印Eの方向に下降して、ゴム紐3aが書籍から離れた状態になるのは前述と同じである。この状態で、頁捲り用具8を矢印Fの方向に動かして、捲られた頁を左側の頁の上に重ねることができる。なお、頁捲り用具8に替えて、指先を用いて上記の頁捲りをすることも可能である。
上記の動作において、頁捲り用具8は片手の指先のみで掴むことができるので、片手のみを使って頁捲りをすることができる。従来のゴム紐による頁抑えでは、片手でゴム紐を持ち上げ、他方の手で頁捲りをするというように、両手を使う必要があったのに対して、書籍の両側端部を上下のゴム紐3a,3bの間に挟んで支持することにより、ゴム紐を持ち上げるという動作を不要にしたことが、本発明におけるゴム紐の作用の第一のポイントである。
また、ゴム紐の作用の第二のポイントは、頁捲り用具8(又は指先)で頁を押した時の反力が、ほぼ一定の弱い力になるように調節する機能があることである。これにより、頁捲り用具8(又は指先)を横にずらして頁を捲る際に、下側の頁まで一緒に捲れることを防止することができる。
以下、図を用いて、このゴム紐の作用について説明する。図4に見られるように、頁捲り用具8の先端に対する書籍からの反力Rは、ゴム紐にかかっている張力をT、下側ゴム紐3bの端部付近(横桟付近)の傾斜部分と頁面との傾角をθとして、R=Tsinθで表される。ゴム紐の張力Tは、おおよそその伸びに比例するが、少々書籍を下方に押しても、あるいは書籍の大きさや厚みが少々変わっても、ゴム紐の長さの変化率は僅かである。そのため、張力Tの変化率ΔT/Tも小さく、反力Rはおおよそ一定に保たれる。また、θの値も小さいから、反力Rは張力Tよりも大幅に小さく、「反力がほぼ一定の弱い力になるように調節する」という機能が発揮されることになる。
次ぎに、頁捲りの際に、見開き部分の1頁のみを捲って、下側の頁が同伴されるのを防ぐために必要な要件について説明する。見開き頁を横に動かす時の駆動力は、頁捲り用具8(又は指先)と頁表面との摩擦力F1である。また、見開き頁の下側の頁を動かす駆動力は、見開き頁の下面とその下側の頁の上面との摩擦力F2である。したがって、F1はある程度の大きさになるようにし、F2をなるべく小さくすることが好ましい。本発明者の知見によれば、2枚の紙葉間の摩擦係数は、押付け力が弱いときは、比較的小さいが、押付け力があるレベルを超すと、紙表面の凹凸が噛み合って、急激に摩擦力が大きくなる。したがって、前述の反力Rは弱い力であることが好ましい。
一方、2枚の紙葉間の摩擦力F2は、押付け時の接触面積Aに比例するから、先端の面積の小さなもので押し付けることが好ましい(ただし、過度に接触面積が小さいと紙葉表面に凹みが生じて好ましくない場合がある)。一方、RとAがともに小さいと、頁捲り用具8(又は指先)と頁表面との摩擦力F1も小さくなって、見開き頁を横に動かすことが難しくなるので、頁捲り用具8(又は指先)の先端に摩擦係数の大きな材料を用いる必要が生じてくる。指先で頁捲りをするよりも、頁捲り用具8を用いる方が望ましい理由は、上記のような機構によるものと推測される。
本発明の頁捲り用具は、指先で掴める程度の太さの棒状の把持部と、その先端に取り付けられた軟質材料からなり、紙葉表面と接触させてその摩擦力により紙葉を横方向に動かすための接触部とを備えているものである。図5は、本発明の頁捲り用具の接触部の形状の例を示す図である。接触部9の先端形状は、図5(a)に示すように半球状でも、図5(b)に示すように先端が丸みを帯びた円錐状でも、図5(c)に示すようにコーナー部が丸みを帯びた円筒状でも(中実円筒でも中空円筒でもよい)、或いは図5(d)に示すように先端が開口した円管状でもよい。
接触部9に用いる軟質材料としては、ゴム又は軟質プラスチックスが好適である。その先端が過度に尖っていると、紙葉と接触した時に凹みを生じて好ましくないので、ある程度丸みを帯びている必要がある。接触部9を軽く紙葉に押し当てた時に、接触面積が数平方mm程度になるような形状と変形性を有するものであることが好ましい。
また、接触部9の先端は、ある程度の摩擦係数を有するものであることが好ましく、ゴムや軟質プラスチックスをそのまま使用できる場合もあるが、その表面に若干の粗面加工を施して、消しゴム程度の粗度にした方が好ましい場合もある。また、先の図5(d)に示す形状で、接触部9に軟質プラスチックス又は生ゴムのチューブを用いたものは、円筒部先端の変形性がよく、紙葉表面と適度な摩擦力が生じて、本発明の書見台に用いる頁捲り用具として好適である。
なお、頁捲り用具の把持部10は、指先で掴める程度の太さの棒状部材であればよく、例えば太さ5〜10mm程度、長さ100〜200mm程度のものであればよい。その材質も、木材、金属、硬質プラスチックス等のいずれであってもよい。また、断面形状も、円形、楕円形、多角形(6角や8角)、丸みを帯びた方形等、指先で掴み易い形状であればとくに限定を要しない。さらに、把持部10に接触部9を取り付ける方法もとくに限定を要しない
図6は、本発明の第二の実施例である書見台の図で、図6(a)は、この書見台の左半分の部分斜視図、図6(b)は、図6(a)のA部の拡大図である。この書見台も、載置台1、天地の横桟2a,2b、受け部材4の構造や、ゴム紐3a,3の使い方等は、図1の書見台の場合と同様である。相違点は、横桟2bの地側端面に、ゴム紐3の横ずれを防止するための浅い縦溝11が、左右対象な位置に各複数個形成されていることである。なお、図には表れていないが、横桟2aの天側端面の対応する位置にも同様の浅い溝が形成されている。
この浅い縦溝11は、ゴム紐3の横ずれを防止するという目的のみであれば、任意の位置に多数個設けてもよいが、書籍の大きさに応じて、これを見開いた時の左右両端部の余白に対応する位置に設けられていることが好ましい。書籍の版サイズは規格化されているから、上記の余白は書籍の版サイズにより、ほぼ一定の位置となる。したがって、A4,B5,A5等の版サイズに対応する余白の位置に、浅い縦溝11を設けておけばよい。これにより、ゴム紐3の位置をその都度調節するという手間を省くことができる。なお、書籍の厚さにより、適切な抑え位置が若干変わることがあるので、浅い縦溝11をやや広目にして、溝内でゴム紐の位置を変えられるようにしておけばよい。また、この浅い縦溝は必ずしも天地両側にもうける必要はなく、地側横桟2bにのみ設けてもよい。
本発明において、書見台の構造は、この実施例のものに限られない。例えば、載置台1は平板でなく、中央に背表紙の部分が入る縦溝を設けたり、左右両側をやや高く中央を低くして傾斜を付けてもよい。また、載置台1の前方への傾斜角が可変になるように、角度調節機構を有するものであってもよい。かかる角度調節機構は従来から多数提案されているので、これを応用すればよい。また、載置台1をアームに取り付けて、書籍載置面が下方を向くようにすれば、仰向きに横臥した状態で読書することもできる。
頁抑えを目的とする弾性紐状部材は、ゴム紐に限定する必要はなく、例えば全長に亘ってコイル状のスプリングを用いてもよく、一部のみコイル状のスプリングで他の部分は可撓性の紐からなるものであってもよい。要は、所定の張力を確保し得るリング状の弾性部材で、天地の横桟に掛け渡せる柔軟性のあるものであればよい。また、横桟の支持方法、受け部材の形状、支持方法や頁抑え用具の構成等も、本実施例の構成や前記の説明の範囲のみに限定する必要は無く、本発明の所期の目的を達成できるものであればよい。
本発明の書見台や頁捲り用具を用いれば、手を使うことなく書籍の保持と頁抑えをすることができ、片手の簡単な操作で頁捲りをすることができる。そのため、片手の使えない人や手に軽度の運動障害がある人でも読書を楽しむことができ、本発明は福祉用具の提供という意味でも有意義である。
本発明の一実施例である書見台の斜視図である。 本実施例の書見台に書籍を置いた状態を示す斜視図である。 本実施例の書見台において頁捲りをする際の動作の説明図である。 本実施例の書見台におけるゴム紐の作用の説明図である。 本発明の頁捲り用具の接触部の形状の例を示す図である。 本発明の第二の実施例である書見台の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 書籍載置台
2 横桟
2a 天側横桟
2b 地側横桟
3 ゴム紐
3a ゴム紐の上側部分
3b ゴム紐の下側部分
4 書籍受け部材
5a,5b 書籍載置台の脚部
6 横桟の支柱
7 開いた頁の文字部分
8 頁捲り用具
9 接触部
10 把持部
11 縦溝

Claims (7)

  1. 開いた書籍を載置しうる大きさの書籍載置台と、
    該書籍載置台の天側及び地側端面付近に、これと略平行にかつ書籍載置台表面から所定の高さになるように支柱により支持された天側及び地側の横桟と、
    この両横桟の左右の位置において、それぞれ天地の横桟間に縦方向に掛け渡され、該横桟の左右方向に移動可能な一対のリング状の弾性紐状部材とを備え、
    前記書籍載置台上の開いた書籍の左右両側の端部付近を、それぞれ上下平行に掛け渡されている前記一対の紐状部材の間に挟むように挿入した時に、
    該上下の紐状部材の下側が書籍下面を吊り支え、その上側が開いた頁の頁抑えをするように構成されていることを特徴とする書見台。
  2. 請求項1記載の構成に加えて、前記書籍載置台の地側端部中央付近に地側端面と平行に取り付けられ又は載置された所定幅の帯板状又は角棒状の書籍受け部材を有することを特徴とする書見台。
  3. 前記地側横桟の中央の所定幅の部分が切り欠かれていることを特徴とする請求項1又は2記載の書見台。
  4. 前記地側横桟の地側端面に、又は該端面と天側横桟の天側端面との双方に、前記弾性紐状部材の横ずれを防止するための浅い縦溝が、左右略対象な位置に、各1個又は各複数個設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の書見台。
  5. 前記縦溝が、書籍の版サイズに応じて、これを開いた時の左右両側端部の余白に対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項4記載の書見台。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の書見台で用いられる頁捲り用具であって、指先で掴める太さの棒状の把持部と、その先端に取り付けられた軟質材料からなり、紙葉表面と接触させてその摩擦力により紙葉を横方向に動かすための接触部とを備えていることを特徴とする頁捲り用具。
  7. 前記接触部が、ゴム又は軟質プラスチックスからなり、その形状が半球状、先端部が丸みを帯びた円錐状、コーナー部が丸みを帯びた中実若しくは中空の円筒状又は先端側が開口した円管状である請求項6記載の頁捲り用具。
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