JP2005088497A - 鋳込み成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加圧鋳込みで中空二重構造の成形体が能率よく成形できると共に、成形直後の成形体でも速やかに型から取り出して次工程へ進ませられ、成形作業効率を高められる鋳込み成形方法を提供する。
【解決手段】 成形体30を成形する上下型11、12の型合わせ部分間に略環状の隙間14を設け、泥漿50の注入と加圧に伴って成形体30の外周に鍔状の縁枠40を同時形成し、脱型の際には成形体30と縁枠40とを一体で取扱う一方、成形体支持部材20には縁枠40のみを支持させつつ載置して、成形体30への他物体の当接を防ぐことから、成形直後の変形しやすい状態で成形体30に外力が加わりにくく、成形直後の成形体30を型10から取外しても成形体30の変形を抑えられることとなり、成形体30の取扱い性を向上させられると共に、型10を速やかに空けて型の利用効率を高められる。
【選択図】 図9
【解決手段】 成形体30を成形する上下型11、12の型合わせ部分間に略環状の隙間14を設け、泥漿50の注入と加圧に伴って成形体30の外周に鍔状の縁枠40を同時形成し、脱型の際には成形体30と縁枠40とを一体で取扱う一方、成形体支持部材20には縁枠40のみを支持させつつ載置して、成形体30への他物体の当接を防ぐことから、成形直後の変形しやすい状態で成形体30に外力が加わりにくく、成形直後の成形体30を型10から取外しても成形体30の変形を抑えられることとなり、成形体30の取扱い性を向上させられると共に、型10を速やかに空けて型の利用効率を高められる。
【選択図】 図9
Description
本発明は、陶磁器やファインセラミックス成形品等を含むセラミックス製品の鋳込み型を用いた鋳込み成形方法に関し、特に中空二重構造の成形体が寸法精度良く成形できると共に成型体を型から速やかに取出せ、短時間での大量成形も可能な鋳込み成形方法に関する。
焼成前の陶磁器やファインセラミックス成形品等を含むセラミックスの成形に用いられる鋳込み成形方法は、セラミックスの原料を含む泥漿を成形体の形状が形取られた石膏製等吸水性の型に注入し、泥漿中の水分を型に吸水させて型内に原料分を着肉させ、成形体を生じさせた後、余分な未着肉の泥漿を排出し、成形体を型から取出す手順となっており、従来から広く一般的に実施されている。
こうした鋳込み成形方法等を利用して製作される陶磁器等のセラミックス成形品は、元々、高温に強い特性を有しているが、高温の液体を入れる容器や耐熱部材など、全体的な昇温を避けたいものに用いる場合、断熱性も要求される。これに対しては、金属など他の材料同様、成形体を中空部分のある二重構造とするのが、簡易に断熱性を得られる手法である。このため、一般的な鋳込み成形方法を改良し、中空部を有して断熱性に優れる成形体を得られる鋳込み成形方法が従来から提案されており、例えば、外型と中子の組合わされた型を用いて中空部分の設けられた成形体を得る鋳込み成形方法の例が特開平8−309719号公報に記載されている。
一方、従来から一般的に行われていた排泥鋳込み成形では、泥漿中の原料分の着肉が型の吸水性のみに依存しているため、十分な成形体厚さが得られるまでに時間がかかることに加え、型が十分乾燥するまで鋳込み成形に再利用できない等の問題があり、鋳込み成形時間の短縮を図ることが強く求められていた。これに対し、型内に注入する泥漿に高い圧力を加えることで吸水・着肉速度を高め、作業性を向上させると共に、着肉部分の密度を高めて成形体強度も高められる加圧鋳込み成形方法が種々提案されており、例えば、型間に泥漿を加圧注入すると同時に型側からも吸引を行う鋳込み成形方法の例が特開2001−47415号公報に記載されている。
特開平8−309719号公報
特開2001−47415号公報
従来の鋳込み成形方法は以上のように行われており、前記特許文献1に示される従来前者の方法によれば、中空部分の設けられた二重壁を有する断熱性能に優れたセラミックス成形体が容易に製造できるが、こうした中空二重構造の成形体の場合、各部が中空部分を介して二重になっているため、成形直後の成形体生地が柔らかい状態では、全体形状を維持するための強度が不足気味であり、形状を維持したままでの成形体の脱型が困難であるばかりでなく、仮に脱型できたとしても、成形体の底側を下側にして棚や台上に置くと自重で変形してしまい、全体形状が損われることから、結局、型内の成形体が一定強度を有する状態まで乾燥硬化した後に、型から取出して棚や台上に載置しなければならず、成形体の成形工程にかかる時間が長くなると共に型の使用にも制約が生じ、成形作業の効率を高めるためには型を複数用いなければならなくなり、高コストになるという課題を有していた。
ここで、仮に前記特許文献2に示される従来後者の鋳込み成形方法を応用し、注入する泥漿に高い圧力を加え、成形体の強度を高めたとしても、成形体の大きさのわりに、二重構造の分、肉厚が薄いという構造上の問題から、依然として成形直後は強度が不十分であり、成形体の脱型や載置の際に前記同様変形しやすく、成形直後に成形体を型から取出して棚や台上に載置して乾燥・硬化させることは難しいという課題を有していた。
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、加圧鋳込みで中空二重構造の成形体が能率よく成形できると共に、成形直後の成形体でも速やかに型から取り出して次工程へ進ませられ、成形作業効率を高められる鋳込み成形方法を提供することを目的とする。
本発明に係る鋳込み成形方法は、焼成前のセラミックスの成形体形状が型取りされた成形用型内にセラミックス原料成分を含んでなる泥漿を注入し、泥漿中の溶媒分を型側に浸透させて型内面にセラミックス原料成分を所定厚さ着肉させて成形体を成形した後、残った泥漿を排出し、得られた成形体を型から離脱させる鋳込み成形方法において、前記型が、上型と下型との組合せとされ、型合わせ状態で上下型間に前記成形体形状に一致する中空のキャビティを有すると共に、当該キャビティ周囲の上下型合わせ部分間に所定幅で且つ前記着肉厚さと略一致する間隔をなす略環状の隙間を有する型形状とされてなり、前記泥漿を型間に所定圧力で注入してキャビティ及び前記隙間を満たした後、注入圧力を0.98×105ないし98×105Paとして加圧し、上型と下型のキャビティに面する各表面に前記セラミックス原料成分をそれぞれ着肉させて中空二重構造の成形体を成形する一方、前記キャビティ周囲の隙間にもセラミックス原料成分を密に集中させ、前記成形体と一体となった略鍔状の縁枠を形成し、前記成形体の肉厚が設計厚に達したら未着泥漿を排出し、成形体及び縁枠を前記上型に密着させたまま前記下型から離脱させ、成形体及び縁枠の下側に前記縁枠下面にのみ当接可能な成形体支持部材を配置後、成形体及び縁枠を上型から離脱させて前記成形体支持部材上に載置し、前記成形体が所定の強度を有する状態まで乾燥した段階で、成形体と縁枠を切離すものである。
このように本発明においては、成形体を成形する上下型の型合わせ部分間にあらかじめ略環状の隙間を設け、泥漿の注入と加圧に伴って成形体の型合わせ位置に対応する外周に鍔状の縁枠を成形体と同時に形成し、脱型の際には成形体と縁枠とを一体で取扱う一方、成形体支持部材には縁枠のみを支持させつつ載置して、離型後の成形体への他物体の当接を防ぐことにより、成形直後の柔らかく変形しやすい状態で成形体に外力が加わりにくく、泥漿への十分な加圧で成形体強度を高めていることと合わせて、成形直後の成形体を型から取外して成形体支持部材上に載置しても成形体の変形を抑えられることとなり、成形体の取扱い性を向上させられると共に、型を速やかに空けて型の利用効率を高められ、型数を増やさずに製造効率の大幅な向上が図れる。一方、縁枠は成形体の乾燥硬化後切離すことで成形体の形状に影響を与えることもなく、さらに切離した縁枠は再び泥漿に再利用でき、原料の無駄も発生しない。
また、本発明に係る鋳込み成形方法は必要に応じて、少なくとも前記泥漿の注入から未着泥漿の排出に至るまで、前記キャビティに面する型表面を介してキャビティ外方から泥漿中の溶媒分を負圧により吸引するものである。
このように本発明においては、型間に泥漿が存在する間、型面を介して泥漿中の溶媒分を吸引し、溶媒分を型側へ速やかに移行させて型面へのセラミックス原料成分の着肉を促進すると共に、この着肉状態にあるセラミックス原料成分の型面からの離脱を抑えることにより、型に沿って得られる成形体の強度を大きく高められると共に、成形速度を速めて製造効率をより一層向上させられる。さらに、泥漿の注入圧を高圧にしても型側からの吸引で溶媒分が型へ移行する際の抵抗を減らせ、型に加わる圧力を軽減できることとなり、型の強度を泥漿注入圧力に対応させて著しく高くせずに済み、型のコストを抑えられる。
このように本発明においては、型間に泥漿が存在する間、型面を介して泥漿中の溶媒分を吸引し、溶媒分を型側へ速やかに移行させて型面へのセラミックス原料成分の着肉を促進すると共に、この着肉状態にあるセラミックス原料成分の型面からの離脱を抑えることにより、型に沿って得られる成形体の強度を大きく高められると共に、成形速度を速めて製造効率をより一層向上させられる。さらに、泥漿の注入圧を高圧にしても型側からの吸引で溶媒分が型へ移行する際の抵抗を減らせ、型に加わる圧力を軽減できることとなり、型の強度を泥漿注入圧力に対応させて著しく高くせずに済み、型のコストを抑えられる。
また、本発明に係る鋳込み成形方法は必要に応じて、前記未着泥漿の排出と並行して、前記成形体内側の中空部分に対し泥漿の排出孔から所定圧力の圧縮空気を導入し、未着泥漿を成形体外部に追出すと共に成形体を内側から加圧するものである。
このように本発明においては、成形体内中空部分からの泥漿の排出時に圧縮空気を中空部分に注入し、成形体内を流下して排出孔から流出しようとする未着泥漿を圧縮空気の圧力で押出す一方、成形体各部を中空部分側から型に所定圧力で押付けることにより、未着泥漿を成形体中空部分から残らず除去でき、残留未着泥漿による後工程での悪影響を未然に防いで成形品質を安定させられると共に、圧縮空気による加圧に伴って成形体各部の結び付きを密にして強度をより一層高められる。
このように本発明においては、成形体内中空部分からの泥漿の排出時に圧縮空気を中空部分に注入し、成形体内を流下して排出孔から流出しようとする未着泥漿を圧縮空気の圧力で押出す一方、成形体各部を中空部分側から型に所定圧力で押付けることにより、未着泥漿を成形体中空部分から残らず除去でき、残留未着泥漿による後工程での悪影響を未然に防いで成形品質を安定させられると共に、圧縮空気による加圧に伴って成形体各部の結び付きを密にして強度をより一層高められる。
以下、本発明の一実施の形態に係る鋳込み成形方法を図1ないし図11に基づいて説明する。本実施の形態においては、椀状の成形体を成形する例について説明する。図1は本実施の形態に係る鋳込み成形方法で用いる成形装置の概略構成図、図2は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における型内キャビティへの泥漿注入状態説明図、図3は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における型内キャビティでの泥漿加圧及び吸引状態説明図、図4は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における型面への泥漿着肉状態説明図、図5は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における型内キャビティからの泥漿排出状態説明図、図6は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における型内キャビティからの泥漿排出完了状態説明図、図7は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における上型及び成形体並びに縁枠の下型に対する離型過程説明図、図8は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における成形体及び縁枠の載置台上への載置過程説明図、図9は本実施の形態に係る鋳込み成形方法における成形体及び縁枠の上型に対する離型過程説明図、図10は本実施の形態に係る鋳込み成形方法で成形される成形体及び縁枠の概略構成図、図11は本実施の形態に係る鋳込み成形方法で成形される成形体の縁枠切離し済状態概略構成図である。
前記各図に示すように本実施の形態に係る鋳込み成形方法は、焼成前のセラミックスの成形体形状が型取りされると共に型合わせ部分に環状の隙間14を生じさせる形状の上下一組の型10内に、セラミックス原料成分を含んでなる泥漿50を注入して加圧し、泥漿50中の溶媒分を型側に浸透させて型内にセラミックス原料成分を所定厚さ着肉させて中空二重構造の成形体30を成形すると共に、前記隙間14に略鍔状の縁枠40を形成し、成形体肉厚が所定厚みに達したら残った泥漿50を排出し、得られた成形体30及び縁枠40を型から離脱させ、前記成形体支持部材としての載置台20上に載置する手順で行われるものである。
前記型10は、上型11と下型12との組合せとされてなり、上型11を下型12側に突出した形状として成形体30の内側(凹部)の成形用に形成される一方、下型12を成形体30の外側の成形用に形成され、型合わせ状態でこれら上下型間に成形体30形状に一致する略椀形状のキャビティ13を形成すると共に、このキャビティ13周囲の上下型合わせ部分間に所定幅で且つ成形体肉厚と略一致する間隔をなす隙間14を形成する構成である。上型11及び下型12は型支持装置1に対向状態で配設されており、特に上型11は上下動可能に支持され、下型12に対し離隔、近接可能とされ、成形時には上下型の密着状態が型支持装置1で強力に維持される仕組みである。
上型11及び下型12は、透水性及び通気性を有する一方、強度、耐久性、及び耐摩耗性に優れた樹脂又は樹脂石膏製の多孔質型であり、それぞれキャビティ13周囲に直径10mm以下の多孔質チューブ15を巻回状態で内蔵すると共に、下型12の下部中央には泥漿の注入及び排出用の孔16が穿設され、この孔16には泥漿注入用、排出用、及び圧縮空気導入用の各管17、18、19が接続される一方、前記多孔質チューブ15端部には別の管(図示を省略)を介して真空吸引装置やエアコンプレッサ(図示を省略)が接続される構成であり、キャビティ13周囲を取囲む状態となっている前記多孔質チューブ15を用いて、キャビティ13に対し真空吸引や加圧が行える仕組みである。なお、樹脂又は樹脂石膏製の型構造自体は従来公知の構造であると共に、型と合わせて用いられる前記型支持装置1や、泥漿の注入用加圧装置、及び真空吸引装置等の補助装置は従来公知の装置であり、詳細な説明を省略する。
これら型内への泥漿注入(加圧)圧力は、注入開始時は、9.8×105Pa(10kgf/cm2)以下で、泥漿50が一旦キャビティを満たした後の加圧時は0.98×105〜98×105Pa(1〜100kgf/cm2)、最適には、59×105Pa(60kgf/cm2)で行う。加圧と並行して型側からキャビティ13に対し吸引を行うことで、加圧に対する抵抗負荷が高くなり過ぎず、より泥漿に高い圧力を加えて成形が行える。
型内へ注入する泥漿50は、重量比で60%以下の濃度のものを用いており、従来の鋳込み成形で用いるものより泥漿50の濃度を薄めにして流動性を高めることにより、キャビティ13及び前記隙間14の隅々まで泥漿50を行き渡らせて着肉させられると共に、着肉完了後、成形体30の中空部分から排出孔16を通じて泥漿50を確実に残さず排出できる。
前記載置台20は、一体に成形された成形体30及び縁枠40に対し、縁枠40下面のみに当接する環状の台状体とされてなり、上面に縁枠40を載置されて成形体30を含む全体を支持する仕組みである。
前記載置台20は、一体に成形された成形体30及び縁枠40に対し、縁枠40下面のみに当接する環状の台状体とされてなり、上面に縁枠40を載置されて成形体30を含む全体を支持する仕組みである。
次に、本実施形態に係る鋳込み成形方法による成形体製造工程について説明する。あらかじめ上型11と下型12とを強固に密着させた状態を得た後、上下型間のキャビティ13に、まず、孔16を通じて泥漿50を9.8×105Pa以下の圧力で注入する。キャビティ13及び型合わせ面の隙間14内が泥漿50で一旦満たされたら、泥漿50に加える圧力を約59×105Pa前後に高めて注入を継続すると共に、真空吸引装置(図示を省略)を動作させ、多孔質チューブ15等を介して各型側で吸引を行う。泥漿50の溶媒分が次第に型内部へ浸透することで、キャビティ13内では、型面に沿って泥漿の密となった部分とそれ以外の部分が生じ、泥漿の溶質をなすセラミックス原料成分が型面に着肉した状態となる。キャビティ13に面する型面に着肉した分が成形体30、隙間14内に着肉した分が縁枠40となる。
泥漿50に対する加圧と各型における吸引を所定時間継続して、キャビティに面する型面へのセラミックス原料成分の付着厚さが成形体30としての設計厚さに達し、且つ、キャビティ13周囲の隙間14にもセラミックス原料成分が密に詰った状態が得られたら、泥漿50の加圧を停止して減圧し、孔16を泥漿排出用の管18に対し開放して、未着泥漿をキャビティ13内から流出させる。ここで、未着泥漿が成形体30内部に残った状態で次工程に進むと、離型後の成形体30乾燥時に成形体30に亀裂が生じやすく、成形品の品質が安定しなくなるため、泥漿排出開始と同時に、エアコンプレッサ(図示を省略)を作動させ、管19を通じて孔16から圧縮空気をキャビティ13内における成形体30中空部分に導入して、泥漿50の流出を促して抜取り効率を高めると共に、着肉した泥漿を加圧して成形形状を維持する。この間、型における吸引も継続しており、吸引と圧縮空気注入における圧力状態を細かく制御して成形体形状が損われないようにしている。
未着泥漿が全てキャビティ13内の成形体30中空部分から抜け出たら、圧縮空気の注入と下型12における吸引動作を停止し、上型11を成形体30及び縁枠40ごと上昇させて、上下型を分離して下型12と成形体30を離隔させる。この時、多孔質チューブ15等を介して下型12側から吸引時と逆に空気を送込んで脱型圧力を発生させ、成形体30及び縁枠40の下型12からの離脱を促してもよい。
この下型からの離型において、上型側における吸引は継続しており、縁枠40が存在することで上型11と成形体側との接触面積が十分確保でき、確実に成形体30を上型11に密着させたまま下型12から離脱させられる。一方、下型から脱型圧力を加える場合も、縁枠40の分表面積が大きくなっていることで、単位面積あたりの圧力をより小さくでき、成形体30への負担を減らせる。
下型12からの離隔で成形体30及び縁枠40の下側形状が表れたら、成形体30受取り用の載置台20を成形品30及び縁枠40下側に移動させ、載置台20の環状の載置部分と縁枠40下面が当接可能となるように載置台20を位置させる。載置台20を縁枠40下面に当てて成形体30及び縁枠40を支持可能となったら、上型11における吸引動作を停止し、必要に応じて上型11側から吸引時と逆に空気を送込んで脱型圧力を発生させながら、上型11と載置台20を上下に離し、載置台20上に支持された成形体30及び縁枠40と上型11を離隔させる。
成形体30及び縁枠40が載置台20上に支持されている状態において、載置台20は縁枠40下面とのみ接触し、成形体30は縁枠40を介して載置台20上に支持されているので、成形体30に直接外力は加わらず、変形等は生じない。成形体30を所定時間乾燥させて十分な強度が得られた時点で、成形体30から縁枠40を切離せば、歪み等のない成形体形状が得られる。最終的に施釉、焼成を経ると縁枠40の痕跡が一切ない製品形状となる。一方、切離した縁枠40は破砕して水に溶かせば再び泥漿として再利用でき、セラミックス原料の無駄分は生じない。
このように本実施の形態に係る鋳込み成形方法では、成形体30を成形する上下型の型合わせ部分間に略環状の隙間14を設け、泥漿50の注入と加圧に伴って成形体30の型合わせ位置に対応する外周に鍔状の縁枠40を成形体30と同時に形成し、脱型の際には成形体30と縁枠40とを一体で取扱う一方、載置台20には縁枠40のみを支持させつつ載置して、離型後の成形体30への他物体の当接を防ぐことから、成形直後の柔らかく変形しやすい状態で成形体30に外力が加わりにくく、泥漿への十分な加圧で成形体強度を高めていることと合わせて、成形直後の成形体30を型10から取外して載置台20上に載置しても成形体30の変形を抑えられることとなり、成形体30の取扱い性を向上させられると共に、型10を速やかに空けて型10の利用効率を高められ、型数を増やさずに製造効率の大幅な向上が図れる。
なお、前記実施の形態に係る鋳込み成形方法においては、椀状の成形体30を縁枠40と共に成形する手順となっているが、この他、型10の成形体30に対応する部分の形状を変えて、成形体形状を中空二重構造の他の形状、例えば浅い皿状や深いコップ状の各種食器形状、また、薄いタイル状やブロック状の耐熱構造材形状等として成形を行うこともでき、様々な用途に対応する成形体を得られる。
1 型支持装置
10 型
11 上型
12 下型
13 キャビティ
14 隙間
15 多孔質チューブ
16 孔
17、18、19 管
20 載置台
30 成形体
40 縁枠
50 泥漿
10 型
11 上型
12 下型
13 キャビティ
14 隙間
15 多孔質チューブ
16 孔
17、18、19 管
20 載置台
30 成形体
40 縁枠
50 泥漿
Claims (3)
- 焼成前のセラミックスの成形体形状が型取りされた成形用型内にセラミックス原料成分を含んでなる泥漿を注入し、泥漿中の溶媒分を型側に浸透させて型内面にセラミックス原料成分を所定厚さ着肉させて成形体を成形した後、残った泥漿を排出し、得られた成形体を型から離脱させる鋳込み成形方法において、
前記型が、上型と下型との組合せとされ、型合わせ状態で上下型間に前記成形体形状に一致する中空のキャビティを有すると共に、当該キャビティ周囲の上下型合わせ部分間に所定幅で且つ前記着肉厚さと略一致する間隔をなす略環状の隙間を有する型形状とされてなり、
前記泥漿を型間に所定圧力で注入してキャビティ及び前記隙間を満たした後、注入圧力を0.98×105ないし98×105Paとして加圧し、上型と下型のキャビティに面する各表面に前記セラミックス原料成分をそれぞれ着肉させて中空二重構造の成形体を成形する一方、前記キャビティ周囲の隙間にもセラミックス原料成分を密に集中させ、前記成形体と一体となった略鍔状の縁枠を形成し、
前記成形体の肉厚が設計厚に達したら未着泥漿を排出し、成形体及び縁枠を前記上型に密着させたまま前記下型から離脱させ、成形体及び縁枠の下側に前記縁枠下面にのみ当接可能な成形体支持部材を配置後、成形体及び縁枠を上型から離脱させて前記成形体支持部材上に載置し、
前記成形体が所定の強度を有する状態まで乾燥した段階で、成形体と縁枠を切離すことを
特徴とする鋳込み成形方法。 - 前記請求項1に記載の鋳込み成形方法において、
少なくとも前記泥漿の注入から未着泥漿の排出に至るまで、前記キャビティに面する型表面を介してキャビティ外方から泥漿中の溶媒分を負圧により吸引することを
特徴とする鋳込み成形方法。 - 前記請求項1又は2に記載の鋳込み成形方法において、
前記未着泥漿の排出と並行して、前記成形体内側の中空部分に対し泥漿の排出孔から所定圧力の圧縮空気を導入し、未着泥漿を成形体外部に追出すと共に成形体を内側から加圧することを
特徴とする鋳込み成形方法。
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CN114872167A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-08-09 | 湖南三一中阳机械有限公司 | 注浆成型模具、工艺和陶瓷制品 |
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2003
- 2003-09-19 JP JP2003327866A patent/JP2005088497A/ja active Pending
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