JP2005090983A - 直進移動装置およびステージ移動装置 - Google Patents

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Atsuhiko Okao
篤彦 岡尾
Yasuyuki Koyagi
康幸 小八木
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Abstract

【課題】装置の製作コストの増大を抑制しつつステージおよび描画ヘッドの移動に伴い発生する描画位置の誤差を補正するための各種データを精度良く求める。
【解決手段】ステージ移動装置1は、基板9が載置されるステージ2、ステージ2を移動するステージ移動機構22、ステージ2を撮像するカメラ41、カメラ41をステージ2の移動方向と略直交する方向へと移動するヘッド移動機構42、並びに、ステージ2およびカメラ41の移動量等を計測する計測部6を備える。ステージ移動装置1では、ステージ2のステージ軸上の位置、ステージ軸に対するヨーイング、および、カメラ軸上のカメラ41の位置を計測し、さらに直交マスタパターン板を撮像し、これらのデータに基づいてステージ2の真直度、カメラ41のヨーイングの影響を反映した複合的ずれ量、および、ステージ軸とカメラ軸とのなす角度を求めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体の位置のずれ量を求めつつ直線的に移動体を移動する技術に関し、典型的には、ステージを移動する技術に利用される。
従来より、半導体基板やガラス基板等(以下、「基板」という。)にパターンを描画する描画装置では、基板が載置されたステージを移動して基板全体への描画が行われている。このような微細なパターンを描画する描画装置では、ステージを移動方向へと案内するガイドの製作誤差等により、ステージの移動軸からの僅かなずれや僅かな回転が無視できなくなる。このため、上述の描画装置では、ステージの位置および回転量等を計測し、この計測結果に基づいてステージの移動量を制御することにより描画位置を補正し、パターンを精度良く描画する技術が利用されている。
例えば、特許文献1では、所定の移動軸上をステージの側面に設けられた長いステージミラーに多数のレーザビームを照射し、レーザ干渉により求められたステージの3次元の位置および回転量に基づいてステージの移動量を制御し、描画材料に照射される電子ビームの相対位置を補正する技術が開示されている。
特開2001−326170号公報
ところで、従来の装置では、ステージの移動量を制御する際に、ステージの回転中心の位置、および、ステージの移動軸上の位置と移動軸からのステージのずれ量との関係を示す真直度の影響が考慮されておらず、描画精度の向上に限界がある。
また、近年の基板の大型化に伴ってステージおよびもステージミラーも大型化し、例えば、1辺の長さが2mの正方形ステージでは、長さ2mの大型のステージミラーが必要となる。しかしながら、このような大型のステージミラーを精度良く作成することは困難であり、また、たとえ作成できたとしても描画装置の製作コストが増大してしまう。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ステージ等の移動体を移動する装置において、装置の製作コストの増大を抑制しつつ移動体の移動に伴い発生する移動体の位置誤差を補正するための各種データを精度良く求めることを目的としている。
請求項1に記載の発明は、移動体を直線的に移動する直進移動装置であって、移動体と、前記移動体を所定の移動軸にほぼ沿って直線的に移動する移動機構と、前記移動体の前記移動軸上の位置を計測する位置計測部と、前記移動軸に平行な所定の面内における前記移動体の前記移動軸に対するヨーイングを計測するヨーイング計測部と、前記ヨーイング計測部により計測される前記移動体のヨーイングに基づいて前記ヨーイングに起因する単位移動距離当たりの前記移動体の前記移動軸からのずれ量を積分することにより、前記移動体の前記移動軸上の位置と前記所定の面内における前記移動軸からの前記移動体のずれ量との関係を示す真直度を求める演算部とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の直進移動装置であって、前記移動体が、前記所定の面に平行なステージ面を有するステージである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の直進移動装置であって、前記移動体、前記移動機構、前記位置計測部、前記ヨーイング計測部および前記演算部の組合せをさらに1組備え、一の組合せおよび他の組合せにおいて前記所定の面が共有されるとともに、前記一の組合せにおける前記移動軸と前記他の組合せにおける前記移動軸とが略直交する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の直進移動装置であって、前記一の組合せの前記移動体が前記所定の面に平行なステージ面を有するステージであり、前記他の組合せの前記移動体が前記ステージを撮像する撮像部である。
請求項5に記載の発明は、ステージを直線的に移動する直進移動装置であって、所定の移動軸に平行なステージ面を有するステージと、前記移動軸の方向に関して所定の位置に固定され、前記ステージを撮像する撮像部と、前記ステージを前記移動軸にほぼ沿って直線的に移動する移動機構と、前記ステージの前記移動軸上の位置を計測する位置計測部と、前記ステージ面に平行な所定の面内における前記ステージの前記移動軸に対するヨーイングを計測するヨーイング計測部と、前記撮像部により、前記移動軸に略平行なほぼ直線状の複数のマスタラインが上下両主面から視認可能に描かれたマスタパターン板が前記ステージに載置された状態で前記ステージを移動しつつ前記複数のマスタラインの第1の撮像を行い、さらに、前記マスタパターン板が前記移動軸に平行な軸を中心に裏返して前記ステージ上に載置された状態で前記ステージを移動しつつ前記複数のマスタラインの第2の撮像を行う制御部と、前記撮像部からの出力に基づいて、前記ステージの前記移動軸上の位置と前記所定の面内における前記移動軸からの前記ステージのずれ量との関係を示す真直度を求める演算部とを備える。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の直進移動装置であって、前記演算部において複数の基準線が前記複数のマスタラインにそれぞれ対応付けられており、前記演算部が、所定の方程式を前記第1の撮像および前記第2の撮像における前記複数の基準線間の相対的な向きの関係を拘束条件として解くことにより、前記真直度を求め、前記方程式が、前記位置計測部により計測される前記ステージの位置を変数として、前記ヨーイング計測部により計測される前記ステージのヨーイング、および、前記撮像部の出力から求められる撮像位置と前記複数のマスタラインのそれぞれとの間の距離を含み、前記移動軸からの前記ステージのずれ量、前記複数のマスタラインの前記複数の基準線からのずれ量、前記第1の撮像および前記第2の撮像のそれぞれにおける前記複数の基準線を表す式の定数、並びに、前記複数の基準線が前記移動軸に平行であると仮定した場合の前記複数の基準線と前記移動軸との間の距離を未知数として含む。
請求項7に記載の発明は、請求項2、5および6のいずれかに記載の直進移動装置であって、前記演算部が、前記ステージの前記移動軸上の現在位置における前記移動軸からの前記ステージのずれ量と前記移動軸に対する前記ステージのヨーイングとに基づいて前記ステージ上の一の点の絶対位置を求める。
請求項8に記載の発明は、請求項2並びに5ないし7のいずれかに記載の直進移動装置であって、前記位置計測部が示す位置と前記ステージ上の複数の点の前記移動軸の方向に関する位置との対応関係を記憶する記憶部をさらに備え、前記演算部が、予め前記ステージの前記移動軸上の複数の位置における前記移動軸からの前記ステージのずれ量と前記移動軸に対する前記ステージのヨーイングとに基づいて、前記ステージ上の前記複数の点の前記移動軸の方向に関する位置を求める。
請求項9に記載の発明は、ステージを撮像部に対して相対的に移動するステージ移動装置であって、第1移動軸に平行なステージ面を有するステージと、前記ステージを前記第1移動軸にほぼ沿って直線的に移動する第1移動機構と、前記ステージの前記第1移動軸上の位置を計測する第1位置計測部と、前記ステージ面に平行な所定の面内における前記ステージの前記第1移動軸に対するヨーイングを計測するヨーイング計測部と、前記ステージを撮像する撮像部と、前記撮像部を前記ステージ面に平行であって前記第1移動軸におよそ垂直な第2移動軸にほぼ沿って直線的に移動する第2移動機構と、前記撮像部の前記第2移動軸上の位置を計測する第2位置計測部と、前記撮像部により、前記第2移動軸に略平行なほぼ直線状のマスタラインが描かれたマスタパターン板が前記ステージに載置された状態で、前記ステージを固定して前記撮像部を移動しつつ前記マスタラインの第1の撮像を行い、さらに、前記ステージ面に沿って前記マスタパターン板を90°回転した状態で、前記撮像部を固定して前記ステージを移動しつつ前記マスタラインの第2の撮像を行う制御部と、前記ステージの前記第1移動軸上の位置と、前記所定の面内における前記第1移動軸からの前記ステージのずれ量および前記第1移動軸に対する前記ステージのヨーイングとの関係を示すデータを記憶する記憶部と、前記撮像部からの出力および前記データに基づいて、前記撮像部の前記第2移動軸上の位置と前記所定の面内における前記撮像部のヨーイングを反映した前記第2移動軸からの前記撮像部の複合的ずれ量との関係を求める演算部とを備える。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のステージ移動装置であって、前記演算部が、前記ステージの前記第1移動軸上の位置と前記ステージのヨーイングを反映した前記ステージの複合的ずれ量との関係、および、前記第2の撮像の結果に基づいて、前記マスタラインに対応付けられた基準線上の各位置と前記マスタラインとの間の距離を求め、前記第1の撮像の結果に基づいて前記第2移動軸と前記基準線とのなす角度を求める。
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載のステージ移動装置であって、前記マスタパターン板に、前記マスタラインに略垂直なほぼ直線状のもう1つのマスタラインが描かれており、前記制御部により、前記マスタラインが前記第2移動軸に略平行な状態で、前記撮像部を固定して前記ステージを移動しつつ前記もう1つのマスタラインの第3の撮像が行われ、さらに、前記ステージ面に沿って前記マスタパターン板を90°回転した状態で、前記ステージを固定して前記撮像部を移動しつつ前記もう1つのマスタラインの第4の撮像が行われ、前記演算部が、前記第1ないし第4の撮像の結果に基づいて前記第1移動軸と前記第2移動軸とのなす角度を求める。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のステージ移動装置であって、前記演算部が、前記ステージの前記第1移動軸上の現在位置における前記第1移動軸からの前記ステージのずれ量、前記第1移動軸に対する前記ステージのヨーイング、前記撮像部の前記第2移動軸上の現在位置における前記撮像部のヨーイングを反映した前記第2移動軸からの前記撮像部の複合的ずれ量、並びに、前記第1移動軸および前記第2移動軸のなす前記角度に基づいて前記撮像部による前記ステージ上の撮像位置を求める。
請求項1ないし8の発明では、装置の製作コストの増大を抑制しつつ移動体の真直度を求めることができる。
また、請求項3の発明では、移動体の移動軸に略直交する他の移動軸にほぼ沿って移動する他の移動体の真直度を求めることができる。
また、請求項7の発明では、ステージ上の一の点の絶対位置を求めることができる。
また、請求項8の発明では、ステージ上の任意の点を移動軸の方向に関する所定の位置に位置させる際のステージの移動軸上の位置を迅速に求めることができる。
請求項9ないし12の発明では、第2移動軸からの撮像部の複合的ずれ量を求めることができる。
また、請求項11の発明では、第1移動軸と第2移動軸とのなす角度を容易に求めることができる。
また、請求項12の発明では、撮像部によるステージ上の撮像位置を求めることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るステージ移動装置1の構成を示す平面図であり、ステージ移動装置1は、ステージを直線的に移動しつつ液晶表示装置用のガラス基板9(以下、単に「基板9」という。)全体にパターンを描画する装置である。
ステージ移動装置1は、基板9が載置されるステージ2、ステージ2を図1中のY方向へと移動するステージ移動機構22、ステージ2を撮像するとともに基板9に光を照射する描画ヘッド4、描画ヘッド4を図1中のX方向におよそ平行な方向へと移動するヘッド移動機構42、ステージ2および描画ヘッド4の移動量等を計測する計測部6、並びに、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成された制御部8を備える。
ステージ移動機構22は、リニアモータ23およびリニアガイド24を有し、制御部8によってリニアモータ23が駆動されることにより、ステージ2がリニアガイド24に案内されて図1中のY軸に平行な所定の移動軸(後述の演算において利用される仮想的な軸であり、以下、「ステージ軸」という。)にほぼ沿って直線的に移動する。また、ヘッド移動機構42は、リニアモータ43およびリニアガイド44を有する。ステージ2は、ステージ軸に平行な所定の面(図1中のXY平面に相当し、以下、「基準面」という。)に平行なステージ面21を有し、また、描画ヘッド4は、ステージ2を撮像するカメラ41とステージ2に載置される基板9に光を照射してパターンを描画する光照射部40とを有する。カメラ41は、ヘッド移動機構42により、ステージ面21に平行であってステージ軸におよそ垂直な所定の移動軸(後述の演算において利用される仮想的な軸であり、以下、「カメラ軸」という。)にほぼ沿って光照射部40とともに直線的に移動する。
計測部6は、ステージ2のステージ軸上の位置を計測するステージ位置計測部61、基準面内におけるステージ2のステージ軸に対するヨーイング(回転角度)を計測するステージヨーイング計測部62、カメラ41のカメラ軸上の位置を計測する(実際には描画ヘッド4の位置が計測される。)カメラ位置計測部63、および、これらの計測部に導かれるレーザ光を出射する計測用光源部64を有する。
ステージ位置計測部61は、スプリッタ611、リニア干渉系612、ステージ2に設けられるステージミラー613、および、レシーバ614を有し、ステージヨーイング計測部62は、リニア干渉系622、ステージ2に設けられるステージミラー623、および、レシーバ624を有する。また、カメラ位置計測部63は、リニア干渉系632、描画ヘッド4に設けられるコーナーキューブ633、および、レシーバ634を有し、計測用光源部64は、レーザ光源641およびスプリッタ642を有する。
制御部8には、ステージ移動機構22、ヘッド移動機構42、描画ヘッド4および計測部6が接続され、これらの構成が制御部8に制御されて基板9に対するパターンの描画が実現される。また、制御部8は、各種演算を行う演算部81および各種データを記憶する記憶部82を有し、演算部81はステージ位置計測部61、ステージヨーイング計測部62およびカメラ位置計測部63からの出力に基づいて、ステージ2の位置およびヨーイング並びにカメラ41の位置を求めるとともに描画位置の補正に必要な各種データを求める。
図2ないし図6は、ステージ移動装置1による基板9へのパターンの描画に先だって行われる、描画位置を補正するためのデータを求める際のステージ移動装置1の動作の流れを示す図である。描画位置の補正データとは、ステージ2のステージ軸上の位置とステージ軸に対するステージ2のヨーイングとの関係を示すデータ、ステージ2のステージ軸上の位置と基準面内におけるステージ軸からのステージ2のずれ量(ステージ軸に垂直な方向へのずれ量)との関係を示すデータであるステージ2の真直度、カメラ41のカメラ軸上の位置と基準面内におけるカメラ41のヨーイングを反映したカメラ軸からのカメラ41の複合的ずれ量との関係を示すデータ、および、ステージ軸とカメラ軸とのなす角度であり、これらの補正データは制御部8の記憶部82に記憶される。
図2は、上述の補正データの算出動作の前半部を示し、以下、図2および他の図面を適宜参照しながら、ステージ移動装置1によるステージ2の位置とヨーイングとの関係を示すデータ、および、ステージ2の真直度の算出について説明する。
まず、図1に示す制御部8によりステージ移動機構22が制御されて、ステージ2の(+Y)方向への移動が開始される(ステップS11)。続いて、レーザ光源641から計測用の光ビームが出射され、ステージ2のステージ軸上の位置、および、ステージ2のステージ軸に対するヨーイングが計測される。具体的には、レーザ光源641から出射された光ビームはスプリッタ642により2分割され、(−X)方向へと向かう光ビームは、ステージ位置計測部61のスプリッタ611によりさらに2分割され、一方がリニア干渉系612を介してステージ2の(−Y)側の側面の中央に設けられたステージミラー613に入射し、その反射光がリニア干渉系612にて元の光ビームと干渉してレシーバ614により受光される。レシーバ614からの出力は制御部8へと送信され、演算部81によりステージ2の位置が求められる。
また、スプリッタ611により分割されたもう一方の光ビームはステージヨーイング計測部62へと向かい、リニア干渉系622にてさらに2本の光ビームに分割されてステージ2の(−Y)側の側面に設けられたステージミラー623にそれぞれ入射し、その2本の反射光がリニア干渉系622にて元の光ビームと干渉してレシーバ624により受光される。レシーバ624からの出力は制御部8へと送信され、2本の光ビームのステージミラー623上のそれぞれの照射位置とリニア干渉系622との距離の差分が演算部81により算出され、ステージ2のヨーイングが求められる(ステップS12)。
ステージ2が移動の終点まで達するとステージ2の移動が停止され(ステップS13)、ステップS12で計測されたステージ2の位置とヨーイングとの関係を示すデータが記憶部82に記憶される(ステップS14)。
図7は、ステージ2が移動する様子を示す図であり、ステージ2はリニアガイド24(曲線にて図示)に案内されて、Y軸に平行なステージ軸25にほぼ沿って図7中のY方向へと移動する。なお、図7では、図示の便宜上、リニアガイド24の歪みを実際より過大に描いている。
図7中に一点鎖線にて示す曲線26は、2本のリニアガイド24により案内されるステージ2の中心点28の軌跡を示し、破線27はY方向にほぼ平行に伸びるステージ2の中心線(以下、「中心線27」という。)を示す。図7において、ステージ軸25に対する中心線27の傾き(すなわち、ステージ軸25と中心線27とのなす角度)がステージ2のヨーイングであり、ステップS14においてステージ2の位置とヨーイングとの関係が求められていることから、中心点28の座標(絶対座標)を(X,Y)とすると、ヨーイングは中心点28のY座標Yの関数として、θ(Y)と表される。
なお、ヨーイングθ(Y)は、図7における反時計回り方向を正とし、中心点28のY座標Yは、ステージ位置計測部61により計測されるステージミラー613のY方向の位置に、ステージミラー613と中心点28との間のY方向の距離を加算して求められる。ただし、実際にはヨーイングθ(Y)は非常に小さい値であるため、ステージミラー613のY方向の位置に加算される値は、ステージ2のY方向の長さの半分とされる。
図7において、ステージ2が移動する際に中心線27が中心点28にて曲線26に接して移動すると仮定し、中心点28のX座標XをYの関数としてX(Y)と表すと、ステージ軸25方向の単位移動距離dY当たりのステージ2(正確には、ステージ2の中心点28)のステージ軸25からのずれ量(すなわち、ずれ量の変化)は、数1のように表される。
Figure 2005090983
なお、中心線27が曲線26に接するという仮定が厳密には成立しない場合であっても、最終的に求められる補正データへの影響は少ないと考えられる。
ステージ2の移動の始点におけるXの値をX0とすると、中心点28のX座標X(Y)は、数1の両辺をステージ2のステージ軸25方向の単位移動距離dYについて積分することにより、数2のように表される。
Figure 2005090983
以下の説明では、ステージ2の移動の始点においてステージ2(の中心点28)がステージ軸25上に位置するものとし、ステージ2のステージ軸25からのずれ量SW(Y)を数3のように表す。
Figure 2005090983
以上の原理に基づいて、演算部81では、ステージヨーイング計測部62により計測されるステージ2のヨーイングθ(Y)に基づいてヨーイングθ(Y)に起因する単位移動距離dY当たりのステージ2のステージ軸25からのずれ量dX(Y)が積分されることにより、ステージ2のステージ軸25上の位置Yと基準面内におけるステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)との関係を示すステージ2(の移動)の真直度が求められ(ステップS15)、記憶部82に記憶される。なお、実際には、ステップS15で行われる積分は、各計測点における計測値を用いる離散的な積分(区分積分)となる。
図8は、ステージ2のヨーイングθ(Y)が0の場合のステージ2およびステージ2上の任意の一の点29を示す図である。ここで、中心点28を原点とするステージ面21と平行なx軸およびy軸を有する座標系(以下、「ステージ座標系」という。)を考え、ステージ2のヨーイングθ(Y)が0の場合に、x軸が図8中のX軸と平行な方向を向き、y軸がY軸と平行な方向を向くものとする。以下の説明では、X軸およびY軸はステージ移動装置1の設置場所に固定された座標軸であるものとし、X軸およびY軸による座標系を絶対座標系と呼ぶ。
図9は、ステージ2が図8に示す状態からヨーイングθ(Y)だけ回転している状態を示す図である。ステージ2上の中心点28、点29およびステージ座標系は、ヨーイングθ(Y)の影響により図9中に二点鎖線にて示す位置から実線にて示す位置へと移動する。このとき、点29のステージ座標を(x,y)、絶対座標を(XP_a,YP_a)とすると、XP_aおよびYP_aは中心点28のY座標Yの関数として、既に求められているステージ2の中心点28の絶対座標(X(Y),Y)およびヨーイングθ(Y)を用いて、それぞれ数4および数5のように表される。
Figure 2005090983
Figure 2005090983
図1に示す演算部81では、後続の演算処理にてステージ2上の任意の点の絶対座標が必要になると、数4および数5に示す演算が行われる。このとき、数4のX(Y)は記憶部82に記憶されているずれ量SW(Y)を数2の積分項に代入することにより求められる。すなわち、演算部81は、ステージ2のステージ軸25上の現在位置Yにおけるステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)と、ステージ軸25に対するステージ2のヨーイングθ(Y)とに基づいてステージ2上の任意の点29の絶対座標(XP_a,YP_a)を求める。
なお、ステージ移動装置1では、ステップS15の後に演算部81により、予めステージ2のステージ軸25上の幾つかの位置Yにおけるステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)と、ステージ軸25に対するステージ2のヨーイングθ(Y)とに基づいて、ステージ2上の複数の点のステージ軸25の方向に関する位置YP_aが求められ、中心点28の位置Yとステージ2上の複数の点のステージ軸25の方向に関する位置YP_a(Y)との対応関係を示すデータが記憶部82に記憶される(ステップS16)。
これにより、ステージ移動装置1では、ステージ2上の任意の一の点をステージ軸25方向に関して所定の目的位置(絶対座標における位置Y)へと移動する際に、上記のYとYP_a(Y)との対応関係を示すデータに基づき、YP_a(Y)がYと等しくなるYの値が補間等により迅速に求められる。
以上のように、ステージ移動装置1による描画位置の補正データの算出動作の前半部において、ステージ2の位置とヨーイングとの関係を示すデータ、および、ステージ2の真直度が求められると、続いて、カメラ41のカメラ軸45上の位置とカメラ41のヨーイングを反映したカメラ41の複合的ずれ量との関係を示すデータ、および、ステージ軸25とカメラ軸とのなす角度を求める工程に移行する。以下、図3ないし図6並びに他の図面を適宜参照しながら、上記工程について説明する。
まず、図10に示すように直交マスタパターン板91がステージ2上に所定の向き(以下、「初期載置状態」という。)にて載置される(ステップS21)。直交マスタパターン板91には、カメラ軸に略平行なほぼ直線状の第1マスタライン92、および、第1マスタライン92に略垂直(ステージ軸25に略平行)なほぼ直線状の第2マスタライン93が描かれ、第1マスタライン92の片方の端点と第2マスタライン93の片方の端点とが重なっている。以下、この重なっている端点をそれぞれのマスタラインの始点と呼び、反対側の端点を終点と呼ぶ。図10では第1マスタライン92および第2マスタライン93の歪みを強調して示している。
続いて、直交マスタパターン板91がステージ2に載置された状態でステージ2が固定され、図1に示す制御部8によりヘッド移動機構42が制御され、予め第1マスタライン92の始点の直上に配置されているカメラ41の、第1マスタライン92の始点から終点へと向かう方向(ほぼ(+X)方向)への移動が開始される(ステップS22)。
カメラ41の移動中には、図1に示すレーザ光源641から計測用の光ビームが出射され、カメラ位置計測部63によりカメラ41のカメラ軸上の位置が継続的に計測される。具体的には、レーザ光源641から出射された光ビームがスプリッタ642により2分割されてその一方がY方向へと向かい、リニア干渉系632により反射されて描画ヘッド4の(+X)側の側面に設けられたコーナーキューブ633に入射し、その反射光がリニア干渉系632にて元の光ビームと干渉した上でレシーバ634により受光される。レシーバ634からの出力は制御部8へと送信され、演算部81によりカメラ41の位置が求められる。
また、制御部8の制御により、カメラ41は第1マスタライン92のほぼ直上を移動しつつ第1マスタライン92の1回目の撮像を行い(実際には複数回の撮像が繰り返し行われる。以下同様。)(ステップS23)、カメラ41から出力される画像データが制御部8の記憶部82に記憶される。第1マスタライン92の1回目の撮像が終了するとカメラ41の移動が停止される(ステップS24)。
図11は、第1マスタライン92および第2マスタライン93を示す拡大図である。図11中に二点鎖線にて示す直線920および930は、演算部81において第1マスタライン92および第2マスタライン93にそれぞれ対応付けられる基準線であり、対応するマスタラインの始点と終点を結ぶ。以下、直線920および930をそれぞれ、第1マスタ基準線920、第2マスタ基準線930と呼ぶ。
ステージ軸25にほぼ直交する直線45はカメラ軸を示し、カメラ軸45に沿って伸びる太線451は、カメラ41がカメラ軸45にほぼ沿って移動する際のカメラ41の軌跡を示す。また、ステージ軸25に沿って伸びる太線251は、後述するようにカメラ41を固定してステージ2をステージ軸25にほぼ沿って移動する際に、カメラ41の直下の点が、ヨーイングθ(Y)およびずれ量SW(Y)の影響を受けつつステージ2上を移動する軌跡をステージ軸25を中心に左右反転したもの(以下、「反転軌跡」という。)を表す。
図11においてカメラ軸45上の各位置とカメラ41の軌跡451との間のY方向の距離(軌跡451が(+Y)側にある場合を正とする。)は、カメラ41のヨーイングを反映したカメラ軸45からのカメラ41の複合的ずれ量Sを示し、複合的ずれ量Sはカメラ軸45上のカメラ41の位置Xcam(絶対座標)の関数としてS(Xcam)と表すものとする。
ここで、ステップS23で撮像され記憶部82に記憶される画像データから、演算部81によりカメラ41の軌跡451上の各位置と第1マスタライン92との間のY方向の距離(すなわち、第1マスタライン92のカメラ41に対する相対位置であり、第1マスタライン92が(+Y)側にある場合を正とする。)Ym1(Xcam)(以下、「距離データ」という。)が位置Xcamの関数として求められる。
さらに、第1マスタライン92の始点および終点におけるカメラ41の複合的ずれ量Sが0である(すなわち、第1マスタライン92の始点および終点を撮像する際のカメラ41の位置をそれぞれXcam_0、Xcam_ENDと表すと、S(Xcam_0)=S(Xcam_END)=0)と仮定して、演算部81により、距離データYm1(Xcam)に基づいて、カメラ軸45と第1マスタ基準線920とのなす角度(図11における反時計回り方向を正とする、第1マスタ基準線920のカメラ軸45に対する角度)αが数6により求められる(ステップS25)。
Figure 2005090983
その後、第1マスタライン92を撮像したときの固定されたステージ2のヨーイングθ(Y)を用いて、ステージ2のヨーイングが0と仮定した場合の第1マスタ基準線920のカメラ軸45に対する真の角度α1Sが、数7により求められる(ステップS26)。
Figure 2005090983
次に、カメラ41が第2マスタライン93の始点の直上にて固定され、図1に示すステージ移動機構22によりステージ2の(+Y)方向への移動が開始される(ステップS27)。ステージ2の移動中は、ステージ位置計測部61により、ステージ2のステージ軸25上の位置が継続的に計測される。また、制御部8の制御により、ステージ2とともに第2マスタライン93をカメラ41のほぼ直下にて移動しつつ第2マスタライン93の1回目の撮像が行われ(ステップS28)、カメラ41から出力される画像データが制御部8の記憶部82に記憶される。第2マスタライン93の1回目の撮像が終了するとステージ2の移動が停止される(ステップS29)。
ここで、図11においてステージ軸25上の各位置と反転軌跡251との間のX方向の距離(反転軌跡251が(+X)側にある場合を正とする。)は、ステージ2のステージ軸25からのずれ量SW(Y)にヨーイングθ(Y)を反映した複合的ずれ量Sに相当し、ステージ軸25上のステージ2(の中心点28)の位置Yの関数としてS(Y)と表すものとする。複合的ずれ量S(Y)は、ステージ2上の撮像位置のX座標(絶対座標)を数4により求めた上で、そこから、ステージ2のずれ量SW(Y)およびヨーイングθ(Y)が共に0であると仮定した場合のステージ2上の撮像位置のX座標(絶対座標)を引いた値として求められ、数2および数3を用いて数8のように表される。
Figure 2005090983
また、第2マスタ基準線930上の各位置と第2マスタライン93との間のX方向の距離(第2マスタライン93が(+X)側にある場合を正とする。)は、第2マスタライン93の第2マスタ基準線930に対する歪み量Em2を示し、歪み量Em2はステージ2の位置Yの関数としてEm2(Y)と表すものとする。
ここで、ステップS28で撮像され記憶部82に記憶される画像データから、演算部81により反転軌跡251上の各位置と第2マスタライン93との間のX方向の距離(すなわち、第2マスタライン93のカメラ41に対する相対位置であり、第2マスタライン93が(+X)側にある場合を正とする。)Xm2(Y)(以下、「距離データ」という。)がステージ2のステージ軸25上の位置Yの関数として求められる。
さらに、第2マスタライン93の始点および終点を撮像する際のステージ2の位置をそれぞれYc_0、Yc_ENDとして、演算部81により、距離データXm2(Y)に基づいて、ステージ軸25と第2マスタ基準線930とのなす角度(図11における反時計回り方向を正とする、第2マスタ基準線930のステージ軸25に対する角度)βが数9により求められる(ステップS30)。
Figure 2005090983
一方、距離データXm2(Y)は、ステージ軸25上のステージ2の位置Y、ステージ2のヨーイングを反映した複合的ずれ量S(Y)、第2マスタライン93の歪み量Em2(Y)、および、第2マスタ基準線930のステージ軸25に対する角度βを用いて数10のように表すことができる。
Figure 2005090983
そこで、演算部81は第2マスタライン93の歪み量Em2(Y)を数11に示す演算により求める。
Figure 2005090983
このように、演算部81により、距離データXm2(Y)、第2マスタ基準線930のステージ軸25に対する角度β、および、ステージ2のヨーイングを反映した複合的ずれ量S(Y)に基づいて、第2マスタライン93の第2マスタ基準線930に対する歪み量Em2(Y)が求められる(ステップS31)。
次に、ステージ2を第2マスタライン93の撮像前の位置まで戻し、図12に示すように、直交マスタパターン板91がステージ面21に沿って時計回りに90°回転した状態(以下、「回転後載置状態」という。)でステージ2上に載置される(ステップS41)。このとき、第1マスタライン92はステージ軸25に略平行とされる。また、第2マスタライン93はカメラ軸45に略平行とされ、初期載置状態における第1マスタライン92が配置される位置とほぼ同じ位置に配置される。
続いて、ステージ2が固定され、図1に示す制御部8によりヘッド移動機構42が制御され、予め第2マスタライン93の始点の直上に配置されているカメラ41の、第2マスタライン93の始点から終点へと向かう方向(ほぼ(−X)方向)への移動が開始される(ステップS42)。
カメラ41の移動中は、カメラ位置計測部63によりカメラ41のカメラ軸45上の位置が継続的に計測され、制御部8の制御により、カメラ41が第2マスタライン93のほぼ直上を移動しつつ第2マスタライン93の2回目の撮像を行い(ステップS43)、カメラ41から出力される画像データは制御部8の記憶部82に記憶される。第2マスタライン93の2回目の撮像が終了するとカメラ41の移動が停止される(ステップS44)。
図13は、図11と同様に、第1マスタライン92および第2マスタライン93を示す拡大図であり、図11と同じものには同符号を付している。
ステップS43で撮像され記憶部82に記憶される画像データから、演算部81によりカメラ41の軌跡451上の各位置と第2マスタライン93との間のY方向の距離(すなわち、第2マスタライン93のカメラ41に対する相対位置であり、第2マスタライン93が(+Y)側にある場合を正とする。)Ym2(Xcam)(以下、「距離データ」という。)がカメラ41のカメラ軸45上の位置Xcamの関数として求められる。
次に、第2マスタライン93の始点および終点におけるカメラ41のヨーイングを反映した複合的ずれ量Sが0であると仮定して、演算部81により、距離データYm2(Xcam)に基づいて、カメラ軸45と第2マスタ基準線930とのなす角度(図13における反時計回り方向を正とする、第2マスタ基準線930のカメラ軸45に対する角度)αが数12により求められる(ステップS45)。
Figure 2005090983
このとき、ステージ2のヨーイングは、ステップ23にて第1マスタライン92の1回目の撮像を行った際と同じヨーイングθ(Y)となっているため、演算部81により、ヨーイングが0と仮定した場合の第2マスタ基準線930のカメラ軸45に対する角度α2Sが、数13により求められる(ステップS46)。
Figure 2005090983
その後、カメラ41が第1マスタライン92の始点の直上にて固定され、図1に示すステージ移動機構22によりステージ2の移動が開始される(ステップS47)。ステージ2の移動中は、ステージ位置計測部61により、ステージ2のステージ軸25上の位置が継続的に計測される。また、制御部8の制御により、ステージ2とともに第1マスタライン92をカメラ41のほぼ直下にて移動しつつ第1マスタライン92の2回目の撮像が行われ(ステップS48)、カメラ41から出力される画像データが制御部8の記憶部82に記憶される。第1マスタライン92の2回目の撮像が終了するとステージ2の移動が停止される(ステップS49)。
ここで、第1マスタ基準線920上の各位置と第1マスタライン92との間のY方向の距離(第1マスタライン92が(+Y)側にある場合を正とする。)は、第1マスタライン92の第1マスタ基準線920に対する歪み量Em1を示し、歪み量Em1はカメラ41の位置Xcamの関数としてEm1(Xcam)と表すものとする。
ステップS48で撮像され記憶部82に記憶される画像データから、演算部81により反転軌跡251上の各位置と第1マスタライン92との間のX方向の距離(すなわち、第1マスタライン92のカメラ41に対する相対位置であり、第1マスタライン92が(+X)側にある場合を正とする。)Xm1(Y)(以下、「距離データ」という。)がステージ2のステージ軸25上の位置Yの関数として求められる。
ここで、第1マスタライン92の始点および終点を撮像する際のステージ2の位置をそれぞれYc_0、Yc_ENDとして、演算部81により、距離データXm1(Y)に基づいて、ステージ軸25と第1マスタ基準線920とのなす角度(図13における反時計回り方向を正とする、第1マスタ基準線920のステージ軸25に対する角度)βが数14により求められる(ステップS50)。なお、ステージ2の複合的ずれ量S(Y)は改めて求められる。
Figure 2005090983
一方、距離データXm1(Y)は、ステージ軸25上のステージ2の位置Y、ステージ2のヨーイングを反映した複合的ずれ量S(Y)、第1マスタライン92の歪み量Em1(Y)、および、第1マスタ基準線920のステージ軸25に対する角度βを用いて数15のように表すことができる。
Figure 2005090983
そこで、演算部81は、第1マスタライン92の歪み量Em1(Y)を数16に示す演算により求める。
Figure 2005090983
このように、演算部81により、距離データXm1(Y)、第1マスタ基準線920のステージ軸25に対する角度β、および、ステージ2のヨーイングを反映した複合的ずれ量S(Y)に基づいて、第1マスタライン92の第1マスタ基準線920に対する歪み量Em1(Y)が求められる(ステップS51)。
以上のように、ステージ移動装置1では、ステージ2(の中心点28)のステージ軸25上の位置Yと、ステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)およびステージ軸25に対するステージ2のヨーイングθ(Y)との関係を示すデータ、並びに、カメラ41からの出力に基づく距離データYm1,Xm2,Ym2,Xm1、並びに、ステージ2のヨーイングθが0のときに初期載置状態におけるカメラ軸45と第1マスタ基準線920のなす角度α1S、ステージ軸25と第2マスタ基準線930とのなす角度β、回転後載置状態におけるカメラ軸45と第2マスタ基準線930のなす角度α2S、および、ステージ軸25と第1マスタ基準線920とのなす角度β、並びに、第1マスタライン92の第1マスタ基準線920に対する歪み量Em1、および、第2マスタライン93の第2マスタ基準線930に対する歪み量Em2が求められ、記憶部82に記憶される。
演算部81ではさらに、第1マスタライン92の1回目および2回目の撮像により求められるデータ(α,Em1,Ym1)に基づいて、カメラ41のヨーイングを反映したカメラ軸45からのカメラ41の複合的ずれ量Sが数17により求められる(ステップS52)。ただし、数17においてX’は(Xcam−Xcam_0)である。
Figure 2005090983
なお、Sはα、Em2およびYm2を用いて数18のようにも表すこともできるため、数17および数18においてS、αおよびαを変数として線形最小二乗法によりSが求められてもよい。
Figure 2005090983
図14および図15はそれぞれ、ステージ2のヨーイングが0の場合の初期載置状態および回転後載置状態におけるステージ軸25、カメラ軸45、第1マスタ基準線920および第2マスタ基準線930の関係を示す図である。
図14中の第2マスタ基準線930と第1マスタ基準線920とのなす角度をγとし、ステージ軸25とカメラ軸45とのなす角度をδとする。また、図15中のカメラ軸45とステージ軸25とのなす角度をεとすると、(ε=π−δ)となる。なお、図14および図15中に示す全ての角度は反時計回り方向を正とする。演算部81では、図14および図15中の直線と角度との関係を利用して、角度γおよびδが、4回の撮像に基づいて求められて記憶部82に記憶されたデータ(α1S,α2S,β,β)を用いて、それぞれ数19および数20に示す演算により容易に求められる(ステップS53)。
Figure 2005090983
Figure 2005090983
以上のようにして、ステージ移動装置1では、描画位置を補正するための各種データが求められ、記憶部82に記憶される。
ステージ移動装置1では、上述の描画位置を補正するためのデータを用いてカメラ41の絶対座標が求められ、これに基づいてカメラ41によるステージ2上の撮像位置のステージ座標系における座標が求められる。以下、撮像位置の座標の求め方を具体的に説明する。
カメラ41のカメラ軸45上の移動の原点(カメラ41のカメラ軸45上の位置Xcamが0となる位置であり、本実施の形態ではカメラ軸45の(−X)側の端点)の絶対座標を(X0,Y0)とすると、カメラ41の絶対座標(X(Xcam),Y(Xcam))は数21にて表される。
Figure 2005090983
また、ステージ2上の任意の点のステージ座標系における座標を(x,y)とすると、この点の絶対座標系における座標(XP_a,YP_a)は、数4および数5から、数22にて表すことができる。
Figure 2005090983
ここで、ステージ2上の1点がカメラ41により撮像されるとすると、ステージ2上の撮像される点の絶対座標(XP_a,YP_a)とカメラ41の絶対座標(X(Xcam),Y(Xcam))とが等しくなる。そこで、演算部81では、ステージ2のステージ軸25上の現在位置Yにおけるステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)、ステージ軸25に対するステージ2のヨーイングθ(Y)、カメラ41のカメラ軸45上の現在位置Xcamにおけるカメラ軸45からの複合的ずれ量S(Xcam)、並びに、ステージ軸25およびカメラ軸45のなす角度δに基づいて、カメラ41によるステージ2上の撮像位置のステージ座標系における座標(x,y)が、数21,22および数2から導かれる数23に示す演算により求められる(ステップS54)。
Figure 2005090983
ステージ移動装置1では、上記のように求められたカメラ41による撮像位置のステージ座標系における座標に基づいて光照射部40による描画のデータ(または、ステージ2およびカメラ41の移動制御のデータ)が補正され、ステージ2上に載置された基板9上の所定の描画開始点と光照射位置とが重なるようにステージ2とカメラ41が移動され、その後基板9への光の照射が開始されて補正後の描画データ(または、補正後の移動制御データ)に基づいて描画位置を補正しつつ基板9に対する描画が行われる。
以上に説明したように、ステージ移動装置1では、ステージ2のステージ軸25上の位置Yおよびステージ軸25に対するヨーイングθ(Y)、並びに、カメラ41のカメラ軸45上の位置Xcamを計測し、ステージ2のステージ軸25からのずれ量SW(Y)、カメラ41のヨーイングを反映したカメラ軸からのカメラ41の複合的ずれ量S(Xcam)、並びに、ステージ軸25およびカメラ軸45のなす角度δ等を求めることができる。そして、これらのデータに基づいてステージ2およびカメラ41の移動に伴い発生する位置誤差を補正することにより、基板9への高精度な描画が実現される。
また、ステージ移動装置1では、上記の位置誤差を求めるに際して、大型のステージミラーを必要としないため、ステージ移動装置1の製作コストの増大を抑制することができる。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るステージ移動装置1において用いられる平行マスタパターン板96を示す図である。第2の実施の形態に係るステージ移動装置1では、演算部81において第1の実施の形態と異なる演算が行われるが、装置の構成は第1の実施の形態と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
平行マスタパターン板96には、ステージ軸25に略平行なほぼ直線状の第1マスタライン97および第2マスタライン98が、平行マスタパターン板96の上下両主面から視認可能に描かれている。第1マスタライン97および第2マスタライン98のそれぞれの(+Y)側の端点をマスタラインの始点と呼び、反対側の端点を終点と呼ぶ。図16中に二点鎖線にて示される直線970および980は、演算部81において第1マスタライン97および第2マスタライン98にそれぞれ対応付けられる基準線であり、対応するマスタラインの始点と終点を結ぶ。以下、直線970および980をそれぞれ、第1マスタ基準線970、第2マスタ基準線980と呼ぶ。
第2の実施の形態に係るステージ移動装置1では、平行マスタパターン板96を用いて、ステージ2(正確にはステージ2の中心点28(図7参照))のステージ軸25上の位置Yと、ステージ軸25の基準面内におけるステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)との関係を示す真直度が求められる。
図17ないし図20は、描画位置を補正するためのデータを求める際のステージ移動装置1の動作の流れの前半部を示す図であり、動作の後半部は図3ないし図6と同様である。以下、図17ないし図20および他の図面を適宜参照しながら、ステージ移動装置1による平行マスタパターン板96を用いたステージ2の真直度の算出について説明する。
ステージ移動装置1によりステージ2の真直度が求められる際には、第1の実施の形態と同様に、ステージ2の(+Y)方向への移動が開始され(ステップS61)、ステージ2のステージ軸25上の位置Yおよびステージ軸25に対するヨーイングθ(Y)が繰り返し求められる(ステップS62)。その後、ステージ2の移動が停止され(ステップS63)、ステージ2の位置Yとヨーイングθ(Y)との関係を示すデータが記憶部82に記憶される(ステップS64)。
その後、図16に示すように平行マスタパターン板96がステージ2上に所定の状態(以下、「初期載置状態」という。)にて載置される(ステップS65)。第1マスタ基準線970は、図21に示すように、ステージ2のヨーイングが0の場合はステージ軸25に平行とされることが望ましく、この初期載置状態における第1マスタ基準線970の理想位置のステージ座標系におけるx座標をxとする。実際には、図22に示すように、第1マスタ基準線970はステージ2上の理想位置からずれて(傾いて)配置されており、そのずれている量(あるy座標において傾き等によりx方向にずれる量)を(x=ay+a)と表すと、ステージ座標系において第1マスタ基準線970は数24にて表される。
Figure 2005090983
同様に、第2マスタ基準線980の理想位置のステージ座標系におけるx座標をxとして、理想位置からずれている量を(x=by+b)と表すと、ステージ座標系において第2マスタ基準線980は数25にて表される。
Figure 2005090983
演算部81では、数24,数25の形式にて第1マスタ基準線970,第2マスタ基準線980が取り扱われるように各種変数が準備される。
次に、図1に示すカメラ41が第1マスタライン97の撮像に適したカメラ軸45上の位置にて固定され、平行マスタパターン板96がステージ2に載置された状態で、ステージ移動機構22によりステージ2の(+Y)方向への移動が開始される(ステップS66)。ステージ2の移動中は、ステージ位置計測部61によりステージ2のステージ軸25上の位置が継続的に計測され、制御部8の制御により、ステージ2とともに第1マスタライン97をカメラ41のほぼ直下にて移動しつつ第1マスタライン97の1回目の撮像が行われれる(ステップS67)。カメラ41から出力される画像データは制御部8の記憶部82に記憶され、第1マスタライン97の1回目の撮像が終了するとステージ2の移動が停止される(ステップS68)。
図23は、カメラ41による第1マスタライン97の撮像の様子を示す図であり、円410はカメラ41の視野の輪郭を示す。カメラ41からの出力に基づいて、演算部81によりカメラ41の中心と第1マスタライン97との間のX方向の距離(第1マスタライン97が(+X)側にある場合を正とする。)Xm31(Y)(以下、「距離データ」という。)がステージ2のステージ軸25上の位置Yの関数として求められる。そして、カメラ位置計測部63により得られるカメラ41のカメラ軸45上の位置(絶対座標)をXcamとして、第1マスタライン97上の一の点の絶対座標(X,Y)のX座標Xが数26により求められる。
Figure 2005090983
また、第1マスタ基準線970上の各位置と第1マスタライン97との間のX方向の距離は、第1マスタライン97の第1マスタ基準線970に対する歪み量Em3を示し、歪み量Em3はステージ2のステージ軸25上の位置Yの関数としてEm3(Y)と表すものとする。ここで、第1マスタライン97上の一の点のステージ座標系における座標(x,y)のX座標Xは、Em3(Y)および数24を用いて数27にて表すことができる。
Figure 2005090983
そこで、演算部81では、図24に示すように、ステージ2のヨーイングをθ(Y)、ステージ2のステージ軸25からのずれ量をSW(Y)とし、また、ステージ軸25の絶対座標系におけるX座標をX0として、第1マスタライン97上の点の絶対座標系における座標(X,Y)が、数4および数5から、数28に示す演算により求められる(ステップS69)。
Figure 2005090983
また、数28のX(Y)に数2および数3を代入することにより、座標(X,Y)は数29にて表すことができる。
Figure 2005090983
ここで、第1マスタライン97上の同一の点について数26および数29が成り立つものとして、演算部81により、距離データXm31(Y)、カメラ軸45上のカメラ41の位置Xcamおよびステージ2のヨーイングθ(Y)に基づいて、左右両辺が第1マスタライン97上の点の絶対座標を表す等式が数30として求められる。
Figure 2005090983
そして、演算部81により数30のX成分のみが取り出され、第1マスタライン97上の点のX座標(絶対座標)に関する等式が数31に示す形式にて記憶部82に記憶される(ステップS70)。なお、実際には離散的な多数のYの値のそれぞれに対して等式が求められる。
Figure 2005090983
続いて、カメラ41が第2マスタライン98の撮像に適した位置にて固定され、ステージ2の(−Y)方向への移動が開始され(ステップS71)、ステージ2の位置を計測しつつ第2マスタライン98の1回目の撮像が行われる(ステップS72)。カメラ41から出力される画像データは制御部8の記憶部82に記憶され、撮像が終了するとステージ2の移動が停止される(ステップS73)。なお、撮像範囲が十分に広い場合は、第1マスタライン97および第2マスタライン98の1回目の撮像が同時に行われてもよい(後述の2回目の撮像においても同様。)。
第2マスタライン98についても、第1マスタライン97と同様に、カメラ41からの出力に基づいて、演算部81によりカメラ41の中心と第2マスタライン98との間のX方向の距離(第2マスタライン98が(+X)側にある場合を正とする。)Xm41(Y)(以下、「距離データ」という。)がステージ2のステージ軸25上の位置Yの関数として求められる。そして、第2マスタライン98の第2マスタ基準線980に対する歪み量をEm4(Y)として、演算部81により、数25等を用いて第1マスタライン97の場合と同様の手順で第2マスタライン98上の点の絶対座標が求められ、第2マスタライン98上の点のX座標(絶対座標)の等式が数32に示す形式にて記憶部82に記憶される(ステップS74)。
Figure 2005090983
第1マスタライン97および第2マスタライン98に対する1回目の撮像が終了すると、ステージ2は撮像前の所定の位置に再び配置され、図25に示すように、平行マスタパターン板96がステージ軸25に平行な軸を中心に裏返された状態(以下、「反転後載置状態」という。)でステージ2上に載置される(ステップS81)。このとき、第1マスタライン97および第2マスタライン98の始点は、平行マスタパターン板96が初期載置状態において載置されたときの第2マスタライン98および第1マスタライン97の始点のステージ軸25上の位置とほぼ同じ位置にそれぞれ配置される。
ここで、第1マスタ基準線970の理想位置のステージ座標系におけるx座標をxとして、理想位置からずれている量を(x=cy+c)と表すと、ステージ座標系において第1マスタ基準線970は数33にて表される。
Figure 2005090983
同様に、第2マスタ基準線980の理想位置のステージ座標系におけるx座標をxとして、理想位置からずれている量をx=dy+dと表すと、ステージ座標系において第2マスタ基準線980は数34にて表される。
Figure 2005090983
次に、1回目の撮像と同様に、カメラ41が第1マスタライン97の撮像に適したカメラ軸45上の位置にて固定され、ステージ2の移動が開始され(ステップS82)、制御部8の制御によりステージ2が移動されつつ第1マスタライン97の2回目の撮像が行われる(ステップS83)。カメラ41から出力される画像データは制御部8の記憶部82に記憶され、撮像が終了するとステージ2の移動が停止される(ステップS84)。その後、演算部81により、カメラ41の中心と第1マスタライン97との間のX方向の距離(以下、「距離データ」という。)Xm32(Y)が求められ、第1マスタライン97の歪み量Em3(Y)を用いて、第1マスタライン97上の点のX座標(絶対座標)に関する等式が数35に示す形式にて記憶部82に記憶される(ステップS85)。
Figure 2005090983
続いて、カメラ41が第2マスタライン98の撮像に適した位置にて固定され、ステージ2の移動が開始され(ステップS86)、第2マスタライン98の2回目の撮像が行われる(ステップS87)。カメラ41から出力される画像データは制御部8の記憶部82に記憶され、撮像が終了するとステージ2の移動が停止される(ステップS88)。その後、演算部81により、カメラ41の中心と第2マスタライン98との間のX方向の距離(以下、「距離データ」という。)Xm42(Y)が求められ、第2マスタライン98の歪み量Em4(Y)を用いて、第2マスタライン98上の点のX座標(絶対座標)に関する等式が数36に示す形式にて記憶部82に記憶される(ステップS89)。
Figure 2005090983
ここで、1回目および2回目の撮像における平行マスタパターン板96の第1マスタライン97と第2マスタライン98との相対的な位置関係に変化はないため、第1マスタ基準線970の第2マスタ基準線980に対する相対的な向きの関係(第1マスタ基準線970と第2マスタ基準線980とのなす角)も変化しない。従って、初期載置状態における第1マスタ基準線970および第2マスタ基準線980の傾きをそれぞれベクトルVおよびVとし、反転後載置状態における第1マスタ基準線970および第2マスタ基準線980の傾きをそれぞれベクトルVおよびVとして、各ベクトルの関係は数37にて表される。
Figure 2005090983
ステージ移動装置1では、演算部81により、数31,32,35および36からなる方程式の未知数であるステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)、第1マスタライン97の第1マスタ基準線970からの歪み量Em3(Y)および第2マスタライン98の第2マスタ基準線980からの歪み量Em4(Y)、1回目および2回目の撮像のそれぞれにおける第1マスタ基準線970および第2マスタ基準線980を表す数24,25,33,34の定数a,a,b,b,c,c,d,d、並びに、1回目および2回目の撮像のそれぞれにおける第1マスタ基準線970および第2マスタ基準線980がステージ軸25に平行であると仮定した場合の各基準線とステージ軸25との間の距離x,x,x,xが、ステージヨーイング計測部62により計測されるステージ2のヨーイングθ(Y)、および、カメラ41の出力から求められる距離データXm31,Xm41,Xm32,Xm41に基づいて、数37を拘束条件として最適化手法(例えば、線形最小二乗法)により求められ、ステージ2のステージ軸25上の位置Yとステージ軸25からのステージ2のずれ量SW(Y)の関係を示す真直度が求められる(ステップS90)。
このようにして、ステージ移動装置1では、ステージ軸25に略平行な2本のマスタラインが描かれた平行マスタパターン板96を撮像し、裏返して再び撮像することによっても、ステージ2の真直度が求められる。
なお、平行マスタパターン板96に描かれるマスタラインは2本以上であればよく、3本またはそれ以上のマスタラインの撮像データに基づいて多数の等式からなる方程式を求めてステージ2の真直度が求められてもよい。
図26は、本発明の第3の実施の形態に係るステージ移動装置1aの構成を示す平面図である。ステージ移動装置1aでは、主な装置の構成は第1の実施の形態と同様であり、以下の説明において同符号を付す。
ステージ移動装置1aの計測部6は、基準面内における描画ヘッド4のカメラ軸45に対するヨーイングを計測するヘッドヨーイング計測部65をさらに備える。演算部81は、ステージ演算部811およびヘッド演算部812を有し、ステージ演算部811では、ステージ位置計測部61およびステージヨーイング計測部62からの出力に基づきステージ2の真直度が第1の実施の形態と同様の手法により求められ、ヘッド演算部812では、ヘッドヨーイング計測部65からの出力に基づき描画ヘッド4のカメラ軸45上の位置とカメラ軸45からのずれ量(カメラ軸45に垂直な方向へのずれ量)との関係を示すデータである描画ヘッド4の真直度が求められる。
ヘッドヨーイング計測部65は、リニア干渉系652、描画ヘッド4に設けられるヘッドミラー653、および、レシーバ654を有する。また、カメラ位置計測部63には、レーザ光源641からの光ビームを2分割してカメラ位置計測部63のリニア干渉系632、および、ヘッドヨーイング計測部65へと導くスプリッタ631がさらに設けられる。
図27は、描画位置を補正するためのデータを求める際のステージ移動装置1aの動作の流れの一部を示す図であり、ステージ移動装置1aでは、図27に示す動作に先立って図2に示す動作が行われ、図27の動作の完了後、図3ないし図6の動作が行われる。以下、図27および他の図面を適宜参照しながら、ステージ移動装置1aによる描画ヘッド4の真直度の算出について説明する。
ステージ移動装置1aでは、まず、図2に示す動作(ステップS11〜S16)がステージ演算部811により行われてステージ2の真直度が求められた後、制御部8によりヘッド移動機構42が制御されて、描画ヘッド4の(+X)方向への移動が開始される(ステップS91)。続いて、レーザ光源641から計測用の光ビームが出射され、描画ヘッド4のカメラ軸45上の位置、および、描画ヘッド4のカメラ軸45に対するヨーイングが計測される。具体的には、レーザ光源641から出射された光ビームはスプリッタ642により2分割され、(+Y)方向へと向かう光ビームは、カメラ位置計測部63のスプリッタ631によりさらに2分割され、一方はリニア干渉系632を介して描画ヘッド4の(+X)側の側面に設けられたコーナーキューブ633に入射し、その反射光がリニア干渉系632にて元の光ビームと干渉してレシーバ634により受光される。レシーバ634からの出力は制御部8へと送信され、ヘッド演算部812により描画ヘッド4の位置が求められる。
また、スプリッタ631により分割されたもう一方の光ビームはヘッドヨーイング計測部65へと向かい、リニア干渉系652にてさらに2本の光ビームに分割されてステージ2の(+X)側の側面に設けられたヘッドミラー653にそれぞれ入射し、その2本の反射光がリニア干渉系652にて元の光ビームと干渉してレシーバ654により受光される。レシーバ654からの出力は制御部8へと送信され、2本の光ビームのヘッドミラー653上のそれぞれの照射位置とリニア干渉系652との距離の差分がヘッド演算部812により算出され、描画ヘッド4のヨーイングが求められる(ステップS92)。
描画ヘッド4が移動の終点まで達すると描画ヘッド4の移動が停止され(ステップS93)、ステップS92で計測された描画ヘッド4の位置とヨーイングとの関係を示すデータが記憶部82に記憶される(ステップS94)。
ステージ移動装置1aでは、図2のステップS15にて行われた手法(すなわち、ステージ2のヨーイングに起因する単位移動距離あたりのステージ2のステージ軸25からのずれ量を積分することにより、ステージ2のステージ軸25上の位置と基準面内におけるステージ軸25からのステージ2のずれ量との関係を示すステージ2の真直度を求める手法)と同様の手法により、単位移動距離あたりの描画ヘッド4のカメラ軸45からのずれ量が積分されることにより、描画ヘッド4の真直度が求められ(ステップS95)、記憶部82に記憶される。
以上の動作が終了すると、ステージ移動装置1aでは、図3ないし図6に示す直交マスタパターン板91を用いてステージ軸25とカメラ軸とのなす角度が求められ、カメラ41のステージ座標系における撮像位置を求める動作(ステップS21〜S54)が行われる。ステージ移動装置1aでは、上述のように描画ヘッド4のヨーイングおよび真直度が既に求められているため、描画ヘッド4のヨーイングを反映したカメラ41の複合的ずれ量は、ヘッド演算部812によって数8に示す演算と同様の演算(すなわち、描画ヘッド4のヨーイングおよび真直度、並びに、カメラ41の描画ヘッド4に対する相対位置に基づく演算)により求められる。このため、ステージ移動装置1aでは、図3ないし図6に示す動作のうち、ステップS31,S51,S52の動作が省略される。
以上のようにして、ステージ移動装置1aでは、描画ヘッド4のカメラ軸45上の位置およびカメラ軸45に対するヨーイングを計測することにより、描画ヘッド4の真直度が求められる。そして、この真直度および求められた各種データに基づいてステージ2およびカメラ41の移動に伴い発生する位置誤差を補正することにより、基板9への高精度な描画が実現される。また、第1の実施の形態と同様に、ステージ移動装置1aの製作コストの増大を抑制することができる。
次に、第1の実施の形態に係るステージ移動装置1において、ステージ2が直交マスタパターン板91と比べて数倍大きい場合に、同様の手法を用いて描画位置を補正するためのデータを取得する手法について説明する。
図28は、ステージ2上に載置された直交マスタパターン板91を示す図である。図28では、直交マスタパターン板91のX方向の幅が、ステージ2のステージ面21のX方向の幅の約1/4の場合を示す。直交マスタパターン板91には、第1の実施の形態と同様に、カメラ軸45に略平行な第1マスタライン92、および、ステージ軸25に略平行な第2マスタライン93が描かれている。
図29および図30は、直交マスタパターン板91を用いて、カメラ41のヨーイングを反映したカメラ軸からのカメラ41の複合的ずれ量、および、ステージ軸25とカメラ軸とのなす角度を求め、カメラ41のY座標(絶対座標)を求める動作の流れの後半部を示す図であり、前半部は図3中に示すステップS21から図6中に示すステップS53までと同様である。以下、ステージ移動装置1の動作について図28ないし図30および他の図面を参照しつつ説明する。なお、ステージ移動装置1の構成は第1の実施の形態と同様であり、同符号を付す。
まず、直交マスタパターン板91が図28中に実線にて示す位置(以下、「第1載置位置」という。)に載置され、図3ないし図6に示される動作が行われ、演算部81により第1マスタライン92と第1マスタ基準線920との距離(第1マスタライン92の歪み)、第2マスタライン93と第2マスタ基準線930との距離(第2マスタライン93の歪み)、第1マスタ基準線920と第2マスタ基準線930とのなす角度、カメラ軸(第1載置位置に対応する区間における撮像結果から求められるカメラ軸であり、必ずしもカメラ軸45と一致するとは限らない。以下、「第1区間カメラ軸」という。)456からのカメラ41の複合的ずれ量SY1(Xcam)、および、第1区間カメラ軸456とステージ軸25とのなす角度δが求められ(ステップS21〜S53)、図1に示す記憶部82に記憶される。なお、Xcamはカメラ41のカメラ軸45上の位置(絶対座標)を表す。
次に、直交マスタパターン板91が、第1載置位置の(+X)側にステージ軸25に直交する方向に移動され、直交マスタパターン板91の一部が第1載置位置と重なる二点鎖線にて示す位置(以下、「第2載置位置」という。)に載置される(ステップS101)。続いて、第1の実施の形態と同様に、第1マスタライン92および第2マスタライン93がそれぞれ撮像され(ステップS102)、上述の記憶部82に記憶されたデータに基づき、第2区間カメラ軸457からのカメラ41の複合的ずれ量SY2(Xcam)が第1載置位置の場合と同様の手法により求められ(ステップS103)、ステージ軸25と第2区間カメラ軸457とのなす角度δが求められる(ステップS104)。
その後、上記と同様に、直交マスタパターン板91が第2載置位置の(+X)側の第3載置位置に載置され(ステップS105)、第1マスタライン92および第2マスタライン93がそれぞれ撮像され(ステップS106)、第3区間カメラ軸458からのカメラ41の複合的ずれ量SY3(Xcam)が求められ(ステップS107)、ステージ軸25と第3区間カメラ軸458とのなす角度δが求められる(ステップS108)。さらに同様に、直交マスタパターン板91が第3載置位置の(+X)側の第4載置位置に載置されて撮像が行われ、第4区間カメラ軸459からのカメラ41の複合的ずれ量SY4(Xcam)、および、ステージ軸25と第4区間カメラ軸459とのなす角度δが求められる(ステップS109〜S112)。
図31は、ステージ軸25、各区間カメラ軸456〜459、および、カメラ41の軌跡451を示す図である。図中の丸印461ないし464はそれぞれ第1区間カメラ軸456ないし第4区間カメラ軸459の始点を示し、それぞれの絶対座標系における座標を(Xk1,Yk1)、(Xk2,Yk2)、(Xk3,Yk3)および(Xk2,Yk2)として、各区間カメラ軸456〜459に対応する範囲におけるカメラ41のY座標(絶対座標)Ycam(Xcam)が、演算部81により数38ないし数41に示す演算により求められる。
Figure 2005090983
Figure 2005090983
Figure 2005090983
Figure 2005090983
図31中のカメラ41の軌跡451上の太線452、453および454にて示す範囲はそれぞれ、第1および第2載置位置、第2および第3載置位置、並びに、第3および第4載置位置にて第1マスタライン92が重複して撮像された範囲を示し、範囲452〜454ではそれぞれ、数38および数39、数39および数40、並びに、数40および数41が連立する。そして、第1区間カメラ軸456の始点461におけるカメラ41のずれ量SY1(Xk1)を0として演算部81によりYk1が設定され、範囲452にて連立する数38および数39から、Yk2が求められ、同様に、Yk2並びに数39および数40からYk3が求められ、Yk3並びに数40および数41からYk4が求められてYk1〜Yk4が記憶部82に記憶される。そして、演算部81では、Yk1〜Yk4および数38〜数41から、任意のXcamに対するカメラ41のY座標(絶対座標)が求められる(ステップS113)。
以上のように、ステージ移動装置1では、ステージ2が直交マスタパターン板91と比べて大きい場合であっても、直交マスタパターン板91をステージ軸25に直交する方向にずらした複数箇所の載置位置に載置し、マスタパターンを複数回撮像することにより、各区間カメラ軸456〜459からのカメラ41の複合的ずれ量、および、各区間カメラ軸とステージ軸25とのなす角度を求め、カメラ41の軌跡451上の点(すなわち、カメラ軸45上の任意の位置にあるカメラ41)の絶対座標を求めることができる。また、必要であれば、演算部81により、上述の結果に基づいて(例えば、各区間カメラ軸456〜459上の複数の点の座標を用いた線形最小二乗法等により)、カメラ41の軌跡451全体に対する1つのカメラ軸45が求められてもよく、カメラ軸45とステージ軸25とのなす角度が求められてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
上記実施の形態に係るステージ移動装置において用いられる直交マスタパターン板91に描かれる第1マスタライン92および第2マスタライン93は、計測の簡便さの観点からは、互いの片方の端点で接していることが好ましいが、必ずしもこの形状には限定されない。例えば、互いの途中で略直交するように交わっていても交わっていなくても、カメラ41のカメラ軸45からの複合的ずれ量、および、ステージ軸25とカメラ軸45とのなす角度を求めることができる。
上記実施の形態に係るステージ移動装置では、ステージ位置計測部61のステージミラー613は、(ステージ2の(−Y)側の)ステージ軸25上に配置されなくてもよい。演算の簡便さの観点からは、ステージ軸25上に配置されることが好ましいが、配置上の制約等の理由によりステージ軸25上以外に配置されている場合であっても、その配置位置とステージ2の中心点28との相対位置、および、ステージ位置計測部61の計測値に基づいて、ステージ2の中心点28のステージ軸25上における位置を求めることができる。これは、第3の実施の形態に係るステージ移動装置1aのカメラ位置計測部63のコーナーキューブ633についても同様である。
上記実施の形態に係るステージ移動装置では、基板9への描画に光ビーム以外のエネルギー、例えば、電子ビームやイオンビームが用いられてもよい。また、ステージ移動装置は、プラズマ表示装置等の液晶表示装置以外のフラットパネル表示装置用のガラス基板や半導体基板に対する描画にも利用することができ、さらに、ステージ移動装置では、基板9に対して、パターンの描画以外の処理が行われてもよい。
また、他の移動体が移動される移動装置に、上記実施の形態におけるヨーイング計測に基づく移動軸からの移動体のずれ量の算出が利用されてもよい。
第1の実施の形態に係るステージ移動装置の構成を示す平面図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージが移動する様子を示す図である。 ステージおよびステージ上の任意の一の点を示す図である。 ステージが回転している状態を示す図である。 ステージおよび直交マスタパターン板を示す図である。 第1マスタラインおよび第2マスタラインを示す拡大図である。 ステージおよび直交マスタパターン板を示す図である。 第1マスタラインおよび第2マスタラインを示す拡大図である。 ステージ軸、カメラ軸、第1マスタ基準線および第2マスタ基準線の関係を示す図である。 ステージ軸、カメラ軸、第1マスタ基準線および第2マスタ基準線の関係を示す図である。 第2の実施の形態におけるステージおよび平行マスタパターン板を示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージおよび平行マスタパターン板を示す図である。 ステージおよび平行マスタパターン板を示す図である。 第1マスタラインの撮像の様子を示す図である。 ステージおよび平行マスタパターン板を示す図である。 ステージおよび平行マスタパターン板を示す図である。 第3の実施の形態に係るステージ移動装置の構成を示す平面図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージおよび直交マスタパターン板を示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ移動装置の描画位置を補正するためのデータを求める動作の流れを示す図である。 ステージ軸、各区間カメラ軸、および、カメラの軌跡を示す図である。
符号の説明
1,1a ステージ移動装置
2 ステージ
4 描画ヘッド
8 制御部
21 ステージ面
22 ステージ移動機構
25 ステージ軸
41 カメラ
42 ヘッド移動機構
45 カメラ軸
61 ステージ位置計測部
62 ステージヨーイング計測部
63 カメラ位置計測部
65 ヘッドヨーイング計測部
81 演算部
82 記憶部
91 直交マスタパターン板
92 第1マスタライン
93 第2マスタライン
96 平行マスタパターン板
97 第1マスタライン
98 第2マスタライン
811 ステージ演算部
812 ヘッド演算部
920 第1マスタ基準線
930 第2マスタ基準線
970 第1マスタ基準線
980 第2マスタ基準線
S11〜S16,S21〜S31,S41〜S54,S61〜S74,S81〜S95,S101〜S113 ステップ
SW ずれ量
複合的ずれ量
δ 角度
θ ヨーイング

Claims (12)

  1. 移動体を直線的に移動する直進移動装置であって、
    移動体と、
    前記移動体を所定の移動軸にほぼ沿って直線的に移動する移動機構と、
    前記移動体の前記移動軸上の位置を計測する位置計測部と、
    前記移動軸に平行な所定の面内における前記移動体の前記移動軸に対するヨーイングを計測するヨーイング計測部と、
    前記ヨーイング計測部により計測される前記移動体のヨーイングに基づいて前記ヨーイングに起因する単位移動距離当たりの前記移動体の前記移動軸からのずれ量を積分することにより、前記移動体の前記移動軸上の位置と前記所定の面内における前記移動軸からの前記移動体のずれ量との関係を示す真直度を求める演算部と、
    を備えることを特徴とする直進移動装置。
  2. 請求項1に記載の直進移動装置であって、
    前記移動体が、前記所定の面に平行なステージ面を有するステージであることを特徴とする直進移動装置。
  3. 請求項1に記載の直進移動装置であって、
    前記移動体、前記移動機構、前記位置計測部、前記ヨーイング計測部および前記演算部の組合せをさらに1組備え、
    一の組合せおよび他の組合せにおいて前記所定の面が共有されるとともに、前記一の組合せにおける前記移動軸と前記他の組合せにおける前記移動軸とが略直交することを特徴とする直進移動装置。
  4. 請求項3に記載の直進移動装置であって、
    前記一の組合せの前記移動体が前記所定の面に平行なステージ面を有するステージであり、前記他の組合せの前記移動体が前記ステージを撮像する撮像部であることを特徴とする直進移動装置。
  5. ステージを直線的に移動する直進移動装置であって、
    所定の移動軸に平行なステージ面を有するステージと、
    前記移動軸の方向に関して所定の位置に固定され、前記ステージを撮像する撮像部と、
    前記ステージを前記移動軸にほぼ沿って直線的に移動する移動機構と、
    前記ステージの前記移動軸上の位置を計測する位置計測部と、
    前記ステージ面に平行な所定の面内における前記ステージの前記移動軸に対するヨーイングを計測するヨーイング計測部と、
    前記撮像部により、前記移動軸に略平行なほぼ直線状の複数のマスタラインが上下両主面から視認可能に描かれたマスタパターン板が前記ステージに載置された状態で前記ステージを移動しつつ前記複数のマスタラインの第1の撮像を行い、さらに、前記マスタパターン板が前記移動軸に平行な軸を中心に裏返して前記ステージ上に載置された状態で前記ステージを移動しつつ前記複数のマスタラインの第2の撮像を行う制御部と、
    前記撮像部からの出力に基づいて、前記ステージの前記移動軸上の位置と前記所定の面内における前記移動軸からの前記ステージのずれ量との関係を示す真直度を求める演算部と、
    を備えることを特徴とする直進移動装置。
  6. 請求項5に記載の直進移動装置であって、
    前記演算部において複数の基準線が前記複数のマスタラインにそれぞれ対応付けられており、
    前記演算部が、所定の方程式を前記第1の撮像および前記第2の撮像における前記複数の基準線間の相対的な向きの関係を拘束条件として解くことにより、前記真直度を求め、
    前記方程式が、前記位置計測部により計測される前記ステージの位置を変数として、
    前記ヨーイング計測部により計測される前記ステージのヨーイング、および、
    前記撮像部の出力から求められる撮像位置と前記複数のマスタラインのそれぞれとの間の距離を含み、
    前記移動軸からの前記ステージのずれ量、
    前記複数のマスタラインの前記複数の基準線からのずれ量、
    前記第1の撮像および前記第2の撮像のそれぞれにおける前記複数の基準線を表す式の定数、並びに、
    前記複数の基準線が前記移動軸に平行であると仮定した場合の前記複数の基準線と前記移動軸との間の距離を未知数として含むことを特徴とする直進移動装置。
  7. 請求項2、5および6のいずれかに記載の直進移動装置であって、
    前記演算部が、前記ステージの前記移動軸上の現在位置における前記移動軸からの前記ステージのずれ量と前記移動軸に対する前記ステージのヨーイングとに基づいて前記ステージ上の一の点の絶対位置を求めることを特徴とする直進移動装置。
  8. 請求項2並びに5ないし7のいずれかに記載の直進移動装置であって、
    前記位置計測部が示す位置と前記ステージ上の複数の点の前記移動軸の方向に関する位置との対応関係を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記演算部が、予め前記ステージの前記移動軸上の複数の位置における前記移動軸からの前記ステージのずれ量と前記移動軸に対する前記ステージのヨーイングとに基づいて、前記ステージ上の前記複数の点の前記移動軸の方向に関する位置を求めることを特徴とする直進移動装置。
  9. ステージを撮像部に対して相対的に移動するステージ移動装置であって、
    第1移動軸に平行なステージ面を有するステージと、
    前記ステージを前記第1移動軸にほぼ沿って直線的に移動する第1移動機構と、
    前記ステージの前記第1移動軸上の位置を計測する第1位置計測部と、
    前記ステージ面に平行な所定の面内における前記ステージの前記第1移動軸に対するヨーイングを計測するヨーイング計測部と、
    前記ステージを撮像する撮像部と、
    前記撮像部を前記ステージ面に平行であって前記第1移動軸におよそ垂直な第2移動軸にほぼ沿って直線的に移動する第2移動機構と、
    前記撮像部の前記第2移動軸上の位置を計測する第2位置計測部と、
    前記撮像部により、前記第2移動軸に略平行なほぼ直線状のマスタラインが描かれたマスタパターン板が前記ステージに載置された状態で、前記ステージを固定して前記撮像部を移動しつつ前記マスタラインの第1の撮像を行い、さらに、前記ステージ面に沿って前記マスタパターン板を90°回転した状態で、前記撮像部を固定して前記ステージを移動しつつ前記マスタラインの第2の撮像を行う制御部と、
    前記ステージの前記第1移動軸上の位置と、前記所定の面内における前記第1移動軸からの前記ステージのずれ量および前記第1移動軸に対する前記ステージのヨーイングとの関係を示すデータを記憶する記憶部と、
    前記撮像部からの出力および前記データに基づいて、前記撮像部の前記第2移動軸上の位置と前記所定の面内における前記撮像部のヨーイングを反映した前記第2移動軸からの前記撮像部の複合的ずれ量との関係を求める演算部と、
    を備えることを特徴とするステージ移動装置。
  10. 請求項9に記載のステージ移動装置であって、
    前記演算部が、前記ステージの前記第1移動軸上の位置と前記ステージのヨーイングを反映した前記ステージの複合的ずれ量との関係、および、前記第2の撮像の結果に基づいて、前記マスタラインに対応付けられた基準線上の各位置と前記マスタラインとの間の距離を求め、前記第1の撮像の結果に基づいて前記第2移動軸と前記基準線とのなす角度を求めることを特徴とするステージ移動装置。
  11. 請求項9または10に記載のステージ移動装置であって、
    前記マスタパターン板に、前記マスタラインに略垂直なほぼ直線状のもう1つのマスタラインが描かれており、
    前記制御部により、前記マスタラインが前記第2移動軸に略平行な状態で、前記撮像部を固定して前記ステージを移動しつつ前記もう1つのマスタラインの第3の撮像が行われ、さらに、前記ステージ面に沿って前記マスタパターン板を90°回転した状態で、前記ステージを固定して前記撮像部を移動しつつ前記もう1つのマスタラインの第4の撮像が行われ、
    前記演算部が、前記第1ないし第4の撮像の結果に基づいて前記第1移動軸と前記第2移動軸とのなす角度を求めることを特徴とするステージ移動装置。
  12. 請求項11に記載のステージ移動装置であって、
    前記演算部が、前記ステージの前記第1移動軸上の現在位置における前記第1移動軸からの前記ステージのずれ量、前記第1移動軸に対する前記ステージのヨーイング、前記撮像部の前記第2移動軸上の現在位置における前記撮像部のヨーイングを反映した前記第2移動軸からの前記撮像部の複合的ずれ量、並びに、前記第1移動軸および前記第2移動軸のなす前記角度に基づいて前記撮像部による前記ステージ上の撮像位置を求めることを特徴とするステージ移動装置。
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