JP2005090331A - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バルブリフト特性による第1制御領域とスロットル弁開度による第2制御領域との境界付近での制御精度を、メモリ容量を増大させずに高める。
【解決手段】アクセル開度APOと回転速度Neとに基づいて「アクセル開度=スロットル弁開度」とした場合の体積流量比QH0を求める(B21)とともに、目標吸入空気量tQを求める(B14)。目標吸入空気量tQと回転速度Neとから、バルブリフト特性により吸入空気量を制御する場合の体積流量比QH0Mを求め(B11)、可変動弁機構の目標作動角と目標中心角とを求める(B12,B13)。2つの体積流量比の目標値を大小比較して大きい方の値を目標値として選択し(B22)、目標スロットル弁開度に変換する(B15)。これにより、マップの格子点を細かく設定しなくても、境界付近でのスロットル弁開度の制御精度が向上する。
【選択図】図3
【解決手段】アクセル開度APOと回転速度Neとに基づいて「アクセル開度=スロットル弁開度」とした場合の体積流量比QH0を求める(B21)とともに、目標吸入空気量tQを求める(B14)。目標吸入空気量tQと回転速度Neとから、バルブリフト特性により吸入空気量を制御する場合の体積流量比QH0Mを求め(B11)、可変動弁機構の目標作動角と目標中心角とを求める(B12,B13)。2つの体積流量比の目標値を大小比較して大きい方の値を目標値として選択し(B22)、目標スロットル弁開度に変換する(B15)。これにより、マップの格子点を細かく設定しなくても、境界付近でのスロットル弁開度の制御精度が向上する。
【選択図】図3
Description
この発明は、内燃機関のシリンダ内に吸入される吸入空気量を制御する吸気制御装置に関し、特に、吸気弁のバルブリフト特性の可変制御といわゆる電子制御スロットル弁の開度制御とを組み合わせて吸入空気量の制御を達成するようにした内燃機関の吸気制御装置に関する。
ガソリン機関においては、一般に吸気通路中に設けたスロットル弁の開度制御によって吸気量を制御しているが、良く知られているように、この種の方式では、特にスロットル弁開度の小さな中低負荷時におけるポンピングロスが大きい、という問題がある。これに対し、吸気弁の開閉時期やリフト量を変化させることで、スロットル弁に依存せずに吸気量を制御しようとする試みが以前からなされており、この技術を利用して、ディーゼル機関と同様に吸気系にスロットル弁を具備しないいわゆるスロットルレスの構成を実現することが提案されている。
特許文献1には、本出願人が先に提案した吸気弁のリフト量および作動角さらにはそのリフトの中心角を連続的に可変制御し得る可変動弁機構が開示されている。この種の可変動弁機構によれば、上述のように、スロットル弁の開度制御に依存せずにシリンダ内に流入する空気量を可変制御することが可能であり、特に負荷の小さな領域において、いわゆるスロットルレス運転ないしはスロットル弁の開度を十分に大きく保った運転を実現でき、ポンピングロスの大幅な低減が図れる。
また特許文献2は、スロットル弁開度の制御に関し、体積流量比(吸入空気量を、その吸入空気量を得たときの機関回転速度における最大吸入空気量で除した値)と、スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと排気量Vとで除した値(A/(Ne×V))と、の関係が、機関回転速度によらずほぼ同一の特性を示す、ということを開示している。
特開2001−263105号公報
特開平11−182298号公報
特許文献1のように吸気弁のバルブリフト特性の可変制御により吸入空気量を制御するように構成した場合、スロットル弁を具備しない完全なスロットルレスの構成であると、吸気系に負圧が発生しないため、例えば、ブローバイガスやエバポレータからのパージガスなどを吸気系に還流させる既存のシステムが利用できなくなったり、種々のアクチュエータなどの駆動源としても利用されている負圧が容易に得られない、といった新たな課題が派生する。
そのため、いわゆる電子制御スロットル弁を設け、その開度制御と組み合わせることで、最小限の負圧を確保しつつ吸気弁のバルブリフト特性による吸入空気量の制御を実現することを本出願人は検討している。
しかしながら、このようにスロットル弁とバルブリフト特性の制御とを組み合わせた場合、バルブリフト特性が同一でも、吸気負圧によって吸入空気量は変化し、また実現可能な最大の吸入空気量の値も、吸気負圧によって左右される。またスロットル弁開度が同一でも、バルブリフト特性の変化により、吸気負圧や吸入空気量は変化する。つまり、所定の吸気負圧を維持しながら目標の吸入空気量を得るには、それぞれを協調的に制御する必要がある。
特に、スロットル弁により適宜な負圧を生成しつつバルブリフト特性の制御によって吸入空気量を制御する場合、ある負荷よりも高負荷側では必要な吸入空気量が得られなくなることから、スロットル弁開度をさらに開いていく必要があるが、このような2つの領域の境界で、制御の不連続性を生じずに目標吸入空気量を精度良く確保することが、困難であった。
この発明に係る内燃機関の吸気制御装置は、内燃機関の吸気通路に介装されて制御信号により開度が制御されるいわゆる電子制御型のスロットル弁と、吸気弁のリフト・作動角を連続的に拡大・縮小可能な第1可変動弁機構と、吸気弁の作動角の中心角を遅進させる第2可変動弁機構と、を備えている。そして、低負荷側の第1制御領域では、上記スロットル弁の前後圧力差もしくは前後圧力比が所定値となった基準負圧状態となるように該スロットル弁の開度を制御するとともに上記第1,第2可変動弁機構によるバルブリフト特性の制御によって吸入空気量を制御し、かつ高負荷側の第2制御領域では、上記第1,第2可変動弁機構によるバルブリフト特性を吸入空気量最大となる特性に維持しつつ上記スロットル弁の開度制御によって吸入空気量を制御する構成となっている。つまり、第1制御領域では、基準負圧状態の下で吸気弁のバルブリフト特性の可変制御によって吸入空気量が目標吸入空気量に維持され、第2制御領域では、可変動弁機構を具備しない通常の内燃機関と同様に、スロットル弁開度によって目標吸入空気量に調整される。
なお、本発明では、「吸入空気量」とはサイクル当たりの吸入空気量を意味する。
ここで、本発明では、特に、上記基準負圧状態を得るのに必要なスロットル弁開度を機関運転条件に基づいて求める第1の目標値設定手段と、上記第1,第2可変動弁機構によるバルブリフト特性を吸入空気量最大となる特性に固定した条件下で目標の吸入空気量を得るのに必要なスロットル弁開度を求める第2の目標値設定手段と、上記第1の目標値設定手段によるスロットル弁開度と第2の目標値設定手段によるスロットル弁開度とを比較して、相対的に大きな値を上記スロットル弁の目標スロットル弁開度として設定する目標開度設定手段と、を備えている。
第1制御領域と第2制御領域との境界は、目標吸入空気量が、基準負圧状態の下で実現し得る最大の吸入空気量に達する点であるが、例えば、目標吸入空気量を座標の横軸とした場合に、第1の目標値設定手段によるスロットル弁開度の特性と第2の目標値設定手段によるスロットル弁開度の特性とは、上記の境界で交差する形となる。従って、相対的に大きな値を目標スロットル弁開度として選択することにより、目標値を定めるためのマップないしはテーブルの格子軸を密に設定しなくても、この境界付近でのスロットル弁開度ひいては吸入空気量を、精度よく得ることができる。
また、本発明においては、スロットル弁開度の代替として体積流量比を中間パラメータとして用いることが望ましい。つまり、上記第1の目標値設定手段および上記第2の目標値設定手段においてそれぞれ求めた体積流量比の値を、上記目標開度設定手段において大小比較するとともに、選択した目標の体積流量比の値から上記目標スロットル開度を求めるようにすることができる。
特許文献2に開示されているように、体積流量比(吸入空気量を、その吸入空気量を得たときの機関回転速度における最大吸入空気量で除した値)と、スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと排気量Vとで除した値(A/(Ne×V))と、の関係は、機関回転速度によらずほぼ同一の特性を示す。従って、中間パラメータとして体積流量比を用い、マップないしはテーブルを、この体積流量比に関して作成することにより、より少ないメモリ容量でもって処理することが可能となる。
この発明によれば、スロットル弁開度、吸気弁のリフト・作動角および中心角を、運転者のアクセル操作に応じて協調制御することが可能になり、少ないメモリ容量でもって、制御領域の境界付近で要求吸入空気量をより高精度に実現することが可能となる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る内燃機関の吸気制御装置のシステム構成を示す構成説明図であって、内燃機関1は、吸気弁3と排気弁4とを有し、かつ吸気弁3の動弁機構として、吸気弁3のリフト・作動角を連続的に拡大・縮小させることが可能な第1可変動弁機構5および作動角の中心角を連続的に遅進させることが可能な第2可変動弁機構6を備えている。また、吸気通路7には、モータ等のアクチュエータにより開度が制御される電子制御スロットル弁2が設けられている。ここで、上記スロットル弁2は、吸気通路7内に、ブローバイガスの処理などのために必要な僅かな負圧(例えば−50mmHg)を発生させる目的で設けられており、吸入空気量の調整は、高負荷域(第2制御領域)を除き、上記第1,第2可変動弁機構5,6により吸気弁3のリフト特性を変更することで行われる。すなわち、図2に概略を示すように、低〜中負荷領域においては、燃費向上のために、中心角を上死点寄り(設定値:大)とし、内部還流を促進するとともに、作動角はトルク要求に応じて徐々に大作動角(設定値:大)側にする。第1制御領域内では、吸気負圧(Boost)を所定値に保つように、スロットル弁開度TVOは、通常エンジン(可変動弁機構ではなくスロットル弁開度で吸入空気量を制御するもの:図中にStd-Engとして示す)の特性に比較して、開き気味の特性となる。また中〜高負荷領域においては、トルク確保のために、中心角を下死点寄り(設定値:小)とし、内部還流を減少させるとともに、作動角は大作動角(設定値:大)側で一定とする。第2制御領域つまりバルブリフト特性の操作によって空気量が増加しない高負荷領域に達したら、バルブリフト特性はその状態で固定され、吸気負圧(Boost)を減少させてトルクを発生させるように、スロットル弁開度TVOが通常エンジンと同様に開いていくことになる。なお、第1制御領域においてスロットル弁2の前後圧力差を一定とする代わりに、前後圧力比を一定にするようにしてもよい。
また、燃料噴射弁8が吸気通路7に配設されており、上記のように吸気弁3等により調整された吸入空気量に応じた量の燃料が、この燃料噴射弁8から噴射される。従って、内燃機関1の出力は、第1,第2可変動弁機構5,6およびスロットル弁2により吸入空気量を調整することによって制御される。
上記のコントロールユニット10は、運転者により操作されるアクセルペダルに設けられたアクセル開度センサ11からのアクセル開度信号APOと、エンジン回転速度センサ12からの回転速度信号Neと、吸入空気量センサ13からの吸入空気量信号と、を受け取り、これらの信号に基づいて、目標スロットル弁開度、燃料噴射量、点火時期、作動角目標値、中心角目標値をそれぞれ演算する。そして、要求の燃料噴射量および点火時期を実現するように燃料噴射弁8および点火プラグ9を制御するとともに、作動角目標値および中心角目標値を実現するための制御信号を、第1可変動弁機構5のアクチュエータおよび第2可変動弁機構6のアクチュエータへそれぞれ出力し、かつスロットル弁2の開度を制御する。なお、上記第1可変動弁機構5および第2可変動弁機構6は、その機械的な構成は公知であり、例えば、上述した特許文献1に記載の装置と同様の構成を有している。従って、その詳細な説明は省略する。
次に、図3は、上記コントロールユニット10による吸入空気量制御の内容を機能ブロック図として示したものであり、以下、これを説明する。
アクセル開度APOと回転速度Neとに基づき、ブロックB21の体積流量比演算部において、「アクセル開度(deg)=スロットル弁開度(deg)」とした場合の体積流量比QH0が求められる。この「体積流量比」は、スロットル弁開度の代替となる中間パラメータであり、特許文献2に開示されているように、「吸入空気量を、その吸入空気量を得たときの機関回転速度における最大吸入空気量で除した値」として定義される。そして、この体積流量比と、スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと排気量Vとで除した値(A/(Ne×V))と、の関係(注:バルブリフト特性が固定の場合)は、排気量の大小や機関回転速度によらずほぼ同一の特性を示す、という利点がある。なお、この体積流量比とスロットル弁開度との関係は、図4に示すようになる(注:図中の「高低」は回転速度Neの高低を示す)。
上記体積流量比演算部B21は、スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと排気量Vとで除した値(A/(Ne×V))と体積流量比との関係を予め記憶させた体積流量比テーブルを備えており、アクセル開度APOに応じたスロットル開口面積Aと、そのときの回転速度Neとに基づき、上記の値(A/(Ne×V))を算出した上で、これに対応する目標の体積流量比QH0を上記体積流量比テーブルから検索するのである。このように、体積流量比を介在させることで、上記の体積流量比テーブルが単純化され、例えば回転速度Ne毎にテーブルを設定したりする必要はない。なお、アクセル開度APOに対応するスロットル開口面積Aは、例えば、スロットル弁開度TVO(全閉〜全開)とアクセル開度APO(全閉〜全開)とをリニアに対応させるようにした場合の、アクセル開度APOとスロットル開口面積Aとの関係をテーブル化した所定のテーブル(APO−Aテーブル)から求められる。上記体積流量比演算部B21は、「第2の目標値設定手段」に相当する。
一方、ブロックB14の要求空気量演算部において、アクセル開度APOと回転速度Neとに基づき、サイクル当たりの目標吸入空気量tQが算出される。なお、吸入空気量に代えて、トルクや充填効率などの負荷を表す他のパラメータを用いることもできる。そして、この目標吸入空気量tQと回転速度Neとに基づき、ブロックB11において、所定の体積流量比マップを参照して目標の体積流量比QH0Mが求められる。図5は、このブロックB11の体積流量比マップの特性を示したものであり、図示するように、体積流量比は基本的に目標吸入空気量tQに応じて変化し、回転速度Neによる変化は非常に小さい。なお、処理の簡素化ならびにメモリ容量の削減のために、目標吸入空気量tQのみから目標の体積流量比QH0Mを求めるように簡略化してもよい。
また、ブロックB12では、目標吸入空気量tQと回転速度Neとに基づき、所定の作動角マップを参照して目標作動角(要求作動角)が求められる。同様に、ブロックB13では、目標吸入空気量tQと回転速度Neとに基づき、所定の中心角マップを参照して目標中心角(要求中心角)が求められる。図6は、上記作動角マップの特性の一例を示し、図7は、上記中心角マップの特性の一例を示す。
上記ブロックB11は、「第1の目標値設定手段」に相当し、目標作動角および目標中心角に沿ってバルブリフト特性が制御されているものとした場合にスロットル弁2の前後圧力差が所定の一定値となる体積流量比が求められる。換言すれば、第1制御領域内においては、B11〜B13の三者で得られる目標体積流量比QH0Mと目標作動角と目標中心角との組み合わせによって、所定の負圧状態と目標吸入空気量tQとが同時に得られることになる。
ブロックB22では、ブロックB21で得られた目標の体積流量比QH0とブロックB11で得られた目標の体積流量比QH0Mとが大小比較され、いずれか値が大きい方が選択されて、ブロックB15のTVO演算部へ出力される。TVO演算部B15では、回転速度Neを用いて、目標体積流量比がスロットル弁開度に変換され、目標スロットル弁開度(要求スロットル開度)として出力される。
上記TVO演算部B15は、前述した体積流量比演算部B21と同様に、スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと排気量Vとで除した値(A/(Ne×V))と体積流量比との関係を示す体積流量比テーブルを備えており、ブロックB22から入力された目標体積流量比に対応する値(A/(Ne×V))をこの体積流量比テーブルから検索し、この値に、そのときの回転速度Neと排気量V(定数)とを乗じてスロットル開口面積Aを算出する。そして、このスロットル開口面積Aからスロットル弁開度TVOを求めるのである。つまり、前述した体積流量比演算部B21と逆の処理となる。ブロックB22とブロックB15とが、「目標開度設定手段」に相当する。
図11は、上記のようにして得られる目標体積流量比について説明するもので、本発明では、回転速度Neが一定の条件下では、図(A)に示すように、第1制御領域から第2制御領域に亘って、太実線で示す特性となる。つまり、目標吸入空気量tQが「負圧領域最大値」として示す値(基準負圧状態の下での吸入空気量の最大値)よりも小さな第1制御領域では、バルブリフト特性を固定した通常エンジン(その特性を細実線で示す)よりも大きな体積流量比(スロットル弁開度TVOとしても大となる)に制御され、「負圧領域最大値」よりも大きな第2制御領域では、通常エンジンと同じ特性となる。
このような特性を仮に1つのマップから得ようとすると、図(B)に示すように、両者の境界(つまり負圧領域最大値の点)が必ずしもマップの格子点と一致しないことから、例えば格子点2の設定をa点(第1制御領域側の特性を延長した点)もしくはb点(第2制御領域側の特性に沿った点)のいずれとしても、破線で示すように、要求値から外れてしまう領域が発生する。なお、負圧領域最大値の点は、回転速度Neによって異なる。
これに対し、本実施例では、ブロックB11の体積流量比マップの特性はa点を通る特性となり、ブロックB21による体積流量比の特性はb点を通る特性となるので、より大きな方の値を選択することにより、要求に正しく沿った目標体積流量比が得られる。
なお、図8は、本実施例におけるアクセル開度とスロットル弁開度との関係を示しており、回転速度Neの「高、中、低」によって、その特性は大きく変化する。図9は、アクセル開度に代えて、目標吸入空気量とスロットル弁開度との関係を示しているが、この場合でも、回転速度Neの「高、中、低」によって、その特性は大きく変化する。これに対し、スロットル弁開度に代えて体積流量比を用い、目標吸入空気量と体積流量比との関係を見ると、図10に示すように、回転速度Neの「高、中、低」による特性の差異が非常に小さなものとなる。従って、より小さなメモリ容量のマップでもって精度の高い制御が実現できる。
次に、図12は、この発明の第2の実施例を示す機能ブロック図である。この実施例は、前述した第1の実施例に加えて、ブロックB31とブロックB32とを備えている。ブロックB31は、前述した第1制御領域と第2制御領域との境界となる吸入空気量の負圧領域最大値を回転速度Neに応じて求めている。ブロックB32では、ブロックB14が出力した吸入空気量の値とブロックB31が出力した吸入空気量の値とを大小比較して、いずれか小さい方を選択し、ブロックB11〜B13に出力する。つまり、ブロックB11〜B13の入力となる目標吸入空気量tQが、回転速度Neに応じた負圧領域最大値以下に制限されることになる。ブロックB31の負圧領域最大値は、例えば、図13に実線で示すような特性となる。
このように目標吸入空気量tQを制限することで、小さなメモリ容量のマップでもって精度の高い制御が可能となる。例えば、ブロックB13による目標中心角の制御を例に説明すると、目標吸入空気量に対し、要求の中心角は、図(A)のような特性となる。図(B)に示すように、前述した図11と同様に、吸入空気量の負圧領域最大値は必ずしもマップの格子点と一致しないので、仮に格子点2がb点のように設定されたとすると、格子点1〜格子点2の間で破線のような誤差を生じる。これに対し、本実施例では、格子点2をa点に設定した上で、目標吸入空気量tQを負圧領域最大値以下に制限することで、図(B)の実線に示すように、要求に沿った目標中心角が得られる。
次に、図15の機能ブロック図は、この発明の第3の実施例を示している。この実施例は、中間パラメータとしての体積流量比を用いることなく、スロットル弁開度の目標値を求めるようにしたものである。この実施例では、アクセル開度APOと回転速度Neとに基づき、ブロックB41において、第2制御領域で必要なスロットル弁開度が第1の目標値TVOとして求められる。また、ブロックB43で、アクセル開度APOと回転速度Neとをパラメータとした所定のTVOマップを参照して、バルブリフト特性の可変制御を前提として所定の吸気負圧を生成するのに必要なスロットル弁開度が第2の目標値TVOMとして求められる。そして、ブロックB42で、両者が大小比較され、いずれか大きい方の値が目標スロットル弁開度として出力される。また、ブロックB44およびブロックB45では、アクセル開度APOと回転速度Neとをパラメータとした作動角マップおよび中心角マップを参照して、目標作動角および目標中心角がそれぞれ求められる。
図16は、ブロックB43のTVOマップの一例を示し、図17は、ブロックB44の作動角マップの一例を示し、図18は、ブロックB45の中心角マップの一例を示す。
なお、前述した第1の実施例および第2の実施例においては、2つの体積流量比をブロックB22で大小比較しているが、ブロックB11で求めた体積流量比を先にスロットル弁開度に変換した上で、アクセル開度APOに応じたスロットル弁開度と大小比較するように構成することも可能である。
2…電子制御スロットル弁
5…第1可変動弁機構
6…第2可変動弁機構
10…コントロールユニット
11…アクセル開度センサ
5…第1可変動弁機構
6…第2可変動弁機構
10…コントロールユニット
11…アクセル開度センサ
Claims (5)
- 内燃機関の吸気通路に介装され、かつ制御信号により開度が制御されるスロットル弁と、
吸気弁のリフト・作動角を連続的に拡大・縮小可能な第1可変動弁機構と、
吸気弁の作動角の中心角を遅進させる第2可変動弁機構と、
を備え、低負荷側の第1制御領域では、上記スロットル弁の前後圧力差もしくは前後圧力比が所定値となった基準負圧状態となるように該スロットル弁の開度を制御するとともに上記第1,第2可変動弁機構によるバルブリフト特性の制御によって吸入空気量を制御し、かつ高負荷側の第2制御領域では、上記第1,第2可変動弁機構によるバルブリフト特性を吸入空気量最大となる特性に維持しつつ上記スロットル弁の開度制御によって吸入空気量を制御する内燃機関の吸気制御装置において、
上記基準負圧状態を得るのに必要なスロットル弁開度を機関運転条件に基づいて求める第1の目標値設定手段と、上記第1,第2可変動弁機構によるバルブリフト特性を吸入空気量最大となる特性に固定した条件下で目標の吸入空気量を得るのに必要なスロットル弁開度を求める第2の目標値設定手段と、上記第1の目標値設定手段によるスロットル弁開度と第2の目標値設定手段によるスロットル弁開度とを比較して、相対的に大きな値を上記スロットル弁の目標スロットル弁開度として設定する目標開度設定手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関の吸気制御装置。 - スロットル弁開度の代替として体積流量比を中間パラメータとして用い、上記第1の目標値設定手段および上記第2の目標値設定手段においてそれぞれ求めた体積流量比の値を、上記目標開度設定手段において大小比較するとともに、選択した目標の体積流量比の値から上記目標スロットル弁開度を求めるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気制御装置。
- スロットル開口面積Aを機関回転速度Neと排気量Vとで除した値(A/(Ne×V))と体積流量比との関係を示す体積流量比テーブルを備えており、上記目標開度設定手段は、この体積流量比テーブルを参照して、目標の体積流量比の値から上記目標スロットル弁開度を求めることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気制御装置。
- 上記第1の目標値設定手段は、目標吸入空気量と機関回転速度とをパラメータとして体積流量比の値を割り付けた体積流量比マップを参照して、必要な体積流量比を求めることを特徴とする請求項2または3に記載の内燃機関の吸気制御装置。
- 上記基準負圧状態の下で実現可能な最大の吸入空気量の値によって、目標の吸入空気量を制限し、これを上記第1の目標値設定手段の入力とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の吸気制御装置。
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