JP2005091882A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、画像形成装置に関し、特に、トナー層厚が一定量以上にならず、中抜け等の転写不良が発生しないような潜像分布を形成可能な画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた画像形成装置において、高画質化が要求されており、高解像度の画像が要求されてきている。ここで、解像度とは、どの程度細かく画像を表現できるかを表す指標であり、単位長(インチ)当りの描画ドット数dpi(dots/inch)で表され、露光走査方向の解像度(以下、主走査方向とする)*像担持体進行方向(副走査方向)の解像度で記載されることもある。近年、600dpi、1200dpi、さらに2400dpiへと高画質化が進む方向にある。
このような高解像度画像を実現するための手段として、静電潜像坦持体に対して静電潜像を書き込むビームのパルス幅やパワーを制御するか、もしくはビーム径(スポット径)を小さく絞る方法が用いられている。
また、高解像度画像で高濃度を得るための手段としては、ビームのパルス幅やパワーを最大値に設定し、現像バイアスVbと明電位VLとの差である現像ポテンシャルを最大にする方法がとられている。
また、高解像度画像で高濃度を得るための手段としては、ビームのパルス幅やパワーを最大値に設定し、現像バイアスVbと明電位VLとの差である現像ポテンシャルを最大にする方法がとられている。
特許文献1には、露光,帯電,現像バイアスの設定量を変化させることにより、濃度および細線の再現性を向上させる画像形成装置が提案されている。この特許文献1によれば、まず最初に入力された画像信号に対して最適な画像濃度を得るための作像条件(プロセス条件)を決定し、その後、最適濃度を決定するために設定した作像条件は変更しないで、他の作像条件を細線再現性が最適となるように設定するようになっている。
しかし、1200dpi以上の高解像度になってくると、ビームのスポット径を絞ることが大きな課題となっていたため、例えば、特許文献2の提案ように、ビーム径を絞ることなく、解像性を維持しつつ、画像濃度を最大確保できるよう、感光体特性に応じて露光エネルギーを規定するような例がある。
また、実際には階調性を向上させるために露光エネルギーを可変させるPM(Power Modulate)変調,PWM(Power Wide Modulate)変調等が行われている。
しかし、現在では特許文献3等に記載されているように、良好な小径の光スポットを得られるようになりつつある。
特開平6-51599号公報
特開2002-14525号公報
特開2000-187172号公報
しかし、現在では特許文献3等に記載されているように、良好な小径の光スポットを得られるようになりつつある。
ところで、書込時の露光エネルギーは、書込パワー*照射時間によって決定される。一例として、1つのLD(レーザーダイオード)を主走査方向にスキャンして露光を行うLDラスタ方式の場合、レーザーパワーP0(W)、スキャンスピードVx(m/s)の時、解像度Kから決定される最小画素(以下、ドット Dp(m)とし、Dp=2.54*10-2/Kである。)に与えられる露光エネルギーJ(J)は、J= P0*(Dp/Vx)となり、像担持体上に照射された領域の表面電位が変化する。
また、LD等で露光したときの露光プロファイルI(x,y)は、LD光のプロファイルをガウシアン分布で近似すると、レーザーパワーP0、ビームスポット径ωx(主走査方向)、ωy(副走査方向)において、
と近似でき、点灯時間分だけ積分することで、露光量を算出することができる。
なお、ビームスポット径は、静止ビーム露光強度の1/e2径とする。
なお、ビームスポット径は、静止ビーム露光強度の1/e2径とする。
高解像度画像で高濃度を得るための手段として、ビーム強度を強くしたり、ビーム径を小径化をするなどの手段が従来用いられているが、その場合、ドット中央部の露光エネルギーが増大してドット中央部のトナー付着量が増加するため、像担持体上のドットを形成するトナー層の厚さ(高さ)の差が大きくなり、転写不良,中抜け等の画像不良を引き起こすことがあり、高画質化は達成できない。
特に、ビーム小径化の場合は、露光プロファイルがシャープになり、露光面積が減少するので、高解像度な画像を形成するのに有利となるものの、上記のようなトナー厚みの分布差が顕著に発生することとなる。
また、ビーム小径化に伴いレーザーが短波長化しているが、これによりレーザーのエネルギーが増加することで、上記のような問題がさらに顕著になる。
また、ビーム小径化に伴いレーザーが短波長化しているが、これによりレーザーのエネルギーが増加することで、上記のような問題がさらに顕著になる。
なお、ここではLDを用いた場合の露光エネルギー,露光プロファイルについて説明をしたが、LEDA(light-emitting diode array、発光ダイオードアレイ)のような固体作像素子を用いた場合でも説明できる。その場合は、主走査方向に走査することはないので、スキャンスピードVx=0となる
本発明は上記の問題を解決すべくなされたものであり、トナー層厚が一定量以上にならず、中抜け等の転写不良が発生しないような潜像分布を形成可能な画像形成装置の提供を目的とする。
この目的を達成するために請求項1の発明は、像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上の潜像を該潜像と同極性のトナーで現像する現像手段を有する画像形成装置において、
前記露光手段により露光エネルギーを可変させて露光した際の像担持体上の表面電位を計測し、その表面電位が像担持体の光減衰特性
前記露光手段により露光エネルギーを可変させて露光した際の像担持体上の表面電位を計測し、その表面電位が像担持体の光減衰特性
に基づく理論値の1.3倍以上となる露光エネルギーJを照射するよう設定した構成としてある。
ここに、V0は初期帯電電位、eは電荷素量、ηは像担持体の量子効率、Cは像担持体の静電容量、hνはレーザービームのフォトンのエネルギー、lは像担持体膜厚、nは量子効率の電界強度の依存度であり、量子効率
とする。ここで、αは係数、VQは露光時の電位、lおよびnは上記と同じである。また、静電容量Cは、経時変動を予測した予測値を用いる。
このようにすれば、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し(図5参照)、像担持体上のトナー量を規制することにより(図6参照)、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う。また、経時変動に対応した露光エネルギーの制御を行うことが可能となる。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記露光手段として用いるビームの静止ビームスポット径ωと、解像度K(dpi)の時の最小画素の大きさDpの関係が、√2・Dp≦ω≦2Dpである構成としてある。
ここに、静止ビームスポット径ωは、ビーム最大強度の1/e2径とする。
前記露光手段として用いるビームの静止ビームスポット径ωと、解像度K(dpi)の時の最小画素の大きさDpの関係が、√2・Dp≦ω≦2Dpである構成としてある。
ここに、静止ビームスポット径ωは、ビーム最大強度の1/e2径とする。
このようにすれば、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う(図7参照)。
また、請求項3の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記像担持体の量子効率ηが0.4<η<1、キャリアの再結合係数Rが1*10-15<R<1*10-17である構成としてある。
前記像担持体の量子効率ηが0.4<η<1、キャリアの再結合係数Rが1*10-15<R<1*10-17である構成としてある。
このようにすれば、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う(図9,図10参照)。
また、請求項4の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、
前記露光手段により露光エネルギーを可変させる手段と、前記像担持体上の表面電位を計測する手段と、前記像担持体の静電容量を計測する手段を有し、一定期間毎に像担持体上の表面電位を計測し、その時点での像担持体静電容量の予測値を求め、その計測電位が像担持体の光減衰特性
前記露光手段により露光エネルギーを可変させる手段と、前記像担持体上の表面電位を計測する手段と、前記像担持体の静電容量を計測する手段を有し、一定期間毎に像担持体上の表面電位を計測し、その時点での像担持体静電容量の予測値を求め、その計測電位が像担持体の光減衰特性
に基づく理論値の1.3倍以上となるよう露光エネルギーJを調整する調整モードを有する構成としてある。
このようにすれば、経時変動に応じて、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させキャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う(図11参照)。
請求項1の発明によれば、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う。また、経時変動に対応した露光エネルギーの制御を行うことが可能となる。
また、請求項2の発明によれば、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う。
また、請求項3の発明によれば、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させ、キャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う。
また、請求項4の発明によれば、経時変動に応じて、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させキャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行う。
[実施形態1]
図1(A)は、本発明を使用した画像形成装置の一例である「レーザプリンタ」の概略側面図である。
像担持体1110として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。像坦持体1110の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ1121、現像装置1131、転写ローラ1141、クリーニング装置1151が配備されている。帯電手段としては、ローラのみならずコロナチャージャやブラシ,ベルト等を用いることもできる。
図1(A)は、本発明を使用した画像形成装置の一例である「レーザプリンタ」の概略側面図である。
像担持体1110として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。像坦持体1110の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ1121、現像装置1131、転写ローラ1141、クリーニング装置1151が配備されている。帯電手段としては、ローラのみならずコロナチャージャやブラシ,ベルト等を用いることもできる。
また、レーザ走査装置1171が設けられ、帯電ローラ1121下流側にて露光を行う。画像形成を行うときは、光導電性の像坦持体1110が時計回りに回転し、その表面が帯電ローラ1121により均一帯電され、光走査装置1171のレーザ走査による書き込みの露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は「ネガ潜像」であって、画像部が露光されている。この静電潜像は、現像装置1131により像担持体の帯電極性と同極性のトナーにより反転現像され、像担持体1110上にトナー画像が形成される。
紙やOPC等の転写部材Pを収納したカセット1181は、画像形成装置1000本体に着脱可能であり、装着された状態において、収納された転写部材Pの最上位の1枚が給紙コロ1201により給紙される。給紙された転写紙Pは先端部をレジストローラ対1191に銜えられる。
レジストローラ対1191は、像担持体1110上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合せて、転写部材Pを転写部へ送りこむ。送りこまれた転写部材Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ、転写ローラ1141の作用によりトナー画像を静電転写される。トナー画像を転写された転写部材Pは定着装置1161へ送られ、定着装置1161においてトナー画像を定着され、搬送路1211を通り、排紙ローラ対1221によりトレイ1231上に排出される。
トナー画像が転写された後の像担持体1110の表面は、クリーニング装置1151によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。なお、トナー画像の転写は、ローラのみならずベルト,チャージャ,ブラシ等でも可能であり、また、中間転写ベルト等の「中間転写媒体」を介して行うことも可能である。
また、ここではモノクロの画像形成装置の一例を示しているが、像担持体に複数の現像手段を有するカラー画像形成装置や、複数の像担持体および作像部を有するカラータンデム方式の画像形成装置でも可能である。
次に、潜像形成過程について説明を行う。ここでは像担持体として、キャリア発生層(CGL)とキャリア移動層(CTL)の2層からなる有機感光体を一例として説明する。
図2に、潜像形成過程の模式図を示す。
帯電された感光体上に光エネルギーを照射する(露光)と、像担持体内部のキャリア発生層(CGL)にキャリア(ホールと電荷)が発生する。キャリア(ホール)がキャリア移動層(CTL)を移動して、像担持体上の帯電電荷と中和し、感光体上の帯電電位が低下することにより潜像が形成される。
帯電された感光体上に光エネルギーを照射する(露光)と、像担持体内部のキャリア発生層(CGL)にキャリア(ホールと電荷)が発生する。キャリア(ホール)がキャリア移動層(CTL)を移動して、像担持体上の帯電電荷と中和し、感光体上の帯電電位が低下することにより潜像が形成される。
露光エネルギーと帯電電位の低下の関係については、感光体の光減衰特性として知られており、以下の式で説明できる。
ここで、Jは露光エネルギー、V0は初期帯電電位、eは電荷素量、ηは像担持体の量子効率、Cは像担持体の静電容量、hνはレーザービームのフォトンのエネルギー、lは像担持体膜厚、nは量子効率の電界強度の依存度であり、量子効率
とする。
図1(B)に光減衰特性の理論値(実線)、および実験値(点)を示す。
例えば、2.5erg/cm2のエネルギーを露光したときの理論電位Vtは222(V)なのに対し、実験で測定された電位Veは280Vになっており、露光エネルギーの増加に伴い、理論値と実験値が一致しなくなってくる。
図1(B)に光減衰特性の理論値(実線)、および実験値(点)を示す。
例えば、2.5erg/cm2のエネルギーを露光したときの理論電位Vtは222(V)なのに対し、実験で測定された電位Veは280Vになっており、露光エネルギーの増加に伴い、理論値と実験値が一致しなくなってくる。
この現象について以下に説明する。
露光に伴い形成される潜像電荷量およびその分布は、キャリア生成量、キャリア間のクーロン反発力、キャリア同士の再結合、キャリアの移動度で決まり、式3,4,5に記述するような正負キャリアの連続の式とPoisson方程式によって支配されるといわれている。
露光に伴い形成される潜像電荷量およびその分布は、キャリア生成量、キャリア間のクーロン反発力、キャリア同士の再結合、キャリアの移動度で決まり、式3,4,5に記述するような正負キャリアの連続の式とPoisson方程式によって支配されるといわれている。
ここで、n、μ、E、Γ、r、ε、e はそれぞれ、キャリアの個数密度、移動度、電界強度、単位時間あたりのキャリアの生成量、キャリアの単位時間あたりの再結合係数、誘電率、および電荷素量を示す。また、添え字p,nは、それぞれ正負キャリアを示す。
キャリア生成量Γはキャリアの生成はCGL層内で一様に生成されると仮定すると、入射光強度I、量子効率η、CGL層の厚さlCGL、から式6のように表すことができる。
ここで、βは光の吸収係数、hνはレーザービームのフォトンのエネルギーである。量子効率は電界強度に依存し、η=α Enで表される。α,nは感光体に依存する係数であり、0<η<1である。
式6よりキャリア生成量は電界強度、および露光エネルギーに依存することがわかる。
式6よりキャリア生成量は電界強度、および露光エネルギーに依存することがわかる。
また、上記式3,式4の右辺第二項目のキャリア再結合項は、正負キャリアが同じ近傍に共存する際に、生成キャリア量が減少することを説明する項であり、再結合量はキャリアの生成量の2乗に比例して増加するため、露光エネルギーが大きくキャリア生成量が多くなってくると、理論値と一致しなくなるのである。
このように、露光エネルギー量が増大した場合の潜像分布への影響を検討した。像担持体上の潜像分布は測定困難なため、シミュレーションにより算出した。
このように、露光エネルギー量が増大した場合の潜像分布への影響を検討した。像担持体上の潜像分布は測定困難なため、シミュレーションにより算出した。
露光分布の一例を図3に示す。図3中の2つのグラフはビームスポット径を変えたものであり,凡例に示す「30x30」は主走査方向のビームスポット径ωxが30μm,副走査方向のビームスポット径ωyが30μm、「50x75」は主走査方向のビームスポット径ωxが55μm、副走査方向のビームスポット径ωyが75μmのビームでの露光強度分布となる。
図3に示すように、ビーム径小径化に伴い、露光プロファイルはシャープになってくる。よって、積分光量が一定であると、小径ビームの場合ドット中央部の光量が非常に強くなる。図では示していないが、ビーム径は一定でビーム強度を強くした場合は裾の広がりは変わらず、ドット中央部の光量が強くなるようなプロファイルになる。
このように、ドット中央部の露光強度が非常に強くなった露光プロファイルで露光した場合の潜像の現像部での電界強度分布シミュレーション結果の一例を、図4に示す。
図4に示すように、小径ビームのドット中央部の電界強度分布が強くなることがわかる。現像部でのトナー付着は電界強度に依存し、トナーは、F=qEの力で像担持体上に引き寄せられる。ここで、qはトナー電荷量(C)、Eは潜像により形成される電界強度である。よって、小径ビームの場合、ドット中央部にトナーが必要以上に積層し、ドット内でのトナー厚みが一様でないため、転写される際にドット中央部の圧が大きくなり、中ヌケ等の転写不良を引き起こす原因となる。
ここで、像担持体内部でキャリア再結合が発生した場合の潜像の電界強度分布を図5に示す。
上述した式3,式4からわかるように、キャリア再結合はキャリア生成量の2乗に比例して増加するため、キャリアの再結合が起こるような露光強度の強い条件下において、ドット中央部のような露光エネルギーが強くキャリア生成量の多い領域で、さらに再結合が多く発生し、最終的なキャリア量は減少する。よって、図5に示すように、ドット中央部の電界強度が一定値以上増加しない。
上述した式3,式4からわかるように、キャリア再結合はキャリア生成量の2乗に比例して増加するため、キャリアの再結合が起こるような露光強度の強い条件下において、ドット中央部のような露光エネルギーが強くキャリア生成量の多い領域で、さらに再結合が多く発生し、最終的なキャリア量は減少する。よって、図5に示すように、ドット中央部の電界強度が一定値以上増加しない。
現像部で潜像に付着するトナー量は電界強度に依存するため、このような電界強度下ではトナー厚みが一定値以上にならず、ドット内部トナー厚みが均一になるため、転写不良を起こすことなく高画質な画像が形成できる。
実際に実験をして確認した結果を次に記載する。
条件 感光体量子効率 0.7
感光体膜厚 28μm
初期帯電電位 800V
感光体比誘電率 2.8
ビーム径 (主走査方向)50μm
(副走査方向)60μm
露光パワー 可変
現像方式 乾式2成分現像
トナー平均粒径 7μm
条件 感光体量子効率 0.7
感光体膜厚 28μm
初期帯電電位 800V
感光体比誘電率 2.8
ビーム径 (主走査方向)50μm
(副走査方向)60μm
露光パワー 可変
現像方式 乾式2成分現像
トナー平均粒径 7μm
図6は、上記条件で露光エネルギーを可変させ得られた測定電位Veと光減衰特性式から求められる電位Vtの比Ve/Vtとその時の潜像に付着したトナーの厚さ(パイルハイト)の最大値の一例である。
レーザーパワーを増加させ露光エネルギーを増加させていくと、キャリア生成量が増大し、キャリアの再結合が多く発生するため電位勾配が理論値より減少し、Ve/Vtが大きくなってくる。それに伴いパイルハイトは減少していく。これはキャリア再結合により潜像電荷量の減衰が抑えられるため、ドット中央部の電界強度の増加が抑えられ、分布の緩やかな潜像を形成することが可能となり、トナー付着量を規制することが可能になったと考えられる。Ve/Vtが1.3以上となると、パイルハイトは約14um(トナー2個分程度に相当)となり、ドット内部トナー厚みが均一になるため、転写不良を起こすことなく高画質な画像が形成できた。
更に、経時的にエネルギー調整を行う場合、経時による像担持体膜厚の変動(膜削れによる膜厚の減少など)により像担持体の静電容量Cが変動するため、その変動を予測した静電容量Cを用いて理論電位Vtを求めることが望ましい。静電潜像の予測は、例えば画像枚数vsと像担持体膜厚の関係式や関係表等を用いて予測することが可能である。
「感光体の静電容量C」は以下の式で予測する。
C=ε・S/lCGL
lCGL=lCGL0(1-α’・NR)
lCGL0 :初期のCGL膜厚
α’:実験より求める係数
NR :感光体累積回転数
以上の説明は、請求項1に対応している。
C=ε・S/lCGL
lCGL=lCGL0(1-α’・NR)
lCGL0 :初期のCGL膜厚
α’:実験より求める係数
NR :感光体累積回転数
以上の説明は、請求項1に対応している。
[実施形態2]
条件 感光体量子効率 0.6
感光体膜厚 28μm
初期帯電電位 650V
感光体比誘電率 2.8
ビーム径 (主走査方向×副走査方向)30x40,45x50、50x60μm
現像方式 乾式2成分現像
トナー平均粒径 7μm
条件 感光体量子効率 0.6
感光体膜厚 28μm
初期帯電電位 650V
感光体比誘電率 2.8
ビーム径 (主走査方向×副走査方向)30x40,45x50、50x60μm
現像方式 乾式2成分現像
トナー平均粒径 7μm
ビームパワーを強めるだけではなく、ビーム径を小径にしても同様の効果が得られる。
図7にビーム径を変動させた時のビーム面積とビーム中央部の露光エネルギー量(最大露光エネルギー)の関係を示す。同じエネルギーを露光してもビーム径により露光面積が変わるため、単位面積あたりに生成するキャリア数は異なる。
図7にビーム径を変動させた時のビーム面積とビーム中央部の露光エネルギー量(最大露光エネルギー)の関係を示す。同じエネルギーを露光してもビーム径により露光面積が変わるため、単位面積あたりに生成するキャリア数は異なる。
図7に示すように、小径ビーム径により露光面積が減少し、最大露光エネルギー量は強くなり、キャリアの生成量、および再結合量が増加し、電界強度分布の緩やかなよりよい潜像を形成することができる。
しかし、ビーム径を小径にすることにより、ラインの一部が現像されず抜けたり、濃度ムラになったり等の画像不良が発生する場合がある。よって、解像度とビーム径の関係について検討を行った。
しかし、ビーム径を小径にすることにより、ラインの一部が現像されず抜けたり、濃度ムラになったり等の画像不良が発生する場合がある。よって、解像度とビーム径の関係について検討を行った。
図8は、ビームスポット径ωと解像度K(dpi)の時のドットピッチDpの比ω/Dpを振り、ライン画像、ドット画像の画質について検討を行った結果である。ここでは解像度は変えず、ビームスポット径を振って実験を行った。また、露光条件ついてはVe/Vt≧1.3となるようビームパワーを調整した。
図8によると、ライン画像、ドット画像の双方を満足する画像を形成する最適ビーム径は√2・Dp≦ω≦2DPとなり、例えば1200dpiの解像度を形成する画像形成方法および装置のときドット径は30μm≦ω≦43μmとなる。
以上の説明は、請求項2に対応する。
以上の説明は、請求項2に対応する。
また、上記に説明した本発明において、適切な再結合を発生するための像担持体の条件について検討を行った。像担持体の物性、および電界強度を変動させ、量子効率を振ったときの画像部の最大電界強度との関係を図9に、キャリアの再結合係数Rと最大電界強度との関係を図10に示す。
量子効率ηが0.4<η<1、再結合係数が1*10-15<R<1*10-17、の時に最適なキャリア再結合が発生し、電界強度分布の緩やかなよりよい潜像を形成することが可能となり、ドット内部トナー厚みが均一になるため、転写不良を起こすことなく高画質な画像が形成できる。以上の説明は、請求項3に対応する。
上記に記載してきたように、Ve/Vt≧1.3になるよう露光エネルギーを調整することによりトナー付着量を規制することが可能となるが、例えば使用している間に像担持体の膜厚lが削られる等の変動により光減衰特性から求められる理論電位Vtが変更し、最適な条件の露光を行えなくなる。
よって、画像形成手段および装置本体内部に、露光手段により露光エネルギーを可変させる手段と、表面電位計等の像担持体上の表面電位を計測する手段と、像担持体の静電容量を計測する手段を有し、定期的に像担持体上の表面電位を計測し、その時の像担持体の静電容量を予測する。
その計測電位が像担持体の光減衰特性
に基づく理論値の1.3倍以上かどうかを判断し、それ以下であれば露光エネルギーを調整するという調整モードを有することとした。
その時のフローチャート例を図11に示す。調整モードの実行は、例えば電源投入時や所定枚数の画像形成数終了時に行うことが望ましい。以上により、経時変動に応じて、像担持体内の電荷(キャリア)生成量を増加させキャリアの再結合を増加させることにより、潜像電位の減少を制御し、像担持体上のトナー量を規制することにより、高画質かつ、階調性の優れた画像形成を行うことが可能となった。以上の説明は、請求項4に対応する。
P 転写部材
1110 像担持体
1121 帯電ローラ
1131 現像装置
1141 転写ローラ
1151 クリーニング装置
1171 レーザ走査装置
1181 カセット
1191 レジストローラ対
1201 給紙コロ
1221 排紙ローラ対
1231 トレイ
1110 像担持体
1121 帯電ローラ
1131 現像装置
1141 転写ローラ
1151 クリーニング装置
1171 レーザ走査装置
1181 カセット
1191 レジストローラ対
1201 給紙コロ
1221 排紙ローラ対
1231 トレイ
Claims (4)
- 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、前記像担持体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成する露光手段と、前記像担持体上の潜像を該潜像と同極性のトナーで現像する現像手段を有する画像形成装置において、
前記露光手段により露光エネルギーを可変させて露光した際の像担持体上の表面電位を計測し、その表面電位が像担持体の光減衰特性、
に基づく理論値の1.3倍以上となる露光エネルギーJを照射するよう設定したことを特徴とする画像形成装置。
ここに、V0は初期帯電電位、eは電荷素量、ηは像担持体の量子効率、Cは像担持体の静電容量、hνはレーザービームのフォトンのエネルギー、lは像担持体膜厚、nは量子効率の電界強度の依存度であり、量子効率、
とする。ここで、αは係数、VQは露光時の電位、lおよびnは上記と同じである。また、静電容量Cは、経時変動を予測した予測値を用いる。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記露光手段として用いるビームの静止ビームスポット径ωと、解像度K(dpi)の時の最小画素の大きさDpの関係が、√2・Dp≦ω≦2Dpであることを特徴とする画像形成装置。
ここに、静止ビームスポット径ωは、ビーム最大強度の1/e2径とする。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記像担持体の量子効率ηが0.4<η<1、キャリアの再結合係数Rが1*10-15<R<1*10-17であることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003326387A JP2005091882A (ja) | 2003-09-18 | 2003-09-18 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003326387A JP2005091882A (ja) | 2003-09-18 | 2003-09-18 | 画像形成装置 |
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JP2005091882A true JP2005091882A (ja) | 2005-04-07 |
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Family Applications (1)
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JP2003326387A Pending JP2005091882A (ja) | 2003-09-18 | 2003-09-18 | 画像形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007079143A (ja) * | 2005-09-14 | 2007-03-29 | Ricoh Co Ltd | 現像装置及び画像形成方法及び画像形成装置 |
JP2008015206A (ja) * | 2006-07-05 | 2008-01-24 | Ricoh Co Ltd | 電子写真感光体およびその製造方法 |
-
2003
- 2003-09-18 JP JP2003326387A patent/JP2005091882A/ja active Pending
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