JP2005088477A - 金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸に負荷を掛けずに軸受部のシールを行え、振れ精度の高いローラを得ることができ、樹脂の粘度に関係なくシールが可能である金型を提供する。
【解決手段】 シール体10は角形状の断面形状を有し、シール溝11の底面に接触するR部14と軸4に接触するR部13を備え、少ない収縮率でも広いシール面を持たせ、低圧でのシール性を確保している。シール体10は常温では、つぶし代は少ないかまたは殆どゼロであり、軸4への曲げ応力を低減する。シール体10は成形時の加熱により膨張し、軸4に対するつぶし代が増加し、軸4の外周面と接触し、シール溝11との隙間が埋まり密着し、シールを行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 シール体10は角形状の断面形状を有し、シール溝11の底面に接触するR部14と軸4に接触するR部13を備え、少ない収縮率でも広いシール面を持たせ、低圧でのシール性を確保している。シール体10は常温では、つぶし代は少ないかまたは殆どゼロであり、軸4への曲げ応力を低減する。シール体10は成形時の加熱により膨張し、軸4に対するつぶし代が増加し、軸4の外周面と接触し、シール溝11との隙間が埋まり密着し、シールを行う。
【選択図】 図1
Description
この発明は、金型に関する。
近年コピー装置やプリンタ或いはファクシミリ等のOA機器において、紙を送るためのゴムなどの樹脂から形成された樹脂ローラが多用されているが、OA機器の小型化にともない、小径で、外径もクラウン形状や逆クラウン形状などの各種の形状が要求されるようになってきている。この樹脂ローラは、ローラ金型を用いて成形され、予め芯金を金型内に装着して、空間部に液状の樹脂を充填し、加熱反応により軸付きローラとすることにより製造される。
充填する樹脂がローラの軸受部に付着しないように、軸受部にはOリングなどのシールを装着している。
充填する樹脂がローラの軸受部に付着しないように、軸受部にはOリングなどのシールを装着している。
しかし、従来のOリングなどを用いたシールでは、軸受部に負荷が掛かり、曲げが発生し、ローラとしての振れ精度が悪化する問題があった。そのため、従来は成形後外径研削を必要とするなどの問題があった。また、型と軸との間のクリアランスを狭くすることによる非接触式シールを用いる方法もあるが、この場合、樹脂の粘度に制約を受け、低粘度の樹脂には利用できない問題がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の金型は、金型本体と、該金型本体の一端に設けられた入口駒と、該金型本体の他端に設けられた出口駒と、該金型本体の内部に納められ、両端部が前記入口駒と出口駒とに支持される軸と、該軸の両端部において、該軸と前記入口駒と出口駒との間をシールするシール装置と、を備え、前記シール装置が前記入口駒と出口駒の内周に形成されたシール溝と、該シール溝に嵌装され、常温では該シール溝から前記軸方向に突出しないか或いは若干突出し、加熱により膨張して前記軸に接触してシールするシール体と、を備えたことを特徴とする。
上記構成においては軸装着時にはシールは突出しないか或いは突出しても若干の突出であるから、軸への曲げ応力が低減し、振れ精度の高いローラを製作できる。また加熱により膨張して良好なシール性を得られるから、樹脂が軸端部に侵入して軸受部に樹脂が残ることがない。
また前記シール体が断面角形状を有し、前記軸に接触する接触面と前記シール溝の底面に接触する底面がRを有する、構成とすることにより、広いシール面を持たせることができ、低圧でもシール性を確保でき、異物を噛み込んだ時の耐性が向上する。更に前記シール体が、金型に注入される合成樹脂と溶着しない性質を有するように構成することにより、離型性が向上する。
また前記シール溝の軸線方向中央側の壁の内径を大きくすることにより、金型に残る樹脂を少なくすることができる。
上記構成においては軸装着時にはシールは突出しないか或いは突出しても若干の突出であるから、軸への曲げ応力が低減し、振れ精度の高いローラを製作できる。また加熱により膨張して良好なシール性を得られるから、樹脂が軸端部に侵入して軸受部に樹脂が残ることがない。
また前記シール体が断面角形状を有し、前記軸に接触する接触面と前記シール溝の底面に接触する底面がRを有する、構成とすることにより、広いシール面を持たせることができ、低圧でもシール性を確保でき、異物を噛み込んだ時の耐性が向上する。更に前記シール体が、金型に注入される合成樹脂と溶着しない性質を有するように構成することにより、離型性が向上する。
また前記シール溝の軸線方向中央側の壁の内径を大きくすることにより、金型に残る樹脂を少なくすることができる。
本発明の金型によれば、軸に負荷を掛けずに軸受部のシールを行え、振れ精度の高いローラを金型での成形のみで得ることができる。また、樹脂の粘度に関係なくシールが可能であり、低粘度の樹脂であっても効果的なシールを行える。
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、この金型は金型本体1と入口駒2と出口駒3を備えている。
金型本体1は一体の筒状のもので、両端部に入口駒2と出口駒3が装着され、該入口駒2と出口駒3間に軸4が固定されるようになっている。
軸4は金型の内周と所定の隙間40を形成し、該隙間40に樹脂を充填し、軸付きのローラを形成するようになっている。
図1において、この金型は金型本体1と入口駒2と出口駒3を備えている。
金型本体1は一体の筒状のもので、両端部に入口駒2と出口駒3が装着され、該入口駒2と出口駒3間に軸4が固定されるようになっている。
軸4は金型の内周と所定の隙間40を形成し、該隙間40に樹脂を充填し、軸付きのローラを形成するようになっている。
入口駒2には樹脂注入口20が形成され、ここから隙間40へ樹脂が充填されるようになっている。
出口駒3には樹脂逃げ孔30が形成され、隙間40の樹脂が樹脂逃げ孔30へと押し出されてくるようになっている。通常は、樹脂逃げ孔30が一杯になるまで、樹脂注入口20から樹脂が充填されるようになっている。
軸4の両端には、それぞれ入口駒2と軸4、出口駒3と軸4の間をシールするためのシール装置5が装着されている。
シール体10は、出口駒3(又は入口駒2)に形成されたシール溝11に若干の隙間をあけて装着されている。シール体10は、熱膨張係数が大きく、隙間40に充填される樹脂と溶着しない材料が用いられている。
シール体10は図2に示すように角形状の断面形状を有し、シール溝11の底面に接触するR部14と軸4に接触するR部13を備えている。このR部13、R部14により少ない収縮率でも広いシール面を持たせ、低圧でのシール性を確保すると同時に異物を噛み込んだ時での耐性を向上させてある。
また、角部には小さなRを付け、弾性変形時にシール材の逃げ空間を確保するようになっている。
また、角部には小さなRを付け、弾性変形時にシール材の逃げ空間を確保するようになっている。
シール体10は常温では、軸4側に突出しないか若干突出する程度であり、つぶし代は少ないかまたは殆どゼロである。この構成により軸4への曲げ応力を低減することができる。
シール体10は成形時の加熱により膨張し、軸4に対するつぶし代が増加し、軸4側に突出して軸4の外周面と接触し、同時にシール溝11との隙間が埋まり密着し、これによりシールを行うようになっている。
シール体10は成形時の加熱により膨張し、軸4に対するつぶし代が増加し、軸4側に突出して軸4の外周面と接触し、同時にシール溝11との隙間が埋まり密着し、これによりシールを行うようになっている。
前記したようにシール体10はR部13及びR部14を備えているため、つぶし径0.1mm程度でシールが可能になる。
この時、材質をゴム、内径をΦ6とすると、0.1mm変化に必要な温度差は、次式で求められる。
d’=d(1+αt)をtについてまとめると、
t=△d/(d×α)=0.1/(6×2.3×10−4)=73℃
となる。ここで、線膨張:α、 径:d(mm)。
通常の成形温度は120℃程度のため、温度差を利用したシールが可能になる。
d’=d(1+αt)をtについてまとめると、
t=△d/(d×α)=0.1/(6×2.3×10−4)=73℃
となる。ここで、線膨張:α、 径:d(mm)。
通常の成形温度は120℃程度のため、温度差を利用したシールが可能になる。
なお、シール溝11の軸4側の壁12は径大に形成し、軸4との間の空間を大きくしている。この構成により、該空間にも比較的厚みのある樹脂が充填され、出口駒3側や軸4上に樹脂がバリとして残らないようになっている。
なお、上記構成においては、シール体10はリング形状であるが、対象物にあわせて枠形状など任意の形とすることができる。
また、シール体10への与圧の与え方として、外径の機械的圧縮、流体による加圧なども可能である。また軸4の段差端面に対するパッキン的な使用方法も可能である。
また、シール体10への与圧の与え方として、外径の機械的圧縮、流体による加圧なども可能である。また軸4の段差端面に対するパッキン的な使用方法も可能である。
以上の構成において、金型本体1内部に軸4を挿入し、その一端を入口駒2又は出口駒3で固定し、入口駒2又は出口駒3を軸4の他端に固定し、更に入口駒2と出口駒3を金型本体1に固定して一体化する。シール装置5は、常温では軸4方向に突出していないため、固定の際に軸4に負荷を与えることがないか、或いは非常に少ない。
そして樹脂注入口20から樹脂を充填し、金型本体1と軸4の隙間40にローラを形成する。成形加熱によりシール体10は膨張し、軸4との間を良好にシールするから、樹脂がシール体10の軸受部分に侵入することがない。また、壁12により樹脂が型側に残ることもない。
樹脂が固まったら、出口駒3を外し、金型本体1から軸4を抜き、軸4とその外側に形成されたローラを取り出せる。
樹脂が固まったら、出口駒3を外し、金型本体1から軸4を抜き、軸4とその外側に形成されたローラを取り出せる。
1:金型本体、2:入口駒、3:出口駒、4:軸、5:シール装置、10:シール体、11:シール溝、12:壁、13:R部、14:R部、20:樹脂注入口、30:樹脂逃げ孔、40:隙間。
Claims (4)
- 金型本体と、
該金型本体の一端に設けられた入口駒と、
該金型本体の他端に設けられた出口駒と、
該金型本体の内部に納められ、両端部が前記入口駒と出口駒とに支持される軸と、
該軸の両端部において、該軸と前記入口駒と出口駒との間をシールするシール装置と、を備え;
前記シール装置が前記入口駒と出口駒の内周に形成されたシール溝と、
該シール溝に嵌装され、常温では該シール溝から前記軸方向に突出しないか或いは若干突出し、加熱により膨張して前記軸に接触してシールするシール体と、
を備えたことを特徴とする金型。 - 前記シール体が断面角形状を有し、前記軸に接触する接触面と前記シール溝の底面に接触する底面がRを有する、
請求項1に記載の金型。 - 前記シール体が、金型に注入される合成樹脂と溶着しない性質を有する、
請求項1に記載の金型。 - 前記シール溝の軸線方向中央側の壁の内径を大きくした、
請求項1に記載の金型。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003327449A JP2005088477A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003327449A JP2005088477A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005088477A true JP2005088477A (ja) | 2005-04-07 |
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ID=34457311
Family Applications (1)
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JP2003327449A Pending JP2005088477A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 金型 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005088477A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014043058A (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-13 | Apic Yamada Corp | モールド金型及びこれを用いた樹脂モールド装置 |
JP2015178277A (ja) * | 2010-05-25 | 2015-10-08 | サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション | 液体シリコーンゴムのインサート成形のためのポジティブシャットオフを形成するポリマーシール用のシステム、方法および装置 |
-
2003
- 2003-09-19 JP JP2003327449A patent/JP2005088477A/ja active Pending
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