JP2005085697A - 電気式ヒータ - Google Patents

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Abstract

【課題】第1及び第2保持フレームと側部フレームとの間が確実に固定できると共に、組立作業が容易で生産性に優れる電気式ヒータを提供すること。
【解決手段】発熱体3の積層方向両端面に第1及び第2保持フレーム21、22を有し、圧縮力を付与することで、発熱体3を積層一体化する側部フレーム1を有し、第1及び第2保持フレーム21、22は、開口部213、214、223、224を有する中空体からなり、側部フレーム1は、開口部213、214、223、224にそれぞれ差し込むことで、側部フレーム1を固定する第1及び第2固定片11、12を有し、第1及び第2保持フレーム21、22及び/または第1及び第2固定片11、12は、両者を係合する係合部を有し、該係合部において第1保持フレーム21と第1固定片11を、第2保持フレーム22と第2固定片12をそれぞれ係合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、正特性のサーミスタ等を発熱素子として採用する電気式ヒータに関する。
図14に示すごとく、略平行に配置された一対の第1及び第2取付フレーム91、92と、該第1及び第2取付フレーム91、92と直行し、かつ第1及び第2取付フレーム91、92の両端にそれぞれ配置した側面取付フレーム93、94とによって保持され、上記第1及び第2及び側面取付フレーム91〜94によって形成された平面内に発熱体95を配置した電気式ヒータ9が知られている。
上記発熱体95は、相互に略平行に放熱フィン951、発熱要素952、該発熱要素952に電力を印加する電極板953を積層してなる。第1及び第2取付フレーム91、92は発熱体95の積層方向と略直行し、側面取付フレーム93、94は積層方向と略平行する。
上記電気式ヒータ9において、第1取付フレーム91と発熱体95の上側の端面との間、第2取付フレーム92と発熱体95の下側の端面との間には、それぞれ発熱体95の積層方向、外部から内部に向かう弾性力(復元力)を発揮するばね材910、920を配置する。
電気式ヒータ9の組付時には、ばね材910、920がたわむように、第1及び第2取付フレーム91、92から発熱体95を押圧する状態で、側面取付フレーム93、94を第1及び第2取付フレーム91、92の端部に固定する。
この固定により発熱体95は積層方向の圧縮力を受けて、該圧縮力により発熱体95の構成要素となる放熱フィン951、発熱要素952、電極板953が相互に密着しつつ、取付フレーム91〜94内に固定される。
電気式ヒータ9において、電極板953から発熱要素952に電力が印加されて、発熱要素952が発熱する。発熱要素952で発生した熱は電極板953を介して放熱フィン951に熱伝導し、放熱フィン951から該放熱フィン951近傍を通過する被加熱媒体に熱伝導が生じることで、電気式ヒータ9が機能する。
従って、発熱体95の構成要素となる放熱フィン951、発熱要素952、電極板953は相互に十分密着していることが望ましい。
図14にかかる電気式ヒータ9において、ばね材910、920が発熱体95に積層方向の圧縮力を付与することで、発熱体95の構成要素の相互密着が実現するのである。
以下の特許文献1はラジエータに関する発明であるが、図14と同様の構成とばね材による効果を備えている。
特許第3274234号公報
しかしながら、図14にかかる従来構成において、積層方向の圧縮力を付与して、発熱体95を取付フレーム91〜94内に固定すると共に、発熱体95の各構成要素を相互密着させる役割は、ばね材910、920と第1及び第2及び側面取付フレーム91〜94とが担っていたが、これらの部材を用いた積層固定構造は組立時の効率が悪く、生産効率の低下を招くおそれがあった。
即ち、各構成要素を積層して発熱体95となし、該発熱体95の積層方向両端面にそれぞれ第1及び第2取付フレーム91、92を配置した後、なんらかの押圧手段を利用して第1及び第2取付フレーム91、92ごと積層方向の圧縮力を加える。
圧縮力を加えた際の発熱体95積層崩れを防止するために、図14の紙面垂直方向に適当な抑え部材を配置する必要が発生する。このような抑え部材を配置した上で、側面取付フレーム93、94を第1及び第2取付フレーム91、92の両端に嵌め込まねばならないが、この嵌め込みも発熱体95の構成要素を密着させ、ばね材910、920を所定の状態までたわませる等、さまざまな作業や条件が必要である。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、第1及び第2保持フレームと側部フレームとの間が確実に固定できると共に、組立作業が容易で生産性に優れる電気式ヒータを提供しようとするものである。
第1の発明は、放熱フィン、通電により発熱する発熱素子、該発熱素子に電力を印加する電極板を積層して構成した発熱体を有し、該発熱体の積層方向両端面と該両端面と交差する両側面とによって張られた一方の面から他方の面に向かって被加熱媒体が上記放熱フィンの近傍を通過する電気式ヒータであって、
上記発熱体の積層方向両端面にそれぞれ第1及び第2保持フレームを有し、
上記第1及び第2保持フレームの外側から内側に向かう圧縮力を付与することで、上記放熱フィン、発熱素子、電極板、第1及び第2保持フレームを積層一体化する側部フレームを有し、
上記第1及び第2保持フレームは、上記発熱体の側面に向かう開口部を有する中空体からなり、
上記側部フレームは、上記開口部にそれぞれ差し込むことで、上記発熱体の側面に上記側部フレームを配置する第1及び第2固定片を有し、
上記第1及び第2保持フレーム及び/または上記第1及び第2固定片は、両者を係合する係合部を有し、
該係合部において、上記第1保持フレームと上記第1固定片を、上記第2保持フレームと上記第2固定片をそれぞれ係合することにより、上記側部フレームを上記第1及び第2保持フレームに固定することを特徴とする電気式ヒータにある(請求項1)。
本発明の作用効果につき説明する。
本発明にかかる電気式ヒータにおいて、第1保持フレームと第2保持フレーム間に発熱体を保持し、側部フレームから、第1及び第2保持フレームごと外側から内側に向かう圧縮力を付与する。側部フレームは第1及び第2固定片を第1及び第2保持フレームの開口部に対し差し込み、両者を係合部において係合させることにより固定する。
本発明にかかる電気式ヒータにおいて、発熱素子は電極板から供給した電力によって発熱する。発熱素子からの熱は電極板を経由して放熱フィンに伝導し、該放熱フィンから被加熱媒体に伝導する。従って、発熱素子、電極板、放熱フィンの相互接触面積が大きければ大きいほど、効率よく熱を被加熱媒体に伝えることができる。
よって、積層方向に圧縮力を付与して第1及び第2保持フレーム間に発熱体を固定することで、発熱素子、電極板、放熱フィンを相互に密着させ、これらの構成要素間の熱伝導を改善して、電気式ヒータの加熱効率を高めることができる。
本発明は、側部フレームを用いて第1及び第2保持フレームとその間の発熱体に圧縮力を付与し、上述するごとく発熱体の構成要素間を密着させると共に発熱体と第1及び第2保持フレームを積層固定する。
従来は積層固定を二種類の部品で実現していたが、本発明はそれを改善して、部品点数を減らすことができる。
また、本発明は、第1及び第2保持フレームで発熱体を保持したところに側部フレームを固定することで、組付けが終了するが、従来技術に記載した図14にかかる構成では、第1及び第2取付フレームと発熱体との間にばね材を配置し(第1及び第2保持フレームと一体化したばね材もある)、第1及び第2保持フレームの外方から圧縮力を加えて、ばね材を圧縮、その状態で、側部フレームを両側面からそれぞれ嵌め込む必要があって、組付作業が大変面倒であった。本発明は、この面倒な組付作業を軽減することができる。
更に、側部フレームは第1及び第2固定片を第1及び第2保持フレームの開口部に対し差し込み、両者を係合部において係合させ、該係合部において側部フレームと第1及び第2保持フレームを強く固定して、側部フレームの発熱体からの脱落を防止できる。
以上、本発明によれば、第1及び第2保持フレームと側部フレームとの間が確実に固定できると共に、組立作業が容易で生産性に優れる電気式ヒータを提供することができる。
本発明の電気式ヒータは、発熱素子として、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子を用いることができる。PTC素子は、特定の温度以上で急速に電気抵抗が増大する性質をもった素子で、そのため通電により発熱するが、発熱する温度が所定の温度を越えると電気抵抗が高くなりすぎて電流が殆ど流れなくなり、ある程度の温度異常に発熱することがない。よって、この素子を用いることでヒータの過熱を防ぐことができる。
次に、具体的な側部フレームと係合部との形状等について説明する。
即ち、上記第1及び第2固定片は、基端部と該基端部から延びる先端部とからなり、上記基端部と上記先端部との間に、上記発熱体の端面長手方向に沿って断面V字状に屈曲され、かつ第1及び第2保持フレームの外側から内側に向けて屈曲された屈曲部を有し、
上記屈曲部において、上記第1及び第2保持フレームに設けた係合部と係合することが好ましい(請求項2)。
ここで説明する構成は、第1及び第2固定片に屈曲部を設けることで、第1と第2固定片における屈曲部間に働く発熱体積層方向の圧縮力を利用して、側部フレームを第1及び第2保持フレームに固定する。更に、この屈曲部が第1及び第2保持フレームに設けた係合部と係合することで、第1及び第2固定片の脱落防止を図ることができる。
上記構成にかかる係合部の具体的な例を挙げると、上記係合部は、上記第1及び第2保持フレームの内側面から突出した突部から構成することができる(請求項3)。
上記係合部は、上記第1及び第2保持フレームの内側面に設けたスリットから構成することができる(請求項4)。
また、上記突部は、突出させたい側と反対側から打ち出して形成した打ち出し突部や(図9参照)、第1及び第2保持フレームの内側面に切り込みを設け、該切り込みから形成された切片を起こして突部となすことができる(図10参照)。
また、スリットは、第1及び第2保持フレームの内側面を適当な形状に打ち抜く等して形成することができる(図11参照)。
また、上記第1及び第2固定片は、基端部と該基端部から延びる先端部とからなり、上記基端部と上記先端部との間に、上記発熱体の端面長手方向に沿って断面V字状に屈曲され、かつ第1及び第2保持フレームの外側から内側に向けて屈曲された屈曲部を有し、
上記係合部は、上記第1及び第2固定片に設けた、上記第1及び第2保持フレームの内側面に向かって突出した突部からなることが好ましい(請求項5)。
この構成は、屈曲部と第1及び第2固定片に設けた突部からなる係合部によって、側部フレームを第1及び第2保持フレームに固定する。この場合も上記と同様に第1及び第2固定片の脱落防止を図ることができる。
また、上記突部は、上記と同様、打ち出し突部や、切り込みで囲まれた切片を起こして形成したものからなる(図12、図13参照)。
(実施例1)
本例にかかる電気式ヒータ1は、図1〜図8に示すごとく、放熱フィン32、通電により発熱する発熱素子330、該発熱素子330に電力を印加する電極板31、第1及び第2絶縁体391、392を積層して構成した発熱体3を有し、該発熱体3の積層方向両端面301、302と該両端面301、302と交差する両側面303、304とによって張られた一方の面305から他方の面306に向かって被加熱媒体が上記放熱フィン32の近傍を通過する構成である。
上記発熱体3の積層方向両端面301、302にそれぞれ第1及び第2保持フレーム21、22を有し、上記第1及び第2保持フレーム21、22の外側から内側に向かう圧縮力を付与することで、上記放熱フィン32、発熱素子330、電極板31、第1及び第2保持フレーム21、22を積層一体化する側部フレーム1を有する。
上記第1及び第2保持フレーム21、22は、上記発熱体3の側面303、304に向かう開口部213、214、223、224を有する中空体からなる。
上記側部フレーム1は、上記開口部213、214、223、224にそれぞれ差し込むことで、上記発熱体3の側面303、304に上記側部フレーム1を配置する第1及び第2固定片11、12を有する。
上記第1及び第2保持フレーム21、22及び/または上記第1及び第2固定片11、12は、両者を係合する係合部を有し、該係合部において、上記第1保持フレーム21と上記第1固定片11を、上記第2保持フレーム22と上記第2固定片12をそれぞれ係合することにより、上記側部フレーム1を上記第1及び第2保持フレーム11、12に固定する。
そして、図4、図5に示すごとく、上記第1及び第2固定片11、12は、基端部111、121と該基端部111、121から延びる先端部113、123とからなり、上記基端部111、121と上記先端部113、123との間に、上記発熱体3の端面長手方向に沿って断面V字状に屈曲され、かつ第1及び第2保持フレーム21、22の外側から内側に向けて屈曲された屈曲部112、122を有し、上記屈曲部112、122において、上記第1及び第2保持フレーム21、22に設けた係合部と係合する。
以下、詳細に説明する。
本例の電気式ヒータ2は、発熱素子330の熱が放熱フィン32に伝導し、被加熱媒体(例えば空気等)が発熱体3の面305から面306に向かって通過する際に放熱フィン32から熱を受け取り、被加熱媒体の温度が上昇する。
発熱体3は、図1〜図3に示すごとく、第1絶縁体391、電極板31、放熱フィン32、発熱素子330を保持した保持具33、電極板31、放熱フィン32・・・放熱フィン32、第2絶縁体392の順に積層し、5枚の電極板31、5個の放熱フィン32、4個の発熱素子330を保持する4個の保持具33からなる。
発熱体3の左右の両側面303、304に側部フレーム1が配置され、該側部フレーム1の外方からケース23、24が配置される。
なお、図3は発熱体を構成する各部品の積層状態を示すために記載した説明図で、各部品の詳細形状は省略した。
放熱フィン32は、図1、図2に示すごとく、2個のL字型枠321、322と薄い波型板320とからなり、2個のL字型枠321、322で囲まれた方形の空間に上記波型板320を収納してなる。L字型枠321、322と波型板320はろう付けで一体化する。ここでL字型枠321、322及び波型板320はそれぞれ共にアルミニウムよりなる。
発熱素子330はチタン酸バリウム磁器半導体のPTC素子からなる。
発熱素子330を保持する保持具33は、図1、図4〜図6に示すごとく、本体部331と該本体部331の一方の側端から突出する側端突出部333と、他方の側端から突出し、後述する電極板31に設けた接続端子311を案内する端子用突出部334とからなる。側端突出部333、端子用突出部334の幅は、本体部331よりも狭い。本体部331の底面335は発熱素子300を保持する保持穴332を4個有する。
保持具33は、図6に示すごとく断面がH型で、発熱体3の積層方向両面が溝型となっている。これにより、積層方向に隣接する放熱フィン32や電極板31を、保持具33が保持して、面305や306の方向に放熱フィン32や電極板31が飛び出さないようにすることができる。
図1、図2に示すごとく、電極板31は、長細い平型金属板からなり、一方の端部に後述するメスターミナル261を接続可能な端子部311を有する。
この電極板31は黄銅からなる。
図1〜図3に示すごとく、第1絶縁体391は、発熱体3の最端に位置する電極板31と第1保持フレーム21との間を絶縁する。第2絶縁体392は、発熱体3の最端に位置する放熱フィン32と第2保持フレーム22との間を絶縁する。また、第1絶縁体391は電極板31を保持可能な溝型である。また第2絶縁体392は放熱フィン32を保持可能な溝型である。
図1に示すごとく、第1及び第2保持フレーム21,22は断面四角形の筒型中空部材で、上記発熱体3の側面に向かう開口部213、214、223、224を有する。また、後述するケース23、24の係合片235、245と係合する係合穴217、218、227、228を長手方向両端に有する。
上記側部フレーム1の外方からケース23、24を被冠するが、図1の左方のケース23は側面形状が長方形で、側部フレーム1側に延びる内側係合片235を備え、該内側係合片235が第1及び第2保持フレーム21、22の左方の係合穴217、227と係合する。
図1の右方のケース24は両端にそれぞれ鍔部241を有し、側部フレーム1側に延びる内部係合片245、ケース24を貫通し、上記電極板31の端子部311を挿入して、これを外部に引き出す挿入溝249を有する。また、発熱体3の外方側に上記端子部311と接続するメスターミナル261を挿入するターミナル用スリット240を有する。
また、上記メスターミナル261を挿入すると共に上記ケース24の外方から被せてメスターミナル261を保護収納する保護ケース25を有する。
なお、メスターミナル261から延びるリード線262は、電気式ヒータ2の外部電源(図示略)に接続するソケット263、264を有する。
側部フレーム1について、更に説明する。
図1、図7、図8に示すごとく、本例の側部フレーム1は断面略コ字状で、第1及び第2固定片11、12、環状の支持部10からなる。第1固定片11は、基端部111、先端部113、両者の間の断面V字状の屈曲部112からなる。第2固定片12も同様に、基端部121、先端部123、両者の間の断面V字状の屈曲部122からなる。
側部フレーム1はばね鋼であるSK5から構成され、部材全体がばねとして機能する。
上記基端部111、121は、支持部10の両端から緩やかなカーブ状に延び、先端部113、123は直線状に延びた部材である。基端部111、121と先端部113、123との境界で、第1及び第2固定片11、12はく字状に折れ曲がり、曲折部112、122を形成する。
本例の電気式ヒータ2の組立てについて説明する。
発熱素子330を保持具33に組込み、図1に示すごとく、第1絶縁体391、電極板31、放熱フィン32、発熱素子330を保持した保持具33、電極板31、放熱フィン32・・・放熱フィン32、第2絶縁体392の順に積層する。
この時、溝状の保持具33、第1及び第2絶縁体391、392の溝状の部分において、放熱フィン32や電極板31を保持して、積層状態を安定させる。
次に、図8(a)、(b)に示すごとく、第1及び第2保持フレーム21、22の発熱体3側の内側面219、229間の距離L1よりも、屈曲部112、122の距離L0が大きくなるように側部フレーム1を変形させる。
図8(b)に示すごとく、変形した側部フレーム1の第1及び第2固定片11、12を発熱体3の側面303、304側から第1及び第2保持フレーム21、22の開口部214、224に差し込む。側部フレーム1は、自由状態では、(屈曲部112、122の距離L0)<(内側面219、229間の距離L1)であり、従って、図8(c)に示すごとく、屈曲部112、122が内側面219、229と当接しつつ、積層方向内側への圧縮力が内側面219、229に作用し、側部フレーム1が第1及び第2保持フレーム21、22に固定する。
次いで、上記側部フレーム1の外方から、ケース23、24を被冠し、更にケース24の外方に保護ケース25を被冠する。
ケース24の挿入溝249に、電極板31の端子部311を挿入し、該端子部311をケース24及び保護ケース25との間でメスターミナル261と固定する。
図9に、屈曲部112と第1保持フレーム21との係合状態について記載した。
第1保持フレーム21の内側面219に該内側面219の裏側から打ち出して形成した打ち出し突部211を設けてなり、この打ち出し突部211が本例にかかる係合部となる。 図9(a)に示すごとく、屈曲部112が突部211に係合することで、第1保持フレーム21に第1固定部11が固定される。
図9(b)は、第1保持フレーム21の内側面219の平面図である。同図の網掛けで記載した領域が打ち出しによって突出して打ち出し突部211を形成する。
なお、第2固定片12と第2保持フレーム22との係合状態、側面303側での側部フレーム1と第1及び第2保持フレーム21、22との係合状態も、図9と同様である。
本例の作用効果について説明する。
本例にかかる電気式ヒータ2は、第1保持フレーム21と第2保持フレーム22間に発熱体3を保持し、側部フレーム1から、第1及び第2保持フレーム21、22ごと外側から内側に向かう圧縮力を付与する。
側部フレーム1と第1及び第2保持フレーム21、22の固定は次の通り。
即ち、側部フレーム1の第1及び第2固定片11、12を第1及び第2保持フレーム21、22の開口部213、214、223、224に差し込み、第1及び第2固定片11、12を係合部において係合することで、側部フレーム1と第1及び第2保持フレーム21、22が強く固定され、側部フレーム1の脱落を防止できる。
本例にかかる電気式ヒータ2において、発熱素子330は電極板31から供給した電力によって発熱する。発熱素子330からの熱は電極板31を経由して放熱フィン32に伝導し、該放熱フィン32から被加熱媒体に伝導する。従って、発熱素子330、電極板31、放熱フィン32の相互接触面積が大きければ大きいほど、効率よく熱を被加熱媒体に伝えることができる。
本例は、側部フレーム1を用いて、積層方向に圧縮力を付与して第1及び第2保持フレーム21、22間に発熱体3を固定することで、発熱素子330、電極板31、放熱フィン32を相互に密着させ、これらの構成要素間の熱伝導を改善して、電気式ヒータ2の加熱効率を高めることができる。
また、本例の側部フレーム1は金属製であり、クリープが生じ難く、使用中の剛性低下も生じ難い。
以上、本例によれば、第1及び第2保持フレームと側部フレームとの間が確実に固定できると共に、組立作業が容易で生産性に優れる電気式ヒータを提供することができる。
なお、係合部の他の例として、図10、図11に示すような構成がある。
図10は、第1保持フレーム21の内側面219に切り込み2120を設け、該切り込み2120から形成された切片を屈曲部112の側に起こして、突部212となす。この突部212が屈曲部112と係合することで、第1固定片11を第1保持フレーム21に固定する。
図11は、内側面219にスリット216を設けて、このスリット216に第1固定部11の屈曲部112を嵌めこむことで、第1固定片11を第1保持フレーム21に固定する。
(実施例2)
本例にかかる電気式ヒータ2において、第1及び第2固定片11、12と第1及び第2保持フレーム21、22との係合部は、上記第1及び第2固定片11、12に設けてある。
すなわち、図12、図13に示すごとく、上記係合部は、上記第1保持フレーム21の内側面に向かって突出した突部118、119からなる(第2固定片12と第2保持フレーム22との間も同様であるため、図示は省略した。)。
図12は、前述した図9と同様に、裏側から打ち出して形成した打ち出し突部118を設けて、これを係合部として利用する構成である。
図13は、前述した図10と同様に、切り込みを設けて、該切り込みにより形成された切片を内側面に向けて起こして突部119となし、これを係合部として利用する構成である。
いずれの構成も、第1及び第2固定片と第1及び第2保持フレーム21、22とがそれぞれ係合し、係合部において側部フレーム1と第1及び第2保持フレーム21、22が強く固定され、側部フレーム1の脱落を防止できる。
その他詳細は実施例1と同様である。
実施例1にかかる、電気式ヒータの斜視展開図。 実施例1にかかる、電気式ヒータの平面図。 実施例1にかかる、発熱体の模式図。 実施例1にかかる、保持具と発熱素子との説明図。 実施例1にかかる、保持具の平面図。 実施例1にかかる、保持具の断面図。 実施例1にかかる、側部フレームの斜視図。 実施例1にかかる、側部フレームを発熱体の側面に対する固定を示す説明図。 実施例1にかかる、側部フレームの第1固定片と第1保持フレームとの間の係合部について示す説明図。 実施例1にかかる、側部フレームの第1固定片と第1保持フレームとの間の他の構成にかかる係合部について示す説明図。 実施例1にかかる、側部フレームの第1固定片と第1保持フレームとの間の他の構成にかかる係合部について示す説明図。 実施例2にかかる、側部フレームの第1固定片と第1保持フレームとの間の係合部について示す説明図。 実施例2にかかる、他の側部フレームの第1固定片と第1保持フレームとの間の係合部について示す説明図。 従来構成にかかる、電気式ヒータの平面図。
符号の説明
1 側部フレーム
11 第1固定片
12 第2固定片
2 電気式ヒータ
21 第1保持フレーム
22 第2保持フレーム
3 発熱体
31 電極板
32 放熱フィン
330 発熱素子

Claims (5)

  1. 放熱フィン、通電により発熱する発熱素子、該発熱素子に電力を印加する電極板を積層して構成した発熱体を有し、該発熱体の積層方向両端面と該両端面と交差する両側面とによって張られた一方の面から他方の面に向かって被加熱媒体が上記放熱フィンの近傍を通過する電気式ヒータであって、
    上記発熱体の積層方向両端面にそれぞれ第1及び第2保持フレームを有し、
    上記第1及び第2保持フレームの外側から内側に向かう圧縮力を付与することで、上記放熱フィン、発熱素子、電極板、第1及び第2保持フレームを積層一体化する側部フレームを有し、
    上記第1及び第2保持フレームは、上記発熱体の側面に向かう開口部を有する中空体からなり、
    上記側部フレームは、上記開口部にそれぞれ差し込むことで、上記発熱体の側面に上記側部フレームを固定する第1及び第2固定片を有し、
    上記第1及び第2保持フレーム及び/または上記第1及び第2固定片は、両者を係合する係合部を有し、
    該係合部において、上記第1保持フレームと上記第1固定片を、上記第2保持フレームと上記第2固定片をそれぞれ係合することにより、上記側部フレームを上記第1及び第2保持フレームに固定することを特徴とする電気式ヒータ。
  2. 請求項1において、上記第1及び第2固定片は、基端部と該基端部から延びる先端部とからなり、上記基端部と上記先端部との間に、上記発熱体の端面長手方向に沿って断面V字状に屈曲され、かつ第1及び第2保持フレームの外側から内側に向けて屈曲された屈曲部を有し、
    上記屈曲部において、上記第1及び第2保持フレームに設けた係合部と係合することを特徴とする電気式ヒータ。
  3. 請求項2において、上記係合部は、上記第1及び第2保持フレームの内側面から突出した突部からなることを特徴とする電気式ヒータ。
  4. 請求項2において、上記係合部は、上記第1及び第2保持フレームの内側面に設けたスリットからなることを特徴とする電気式ヒータ。
  5. 請求項1において、上記第1及び第2固定片は、基端部と該基端部から延びる先端部とからなり、上記基端部と上記先端部との間に、上記発熱体の端面長手方向に沿って断面V字状に屈曲され、かつ第1及び第2保持フレームの外側から内側に向けて屈曲された屈曲部を有し、
    上記係合部は、上記第1及び第2固定片に設けた、上記第1及び第2保持フレームの内側面に向かって突出した突部からなることを特徴とする電気式ヒータ。
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