JP2005093081A - 発電ユニット及びこれを備えた燃料電池組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池において、発電の遂行に応じて、セルの各々は漸次劣化され、所定期間経過後に新しいものに交換する必要がある。この交換作業を簡潔にできる燃料電池組立体を提供する。
【解決手段】セルスタック及び改質ケースと共に改質された燃料ガスが改質ケースから送給されるガス燃料室59a、59b、59c及び59dを規定する燃料ガスケース58a、58b、58c及び58dを発電ユニット56a、56b、56c及び56dとして構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電ユニット及び複数個の発電ユニットを備えた燃料電池組立体、更に詳しくは固体電解質型燃料電池発電システムの如き燃料電池発電システムの構成に好適に使用される、発電ユニット及び燃料電池組立体に関する。
次世代エネルギーとして、近年、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型及び個体電解質型等の種々の型の燃料電池発電システムが提案されている。特に、固体電解質型燃料電池発電システムは、作動温度が1000℃と高いが、発電効率が高い、排熱利用が可能である等の利点を有しており、研究開発が推し進められている。
燃料電池発電システムの典型例においては、下記特許文献1に開始されている如く、発電・燃焼室を規定するハウジングとこのハウジング内に配設されたセルスタックとを含む燃料電池組立体が装備されている。かかる燃料電池組立体には、セルスタックに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給手段、セルスタックに酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給手段、及び発電・燃焼室から燃焼ガスを排出するための燃焼ガス排出手段も付設されている。燃料ガス供給手段は、被改質ガス(即ち都市ガス等の炭化水素ガス)を水素リッチな燃料ガスに改質するための改質手段を含んでおり、この改質手段は所要触媒を収容した改質ケースを有する。かような燃料電池組立体においては、発電が行われる際には発電・燃焼室内は1000℃程度の高温にせしめられ、改質された水素リッチな燃料ガスと空気でよい酸素含有ガスがセルスタックを構成する複数個のセルの各々に供給され、セルにて所要発電反応が生成されて発電される。発電に供せられなかった燃料ガス及び酸素含有ガスは発電・燃焼室内にて燃焼される。
特開2000−149976号公報
而して、上述したとおりの燃料電池組立体において、発電・燃焼室内に配設されたセルスタックにおけるセルの各々は、発電の遂行に応じて漸次劣化され、従って所定期間発電を遂行した後にはセルスタックを新しいものに交換する必要がある。そしてまた、改質ケース内に収容された触媒による改質作用は高温下で遂行することが必要である故に、改質ケースもセススタックと同様に発電・燃焼室内に配設することが望まれるが、改質ケース内に収容されている触媒も改質作用の遂行に応じて漸次劣化され、従って所定期間発電を遂行した後には新しいものに交換することが必要である。然るに、従来の燃料電池組立体においては、発電・燃焼室内に配設されたセルスタックの交換作業、及び改質ケース内に収容された触媒の交換作業に特に配慮が払われておらず、これらの作業は著しく煩雑なものであった。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、燃料電池組立体の発電・燃焼室内に配設されたセルスタックの交換作業、そしてまた同様に発電・燃焼室内に配設された改質ケース内の触媒の交換作業を簡潔に遂行することができるように改良することである。
本発明者等は、鋭意研究の結果、セルスタック及び改質ケースと共に改質された燃料ガスが改質ケースから送給されるガス燃料室を規定する燃料ガスケースを発電ユニットとして構成することによって、上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
即ち、本発明の一局面によれば、上記主たる技術的課題を達成するための発電ユニットとして、燃料ガス室を規定している燃料ガスケースと、該燃料ガスケースの一面に配列された複数個のセルから構成されたセルスタックと、改質ケースと、該改質ケースに接続された被改質ガスガス供給管と、該改質ケースと該燃料ガスケースとを接続している燃料ガス送給管とを具備し、該燃料ガスケース内の燃料ガスが該セルに供給される、ことを特徴とする発電ユニットが提供される。
本発明の他の局面によれば、上記主たる技術的課題を達成する燃料電池組立体として、発電・燃焼室を規定するハウジングと、該発電・燃焼室内に並列配置された複数個の発電ユニットとを備え、
該発電ユニットの各々は、燃料ガス室を規定している燃料ガスケースと、該燃料ガスケースの一面に配列された複数個のセルから構成されたセルスタックと、改質ケースと、該改質ケースに接続された被改質ガス供給管と、該改質ケースと該燃料ガスケースとを接続している燃料ガス送給管とを具備し、該燃料ガスケース内の燃料ガスが該セルに供給される、
ことを特徴とする燃料電池組立体が提供される。
該複数個のセルは該燃料ガスケースの上面上に直列せしめて配列されており、該改質ケースは該セルスタックの上方に配置されているのが好ましい。該燃料ガスケースは細長く延在する直方体形状であり、該セルは該燃料ガスケースの長手方向に縦列配置されているのが好適である。該改質ケースは該セルスタックの上方を該燃料ガスケースに沿って細長く延在せしめられており、該燃料ガス供給管は該改質ケースの片端部に接続され、該燃料ガス送給管は該改質ケースの他端部側にて該改質ケースと該燃料ガスケースとを接続しているのが好ましい。
本発明の発電ユニットを備えた燃料電池組立体においては、セルスタックを交換することが必要になった場合には、発電・燃焼室から発電ユニットを取り出し、発電ユニット全体を或いはセルスタックのみを新しいものに交換し、しかる後に発電・燃焼室内に発電ユニットを装填すればよい。改質ケース内の触媒を交換することが必要になった場合にも、発電・燃焼室から発電ユニットを取り出し、改質ケース内の触媒を新しいものに交換し、しかる後に発電・燃焼室内に発電ユニットを装填すればよい。発電ユニットはユニット即ち単一構造体として構成されている故に、発電・燃焼室からの取り出し及び発電・燃焼室内への装填は充分容易に遂行することができる。
以下、本発明に従って構成された発電ユニット及びこれを使用した燃料電池組立体を図示している添付図面を参照して、更に詳述する。
図1及び図2を参照して説明すると、図示の燃料電池組立体は略直方体形状でよいハウジング2を具備している。このハウジング2の6個の壁面には適宜の断熱材料から形成された断熱壁、即ち上断熱壁4、下断熱壁6、右側断熱壁8、左側断熱壁10、前断熱壁(図示していない)及び後断熱壁(図示していない)が配設されている。ハウジング2内には発電・燃焼室12が規定されている。前断熱壁及び/又は後断熱壁は着脱自在或いは開閉自在に装着されており、前断熱壁及び/又は後断熱壁を離脱或いは開動せしめることによって発電・燃焼室12内にアクセスすることができる。所望ならば、各断熱壁の外面に金属板製でよい外壁を配設することができる。
ハウジング2内の下端部には下部ガス室14が配置され、上端部には上部ガス室16が配設されている。下部ガス室14は上下方向寸法が比較的小さい直方体形状のケース15内に規定されており、同様に上部ガス室16も上下方向寸法が比較的小さい直方体形状のケース17内に規定されている。ハウジング2内の左右両側部には上下方向に延在する連通ガス室18が配設されている。かかる連通ガス室18は横方向(図1において左右方向)寸法が比較的小さい直方体形状のケース19内に規定されている。連通ガス室18の各々の上面には前後方向に間隔をおいて3個の連通筒20が付設されており、かかる連通筒20を介して連通ガス室18の各々が上部ガス室16の下面両側部に連通されている。連通ガス室18の各々の下端部内側は下部ガス室14の両側面に直接的に連結されている。従って、上部ガス室16の両側部は連通ガス室18を介して下部ガス室14の両側部に連通せしめられている。下部ガス室14の上面には横方向(図1において左右方向)に間隔をおいて上方に突出する5個の中空ガス噴出板22が配設されている。かかるガス噴出板22の下端は下部ガス室14内に連通せしめられており、上部にはガス噴出孔(図示していない)が形成されている。
ハウジング2の両側部、更に詳しくは右側断熱壁8の内側及び左側断熱壁10の内側には、全体として平板形状である熱交換器24が配設されている。熱交換器24の各々は実質上鉛直に延在する中空平板形態のケース26から構成されている。かかるケース26内にはその横方向中間に位置する仕切板28が配設されており、ケース26内は内側に位置する排出路30と外側に位置する流入路32とに区画されている。排出路30内には上下方向に間隔をおいて5枚の仕切壁34及び36が配置されている。更に詳述すると、排出路30内には、その前縁はケース26の前壁(図示していない)から後方に離隔して位置するがその後縁はケース26の後壁(図示していない)に接続されている形態の仕切壁34と、その前縁はケース26の前壁に接続されているがその後縁はケース26の後壁から前方に離隔して位置せしめられている仕切壁36とが交互に配置されており、かくして燃焼ガス排出路30はジグザグ形態にせしめられている。同様に、流入路32内にも上下方向に間隔をおいて5枚の仕切壁38及び40、即ちその前縁はケース26の前壁(図示していない)から後方に離隔して位置するがその後縁はケース26の後壁(図示していない)に接続されている形態の仕切壁38と、その前縁はケース26の前壁に接続されているがその後縁はケース26の後壁から前方に離隔して位置せしめられている仕切壁40とが交互に配置されており、かくして流入路32もジグザグ形態にせしめられている。ケース26の内側壁の上端部には排出開口42が形成されており、排出路30は排出開口42を介して発電・燃焼室12と連通せしめられている。図示の実施形態においては、熱交換器24の各々と上記連通ガス室18との間及び連通ガス室18の内面にも断熱部材44及び46が配設されているが、かかる断熱部材44及び46の上端は排出開口42の下縁と実質上同高乃至これより幾分下方に位置せしめられており、排出開口42は断熱部材44及び46の上方に残留せしめられている空間並びに連通ガス室18の上端に配設された3個の連通筒20間の空間を通して発電・燃焼室12に連通せしめられている。ケース26の上壁における外側部には流入開口48が形成されており、流入路32はかかる流入開口48を介して上部ガス室16に連通せしめられている。熱交換器24の各々の後方には上下方向に細長く延びる二重筒体50(図1にその上端部のみを図示している)が配設されており、かかる二重筒体50は外側筒部材52と内側筒部材54とから構成されている。排出路30の下端部は外側筒部材52と内側筒部材54との間に規定されている排出路の下端部に接続されており、流入路32の下端部は内側筒部材54内に規定されている流入路に接続されている。
而して、図示の燃料電池組立体における上述したとおりの構成は、本出願人の出願にかかる特願2003−295790の明細書及び図面に開示されている燃料電池組立体と実質上同一でるので、上述した構成の詳細については上記特願2003−295790の明細書及び図面に委ね、本明細書においては説明を省略する。
上述した下部ガス室14の上面上には4個の発電ユニット56a、56b、56c及び56dが配置されている。発電ユニット56a、56b、56c及び56dは、夫々、上述したガス噴出板22間に位置せしめられている。図1及び図2と共に、図3を参照して説明を続けると、発電ユニット56aは前後方向(図1において紙面に垂直な方向)に細長く延びる直方体形状の燃料ガスケース58aを具備している。燃料ガス室59aを規定している燃料ガスケース58aの上面上にはセルスタック60aが装着されている。セルスタック60aは上下方向に細長く延びる直立セル62を燃料ガスケース58aの長手方向(即ち前後方向)に複数個縦列配置して構成されている。図4に明確に図示する如く、セル62の各々は電極支持基板64、内側電極層である燃料極層66、固体電解質層68、外側電極層である酸素極層70、及びインターコネクタ72から構成されている。
電極支持基板64は上下方向に細長く延びる板状片であり、平坦な両面と半円形状の両側面を有する。電極支持基板64にはこれを鉛直方向に貫通する複数個(図示の場合は4個)の燃料ガス通路74が形成されている。電極支持基板64の各々は燃料ガスケース58aの上壁上に、例えば耐熱性に優れたセラミック接着剤によって接合される。燃料ガスケース58aの上壁には図1において紙面に垂直な方向に間隔をおいて左右方向に延びる複数個のスリット(図示していない)が形成されており、電極支持基板64の各々に形成されている燃料ガス通路74がスリットの各々に、従って燃料ガス室59aに連通せしめられる。
インターコネクタ72は電極支持基板64の片面(図4のセルスタック60aにおいて上面)上に配設されている。燃料極層66は電極支持基板64の他面(図4のセルスタック60aにおいて下面)及び両側面に配設されており、その両端はインターコネクタ72の両端に接合せしめられている。固体電解質層68は燃料極層66の全体を覆うように配設され、その両端はインターコネクタ72の両端に接合せしめられている。酸素極層70は、固体電解質層68の主部上、即ち電極支持基板64の他面を覆う部分上、に配置され、電極支持基板板64を挟んでインターコネクタ72に対向して位置せしめられている。
セルスタック60aにおける隣接するセル62間には集電部材76が配設されており、一方のセル62のインターコネクタ72と他方のセル62の酸素極層70とを接続している。セルスタック60aの両端、即ち図4において上端及び下端に位置するセル62の片面及び他面にも集電部材76が配設されている。セルスタック60aの両端に位置する終電部材76には電力取出手段(図示していない)が接続されており、かかる電力取出手段はハウジング2の前壁(図示していない)及び/又は後壁(図示していない)を通してハウジング2外に延在せしめられている。所望ならば、セルスタック60a、60b、60c及び60dの各々に電力取出手段を配設することに代えて、適宜の接続手段によってセルスタック60a、60b、60c及び60dを相互に直列接続し、4個のセルスタック60a、60b、60c及び60dに関して共通の電力取出手段を配設することもできる。
セル62について更に詳述すると、電極支持基板64は燃料ガスを燃料極層66まで透過させるためにガス透過性であること、そしてまたインターコネクタ72を介して集電するために導電性であることが要求され、かかる要求を満足する多孔質の導電性セラミック(若しくはサーメット)から形成することができる。燃料極層66及び/又は固体電解質層70との同時焼成により電極支持基板64を製造するためには、鉄属金属成分と特定希土類酸化物とから電極支持基板64を形成することが好ましい。所要ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35乃至50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は300S/cm以上、特に440C/cm以上であるのが好ましい。燃料極層66は多孔質の導電性セラミック、例えば希土類元素が固溶しているZrO(安定化ジルコニアを称されている)とNi及び/又はNiOとから形成することができる。固体電解質層68は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有するものであることが必要であり、通常、3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrOから形成されている。酸素極層70は所謂ABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電セラミックから形成することができる。酸素極層70はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30内50%の範囲にあることが好ましい。インターコネクタ72は導電性セラミックから形成することができるが、水素ガスでよい燃料ガス及び空気でよい酸素含有ガスと接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、このためにランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が好適に使用される。インターコネクト72は電極支持基板64に形成された燃料ガス通路74を通る燃料ガス及び電極支持基板64の外側を流動する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが望まれる。集電部材76は弾性を有する金属又は合金から形成された適宜の形状の部材或いは金属繊維又は合金繊維から成るフェルトに所要表面処理を加えた部材から構成することができる。
図1乃至図3を参照して説明を続けると、発電ユニット56aは、セルスタック60aの上方を前後方向に細長く延びる長方体形状(或いは円筒形状)であるのが好都合である改質ケース78aも具備している。改質ケース78aの前端部下面には燃料ガス送給管80aの一端即ち上端が接続されている。燃料ガス送給管80aは下方に延び、次いで湾曲して後方に延び、燃料ガス送給管80aの他端は上記燃料ガスケース58aの前面に接続されている。改質ケース78aの後面には被改質ガス供給管82aの一端が接続されている。被改質ガス供給管82aは実質上水平に延び、ハウジング2の後壁(図示していない)を通ってハウジング2外に延出している。被改質ガス供給管82aは都市ガス等の炭化水素ガスでよい被改質ガス供給源(図示していない)に接続されており、被改質ガス供給管82aを介して改質ケース78aに被改質ガスが供給される。改質ケース78a内には燃料ガスを水素リッチな燃料ガスに改質するための適宜の改質触媒が収容されている。図示の実施形態においては、改質ケース78aは燃料ガス送給管80aを介して燃料ガスケース58aに接続され、これによって所要位置に保持されているが、所要ならば、図3に二点鎖線で図示する如く、例えば上記被改質ガス供給管82aの下面と燃料ガスケース58aの後端部上面或いは後面との間に適宜の支持部材84aを付設することもできる。
発電ユニット56cは上述した発電ユニット56aと実質上同一である。発電ユニット56b及び56dは、発電ユニット56a及び56cに対して前後方向が逆に配置されていること、従って改質ケース78b及び78dと燃料ガスケース58b及び58dとを接続する燃料ガス送給管(図示していない)が後側に配置され、被改質ガス供給管82b及び82dが改質ケース78b及び78dの前面からハウジング2の前壁(図示していない)を通って延出せしめられていることを除いて発電ユニット56a及び56cと同一である。発電ユニット56a、56b、56c及び56dの各々は、図1及び図2を参照することによって明確に理解されるとおり、ガス噴射板22間にて下部ガス室14を規定するケース15の上面上に載置され、ボルトの如き適宜の固定手段(図示していない)によって所定位置に固定される。
上述したとおりの燃料電池組立体においては、被改質ガスが被改質ガス供給管(図2に2本の被改質ガス供給管82b及び828dを図示し、図3に1本の被改質ガス供給管82aを図示している)を介して改質ケース78a、78b、78c及び78dに供給され、改質ケース78a、78b、78c及び78d内において水素リッチな燃料ガスに改質された後に、燃料ガス送給管(図2に2本の燃料ガス送給管80a及び80cを図示している)を通して燃料ガスケース58a、58b、58c及び58d内に規定されている燃料ガス室59a、59b、59c及び59dに供給され、次いでセルスタック60a、60b、60c及び60dに供給される。一方、空気でよい酸素含有ガスは二重筒体50の内側筒部材54内に規定されている流入路を通して熱交換器24の流入路32に供給され、次いで上部ガス室16及び連通ガス室18を通して下部ガス室14に供給され、そしてガス噴出板22の噴出孔からセルスタック60a、60b、60c及び60dに向けて噴射される。セルスタック60a、60b、60c及び60dの各々においては、酸素極において、
1/2O+2e→O2−(固体電解質)
の電極反応が生成され、燃料極において、
2−(固体電解質)+H→HO+2e
の電極反応が生成されて発電される。発電に使用されることなくセルスタック60a、60b、60c及び60dから上方に流動した燃料ガス及び酸素含有ガスは、起動時に発電・燃焼室12内に配設されている点火手段(図示していない)によって点火されて燃焼される。周知の如く、セルスタック60a、60b、60c及び60dにおける発電に起因して、そしてまた燃料ガスと酸素含有ガスとの燃焼に起因して発電・燃焼室12内は例えば1000℃程度の高温になる。改質ケース78a、78b、78c及び78dは発電・燃焼室12内に配設され、セルスタック60a、60b、60c及び60dの直ぐ上方に位置せしめられており、燃焼炎によって直接的にも加熱され、かくして発電・燃焼室12内に生成される高温が被改質ガスの改質に効果的に利用される。
発電・燃焼室12内に生成された燃焼ガスは熱交換器24に形成されている排出開口42から排出路30に流入し、ジグザグ状に延在する排出路30を流動した後に二重筒体50の外側筒部材52と内側筒部材54との間に規定されている排出路を通して排出される。燃焼ガスが二重筒体50における排出路を流動する際には、二重筒体50における流入路を酸素含有ガスが流動し、燃焼ガスと酸素含有ガスとの間で熱交換が行われる。そしてまた、燃焼ガスが熱交換器24の排出路30をジグザグ状に流動せしめられる際には、酸素含有ガスが熱交換器24の流入路32をジグザグ状に流動せしめられる。かくして燃焼ガスと酸素含有ガスとの間で効果的に熱交換されて酸素含有ガスが余熱される。酸素含有ガスは上部ガス室16、連通ガス室18及び下部ガス室14を通る際にも発電・燃焼室12内の高温によって加熱される。
長期間に渡って発電を遂行することによってセルスタック60a、60b、60c及び60dの一部或いは全部が劣化した場合には、ハウジング2の前壁(図示していない)或いは後壁(図示していない)を離脱或いは開動せしめ、発電ユニット56a、56b、56c及び56dの一部或いは全部をハウジング2内から取り出す。そして、発電ユニット56a、56b、56c及び56dの一部或いは全部を新しいものに交換して、或いは発電ユニット56a、56b、56c及び56dの一部或いは全部におけるセルスタック60a、60b、60c及び60dのみを新しいものに交換して、再びハウジング2内の所要位置に装着すればよい。発電ユニット56a、56b、56c及び56dの一部アルい刃全部における改質ケース78a、78b、78c及び78d内に収容されている改質触媒を交換することが必要な場合にも、発電ユニット56a、56b、56c及び56dの一部或いは全部をハウジング2内から取り出し、発電ユニット56a、56b、56c及び56dの一部或いは全部における改質ケース78a、78b、78c及び78d自体を新しいものに或いは改質ケース78a、78b、78c及び78d内の改質触媒のみを新しいものに交換すればよい。改質ケース78a、78b、78c及び78d内の改質触媒の交換を充分容易に遂行し得るようになすために、所望ならば改質ケース78a、78b、78c及び78dの一部を開閉自在な扉にせしめることができる。
以上、添付図面を参照して本発明の好適実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言するまでもない。例えば、特定の熱交換器を備えた略直方体のハウジングを備えた燃料電池組立体に関連せしめて本発明を説明したが、本出願人の出願にかかる特願2000−292234の明細書及び図面に開示されている多重筒状体から構成されたハウジングの如き他の適宜の形態のハウジングを備えた燃料電池組立体にも本発明を適用することができる。
本発明に従って構成された燃料電池組立体の好適実施形態を示す断面図。 図1の燃料電池組立体を、一部を省略して示す斜面図。 図1の燃料電池組立体に使用されている、本発明に従って構成された発電ユニットの好適実施形態を示す斜面図。 図3の発電ユニットにおけるセルスタックを示す断面図。
符号の説明
2:ハウジング
12:発電・燃焼室
56a、56b、56c及び56d:発電ユニット
58a、68b、58c及び58d:燃料ガスケース
60a、60b、60c及び60d:セルスタック
78a、78b、78c及び78d:改質ケース
80a及び80c:燃料ガス送給管
82a、82b及び82d:燃料ガス供給管

Claims (8)

  1. 燃料ガス室を規定している燃料ガスケースと、該燃料ガスケースの一面に配列された複数個のセルから構成されたセルスタックと、改質ケースと、該改質ケースに接続された被改質ガス供給管と、該改質ケースと該燃料ガスケースとを接続している燃料ガス送給管とを具備し、該燃料ガスケース内の燃料ガスが該セルに供給される、ことを特徴とする発電ユニット。
  2. 該複数個のセルは該燃料ガスケースの上面上に直立せしめて配列されており、該改質ケースは該セルスタックの上方に配置されている、請求項1記載の発電ユニット。
  3. 該燃料ガスケースは細長く延在する直方体形状であり、該セルは該燃料ガスケースの長手方向に縦列配置されている、請求項1又は2記載の発電ユニット。
  4. 該改質ケースは該セルスタックの上方を該燃料ガスケースに沿って細長く延在せしめられており、該被改質ガス供給管は該改質ケースの片端部に接続され、該燃料ガス送給管は該改質ケースの他端部側にて該改質ケースと該燃料ガスケースとを接続している、請求項1から3までのいずれかに記載の発電ユニット。
  5. 発電・燃焼室を規定するハウジングと、該発電・燃焼室内に並列配置された複数個の発電ユニットとを備え、
    該発電ユニットの各々は、燃料ガス室を規定している燃料ガスケースと、該燃料ガスケースの一面に配列された複数個のセルから構成されたセルスタックと、改質ケースと、該改質ケースに接続された被改質ガス供給管と、該改質ケースと該燃料ガスケースとを接続している燃料ガス送給管とを具備し、該燃料ガスケース内の燃料ガスが該セルに供給される、
    ことを特徴とする燃料電池組立体。
  6. 該複数個のセルは該燃料ガスケースの上面上に直立せしめて配列されており、該改質ケースは該セルスタックの上方に配置されている、請求項5記載の燃料電池組立体。
  7. 該発電ユニットの各々において、該燃料ガスケースは細長く延在する直方体形状であり、該セルは該燃料ガスケースの長手方向に縦列配置されている、請求項5又は6記載の燃料電池組立体。
  8. 該発電ユニットの各々において、該改質ケースは該セルスタックの上方を該燃料ガスケースに沿って細長く延在せしめられており、該改質ガス供給管は該改質ケースの片端部に接続され、該燃料ガス送給管は該改質ケースの他端部側にて該改質ケースと該燃料ガスケースとを接続している、請求項5から7までのいずれかに記載の燃料電池組立体。
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