JP2005088850A - 走行車両 - Google Patents

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JP2005088850A JP2003328673A JP2003328673A JP2005088850A JP 2005088850 A JP2005088850 A JP 2005088850A JP 2003328673 A JP2003328673 A JP 2003328673A JP 2003328673 A JP2003328673 A JP 2003328673A JP 2005088850 A JP2005088850 A JP 2005088850A
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Takanobu Shimada
孝信 嶋田
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Abstract

【課題】 エンジンと旋回用無段変速装置と直進用無段変速装置とミッション部とをコンパクトに配設すること。
【解決手段】 エンジンの後方位置に、旋回用動力伝達系と直進用動力伝達系の一部を内蔵するミッション部を配置し、同ミッション部とエンジンとの間において、エンジン側に旋回用無段変速装置を配置する一方、ミッション部側に直進用無段変速装置を配置すると共に、エンジンの出力軸と各無段変速装置の入力軸とミッション部の入力軸を同一軸線上に配置して直列的に連動連結した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、走行車両に関する。
従来、走行車両の一形態として、エンジンに連動連結した旋回用無段変速装置より前部ミッションケース内に設けた旋回用動力伝達系に動力を伝達可能とする一方、エンジンに連動連結した後部ミッションケースを介して直進用無段変速装置より前部ミッションケース内に設けた直進用動力伝達系に動力を伝達可能として、これら旋回・直進用動力伝達系の動力を、前部ミッションケース内に設けた遊星歯車機構により合流させて、その合力を左右側の駆動輪にそれぞれ伝達するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−68007号公報
ところが、上記した走行車両では、ミッション部を前部ミッションケースと後部ミッションケースと二分割させて形成しているため、これらの組み付け作業が煩雑になっている。
しかも、低速走行時と高速走行時のいずれにおいても、無段変速装置を介して変速がなされるようにしているため、特に、高速走行時における無段変速装置によるロス馬力が大きくなって、エンジンに出力不足が発生するという不具合がある。
そこで、本発明では、旋回操作手段に連動連結した旋回用無段変速装置を具備する旋回用動力伝達系と、主変速操作手段に連動連結した直進用無段変速装置を具備する直進用動力伝達系と、両動力伝達系から伝達される動力を合流させて、その合力を左右側の駆動輪支軸に伝達する左右一対の遊星歯車機構とを装備する走行車両であって、エンジンの後方位置に、旋回用動力伝達系と直進用動力伝達系の一部を内蔵するミッション部を配置し、同ミッション部とエンジンとの間において、エンジン側に旋回用無段変速装置を配置する一方、ミッション部側に直進用無段変速装置を配置すると共に、エンジンの出力軸と各無段変速装置の入力軸とミッション部の入力軸を同一軸線上に配置して直列的に連動連結したことを特徴とする走行車両を提供するものである。
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
(1)旋回用無段変速装置に設けた旋回用ポンプの後方位置に、直進用無段変速装置に設けた直進用ポンプを配置すると共に、両入力軸を前後方向に軸線を向けて直列的に連動連結し、旋回用無段変速装置に設けた旋回用モータを左右いずれか一側方に配置する一方、直進用無段変速装置に設けた直進用モータを左右いずれか他側方に配置したこと。
(2)直進用動力伝達系に、エンジンから動力が直進用無段変速装置を経由して伝達される無段変速伝達経路と、エンジンから動力が直進用無段変速装置を経由することなく直接伝達されるエンジン直結伝達経路とを設けて、両伝達経路に副変速機構を介して副変速操作手段を連動連結し、同副変速操作手段により、副変速機構の低速度段と高速度段との間の低・高速切替操作と、高速度段と最高速度段との間の最高速切替操作を可能となして、低・高速切替操作時に無段変速伝達経路が接続されると共にエンジン直結伝達経路が切断される一方、最高速切替操作時に無段変速伝達経路が切断されると共にエンジン直結伝達経路が接続されるクラッチ機構を設けたこと。
(3)ミッション部内に、無段変速伝達軸と、同一軸線上に配置したエンジン直結伝達軸及び副変速軸と、PTO変速軸とを、それぞれ前後方向に軸線を向け、かつ、背面視にて三角形の頂点をなす位置に配置して、各軸に設けたギヤ同士を噛合させたこと。
(1)請求項1記載の本発明では、旋回操作手段に連動連結した旋回用無段変速装置を具備する旋回用動力伝達系と、主変速操作手段に連動連結した直進用無段変速装置を具備する直進用動力伝達系と、両動力伝達系から伝達される動力を合流させて、その合力を左右側の駆動輪支軸に伝達する左右一対の遊星歯車機構とを装備する走行車両であって、エンジンの後方位置に、旋回用動力伝達系と直進用動力伝達系の一部を内蔵するミッション部を配置し、同ミッション部とエンジンとの間において、エンジン側に旋回用無段変速装置を配置する一方、ミッション部側に直進用無段変速装置を配置すると共に、エンジンの出力軸と各無段変速装置の入力軸とミッション部の入力軸を同一軸線上に配置して直列的に連動連結している。
このようにして、エンジンと旋回用無段変速装置と直進用無段変速装置とミッション部とを前後方向に順次配置すると共に、エンジンの出力軸と各無段変速装置の入力軸とミッション部の入力軸を同一軸線上に配置して直列的に連動連結しているため、これらを直線的にコンパクトに配設して、確実に連動連結することができる。
ここで、旋回用無段変速装置はエンジン側に配置して、ミッション部との間に所要の間隔を設けているため、旋回用無段変速装置の出力軸と、アクスル部に設けた旋回用デフ機構の入力軸との間に、ユニバーサルジョイントを介して旋回用伝動シャフトを介設した場合には、上記ユニバーサルジョイントの折れ角を可及的に少なくすることができて、旋回用伝動シャフトの伝動機能を良好に確保することができる。
(2)請求項2記載の本発明では、旋回用無段変速装置に設けた旋回用ポンプの後方位置に、直進用無段変速装置に設けた直進用ポンプを配置すると共に、両入力軸を前後方向に軸線を向けて直列的に連動連結し、旋回用無段変速装置に設けた旋回用モータを左右いずれか一側方に配置する一方、直進用無段変速装置に設けた直進用モータを左右いずれか他側方に配置している。
このようにして、旋回用無段変速装置に設けた旋回用モータを左右いずれか一側方に配置する一方、直進用無段変速装置に設けた直進用モータを左右いずれか他側方に配置しているため、旋回用無段変速装置と直進用無段変速装置の配設空間の左右幅を短幅化することができると共に、車体の左右重量バランスを良好に確保することができる。
しかも、各無段変速装置の各モータを左右側方に配置しているため、各無段変速装置の地上高も低重心位置にて良好に確保することができる。
(3)請求項3記載の本発明では、直進用動力伝達系に、エンジンから動力が直進用無段変速装置を経由して伝達される無段変速伝達経路と、エンジンから動力が直進用無段変速装置を経由することなく直接伝達されるエンジン直結伝達経路とを設けて、両伝達経路に副変速機構を介して副変速操作手段を連動連結し、同副変速操作手段により、副変速機構の低速度段と高速度段との間の低・高速切替操作と、高速度段と最高速度段との間の最高速切替操作を可能となして、低・高速切替操作時に無段変速伝達経路が接続されると共にエンジン直結伝達経路が切断される一方、最高速切替操作時に無段変速伝達経路が切断されると共にエンジン直結伝達経路が接続されるクラッチ機構を設けている。
このようにして、直進用動力伝達系に、エンジンから動力が直進用無段変速装置を経由して伝達される無段変速伝達経路と、エンジンから動力が直進用無段変速装置を経由することなく直接伝達されるエンジン直結伝達経路とを設けて、副変速操作手段を切替操作することにより、いずれかの伝達経路を選択することができるようにしているため、圃場作業時等の低速走行時には、無段変速伝達経路を選択することにより、無段変速装置を介した無段変速にて車体を円滑に回行移動させることができると共に、移動時等の高速走行時には、エンジン直結伝達経路を選択することにより、エンジンの動力を直接遊星歯車機構に伝達して無段変速装置によるロス馬力をなくすことができる。その結果、高速走行時の駆動力を高めることができる。
(4)請求項4記載の本発明では、ミッション部内に、無段変速伝達軸と、同一軸線上に配置したエンジン直結伝達軸及び副変速軸と、PTO変速軸とを、それぞれ前後方向に軸線を向け、かつ、背面視にて三角形の頂点をなす位置に配置して、各軸に設けたギヤ同士を噛合させている。
このようにして、三角形状の噛み合い関係を持たせることにより、アイドラー軸の増設を不要として、部品点数の削減と、製造コストの低減とを図ることができると共に、ギヤ噛み合い個所を削減して、伝動効率の向上と騒音低減を図ることができる。
ここで、背面視にて三角形の頂点をなす位置に配置した各軸は、ミッション部のミッションケースを縦長く横幅狭く形成することができるように、縦長三角形の頂点をなす位置に配置することにより、車体の左右幅を短幅化することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に示すAは、本発明に係る走行車両であり、同走行車両Aは、左右一対のクローラ式の走行部1,1間に車体フレーム2を架設し、同車体フレーム2の前部に原動機部3を設けると共に、後部に運転部4を設け、同運転部4の下方位置にミッション部5を配設している。
各走行部1は、図1及び図2に示すように、前後方向に伸延する走行フレーム10と、同走行フレーム10の前・後端部にそれぞれ取り付けた前・後部従動輪11,12と、両前・後部従動輪11,12の間でかつ上方位置に配置した駆動輪13と、これらの動輪1 1,12,13間に巻回して側面視三角形状となした履帯14とを具備している。15は前部従動輪支軸、16は後部従動輪支軸、17は駆動輪支軸、18は前部従動輪進退位置調節体、19はイコライザ、20は履帯外れ防止体である。
そして、左右一対の走行フレーム10,10間には、図1及び図2に示すように、左右方向に伸延する前後一対の連結フレーム21,22を横架している。
車体フレーム2は、図1及び図2に示すように、前後方向に伸延する左右一対の車体フレーム形成片23,23と、両車体フレーム形成片23,23の後部間に架設したミッション部5と、同ミッション部5の後端部に連動連設したアクスル部24とを具備している。
そして、前部の連結フレーム21上に左右一対の車体フレーム形成片23,23の中途部を固定すると共に、左右一対の走行フレーム10,10の後部より上方へ立設した左右一対の支持台25,25間に上記アクスル部24を架設している。
原動機部3は、図1に示すように、左右一対の車体フレーム形成片23,23の前部間にエンジンEを搭載し、同エンジンEの前方にラジエータ27を配置し、これらをボンネット28により被覆している。
そして、図1及び図3に示すように、エンジンEより後方に突出させた出力軸9には、フライホイール部29を連動連設し、同フライホイール部29に伝動シャフト30を介して後述する旋回用無段変速装置としての静油圧式無段変速装置である旋回用HST6と、直進用無段変速装置としての静油圧式無段変速装置である直進用HST7と、ミッション部5とを、前後方向に直列的に連動連結している。
運転部4は、図1に示すように、車体フレーム2の中途部上に運転部支持枠体31を設け、同運転部支持枠体31の前部にステアリングコラム32を立設し、同ステアリングコラム32の上端部にホイール支軸33を介して旋回操作手段としてのステアリングホイール34を取り付け、同ステアリングホイール34の後方位置に運転席35を配置し、同運転席35の左側方位置に燃料タンク36を配置する一方、右側方位置にバッテリー37を配置している。
そして、ステアリングコラム32と運転席35との間に位置する運転部支持枠体31上には床部38を張設し、同床部38の左右側中途部より左・右側支持枠体39,39を後上方へ向けて伸延させて、右側支持枠体39にレバー取付体41を介して変速操作手段としての主変速レバー(前後進切替レバー)40の基端部を取り付けている。42は副変速レバー、43はPTO変速レバー、44はキャノピーである。
ミッション部5は、図2に示すように、左右一対の車体フレーム形成片23,23の後部間に架設しており、同ミッション部5の前端部に直進用HST7を連動連設する一方、同ミッション部5の後端部にアクスル部24を連動連設し、直進用HST7の前方位置において、車体フレーム形成片23,23間に横架した支持片50に旋回用HST6を支持させている。
ここで、図3にも示すように、旋回用HST6は、旋回用ポンプ51と旋回用モータ52とを連通連結して構成しており、また、直進用HST7は、直進用ポンプ53と直進用モータ54とを連通連結して構成している。
そして、図3に示すように、旋回用ポンプ51のトラニオンにステアリングホイール34を連動連結して旋回用動力伝達系55の一部を構成する一方、直進用ポンプ53のトラニオンに主変速レバー40を連動連結して直進用動力伝達系56の一部を構成して、両動力伝達系55,56から伝達される動力をアクスル部24内に設けた左右一対の遊星歯車機構57,57により合流させて、その合力を左右側の駆動輪支軸17,17に伝達するようにしている。
また、図2及び図3に示すように、車体の左右中心線C上において、エンジンEより後方に突出させた出力軸9にフライホイール部29の中心部を連動連設し、同フライホイール部29の中心部に伝動シャフト30の前端部を連動連結し、同伝動シャフト30の後端部に旋回用ポンプ51の入力軸58を連動連結し、同入力軸58の後端部に直進用ポンプ53の入力軸59を連動連結し、同入力軸59の後端部に連動連結したミッション部5の入力軸60を連動連結して、これらを前後方向に伸延する同一軸線上に配置している。
このようにして、ミッション部5とエンジンEとの間において、エンジン側に旋回用HST6を配置する一方、ミッション部5側に直進用HST7を配置すると共に、エンジンEの出力軸9と各HST6,7の入力軸58,59とミッション部5の入力軸60を同一軸線上に配置して直列的に連動連結している。
従って、旋回用HST6と直進用HST7とミッション部5とを直線的にコンパクトに配設して、確実に連動連結することができる。
ここで、旋回用HST6はエンジンE側に配置して、ミッション部5との間に所要の間隔を設けているため、後述するように、旋回用HST6の旋回用モータ52の出力軸61と、アクスル部24に設けた旋回用デフ機構62の入力軸63との間に、ユニバーサルジョイント64を介して旋回用伝動シャフト65を介設しているにもかかわらず、上記ユニバーサルジョイント64の折れ角を可及的に少なくすることができて、旋回用伝動シャフト65の伝動機能を良好に確保することができる。
また、図2に示すように、旋回用HST6に設けた旋回用モータ52を、車体の左右中心線Cの左右いずれか一側方(本実施の形態では右側方)に配置する一方、直進用HST7に設けた直進用モータ54を、車体の左右中心線Cの左右いずれか他側方(本実施の形態では左側方)に配置している。
このようにして、旋回用HST6に設けた旋回用モータ52を右側方に配置する一方、直進用HST7に設けた直進用モータ54を左側方に配置しているため、旋回用HST6と直進用HST7の配設空間の左右幅を短幅化することができると共に、車体の左右重量バランスを良好に確保することができる。
しかも、各HST6,7の各モータ52,54を左右側方に配置しているため、各HST6,7の地上高も低重心位置にて良好に確保することができる。
ミッション部5内及びアクスル部24内には、図3に示すように、旋回用動力伝達系55と直進用動力伝達系56とPTO用動力伝達系70とを一体的に配設している。
そして、旋回用動力伝達系55は、エンジンEより後方に突出させた出力軸9と、アクスル部24内に設けた左右一対の遊星歯車機構57,57のリングギヤ101,101との間に介設している。
すなわち、旋回用動力伝達系55は、エンジンEの出力軸9にフライホイール部29を介して連動連結した旋回用HST6と、同旋回用HST6の旋回用モータ52の出力軸61に前端部を連動連結した旋回用伝動シャフト65と、同旋回用伝動シャフト65の後端部に連動連結した旋回用デフ機構62とから構成している。
そして、旋回用デフ機構62は、図3に示すように、入力用ベベルギヤ66に左右一対のデファレンシャルギヤ67,67を噛合させ、各デファレンシャルギヤ67,67より左右外側方へデファレンシャル軸68,68を伸延させ、各デファレンシャル軸68,68の外側端部に設けた出力ギヤ69,69を左右一対の遊星歯車機構57,57のリングギヤ101,101に噛合させている。
直進用動力伝達系56は、図3に示すように、エンジンEより後方に突出させた出力軸9と、アクスル部24内に設けた左右一対の遊星歯車機構57,57のサンギヤ100,100との間に介設している。
すなわち、直進用動力伝達系56は、旋回用HST6に設けた旋回用ポンプ51の入力軸58にその入力軸59を連動連結し直進用HST7と、同直進用HST7の直進用モータ54の出力軸61に連動連結した無段変速伝達経路71と、直進用HST7の直進用ポンプ53の入力軸59に連動連結したエンジン直結伝達経路72とから構成している。
そして、無段変速伝達経路71は、エンジンEから動力が直進用HST7を経由してサンギヤ100,100に伝達されるようにしており、直進用モータ54の出力軸78に前後方向に軸線を向けた直進用伝動軸73を連動連結し、同直進用伝動軸73に直進用遊星歯車機構74を介して前後方向に軸線を向けた無段変速伝達軸75を連動連結し、同無段変速伝達軸75に前後方向に軸線を向けた副変速軸76を介して左右方向に軸線を向けたサンギヤ支軸77を連動連結して形成している。
ここで、直進用遊星歯車機構74は、サンギヤ80とリングギヤ81との間にプライマリギヤ82を介設し、同プライマリギヤ82にケージ83を介して無段変速伝達軸75の前端部を連動連結すると共に、リングギヤ81に直進用伝動軸73に設けた出力ギヤ84を噛合させて構成している。
そして、無段変速伝達軸75に第1・第2・第3速出力ギヤ85,86,87を取り付ける一方、副変速軸76に上記第1・第2・第3速出力ギヤ85,86,87とそれぞれ噛合する第1・第2・第3速入力ギヤ88,89,90を回転自在に取り付けている。
また、副変速軸76には副変速機構91を設け、同副変速機構91に前記副変速レバー42を連動連結して、同副変速レバー42により副変速操作が行えるようにしている。
すなわち、副変速機構91は、第1速入力ギヤ88と第2速入力ギヤ89との間において、副変速軸76に第1変速用スライダ92を軸線方向にスライド自在に設け、同第1変速用スライダ92に副変速レバー42を連動連結して、同副変速レバー42により第1変速用スライダ92を第1速入力ギヤ88と第2速入力ギヤ89のいずれか一方に接続可能としている。
そして、第3速入力ギヤ90の前方において、副変速軸76に第2変速用スライダ93を軸線方向にスライド自在に設け、同第2変速用スライダ93に副変速レバー42を連動連結して、同副変速レバー42により第2変速用スライダ93を第3速入力ギヤ90と後述するエンジン直結伝達軸96のいずれか一方に接続可能となしている。94は、副変速軸76の後端部に設けた出力用ベベルギヤ、95は、サンギヤ支軸77に設けた入力用ベベルギヤである。
エンジン直結伝達経路72は、エンジンEから動力が直進用HST7を経由することなくサンギヤに直接伝達されるようにしており、直進用ポンプ53の入力軸59にミッション部5の入力軸60を連動連結すると共に、同入力軸60を直進用遊星歯車機構74のサンギヤ支軸となし、同入力軸60に前後方向に軸線を向けたエンジン直結伝達軸96を連動連結し、同エンジン直結伝達軸96を前記副変速軸76の前方において同一軸線上に配置して、同エンジン直結伝達軸96と副変速軸76とを前記した第2変速用スライダ93を介して接続・切断自在となし、同副変速軸76を介して左右方向に軸線を向けたサンギヤ支軸77を連動連結して形成している。97はエンジン直結出力ギヤ、98はエンジン直結入力ギヤである。
また、両伝達経路71, 72には副変速機構91を介して副変速操作手段としての副変速レバー42を連動連結しており、同副変速機構91は、副変速レバー42により、副変速機構91の低速度段(第1速)と高速度段(第3速)との間の低・高速切替操作と、高速度段(第3速)と最高速度段(第4速)との間の最高速切替操作を可能となして、低・高速切替操作時に無段変速伝達経路71が接続されると共にエンジン直結伝達経路72が切断される一方、最高速切替操作時に無段変速伝達経路71が切断されると共にエンジン直結伝達経路72が接続されるクラッチ機構を構成している。
このようにして、直進用動力伝達系56に、エンジンEから動力が直進用HST7を経由して伝達される無段変速伝達経路71と、エンジンEから動力が直進用HST7を経由することなく直接伝達されるエンジン直結伝達経路72とを設けて、副変速レバー42を切替操作することにより、いずれかの伝達経路を選択することができるようにしているため、圃場作業時等の低速走行時には、無段変速伝達経路71を選択することにより、直進用HST7を介した無段変速にて車体を円滑に回行移動させることができると共に、移動時等の高速走行時には、エンジン直結伝達経路72を選択することにより、エンジンEの動力を直接遊星歯車機構57,57に伝達して直進用HST7によるロス馬力をなくすことができる。その結果、高速走行時の駆動力を高めることができる。
ここで、遊星歯車機構57は、サンギヤ100とリングギヤ101との間にプライマリギヤ102を介設し、同プライマリギヤ102にケージ103を介して駆動輪支軸17の内側端部を連動連結すると共に、リングギヤ101に前記した出力ギヤ69を噛合させて構成している。
PTO用動力伝達系70は、図3に示すように、前記したエンジン直結伝達軸96と、ミッション部5の後壁より後方へ突出させたPTO軸105との間に、前後方向に軸線を向けて配置したPTO変速軸106を介設して構成している。
そして、エンジン直結伝達軸96にPTO第1・第2・第3速出力ギヤ107,108,109及び反転用出力ギヤ110を取り付ける一方、PTO変速軸106に上記第1・第2・第3速出力ギヤ107,108,109及び反転用出力ギヤ110とそれぞれ噛合するPTO第1・第2・第3速入力ギヤ111,112,113及び反転用入力ギヤ114を回転自在に取り付けている。
また、PTO変速軸106にはPTO変速機構115を設け、同PTO変速機構115にPTO変速レバー43を連動連結して、同PTO変速レバー43によりPTO軸105の変速操作が行えるようにしている。
すなわち、PTO変速機構115は、PTO第1速入力ギヤ111とPTO第2速入力ギヤ112との間において、PTO変速軸106にPTO第1変速用スライダ116を軸線方向にスライド自在に設け、同PTO第1変速用スライダ116にPTO変速レバー43を連動連結して、同PTO変速レバー43によりPTO第1変速用スライダ116をPTO第1速入力ギヤ111と反転用入力ギヤ114のいずれか一方に接続可能となしている。
そして、反転用入力ギヤ114の後方において、PTO変速軸106にPTO第2変速用スライダ117を軸線方向にスライド自在に設け、同PTO第2変速用スライダ117にPTO変速レバー43を連動連結して、同PTO変速レバー43によりPTO第2変速用スライダ117をPTO第2速入力ギヤ112とPTO第3速入力ギヤ113のいずれか一方に接続可能となしている。118は反転用カウンターギヤ、120はPTO出力ギヤ、121はPTO入力ギヤである。P1,P2はそれぞれチャージポンプである。Tは作動油タンクである。
しかも、ミッション部5のミッションケース119内には、図4に示すように、無段変速伝達軸75と、同一軸線上に配置したエンジン直結伝達軸96及び副変速軸76と、PTO変速軸106とを、それぞれ前後方向に軸線を向け、かつ、背面視にて三角形の頂点をなす位置に配置して、各軸75,96,76,106に設けたギヤ同士を噛合させている。
このようにして、三角形状の噛み合い関係を持たせることにより、アイドラー軸の増設を不要として、部品点数の削減と、製造コストの低減とを図ることができると共に、ギヤ噛み合い個所を削減して、伝動効率の向上と騒音低減を図ることができる。
ここで、背面視にて三角形の頂点をなす位置に配置した各軸75,96,76,106は、ミッション部5のミッションケース119を縦長く横幅狭く形成することができように、縦長三角形の頂点をなす位置に配置することにより、車体の左右幅を短幅化することができる。
本発明に係る走行車両の側面図。 車体フレームと走行部の断面平面図。 動力伝達説明図。 同動力伝達説明図の背面図。
符号の説明
A 走行車両
1 走行部
2 車体フレーム
3 原動機部
4 運転部
5 ミッション部
6 旋回用HST
7 直進用HST

Claims (4)

  1. 旋回操作手段(34)に連動連結した旋回用無段変速装置(6)を具備する旋回用動力伝達系(55)と、主変速操作手段(40)に連動連結した直進用無段変速装置(7)を具備する直進用動力伝達系(56)と、両動力伝達系(55,56)から伝達される動力を合流させて、その合力を左右側の駆動輪支軸(17,17)に伝達する左右一対の遊星歯車機構(57,57)とを装備する走行車両であって、
    エンジン(E)の後方位置に、旋回用動力伝達系(55)と直進用動力伝達系(56)の一部を内蔵するミッション部(5)を配置し、同ミッション部(5)とエンジン(E)との間において、エンジン(E)側に旋回用無段変速装置(6)を配置する一方、ミッション部(5)側に直進用無段変速装置(7)を配置すると共に、
    エンジン(E)の出力軸(9)と各無段変速装置(6,7)の入力軸(58,59)とミッション部(5)の入力軸(60)を同一軸線上に配置して直列的に連動連結したことを特徴とする走行車両。
  2. 旋回用無段変速装置(6)に設けた旋回用ポンプ(51)の後方位置に、直進用無段変速装置(7)に設けた直進用ポンプ(53)を配置すると共に、両入力軸(58,59)を前後方向に軸線を向けて直列的に連動連結し、
    旋回用無段変速装置(6)に設けた旋回用モータ(52)を左右いずれか一側方に配置する一方、直進用無段変速装置(7)に設けた直進用モータ(54)を左右いずれか他側方に配置したことを特徴とする請求項2記載の走行車両。
  3. 直進用動力伝達系(56)に、エンジン(E)から動力が直進用無段変速装置(7)を経由して伝達される無段変速伝達経路(71)と、エンジン(E)から動力が直進用無段変速装置(7)を経由することなく直接伝達されるエンジン直結伝達経路(72)とを設けて、両伝達経路(71,72)に副変速機構(91)を介して副変速操作手段(42)を連動連結し、
    同副変速操作手段(42)により、副変速機構(91)の低速度段と高速度段との間の低・高速切替操作と、高速度段と最高速度段との間の最高速切替操作を可能となして、
    低・高速切替操作時に無段変速伝達経路(71)が接続されると共にエンジン直結伝達経路(72)が切断される一方、最高速切替操作時に無段変速伝達経路(71)が切断されると共にエンジン直結伝達経路(72)が接続されるクラッチ機構を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の走行車両。
  4. ミッション部(5)内に、無段変速伝達軸(75)と、同一軸線上に配置したエンジン直結伝達軸(96)及び副変速軸(76)と、PTO変速軸(106)とを、それぞれ前後方向に軸線を向け、かつ、背面視にて三角形の頂点をなす位置に配置して、各軸(75,96,76,106)に設けたギヤ同士を噛合させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走行車両。
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