JP2005086133A - 露光装置および露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、あるいはスキャン露光の際の、スキャニングの往路と復路における見かけの屈折率に差が生じることを防止し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することを目的とする。
【解決手段】 マスク6を用いてウエハ8を露光する露光装置100において、ウエハ8が露光される露光時に、上記ウエハ8とマスク6とのうち少なくとも1つを往復移動させる移動部と、往路において、上記移動部により移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動部により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給し、復路において、上記往路において供給した方向と逆方向になるように向きを変更して不活性ガスを供給するパージガス供給システム200とを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体製造装置に係り、特に半導体装置を製造するための露光装置、並びに露光方法に関する発明である。
近年の半導体プロセスにおけるパターンの微細化に伴い露光波長の短波長化が進んでおり、現在では、波長157nmのFレーザーの光線を露光光源に用いる研究が行われている。
レーザーの光線は、酸素分子や水分子の他、一酸化炭素、二酸化炭素、有機物質などに吸収され、大気中では十分な透過率が取れない。酸素分子濃度10ppmの場合、約0.7mの光路長で光強度が90%まで低下し、また、水分子濃度10ppmの場合、約1.1mの光路長で光強度が90%まで低下することがわかっている。そのため、露光光路に窒素、あるいはヘリウムなどの不活性ガスによるパージを施している。しかし、マスクステージやウエハステージなどの系は、マスク、あるいはウエハの交換が必要となるため、開放系、あるいはパージを破る必要がある。したがって、マスクの上下面、およびウエハ表面に、一定流量の不活性ガスを供給する必要がある。これらのパージが不十分な場合、露光光が十分にウエハ面上に照射されず、照度均一性が劣化し、パターンサイズのばらつきなどが引き起こされる。
不活性ガスによるパージを施している技術として、いくつかの技術が公開されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2002−158153号公報 特開平11−97339号公報 特開2001−168027号公報 特開2002−373854号公報
以上のように、Fレーザーの光を露光光源に用いた場合、露光光路において、不活性ガスによるパージを実施し、さらに、マスクステージやウエハステージなどの、開放系、あるいはパージを破る必要のある系には、一定量の不活性ガスを供給する必要がある。しかし、スキャニング露光の場合、露光中にマスク、およびウエハが露光光路と垂直方向に移動するため、一方向からのパージガス供給では、パージガスが乱流になる、あるいはスキャン方向の違いによる見かけの屈折率に差が生じ、解像度、あるいは重ね合わせ精度が劣化する。例えば、露光光路、およびスキャン方向の両方に垂直な方向からパージガスを供給した場合、パージする領域の長手方向とパージ方向が同一となるため、パージ領域内におけるパージガス供給口から遠い部分においては、パージガスの流れが乱流となり、微細なパターンの改造や重ね合わせ精度に影響を及ぼし、製品の歩留まりが減少するという課題がある。また例えば、スキャン方向と平行な方向で、かつ一方向からパージガスを供給した場合、スキャンの往路と復路において、マスク、あるいはウエハとパージガスの相対速度が異なることになる。マスクあるいはウエハの速さがパージガスの速さよりも大きい場合、この相対速度の差はパージガスの速さの2倍となる。このため、スキャンの往路と復路において、パージガスに対する単位時間あたりのマスク、あるいはウエハが進む距離の差はパージガスが単位時間あたりに移動する距離の2倍となり、パージガスの見かけの濃度に差が生じる。一般に、ガス濃度と屈折率には、Gladstone−Daleの関係が成り立つ。
n=n+Kρ
ここで、nは屈折率、n屈折率、ρは密度を表し、Kは気体の種類によって決まる定数である。したがって、スキャン方向によって、パージガスの見かけの濃度が異なることから、見かけの屈折率まで変化してしまい、微細なパターンの解像や重ね合わせ精度に影響を及ぼし、製品の歩留まりが減少するという課題がある。
本発明は、パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、あるいはスキャン露光の際の、スキャニングの往路と復路における見かけの屈折率に差が生じることを防止し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することを目的とする。
この発明に係る露光装置は、マスクを用いて試料を露光する露光装置において、
試料が露光される露光時に、上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを往復移動させる移動部と、
往路において、上記移動部により移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動部により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給し、復路において、上記往路において供給した方向と逆方向になるように向きを変更して不活性ガスを供給する供給部と
を備えたことを特徴とする。
上記供給部は、上記移動部により上記試料とマスクとのうち少なくとも1つが移動させられる場合に上記試料の試料面とマスクのマスク面とのうち、移動させられる少なくとも1つに平行して不活性ガスを供給することを特徴とする。
上記移動部は、マスクを配置するマスク配置部を有し、
上記供給部は、
上記マスク配置部に配置されたマスクの上面に不活性ガスを供給する第1のマスク用ガス供給口と、
上記マスク配置部に配置されたマスクの下面に不活性ガスを供給する第2のマスク用ガス供給口と
を有することを特徴とする。
上記移動部は、試料を配置する試料ステージを有し、
上記供給部は、上記試料ステージに配置された試料の上面に不活性ガスを供給する試料用ガス供給口を有することを特徴とする。
この発明に係る露光装置は、マスクを用いて試料を露光する露光装置において、
試料が露光される露光時に、上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを移動させる移動部と、
上記移動部により移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動部により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給する供給部と
を備え、
上記供給部は、不活性ガスを供給する向きが対抗するように上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを挟んで配置された第1と第2の不活性ガス供給口と、
上記第1と第2の不活性ガス供給口のいずれかから不活性ガスが供給されるように上記第1と第2の不活性ガス供給口を切り換える切り換え部と
を有することを特徴とする。
この発明に係る露光方法は、マスクを用いて試料を露光する露光方法において、
試料が露光される露光時に、上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを往復移動させる移動工程と、
往路において、上記移動工程により移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動工程により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給し、復路において、上記往路において供給した方向と逆方向になるように向きを変更して不活性ガスを供給する供給工程と
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、あるいはスキャン露光の際の、スキャニングの往路と復路における見かけの屈折率に差が生じることを防止し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することができる。
以下の実施の形態は、以下に説明するように、具体的な適用として、スキャニング露光の際、マスク、およびウエハそれぞれのスキャニング方向と平行方向に、マスク上下面、およびウエハ表面に、パージガスを供給することによって、パージガスが乱流となることを抑制し、スキャン方向の違いによる見かけの屈折率の差を解消し、解像度、あるいは重ね合わせ精度などが向上する露光装置、あるいは露光方法に関するものである。
実施の形態1.
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。図中、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明を簡略かないし省略することがある。
図1は、実施の形態1における露光装置を説明するための概略図である。
図1において、半導体製造装置の1つである露光装置100は、照射部としてのFレーザー発振器110、ビームライン115、照明光学系4、マスク設置部120、投影レンズ5、試料としてのウエハを配置するウエハ配置部130を備えている。Fレーザー発振器からウエハ配置部までは、不活性ガスの一例であるN(窒素)ガスが供給され、Nガスによって満たされている。
マスク設置部120は、後述するパージガス供給システム(供給部の一例である)、マスクステージ(マスク配置部、移動部の一例である)を有している。ウエハ配置部130は、後述するパージガス供給システム(供給部の一例である)、ウエハステージ(試料ステージ、移動部の一例である)を有している。マスクステージ、ウエハステージと、上記マスクステージ、ウエハステージをそれぞれ移動させる図示していない移動機構とで移動部を構成する。
また、本実施の形態に係る露光装置100は、マスクステージ、およびウエハステージが露光光路と垂直な方向に移動可能であり、かつ、マスクステージ、およびウエハステージの両方をスキャンしながら、露光が可能であることを特徴とする。
図2は、実施の形態1によるパージガス供給システムを説明するための概略図である。
図2に示すように、供給部の一例であるパージガス供給システム200は、パージガス供給口11,12と、パージガス供給配管21と、電磁弁3とを有している。
図2では、パージガス供給配管21が2つに分岐されて、2つの供給配管に電磁弁3がそれぞれ設置されている。
第1と第2の不活性ガス供給口の一例として、パージガス供給口11,12が、不活性ガスを供給する向きが対抗するように上記移動部の一例であるマスクステージ7、或いは同様の他のパージガス供給口11,12が、不活性ガスを供給する向きが対抗するように上記移動部の一例であるウエハステージ9を挟んで配置されている。言いかえれば、パージガス供給口11,12が不活性ガスを供給する向きが対抗するようにマスクを挟んで配置されている。或いは同様の他のパージガス供給口が、不活性ガスを供給する向きが対抗するようにウエハを挟んで配置されている。パージガス供給口11,12は、2つに分岐されたパージガス供給配管21の2つの供給配管の出口にそれぞれ設置されている。
切り換え部の一例として、電磁弁3が、上記第1と第2の不活性ガス供給口11,12のいずれかから不活性ガスが供給されるように上記第1と第2の不活性ガス供給口11,12を切り換える。電磁弁3は、2つに分岐されたパージガス供給配管21の2つの供給配管の通路部を開閉する。
このパージガス供給システム200は、窒素、He(ヘリウム)、Ar(アルゴン)などの不活性気体をパージガスとして供給するシステムであり、2つ以上の対となるパージガス供給口が設置されても構わない。或いは、パージガス供給口が、不活性ガスを供給する向きが対抗するように上記マスク或いはウエハを挟んで配置されていれば構わない。パージガス供給システム200は、対となるパージガス供給口11,12の一方のパージガス供給口からのパージガスの供給を止めるように、電磁弁3により制御されている。
また、以下に説明するように、本実施の形態に係る露光装置100は、上記パージガス供給システム200の構成を必要に応じて、複数設置する。
本実施の形態に係る露光装置100は、例えば、通常の大気に吸収される、波長200nm以下の光を露光光に用いる露光装置において、露光光源であるFレーザー発振器110からビームライン115、照明光学系4、マスクステージ、投影レンズ5内部、ウエハステージまでの露光光路を不活性ガスで気密し、かつ、マスク上下面において、上記ガス供給システムにて、一定流量の不活性ガスを供給することを特徴とする。
図3は、実施の形態1によるマスクステージ部分を説明するための概略図である。
図4は、実施の形態1によるマスクステージ部分を説明するための概略図である。
露光装置100のマスク設置部120には、マスクステージ7部分にパージガス供給システム200が設置されている。
図3,4に示すように、露光装置100のマスクステージ7部分には、マスクステージ7のスキャン方向Bと平行な方向にパージガスを供給できるように、パージガス供給システム200が設置されている。マスクステージ7は、マスク6を配置している。
露光装置100は、マスク6を用いて試料であるウエハを露光する。
移動部の一例であるマスクステージ7は、試料が露光される露光時に、上記マスク6を移動させる。
供給部の一例であるパージガス供給システム200は、上記マスクステージ7により上記マスク6が移動させられる移動方向に対して同方向と上記マスクステージ7により上記マスク6が移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給する。移動方向に対して同方向或いは逆方向に向けて不活性ガスを供給することで、パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することができる。
上記パージガス供給システム200は、上記マスクステージ7により上記マスク6が移動させられる場合に、移動させられる上記マスク6のマスク面に平行して不活性ガスを供給する。平行して不活性ガスを供給することで、さらに、パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することができる。
図3,4では、上記パージガス供給システム200が、上記マスクステージ7に配置されたマスク6の上面に不活性ガスを供給する第1のマスク用ガス供給口としての対となるパージガス供給口11,12と、上記マスクステージ7に配置されたマスク6の下面に不活性ガスを供給する第2のマスク用ガス供給口としての対となるパージガス供給口31,32と、パージガス供給口11,12が出口に接続されたパージガス供給配管21、パージガス供給口31,32が出口に接続されたパージガス供給配管22、対となるパージガス供給口11,12の一方からパージガスが供給されるようにパージガス供給口を切り替える2つの電磁弁3、対となるパージガス供給口31,32の一方からパージガスが供給されるようにパージガス供給口を切り替える2つの電磁弁3を有している。パージガス供給配管21,22は、パージガスの入り口側で1つにつながっていても構わないし、2つのままでも構わない。パージガス供給配管21,22は、パージガスの入り口側で1つにつながっている場合、パージガス供給口11,31を1つの供給配管から分岐し、パージガス供給口12,32を1つの供給配管から分岐しても構わない。パージガス供給口11,31を1つの供給配管から分岐し、パージガス供給口12,32を1つの供給配管から分岐する場合、パージガス供給口11,31用に1つの電磁弁3、パージガス供給口12,32用に1つの電磁弁3が設置されていても構わない。
上記マスクステージ7は、配置されたマスク6を所定の方向に往復移動させる。
上記パージガス供給システム200は、上記マスクステージ7がマスク6を往復移動させる場合に、往路において、上記マスクステージ7により移動させられる移動方向に対して同方向と上記マスクステージ7により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給し、復路において、上記往路において供給した方向と逆方向になるように向きを変更して不活性ガスを供給する。
言い換えれば、スキャン露光の場合、マスクステージ7は、1ショットにつき一方向に向かって移動する。この際、図3に示すように、パージガス供給システム200によって、マスクステージ7の移動方向Bと同一方向へパージガスを供給する。次のショットにおいては、図4に示すように、マスクステージ7の移動方向は逆転する。その際、パージガス供給システム200のパージガス供給方向Aも逆転させ、マスクステージの移動方向Bと同一の方向へパージガスを供給する。以上のように、マスクステージ7の移動方向Bとパージガスの供給方向Aとが、常に一致するようにして、スキャン露光を行えば、スキャン露光の往路と復路における見かけの屈折率に差が生じることを防止し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することが可能となる。なお、ここではマスクステージ7の移動方向Bと、パージガスの供給方向Aが常に同一方向となるようにしたが、常に逆の方向としても良い。ただし、この場合は、マスク6とパージガスの相対速度が大きくなり、パージガスが乱流となる可能性があるため、マスクステージ7の移動方向Bとパージガスの供給方向Aは、同一方向としたほうが望ましい。パージガスの供給量は、限定しないが、0.3L・min−1から10L・min−1までに制御されるのが望ましい。
本実施の形態に係る露光装置100は、例えば、通常の大気に吸収される、波長200nm以下の光を露光光に用いる露光装置において、露光光源であるFレーザー発振器110からビームライン115、照明光学系4、マスクステージ、投影レンズ5内部、ウエハステージまでの露光光路を不活性ガスで気密し、かつ、ウエハ表面において、上記ガス供給システムにて、一定流量の不活性ガスを供給することを特徴とする。
図5は、実施の形態1による露光装置のウエハステージ部分を説明するための概略図である。
図6は、実施の形態1による露光装置のウエハステージ部分を説明するための概略図である。
図5,6に示すように、露光装置100のウエハステージ9部分には、ウエハステージ9のスキャン方向と平行な方向にパージガスを供給できるように、パージガス供給システム200が設置されている。ウエハステージ9は、ウエハ8を配置する。
露光装置100は、マスク6を用いて試料であるウエハを露光する。
移動部の一例であるウエハステージ9は、試料が露光される露光時に、上記ウエハ8を移動させる。
供給部の一例であるパージガス供給システム200は、上記ウエハステージ9により上記ウエハ8が移動させられる移動方向に対して同方向と上記ウエハステージ9により上記ウエハ8が移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給する。移動方向に対して同方向或いは逆方向に向けて不活性ガスを供給することで、パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することができる。
上記パージガス供給システム200は、上記ウエハステージ9により上記ウエハ8が移動させられる場合に、移動させられる上記ウエハ8のウエハ面に平行して不活性ガスを供給する。平行して不活性ガスを供給することで、さらに、パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することができる。
図5,6では、上記パージガス供給システム200が、上記ウエハステージ9に配置されたウエハ8の上面に不活性ガスを供給する試料用ガス供給口としての対となるパージガス供給口41,42と、パージガス供給口41,42が出口に接続されたパージガス供給配管23、パージガス供給口41,42のいずれかからパージガスが供給されるようにパージガス供給口41,42を切り替える2つの電磁弁3を有している。パージガス供給配管23は、マスク設置部120に設置されたパージガス供給配管21或いはパージガス供給配管22と、或いはパージガス供給配管21及びパージガス供給配管22とつながっていても構わない。また、マスク設置部120に設置された電磁弁3と連動していても構わない。第1と第2の不活性ガス供給口としてのパージガス供給口41,42は、不活性ガスを供給する向きが対抗するように上記ウエハ8を挟んで配置されている。
上記ウエハステージ9は、配置されたウエハ8を所定の方向に往復移動させる。
上記パージガス供給システム200は、上記ウエハステージ9がウエハ8を往復移動させる場合に、マスク側と同様、往路において、上記ウエハステージ9により移動させられる移動方向に対して同方向と上記ウエハステージ9により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給し、復路において、上記往路において供給した方向と逆方向になるように向きを変更して不活性ガスを供給する。
言い換えれば、スキャン露光の場合、ウエハステージ9は、1ショットにつき一方向に向かって移動する。この際、図5に示すように、パージガス供給システム200によって、ウエハステージ9の移動方向Cと同一の方向へパージガスを供給する。次のショットにおいては、図6に示すように、ウエハステージ9の移動方向Cは逆転する。その際、パージガス供給システム200のパージガス供給方向Aも逆転させ、ウエハステージ9の移動方向と同一の方向へパージガスを供給する。以上のように、ウエハステージ9の移動方向Cと、パージガスの供給方向Aとが、常に一致するようにして、スキャン露光を行えば、スキャン露光の往路と復路における見かけの屈折率に差が生じることを防止し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止することが可能となる。なお、ここではウエハステージ9の移動方向Cと、パージガスの供給方向Aが常に同一方向となるようにしたが、常に逆の方向としても良い。ただし、この場合は、ウエハとパージガスの相対速度が大きくなり、パージガスが乱流となる可能性が有るため、ウエハステージ9の移動方向とパージガスの供給方向は。同一方向としたほうが望ましい。パージガスの供給量は、限定しないが、0.3L・min−1から10L・min−1までに制御されるのが望ましい。
図7は、上記露光方法を用いた半導体装置の製造フローの一例である。
S(ステップ)701において、レジスト塗布工程として、試料となるウエハ8にレジストが塗布される。
S702において、レジストが塗布されたウエハ8をマスク6を用いて露光する。このマスクを用いて試料を露光する露光工程において、試料が露光される露光時に、上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを移動させる移動工程と、上記移動工程により上記試料とマスクとのうち少なくとも1つが移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動工程により上記試料とマスクとのうち少なくとも1つが移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給する供給工程とが行われる。
S703において、現像工程として、露光されたウエハ8を現像する。
S704において、エッチング工程として、現像されたウエハ8は、露光光により感光された箇所、或いは感光されなかった箇所がエッチングされる。
S705において、洗浄工程として、エッチングされたウエハ8が洗浄される。
以上のような工程を経たウエハ8を用いて半導体装置が製造される。
以上のように、本実施の形態に係る露光装置100に設置されたガス供給システムは、マスク上下面、およびウエハ表面に、一定流量の純粋な不活性ガスを供給することを特徴とする。
また、本実施の形態に係るガス供給システムは、ガス供給方向の切り替えが可能であり、かつ、一定流量の純粋な不活性ガスを供給することが可能であることを特徴とする。
また、本実施の形態に係るガス供給システムは、0.3L・min−1から10L・min−1までに制御されていることを特徴とする。
また、本実施の形態に係る露光装置は、前記露光装置において、露光中にマスクステージをスキャンさせる際、マスクの上下面において、マスクステージのスキャン方向と平行な方向に、不活性ガスを供給することを特徴とする。
また、本実施の形態に係る露光装置は、前記露光装置において、露光中にウエハステージをスキャンさせる際、ウエハ表面において、ウエハステージのスキャン方向と平行な方向に、不活性ガスを供給することを特徴とする。
また、本実施の形態に係る露光方法は、通常の大気に吸収される、波長200nm以下の光を露光光に用いる露光において、露光光源からビームライン、照明光学系、マスクステージ、投影レンズ内部、ウエハステージまでの露光光路を不活性ガスで気密し、かつ、マスク上下面において、上記ガス供給システムにおいて、一定流量の不活性ガスを供給しながら露光を行うことを特徴とする。
また、本実施の形態に係る露光方法は、通常の大気に吸収される、波長200nm以下の光を露光光に用いる露光において、露光光源からビームライン、照明光学系、マスクステージ、投影レンズ内部、ウエハステージまでの露光光路を不活性ガスで気密し、かつ、ウエハ表面において、上記ガス供給システムにおいて、一定流量の不活性ガスを供給しながら露光を行うことを特徴とする。
また、本実施の形態に係る露光方法は、マスクステージ、およびウエハステージが露光光路と垂直な方向に移動可能であり、かつ、マスクステージ、およびウエハステージの両方をスキャンしながら露光を行うことを特徴とする。
また、本実施の形態に係る露光方法は、前記露光装置において、露光中にマスクステージをスキャンさせる際、マスクの上下面において、マスクステージのスキャン方向と平行な方向に、不活性ガスを供給しながら行うことを特徴とする。
また、本実施の形態に係る露光方法は、前記露光装置において、露光中にウエハステージをスキャンさせる際、ウエハ表面において、ウエハステージのスキャン方向と平行な方向に、不活性ガスを供給しながら行うことを特徴とする。
また、本実施の形態に係る半導体装置は、上記露光装置、あるいは上記露光方法により、製造されたことを特徴とする。
本実施の形態では、試料とマスクの一方を移動させているが、双方を同期して逆方向に移動させることが望ましい。
以上のように、Fレーザーの光を露光光源に用いた場合、露光光源において、不活性ガスによるパージを実施し、さらに、マスクステージやウエハステージなどの、開放系、あるいはパージを破る必要のある系には、一定流量の不活性ガスを供給する必要がある。しかし、スキャニング露光の場合、露光中にマスク、およびウエハが露光光路と垂直方向に移動するため、一方向からのパージガス供給では、パージガスが乱流になる、あるいはスキャン方向の違いによって見かけの屈折率に差が生じ、解像度、あるいは重ね合わせ精度が劣化する。本実施の形態では、上記問題を解決するために、パージ領域内におけるパージガスの乱れを抑制し、あるいはスキャン露光の際の、スキャニングの往路と復路における見かけの屈折率に差が生じることを防止し、解像度、あるいは重ね合わせ精度の劣化を防止する。
波長248nmのKrFエキシマレーザーを光源とするスキャニング式露光装置、あるいは波長193nmのArFエキシマレーザーを光源とする露光装置においても、本発明のパージガス供給システム、およびパージガス供給方法を用いてもよい。この場合、供給するガス種は、乾燥精製空気とするが、不活性ガスでもよい。この場合、Fレーザーを光源とする場合ほどの解像度、あるいは重ね合わせ精度の向上は期待できないが、向上効果は多少なりとも期待できる。
実施の形態1における露光装置を説明するための概略図である。 実施の形態1によるパージガス供給システムを説明するための概略図である。 実施の形態1によるマスクステージ部分を説明するための概略図である。 実施の形態1によるマスクステージ部分を説明するための概略図である。 実施の形態1による露光装置のウエハステージ部分を説明するための概略図である。 実施の形態1による露光装置のウエハステージ部分を説明するための概略図である。 上記露光方法を用いた半導体装置の製造フローの一例である。
符号の説明
3 電磁弁、4 照明光学系、5 投影レンズ、6 マスク、7 マスクステージ、8 ウエハ、9 ウエハステージ、11,12,31,32,41,42 パージガス供給口、21,22,23 パージガス供給配管、100 露光装置、110 Fエキシマレーザー発振器、115 ビームライン、120 マスク設置部、130 ウエハ配置部、200 パージガス供給システム。

Claims (6)

  1. マスクを用いて試料を露光する露光装置において、
    試料が露光される露光時に、上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを往復移動させる移動部と、
    往路において、上記移動部により移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動部により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給し、復路において、上記往路において供給した方向と逆方向になるように向きを変更して不活性ガスを供給する供給部と
    を備えたことを特徴とする露光装置。
  2. 上記供給部は、上記移動部により上記試料とマスクとのうち少なくとも1つが移動させられる場合に上記試料の試料面とマスクのマスク面とのうち、移動させられる少なくとも1つに平行して不活性ガスを供給することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 上記移動部は、マスクを配置するマスク配置部を有し、
    上記供給部は、
    上記マスク配置部に配置されたマスクの上面に不活性ガスを供給する第1のマスク用ガス供給口と、
    上記マスク配置部に配置されたマスクの下面に不活性ガスを供給する第2のマスク用ガス供給口と
    を有することを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  4. 上記移動部は、試料を配置する試料ステージを有し、
    上記供給部は、上記試料ステージに配置された試料の上面に不活性ガスを供給する試料用ガス供給口を有することを特徴とする請求項2記載の露光装置。
  5. マスクを用いて試料を露光する露光装置において、
    試料が露光される露光時に、上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを移動させる移動部と、
    上記移動部により移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動部により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給する供給部と
    を備え、
    上記供給部は、不活性ガスを供給する向きが対抗するように上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを挟んで配置された第1と第2の不活性ガス供給口と、
    上記第1と第2の不活性ガス供給口のいずれかから不活性ガスが供給されるように上記第1と第2の不活性ガス供給口を切り換える切り換え部と
    を有することを特徴とする露光装置。
  6. マスクを用いて試料を露光する露光方法において、
    試料が露光される露光時に、上記試料とマスクとのうち少なくとも1つを往復移動させる移動工程と、
    往路において、上記移動工程により移動させられる移動方向に対して同方向と上記移動工程により移動させられる移動方向に対して逆方向とのうちいずれかの方向に向けて不活性ガスを供給し、復路において、上記往路において供給した方向と逆方向になるように向きを変更して不活性ガスを供給する供給工程と
    を備えていることを特徴とする露光方法。
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