JP2005085297A - 光磁気情報記録媒体の熱処理判定方法および熱処理判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光磁気情報記録媒体の熱処理が適切にされたか否かを容易に判定する熱処理判定方法および熱処理判定装置を提供することにある。
【解決手段】 LD11からのレーザ光は、熱処理のために所定のパワーで光磁気ディスク33に照射される。また、当該熱処理後、その熱処理がされた領域に、熱処理時のパワーより小さいパワーのレーザ光が照射される。当該小さいパワーのレーザ光の反射光は、光検出器24、26に入射され、それぞれP波、S波の反射光量を検出する。差動検出回路27は、上記P波、S波の反射光量を元に、熱処理が行われた領域に対応する光磁気信号のレベルを検出する。コントローラ28は、差動検出回路28により検出された光磁気信号のレベルが、許容範囲内であるかどうかを判定し、範囲外である場合は、熱処理を行うレーザ光のパワーを調整し、光磁気ディスクの処理を中止し、あるいはその旨のメッセージを表示等する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、レーザ光を用いて情報が記録される光磁気情報記録媒体を製造する際の熱処理(アニール処理)が適切に行われているか否かを判定する熱処理判定方法および熱処理判定装置に関する。
近年、書き換え可能な高密度記録媒体として光磁気情報記録媒体(光磁気ディスク)が多く提案されており、その中でもDWDD(Domain Wall Displacement Detection)方式(磁壁移動検出方式)の光磁気ディスクが注目を集めている。この方式は、特許文献1に開示されているように、少なくとも移動層、切断層、記録層の磁性3層膜からなる光磁気情報記録媒体を用い、信号を再生する際に、磁性膜温度が切断層のキュリー温度以上となった領域で、移動層の磁壁が瞬間的に移動することを利用する。この方式によって、実質的に磁区の大きさを拡大することができ、光磁気ディスクの記録密度を大幅に増大させることができる。
特許第3332458号公報
DWDD方式は、再生光の光学的な限界分解能以下の周期に相当する微少記録磁区からも非常に大きな信号を再生することを可能とし、光の波長、対物レンズの開口数(NA)等を変更することなく高密度化が行える点で、有力な再生方法の1つであるといえる。
一般的なDWDD方式の光磁気ディスクは図10に示すような構成である。図10に示す光磁気情報記録媒体140は、基板141の上に、第1の誘電体層142、移動層143、切断層144、記録層145、第2の誘電体層146、および保護層147が、この順に積層されてなる。基板141は、例えば、ガラスやポリカーボネイト、ポリオレフィン等からなる透明基板である。
第1の誘電体層142は、例えば、SiNやAlN等からなり、30nm前後の厚さであり、移動層143は、記録層145に比べて相対的に磁壁抗磁力が小さく、磁壁移動速度が大きな垂直磁化膜からなり、例えば、厚さ30ないし60nmのGdFeCo層である。
切断層144は、移動層143、記録層145よりもキュリー温度が低く、例えば、厚さ10ないし15nmのGdFeCoAl層である。
記録層145は、例えば、厚さ50nm前後のTbFeCo層である。また、第2の誘電体層146は、例えば、SiNやAlN等からなり、30nm前後の厚さである。保護層147は、例えば、厚さ5ないし10μmのUV(ultraviolet)硬化樹脂である。上記各層は、予め案内溝(トラック)が形成されている基板141に積層される。
上記基板141の案内溝は、例えば、図11に示すように形成される。光磁気情報は、図11における幅の広い部分、即ち、ランド151およびグルーブ152に記録され、壁面部153に積層された磁性層が、熱処理(アニール処理)の対象となる。この熱処理によって、当該処理対象となった磁性層の部分が、非磁性化、あるいは面内磁化膜化される。
ここで、ランドとは、記録・再生のためのレーザ光が入射される面(例えば、図11の下面)から遠い側であり、この面より近い側がグルーブと称される。また、熱処理のためのレーザ光は、記録・再生用のレーザ光とは反対面(例えば、図11の上面)から照射される。
また、トラック間の領域を熱処理するので、ランドおよびグルーブの両者に記録を行う場合には、壁面部153が熱処理される。若し、ランドおよびグルーブの一方に対してデータを記録する時には、その他方が熱処理される。
次に、DWDD方式による信号の再生を、図12を用いて説明する。図12Aは、DWDD方式の再生に用いられる光磁気情報記録媒体の断面図の例であり、図10に示す光磁気情報記録媒体140とは、上下が逆に表されている。図10の光磁気情報記録媒体140と同様に、移動層160、切断層161、および記録層162からなる磁性層が形成されている。再生レーザ光163が照射されていない状態では、各層は、交換結合力が働いており、移動層160および切断層161の原子スピンは、記録層162の原子スピン164の方向と同じになっている。隣接する原子スピン(原子スピンの向きは相互に逆向き)の境界部には磁壁165が形成されている。
この光磁気情報記録媒体に再生レーザ光163を照射すると、例えば、図12Bに示したような磁性層の温度Tの分布が得られる。なお、再生レーザ光163は、図12Aに示すように基板側から照射される。Tsは、切断層161のキュリー温度である。このような温度分布に伴って、磁壁エネルギー密度σの分布が、図12Cに示すように形成される。磁壁エネルギー密度は、一般的に、磁性層の温度が上昇するほど低下するので、図12Bに示す最大温度の位置で最も低くなるような分布となる。この結果、磁壁165を、磁壁エネルギー密度の低い方向、即ち、磁性層の温度が高い方向に移動させようとする磁壁駆動力F(x)が働く。図12Dに、この磁壁駆動力F(x)の分布が示されている。
このように、磁壁エネルギー密度の勾配(変化)があると、各層の磁壁に対して、次の式1で表される磁壁駆動力F(x)が作用する。
F(x)= −∂σ/∂x ・・・(式1)
この磁壁駆動力F(x)が、磁壁エネルギーの低い方へ磁壁165を移動させるように作用する。即ち、磁性層の温度が切断層のキュリー温度Tsよりも低い位置では、各層は互いに交換結合しているため、上述の温度勾配による磁壁駆動力F(x)が作用しても、記録層の大きな磁壁抗磁力に阻止されて磁壁の移動は起こらない。ところが、磁性層の温度がキュリー温度Tsよりも高い位置では、移動層160と記録層162との間の交換結合が切断されるため、磁壁抗磁力の小さな移動層160の磁壁は、温度勾配による磁壁駆動力F(x)により移動可能となる。従って、再生レーザ光163が光磁気情報記録媒体の走査の際に照射されると、磁壁がキュリー温度Tsの位置を越えて結合切断領域に侵入した瞬間に、移動層160の磁壁が高温側に移動する(図12Aの矢印166に示す方向)。
以上のような原理により、記録信号に対応した間隔で、光磁気情報記録媒体に形成されている磁壁が、光ビームによる走査のたびに移動する。その結果、実効的に記録された磁区の大きさが、再生の際に拡大され、再生キャリア信号を大きくでき、光学限界を超えた再生が可能となる。図12Eに示した波形は、図12Aの磁性層から得られる再生波形の例である。ここでは、記録層162の原子スピンが下向きのときに低レベルの信号が得られている。
また、DWDD方式による再生における上記磁壁駆動力F(x)を示す式1は、本来は、以下に示す式2から導かれるものである。
F(x)= 2M(x)・Hd(x)+2M(x)・Ha−σ(x)/x−∂σ/∂x ・・・(式2)
ここで、M(x)は、移動層160の磁化、Hd(x)は減磁界、Haは記録層162からの漏洩磁界等の外部磁界、σ(x)は単位面積あたりの磁壁エネルギーである。
例えば、非特許文献1に記載してあるように、移動層160の磁化を非常に小さくすることにより、式2の右辺第1項(2M(x)・Hd(x))と第2項(2M(x)・Ha)は無視できる。さらに、例えば、記録トラック(案内溝)の両サイドを熱処理して非磁性化、あるいは面内磁化膜化することによって、閉磁区ができないようにすれば、式2の右辺第3項(−σ(x)/x)は無視できる。従って、移動層160の磁化を非常に小さくすること、および記録トラックの両サイドを熱処理して非磁性化、あるいは面内磁化膜化することによって式2の右辺は第4項のみとなって式1と同じになり、DWDD方式の再生が可能となる。
Journal of Magnetic Society of Japan, Vol. 22, Supplement No. S2, 1998, pp.47-50
このことから、記録トラックの両サイドを熱処理して非磁性化、あるいは面内磁化膜化することは当該方式を実現する上で非常に重要な処理であり、この熱処理によって、加熱部分の磁気異方性が低下し、磁気的な結合が弱められる。この熱処理(初期化、あるいはアニール処理とも称す)は、トラック間の狭い領域に対して行うことによってトラック密度を高くすることができるため、光磁気情報記録媒体の記録・再生に用いるよりも小さなスポットを用いることが多い。即ち、熱処理を行う装置は、記録・再生を行う装置とは別に用意することが多い。
しかしながら、上述の光磁気情報記録媒体は、上記熱処理を行っても、処理対象の部分に磁性の変化が生じるのみであり、当該熱処理が適切になされたかどうかを判定・検査する方法はなかった。一方、熱処理の幅(熱処理パワー)が小さすぎると、トラックの記録性能は向上するが適切な記録パワーマージンを確保することができず、大きすぎるとトラックの記録性能が低下する。
従って、この発明の目的は、熱処理が適切になされたかどうか、換言すれば、適切な幅が(適切なパワーで)熱処理されたかどうかを容易に判定することが可能な光磁気情報記録媒体の熱処理判定方法および熱処理判定装置を提供することにある。
この発明は、予めトラックが形成されている基板に、記録情報に応じた記録磁区を保持する記録層、記録層より磁壁抗磁力が小さく、磁壁移動速度が大きな垂直磁化膜からなる移動層、および記録層と移動層の間に配置され、記録層および移動層よりキュリー温度が低い切断層からなる磁性層が積層されてなる光磁気情報記録媒体のトラック間の領域に対して、第1のパワーのレーザ光を照射することによって磁性層の熱処理を行うステップと、熱処理がされた領域に、第1のパワーより小さい第2のパワーのレーザ光を照射するステップと、第2のパワーのレーザ光の反射光から光磁気信号のレベルを検出するステップと、検出された光磁気信号に基づいて、熱処理の適否を判定するステップとを有するよう構成された熱処理判定方法である。
この発明は、予めトラックが形成されている基板に、記録情報に応じた記録磁区を保持する記録層、記録層より磁壁抗磁力が小さく、磁壁移動速度が大きな垂直磁化膜からなる移動層、および記録層と移動層の間に配置され、記録層および移動層よりキュリー温度が低い切断層からなる磁性層が積層されてなる光磁気情報記録媒体のトラック間の領域に対して、第1のパワーのレーザ光を照射することによって磁性層の熱処理を行う熱処理手段と、熱処理がされた領域に、第1のパワーより小さい第2のパワーのレーザ光を照射する照射手段と、第2のパワーのレーザ光の反射光から光磁気信号のレベルを検出する検出手段と、検出された光磁気信号に基づいて、熱処理の適否を判定する判定手段とを有するよう構成された熱処理判定装置である。
この発明によれば、光磁気情報記録媒体の熱処理が適切にされたか否かが、熱処理で用いられたレーザ光のパワーより低いパワーのレーザ光についての、当該熱処理された領域からの反射光を検出することによって判定される。このような構成により、熱処理の適否を容易に判定することができる。また、この発明によって、熱処理工程におけるミスを未然に防止することができ、熱処理工程における熱処理パワー制御の許容度を拡大させることができる。
この発明は、光磁気ディスクにおける熱処理が適切にされているかどうかを判定するために、熱処理によって磁化変化が生じる、当該熱処理対象箇所をレーザピックアップで読み取り、当該箇所の光磁気信号(MO信号)を検出する。このとき、熱処理がされる箇所には適当な変調信号が記録されているか、または、一方向に磁化されていることが望ましい。
最初に、上記のように構成された光磁気情報記録媒体のトラック間の磁性層の熱処理(アニール処理)が適切にされたか否かを判定する熱処理判定装置の一第1の実施形態について、図1を参照して説明する。本実施形態の熱処理判定装置は、従来の熱処理を行うとともに、当該熱処理が適切になされているかどうかを当該熱処理がなされた部分の光磁気信号を検出することによって判断する。ここで、後述のLD11、コリメータ12、サーボ回路17等を含む一連の構成要素は、従来の熱処理を行うための熱処理手段、および光磁気信号のレベルを検知するための光ビームを照射する照射手段に対応し、後述の光検出器24、26、および差動検出回路27(およびパワーモニタ40)は、光磁気信号のレベルを検出する検出手段に対応し、コントローラ28は、こうして検出された光磁気信号のレベルに基づいて熱処理の適否を判定する判定手段に対応する。なお、コントローラ28は、その他、熱処理判定装置10の様々な構成要素の挙動を制御する。
本実施形態の熱処理判定装置10は、光源として波長400nm付近のレーザを発振するレーザダイオード(LD:Laser Diode)11を用い、また、対物レンズ16は、開口数0.85のものを用いる。ただし、これらの構成は、この発明の一形態にすぎず、熱処理判定装置10において、他の様々な光源、レンズ等を採用しうる。
LD11から発振されるレーザビーム(光ビーム)は、コリメータ(コリメートレンズ)12によって並行光とされた後、整形プリズム13を経て、回折格子14によって3つの光ビーム、即ち、1つの0次回折光と2つの1次回折光とに分けられる。これらの光ビームは、ビームスプリッタ15によって、例えば、フォトダイオードを含むパワー監視モニタ31に向かう光と、光磁気ディスク33に向かう光とに分光される。パワー監視モニタ31での検知結果は、APC(Auto Power Control)30に送信され、LD11の出力をコントロールするように、レーザドライバ29を制御する。
光磁気ディスク33に向かう上記3つの光ビームは、対物レンズ16によって集光され、光磁気ディスク33に照射される。ここで、例えば、0次回折光ビーム35は、熱処理用あるいは熱処理判定用の光ビームであり、1次回折光ビーム34、36は、トラッキング用の光ビームである。3つの光ビーム34ないし36が光磁気ディスク33によって反射した光は、ビームスプリッタ15を介して光検出器20に入る。光検出器20は、サーボ用光検出器を備え、光ビーム34および光ビーム36の反射光はトラッキングサーボのためにサーボ用光検出器で検出され、光ビーム35の反射光は、フォーカスサーボのためのサーボ用検出器で検出される。また、図示されていないが、対物レンズ16を含む光学ヘッドは、光学ヘッド移送機構により光磁気ディスク33の半径方向に移動しうる。さらに、コントローラ28は、スピンドルドライバ32に制御信号を送信し、光磁気ディスク33の回転を制御する。
LD11からのレーザビームは、光磁気ディスク33上で焦点が合致するように、また所定の位置をトレースするように、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボによりアクチュエータ制御される。なお、ここでは、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボの制御は、サーボ回路17により実現される。
また、光ビーム35の反射光は、ビームスプリッタ18によってλ/2板21に向けて分光され、さらに、ビームスプリッタ22により、光検出器24と光検出器26に向けてそれぞれ分光される。本実施形態では、例えば、光検出器24にはP波が入力され、光検出器26にはS波が入力される。光ビーム35が、光磁気ディスク33の磁化された面で反射される場合、その反射光の偏光面が磁界に応じて回転するという性質があり、これはカー効果と呼ばれている。
後述するように、熱処理パワーを大きくすると、当該熱処理が行われた箇所からの反射光から得られる光磁気信号が徐々に変化する。この発明では、この性質に着目し、上記P波およびS波から当該熱処理が行われた箇所の光磁気信号を検出し、その結果によって熱処理パワーの大きさ、即ち熱処理の適否を判定する。
また、本実施形態では、光磁気ディスクの光磁気膜が成膜されるときに、磁化方向が所定の方向に偏っていることを前提としているが、熱処理の前に、例えば、図1に示したレーザ光38および磁気ヘッド39により、熱処理対象の箇所を予め一方向に磁化しておくこともでき、これにより上記判定が容易になる。また、磁化の代わりに、熱処理対象の箇所に予め変調信号を記録し、反射光より光磁気信号の振幅を検知すれば、上記磁化を行った場合に比べて2倍の信号量となるので、判定はさらに容易になる。
こうした光磁気ディスクの一様磁化や変調信号の記録は、熱処理と同時に行っても良い。即ち、熱処理に用いる光ビームがトレースしている際に、一様磁界あるいは変調磁界が印加される。なお、記録用磁界を発生する手段としては、例えば、磁気コイル付きの対物レンズを用いる。また、例えば、この発明では、変調信号として高い周波数を必要としないので、基板側に配置した磁気ヘッド37を用いてもよい。またさらに、一様磁化を行う場合には、永久磁石を用いても良い。
また、熱処理された後は、上記のような一様磁化や変調信号の記録はできないので、このことを利用して熱処理の適否を判定しても良い。即ち、熱処理が行われた後に、レーザ光38および磁気ヘッド39により、当該熱処理が行われた箇所に、熱処理を行うより小さなパワーで、一様磁化または変調信号の記録を施す。その後、上述した光検出器24、26、および差動検出回路27により、当該箇所の再生信号、即ち光磁気信号を検出する。熱処理が適切に行われていれば、その箇所への記録はできないので、その状態に対応する光磁気信号が得られ、一方、何らかの理由で、熱処理が適切に行われていなければ、その状態に応じたレベルの光磁気信号が得られる。
光検出器24および光検出器26によって検出された反射光量は差動検出回路27に入力される。差動検出回路27では、P波のみ、あるいはS波のみでは、振幅の差が小さいため、これら2つの信号を重ねることによって振幅を倍にして光磁気信号の検知精度を向上させている。また、P波、S波ともに同じノイズが発生するので、この2つの信号を利用してノイズを除去することもできる。
差動検出回路27によって検出された光磁気信号はパワーモニタ40に送られる。パワーモニタ40は、上記検出結果を、例えば、ディジタル変換し、コントローラ28に転送する。また、パワーモニタ40は、必要に応じて、当該ディジタル化された光磁気信号の値をディスプレイ等に表示する。
コントローラ28は、受信した検出結果から、それが適切な光磁気信号(振幅)かどうかを判定する。当該判定結果は、一定の適切な熱処理が継続して行われるように、熱処理パワーのフィードバック制御に用いられ得る。当該熱処理パワーの制御は、例えば、コントローラ28からレーザドライバ29に所定の指令を送信して、LD11の出力を制御することによって行われる。また、コントローラ28は、受信した光磁気信号が適切な値でない場合には、その旨を表すアラームを表示したり、光磁気ディスクの処理を停止させたりすることができる。
本実施形態におけるトラッキングサーボ機構としては、プッシュプル法が用いられている。即ち、2つのトラッキング用光ビーム(34、36)は、熱処理あるいは熱処理判定の対象となる図11の壁面部153に隣接する記録再生トラック(ランド151、グルーブ152)にそれぞれ照射され、これらの反射光量を計算することによって、光ビーム35が確実に壁面部153に照射されるように制御される。光磁気ディスク33上における光ビーム35のスポットの面積は、一般に、光ビーム(34、36)のスポットの面積より小さいものとなる。
このように、熱処理が適切にされたかどうかを判定するための光ビームも、熱処理と同じ壁面部153をトレースするため、トラッキング手段としては、光磁気ディスクの熱処理のみを行うための装置と同様のものを利用できる。例えば、特開2002−319201号公報に開示された光ディスク熱処理装置で用いられている方法を応用することができる。
上記光ディスク熱処理装置は、回折格子等によりレーザビームを、熱処理用の光ビームと2つのトラッキング用光ビームの3つに分け、熱処理のためのトラッキングを、ウォブルピットを利用したサンプルサーボ方式で実現している。本実施形態においては、これをランド・グルーブ基板にプッシュプル方式で実現するように応用する。即ち、前述のように、トラッキング用光ビームの一方をランド151に、他方をグルーブ152にトレースすることにより、ランド151とグルーブ152の境界部(壁面部153)に熱処理判定用光ビームをトレースする。
光ビームはまず、上述のように、光磁気ディスク33の壁面部153に照射され、これによって、当該部分の磁性層が非磁性化または面内磁化膜化される(即ち、熱処理される)。この熱処理がされる幅は、LDパワーが大きいほど大きくなる。
本実施形態では、熱処理のためのレーザビームの照射が、光磁気ディスク33の少なくとも所定の壁面部153の範囲に行われた後で、改めて、その範囲の壁面部153に、熱処理のためのレーザビームより低いパワーのレーザビームを照射し、その反射光から光磁気信号を検知し、熱処理が適切にされているかどうかを判定する。例えば、光磁気ディスクの最内周のトラックをテストゾーンとして設定し、その中で、熱処理を行い、その後、上記光磁気信号を検知し、当該熱処理が適切であったか否かの判定を行う。熱処理が適切であると判定された場合、当該熱処理に用いられた熱処理パワーで、残りのトラック全てについて熱処理を行うようにする。
次に、適切な光磁気信号を特定する手順について説明する。図2には、熱処理パワーと光磁気信号の関係の一例を示すグラフが示されている。熱処理の際の光磁気ディスクのレーザ光に対する相対速度は、例えば、4m/sである。図2のグラフの縦軸(光磁気信号)は、熱処理を行った後、当該熱処理がされた上記壁面部153を、0.5mWの低いレーザパワーでトレースしたときに、反射光のP波およびS波から求められる光磁気信号(MO信号)のレベルである。上記グラフの縦軸の数値は、所定の値を基準とした相対値で表してある。また、当該熱処理のビームスポットの幅によって、光磁気ディスクの記録・再生を行った場合の光磁気信号品質が決定される。
図2からわかるように、熱処理パワーが2〜3mW付近では、光磁気信号のレベルに大きな変化はないが、熱処理パワーが3〜6mW付近では、熱処理パワーが大きくなるにつれて、光磁気信号のレベルは小さくなっていく。光磁気ディスクは、熱処理前、熱処理中、あるいは熱処理後にDC磁化され、あるいは変調信号が記録されていることが望ましい。これによって、熱処理の前後で光磁気信号のレベルが変化し、その割合は、熱処理のパワーによって変化する。
図3には、熱処理パワーと記録パワーマージンの関係、および熱処理パワーとビットエラー率の関係の一例を示すグラフが示されている。ここで、光磁気ディスクの記録・再生に用いた光磁気信号記録再生装置のLDの波長は660nmであり、対物レンズの開口数は0.6である。また、上記装置においては、レーザビームが基板側から照射される。また、この例で用いた光磁気ディスクのグルーブピッチは1.08μmであり、トラックピッチは0.54μmである。
記録パワーマージンとは、所定のビットエラー率以下となる記録パワーのマージンをいう。オーバーライト特性やクロスライト特性に関しては、記録パワーによってビットエラー率が変化するが、所定のビットエラー率、例えば、1×10−4以下となる記録パワーの上限値、下限値、および中間値から記録パワーマージンが求められる。例えば、上限値0.9、下限値1.1とすると、中間値は1.0であり、上記ビットエラー率を満たす範囲は、中間値から上限、または下限の方向にそれぞれ10%の範囲である。この場合、記録パワーマージンは+/−10%である。ここで、記録パワーは、光磁気ディスクに光磁気情報を記録・再生するためのパワーであり、上記熱処理パワーとは異なる。
このような記録パワーマージンは、熱処理を行う際の熱処理パワーによって変化する。図3においては、点線で表された曲線が熱処理パワーと記録パワーマージンの関係を表している。左側の縦軸が記録パワーマージンの目盛りであり、単位は(+/−)%である。この例では、熱処理パワーが3.5mW付近から6mW付近まで記録パワーマージンが発生し、5mW付近でピーク(+/−18%付近)になる。
一方、実線で表された曲線は、熱処理パワーとビットエラー率の関係を示している。より詳しくは、その熱処理パワーでのビットエラー率のボトム(最小値)を表している。右側の縦軸にビットエラー率の目盛りが設定されている。
光磁気ディスクの製造時における品質管理では、この記録パワーマージンが基準になることが多い。今、記録パワーマージンとして+/−16%以上が要求されるとする。そうすると、図3から、熱処理パワーは、およそ4.5mWから5.2mWの範囲である必要があることが分かる。次に、再び図2を見ると、上記熱処理パワーの範囲(即ち、4.5mWから5.2mW)に対応する光磁気信号のレベルは、およそ0.3から0.6となることが分かる。
従って、この場合、光磁気ディスクの熱処理判定においては、反射光による光磁気信号がおよそ0.3から0.6のレベルとなるものが検査に合格し、またはそのような反射光になるように熱処理を制御する必要がある。このように、反射光を監視しながら熱処理を行えば、熱処理工程のミスを防ぐことができる。なお、図2および図3に示す関連性は、光磁気ディスクの微妙な構造等に影響されるので、ロット単位(例えば、光磁気ディスク1000枚)、あるいはそれ以下の単位でも変化しうる。
次に、この発明の第2の実施形態の熱処理判定装置を、図4を参照して説明する。上述した第1の実施形態の熱処理判定装置では、LD11からのレーザビームを回折格子14を用いて3つの光ビームに分け、1つを熱処理または反射光量検出のために用い、残りの2つをトラッキングに用いている。しかしながら、LDを2つ用意して、一方を熱処理または光磁気信号検出に用い、他方をトラッキングに用いても良い。ここで、後述のLD61、コリメータ62、サーボ回路67等の一連の構成要素は、従来の熱処理を行う熱処理手段、および光磁気信号のレベルを検知するための光ビームを照射する照射手段に対応し、後述の光検出器74、76、および差動検出回路77(およびパワーモニタ91)は、光磁気信号のレベルを検出する検出手段に対応し、コントローラ78は、こうして検出された光磁気信号のレベルに基づいて熱処理の適否を判定する判定手段に対応する。なお、コントローラ78は、その他、熱処理判定装置60の様々な構成要素の挙動を制御する。
図4の熱処理判定装置60は、LD61が熱処理および光磁気信号検出のための照射を行うレーザ光源であり、LD80が、トラッキング用のレーザ光源である。LD61からのレーザビームは、コリメータ62、整形プリズム63、ビームスプリッタ64、ビームスプリッタ65、および対物レンズ66を介して、光磁気ディスク86に照射される(光ビーム87)。こうして照射された光ビーム87の反射光は、光検出器74、76によって検出される。光検出器74および光検出器76は、図1に関して説明した光検出器24および光検出器26と同様、それぞれP波、S波の反射光量を検出する。
光検出器24および光検出器26からの検出結果は、差動検出回路77に送られ、そこで光磁気信号のレベルが検出される。その検出結果はパワーモニタ91に転送され、そこで、検出された光磁気信号のレベルをディジタル変換等し、コントローラ78に転送する。コントローラ78は、提供された検出結果によって熱処理の適否を判定したり、検出結果に応じてレーザドライバ79、レーザドライバ82、およびスピンドルドライバ85等を制御して、適切な熱処理が行われるようにする。
一方、LD80からのレーザビームは、コリメータ81、ビームスプリッタ64、ビームスプリッタ65、および対物レンズ66を介して、光磁気ディスク86に照射される(光ビーム87)。こうして照射された光ビーム87の反射光は、ビームスプリッタ65およびビームスプリッタ70を介して光検出器68によって検出され、この検出結果に基づいてサーボ回路67によるトラッキング制御が行われる。ビームスプリッタ64、65、72は偏光ビームスプリッタである。
本実施形態の熱処理判定装置では、光磁気ディスク86として、ランドとグルーブを有するランド・グルーブ基板を用いることを仮定したので、上述のように熱処理用(および光磁気信号検出用)光ビームとトラッキング用光ビームを別に用意したが、図5に示すような、いわゆるグルーブ基板や、図6に示すような、案内溝が形成されたサンプルサーボ基板では、ランドの部分を熱処理するため、トラッキング用光ビームを別途用意する必要はない。図5のグルーブ基板は、グルーブ93と、斜線で示されたランド94とを含み、ランド94の部分が熱処理および熱処理判定の対象となる。図6のサンプルサーボ基板は、グルーブ95、ランド96、およびピット97、ピット98により構成され、ランド96が熱処理および熱処理判定の対象となる。
また、図6のサンプルサーボ基板では、熱処理時および熱処理判定時にはランド96の部分にトラッキングがされる。ピット98は、記録・再生時に大きなスポットの光ビームによってトレースされ、トラッキングエラー信号を発生させる。
次に、この発明の第3の実施形態の熱処理判定装置について説明する。第1の実施形態の熱処理判定装置では、熱処理を行った部分を、当該熱処理を行ったレーザビームのパワーを下げて再トレースし、その反射光量を検出するという構成をとっているが、別の方法で当該検出処理を行っても良い。そこで、本実施形態の熱処理判定装置では、熱処理用の第1の光ピックアップとは別の、第2の光ピックアップを搭載し、当該第2の光ピックアップで、熱処理に用いるLDパワーより低いパワーで、当該熱処理された部分をトレースし、熱処理が適切に行われたか否かを判定する。このような構成により、第1の光ピックアップと第2の光ピックアップを並行して動作させることができ、熱処理判定を含む熱処理工程の時間を短縮することができる。
この発明の第4の実施形態の熱処理判定装置は、図5または図6に示したような光磁気ディスクに対して、2つのLDを用いるものである。即ち、一方のLDからの光ビームを、熱処理用とトラッキング用を兼ねてランドにトレースし、他方のLDからの光ビームを、反射光量検出のために、熱処理後、当該熱処理部分(ランド)にトレースするよう配置する。この構成によれば、後の光ビームによって、熱処理が適切に行われたかどうかを判定できる。
この発明の第5の実施形態の熱処理判定装置は、前記第1の実施形態の熱処理判定装置を改良するものである。第1の実施形態においては、レーザビームを回折格子14によって3つに分光し、0次回折光を熱処理用に、1次回折光をトラッキング用に使用している。しかしながら、本実施形態では、0次回折光を熱処理用とトラッキング用に用い、先行する1次回折光を0次回折光がトレースする熱処理部分をトレースするのに用い、後行する1次回折光を反射光量の検出用に使用する。1次回折光によって熱処理がされないように、分光比としては、1次回折光が十分小さくなることが望ましい。また、同様の理由で、1次回折光のスポットサイズが0次回折光のスポットサイズより大きくなることが望ましい。
次に、図7のフローチャートを参照して、図1に示すコントローラ28または図4に示すコントローラ78の動作の一例について説明する。ここでは、上記コントローラが、熱処理のプロセスとその熱処理が適切にされたか否かを判定するプロセスを制御する場合を考える。上記熱処理プロセスと判定プロセスは並行して行われ、熱処理プロセスによって熱処理された部分は、その熱処理の後、暫くして判定プロセスによって判定される。図7に示すフローチャートは、当該判定プロセスを表したものである。
熱処理プロセスは、事前に設定された熱処理パワーで、例えば、光磁気ディスクの壁面部153に光ビームを照射する。何らかの原因で、適切でない熱処理パワーにより熱処理がされた場合には、判定プロセスがそれを検知し、所定の処理を行う。
以下、図7の判定プロセスについて説明する。最初に、ステップS1において、コントローラ(28、78)は、熱処理に用いたパワーより低いパワーの光ビームを熱処理がされた部分に照射し、その反射光量から光磁気信号のレベルを検出するよう制御する。反射光量は、光検出器(24、26、74、76)を介して得られ、差動検出回路(27、77)に、例えば、所定の電流値として提供される。差動検出回路(27、77)は、提供された反射光量から光磁気信号のレベルを検出し、それをパワーモニタ(40、91)を介してコントローラ(28、78)に提供する。ステップS2では、検出された光磁気信号のレベルが許容範囲内かどうかが判定される。上記光磁気信号のレベルの許容範囲は、例えば、図2および図3について前述したように定められる。即ち、所定の値以上の記録パワーマージンを得る熱処理パワーを図3から求め、このようにして得られた熱処理パワーに対応する光磁気信号のレベルの範囲を図2から求め、上記光磁気信号のレベルの範囲とする。図2の例では、0.3から0.6の間である。この光磁気信号のレベルの範囲は、例えば、光磁気ディスクの製造ロット毎に設定され、コントローラ(28、78)内のメモリ等に記憶され、当該判断の際に参照される。
ステップS2で、光磁気信号のレベルが許容範囲内であると判定された場合、ステップS3で、判定対象がまだ存在するかどうかが判定される。判定対象がない場合、プロセスは終了する。判定対象が残っている場合は、ステップS4に進み、そこでさらに、その検出された光磁気信号のレベルが、上記許容範囲より狭い所定の範囲にあるかどうかが判定される。ステップS4で、光磁気信号のレベルが所定の範囲内にないと判定された場合、ステップS5に進み、最適な記録パワーマージンが得られるように熱処理パワーの設定が変更され、並行して動作する熱処理プロセスに伝えられる。ここで、光磁気信号のレベルが許容範囲にあるかどうかを判定するだけで十分であれば、ステップS4およびステップS5を省略することも可能である。
ステップS4で、光磁気信号のレベルが所定の範囲内にあると判定された場合は、ステップS6に進み、そこで次の熱処理部分の判定を行うように光磁気ディスクの位置を制御し、ステップS1に戻る。ステップS5で熱処理パワーの設定が変更された場合も、次にステップS6に進み、その後、ステップS1に戻る。
ステップS2で、検出された光磁気信号のレベルが許容範囲内でないと判定された場合は、ステップS7に進み、その旨がディスプレイ装置等に表示され、ステップS8で先行して行われている光磁気ディスクの熱処理が中止され、判定プロセスも終了する。これは、処理中の光磁気ディスクが要求品質を満たしていないと判断されたためにとられる措置であり、以降の光磁気ディスクの熱処理については、熱処理パワーの見直し等、何らかの改善が要求される。この例では、上記のように、光磁気信号のレベルが許容範囲内でない場合に、熱処理プロセスおよび判定プロセスを停止させているが、これ以外の対処法をとることも可能である。
また、こうしたコントローラの動作は、マイコン制御、またはメモリにロードされたプログラムの指令に基づいたCPUによる制御等によって実現されうる。
次に、光磁気ディスクに照射される光ビームのスポットの位置関係について、図8および図9を参照して説明する。図8Aは、第1の実施形態に係る熱処理判定装置を使用した場合のスポットの配列の一例である。図に示す光磁気ディスクの構成は、図11と同様のランド・グルーブ基板であり、ランド151、グルーブ152、および壁面部153から構成される。光ビームのスポット100、101、102は、図3に示す3つの光ビーム34、35、36のスポットにそれぞれ対応する。スポット101が0次回折光ビーム35のスポットに対応し、当該光ビームの照射により、熱処理または当該熱処理の判定が行われる。スポット100およびスポット102は、1次回折光ビーム34、36のスポットに対応し、それぞれランド151、グルーブ152をトレースすることによって、トラッキングサーボに用いられる。図から明らかなように、この例では、スポット101の媒体(光磁気ディスク)上の面積は、スポット100、102の媒体上の面積より小さく構成される。
図8Bは、第2の実施形態に係る熱処理判定装置を使用した場合のスポットの配列の一例である。図に示す光磁気ディスクの構成は、図11と同様のランド・グルーブ基板である。光ビームのスポット110、111は、図4の光ビーム87のスポットに対応し、スポット110は、LD61から照射された光ビームのもので、熱処理および当該熱処理の判定用である。スポット111は、LD80から照射された光ビームのもので、トラッキングサーボ用である。
図9Aは、図5または図6に示す、グルーブ基板やサンプルサーボ基板に照射される光ビームのスポットの配列例である。スポット120は熱処理用の光ビームのスポットであり、スポット121は当該熱処理の判定用である。この例では、それぞれのスポットは別のLDから照射される。ただし、1つのLDからの光ビームを回折格子によって3つに分け、そのうちの2つをこれらの用途に割り当てることもできる。スポット120およびスポット121は、この例では、ほぼ同じ径のものとして構成される。
図9Bは、2つの回折格子を用いて9つの光ビームがランド・グルーブ基板に照射される例を示したものである。ここで、例えば、スポット130Bとスポット132Bの光ビームがトラッキングに用いられ、スポット131Bの光ビームが熱処理に用いられ、スポット131Aの光ビームが当該熱処理の判定のために用いられるように構成される。
また、熱処理用光ビームのスポットの媒体上の面積は、当該熱処理された領域の光磁気信号を検出するための光ビームのスポットの面積より小さくするよう制御することもできる。
これまでの説明からも明らかなように、熱処理の適否を判定するための構成要素は、熱処理に用いられる要素と共通するものが多く、従って、上記各実施形態でも、上記判定処理を従来の熱処理装置で実現するよう構成している。しかしながら、当該検出処理は、このような構成に限定される必要はない。例えば、必要に応じて、光磁気ディスクの光磁気信号のレベルを測定し表示するモニタ装置として、または、光磁気ディスクの熱処理の適否を判定する専用の熱処理判定装置として構成することができる。
この発明の第1の実施形態に係る熱処理判定装置の構成を表すブロック図である。 熱処理パワーと光磁気信号の関係の一例を表すグラフである。 熱処理パワーと記録パワーマージンの関係の一例を表すグラフである。 この発明の第2の実施形態に係る熱処理判定装置の構成を表すブロック図である。 グルーブ基板の構成を表す略線図である。 サンプルサーボ基板の構成を表す略線図である。 この発明の熱処理判定装置におけるコントローラの動作の例を表すフローチャートである。 光磁気ディスクに照射される光ビームのスポットの配列例を表す略線図である。 光磁気ディスクに照射される光ビームのスポットの配列例を表す略線図である。 DWDD方式の光磁気ディスクの断面を表す略線図である。 図10に示した光磁気ディスクの構成を表す略線図である。 DWDD方式の原理を説明するために用いる略線図である。
符号の説明
10,60・・・熱処理判定装置、11,61,80・・・LD、12,62・・・コリメータ、13,63・・・整形プリズム、21・・・λ/2板、14・・・回折格子、15,18,22,65,70,72・・・ビームスプリッタ、16,66・・・対物レンズ、17,67・・・サーボ回路、20,24,26,68,74,76・・・光検出器、27,77・・・差動検出回路、28,78・・・コントローラ、29,79,82・・・レーザドライバ

Claims (8)

  1. 予めトラックが形成されている基板に、
    記録情報に応じた記録磁区を保持する記録層、
    前記記録層より磁壁抗磁力が小さく、磁壁移動速度が大きな垂直磁化膜からなる移動層、および
    前記記録層と前記移動層の間に配置され、前記記録層および前記移動層よりキュリー温度が低い切断層からなる磁性層が積層されてなる光磁気情報記録媒体の前記トラック間の領域に対して、第1のパワーのレーザ光を照射することによって前記磁性層の熱処理を行うステップと、
    前記熱処理がされた領域に、前記第1のパワーより小さい第2のパワーのレーザ光を照射するステップと、
    前記第2のパワーのレーザ光の反射光から光磁気信号のレベルを検出するステップと、
    前記検出された光磁気信号に基づいて、前記熱処理の適否を判定するステップとを有することを特徴とする熱処理判定方法。
  2. 請求項1に記載の熱処理判定方法において、
    前記熱処理の実行時、実行前、または実行後に、前記光磁気情報記録媒体に所定の信号を記録することを特徴とする熱処理判定方法。
  3. 請求項1に記載の熱処理判定方法において、
    前記熱処理の実行時、実行前、または実行後に、前記光磁気情報記録媒体を一方向に磁化することを特徴とする熱処理判定方法。
  4. 請求項1に記載の熱処理判定方法において、
    前記光磁気情報記録媒体上における前記第2のパワーのレーザ光のスポットの面積が、前記第1のパワーのレーザ光のスポットの面積より大きいことを特徴とする熱処理判定方法。
  5. 予めトラックが形成されている基板に、
    記録情報に応じた記録磁区を保持する記録層、
    前記記録層より磁壁抗磁力が小さく、磁壁移動速度が大きな垂直磁化膜からなる移動層、および
    前記記録層と前記移動層の間に配置され、前記記録層および前記移動層よりキュリー温度が低い切断層からなる磁性層が積層されてなる光磁気情報記録媒体の前記トラック間の領域に対して、第1のパワーのレーザ光を照射することによって前記磁性層の熱処理を行う熱処理手段と、
    前記熱処理がされた領域に、前記第1のパワーより小さい第2のパワーのレーザ光を照射する照射手段と、
    前記第2のパワーのレーザ光の反射光から光磁気信号のレベルを検出する検出手段と、
    前記検出された光磁気信号に基づいて、前記熱処理の適否を判定する判定手段とを有することを特徴とする熱処理判定装置。
  6. 請求項5に記載の熱処理判定装置において、
    前記熱処理の実行時、実行前、または実行後に、前記光磁気情報記録媒体に所定の信号を記録することを特徴とする熱処理判定装置。
  7. 請求項5に記載の熱処理判定装置において、
    前記熱処理の実行時、実行前、または実行後に、前記光磁気情報記録媒体を一方向に磁化することを特徴とする熱処理判定装置。
  8. 請求項5に記載の熱処理判定装置において、
    前記光磁気情報記録媒体上における前記第2のパワーのレーザ光のスポットの面積が、前記第1のパワーのレーザ光のスポットの面積より大きいことを特徴とする熱処理判定装置。
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