JP2005084603A - 熱現像画像記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、500nm以下の短波長領域で画像記録でき、スキャナーまたはイメージセッター用として平面性、取り扱い性に優れ、高精細で硬調画像な画像が得られる熱現像画像記録材料を提供する。
【解決手段】 支持体上に、非感光性有機銀塩、有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、超硬調化剤及び有機バインダーを含む画像形成層を有し、波長500nm以下の光で画像露光される熱現像画像記録材料において、下記式(1)で定義される平面性指数が0.005以上、0.08以下であることを特徴とする熱現像画像記録材料。
式(1)平面性指数=(ΔL1の幅方向平均値)×(ΔL1レンジ) 〔ΔL1(%)=100×{(150℃の長手寸法)−(25℃の長手寸法)}/(25℃の長手寸法)、ΔL1レンジ(%)={(ΔL1の幅手最大値)−(ΔL1の幅手最小値)}を表す。〕
【選択図】 なし

Description

本発明は加熱現像により画像形成する熱現像画像記録材料に関し、詳しくは、印刷製版用に適した硬調画像が得られる熱現像画像記録材料に関する。
熱現像処理法を用いて画像を形成できる熱現像画像記録材料としては、例えば、米国特許第3,152,904号明細書、同第3,457,075号明細書、及び「Imaging Processes and Materials」,Neblette’s 8th edtion(1969),page 279〜291に記載され知られている。ここに開示されている熱現像画像記録材料は、還元可能な銀源(例えば、有機銀塩)、触媒活性量の光触媒(例えば、ハロゲン化銀)、銀の色調を制御する色調剤及び還元剤をバインダー中に分散して含んでいる。熱現像画像記録材料は、常温では安定であるが、露光後に高温(例えば、120℃)に加熱すると、還元可能な銀塩と還元剤との酸化還元反応により黒化銀を生成する。この反応は、露光で発生した潜像の触媒作用によって促進される。
更に、近年、このような熱現像画像記録材料中で有効に作用する超硬調化剤が開発され、その結果、印刷製版用途に適した超硬調画像記録材料が開発されている。超硬調化剤としては、特開平10−10672号公報、同10−31282号公報、米国特許第5,496,695号明細書等に記載のアシルヒドラジン類、米国特許第5,545,507号明細書、同第5,635,339号明細書に記載のアクリロニトリル類などが知られている。
このような画像形成方法は、現像液などの処理液体を一切必要とせず、加熱だけで画像が得られること、亜硫酸ガスやアンモニアガスなどの発生がないこと等で、作業環境に優しく、また地球環境にも負荷を与えないので今後の新しい画像形成方法として注目されている。また、近年、画像情報がデジタル化処理及び保存され、必要によっては画像処理され、ネットワークで送信され必要な場所で感光材料にレーザー出力される画像形成システムが広がってきている。そのような作業環境の中では、熱現像画像形成システムは、電子機器を腐食劣化させるガスなどの発生が無いことなどから特に好ましい。
レーザー光源として、アルゴン、ヘリウム−ネオン、ヘリウム−カドミウム等のコヒーレント光が用いられている。最近では半導体レーザーの普及が著しい。しかしながら、これらのレーザー管は、いずれも寿命が短く、高圧電源の専用のドライバーを用いる必要があり、大型化を免れない等の欠点を有している。また、半導体レーザーの短所としては、これまでは発光波長が650nm以上の長波長のため、この領域に感光性を持たせたハロゲン化銀写真感光材料は保存安定性に劣り、保存中にカブリや減感しやすい。その理由としては、分光増感色素の不安定要因が挙げられている。
ここにきて、SHG(Second Hermonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。従って、青色レーザーに対応した熱現像レーザー光記録材料が求められている。
熱現像画像記録材料は、熱現像中に寸法変化が発生するため、特に、印刷用感光材料にこの熱現像方式の感光材料を用いた場合、4版(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)を重ねた場合、色ずれが発生し、青色半導体レーザーの特性を最大限に発揮できなかった。
青色レーザーに対応した熱現像レーザー光記録材料としては、ヨウ化銀含量が5モル%以上100モル%以下の感光性ハロゲン化銀を用いた熱現像感光材料(例えば、特許文献1参照)、特定のヨウ化銀含量、平均粒子サイズからなるハロゲン化銀粒子と現像促進剤を含有している熱現像感光材料(例えば、特許文献2参照)、特定の構造を有する染料を画像形成層に用いた熱現像画像記録材料(例えば、特許文献3参照。)等が開示されている。しかしながら、上記特許文献1〜3においては、この熱現像中に発生する寸法変化、特に、印刷用感光材料に適用した際の色ずれに関しては、課題の指摘やその改良手段に関し一切の教示もなく、また示唆もなされていない。
一方、これを解決するために、従来、低張力下で熱処理する方法が知られている(例えば、特許文献4〜7参照。)。これらの低張力熱処理を支持体に施すことで熱現像前後の寸法変化は小さくすることはできたが、これに伴い平面性不良(例えば、中タルミ、波打ち等)が発生し、高い平面性が必要とされる写真用支持体にとっては大きな問題である。
特開2003−91053号公報 特開2003−162025号公報 特開2003−167313号公報 特開昭60−22616号公報 特開昭64−64883号公報 特開昭54−158470号公報 米国特許第2,779,684号明細書
本発明の目的は、500nm以下の短波長領域で画像記録でき、スキャナーまたはイメージセッター用として平面性、取り扱い性に優れ、高精細で硬調画像な画像が得られる熱現像画像記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に、非感光性有機銀塩、有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、超硬調化剤、及び有機バインダーを含む画像形成層を有し、波長500nm以下の光で画像露光される熱現像画像記録材料において、下記式(1)で定義される平面性指数が0.005以上、0.08以下であることを特徴とする熱現像画像記録材料。
式(1)
平面性指数=(ΔL1の幅方向平均値)×(ΔL1レンジ)
〔式中、ΔL1(%)=100×{(150℃における長手方向寸法)−(25℃における長手方向寸法)}/(25℃における長手方向寸法)、
ΔL1レンジ(%)={(ΔL1の幅方向最大値)−(ΔL1の幅方向最小値)}を表す。〕
(請求項2)
前記ΔL1が、0.1%以上、0.6%以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像画像記録材料。
(請求項3)
波打ち高さが、0mm以上、25mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱現像画像記録材料。
(請求項4)
中たるみ量が、0mm以上、50mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱現像画像記録材料。
(請求項5)
下記式(2)、(3)で定義される120℃における熱寸法変化率ΔL2、ΔL3が、各々−0.05%以上、0.05%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱現像画像記録材料。
式(2)
ΔL2(%)=100×{(120℃における長手方向寸法)−(25℃における長手方向寸法)}/(25℃における長手方向寸法)
式(3)
ΔL3(%)=100×{(120℃における幅手方向寸法)−(25℃における幅手方向寸法)}/(25℃における幅手方向寸法)
(請求項6)
下記式(4)、(5)で定義されるΔL2レンジ、ΔL3レンジが、各々0%以上、0.03%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱現像画像記録材料。
式(4)
ΔL2レンジ(%)={(ΔL2の長手方向最大値)−(ΔL2の長手方向最小値)}
式(5)
ΔL3レンジ(%)={(ΔL3の幅手方向最大値)−(ΔL3の幅手方向最小値)}
(請求項7)
下記一般式(1)または(2)で表される分光増感色素を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱現像画像記録材料。
Figure 2005084603
〔式中、Z1及びZ2は、各々独立に無置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたピロリン環、チアゾリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R11及びR12は各々炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基またはスルホアルキル基を表し、n1及びn2は各々0または1を表し、X-はアニオンを表し、m1は1または2を表す。〕
Figure 2005084603
〔式中、Z3は非置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、Z4は2−チオヒダトイン環、2−チオオキサゾリジン−2,4′−ジオン環またはローダニン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R14は炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシアルキル基または水素原子を表し、R15は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表し、n3は0または1を表す。〕
本発明によれば、500nm以下の短波長領域で画像記録でき、スキャナーまたはイメージセッター用として平面性、取り扱い性に優れ、高精細で硬調画像な画像が得られる熱現像画像記録材料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、本発明の課題である熱現像画像記録材料の熱現像処理時に発生する中たるみや波打ちという平面性不良が、熱現像画像記録材料の構成要素も1つであるポリエステル支持体内の寸法変化の不均一性に起因することを見いだしたものである。
本発明でいう中たるみという現象は、ポリエステル支持体の幅方向における中央部の長さが、端部に比べ長い状態を指す。この中たるみが発生すると、幅方向の中央部付近にたるみが発生し、水平に広げるとその部分が凹形状となる。
一方、本発明でいう波打ちという現象は、端部の長さが中央部の長さに比べ長い状態を指す。この結果、端部の伸びを吸収するため波打ち状になる。これらの中たるみや波打ち故障は、熱寸法変化を小さくするために実施する低張力熱処理の後に発生し易い。これは、熱処理中に発生する収縮により寸法の不均一が発生するためである。張力が強いと張力によりこれらを均等に伸ばし平面性不良は発生しにくいが、この伸張分は熱現像時に収縮し、寸法変化(熱寸法変化)が大きくなる。一方、低張力で熱処理すると熱寸法変化は小さいが、寸法の不均一を平均化できないため、平面性が悪化しやすい。
はじめに、本発明の熱現像画像記録材料に用いられるポリエステル支持体の詳細について説明する。なお、本明細書において記載する「〜」は、その前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明において、上記のように定義した平面性指数を0.005以上、0.08以下とすることにより、これらの平面性不良を解決できる。平面性指数を本発明で規定する範囲に制御する方法としては、150℃において収縮を起こさないことがまず必要である。ポリエステル支持体は通常多軸延伸されているため、延伸温度を上回る150℃では延伸歪みを回復するために収縮が始まる。収縮時に平面性が低下するため、収縮はなるべく小さいほうが好ましい。一方ポリエステル支持体は温度の上昇に伴い熱膨張(線膨張)しようとする。このため150℃でのポリエステル支持体の寸法は熱膨張による伸びと熱収縮による縮みの差で決定される。従って、熱収縮が大きな支持体は、140℃では収縮>伸張となり、ΔL(熱寸法変化率)は負の値になる。このような熱収縮が大きなポリエステル支持体は、熱寸法変化率が大きく好ましくない。従って、ΔLの大きな支持体ほど好ましいが、収縮量=0の場合はポリエステル支持体の熱膨張のみとなり上限が存在する。従って、好ましいΔLは0.10〜0.60%、より好ましくは0.15〜0.55%、更に好ましくは0.25〜0.50%である。
一方、ΔLの幅方向分布(ΔLレンジ)は大きいより小さいほうが、全幅にわたって均等に熱処理されていることを示し、幅方向の寸法の不均一性に起因する平面性故障は良化する。このように、150℃における熱寸法変化率の不均一性(レンジの大きさ)が平面性を反映することを新たに見出したことが本発明の特徴である。
しかし、このような支持体は、熱処理を十分に行いボーイング等の構造分布を平均化することで達成されるため、ΔLレンジが小さすぎるポリエステル支持体は、熱処理に伴う弊害(例えば、オリゴマーの析出、支持体の黄変による透明性の低下)が発生するため好ましくない。従って、ΔLレンジにも自ずと最適範囲が存在する。
従って、(ΔLの幅方向平均値)と{ΔL(レンジ)}の積、即ち平面性指数が一定の範囲にはいるものが、平面性が良好となる。
本発明に係る平面性指数は、通常0.005以上、0.08以下であり、0.01以上、0.07以下が好ましく、0.015以上、0.06以下が更に好ましく、0.02以上、0.05以下が特に好ましい。本発明で規定する範囲外では、平面性の低下や透明性の低下が発生し好ましくない。
このような本発明に係る平面性指数を有する支持体において、波打ち高さは0mm以上、25mm以下であることが好ましく、より好ましくは0mm以上、10mm以下であり、更に好ましくは0mm以上、2mm以下である。また、中たるみ量は0mm以上、50mm以下であることが好ましく、0mm以上、40mm以下がより好ましく、0mm以上、30mm以下が更に好ましい。このように幅方向の寸法均一性を有するポリエステル支持体は、120℃における熱寸法変化率(Δ3、Δ4)及びその最大値と最小値の差平均値(レンジ ΔL2、ΔL3)も十分小さく、前者は長手方向(MD)、幅方向(TD)とも−0.05%〜0.05%であり、より好ましくは−0.04%〜0.045%であり、更に好ましくは−0.03%〜0.04%である。後者のレンジはMD、TDとも0%〜0.03%が好ましく、0%〜0.02%がより好ましく、0〜0.015%が更に好ましい。
このような平面性指数を有する熱現像画像記録材料中の支持体は、製膜時の原反の中央(製膜中央)をオフセットしてスリットすること、すなわちオフセット裁断した(製膜中央に対して左右非対称にスリットした)支持体を低張力熱処理することによって達成される。また、製膜時の中央と熱処理時の中央(熱処理中央)をずらせることで達成できる。これは、以下の理由による。
製膜時の熱固定〜緩和工程において、チャックで固定されている両端部は十分緩和できず熱収縮しやすく、これが熱処理中に収縮する。一方製膜中央は製膜時に十分緩和しているため熱処理中の収縮が小さい。このように熱収縮性が幅方向で異なる(ボーイング)。このような支持体は、熱処理中に製膜中央が両端に比べたるみ易い傾向を有する。このようなたるみは、熱処理中の張力や温度の加わり方等に不均一性が生じる。これを防止するために、製膜中央と熱処理中央の位置をずらすことが有効である。即ち、最もたるみの大きい製膜中央が熱処理中央になると最もたるみが大きいが、これが中央からずらすことでたるみを小さくでき、熱処理の不均一性を小さくすることができる。このようなたるみは、本発明において好ましい態様である低張力で熱処理する場合に特に顕著である。
好ましい製膜中央と熱処理中央との差{オフセット量(%)=100×(製膜中央と熱処理中央の距離)/(製膜原反幅)}は好ましくは3〜45%であり、5〜40%がより好ましく、8〜35%が更に好ましい。このような熱処理は、製膜後の原反をスリットすることで容易に達成できる。本発明の熱現像画像記録材料で用いるポリエステル支持体は、ポリエステルを形成するジカルボン酸のうち50モル%以上が芳香族ジカルボン酸から成る芳香族ポリエステルが好ましく、より具体的にはポリエチレンテレフタレート系ポリマー、ポリエチレンナフタレート系ポリマー、ポリブチレンテレフタレート系ポリマー、ポリブチレンナフタレート系ポリマーが挙げられる。更に好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが挙げられる。これらの平均分子量(Mw)は5千以上、100万以下が好ましく、1万以上、30万以下がより好ましい。
これらのポリエステル支持体は、2軸以上に延伸して製膜されることが望ましい。例えば、融点(Tm)〜Tm+50℃の間でポリエステルを熔融した後、ガラス転移温度(Tg)−50℃〜Tg+20℃の冷却ドラムに押し出し、未延伸シートを形成する。この時、冷却ドラムに静電印加することも好ましい。この未延伸シートをTg〜Tg+60℃の間で2倍〜4倍に縦方向に延伸し、更に、Tg〜Tg+60℃の間で2倍〜5倍に横方向に延伸し、次いでTm−60℃〜Tmで5秒〜1分熱固定する。この後、Tm−60℃〜Tmで横/縦の少なくとも一方に0〜10%緩和処理を施すことも好ましい。また、更に縦/横方向に再度延伸することも好ましい。
このようにして得られたポリエステル支持体の厚みは、50〜500μmが好ましく、より好ましくは70〜300μm、更に好ましくは90〜200μmである。好ましい支持体の製膜幅は0.6m以上、10m以下であり、より好ましくは0.8m以上、8m以下であり、更に好ましくは1.0m以上、7m以下である。このようにして製膜した支持体を、低熱収縮処理用にスリッティングする。好ましいスリットの幅は0.5m以上、8m以下であり、より好ましくは0.7m以上、6m以下であり、更に好ましくは0.9m以上、5m以下である。また、スリットした後に両端にナーリング処理(エンボス加工)を施すことも好ましい。
本発明の熱現像画像記録材料に係るポリエステル支持体を製造するに際し、低張力熱処理は、支持体を熱処理ゾーン内を搬送しながら実施する。熱処理温度は120℃以上、220℃以下が好ましく、135℃以上、200℃以上がより好ましく、145℃以上、180℃以下が更に好ましい。上記で規定する温度範囲を越えると熱可塑性フィルム中に含まれるオリゴマーが表面に析出し、その結果、ヘイズが上昇しやすくなり好ましくない。また、この温度範囲を下回ると熱収縮が大きくなりやすく好ましくない。このような温度制御は、断熱材を用いた熱処理ゾーン内に熱風を吹き込んで達成してもよく、ヒートロールのような高温の熱媒体に接触させて伝熱で可塑性フィルムを昇温してもよく、あるいは赤外線ヒーターのようなものを用いて輻射熱で昇温してもよい。いずれの方法でもよいが、幅方向の温度分布を小さくすることが、熱収縮の幅方向分布を小さくするうえでは好ましい。これには熱風の吹き出し口にフィンを設置し、風の向きを調整することで吹き溜まりを無くしたり、温度の低くなりやすい両端部の温度が高くなるようにヒートロールや赤外線ヒーターを分割制御することで達成できる。搬送張力(張力を支持体の断面積で割った値)は0.01MPa以上、0.5MPa以下が好ましく、より好ましくは0.03MPa以上、0.3MPa以下、更に好ましくは0.07MPa以上、0.2MPa以下である。このような張力は、巻き取り側、送り出し側の少なくとも一方に設置したモーターを調整することで達成できる。このときテンションピックアップを設置し、張力をモニターしながら調整するのが好ましい。
上記の方法に従って搬送しながら行う熱処理は、ロール搬送でも良く、非接触搬送(空気浮上搬送)でも良いが、より高い平面性が得やすい点で前者が好ましい。熱処理後の支持体は、急冷すると皺が発生しやすいため、冷却速度として5℃/分以下で冷却するのが好ましく、より好ましくは3℃/分以下で冷却する。更に、巻き取り時の巻崩れ防止のため、テンションカットした後、高い張力で巻き取るのが好ましい。これらの低張力熱処理は、上述の製膜後のポリエステル支持体をそのまま用いることも好ましく、表面処理(例えば、グロー処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線処理)を施したもの、あるいは更に塗布層、例えば、水溶性ポリマー(例えば、ゼラチン、水溶性ポリエステル等)塗工層やラテックス層(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、塩化ビニリデン、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィンなど)、有機溶剤塗工層(例えば、セルロースエステル、ニトロセルロース、ウレタン、アクリレート、ポリオレフィン等)を付与した後、低張力熱処理することも好ましい。これらの塗布層は乾燥工程を含むため、乾燥中の熱により熱収縮率を小さくすることができるためである。更に、これらの層には、必要に応じて、静電防止剤(例えば、酸化スズ、五酸化バナジウム、カチオンポリマー等)や、反射防止染料、マット剤(例えば、シリカ、アルミナ、架橋ポリスチレン、架橋ポリメチルメタクリレート等)を含んでいてもよい。このようにして得た支持体上に、感光層等を適宜塗設することにより、本発明の熱現像画像記録材料を得ることができる。好ましい熱現像画像記録材料は、例えば、特開平11−65018号や特開平10−10676号等に記載のものを用いることができる。
次いで、本発明の熱現像画像形成材料の詳細について説明する。
本発明の熱現像画像記録材料は,支持体上に感光性ハロゲン化銀を含む画像形成層を有し、更に好ましくはこの層の上に非感光性保護層を有する。
画像形成層画像形成層は、一層または複数の層より構成することができ、非感光性有機銀塩、該銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀及び有機バインダーを含み、有機硬調化剤を実質的に含まない。更に好ましく含まれ得る素材として、ハロゲンプレカーサー、フタラジンあるいはその誘導体が挙げられる。画像形成層を複数の層を積層した構成にして、これらの素材を互いに異なる層に添加し、熱現像時に溶融して互いに相互作用しあう状態にすることもできる。あるいは一つの素材を異なる層に分配して添加してもよい。
画像形成層を塗布法により形成する場合、水性塗布液については塗布液のpHを5.5〜7.8に調整するのが好ましく、調整の際に用いる酸はハロゲンを含まないことが好ましい。有機溶媒を主溶媒にした塗布液を用いる場合は、粘度を調整することが重要で1mPa・s〜100mPa・sで保護層より低粘度に調整するのが好ましい。水性塗布、有機溶剤塗布いずれの場合でも、保護層を含めて複数の層を同時重層塗布することが好ましい。
以下、画像形成層の各構成要素及び層構成について説明する。
〔感光性ハロゲン化銀〕
本発明では、感光性ハロゲン化銀として、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いることができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成については、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法で粒子形成することができるが、この方法に限定されるものではない。
ハロゲン化銀粒子の形状としては、立方体、八面体、十四面体、平板状、球状、棒状、ジャガイモ状等を挙げることができるが、本発明においては、特に立方体状粒子あるいは平板状粒子が好ましい。粒子のアスペクト比、面指数など粒子形状の特徴については、特開平11−119374号公報の段落番号〔0225〕に記載されているものと同じである。
本発明で用いるハロゲン化銀粒子の粒子サイズ分布は、単分散度の値が好ましくは30%以下であり、より好ましくは1〜20%であり、更に好ましくは5〜15%である。ここで単分散度は、粒子サイズの標準偏差を平均粒子サイズで割った値の百分率(%)(変動係数)として定義されるものである。なおハロゲン化銀粒子の粒子サイズは、便宜上、立方体粒子の場合は稜長で表し、その他の粒子(八面体、十四面体、平板状など)は投影面積円相当直径で算出する。
本発明で用いられる好ましいハロゲン化銀粒子は、そのハロゲン組成が臭素含量が40〜100mol%の高臭化銀乳剤である。残りの60mol%については、特に制限されず、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀から選ぶことができるが、特にヨウ化銀であることが好ましい。この様な高臭化銀乳剤を用いることによって、高感度な熱現像画像記録材料を設計することができる。感度の観点から、臭化銀含量は70〜100mol%であることがより好ましく、80〜100mol%であることが更により好ましく、90〜100mol%であることが特に好ましい。
粒子内におけるハロゲン組成の分布は、均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子である。コアが高臭化銀である構造、またはシェルが高臭化銀である構造も好ましく用いることができる。また、粒子表面に沃化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
本発明に用いるハロゲン化銀乳剤の粒子サイズは、5〜90nmであることが好ましく、5〜70nmであることがより好ましく、5〜55nmであることが更に好ましく、10〜45nmであることが特に好ましい。ここでいう粒子サイズとは、電子顕微鏡により観察した投影面積と同面積の円像に換算したときの直径の平均をいう。この様なハロゲン化銀粒子の塗布量は、後述する有機酸銀の銀molに対して0.001〜1.0mol%、好ましくは0.005〜0.5mol%、更に好ましくは0.01〜0.2mol%である。
感光性ハロゲン化銀の形成方法は、当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、及び米国特許第3,700,458号明細書に記載されている方法を用いることができるが、具体的には、ゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号〔0217〕〜同〔0224〕に記載されている方法、特開平11−352627号公報、特開2000−347335号公報記載の方法も好ましい。
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)64-、[Fe(CN)63-、[Ru(CN)64-、[Os(CN)64-、[Co(CN)63-、[Rh(CN)63-、[Ir(CN)63-、[Cr(CN)63-、[Re(CN)63-等が挙げられる。本発明においては、六シアノFe錯体が好ましい。六シアノ金属錯体の添加量は、銀1mol当たり1×10-5〜1×10-2molが好ましく、より好ましくは1×10-4〜1×10-3molである。
本発明で用いる感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属または金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1molに対し1×10-9〜1×10-3molの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については、特開平7−225449号公報、特開平11−65021号公報の段落番号〔0018〕〜同〔0024〕、特開平11−119374号公報の段落番号〔0227〕〜同〔0240〕に記載されている。
更に、本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子(例えば、[Fe(CN)64-)や、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や増感法については、例えば、特開平11−84574号公報の段落番号〔0046〕〜同〔0050〕、特開平11−65021号公報の段落番号〔0025〕〜同〔0031〕、特開平11−119374号公報の段落番号〔0242〕〜同〔0250〕に記載されている。
〔化学増感剤〕
本発明で用いる感光性ハロゲン化銀は、化学増感して用いるのが好ましい。化学増感の方法としては、硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法、貴金属増感法等の知られている方法を用いることができ、これらを単独でまたは組み合わせて用いる。組み合わせて使用する場合は、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法とテルル増感法と金増感法等を組み合わせるのが好ましい。
上記セレン増感法及びテルル増感法で用いるセレン増感剤及びテルル増感剤の使用量は、感光性ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等に応じて適宜選択できるが、一般にハロゲン化銀1mol当たり1×10-8〜1×10-2mol、好ましくは1×10-7〜1×10-3mol程度用いることができる。上記貴金属増感法で用いる貴金属増感剤の例としては、金増感剤、白金増感剤、パラジウム増感剤、イリジウム増感剤等が挙げられ、中でも金増感剤が特に好ましい。金増感剤の具体例としては、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金等が挙げられる。金増感剤は一般にハロゲン化銀1mol当たり1×10-7〜1×10-2mol程度用いることができる。
感光性ハロゲン化銀は、還元増感して用いてもよい。還元増感する際に用いる化合物の具体例としては、アスコルビン酸、二酸化チオ尿素、塩化第一スズ、アミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等が挙げられる。また、感光性ハロゲン化銀乳剤のpHを7以上に保持するか、或いはpAgを8.3以下に保持して熟成することにより、還元増感することができる。更に、粒子形成中に、銀イオンのシングルアディション部分を導入することにより還元増感することができる。感光性ハロゲン化銀には、ハロゲン化銀粒子の形成または物理熟成の過程において、カドミウム塩、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩等を共存させてもよい。また、欧州公開特許第293,917A号公報に記載の方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。
本発明では、感光性ハロゲン化銀は1種のみを用いてもよいし、2種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの等)を併用してもよい。感光性ハロゲン化銀の使用量は、有機銀塩に対して好ましくは0.1〜100mol%、より好ましくは0.5〜50mol%、特に好ましくは1.0〜30mol%である。本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは、粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
〔還元剤〕
本発明に用いられる還元剤は、少なくとも1つのフェノール性水酸基を有し、そのオルト位が水素以外の置換基で置換されているヒンダードフェノール化合物である。フェノール環が一つでもよいし、複数個を一分子内に有してもよいが、好ましいのは二つのヒンダードフェノール基をメチレン基、メチン基、チオ基で連結したビス型のヒンダードフェノール化合物である。好ましい還元剤の具体例は、特開平9−274274号公報の[0062]〜[0074]に記載されている一般式(Ia)、(Ib)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IVa)、(IVb)で表される化合物である。
還元剤は、溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化物、オイルプロテクト分散物等のいかなる状態で画像記録層に添加してもよい。水性塗布液の場合は、水中に平均粒子サイズ0.01μm〜10μmに固体分散された微粒子として添加するのが好ましい。固体微粒子分散は、公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル等)で行うことができる。固体微粒子分散する際には、分散助剤を用いてもよい。有機溶媒塗布液の場合は、還元剤を有機溶媒に溶解して用いられる。還元剤の添加量は、画像形成層の有機銀塩1mol当たり0.01〜100mol倍、より好ましくは0.1〜10mol倍用いる。還元剤は、画像形成層の他、保護層にも添加してよい。また、還元剤は現像時のみ有効に機能するように誘導化された、いわゆるプレカーサーであってもよい。
本発明では、還元剤として、芳香族性の水酸基(−OH)と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。水酸基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基等が挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性化合物は、下記一般式(A)で表される化合物である。
Figure 2005084603
一般式(A)において、R21〜R23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。R21〜R23が置換基を有する場合の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基等が挙げられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基で、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基等が挙げられる。
21〜R23のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
21〜R23としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点では、R21〜R23のうち少なくとも一つ以上が、アルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手することができるという点では、R21〜R23が同一の基である場合が好ましい。
以下、一般式(A)で表される化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を例示するが、本発明で用いることができる水素結合性化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005084603
水素結合性化合物の具体例は、上述の他に、例えば、特開2001−281793号公報等に記載のものが挙げられる。
一般式(A)で表される化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、熱現像画像形成材料中で使用することができる。一般式(A)で表される化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と一般式(A)で表される化合物との組み合わせによっては、錯体として結晶状態で単離することができる。このようにして単離した結晶粉体を、固体分散微粒子分散物として使用することは、安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と一般式(A)で表される化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
一般式(A)で表される化合物は、還元剤に対して、1〜200mol%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10〜150mol%の範囲で、更に好ましくは30〜100mol%の範囲である。
〔有機銀塩〕
本発明で用いる有機銀塩は、通常、光に対して比較的安定であり、現像核(感光性ハロゲン化銀の露光によって生成した潜像等)や還元剤等の存在下で80℃程度、或いはそれ以上に加熱されると銀画像を形成する。有機銀塩は、還元可能な銀イオンを供給しうる有機銀化合物であれば特に限定されないが、好ましくは有機酸の銀塩、より好ましくはカルボキシル基を有する有機化合物の銀塩である。また、配位子が4.0〜10.0の錯安定度定数を有する有機または無機銀塩の錯体も好ましく使用できる。
カルボキシル基を有する有機化合物の銀塩としては、脂肪族カルボン酸の銀塩、芳香族カルボン酸の銀塩等が使用できる。脂肪族カルボン酸銀塩は、好ましくは炭素数10〜30、より好ましくは炭素数15〜28であり、その好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀及び樟脳酸銀、これらの混合物等が挙げられる。
有機銀塩として、メルカプト基またはチオン基を含む化合物の銀塩及びこれらの誘導体を使用することもできる。このような銀塩の好ましい例としては、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−トリアゾールの銀塩、2−メルカプトベンズイミダゾールの銀塩、2−メルカプト−5−アミノチアジアゾールの銀塩、2−(エチルグリコールアミド)ベンゾチアゾールの銀塩、S−アルキルチオグリコール酸(アルキル基の炭素数は好ましくは12〜22)の銀塩等のチオグリコール酸の銀塩、ジチオ酢酸の銀塩等のジチオカルボン酸の銀塩、チオアミドの銀塩、5−カルボキシル−1−メチル−2−フェニル−4−チオピリジンの銀塩、メルカプトトリアジンの銀塩、2−メルカプトベンズオキサゾールの銀塩、米国特許第4,123,274号明細書に記載の銀塩(例えば、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−チアゾールの銀塩等の1,2,4−メルカプトチアゾール誘導体の銀塩)、米国特許第3,301,678号明細書に記載の3−(3−カルボキシエチル)−4−メチル−4−チアゾリン−2−チオンの銀塩のチオン化合物の銀塩等が挙げられる。
有機銀塩として、イミノ基を含む化合物も使用することができる。その好ましい例としては、ベンゾトリアゾールの銀塩及びそれらの誘導体、メチルベンゾトリアゾール銀等のベンゾトリアゾールの銀塩、5−クロロベンゾトリアゾール銀等のハロゲン置換ベンゾトリアゾールの銀塩、米国特許第4,220,709号明細書に記載の1,2,4−トリアゾールまたは1H−テトラゾールの銀塩、イミダゾール及びイミダゾール誘導体の銀塩等が挙げられる。また、米国特許第4,761,361号明細書及び同第4,775,613号明細書に記載の銀アセチリド化合物も使用することができる。
有機銀塩の形状は、特に限定されず、針状、鱗片状、塊状等の種々の形状であってよいが、針状または鱗片状であるのが好ましい。有機銀塩の形状は有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像等より求めることができる。針状結晶の場合、その大きさは短軸が0.01〜0.20μm、長軸が0.10〜5.0μmであるのが好ましく、短軸が0.01〜0.15μm、長軸が0.10〜4.0μmであるのがより好ましい。有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。
有機銀塩は、脱塩をして用いるのが好ましい。脱塩を行う方法は、特に制限されず、円心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾過方法を好ましく用いることができる。
有機銀塩の使用量は、画像記録層の面積に対して、銀量として0.1〜5.0g/m2とするのが好ましく、0.3〜2.5g/m2とするのがより好ましい。
〔超硬調化剤〕
本発明で用いる超硬調化剤の種類は、特に限定されないが、よく知られている超硬調化剤として、特開2000−284399号公報に記載の式(H)で表されるヒドラジン誘導体(具体的には、同公報の表1〜表4に記載のヒドラジン誘導体)、特開平10−10672号公報、特開平10−161270号公報、特開平10−62898号公報、特開平9−304870号公報、特開平9−304872号公報、特開平9−304871号公報、特開平10−31282号公報、米国特許第5,496,695号明細書、欧州特許公開第741,320A号明細書に記載のすべてのヒドラジン誘導体を挙げることができる。また、特に好ましく用いられる超硬調化剤としては、特開2000−284399号公報に記載の一般式(1)〜(3)で表される置換アルケン誘導体、置換イソオキサゾール誘導体及び特定のアセタール化合物であり、更に好ましくは、同公報に記載の一般式(A)または一般式(B)で表される環状化合物、具体的には同公報の化8〜化12に記載の化合物1〜72を用いることができる。更に、これら超硬調化剤を複数併用してもよい。
上記超硬調化剤は、水または適当な有機溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいは、固体分散法として知られている方法によって、超硬調化剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、あるいは超音波によって分散して用いることもできる。超硬調化剤は、支持体に対して画像形成層側のいずれの層に添加してもよいが、画像形成層あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。超硬調化剤の添加量は銀1molに対し1×10-6〜1molが好ましく、1×10-5〜5×10-1molがより好ましく、2×10-5〜2×10-1molが最も好ましい。
また、上記の化合物の他に、米国特許第5,545,515号明細書、同第5,635,339号明細書、同第5,654,130号明細書、国際公開WO97/34196号パンフレット、米国特許第5,686,228号明細書に記載の化合物、或いはまた特開平11−119372号公報、特開平11−133546号公報、特開平11−119373号公報、特開平11−109546号公報、特開平11−95365号公報、特開平11−95366号公報、特開平11−149136号公報に記載の化合物を用いてもよい。
本発明では、超硬調画像形成のため、前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を併用することができる。例えば、米国特許第5,545,505号明細書に記載のアミン化合物、具体的にはAM−1〜AM−5、米国特許第5,545,507号明細書に記載のヒドロキサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−11、米国特許第5,545,507号明細書に記載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜CN−13、米国特許第5,558,983号明細書に記載のヒドラジン化合物、具体的にはCA−1〜CA−6、特開平9−297368号公報に記載のオニュ−ム塩類、具体的にはA−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−14などを用いることができる。
〔有機バインダー〕
有機バインダーは、通常、天然ポリマー、合成樹脂ポリマー、コポリマー、その他のフィルムを形成する媒体等からなり、その例としては、疎水性に変性されたゼラチン、変性ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート類、ポリメチルメタアクリレート類、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、ポリアミド類等が挙げられる。有機バインダーは水または有機溶媒の溶液、またはエマルションから被覆形成してもよい。
本発明で用いる有機バインダーは、好ましくは疎水性で熱可塑性の有機ポリマーである。ここでいう「熱可塑性」とは、物理化学的用語の熱可塑性の厳密な定義より広義であり、ポリマーがある温度以上に加熱されたときに、そのポリマーの有する特性によって軟化または溶融する性質を意味する。これは熱可塑性樹脂を意味する「プラスチック」が実用的には線状ポリマーだけでなく3次元架橋されたゴム弾性ポリマーにも用いられているのと同様である。従って、例えば、その架橋度によってはゴム弾性を有するSBRポリマー等の、熱現像温度に加熱されると軟化または溶融し、物質の移動拡散が容易になり現像反応が起こり得る状態を形成するものは、有機バインダーとして使用できる。
有機バインダーはポリマーラテックスであるのが好ましく、水中に分散されたポリマーラテックスであるのが特に好ましい。ポリマーラテックスは、有機溶剤を使用せずに塗布できるので、塗布膜を乾燥するときに有機溶剤ガスを大気中に発散したり、熱現像の際にガス化して飛散する等の害がない。有機バインダー中のポリマーラテックス含有量は、有機バインダー全体に対して50質量%以上であることが好ましい。また、ポリマーラテックスは画像記録層だけではなく、保護層やバック層に添加してもよい。特に、寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像画像記録材料を用いる場合には、保護層やバック層にもポリマーラテックスを用いるのが好ましい。なお、本発明において「ポリマーラテックス」とは、水に不溶の疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものをいう。
上記ポリマーラテックスは、上記疎水性ポリマーが分散媒中で乳化したもの、乳化重合したものまたはミセル分散したもの、疎水性ポリマーが部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したもの等であってよい。ポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン」(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978年))、「合成ラテックスの応用」(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993年))、「合成ラテックスの化学」(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970年))等に記載されている。
上記ポリマーラテックスにおいて、分散粒子の平均粒子サイズは、好ましくは1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nmである。分散粒子の粒子サイズ分布は、特に制限は無く、広い粒子サイズ分布を持つものでも単分散の粒子サイズ分布を持つものでもよい。
ポリマーラテックスは、通常の均一構造のポリマーラテックスであっても、いわゆるコア/シェル型のラテックスであってもよい。後者の場合、必要に応じてコアとシェルのガラス転移温度を変えるのが好ましい。
画像記録層に用いるポリマーラテックスのポリマーのガラス転移温度(TG)は、熱現像時に写真有用素材の拡散を促すためには、40℃以下であるのが好ましく、−30〜40℃とするのがより好ましい。また、ポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は好ましくは−30〜90℃、より好ましくは0〜70℃である。最低造膜温度をコントロールするために造膜助剤(可塑剤)を添加してもよい。造膜助剤はポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)であり、前述の「合成ラテックスの化学」(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970年))等に記載されている。
ポリマーラテックスに用いるポリマーの具体例としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、これらの共重合体等が挙げられる。このポリマーは直鎖ポリマーであっても分枝ポリマーであってもよく、また架橋ポリマーであってもよい。また該ポリマーは単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーであってもよいし、2種以上のモノマーが重合したコポリマーであってもよい。コポリマーである場合はランダムコポリマーであってもブロックコポリマーであってもよい。コポリマーの例としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマー、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマー、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマー等が挙げられる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上をブレンドして用いてもよい。
上記ポリマーとしては、市販のものを使用してもよく、市販のポリマーの例としては、セビアンA4635、46583及び4601(以上、ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820及び857(以上、日本ゼオン(株)製)等のアクリル樹脂;FINETEX ES650、611、675及び850(以上、大日本インキ化学(株)製)、WD−size及びWMS(以上、イーストマンケミカル製)等のポリエステル樹脂;HYDRAN AP10、20、30及び40(以上、大日本インキ化学(株)製)等のポリウレタン樹脂;LACSTAR 7310K、3307B、4700H及び7132C(以上、大日本インキ化学(株)製);Nipol Lx416、410、438C及び2507(以上、日本ゼオン(株)製)等のゴム系樹脂;G351及びG576(以上、日本ゼオン(株)製)等の塩化ビニル樹脂;L502及びL513(以上、旭化成工業(株)製)、アロンD7020、D504及びD5071(以上、三井東圧(株)製)等の塩化ビニリデン樹脂;ケミパールS120及びSA100(以上、三井石油化学(株)製)等のオレフィン樹脂等が挙げられる。
ポリマーの数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000、より好ましくは10,000〜100,000である。数平均分子量が5000未満であると画像記録層の力学強度が不十分であり、1,000,000を超えると製膜性が悪く好ましくない。
バインダーの添加量は、画像記録層の面積に対して好ましくは0.2〜30g/m2であり、より好ましくは1〜15g/m2である。
〔ハロゲンプレカーサー〕
本発明では、ハロゲンプレカーサーを用いることが好ましい。本発明で用いられるハロゲンプレカーサーは、熱、光等によってハロゲンを放出しうる化合物である。ハロゲンプレカーサーは、好ましくはハロゲン原子を2つ以上同一炭素原子上に有する有機ポリハロゲン化物であり、その例としては、特開昭50−119624号公報、同50−120328号公報、同51−121332号公報、同54−58022号公報、同56−70543号公報、同56−99335号公報、同59−90842号公報、同61−129642号公報、同62−129845号公報、特開平6−208191号公報、同6−208193号公報、同7−5621号公報、同7−2781号公報、同8−15809号公報、米国特許第5,340,712号明細書、同第5,369,000号明細書、同第5,464,737号明細書等に開示されているものが挙げられる。ハロゲンプレカーサーは2種類以上を併用してもよい。
本発明に用いるハロゲンプレカーサーは、水または適当な有機溶媒に溶解して塗布液に添加し、乾燥後、膜中で微結晶状態に存在させてよい。有機溶媒としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が使用できる。また、既によく知られている乳化分散法に従って、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレート等のオイルや、酢酸エチル、シクロヘキサノン等の補助溶媒を用いてハロゲンプレカーサーを溶解し、機械的に乳化分散物を作製して使用してもよい。或いは、ボールミル、コロイドミル、サンドミル等の公知の分散機、或いは超音波を利用した分散機によって、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコン・シリケートビーズ等の分散メディアを用いて、ハロゲンプレカーサーを水等の適当な溶媒中に分散させ、微細な固体状分散物を作製して塗布液に添加してもよい。
ハロゲンプレカーサーは、水中に固体分散された微粒子として添加するのが好ましい。予め微細な固体状分散物を調製して添加すると、均一な粒子サイズで安定して添加できるため、塗布液中で凝集を起こしたり、性能が変動したりすることが無い。熱可塑性樹脂の水分散物をバインダーとして用いる場合は、固体状分散物として添加することが特に好ましい。固体状分散物におけるハロゲンプレカーサー粒子の平均粒子サイズは、好ましくは0.05〜5μmであり、より好ましくは0.1〜1μmである。
ハロゲンプレカーサーの添加量は、画像形成層の有機銀塩1molに対して1×10-4〜1.0mol以下添加するのが好ましく、特に、1×10-3〜5×10-1molがより好ましい。添加量がこの範囲より超えて多すぎると画像濃度が低下し、また少なすぎると画像のカブリ防止や画像安定性が不充分になる。
ハロゲンプレカーサーは、画像形成層だけではなく、後述する下塗り層、中間層や保護層に添加してもよい。
〔銀キャリアー〕
本発明の熱現像画像記録材料には、ドライシルバー方式と呼ばれる熱現像画像記録方式の分野で従来は「色調剤」と呼ばれていた、現像を促進するための添加剤を用いることが好ましい。この添加剤は、熱現像時に非感光性有機銀に作用して拡散性銀錯体を形成し、潜像核に運搬し潜像核を触媒とした物理現像が進行するのを助ける役割を有するので、ここでは銀キャリアーと称する。銀キャリアーは、支持体の画像形成層を有する面側のいずれかの層に非感光性有機銀1mol当たり好ましくは0.1〜50mol%、より好ましくは0.5〜20mol%添加する。また、銀キャリアーは、現像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたプレカーサーとして添加してもよい。銀キャリアーは、特開昭46−6077号公報、同47−10282号公報、同49−5019号公報、同49−5020号公報、同49−91215号公報、同50−2524号公報、同50−32927号公報、同50−67132号公報、同50−67641号公報、同50−114217号公報、同51−3223号公報、同51−27923号公報、同52−14788号公報、同52−99813号公報、同53−1020号公報、同53−76020号公報、同54−156524号公報、同54−156525号公報、同61−183642号公報、特開平4−56848号公報、特公昭49−10727号公報、同54−20333号公報、米国特許第3,080,254号明細書、同第3,446,648号明細書、同第3,782,941号明細書、同第4,123,282号明細書、同第4,510,236号明細書、英国特許第1,380,795号明細書、ベルギー特許第841,910号明細書等に色調剤として開示されている。
上記銀キャリアーの具体例としては、フタルイミド及びN−ヒドロキシフタルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−オン、キナゾリノン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリン、2,4−チアゾリジンジオン等の環状イミド;N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド等のナフタルイミド;コバルトヘキサミントリフルオロアセテート等のコバルト錯体;3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプタン;(N,N−ジメチルアミノメチル)フタルイミド、N,N−(ジメチルアミノメチル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミド等のN−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミド;ブロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体等の光退色剤(N,N′−ヘキサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)、2−(トリブロモメチルスルホニル)−ベンゾチアゾール等);3−エチル−5−[(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−2,4−オキサゾリジンジオン;4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノン、2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン。それらの誘導体等のフタラジノン及びその誘導体または金属塩;フタラジノンとフタル酸誘導体(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等)との組み合わせ;4−(1−ナフチル)フタラジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−イソブチルフタラジン、6−tert−ブチルフタラジン、5,7−ジメチルフタラジン、2,3−ジヒドロフタラジン等のフタラジン及びその誘導体または金属塩;フタラジンまたはその誘導体とフタル酸誘導体(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等)との組み合わせ;キナゾリンジオン、ベンズオキサジン及びナフトオキサジン誘導体;ヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウム及びヘキサクロロロジウム(III)酸カリウム等の、色調調節剤としてだけでなくハロゲン化銀生成のためのハライドイオン源としても機能するロジウム錯体;過酸化二硫化アンモニウム、過酸化水素等の無機過酸化物及び過硫酸塩;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン等のベンズオキサジン−2,4−ジオン;2,4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジン等のピリミジン及び不斉トリアジン;3,6−ジメルカプト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン、1,4−ジ(o−クロロフェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペンタレン等のアザウラシル及びテトラアザペンタレン誘導体等が挙げられる。
特に好ましいのは、フタラジンまたはその誘導体とフタル酸誘導体(フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸等)との組み合わせである。
これらの銀キャリアーは、水溶液として添加することが好ましいが、水不溶性である場合はメタノール溶液、粉末、固体微粒子分散物等、いかなる状態で添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル等)で行うことができる。固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
〔その他の各種添加剤〕
本発明の熱現像画像記録材料は、以下に述べる添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、画像形成層以外の層、例えば、中間層、保護層、バック層、下塗り層等に添加してもよい。
(分散安定剤)
通常、分散安定剤は分散物の調製時に添加され、また塗布液調製時に追加添加される。分散安定剤の一例は親水性ポリマーであり、好ましい親水性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。親水性ポリマーの添加量は、分散物固形分に対して70質量%以下とするのが好ましく、50質量%以下とするのがより好ましい。この添加量の下限は特に限定されないが、通常1質量%程度である。
分散安定剤として、界面活性剤を用いることもできる。界面活性剤の添加量は、分散物固形分に対して50質量%以下とするのが好ましく、30質量%以下とするのがより好ましい。この添加量の下限は特に限定されないが、通常1質量%程度である。
(塗布性改良のための界面活性剤)
本発明の熱現像画像記録材料は、塗布性改良のための界面活性剤を含んでよい。該界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等のいずれであってもよい。具体的には、特開昭62−170950号公報、米国特許第5,380,644号明細書等に記載のフッ素系高分子界面活性剤、特開昭60−244945号公報、特開昭63−188135号公報等に記載のフッ素系界面活性剤、米国特許第3,885,965号明細書等に記載のポリシロキサン系界面活性剤、特開平6−301140号公報等に記載のポリアルキレンオキサイドやアニオン系界面活性剤等が使用できる。
(含フッ素界面活性剤)
本発明の熱現像画像記録材料に含フッ素界面活性剤を添加すると、良好な帯電防止性が得られ好ましい。任意の層に添加し得るが最外層に添加するのが特に好ましい。好ましい含フッ素界面活性剤の例としては、炭素数4以上(通常、15以下)のフルオロアルキル基、フルオロアルケニル基またはフルオロアリール基を有し、イオン性基としてアニオン基(例えば、スルホン酸基、硫酸基、カルボン酸基、リン酸基、これらから誘導される塩等)、カチオン基(例えば、アミン塩、アンモニウム塩、芳香族アミン塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩等)、ベタイン基(例えば、カルボキシアミン塩、カルボキシアンモニウム塩、スルホアミン塩、スルホアンモニウム塩、ホスホアンモニウム塩等)またはノニオン基(例えば、置換、無置換のポリオキシアルキレン基、ポリグリセリル基またはソルビタン残基等)を有する界面活性剤が挙げられる。含フッ素界面活性剤については、特開昭49−10722号公報、英国特許第1,330,356号明細書、米国特許第4,335,201号明細書、同第4,347,308号明細書、英国特許第1,417,915号明細書、特開昭55−149938号公報、同58−196544号公報、英国特許第1,439,402号明細書等にも記載されている。
上記含フッ素界面活性剤は、2種以上混合して用いてもよい。含フッ素界面活性剤の使用量は、画像記録材料1m2当たり、好ましくは0.0001〜1g、より好ましくは0.0002〜0.25g、特に好ましくは0.0003〜0.1gとする。
(染料及び顔料)
本発明の熱現像画像記録材料の任意の層には、色調調整、あるいはイラジエーション防止の目的で染料や顔料を添加してもよい。これら染料及び顔料は、特に限定されないが、例えば、カラーインデックス記載のものが使用可能であり、その具体例としては、ピラゾロアゾール染料、アントラキノン染料、アゾ染料、アゾメチン染料、オキソノール染料、カルボシアニン染料、スチリル染料、トリフェニルメタン染料、インドアニリン染料、インドフェノール染料、フタロシアニンをはじめとする有機顔料、無機顔料等が挙げられる。中でも、アントラキノン染料(特開平5−341441号公報に記載の化合物1〜9、特開平5−165147号公報に記載の化合物3−6〜18及び3−23〜38等)、アゾメチン染料(特開平5−341441号公報に記載の化合物17〜47等)、インドアニリン染料(特開平5−289227号公報に記載の化合物11〜19、特開平5−341441号公報に記載の化合物47、特開平5−165147号公報に記載の化合物2−10〜11等)及びアゾ染料(特開平5−341441号公報に記載の化合物10〜16)が好ましく使用できる。
染料及び顔料の使用量は、目的の吸収量に応じて選択すればよいが、一般的には露光波長での光学吸収濃度が0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.0になるように添加される。染料及び顔料は溶液状、乳化物状、固体微粒子分散物状、高分子媒染剤に媒染した状態等、いかなる状態で添加してもよいが、染料及び顔料が水溶性物質であれば水溶液として添加するのが好ましく、水不溶性物質であれば水を分散媒とした固体微粒子分散物として添加するのが好ましく、画像形成層、画像形成層と支持体との間の層、あるいは保護層に添加される。
(増感色素)
本発明に係る画像形成層には、増感色素を添加してもよい。増感色素は、感光性ハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域で感光性ハロゲン化銀粒子を分光増感できるものであればいかなるものでもよく、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等が使用できる。RESEARCH DISCLOSURE Item17643IVA項(1978年12月、23頁)、同Item1831X項(1979年8月、437頁)及びこれらにおいて引用された文献に記載の増感色素も、本発明で使用できる。
本発明にとって好ましい増感色素は、ハロゲン化銀粒子に吸着した際、500nm以下の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるものであり、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。
これらの増感色素のうち、前記一般式(1)、一般式(2)で表わされる増感色素を用いることが好ましい。
前記一般式(1)において、Z1及びZ2は無置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたピロリン環、チアゾリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R11及びR12は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基またはスルホアルキル基を表し、n1及びn2は0または1を表し、Xはアニオンを表し、m1は1または2を表す。
上記Z1及びZ2の非金属原子群は、相互に同じかまたは異なって、上述のベンゾチアゾール環などを完成できるものであればよく、ベンゾチアゾール環としては、例えば、ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5−エトキシ−6−メチルベンゾチアゾール、5−ヘニルベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチアゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、5−ジメチルアミノベンゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾール等が挙げられる。そしてベンゾセレナゾール環としては、例えば、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾール、5,6−ジメトキシベンゾセレナゾール、5−エトキシ−6−メチルベンゾセレナゾール、5−ヒドロキシ−6−メチルベンゾセレナゾール、5−ヘニルベンゾセレナゾール等が挙げられ、更にナフトチアゾール環としては、例えば、β−ナフトチアゾール、β,β−ナフトチアゾール等が挙げられ、更にまたナフトセレナゾール環としては、例えば、β−ナフトセレナゾール等が挙げられる。
ピロリン環としては、例えば、ピロリン、1−メチルピロリン等が挙げられ、チアゾリン環としては、例えば、チアゾリン、4−メチルチアゾリン等が挙げられ、チアゾール環としては、例えば、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4−メチル−5−フェニルチアゾール等が挙げられ、セレナゾール環としては、例えば、セレナゾール、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、4,5−ジメチルセレナゾール等が挙げられ、オキサゾール環としては、例えば、オキサゾール、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、4−p−トリルオキサゾール等が挙げられ、ベンゾオキサゾール環としては、例えば、ベンゾオキサゾール、5−フルオロベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−ブロモベンゾオキサゾール、5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−メチル−6−フェニルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、5,6−ジメトキシベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、5−カルボキシベンゾオキサゾール、5−メトキシカルボニルベンゾオキサゾール、5−アセチルベンゾオキサゾール等が挙げられ、ナフトオキサゾール環としては、例えば、β−ナフトオキサゾール等が挙げられ、イミダゾール環としては、例えば、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール等が挙げられ、ベンゾイミダゾール環としては、例えば、1−メチルベンゾイミダゾール、1−フェニルベンゾイミダゾール、5−クロロ−1−エチルベンゾイミダゾール、5−トリクロロメチル−1−エチルベンゾイミダゾール、5,6−ジクロロ−1−エチルベンゾイミダゾール、5,6−ジクロロ−1−フェニルベンゾイミダゾール、5−メトキシカルボニル−1−エチルベンゾイミダゾール、5−N,N−ジメチルカルバモイル−1−メチルベンゾイミダゾール、5−N,N−ジエチルスルファモイル−1−フェニルベンゾイミダゾール、5−シアノ−1−エチルベンゾイミダゾール、5−シアノ−1−β−ヒドロキシエチルベンゾイミダゾール等が挙げられ、ピリジン環としては、例えば、ピリジン、5−メチルピリジン等が挙げられる。
上記R11及びR12の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基、β−ヒドロキシエチル基、β−カルボキシエチル基、γ−カルボキシプロピル基、γ−スルホプロピル基、γ−スルホブチル基、δ−スルホブチル基、δ−スルホエトキシエチル基などの置換アルキル基を挙げることができる。
上記Xで示されるアニオンの具体例としては、例えば、ハロゲンイオン、過塩素環イオン、チオシアン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオンなどを挙げることができる。
前記一般式(2)中、Z3は無置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、Z4は2−チオヒダトイン環、2−チオオキサゾリジン−2,4′−ジオン環またはローダニン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R14は炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシアルキル基または水素原子を表し、R15は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表し、n3は0または1を表す。
具体的に、Z3はオキサゾール、4−メチルオキサゾール、5−メチルオキサゾール、4,5−ジメチルオキサゾール、4−p−トリルオキサゾール、ベンゾオキサゾール、5−フルオロベンゾオキサゾール、5−クロロベンゾオキサゾール、5−ブロモベンゾオキサゾール、5−トリフルオロメチルベンゾオキサゾール、5−メチルベンゾオキサゾール、5−メチル−6−フェニルベンゾオキサゾール、5,6−ジメチルベンゾオキサゾール、5−メトキシベンゾオキサゾール、5,6−ジメトキシベンゾオキサゾール、5−フェニルベンゾオキサゾール、5−カルボキシベンゾオキサゾール、5−メトキシカルボニルベンゾオキサゾール、5−アセチルベンゾオキサゾール、セレナゾール、4−メチルセレナゾール、4−フェニルセレナゾール、4,5−ジメチルセレナゾール、ベンゾセレナゾール、5−クロロベンゾセレナゾール、5−ブロモベンゾセレナゾール、5−メチルベンゾセレナゾール、5−メトキシベンゾセレナゾール、5,6−ジメチルベンゾセレナゾール、チアゾール、4−メチルチアゾール、4−フェニルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、4−メチル−5−フェニルチアゾール、ベンゾチアゾール、5−クロロベンゾチアゾール、5−ブロモベンゾチアゾール、5−メチルベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、5−エトキシベンゾチアゾール、6−メチルベンゾチアゾール、6−クロロベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチアゾール、5−アセチルベンゾチアゾール、5−メトキシカルボニルベンゾチアゾール、5−ヒドロキシベンゾチアゾール、5−トリフルオロメチルベンゾチアゾール、5−シアノベンゾチアゾール、5,6−ジメチルベンゾチアゾール、5−アセチルアミノベンゾチアゾール、6−メトキシベンゾチアゾール、5,6−ジメトキシベンゾチアゾール、5,6−ジクロロベンゾチアゾール、ナフト〔1,2−d〕チアゾール等が挙げられる。
次に、本発明で用いられる一般式(1)及び(2)で示される化合物の具体例を示すが、本発明で用いることができる一般式(1)及び(2)で示される化合物はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005084603
Figure 2005084603
これら増感色素の添加については、特開平11−119374号公報の段落番号〔0106〕に記載されている方法で添加することができるが、特に、この方法に限定されるものではない。本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、感光性ハロゲン化銀1mol当たり1×10-6〜1molが好ましく、更に好ましくは1×10-4〜1×10-1molである。
本発明では、分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338A号明細書、米国特許第3,877,943号明細書、同第4,873,184号明細書に開示されている化合物、複素芳香族あるいは脂肪族メルカプト化合物、複素芳香族ジスルフィド化合物、スチルベン、ヒドラジン、トリアジンから選択される化合物等が挙げられる。特に好ましい強色増感剤は、特開平5−341432号公報に開示されている複素芳香族メルカプト化合物、複素芳香族ジスルフィド化合物、特開平4−182639号公報の一般式(I)あるいは(II)で表される化合物、特開平10−111543号公報の一般式(I)で表されるスチルベン化合物、特開平11−109547号公報の一般式(I)で表わされる化合物である。具体的には特開平5−341432号公報のM−1〜M−24の化合物、特開平4−182639号公報のd−1)〜d−14)の化合物、特開平10−111543号公報のSS−01〜SS−07の化合物、特開平11−109547号公報の31、32、37、38、41〜45、51〜53の化合物である。これらの強色増感剤の添加量は、感光性ハロゲン化銀1mol当たり1×10-4〜1molの範囲が好ましく、ハロゲン化銀1mol当たり0.001〜0.3molの範囲がより好ましい。
(カブリ防止剤、安定剤及び安定剤前駆体)
本発明では、カブリ防止剤、安定剤または安定剤前駆体を用いることによってカブリの生成を更に抑えることができ、熱現像画像記録材料を安定化し、保存中における感度の低下を抑制することができる。カブリ防止剤、安定剤及び安定剤前駆体は、単独で使用しても組み合わせて使用してもよく、それらの例としては、米国特許第2,131,038号明細書及び同第2,694,716号明細書に記載のチアゾニウム塩;米国特許第2,886,437号明細書及び同第2,444,605号明細書に記載のアザインデン;米国特許第2,728,663号明細書に記載の水銀塩;米国特許第3,287,135号明細書に記載のウラゾール;米国特許第3,235,652号明細書に記載のスルホカテコール;英国特許第623,448号明細書に記載のオキシム、ニトロソ及びニトロインダゾール;米国特許第2,839,405号明細書に記載の多価金属塩;米国特許第3,220,839号明細書に記載のチウロニウム塩;米国特許第2,566,263号明細書及び同2,597,915号明細書に記載のパラジウム塩、白金塩及び金塩;米国特許第4,108,665号明細書及び同第4,442,202号明細書に記載のハロゲン置換有機化合物;米国特許第4,128,557号明細書、同第4,137,079号明細書、同第4,138,365号明細書及び同第4,459,350号明細書に記載のトリアジン;並びに米国特許第4,411,985号明細書に記載のリン化合物が挙げられる。
(メルカプト化合物、ジスルフィド化合物及びチオン化合物)
本発明には、現像を抑制または促進させ現像を制御すること、分光増感効率を向上させること、現像前後の保存性を向上させること等を目的として、メルカプト化合物、ジスルフィド化合物またはチオン化合物を用いてもよい。
上記メルカプト化合物はAr−SMまたはAr−S−S−Arで表されるのが好ましい。ここで、Mは水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素原子、イオウ原子、酸素原子、セレニウム原子またはテルリウム原子を有する芳香環または縮合芳香環を含む基である。Arは好ましくはベンズイミダゾール環、ナフトイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、ベンズオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、ベンゾセレナゾール環、ベンゾテルラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、テトラゾール環、トリアジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、ピリジン環、プリン環、キノリン環またはキナゾリノン環を含む。これらの環はハロゲン原子(Br、C1等)、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、アルキル基(好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)、アルコキシ基(好ましくは1〜4個の炭素原子を有するもの)及びアリール基(更に置換基を有してもよい)からなる群から選択される置換基を有してもよい。
メルカプト化合物の具体例としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビス−(ベンゾチアゾール)、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダゾール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリフルオロメチル−4−キノリンチオール、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒドレート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、3−(5−メルカプトテトラゾール)−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N’−{3−(5−メルカプトテトラゾリル)フェニル}ウレア、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾール、2−[3−(9−カルバゾリル)プロピルイミノ]−3−(2−メルカプトエチル)ベンゾチアゾリン等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。これらのメルカプト化合物の使用量は、画像記録層中の銀1mol当たり0.0001〜1.0molとするのが好ましく、0.001〜0.3molとするのがより好ましい。
(可塑剤)
本発明には、可塑剤として多価アルコール(米国特許第2,960,404号明細書に記載のグリセリン及びジオール等)等を用いてもよい。
(硬膜剤)
本発明には、硬膜剤を用いてもよい。硬膜剤は、画像形成層、保護層、バック層、下塗層等に添加してもよい。硬膜剤の例としては、米国特許4,281,060号明細書、特開平6−208193号公報等に記載のポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号明細書等に記載のエポキシ化合物類、特開昭62−89048号公報等に記載のビニルスルホン系化合物類及びオキサゾリン化合物等が挙げられる。
(安息香酸類)
本発明には、高感度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有してもよい。安息香酸類は、本発明の熱現像画像記録材料のいかなる層に添加してもよいが、支持体の画像形成層面側に設置される層に添加することが好ましく、画像形成層または保護層に添加するのが好ましい。本発明で用いる安息香酸類は、特に限定されないが、好ましい例としては、米国特許4,784,939号明細書、同第4,152,160号明細書、特開平9−329865号公報、同9−329864号公報、同9−291637号公報等に記載の化合物が挙げられる。
安息香酸類は、塗布液調製のいかなる工程で添加してもよく、画像記録層に添加する場合は、有機銀塩調製工程〜塗布液調製工程のいかなる工程で添加してもよく、好ましくは有機銀塩調製後〜塗布直前に添加する。安息香酸類は粉末状、溶液状、微粒子分散物状等、いかなる状態で添加してもよい。また、安息香酸類は増感色素、還元剤、色調剤等の添加物と混合した溶液として添加してもよい。安息香酸類の添加量は、非感光性有機銀と感光性ハロゲン化銀のトータルの銀1mol当たり1μmol〜2molが好ましく、1〜0.5molがより好ましい。
(滑り剤)
本発明においては、支持体の画像形成層を有する面及び/またはその反対面の最表面層に滑り剤を含有させることが好ましい。本発明に用いる滑り剤は、物体表面に存在させた時に、表面の摩擦係数を減少させる化合物であれば特に限定されない。
滑り剤の具体例としては、米国特許第3,042,522号明細書、英国特許第955,061号明細書、米国特許第3,080,317号明細書、同第4,004,927号明細書、同第4,047,958号明細書、同第3,489,567号明細書、英国特許第1,143,118号明細書等に記載のシリコーン系滑り剤;米国特許第2,454,043号明細書、同第2,732,305号明細書、同第2,976,148号明細書、同第3,206,311号明細書、独国特許第1,284,295号明細書、同第1,284,294号明細書等に記載の高級脂肪酸系滑り剤、アルコール系滑り剤及び酸アミド系滑り剤;英国特許第1,263,722号明細書、米国特許第3,933,516号明細書等に記載の金属石けん;米国特許第2,588,765号明細書、同第3,121,060号明細書、英国特許第1,198,387号明細書等に記載のエステル系滑り剤及びエーテル系滑り剤;米国特許第3,502,473号明細書、同第3,042,222号等明細書に記載のタウリン系滑り剤等が挙げられる。好ましく用いられる滑り剤の具体例としては、セロゾール524(主成分カルナバワックス)、ポリロンA、393及びH−481(主成分ポリエチレンワックス)、ハイミクロンG−110(主成分エチレンビスステアリン酸アマイド)、ハイミクロンG−270(主成分ステアリン酸アマイド)(以上、中京油脂(株)製)等が挙げられる。滑り剤の使用量は、添加する層中のバインダー量の好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%である。
〔支持体〕
本発明で用いる支持体の材質は特に限定されず、その典型的な例としては、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、硝酸セルロース、セルロースエステル、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中で、二軸延伸したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)が、強度、寸法安定性、耐薬品性等の観点から好ましい。
支持体の厚みは、後述する下塗り層を除いたベース厚みで90〜500μmであることが好ましい。支持体は透明または半透明であっても、白色反射支持体であってもよい。白色反射支持体としては、白色無機顔料を練り込んだポリエステルフィルム等からなるものが使用できる。
支持体の両面には、塩化ビニリデン共重合からなる下塗り層、または防湿層を設けることが好ましい。塩化ビニリデン共重合体は単独で用いても2種以上併用してもよい。下塗り層には架橋剤やマット剤等を含有させてもよく、また必要に応じてバインダーとしてSBR、ポリエステル、ゼラチン等を添加してもよい。更に下塗り層は上記含フッ素界面活性剤を含んでいてもよい。下塗り層の厚みは好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜1μmである。また下塗り層中の塩化ビニリデン共重合体の厚みは好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.3〜4μmである。
上述した二軸延伸したポリエステルを支持体として用いる場合、二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像中に発生する熱収縮歪みをなくすために、ポリエステルに130〜185℃での熱処理を施すのが好ましい。熱処理は一定の温度で行っても昇温しながら行ってもよく、またロール状で行ってもウエッブ状で搬送しながら行ってもよい。ウエッブ状で搬送しながら熱処理する場合、処理時の支持体の搬送張力は比較的低い方が好ましく、具体的には0.7MPa以下とするのが好ましく、0.4MPa以下とするのがより好ましい。このとき、搬送張力の下限には特に制限はないが、通常0.05MPa程度である。熱処理は、支持体に画像形成層やバック層との接着性を向上させる処理、下塗り層の設層等を施した後に行うことが好ましい。また熱処理後における支持体の熱収縮率は、120℃、30秒の加熱条件の場合、縦方向(MD)が−0.03〜+0.01%、横方向(TD)が0〜0.04%であることが好ましい。
〔バック層〕
バック層は、ポリマーバインダー中に下記一般式(3)、(4)で表される染料、塩基発生剤、必要に応じて下記の各添加剤を含有することが好ましい。更に、バック層は上記含フッ素界面活性剤を含んでいてもよい。染料は、支持体のバック面側の層、あるいは画像記録層側の層に添加することができるが、好ましいのはバック面側の層に添加する場合である。
(染料)
本発明の熱現像画像記録材料には、下記一般式(3)または(4)で表される染料を用いることが好ましい。
Figure 2005084603
上記一般式(3)、(4)において、R1は水素原子、脂肪族基、芳香族基、−NR2126、−OR21または−SR21であり、R21及びR26はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基または芳香族基であるか、あるいはR21とR26とが結合して含窒素複素環を形成する。R2は水素原子、脂肪族基または芳香族基であり、L1及びL2はそれぞれ独立に置換または無置換のメチン基であって、メチン基の置換基同士が結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。Z1は5員または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環及びその縮合環は置換基を有していてもよい。Aは酸性核を表し、Bは芳香族基、不飽和へテロ環基、もしくは下記一般式(5)を表す。n、mは、それぞれ1または2を表す。
Figure 2005084603
上記一般式(5)において、L3は置換または無置換のメチン基であって、L2と結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。R3は脂肪族基または芳香族基を表す。Z2は5員または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環及びその縮合環は置換基を有していてもよい。
前記一般式(3)、(4)において、R1としては−NR2126、−OR21、または−SR21であることが好ましい。R21は、脂肪族基または芳香族基であることが好ましく、アルキル基、置換アルキル基、アラルキル基、置換アラルキル基、アリール基または置換アリール基であることが更に好ましい。R26は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子、アルキル基または置換アルキル基であることが更に好ましい。R21とR26とが結合して形成する含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましい。含窒素複素環は、窒素以外のヘテロ原子(例、酸素原子、硫黄原子)を有してもよい。
脂肪族基としては、例えば、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキルまたは置換アラルキル基を挙げることができる。本発明では、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキルまたは置換アラルキル基が好ましく、アルキル基、置換アルキル基、アラルキルまたは置換アラルキル基が更に好ましい。環状脂肪族基よりも鎖状脂肪族基が好ましい。鎖状脂肪族基は分岐を有してもよい。アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、アルキル基の場合と同様である。
アルケニル基及びアルキニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜20であることがより好ましく、2〜15であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分、及び置換アルキニル基のアルキニル部分は、それぞれアルケニル基及びアルキニル基と同様である。アラルキル基の炭素原子数は、7〜35であることが好ましく、7〜25であることが7〜25であることがより好ましく、7〜20であることが更に好ましい。置換アラルキル基のアラルキル部分は、アラルキル基と同様である。脂肪族基(例えば、置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換アラルキル基)の置換基の例には、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルチオカルボニル基、ヘテロ環基、シアノ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、及びシリル基が含まれる。カルボキシル基とスルホ基は、塩の状態であってもよい。カルボキシル基及びスルホ基と塩を形成するカチオンはアルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
また、芳香族基としては、アリール基または置換アリール基を挙げることができる。アリール基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることがより好ましく、6〜15であることが更に好ましい。置換アリール基のアリール部分は、アリール基と同様である。芳香族基(置換アリール基)の置換基の例には、脂肪族基及び脂肪族基の置換基の例で挙げたものを挙げることができる。
一般式(3)、(4)において、R2は、水素原子、脂肪族基または芳香族基である。脂肪族基と芳香族基は、前述した通りである。R2は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、水素原子または炭素数が1〜15のアルキル基であることが更に好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
前記一般式(3)、(4)、(5)において、L1、L2及びL3は、それぞれ独立に置換されていてもよいメチン基である。メチン基の置換基の例には、ハロゲン原子、脂肪族基、及び芳香族基が含まれる。脂肪族基と芳香族基は、前述した通りである。メチンの置換基が結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。不飽和複素環よりも不飽和脂肪族環のほうが好ましい。形成する環は、5員環または6員環であることが好ましく、シクロペンテン環またはシクロヘキセン環であることが更に好ましい。メチンは、無置換であるか、あるいはシクロペンテン環またはシクロヘキセン環を形成することが特に好ましい。
前記一般式(3)において、nは1または2を表すが、好ましくは1である。nが2の時、メチン基が繰り返されるが同一である必要はない。前記一般式(4)において、mは、1または2を表すが、好ましくは1である。mが2の時、メチン基が繰り返されるがそれらは同一である必要はない。
前記一般式(3)、(4)において、Z1は5員または6員の含窒素複素環を形成する原子団である。含窒素複素環の例には、オキサゾール環、チアゾール環、セレナゾール環、ピロール環、ピロリン環、イミダゾール環及びピリジン環が含まれる。6員環よりも5員環のほうが好ましい。含窒素複素環には、芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)が縮合していてもよい。含窒素複素環及びその縮合環は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述の芳香族基の置換基を挙げることができるが、好ましくはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、スルホ、アルコキシ、アリール基、及びアルキル基である。カルボキシルとスルホは塩の状態であってもよい。カルボキシル及びスルホと塩を形成するカチオンは、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
前記一般式(3)において、Bは芳香族基、不飽和へテロ環基、もしくは一般式(5)を表す。芳香族基の定義は、前述の通りである。Bで表される芳香族基としては、置換あるいは無置換のフェニル基が好ましく、置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリール基が好ましく、4位にアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アルキル基が特に好ましい。Bで表される不飽和へテロ環としては、炭素、酸素、窒素、硫黄原子から構成された5または6員のヘテロ環基が好ましい。中でも5員環が特に好ましい。好ましい例としては、置換、無置換のピロール、インドール、チオフェン、及びフランを挙げることができる。
一般式(5)におけるZ2は、5員または6員の含窒素複素環を形成する原子団であり、Z1と同じであっても異なっていてもよい。含窒素複素環の例は、上記のZ1と同義の基を挙げることができる。R3は、脂肪族基、または芳香族基を表すが、脂肪族基が好ましく、特に、一般式(3)の窒素原子上の置換基である−CHR2(COR1)である場合が最も好ましい。
一般式(4)において、Aは酸性核を表す。酸性核としては、環状のケトメチレン化合物または電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物が好ましい。環状のケトメチレン化合物の例としては、2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、メロドラム酸、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オンを挙げることができる。これらは置換基を有してもよい。
電子吸引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物は、Z1CH22と表すことができ、ここにZ1、Z2は各々−CN、−SO21、−COR1、−COOR2、−CONHR2、−SO2NHR2、−C{=C(CN)2}R1、−C{=C(CN)2}NHR1を表し、R1はアルキル基、アリール基、複素環基を表し、R2は水素原子、R1で表される基を表し、そしてR1、R2はそれぞれ置換基を有してもよい。
これらの酸性核の中でも、2−ピラゾリジン−5−オン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、ジオキソピラゾロピリジンがより好ましい。
前記一般式(3)で表される染料は、アニオンと塩を形成していることが好ましい。前記一般式(3)で表される染料が、置換基として、カルボキシルやスルホのようなアニオン基を有する場合は、染料が分子内塩を形成することができる。それ以外の場合は、染料は分子外のアニオンと塩を形成することが好ましい。アニオンは一価または二価であることが好ましく、一価であることが更に好ましい。アニオンの例には、ハロゲンイオン(Cl、Br、I)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、1,5−ジスルホナフタレンジアニオン、PF6、BF4及びClO4が含まれる。
以下に、一般式(3)、(4)で表される染料の具体例を示すが、本発明で用いることができる化合物は、これらの具体例によって制限されるものではない。
Figure 2005084603
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Figure 2005084603
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(塩基プレカーサー)
本発明で用いる染料またはその塩は、加熱条件下で塩基を作用させることにより消色させることができる。本発明で用いる染料は、塩基の作用により染料中の活性メチレン基が脱プロトン化され、それにより発生する求核種が分子内のメチレン鎖を求核攻撃し、分子内閉環体を形成することにより消色する。従って、この反応に利用可能な塩基としては、染料中の活性メチレン基を脱プロトン化させることができる塩基であればいかなるものでもよい。分子内閉環反応により新しく形成される環の環員数は限定されないが、5〜7員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。このようにして形成される実質的に無色の化合物は、安定な化合物であり元の染料に戻ることは無い。従って、本発明では、消色方法によって消色した物質が復色することに問題は無い。
消色反応における加熱温度は、40〜200℃であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましく、100〜130℃であることが更に好ましい。加熱時間は1〜120秒であることが好ましく、5〜60秒であることがより好ましく、10〜30秒が更に好ましい。
バック層に染料とともに塩基を添加すると保存中に互いに反応して消色してしまい、ハレーション防止の機能を失ってしまうので、塩基は熱分解型のプレカーサーにして用いるのが望ましい。従って、熱現像温度と時間は画像形成に要する時間、塩基発生と消色に要する時間を考慮して決定される。
消色反応に必要な塩基は広義の塩基であって、狭義の塩基に加えて求核剤(ルイス塩基)も含まれる。塩基が染料と共存すると室温であっても消色反応が若干進行する。従って、塩基を染料から物理的または化学的に隔離しておき、加熱時に塩基と染料とを接触(反応)させることが望ましい。塩基の物理的隔離としては、マイクロカプセルの使用、熱溶融性物質の微粒子内への封入、あるいは互いに異なる層に添加することなどがある。マイクロカプセルには、圧力により破裂するものと、加熱により破裂するものとがある。消色反応は加熱条件下で実施するため、加熱により破裂するマイクロカプセル(熱応答型マイクロカプセル)を用いると都合がよい。隔離のためには、塩基か染料のどちらか一方をマイクロカプセルに封入する。マイクロカプセルの外殻が不透明の場合は塩基を封入するのが好ましい。熱応答型カプセルについては、森賀弘之、入門・特殊紙の化学(昭和50年)や特開平1−150575号公報に記載がある。ワックスなど熱溶融性物質の微粒子内に塩基または染料を添加してもよい。熱溶融性物質の融点は、室温と前述の熱現像加熱温度との間にある。感光材料において、染料を含む層と塩基を含む層とを分離する場合、それらの層の間に熱溶融性物質を含むバリアー層を設けることが好ましい。
物理的な隔離手段よりも、化学的隔離手段の方が実施が容易で好ましい。化学的な隔離手段としては、塩基プレカーサーの使用が代表的である。塩基プレカーサーには様様な種類があるが、消色反応は加熱条件下で実施するため、加熱により塩基を生成(または放出)する種類のプレカーサーを用いると都合がよい。加熱により塩基を生成するプレカーサーとしては、カルボン酸と塩基の塩からなり熱分解型(脱炭酸型)塩基プレカーサーが代表的である。脱炭酸型塩基プレカーサーを加熱すると、カルボン酸のカルボキシル基が脱炭酸反応し、有機塩基が放出される。カルボン酸としては、脱炭酸しやすいスルホニル酢酸やプロピオール酸を用いる。スルホニル酢酸やプロピオール酸は、脱炭酸を促進する芳香性を有する基(アリールや飽和複素環基)を置換基として有することが好ましい。スルホニル酢酸塩の塩基プレカーサーについては、特開昭59−168441号公報に、プロピオール酸の塩基プレカーサーについては特開昭59−180537号公報にそれぞれ記載されている。脱炭酸型塩基プレかサーの塩基側成分としては、有機塩基が好ましく、アミジン、グアニジンまたはそれらの誘導体であることが更に好ましい。有機塩基は、二酸塩基、三酸塩基、または四酸塩基であることが好ましく、二酸塩基であることが更に好ましく、アミジン誘導体、グアニジン誘導体であることが最も好ましい。
アミジン誘導体の二酸塩基、三酸塩基または四酸塩基のプレカーサーについては、特公平7−59545号公報に記載がある。グアニジン誘導体の二酸素塩基、三酸塩基または四酸塩基のプレカーサーについては、特公平8−10321号公報に記載がある。アミジン誘導体またはグアニジン誘導体の二酸塩基は、(A)二つのアミジン部分またはグアニジン部分、(B)アミジン部分またはグアニジン部分の置換基、及び(C)二つのアミジン部分またはグアニジン部分を統合する二価の連結基からなる。(B)の置換基の例には、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基及び複素環残基が含まれる。二個以上の置換基が結合して含窒素複素環を形成してもよい。(C)の連結基は、アルキレン基またはフェニレン基であることが好ましい。以下に、アミジン誘導体またはグアニジン誘導体の二酸塩基プレカーサーの例を示す。
Figure 2005084603
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染料は、分子状、乳化分散状または固体微粒子分散状で画像記録材料中に含ませることができる。分子状に分散する場合は、染料の溶液を塗布液に添加する。固体微粒子状に分散して添加する場合は、染料の固体微粒子の分散物を作製し、その後に塗布液に添加される。
染料の添加量は、一般に目的とする波長で測定した時の光学濃度(吸光度)が0.1を超える量である。実用的には、光学濃度が好ましくは0.3〜3.0、より好ましくは0.3〜2.0、更に好ましくは0.3〜1.5になるように添加量を調整するのがよい。
塩基プレカーサーの使用量は、mol比で、染料の1倍〜100倍であることが好ましく、3〜30倍であることが更に好ましい。塩基プレカーサーは固体微粒子状で添加するのが好ましい。
染料も塩基プレカーサーも2種類以上の化合物を併用してもよい。特に融点を所望の領域に調整するため、異なる融点のものを混合するのが好ましい。
(バック層のバインダー)
バック層はバインダーを含んでよく、バック層に用いるバインダーは好ましくは透明または半透明で無色である。該バインダーは天然ポリマー、合成樹脂、合成ポリマー、合成コポリマー、フィルムを形成する媒体等であってよく、その例としては、ゼラチン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルピロリドン、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリビニルアセタール類(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリビニルアセテート、セルロースエステル類、ポリアミド類等が挙げられる。
バック層は上記画像記録層に用いるポリマーラテックスを含んでいてもよく、バック層(特に最外層)に用いるポリマーラテックスのポリマーのガラス転移温度は25〜100℃であることが好ましい。バック層中のバインダー量は、好ましくは0.01〜10g/m2であり、より好ましくは0.5〜5g/m2である。
(バック層のマット剤)
ベック秒を低くするために、バック層にマット剤を添加するのが好ましい。ベック平滑度は好ましくは10〜2000秒、より好ましくは50〜1500秒であり、このようなベック平滑度を得るためにマット剤の粒子サイズや添加量を変更してよい。ベック平滑度はJIS P 8119またはTAPPIT479により求められる。
(その他)
本発明の熱現像画像記録材料は、上記画像形成層の他に、中間層、保護層等の非感光層を有してよい。また支持体の画像形成層と反対の側にバック層等の種々の補助層を設置してもよい。
〔中間層〕
本発明の熱現像画像記録材料は、直接保護層を画像形成層を設ける場合の問題を解決するために中間層を設けるのが好ましい。保護層と画像形成層とのpH差が大きいために界面が乱れる塗布故障の解決や、画像形成層に添加すると互いに不利益な相互作用を有する添加剤の一部を内包するのに中間層を好ましく利用することができる。添加しうる薬剤としては、還元剤、ハロゲンプレカーサー、銀キャリアー、染料、顔料、現像促進剤、現像抑制剤、画像安定化剤、分散安定剤、架橋剤、可塑剤、安息香酸類等の添加剤が挙げられる。中間層のバインダーとしては上記の画像記録層に用いる有機溶剤に可溶なポリマーや水性ポリマーラテックスの他に、ゼラチン、ポリビニルアルコール、その他の合成ポリマー等が使用可能である。中間層の厚みは好ましくは0.01〜30μm、より好ましくは0.05〜10μmである。
〔保護層〕
本発明の熱現像画像記録材料には、材料表面を保護するためにポリマーバインダー等からなる保護層を設けるのが好ましい。保護層は支持体の画像形成層を有する面の外層に設けられる。
ポリマーバインダーとしては、上記の画像形成層に用いる有機溶剤可溶ポリマー、水性ポリマーラテックスが使用できる。ポリマーラテックスの場合、ポリマーのガラス転移温度は25〜100℃であることが好ましい。ポリマーラテックスの他に、ゼラチン、ポリビニルアルコール、その他の合成ポリマー等も保護層のバインダーとして使用可能である。バインダーの添加量は、保護層の面積に対して好ましくは0.2〜10g/m2であり、より好ましくは1〜5g/m2である。
保護層は、還元剤、ハロゲンプレカーサー、分散安定剤、架橋剤、塗布性改良や帯電性調整のための界面活性剤、安息香酸類、硬膜剤、滑り剤等の添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤の好ましい態様は、基本的には上記画像記録層の場合と同様である。保護層の厚みは好ましくは0.01〜30μm、より好ましくは0.05〜10μmとする。
保護層には、熱現像画像記録材料を重ね合わせたときの接着故障防止のため、無機もしくは有機のマット剤を添加することが望ましい。
マット剤の例としては、米国特許第1,939,213号明細書、同第2,701,245号明細書、同第2,322,037号明細書、同第3,262,782号明細書、同第3,539,344号明細書、同第3,767,448号明細書等に記載の有機マット剤や、米国特許第1,260,772号明細書、同第2,192,241号明細書、同第3,257,206号明細書、同第3,370,951号明細書、同第3,523,022号明細書、同第3,769,020号明細書等に記載の無機マット剤等が挙げられる。具体的には、水分散性ビニル重合体(例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−α−メチルスチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリビニルアセテート、ポリエチレンカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン等)、セルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート等)、澱粉誘導体(例えば、カルボキシ澱粉、カルボキシニトロフェニル澱粉、尿素−ホルムアルデヒド−澱粉反応物等)、公知の硬化剤で硬化したゼラチン及びコアセルベート硬化して微少カプセル中空粒体とした硬化ゼラチン等の有機化合物や、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、公知の方法で減感した塩化銀や臭化銀、ガラス、珪藻土等の無機化合物がマット剤として好ましく用いることができる。マット剤は単独で用いても、複数混合して用いてもよい。形状も球形、棒状、針状、鱗片状、あるいは不定形など種々のものが選べる。
マット剤は保護層の表面に凹凸を形成し接触面積を小さくして、接着故障を防止する効果を有する。従って、その平均粒子サイズは保護層の厚みよりも大きいことが好ましいが、小さくても凝集体を形成して表面に突き出るものであればよい。マット剤の平均粒子サイズは1〜20μmが好ましい。平均粒子サイズが1μm未満であると実用的でなく、20μmを超えると画像形成層に沈みこんで画像形成を妨げピンホールを与える危険性が高くなる。また、マット剤の粒子サイズ分布は狭い方が望ましく、単分散度が10%以下であるのが好ましい。保護層が複数ある場合、マット剤は好ましくは最外表面層、または外表面にできるだけ近い層に添加する。
保護層は上記含フッ素界面活性剤を含むのが好ましい。マット剤と含フッ素界面活性剤は、バック層に添加しても所望の効果を得る事ができる。上記保護層とバック層のどちらか一方または両方にこれらを添加してよいが、少なくとも含フッ素界面活性剤は画像形成層側に添加するのが好ましい。保護層の上に含フッ素界面活性剤をオーバーコートして用いることもできる。
保護層のpHは添加剤によって異なるが、pH2〜7と比較的低い。複数の保護層を形成する場合、画像形成層に近い層はpH4〜7、遠い層はpH2〜5とすることが好ましい。保護層は複数の層から構成されてもよい。例えば、有機ポリマーを主体とした画像を保護するための保護下層と、マット剤、滑り剤、含フッ素界面活性剤等を含む接着を防止したり表面の滑り性を向上するための保護上層から構成してよい。
〔下塗り層〕
本発明の熱現像画像記録材料は、米国特許第5,051,335号明細書等に記載の下塗り層を有してもよい。
〔塗布方法〕
本発明の熱現像画像記録材料では、コーティング浸漬コーティング、エアナイフコーティング、フローコーティング、米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを用いる押出コーティング等のコーティング操作により、支持体上に上記説明した各構成層を塗設することができる。また、米国特許第2,761,791号及び英国特許第837,095号明細書に記載の方法により2層以上の層を同時に被覆することもできる。
次いで、本発明の熱現像画像形成材料を用いた熱現像画像形成方法について説明する。
本発明の熱現像画像記録材料は、波長500nm以下の光で露光後熱現像することにより画像を形成することができる。好ましくは380nm〜500nmの領域に波長ピークを有するレーザー光が用いられる。好ましくは、走査型レーザー露光装置によって露光され、100℃〜150℃の温度で熱現像される。本発明の熱現像画像記録材料は、印刷製版用に適した超硬調画像形成に利用され得る。
本発明の熱現像画像記録材料が熱現像後において、PS版により刷版を作製する際にマスクとして用いられる場合、熱現像後の熱現像画像記録材料は、製版機においてPS版に対する露光条件を設定するための情報や、マスク原稿及びPS版の搬送条件等の製版条件を設定するための情報を画像情報として担持している。従って、前記のイラジエーション染料、ハレーション染料、フィルター染料の濃度(使用量)は、これらを読み取るために制限される。これら情報はLEDあるいはレーザーによって読み取られるため、センサーの波長域のDmin(最低濃度)が低い必要があり吸光度が0.3以下である必要がある。例えば、富士写真フイルム(株)社製の製版機S−FNRIIIはトンボ検出のための検出器及びバーコードリーダーとして670nmの波長の光源を使用している。また、清水製作社製の製版機APMLシリーズでは、バーコードリーダーとして670nmの光源を使用している。すなわち670nm付近のDmin(最低濃度)が高い場合にはフィルム上の情報が正確に検出できず、その結果、搬送不良、露光不良など製版機で作業エラーが発生する。従って、670nmの光源で情報を読み取るためには670nm付近のDminが低い必要があり、熱現像後の660〜680nmの吸光度が0.3以下である必要がある。より好ましくは0.25以下である。その下限に特に制限はないが、通常は0.10程度である。
本発明において、像様露光に用いられる露光装置は、一般的にはレーザダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)を光源に使用した露光装置が好ましく用いられる。特に、LDは高出力、高解像度の点でより好ましい。これらの光源は目的波長範囲の電磁波スペクトルの光を発生することができるものであればいずれでもよい。例えばLDであれば、色素レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザーなどを用いることができる。中でも注目されるのは、SHG(Second Hermonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーである。高照度で、一般的には10−7秒以下の短い露光時間で行われる。
本発明における露光は、光源の光ビームをオーバーラップさせて露光する。オーバーラップとは、副走査ピッチ幅がビーム径より小さいことをいう。オーバーラップは、例えば、ビーム径をビーム強度の半値幅(FWHM)で表わしたとき、FWHM/副走査ピッチ幅(オーバーラップ係数)で定量的に表現することができる。本発明ではこのオーバーラップ係数が0.2以上であることが好ましい。
本発明に使用する露光装置の光源の走査方式は、特に限定はなく、円筒外面走査方式、円筒内面走査方式、平面走査方式などを用いることができる。また、光源のチャンネルは単チャンネルでもマルチチャンネルでもよいが、高出力が得られ、書き込み時間が短くなるという点でレーザーヘッドを2機以上搭載するマルチチャンネルが好ましい。特に、円筒外面方式の場合にはレーザーヘッドを数機から数十機以上搭載するマルチチャンネルが好ましく用いられる。
本発明の熱現像画像記録材料は、露光時のヘイズが低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干渉縞の発生防止技術としては、特開平5−113548号公報などに開示されているレーザー光を感光材料に対して斜めに入光させる技術や、国際公開WO95/31754号パンフレットなどに開示されているマルチモードレーザーを利用する方法が知られており、これらの技術を用いることが好ましい。
本発明に用いる画像形成方法の加熱現像工程は、いかなる方法であってもよいが、通常、イメージワイズに露光した熱現像画像記録材料を昇温して現像される。用いられる熱現像機の好ましい態様としては、熱現像画像記録材料をヒートローラーやヒートドラムなどの熱源に接触させるタイプとして特公平5−56499号公報、特開平9−292695号公報、特開平9−297385号公報及び国際公開WO95/30934号パンフレットに記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開平7−13294号公報、国際公開WO97/28489号パンフレット、同97/28488号パンフレット及び同97/28487号パンフレットに記載の熱現像機がある。特に好ましい態様としては、非接触型の熱現像機である。好ましい現像温度としては80〜250℃であり、更に好ましくは100〜150℃である。現像時間としては1〜180秒が好ましく、5〜90秒が更に好ましい。ラインスピードは140cm/min以上、更には150cm/min以上が好ましい。
熱現像時における熱現像画像記録材料の寸法変化による処理ムラを防止する方法として、80℃以上115℃未満の温度で画像が出ないようにして、5秒以上加熱した後、110℃〜140℃で熱現像して画像形成させる方法(いわゆる多段階加熱方法)を採用することが有効である。
本発明の熱現像画像記録材料を熱現像処理するとき、100℃以上の高温にさらされるため、該材料中に含まれている成分の一部、あるいは熱現像による分解成分の一部が揮発してくる。これらの揮発成分は現像ムラの原因になったり、熱現像機の構成部材を腐食させたり、温度の低い場所で析出し異物として画面の変形を引起こしたり、画面に付着して汚れとなる種々の悪い影響があることが知られている。これらの影響を除くための方法として、熱現像機にフィルターを設置し、また熱現像機内の空気の流れを最適に調整することが知られている。これらの方法は有効に組み合わせて利用することができる。国際公開WO95/30933号パンフレット、同97/21150号パンフレット、特表平10−500496号公報には、結合吸収粒子を有し揮発分を導入する第一の開口部と排出する第二の開口部とを有するフィルターカートリッジを、フィルムと接触して加熱する加熱装置に用いることが記載されている。また、国際公開WO96/12213号パンフレット、特表平10−507403号公報には、熱伝導性の凝縮捕集器とガス吸収性微粒子フィルターを組み合わせたフィルターを用いることが記載されている。本発明ではこれらを好ましく用いることができる。また、米国特許第4,518,845号明細書、特公平3−54331号公報には、フィルムからの蒸気を除去する装置とフィルムを伝熱部材へ押圧する加圧装置と伝熱部材を加熱する装置とを有する構成が記載されている。また、国際公開WO98/27458号パンフレットには、フィルムから揮発するカブリを増加させる成分をフィルム表面から取り除くことが記載されている。これらについても本発明では好ましく用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《熱現像画像記録材料の作製》
〔下引済み支持体の作製:ポリエチレンテレフタレート(PET)支持体の作製〕
テレフタル酸とエチレングリコールを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノール/テトラクロルエタン=6/4(質量比)中、25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化し、130℃で4時間乾燥した後、300℃で溶融後T型ダイから、静電印加した50℃のキャスティングドラム上に押し出し、熱固定後の膜厚が120μmになるような厚みの未延伸フィルムを作製した。これを、周速の異なるロールを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンターで4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定した後、これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後、テンターのチャック部をスリットした後、両端に厚み10μmのナーリングを幅1cmで施した。このようにして、幅(製膜幅)1.5m、2.5m、6.0mのPETフィルムを得た。
このPETフィルム(厚さ120μm)の両面に、8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引塗布液aを乾燥膜厚が0.8μmになるように塗布、乾燥させて下引層Aとした。また、反対側の面には、帯電防止加工した下記下引塗布液bを乾燥膜厚が0.8μmになるように塗布、乾燥させて帯電防止加工下引層Bとした。
〈下引塗布液a〉
固形分30%の共重合体ラテックス液(ブチルアクリレート/tert−ブチルアクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチルアクリレート=30/20/25/25(質量%)) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
ポリスチレン微粒子(平均粒径3μm) 0.05g
コロイダルシリカ(平均粒径90μm) 0.1g
水を加えて合計で1リットルにした。
〈下引塗布液b〉
SnO2/Sb(質量比:9/1 平均粒径0.18μm)
200mg/m2になる量
固形分30%の共重合体ラテックス液(ブチルアクリレート/スチレン/グリシジルアクリレート=30/20/40(質量%)) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水を加えて合計で1リットルにした。
(支持体の熱処理)
〈低張力熱処理〉
上記の下引済みの支持体の下引乾燥工程において、表1に示した条件で低張力熱処理を実施した。
〈後熱処理〉
上記低張力熱処理に引き続き、40℃のゾーンに15秒間通して後熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力は1.0MPaであった。
(スリット)
PET支持体の幅、オフセット量及びスリット幅が表1に示した値になるよう、下引き層塗設後の各PET支持体をスリットした。スリット後の両端に、幅10mm、高さ10μmのナーリングを付与して、支持体1〜6を作製した。
Figure 2005084603
〔各添加物の調製〕
(ハロゲン化銀乳剤Aの調製)
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して温度35℃、pHを3.0に合わせた。次いで、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと、塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃化カリウム(モル比:60/38/2のモル比)と、〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6モルと塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6モルとを含む水溶液を、pAg7.7に保ちながらコントロールドダブルジェット法で添加した。その後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加し、NaOH水溶液でpHを8、pAg6.5に調整することで還元増感を行い、平均粒子サイズ0.06μm、単分散度10%、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を得た。このハロゲン化銀乳剤にゼラチン凝集剤を添加して、凝集沈降させた後脱塩処理を行い、ハロゲン化銀乳剤Aを得た。
(ベヘン酸ナトリウム溶液の調製)
945mlの純水に、ベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g及びステアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に、高速で撹拌しながら1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液98mlを添加した。次に、濃硝酸0.93mlを加えた後、55℃に冷却して30分撹拌させてベヘン酸ナトリウム溶液を得た。
(プレホーム乳剤Aの調製)
上記のベヘン酸ナトリウム溶液に、前記調製したハロゲン化銀乳剤Aの15.1gを添加し、水酸化ナトリウム溶液でpH8.1に調整した後、1mol/Lの硝酸銀溶液147mlを7分間かけて加え、更に20分間撹拌し、限外濾過により水溶性塩類を除去した。得られたベヘン酸銀は、平均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であった。分散物フロックを形成後、水を取り除き、更に6回の水洗と水の除去を行った後、乾燥させてプレホーム乳剤Aを得た。
(感光性乳剤Aの調製)
得られたプレホーム乳剤Aに、ポリビニルブチラール(平均分子量3,000)のメチルエチルケトン溶液(17質量%)544gと、トルエン107gとを徐々に添加して混合した後に、0.5mmサイズのZrO2のビーズミルを用いたメディア分散機で2.75MPaで分散して、感光性乳剤Aを調製した。
〔熱現像画像記録材料1の作製〕
前記作製した支持体1上に、下記の各層を両面同時塗布し、熱現像画像記録材料Aを作製した。なお、乾燥は各々60℃で、15分間で行った。
(バック面側の塗布)
前記作製した支持体1の下引き層Bの上に、以下の組成の液を塗布した。
セルロースセルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液)
15ml/m2
染料1 7mg/m2
染料2 7mg/m2
単分散シリカマット剤(単分散度15%、平均粒子サイズ8μm単分散シリカ)
30mg/m2
817(CH2CH2O)12817 50mg/m2
817−C64−SO3Na 10mg/m2
Figure 2005084603
(画像形成層面側の塗布)
下記の方法に従って、支持体1上に画像形成層及び表面保護層を形成して、熱現像家蔵形成材料1を作製した。
〈画像形成層〉
支持体1の下引き層Aの上に、下記組成の液を塗布銀量が2.4g/m2になる様に塗布し乾燥した。なお、画像形成層用の塗布液は、有機溶媒としてメチルエチルケトン、トルエン、メタノール及びアセトンを50質量%含有する塗布液であった。
感光性乳剤A 240g
増感色素1(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml
臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml
酸化剤1(10%メタノール溶液) 1.2ml
2−4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液) 9.2ml
2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml
酸化剤(トリブロモメチルスルホキノリン 5%メタノール溶液) 17ml
フタラジン 0.6g
ヒドラジン誘導体1 0.3g
ヒドラジン誘導体2 0.3g
N−メチルフロヒドロキサム酸 0.3g
4−メチルフタル酸 0.25g
テトラクロロフタル酸 0.2g
現像剤1(20%メタノール溶液) 29.5ml
イソシアネート化合物(モーベイ社製、Desmodur N3300) 0.5g
1−シアノ−2−ヒドロキシアクリル酸エチル 0.2g
Figure 2005084603
〈表面保護層〉
以下の組成の液を、上記画像形成層の上に同時塗布して乾燥した。
アセトン 5ml/m2
メチルエチルケトン 21ml/m2
セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2
メタノール 7ml/m2
フタラジン 250mg/m2
単分散シリカマット剤(単分散度10%、平均粒子サイズ4μm) 70mg/m2
CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2 35mg/m2
817(CH2CH2O)12817 100mg/m2
817−C64−SO3Na 10mg/m2
〔熱現像画像記録材料2〜6の作製〕
上記熱現像画像記録材料1の作製において、支持体1に代えて、上記作製した支持体2〜6を用いた以外は同様にして、熱現像画像記録材料2〜6を作製した。
〔熱現像画像記録材料7、8の作製〕
(下引済支持体の作製)
前記作製した幅(製膜幅)が2.5mのPET支持体上に、下記の手順に従って、コロナ放電処理に引き続き、下引第1層、下引第2層、バック第1層、バック第2層を順次塗設して、下引済支持体を作製した。
〈コロナ放電処理〉
各下引層及びバック層の塗布に先立ち、PET支持体両面にコロナ放電処理(ピラー社製 ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、PET支持体の両面を室温下において20m/分で処理)を施した。この時の電流、電圧の読み取り値から、PET支持体には、0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることを確認した。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロールのギャップクリアランスは1.6mmであった。
〈下引第1層の塗設〉
上記コロナ放電処理済みのPET支持体上に、下記組成の水分散ラテックスをワイヤーバーを用いて乾燥膜厚が0.3μmとなるよう塗布し、次いで120℃で2分間乾燥して、下引第1層を設けた。
ブタジエン−スチレン共重合ラテックス(固形分43%、ブタジエン/スチレン質量比=32/68) 13ml
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩(8%水溶液)
7ml
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム(1%水溶液) 1.6ml
蒸留水 80ml
〈下引第2層の塗設〉
上記設けた下引第1層上に、下記の組成の水溶液をワイヤーバーを用いて乾燥膜厚が0.14μmとなるように塗布しして、下引第2層を設けた。なお、乾燥は120℃で2分間で行った。
ゼラチン 0.9g
メチルセルロース(メトローズSM15 置換度1.79〜1.83) 0.1g
酢酸(濃度99%) 0.02ml
蒸留水 99ml
〈バック第1層(導電性層)の塗設〉
上記下引層を塗設したのとは反対側の面に、下記組成の導電性素材を含むアクリルラテックス水分散液を、乾燥膜厚が0.2μmになるように塗布し、次いで180℃で30秒乾燥し、表面電気抵抗が1×106Ωのバック第1層を形成した。
アクリル樹脂水分散液(ジュリマ−ET410、固形分20質量%、日本純薬(株)製) 2.0質量部
酸化スズ−酸化アンチモン水分散物(平均粒径0.1μm、17質量%)
18.1質量部
ポリオキシエチレンフェニルエーテル 0.1質量部
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.2質量部
これに蒸留水を加えて、総量100質量部となるように調製した。
〈バック第2層(ポリオレフィンすべり層)の塗設〉
上記設けたバック第1層上に、下記組成のポリオレフィンラテックス水分散液を、乾燥膜厚が0.1μmになるように塗布し、次いで180℃で30秒乾燥して、バック第2層を形成した。
ポリオレフィン(ケミパールS−120、27質量%、三井石油化学(株)製)
3.0質量部
コロイダルシリカ(スノーテックスC、日産化学(株)製) 2.0質量部
エポキシ化合物(デナコールEX−614B、ナガセ化成(株)製) 0.3質量部
これに蒸留水を加えて、総量が100質量部になるように調製した。
(支持体の熱処理)
〈低張力熱処理〉
上記の下引済みの支持体の下引乾燥工程において、表1に示した条件で低張力熱処理を実施した。
〈後熱処理〉
上記低張力熱処理に引き続き、40℃のゾーンに15秒間通して後熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力は1.0MPaであった。
(スリット)
オフセット量及びスリット幅が表2に示した値になるよう、下引層塗設後の各PET支持体をスリットした。スリット後の両端に、幅10mm、高さ10μmのナーリングを付与して、支持体7、8を作製した。
Figure 2005084603
(各添加物の調製)
〈ハロゲン化銀乳剤Bの調製〉
水700mlにフタル化ゼラチン22g及び臭化カリウム30mgを溶解して、温度40℃にてpHを5.0に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと、臭化カリウムを含む水溶液をpAgを7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で10分間かけて添加した。次いで、K3[IrCl63-を8×10-6mol/Lと臭化カリウムを1mol/L含む水溶液を、pAgを7.7に保ちながら30分間かけて添加した。その後、pH5.9、pAg8.0に調整した。得られたハロゲン化銀粒子は、平均粒子サイズ0.07μm、投影面積直径の変動係数8%、(100)面積率86%の立方体のハロゲン化銀粒子であった。
上記調製したハロゲン化銀粒子を、温度60℃に昇温して、銀1モル当り8.5×10-5molのチオ硫酸ナトリウム、1.1×10-5molの2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニルジフェニルスルフィンセレニド、2×10-6molのテルル化合物−1、3.3×10-6モルの塩化金酸、2.3×10-4molのチオシアン酸を添加して、120分間熟成した。その後、温度を50℃にして8×10-4molの増感色素−Cを撹拌しながら添加し、更に3.5×10-2molの沃化カリウムを添加して30分間撹拌し、30℃に急冷して、ハロゲン化銀乳剤Bを調製した。
Figure 2005084603
〈有機酸銀微結晶分散物の調製〉
ベヘン酸40g、ステアリン酸7.3g及び蒸留水500mlを、90℃で15分間混合し、激しく撹拌しながら1mol/LのNaOH水溶液187mlを15分間かけて添加し、次いで1mol/Lの硝酸水溶液61mlを添加して50℃に降温した。次に、1mol/Lの硝酸水溶液124mlを添加し、そのまま30分間撹拌した。その後、吸引濾過で固形分を濾過し、濾水の伝導度が30μS/cmになるまで固形分を水洗した。こうして得られた固形分は、乾燥させないでウェットケーキとして取扱い、乾燥固形分34.8g相当のウェットケーキに対して、ポリビニルアルコール12g及び水150mlを添加し、良く混合してスラリーとした。次いで、平均直径0.5mmのジルコニアビーズ840gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4G−サンドグラインダーミル アイメックス(株)社製)にて5時間分散し、体積加重平均1.5μmの有機酸銀微結晶分散物を得た。粒子サイズの測定は、Malvern Insutruments Ltd.製 Master SaizerXにて行った。
〈素材固体微粒子分散物の調製〉
テトラクロロフタル酸、4−メチルフタル酸、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン、フタラジン、トリブロモメチルスルフォニルベンゼンの各固体微粒子分散物を調製した。
テトラクロロフタル酸に対して、ヒドロキシプロピルセルロース0.81gと水94.2mlとを添加して良く撹拌してスラリーとして10時間放置した。その後、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを100mlとスラリーとを一緒にベッセルに入れて有機酸銀微結晶分散物の調製に用いたものと同じ型の分散機で5時間分散してテトラクロロフタル酸の固体微結晶分散物を得た。固体微粒子の粒子サイズは70質量%が1.0μmであった。その他の各素材について、上記と同様の方法で、各固体微粒子分散物を調製した。
〈乳剤層塗布液の調製〉
先に調製した有機酸銀微結晶分散物に対し、下記の各組成物を添加して、乳剤層塗布液を調製した。
有機酸微結晶分散物 1モル
ハロゲン化銀乳剤B 0.05モル
バインダー:SBRラテックス(LACSTAR 3307B 大日本インキ化学工業(株)) 430g
テトラクロロフタル酸 5g
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサン 98g
フタラジン 9.2g
トリブロモメチルフェノルスルホン 12g
4−メチルフタル酸 7g
ヒドラジン造核剤 5.0×10-3mol/Ag1mol
《乳剤保護層塗布液の調製》
イナートゼラチンに対して、下記の各組成物を添加して乳剤保護層塗布液を調製した。
イナートゼラチン 10g
界面活性剤A 0.26g
界面活性剤B 0.09g
1,2−(ビスビニルスルホンアセトアミド)エタン 0.3g
水 64g
Figure 2005084603
(感光層塗布)
上記調製した乳剤層塗布液を、前記作製した支持体7、8の各下引層上に、それぞれ銀量として1.6g/m2になるように塗布した。次いで、乳剤層上に乳剤保護層塗布液をゼラチンの付量として1.8g/m2になるように塗布、乾燥して熱現像画像形成材料7、8を作製した。なお、作製に用いた各塗布層は、水の含有量が約75質量%、有機溶媒の含有量は1質量%以下であった。
《熱現像画像形成材料の評価》
上記作製した熱現像画像記録材料1〜8について、下記の方法に従って、平面性(波打ち高さ、中タルミ量)、120℃熱収縮及び取り扱い性の評価を行った。
〔平面性の評価〕
各試料をA2サイズに裁断し、発光時間10-4秒のキセノンフラッシュ光で網点のテストパターンを焼き付けた後、特表平7−505488号に記載の熱現像機を用いて150℃で30秒現像を行った後、前記式(1)に従って、ΔL1及びΔL1レンジの測定を行い、得られた結果より、平面性指数を求めた。
なお、ΔL1及びΔL1レンジの測定は、熱現像前の試料の長さを23℃55%RH環境下で2時間以上調湿した後測定し、熱現像を行った後、23℃55%RH環境下で2時間以上調湿した後再度測定し、前記式(1)に従って求めた。
また、上記試料について、端部に発生する波打高さ及び幅方向の中央部に発生した中たるみ量の測定を行った。
〔120℃熱収縮の測定〕
各試料をA2サイズに裁断し、発光時間10-4秒のキセノンフラッシュ光で網点のテストパターンを焼き付けた後、特表平7−505488号に記載の熱現像機を用いて120℃で30秒現像を行った後、前記式(3)、(4)に従って熱寸法変化率ΔL3、ΔL4の測定を、また前記式(5)、(6)に従って、ΔL2レンジ、ΔL3レンジの測定を行った。
なお、ΔL3及びΔL4の測定は、熱現像前の試料の長さを23℃55%RH環境下で2時間以上調湿した後測定し、熱現像を行った後、23℃55%RH環境下で2時間以上調湿した後再度測定し、前記式(3)、(4)に従って求めた。また、ΔL2レンジ、ΔL3レンジは、長手方向及び幅手方向で、20箇所で測定を行い最大値及び最小値を求め、その差を算出した。
〔取り扱い性の評価〕
A2サイズに裁断した各試料を、発光時間10-4秒のキセノンフラッシュ光で網点のテストパターンを焼き付けた後、特表平7−505488号に記載の熱現像機を用いて120℃で30秒現像を行った。これをPS版に焼き付けた後、下記の評価を行った。
(焼き付けボケの評価)
焼付ボケは、ベースが浮き上がるため密着露光できず、ピント不良が発生するものであり、PS版に焼き付けた画像をルーペ観察し、網点のボケや網点のくっつきの有無を確認し、焼き付けボケの発生が無いものを○、発生が認められるものを×とした。
(焼き付けズレの評価)
焼き付けズレの評価は、A2サイズ原版の長手側両端に付けた印が、重ね焼きした時にズレているかどうかを、ルーペをのぞいて確認、判定し、焼き付けズレの発生が無いものを○、発生が認められるものを×とした。
(焼き付け感度低下の評価)
焼き付けPS版の網点を目視観察し、網点がほぼ再現されているものを○、網点が著しく小さくなったものを、感度低下と判断し、×と判定した。
以上により得られた結果を、表3に示す。
Figure 2005084603
表3に示す結果より明らかなように、本発明に係る式(1)で定義される平面性指数が0.005以上、0.08以下である本発明の熱現像画像記録材料は、比較例に対し、焼き付けボケ、焼き付けズレ及び焼き付け感度低下の発生がなく、取り扱い性に優れていることが分かる。また、本発明の熱現像画像記録材料を用いて形成した画像は、比較例に対し高精細で硬調画像な画像であることを確認することができた。
実施例2
《熱現像画像記録材料の作製》
実施例1で作製した下引き済支持体である支持体1〜8上に、下記の各構成層を塗設して、熱現像画像記録材料9〜16を作製した。
《バック層及びバック保護層の形成》
(塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製)
塩基プレカーサー化合物(BP−41)の64gを、ジフェニルスルホンの28g及び界面活性剤(花王(株)製、デモールN)の10g、蒸留水の220mlと混合し、混合液をサンドミル(アイメックス(株)製、1/4 Gallonサンドグラインダーミル)を用いてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分散液(a)を得た。
(塩基消色型染料の固体微粒子分散液の調製)
塩基消色型染料(1)の19.6g及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(アイメックス(株)製、1/4 Gallonサンドグラインダーミル)を用いてビーズ分散して、平均粒子径0.2μmの染料固体微粒子分散液を得た。
(比較のイエロー染料Aの固体微粒子分散液の調製)
イエロー染料Aの19.6g及びp−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5.8gを蒸留水305mlと混合し、混合液をサンドミル(アイメックス(株)製、1/4 Gallonサンドグラインダーミル)を用いてビーズ分散して、平均粒子径0.2μmの比較のイエロー染料Aの固体微粒子分散液を得た。
(バック層塗布液の調製)
ゼラチン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記の塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)70g、上記の塩基消色型染料〔例示化合物(1)〕の固体微粒子分散液56g、マット剤として単分散ポリメチルメタクリレート粒子(平均粒子サイズ8μm)1.5g、防腐剤としてベンゾイソチアゾリノン0.03g、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム2.2g、水844mlを混合して、バック層塗布液の調製した。
(バック保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.2g、N,N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)2.4g、tert−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、フッ素系界面活性剤(F−1:N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピルアラニンカリウム塩)37mg、フッ素系界面活性剤(F−2:ポリエチレングリコールモノ(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−プロピル−2−アミノエチル)エーテル[エチレンオキサイド平均重合度15])0.15g、フッ素系界面活性剤(F−3)64mg、フッ素系界面活性剤(F−4)32mg、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合質量比:5/95)8.8g、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.8g、水を950ml混合して、バック保護層塗布液を調製した。
Figure 2005084603
(バック層及びバック保護層の塗布)
実施例1で作製した支持体1〜8のバック面側に、上記バック層塗布液を固体微粒子染料の固形分塗布量が0.04g/m2となるように、また、バック保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布、乾燥して、バック層バック保護層を設けた。
《画像記録層及び保護層1の形成》
(臭化銀乳剤Aの調製)
水700mlに、アルカリ処理ゼラチン(カルシウム含有量として2700ppm以下)11g及び臭化カリウム30mg、4−メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.3gを溶解して温度40℃にてpHを6.5に合わせた後、硝酸銀18.6gを含む水溶液159mlと、臭化カリウムを1mol/L、(NH42RhCl5(H2O)を5×10-6mol/L及びK3IrCl6を2×10-5mol/Lで含む水溶液とを、pAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で6分30秒間かけて添加した。次いで、硝酸銀55.5gを含む水溶液476mlと、臭化カリウムを1mol/L及びK3IrCl6を2×10-5mol/L含むハロゲン塩水溶液とを、pAg7.7に保ちながらコントロールダブルジェット法で28分30秒間かけて添加した。その後、pHを下げて凝集沈降させて脱塩処理をし、平均分子量15,000の低分子量ゼラチン(カルシウム含有量として20ppm以下)51.1g加え、pH5.9、pAg8.0に調整した。得られたハロゲン化銀粒子は、平均粒子サイズ0.08μm、投影面積変動係数9%、(100)面比率90%の立方体臭化銀粒子であった。
こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に昇温して、銀1mol当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリウム76μmolを添加し、3分後にトリエチルチオ尿素71μmolを添加した後、100分間熟成し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンを5×10-4mol、化合物Aを0.17g加えた後、40℃に降温させた。その後、40℃に温度を保ち、ハロゲン化銀1molに対してベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%含む水溶液を7×10-3mol、4.7×10-2molの臭化カリウム(水溶液として添加)と、3.0×10-3molの分光増感色素(例示化合物(I−6) メタノール溶液として添加)を攪拌しながら添加して、20分後に30℃に急冷した。更に、水を加えて1kg当たり含まれる銀量が38.2gとなるようにして、臭化銀乳剤Aを調製した。
Figure 2005084603
(脂肪酸銀分散物の調製)
ベヘン酸(ヘンケル社製、製品名Edenor C22−85R)87.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、tert−ブタノール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのtert−ブタノールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は、硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液の添加を開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させることにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均投影面積0.52μm、平均粒子厚み0.14μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった。
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、商品名:PVA−217)19.3kg及び水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業社製:PM−10型)で予備分散した。
次に、予備分散済みの原液を、分散機(マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション社製、商品名:マイクロフルイダイザーM−610、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を123MPaに調節して、3サイクルの処理を行い、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は、蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
(還元剤分散物Aの調製)
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)−3,5,5−トリメチルヘキサンを10kg、及び変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水7.2kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて4時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調整し、還元剤分散物Aを得た。
こうして得た還元剤分散物Aに含まれる還元剤粒子は、メジアン径0.46μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
(有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物Aを10kgと、変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液を10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液を639gと、サーフィノール104E(日信化学(株)製)を400gと、メタノール640gと水16kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、水を加えて有機ポリハロゲン化合物Aの濃度が25質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物を得た。こうして得た有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子は、メジアン径0.36μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径の変動係数18%であった。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
(有機ポリハロゲン化合物B分散物の調製)
有機ポリハロゲン化合物Bの5kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液の2.5kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液の213gと、水10kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩2.5gと水を加えての有機ポリハロゲン化合物Bの濃度が23.5質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子分散物を得た。こうして得た有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子は、メジアン径0.38μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径の変動係数20%であった。得られた分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
Figure 2005084603
(6−イソプロピルフタラジン化合物の分散液の調製)
室温で水62.35gを攪拌しながら変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)2.0gが塊状にならない様に添加し、10分間攪拌混合した。その後、加熱して内温が50℃になるまで昇温した後、内温50〜60℃の範囲で90分間攪拌し、均一に溶解させた。次いで、内温を40℃以下に降温し、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−217)の10質量%水溶液25.5g、トリプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.0g、及び6−イソプロピルフタラジン(70質量%水溶液)7.15gを添加し、30分攪拌し透明分散液100gを得た。得ら
れた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
(現像促進剤Wの固体微粒子の固体微粒子分散物の調製)
現像促進剤Wの5kgと、変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の20質量%水溶液の10kgと、水20kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて5時間分散したのち、水を加えて現像促進剤Wの濃度が20質量%になるように調整し、現像促進剤Wの固体微粒子分散物を得た。こうして得た現像促進剤Wの固体微粒子分散物に含まれる現像促進剤粒子は、メジアン径0.4μm、最大粒子径2.5μm以下、平均粒子径の変動係数21%であった。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
Figure 2005084603
(超硬調化剤Hの固体微粒子分散物の調製)
超硬調化剤Hの4kgに対し、クラレ(株)製、ポバールPVA−217の1kgと水36kgとを添加してよく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型ビーズミル(アイメックス(株)製、UVM−2)にて12時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩4gと水を加えて、超硬調化剤Hの濃度が10質量%になるように調製し、超硬調化剤Hの固体微粒子分散物を得た。こうして得た超硬調化剤Hの固体微粒子分散物に含まれる超硬調化剤の粒子は、メジアン径0.34μm、最大粒子径3.0μm以下、粒子径の変動係数19%であった。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
Figure 2005084603
(サリチル酸誘導体分散物Aの調製)
サリチル酸誘導体Aの30gと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)、MP−203)の30g、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(竹本油脂(株)、商品名:レオポールBX)の0.6gに水210gを添加し、よく混合しスラリーを調製した。このスラリーを、分散ビーズ(平均直径0.5mmのジルコニア粒)960gとともにベッセルに入れ、分散機サンドミル(アイメックス(株)製、1/4Gサンドグラインダーミル)で5時間分散した。次いで、水105gで希釈して分散物を取り出し、平均粒子サイズ0.4μmのサリチル酸誘導体分散物Aを得た。
Figure 2005084603
(塗布液の調製)
〈画像形成層塗布液の調製〉
下記各添加剤を順次混合して、画像形成層塗布液を調製した。調製後、該塗布液の減圧脱気(圧力55kPa)を45分間行った。塗布液のpHは7.5、粘度は25℃で45mPa・sであった。
脂肪酸銀分散物 72g
バインダー;ラックスター3307B(43.5質量% 大日本インキ化学工業(株)製、SBRラテックスでガラス転移温度17℃) 41g
還元剤A分散物 17.3g
有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子分散物 6.5g
有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子分散物 2.2g
サリチル酸誘導体分散物A 4.2g
エチルチオスルホン酸ナトリウム(1質量%水溶液) 1.4g
ベンゾトリアゾール(5質量%水溶液) 1.2g
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235、5質量%水溶液)
9.9g
6−イソプロピルフタラジン化合物の分散物 12.7g
ハロゲン化銀乳剤A 18.6g
超硬調化剤Hの固体微粒子分散物 6.8g
防腐剤:化合物A(塗布液中に40ppm) 2.5mg/m2
(保護層塗布液の調製)
メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度46℃(計算値) 固形分濃度として21.5質量%、化合物Aを100ppm含有させ、更に造膜助剤として化合物Bをラテックスの固形分に対して15質量%含有させ、溶液のガラス転移温度を24℃とした、平均粒子径116nm)の943gに水を加え、これに化合物Cを1.62g、オルトリン酸二水素ナトリウム・二水和物を固形分として0.69g、現像促進剤Wを固形分として11.55g、マット剤(ポリスチレン粒子、平均粒子サイズ7μm、平均粒子サイズの変動係数8%)を1.58g及びポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235)を29.3g加え、更に水を加えて保護層塗布液(メタノール溶媒を0.8質量%含有)を調製した。調製後、減圧脱気(圧力47kPa)を60分間行った。塗布液のpHは5.5、粘度は25℃で45mPa・sであった。
(オーバーコート第一層塗布液の調製)
メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度として21.5質量%、化合物Aを100ppm含有させ、更に造膜助剤として化合物Bをラテックスの固形分に対して15質量%含有させ、溶液のガラス転移温度を24℃とした、平均粒子径74nm)の625gに水を加え、これに化合物Dを11.7g、化合物Fを2.7g及びポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235)を11.5g加え、更に水を加えてオーバーコート第一層塗布液(メタノール溶媒を0.1質量%含有)を調製した。調製後、減圧脱気(圧力47kPa)を60分間行った。塗布液のpHは2.6、粘度は25℃で30mPa・sであった。
(オーバーコート第二層塗布液の調製)
メチルメタクリレート/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=58.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)のポリマーラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度46℃(計算値)、固形分濃度として21.5質量%、化合物Aを100ppm含有させ、更に造膜助剤として化合物Bをラテックスの固形分に対して15質量%含有させ、溶液のガラス転移温度を24℃とした、平均粒子径116nm)の649gに水を加え、カルナヴァワックス(中京油脂(株)製、セロゾール524:シリコーン含有量として5ppm未満)の30質量%溶液を18.4g、化合物Cを1.85g、化合物Eを1.0g、マット剤(ポリスチレン粒子、平均粒子サイズ7μm、平均粒子サイズの変動係数8%)を3.45g及びポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA−235)を26.5g加え、更に水を加えてオーバーコート第二層塗布液(メタノール溶媒を1.1質量%含有)を調製した。調製後、減圧脱気(圧力47kPa)を60分間行った。塗布液のpHは5.3、粘度は25℃で25mPa・sであった。
Figure 2005084603
(塗布)
〈熱現像画像形成材料9の作製〉
前記のバック層を設けた支持体1を用いて、バック層とは反対側の面に、特開2000−2964号公報の明細書の図1で開示されているスライドビート塗布方式を用いて、上記画像形成層塗布液を塗布銀量として1.5g/m2、更にその上に、前記保護層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.29g/m2になるように同時重層塗布した。その後、保護層の上に前記オーバーコート第一層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.97g/m2、前記オーバーコート第二層塗布液をポリマーラテックスの固形分塗布量が1.07g/m2になるように同時重層塗布、乾燥して、熱現像画像記録材料9を作製した。
〈熱現像画像形成材料10〜16の作製〉
上記熱現像画像形成材料9の作製において、バック層を設けた支持体1に代えて、バック層を設けた支持体2〜8を用いた以外は同様にして、熱現像画像形成材料10〜16を作製した。
《熱現像画像形成材料の評価》
上記作製した熱現像画像記録材料9〜16について、実施例1に記載の方法と同様にして、平面性(波打ち高さ、中タルミ量)、120℃熱収縮及び取り扱い性の評価を行い、得られた結果を表4に示す。
Figure 2005084603
表4に示す結果より明らかなように、本発明に係る式(1)で定義される平面性指数が0.005以上、0.08以下である本発明の熱現像画像記録材料は、比較例に対し、焼き付けボケ、焼き付けズレ及び焼き付け感度低下の発生がなく、取り扱い性に優れていることが分かる。また、本発明の熱現像画像記録材料を用いて形成した画像は、比較例に対し高精細で硬調画像な画像であることを確認することができた。

Claims (7)

  1. 支持体上に、非感光性有機銀塩、有機銀塩の還元剤、感光性ハロゲン化銀、超硬調化剤、及び有機バインダーを含む画像形成層を有し、波長500nm以下の光で画像露光される熱現像画像記録材料において、下記式(1)で定義される平面性指数が0.005以上、0.08以下であることを特徴とする熱現像画像記録材料。
    式(1)
    平面性指数=(ΔL1の幅方向平均値)×(ΔL1レンジ)
    〔式中、ΔL1(%)=100×{(150℃における長手方向寸法)−(25℃における長手方向寸法)}/(25℃における長手方向寸法)、
    ΔL1レンジ(%)={(ΔL1の幅方向最大値)−(ΔL1の幅方向最小値)}を表す。〕
  2. 前記ΔL1が、0.1%以上、0.6%以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱現像画像記録材料。
  3. 波打ち高さが、0mm以上、25mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱現像画像記録材料。
  4. 中たるみ量が、0mm以上、50mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱現像画像記録材料。
  5. 下記式(2)、(3)で定義される120℃における熱寸法変化率ΔL2、ΔL3が、各々−0.05%以上、0.05%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱現像画像記録材料。
    式(2)
    ΔL2(%)=100×{(120℃における長手方向寸法)−(25℃における長手方向寸法)}/(25℃における長手方向寸法)
    式(3)
    ΔL3(%)=100×{(120℃における幅手方向寸法)−(25℃における幅手方向寸法)}/(25℃における幅手方向寸法)
  6. 下記式(4)、(5)で定義されるΔL2レンジ、ΔL3レンジが、各々0%以上、0.03%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱現像画像記録材料。
    式(4)
    ΔL2レンジ(%)={(ΔL2の長手方向最大値)−(ΔL2の長手方向最小値)}
    式(5)
    ΔL3レンジ(%)={(ΔL3の幅手方向最大値)−(ΔL3の幅手方向最小値)}
  7. 下記一般式(1)または(2)で表される分光増感色素を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱現像画像記録材料。
    Figure 2005084603
    〔式中、Z1及びZ2は、各々独立に無置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたピロリン環、チアゾリン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、ナフトセレナゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ナフトオキサゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R11及びR12は各々炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基またはスルホアルキル基を表し、n1及びn2は各々0または1を表し、X-はアニオンを表し、m1は1または2を表す。〕
    Figure 2005084603
    〔式中、Z3は非置換またはそれぞれハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、もしくはフェニル基で置換されたオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環またはピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、Z4は2−チオヒダトイン環、2−チオオキサゾリジン−2,4′−ジオン環またはローダニン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、R14は炭素数1〜4のアルキル基、カルボキシアルキル基または水素原子を表し、R15は炭素数1〜4のアルキル基または水素原子を表し、n3は0または1を表す。〕
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