JP2005083593A - サセプタ冷却システム - Google Patents

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豊太郎 河邊
Yasumasa Yamamoto
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Abstract

【課題】 分離流によって生じ得る伝熱抵抗の増加を抑制して冷却効率を飛躍的に向上させることができ、また、サセプタ表面における温度差を好適に解消することができる直接冷却方式のサセプタ冷却システムを提供する。
【解決手段】 サセプタ2内の冷媒流路3に、気液混相の冷凍機冷媒が直接供給されるように構成し、サセプタ2が蒸発器として機能するように構成し、サセプタ2内の冷媒流路3には、伝熱面に対する液相冷媒の接触面積を増大させるための手段として、板状の突起物29が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウェーハの製造工程(プラズマによるドライエッチング、ビア開孔、クリーニング、CVDによるビア内面被覆等)、更に、液晶(LCD)、Electro−Luminescence(EL)、太陽電池などの製造工程における発生熱除去技術に関し、特に、サセプタ上に載置したウェーハ等の被処理体を効率良く、均一に冷却することができるサセプタ冷却システムに関する。
半導体ウェーハのエッチング処理(ドライエッチング処理、化学気相成長による皮膜形成、或いは、ウェーハ表面のプラズマクリーニング等)を行う装置において、被処理体であるウェーハを支持するサセプタは、本来の機能として、静電チャック機能と、下部電極としての機能を有している。
更に、サセプタは、上記のような機能のほか、冷却機能をも有していることが必要となり、しかも、単にウェーハを冷却できるというだけでなく、表面温度が均一となるように冷却できることが必要となる。エッチング処理が行われる場合、サセプタの上方に設置されたプラズマ発生源と、サセプタ上面に配置された下部電極との間にプラズマが発生し、サセプタ上に保持されたウェーハ表面にイオン等が激突することによって、ウェーハ表面は加熱されることになるが、製品の歩留まりを向上させるためには、表面温度が均一となるように冷却しなければならないからである。
従来のサセプタにおいては、このような冷却機能は、サセプタ内部に形成された冷媒流路と、この流路内へ冷媒を供給し、循環させるための冷媒供給装置(チラー等)とからなる冷却システムによって実現されており、また、冷却システムを構成する冷媒供給装置としては、「二段冷却方式」のものが採用されている。
二段冷却方式の冷媒供給装置は、基本的には、二種類の冷媒(一次冷媒と二次冷媒)、蒸気圧縮型冷凍機、及び、冷凍機の構成要素である熱交換器(蒸発器)等によって構成され、一次冷媒を、冷凍機によって冷却しつつ閉鎖管路内にて循環させ、熱交換器(蒸発器)において一次冷媒と二次冷媒とを熱交換させて二次冷媒を冷却し、この二次冷媒によって対象物を冷却するようになっている。
つまり、従来のサセプタにおいては、二次冷媒が冷媒流路に供給され、二次冷媒によってウェーハが冷却されるようになっている。尚、二段冷却方式の冷媒供給装置において使用される二次冷媒は、通常は液状であり、フッ素系不活性液体などの液状の冷媒(例えば、スリーエム社の「フロリナート」(商品名)等)が一般的である。一方、冷凍機内の一次冷媒としては、気液混相の冷媒(例えば、R410A、R407C等のHFC系の冷凍機冷媒、ブタンなどの炭化水素冷凍機冷媒、二酸化炭素、或いは、アンモニア等)が、一般的に使用されている。
上述の通り、従来のサセプタに装備されている冷却システムは、殆どのものが二段冷却方式を採用しており、液状の冷媒が、サセプタ内の冷媒流路へ供給されるようになっているが、二段冷却方式の冷却システムにおいては、冷却対象となるウェーハが、二次冷媒を介して間接的に冷却されることになるため、必ずしも冷却効率が良いとは言えない。
そこで、本発明の発明者らは、サセプタの冷却システムとして、他の方式(例えば、直接冷却方式)を適用することによって、ウェーハの冷却効率を向上させることができるか否かについて研究を行った。
直接冷却方式は、冷凍機冷媒(二段冷却方式における一次冷媒)によって冷却対象物を直接冷却する方式である。サセプタの冷却システムにおいてこの方式を採用した場合、気液混相の冷凍機冷媒が、サセプタの冷媒流路へ直接供給されることになる。
この方法による場合、冷凍機冷媒を冷媒流路内にて沸騰させることによって、サセプタと冷媒との間の伝熱抵抗を小さくすることが可能となり(沸騰伝熱利用の効果)、これにより冷却効率を向上させることができ、これにより、ウェーハ表面における温度差を解消して、ウェーハを均一に冷却し、製品の歩留まりを向上させることができる。また、二次冷媒、ポンプ、及び、熱交換器等が不用となるため、二段冷却方式の従来装置と比較して装置構成をシンプルにすることができる。
このように、サセプタの冷却システムとして、直接冷却方式のものを適用した場合、「冷却効率の向上」をはじめとして、様々な効果を期待することができる。しかしながら、「直接冷却方式の冷却システムを備えたサセプタ」は、未だ実用化されるには至っていない。その理由は、サセプタの冷媒流路内に導入しようとする冷凍機冷媒が、「液状」ではなく、「気液混相」であるために、様々な問題(気液混相流特有の問題)が生じ、それらが障害となっているからである。
この点について具体的に説明すると、一般的なサセプタは、その上面にウェーハを保持するようになっており、サセプタ上面が水平となるように設置されている。従って、サセプタ内の冷媒流路は、導入された冷媒が水平方向に流下するように構成されている。このような冷媒流路に、気液混相の冷媒を導入すると、本来は気液混相状態のまま流下すべき冷媒が、上下層に分離して流下する(冷媒流路の床面側には液相冷媒が流れ、冷媒流路の天井面側には気相冷媒が流れる)という現象が生じる可能性がある。尚、このような流動形態を「層状流」、或いは、「波状流」と言い、これらを総称して「分離流」と言う。
このような現象が生じた場合、冷媒流路内スペースのうち、天井面(伝熱面として最も有効な面)に接するスペースが気相領域となり、気相冷媒が伝熱抵抗となってしまうことになり、その結果、沸騰伝熱利用の効果が打ち消されてしまう可能性がある。
このように、気液混相の冷媒をサセプタの冷媒流路に導入しようとする場合、分離流(層状流や波状流)という流動形態で冷媒が流下する可能性があり、冷媒流路内でこのような現象が生じると、熱伝達特性が不均一となり、その結果、冷却効率が低下し、サセプタ表面における温度差を有効に解消できないという問題がある。
本発明は、これらの問題を解決すべくなされたものであって、分離流によって生じ得る伝熱抵抗の増加を抑制し、サセプタ表面における温度差を好適に解消することができる、直接冷却方式のサセプタの冷却システムを提供することを目的とする。
本発明に係るサセプタ冷却システムは、サセプタ内の冷媒流路に、気液混相の冷凍機冷媒が直接供給されるように構成されていることを特徴としており、気液混相の冷凍機冷媒を冷媒流路に直接供給することによって、従来の二段冷却方式の冷却システムと比べ、被処理体を効率良く冷却することができる。
尚、冷媒流路内に供給される冷凍機冷媒としては、HFC系の冷凍機冷媒、炭化水素冷凍機冷媒、二酸化炭素、或いは、アンモニアを使用することが好ましい。また、冷媒流路内において、冷凍サイクルの蒸発過程である「液相冷媒の蒸発」が行われるように構成し、サセプタを蒸発器として機能させることが好ましい。この場合、沸騰伝熱を利用してサセプタ乃至は被処理体(ウェーハ等)を直接冷却することができるので、二段冷却方式による従来のサセプタ冷却システムと比べ、冷却効率を飛躍的に向上させることができる。
また、サセプタ内の冷媒流路には、伝熱面に対する液相冷媒の接触面積を増大させるための手段が設けられていることが好ましい。尚、その手段としては、例えば、板状の突起物、或いは、多孔偏流板などを用いることができる。
板状の突起物を設ける場合には、その上端面が冷媒流路の天井面に接するように、かつ、その下端面と冷媒流路の床面との間に、所定のスペースが形成されるように配置することが好ましい。このような板状の突起物を設けた場合、分離流(例えば、層状流、波状流)という流動形態で冷媒が流下するような現象が生じた場合でも、気相冷媒による伝熱抵抗の増大を好適に抑制することができ、冷却効率を向上させることができる。
一方、多孔偏流板を設ける場合、小孔の出口側の位置が、入口側よりも高くなるような状態で冷媒流路内に配置することが好ましい。より具体的には、冷媒の偏流角度(小孔の軸線と冷媒流路の床面との角度)が30〜60°の範囲となるように多孔偏流板を設置することが好ましい。
上述の通り、本発明による場合、従来の二段冷却方式に代えて、直接冷却方式を採用し、気液混相の冷凍機冷媒をサセプタの冷媒流路内に直接供給し、被処理体を直接冷却することができるので、従来方式による場合と比べ、冷却効率を飛躍的に向上させることができる。
また、気液混相状態の冷媒をサセプタ内の冷媒流路に導入した場合、「気相冷媒による伝熱抵抗の増大」など、気液混相流特有の問題が生じる可能性があるが、本発明においては、液相冷媒の接触面積を増大させるための手段(板状の突起物、多孔偏流板等)を冷媒流路内に設けることにより、そのような問題を解消し、冷却効率の向上、被処理体の均一な冷却等の効果を期待することができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明「サセプタ冷却システム」を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、半導体ウェーハのエッチング装置に適用した本発明「サセプタ冷却システム1」の第1の実施形態の概略図である。このサセプタ冷却システム1は、基本的には、サセプタ2と、このサセプタ2内に形成された冷媒流路3と、この冷媒流路3に冷媒を供給する冷媒供給装置4とによって構成されている。尚、本発明のサセプタ冷却システム1は、直接冷却方式を採用しており、冷凍機冷媒(R410A、R407C等のHFC系の冷凍機冷媒、ブタンなどの炭化水素冷凍機冷媒、二酸化炭素、或いは、アンモニアなど)が、冷媒供給装置4から冷媒流路3へ直接供給されるようになっている。
サセプタ2の冷媒流路3は、冷媒供給管9、及び、冷媒排出管10を介して冷媒供給装置4と接続されており、冷媒供給装置4から供給される冷媒は、冷媒供給管9を通って冷媒流路3内に流入し、冷媒流路3内を流下しながら、沸騰伝熱(蒸発熱伝達)によってウェーハ11の熱を吸収(冷却)し、その後、冷媒流路3から排出されて、冷媒排出管10を通って再び冷媒供給装置4へと戻り、循環するようになっている。
冷媒供給装置4は、冷凍サイクルを成す基本的要素である圧縮機5、凝縮器6、膨張弁7、及び、ホットガスバイパス8によって構成されている。尚、冷凍サイクルを構成するには、これらの要素のほかに蒸発器が必要となるが、このサセプタ冷却システム1においては、蒸発器は冷媒供給装置4内には設けられておらず、後述するように、サセプタ2が蒸発器として機能するようになっている。
ここで、サセプタ2及び冷媒流路3の構造について詳細に説明する。図2は、図1に示したサセプタ2の水平断面の拡大図であり、図3は、垂直断面の拡大図である。
サセプタ2は、アルミニウム合金などの材料を加工することによって成形されており、図2及び図3に示されているように、円柱状の外観を呈するとともに、内側に環状の中空部分を有している。
尚、このサセプタ2の上面には、図3に示されているように、ウェーハ11とほぼ同じ大きさに成形された電極シート13が取り付けられている。この電極シート13は、ポリイミド樹脂フィルムに銅箔などの導電膜を接着した構造となっており、下部電極として機能するほか、ウェーハ11を吸着保持する機能(静電チャック機能)を有している。
サセプタ2の中心部には、ガス供給路14が形成されている。このガス供給路14を介して、電極シート13の上方へヘリウムガスが供給され、ウェーハ11と電極シート13との間にガス層15が形成されるようになっており、これにより、電極シート13とウェーハ11との間における接触熱抵抗が低減されるようになっている。
サセプタ2の内側に形成されている環状の中空部分は、サセプタ2の軸線を中心とする仮想円上、及び、その同心円上に配置された二枚のC字状の仕切板16(内側仕切板16a、外側仕切板16b)、及び、半径方向に延出する直状の仕切板17によって仕切られ、これらにより、サセプタ2の内部には、三つの環状路(内側環状路18a、中間環状路18b、外側環状路18c)からなる冷媒流路3が形成されている。
三つの仕切板のうち、直状の仕切板17は、サセプタ2の中心側内壁19から外周側内壁20まで達し、更に、床面から天井面まで密に閉塞するように取り付けられており、内部に導入された冷媒が、この直状の仕切板17を越えて周回方向へ流下することを阻止できるような構造となっている。
尚、図2において、27はサセプタ2の支持軸、21は、図1に示した冷媒供給管9に接続された冷媒流入口、また、22は、冷媒排出管10に接続された冷媒排出口である。冷媒流入口21は、中心側内壁19と直状の仕切板17との接続部分に近い位置に開口しており、一方、冷媒排出口22は、外周側内壁20と直状の仕切板17との接続部分に近い位置であって、直状の仕切板17を挟んで、冷媒流入口21とは反対側の位置に配置されている。
二枚のC字状の仕切板のうち、内側仕切板16aは、冷媒流入口21に近い方の端部23aが直状の仕切板17に接続され、反対側の端部23bは、解放された状態となっている。一方、外側仕切板16bは、冷媒排出口22に近い方の端部24aが直状の仕切板17に接続され、反対側の端部24bは、解放された状態となっている。
従って、中心側内壁19と内側仕切板16aとの間に形成された内側環状路18aと、内側仕切板16aと外側仕切板16bとの間に形成された中間環状路18bとは、連絡部25(内側仕切板16aの解放された端部23bと直状の仕切板17との間に形成されたスペース)において連通し、外側仕切板16bと外周側内壁20との間に形成された外側環状路18cと、中間環状路18bとは、連絡部26(外側仕切板16bの解放された端部24bと直状の仕切板17との間に形成されたスペース)において連通した状態となっている。
尚、図2及び図3に示されているように、冷媒流路3を構成する内側環状路18a、中間環状路18b、及び、外側環状路18cには、伝熱フィン28が、各環状路につきそれぞれ二枚ずつ、同心円上に配置されている。これらの伝熱フィン28は、伝熱面積を増加させることによって伝熱効率を向上させるためのものであり、それらの上端はいずれも冷媒流路3の天井面に接し、下端は冷媒流路3の床面に接するように設置されている。
次に、図1、図2、及び、図3を用いて、本発明に係るサセプタ冷却システム1の作用について説明する。このサセプタ冷却システム1においては、前述したように、冷媒は、冷媒供給管9(図1参照)を介して、冷媒供給装置4からサセプタ2の冷媒流路3へと供給されるようになっている。そして、冷媒流路3内に導入された冷媒は、内側環状路18a、中間環状路18b、及び、外側環状路18cを順次流下して冷媒流路3から排出されることになる。
サセプタ2内に導入された冷媒が、このようにして冷媒流路3内を流下していく際、ウェーハ11(図3参照)表面の入熱が、ガス層15、電極シート13、及び、サセプタ2の上部を経て、伝熱面(サセプタ2の天井面、内側仕切板16a、外側仕切板16b、伝熱フィン28、及び、サセプタ2の床面)から冷媒に伝わっていくことになる。
このとき、気液混相状態の冷媒のうち、液相の冷媒は、伝熱量に応じて沸騰、蒸発することになり、ウェーハ11から伝導された熱を潜熱として吸収することになる。そして、当初は気液混相状態にて冷媒流路3内に導入された冷媒は、冷媒流路3内を流下する間に液相冷媒がすべて蒸発し、最終的には、気相状態にて冷媒排出口22から排出される。
このように、冷媒流路3内においては、冷凍サイクルの蒸発過程である「液相冷媒の蒸発」が行われる。つまり、本発明のサセプタ冷却システム1においては、サセプタ2は、蒸発器として機能することになる。従って、沸騰伝熱を利用してサセプタ2乃至はウェーハ11を直接冷却することができるので、二段冷却方式による従来のサセプタ冷却システムと比べ、冷却効率を飛躍的に向上させることができる。
尚、本実施形態においては、上述したようにサセプタ2が「蒸発器」を兼ねているため、「独立した装置としての蒸発器」は、このサセプタ冷却システム1には含まれていない。但し、サセプタ2における冷却温度の均一性を優先させるため、「独立した装置としての蒸発器」(サセプタ2を「第1の蒸発器」と考えた場合においては「第2の蒸発器」)を、このサセプタ冷却システム1に付加することもできる。
このような第2の蒸発器を別個に設けた場合、サセプタ2内の気相冷媒が過熱されることにより、サセプタ2の温度が部分的に上昇して、冷却温度の均一性が損なわれる、という問題を回避することができる。
より具体的に説明すると、気液混相状態で導入した冷媒を冷媒流路3内において完全に気化させると、その完全気化の時点からサセプタ2外へ排出されるまでの間においては、冷媒(気相状態)は、ウェーハ11からの伝熱を潜熱として吸収することができず、伝熱量に応じて過熱されることになり、サセプタ2の温度がその部分だけ上昇してしまう可能性がある。
このような問題を回避するためには、冷媒排出口22の直前で冷媒が完全に気化するように、気相冷媒と液相冷媒の割合を調節して冷媒流路3へ冷媒を導入することが必要となるが、正確なコントロールが要求されるほか、負荷の大きさ等、様々なコンディションの変化に左右されてしまう可能性があるため、そのような微妙な調節を行うことは極めて困難である。
一方、第2の蒸発器を別個に用意し、サセプタ2の下流側に設けた場合には、冷媒流路3内で冷媒を完全気化させるのではなく、冷媒流路3から排出させた後に、冷媒を完全気化させることができる。つまり、冷媒中に液相冷媒が僅かに残存した状態で、冷媒が冷媒流路3から排出されるように、気相冷媒と液相冷媒の導入割合を調節することができ(この場合、ある程度の変動を許容することができるので、調節に際して、正確なコントロールは要求されない。)、その結果、上記のような問題を好適に回避し、サセプタ2における冷却温度の均一化を図ることができる。
尚、本実施形態においては、冷媒流路内に、図4に示すような板状の突起物29が多数配置されている。これらの突起物29は、冷媒流路の伝熱面(天井面等)に対する液相冷媒の接触面積を増大させ、気相冷媒による伝熱抵抗の増大を抑制するための手段として機能するものである。
具体的に説明すると、これらの突起物29は、図2及び図4に示すように、隣接する二つの伝熱フィン28,28の間、伝熱フィン28と、外側仕切板16bとの間、及び、伝熱フィン28と、図示しない内側仕切板、外周側内壁、又は、中心側内壁との間に架設されている。
また、各突起物29の高さ寸法は、冷媒流路3の高さ寸法よりも小さく設定されており、上端面29aが冷媒流路の天井面に接するように配置される一方、その下端面29bは、冷媒流路の床面には接触せず、下端面29bと冷媒流路の床面との間には、所定のスペースが形成されるような状態となっている。
また、各突起物29は、冷媒の進行方向に所定のピッチ(サセプタの軸線を基準として45°間隔)で、規則的に配置されている(尚、10cm間隔、或いは、22.5°間隔等とすることもできる。)。本発明においては、このように構成された突起物29により、分離流(例えば、層状流、波状流)という流動形態で冷媒が流下するような現象が生じた場合でも、気相冷媒による伝熱抵抗の増大を好適に抑制することができ、冷却効率を向上させることができる。
より具体的に説明すると、冷媒流路中にこのような突起物29が設置されている場合、流下する液相冷媒が、それらの突起物29に衝突することによって冷媒流路の天井面に向かって拡散され、疑似環状流を形成することができ、伝熱面(天井面等)に対する濡れ面積(液相冷媒が伝熱面に接触する面積)が増大し、これにより、気相冷媒による伝熱抵抗の増大を好適に抑制することができる。その結果、冷却効率を向上させることができる。
次に、本発明「サセプタ冷却システム1」の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、第1の実施形態において説明した突起物29(図4参照)の代わりに、図5に示すような多孔偏流板30が冷媒流路内に設置されている。この多孔偏流板30は、厚さ2mm程度のアルミニウム板を加工して成形されており、また、表面に対して垂直方向に穿たれた小孔30a(孔径0.25mm程度)が多数形成されている。
この多孔偏流板30は、図4の突起物29と同様に、冷媒の進行方向に所定のピッチ(サセプタの軸線を基準として45°間隔)で、規則的に配置されている。尚、10cm間隔、或いは、22.5°間隔等とすることもできる。
また、この多孔偏流板30は、図6(冷媒流路の横断面拡大図)に示すように、冷媒の流下方向(図6において矢印Dの方向)とは反対の方向に傾斜(サセプタの軸線に対して30°傾斜)するように設置されている。尚、サセプタの軸線に対する傾斜角度は、30〜60°の範囲内で任意に設定することができる。
各小孔30aは、多孔偏流板30の表面に対して垂直に穿たれているため、多孔偏流板30をこのように傾斜させて設置した場合、各小孔30aは、入口側よりも、出口側の方が高い位置となり、各小孔30aの軸線は、冷媒流路の床面3aに対して30°上向きの状態となる。
従って、冷媒流路3内において、分離流(例えば、層状流、波状流)という流動形態で冷媒が流下するような現象が生じた場合でも、多孔偏流板30に形成されている上向き状態(偏流角度:30°)の小孔30aを通過させることにより、液相冷媒を上方側(冷媒流路3の天井面3bの方向)へ強制的に偏流させることができる。
このため、多孔偏流板30の下流側においては、図6に示すように擬似環状流が形成されることになり、その結果、伝熱面(天井面3b等)に対する液相冷媒の接触面積が増大し、気相冷媒による伝熱抵抗の増大を好適に抑制することができ、冷却効率を向上させることができる。
次に、本発明「サセプタ冷却システム1」について、本発明の発明者らが行った各種の実験の結果を、実施例1〜2として説明する。
まず、実施例1として、図4に示したような突起物29を冷媒流路3内に設置することによって、冷媒流路3の伝熱面(天井面等)に対する液相冷媒の接触面積を増加させることができるか、という点を確認すべく実験を行った。
この実験は、本発明の実施例として、サセプタ2内に、突起物29を設置したサセプタ冷却システムのモデルを4機種(タイプA〜D)用意するとともに、比較例として、突起物29を有しないモデルを1機種(タイプX)用意して行った。
尚、本発明の実施例として用意したモデル4機種(タイプA〜D)は、次表に示す通り、突起物29についての仕様が僅かずつ異なっている。具体的には、タイプAの仕様を基準とすると、タイプBは、突起物29の高さ寸法が基準よりも大きく設定され、タイプCは、突起物29の設置ピッチ(支持軸27を基準とする角度)が基準よりも小さく、密に配置されている。また、タイプDは、突起物29の厚さ寸法が基準よりも大きく設定されている。
Figure 2005083593
上記のような仕様のモデル(タイプA〜D、及び、タイプX)の冷媒流路3内にそれぞれ冷媒を供給し、内部に挿入した内視鏡により、冷媒の流動形態をそれぞれ観察した。また、その際、蛍光式の光ファイバ温度計により、ウェーハ表面の温度を複数箇所において測定し、支持軸27を中心とする周方向(冷媒の進行方向)における温度差の最大値を計算するとともに、ウェーハ表面における到達温度(ウェーハ表面の複数箇所において測定された温度の算術平均値であって、比較例の到達温度を「100」とした場合の相対値)を計算した。それらの結果を、次表に示す。
Figure 2005083593
表2に示すように、突起物29を有しない比較例のモデル(タイプX)においては、液相冷媒と気相冷媒とが上下に分離し(層状流)、伝熱面として最も有効な天井面に対し、液相冷媒がほとんど接触しない状態で冷媒が流下する、ということが判った。
一方、本発明のタイプAにおいては、冷媒の流動形態は、部分的に環状流となり、伝熱面となる冷媒流路3の天井面に対し、液相冷媒が多少なりとも接触しつつ冷媒が流下する、ということが確認された。
また、本発明のタイプBにおいては、冷媒は、環状流という流動形態で流下し、天井面に液相冷媒が接触する面積は、タイプAよりも増加していることが確認された。更に、本発明のタイプCにおいても、環状流という流動形態で冷媒が流下しており、天井面に液相冷媒が接触する面積は、タイプBよりも更に増加していることが確認された。
本発明のタイプDにおいては、天井面に液相冷媒が接触する面積は、タイプBとほぼ同等で、冷媒は、環状流という流動形態で流下することが確認された。
また、このような流動形態の変化に伴い、本発明のモデル4機種(タイプA〜D)においては、比較例と比べていずれもウェーハ表面の温度差を小さくできることが確認された。更に、タイプA〜Dにおいては、到達温度をより低くできることが確認された。尚、突起物29の高さ寸法を大きく設定したタイプB、突起物29の設置ピッチを小さくしたタイプC、及び、突起物29の厚さ寸法を大きく設定したタイプDにおいては、それらの効果が、基準的な仕様のタイプAと比較して、より顕著であることが確認された。
以上の実験結果より、図4に示したような突起物29を冷媒流路3内に設置することによって、冷媒流路3の伝熱面(天井面等)に対する液相冷媒の接触面積を増加させることができることが判り、冷却効率向上という効果を期待できることが確認された。
次に、実施例2として、図5に示したような多孔偏流板30を冷媒流路3内に設置することによって、冷媒流路3の伝熱面(天井面等)に対する液相冷媒の接触面積を増加させることができるか、という点を確認すべく、実験を行った。
この実験は、本発明の実施例として、多孔偏流板30を設置したモデルを3機種(タイプE〜G)用意するとともに、比較例として、多孔偏流板30を有しないモデルを1機種(実施例1の比較例としたタイプXと同一機)用意して行った。
尚、本発明の実施例として用意したモデル3機種(タイプE〜G)は、次表に示す通り、多孔偏流板30についての仕様が僅かずつ異なっている。具体的には、タイプEの仕様を基準とすると、タイプFは、多孔偏流板30の偏流角度(小孔30aの軸線と、冷媒流路3の底面との角度)が基準よりも大きく設定され、タイプGは、多孔偏流板30の設置ピッチ(支持軸27を基準とする角度)が基準よりも小さく、密に配置されており、また、偏流角度は、基準値よりも若干小さくなっている。
Figure 2005083593
上記のような仕様のモデル(タイプE〜G、及び、タイプX)の冷媒流路3内にそれぞれ冷媒を供給し、内部に挿入した内視鏡により、冷媒の流動形態をそれぞれ観察した。また、その際、蛍光式の光ファイバ温度計により、ウェーハ表面の温度を複数箇所において測定し、支持軸27を中心とする周方向(冷媒の進行方向)における温度差の最大値を計算するとともに、ウェーハ表面における到達温度(ウェーハ表面の複数箇所において測定された温度の算術平均値であって、比較例の到達温度を「100」とした場合の相対値)を計算した。それらの結果を、次表に示す。
Figure 2005083593
表4に示すように、本発明のタイプEにおいては、多孔偏流板30を通過する際、液相冷媒が、天井面の方向へ強制的に偏流され、流動形態は、部分的に環状流となり、伝熱面として最も有効な天井面に対し、液相冷媒が多少なりとも接触しつつ冷媒が流下する、ということが確認された。
また、本発明のタイプFにおいては、冷媒は、環状流という流動形態で流下し、天井面に液相冷媒が接触する面積は、タイプEよりも増加していることが確認された。更に、本発明のタイプGにおいても、環状流という流動形態で冷媒が流下しており、天井面に液相冷媒が接触する面積は、タイプEよりも増加していることが確認された。
また、このような流動形態の変化に伴い、本発明のモデル3機種(タイプE〜G)においては、比較例と比べていずれもウェーハ表面の温度差を小さくできることが確認された。更に、タイプE〜Gにおいては、到達温度をより低くできることが確認された。尚、多孔偏流板30の偏流角度を大きく設定したタイプF、及び、多孔偏流板30の設置ピッチを小さく設定したタイプGにおいては、それらの効果が、基準的な仕様のタイプEと比較して、より顕著であることが確認された。
以上の実験結果より、図5に示したような多孔偏流板30を冷媒流路3内に設置することによって、冷媒流路3の伝熱面(天井面等)に対する液相冷媒の接触面積を増加させることができ、冷却効率向上という効果を期待できることが確認された。
本発明「サセプタ冷却システム1」の第1の実施形態の概略図。 図1に示したサセプタ2の水平断面の拡大図。 図1に示したサセプタ2の垂直断面の拡大図。 図1に示したサセプタ2の冷媒流路3内における突起物29の配置状況の説明図。 本発明「サセプタ冷却システム1」の第2の実施形態の説明図。 本発明の第2の実施形態における冷媒流路3の横断面拡大図。
符号の説明
1:サセプタ冷却システム、
2:サセプタ、
3:冷媒流路、
4:冷媒供給装置、
5:圧縮機、
6:凝縮器、
7:膨張弁、
8:ホットガスバイパス、
9:冷媒供給管、
10:冷媒排出管、
11:ウェーハ、
12:エッチング装置の処理室、
13:電極シート、
14:ガス供給路、
15:ガス層、
16:仕切板、
16a:内側仕切板、
16b:外側仕切板、
17:直状の仕切板、
18a:内側環状路、
18b:中間環状路、
18c:外側環状路、
19:中心側内壁、
20:外周側内壁、
21:冷媒流入口、
22:冷媒排出口、
23a,23b,24a,24b:仕切板の端部、
25,26:連絡部、
27:支持軸、
28:伝熱フィン、
29:突起物、
30:多孔偏流板、
30a:小孔、

Claims (6)

  1. サセプタ内の冷媒流路に、気液混相の冷凍機冷媒が直接供給されるように構成され、
    前記サセプタが、冷凍機冷媒の蒸発器として機能するように構成され、
    前記冷媒流路に、伝熱面に対する液相冷媒の接触面積を増大させるための手段が設けられていることを特徴とするサセプタ冷却システム。
  2. 伝熱面に対する液相冷媒の接触面積を増大させるための手段が、板状の突起物であることを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ冷却システム。
  3. 前記突起物は、上端面が冷媒流路の天井面に接するように配置される一方、その下端面と冷媒流路の床面との間に、所定のスペースが形成されるように配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のサセプタ冷却システム。
  4. 伝熱面に対する液相冷媒の接触面積を増大させるための手段が、多孔偏流板であることを特徴とする、請求項1に記載のサセプタ冷却システム。
  5. 前記多孔偏流板は、小孔の出口側の位置が、入口側よりも高くなるような状態で冷媒流路内に配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のサセプタ冷却システム。
  6. 前記多孔偏流板は、冷媒の偏流角度が30〜60°の範囲となるように、冷媒流路内に配置されていることを特徴とする、請求項5に記載のサセプタ冷却システム。
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