JP2009081387A - 基板冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な冷却効率が得られ、しかも冷却中の円形基板の面内温度分布均一性を維持することができる基板冷却装置を提供する。
【解決手段】コールドプレート10は、基台11の上面に載置台12を形成して構成される。基台11の内部には、供給側流路13b、排出側流路14bおよびそれらを連通接続する複数の連絡流路15からなる中空部が形成されている。当該中空部には冷媒の飽和液のみが充盈されるため、沸騰熱伝達を十分に利用した良好な冷却効率が得られる。また、載置台12に載置される円形基板の中央部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔を、当該円形基板の周辺部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔よりも密としているため、熱負荷の大きな円形基板の中央部をも十分に冷却することができ、冷却中の円形基板の面内温度分布均一性を維持することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、冷却プレートに載置した半導体ウェハー等の円形基板を所定温度に冷却する基板冷却装置に関する。
一般に、半導体デバイスを製造する工程には半導体ウェハーの熱処理工程が多数含まれている。通常、半導体ウェハーの熱処理工程は、半導体ウェハーを所定の加熱温度に加熱する加熱処理と、加熱後の半導体ウェハーを冷却する冷却処理とが対として行われることが多い。
従来より、半導体ウェハーの冷却処理の手法としては、所定の冷却温度に維持された板状体の上に半導体ウェハーを載置して冷却する方式のものが多い。例えば、特許文献1,2には、板状体の内部空間に冷却液を流して該板状体を冷却温度に維持し、その板状体の上に半導体ウェハー等の被処理物を載置して冷却する技術が開示されている。また、特許文献3には、半導体ウェハーを載置する板状体の内部に流路を設け、その流路に冷却液を流して板状体を冷却温度に降温してウェハーを冷却する技術が開示されている。これらは、いずれも冷却器を使用してエチレングリコール等の冷却液を所定の温度に冷却し、その温調された冷却液を板状体の内部に流すというものである。加熱処理後の半導体ウェハーが板状体に載置されると、ウェハーから板状体を介して冷却液に熱伝達が生じ、ウェハーの冷却が進行すると同時に冷却液の温度上昇が生じる。昇温した冷却液では半導体ウェハーを目標とする冷却温度にまで冷却することができないため、絶えず新たな冷却液を冷却器から板状体に供給するとともに昇温した冷却液を冷却器に戻して再度所定温度に冷却するようにしている。すなわち、冷却器と板状体との間で冷却液の循環を行うことによって、板状体を常に一定の冷却温度に維持するようにしている。
特開2001−209033号公報 特開2002−158245号公報 特開昭64−46930号公報
上記のような従来の冷却処理においては、高温の半導体ウェハーから板状体を介した冷却液への熱伝達が基板冷却の基本原理となっているが、特許文献1〜3に開示されている冷却処理の熱伝達はいずれも相変化を伴わない対流熱伝達(正確にはポンプ等によって強制的に流動される強制対流熱伝達)である。このような強制対流熱伝達では良好な熱伝達効率が得られ難いという問題がある。
また、半導体ウェハーのような精密電子デバイス用の基板の冷却処理には、基板の面内温度分布をなるべく均一にすることが要求される。しかしながら、半導体ウェハーのような円形の基板の場合、その中央部と周辺部とでは熱負荷が異なるため、中央部の方が冷却されにくく、冷却処理中におけるウェハーの面内温度分布が不均一になるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、良好な冷却効率が得られ、しかも冷却中の円形基板の面内温度分布均一性を維持することができる基板冷却装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、冷却プレートに載置した円形基板を所定温度に冷却する基板冷却装置において、前記冷却プレートの内部に設けられ、冷媒の飽和液が充盈される中空部と、前記中空部に冷媒の飽和液を供給する液体供給口と、前記中空部にて沸騰した冷媒の飽和液から生じた冷媒の蒸気を排出する気体排出口と、を備え、前記中空部は、前記液体供給口と連通し、第1の方向に沿って延びる供給側流路と、前記気体排出口と連通し、前記供給側流路と平行に設けられた排出側流路と、前記第1の方向に沿って前記供給側流路と前記排出側流路との間に列設され、前記供給側流路と前記排出側流路とを連通接続する複数の連絡流路と、を備え、前記冷却プレートに載置される円形基板の中央部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔が、当該円形基板の周辺部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔よりも密であることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る基板冷却装置において、前記円形基板の中央部に対応する領域から周辺部に対応する領域に向かうにつれて互いに隣接する連絡流路の間隔が疎となることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る基板冷却装置において、前記円形基板の中央部から基板半径の少なくとも半分に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔は、前記円形基板によって覆われる連絡流路の長さと反比例することを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る基板冷却装置において、前記円形基板の中央部から基板半径の少なくとも半分に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔は、前記円形基板によって覆われる連絡流路の長さと当該間隔とによって規定される矩形の面積が一定となるように設定されることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る基板冷却装置において、前記円形基板の中央部に対応する領域における連絡流路の太さが、当該円形基板の周辺部に対応する領域における連絡流路の太さよりも大きいことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る基板冷却装置において、前記冷却プレートは、四角柱形状の基台と、前記基台の上面に形成され、円形基板を載置する円板状の載置台と、を備え、前記中空部は、前記基台の内部に形設されることを特徴とする。
請求項1から請求項6の発明によれば、冷却プレートの内部に設けた中空部に冷媒の飽和液を充盈するため、飽和液の沸騰熱伝達を十分に利用した良好な冷却効率が得られる。また、冷却プレートに載置される円形基板の中央部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔が、当該円形基板の周辺部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔よりも密であるため、熱負荷の大きな円形基板の中央部をも十分に冷却することができ、冷却中の円形基板の面内温度分布均一性を維持することができる。
特に、請求項5の発明によれば、円形基板の中央部に対応する領域における連絡流路の太さが、当該円形基板の周辺部に対応する領域における連絡流路の太さよりも大きいため、熱負荷の大きな円形基板の中央部に対応する連絡流路の流路抵抗を低下させることができ、全ての連絡流路の流路抵抗を均一にして冷却中の円形基板の面内温度分布均一性をより確実に維持することができる。
特に、請求項6の発明によれば、中空部が形設される四角柱形状の基台の上面に円板状の載置台を形成しているため、円形基板は円板状の載置台を介して冷却されることとなり、冷却中の円形基板の面内温度分布均一性をより確実に維持することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.本発明の原理>
図1および図2は、本発明の原理を説明するための図である。図1および図2は、円形基板である半導体ウェハーWと冷却プレート内に配設された冷却配管CLの位置関係を示している。なお、半導体ウェハーWには結晶方位を示すためのオリフラやノッチが形設されている場合もあるが、そのような半導体ウェハーWもウェハー全体としては実質的に円形であるため、円形基板に含める。
図1および図2に示すように、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管CLの間隔が、配管列設方向に沿った半導体ウェハーWの周辺部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管CLの間隔よりも密となっており、その間隔は半導体ウェハーWの中央部に対応する領域から配管列設方向に沿った周辺部に対応する領域に向かうにつれて漸次疎となっている。ここで、冷却配管CLは当然所定の管径を有するものであるが、図1および図2においては理解容易のために各冷却配管CLを1本の線として示しており、正確には各冷却配管CLの中心線を図示している。また、本明細書において「隣接する冷却配管の間隔」とは、図3に示す如く、隣接する冷却配管CLの中心線の間隔pであり、いわば冷却配管CLの配設ピッチである。よって、図1および図2においては、各線の間隔が隣接する冷却配管CLの間隔に相当する。
図1に示す例では、半導体ウェハーWによって覆われる冷却配管CLの長さlとその冷却配管CLに隣接する冷却配管CLまでの間隔pとが反比例するように複数の冷却配管CLが配設されている。すなわち、半導体ウェハーWによって覆われる冷却配管CLの長さlが半導体ウェハーWから受けるおおよその熱負荷であると考えられ、それと反比例するように隣接する冷却配管CLまでの間隔pを定めるのである。
このように冷却配管CLを配設すれば、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域の方が周辺部に対応する領域よりもウェハーに覆われる冷却配管CLの長さlが長くなるため、隣接する冷却配管CLの間隔pは小さくなる。その結果、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管CLの間隔が、半導体ウェハーWの周辺部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管CLの間隔よりも密となる。このため、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域の方がより大きな熱負荷にも対応することが可能となり、円形の半導体ウェハーWを冷却するときにも面内温度分布均一性を維持することができる。なお、図1に示す例では、半導体ウェハーWに覆われる冷却配管CLの長さlとその冷却配管CLのウェハー周辺側に隣接する冷却配管CLとの間隔pとが反比例するようにしていたが、ウェハー中心側に隣接する冷却配管CLとの間隔が反比例するようにしても良い。
一方、図2に示す例では、半導体ウェハーWによって覆われる冷却配管CLの長さlとその冷却配管CLに隣接する冷却配管CLまでの間隔pとによって規定される矩形の面積Sが一定となるように間隔pが設定されて複数の冷却配管CLが配設されている。このように冷却配管CLを配設しても、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管CLの間隔が、半導体ウェハーWの周辺部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管CLの間隔よりも密となる。このため、図1の場合と同様に、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域の方がより大きな熱負荷にも対応することが可能となり、円形の半導体ウェハーWを冷却するときにも面内温度分布均一性を維持することができる。なお、図2に示す例では、半導体ウェハーWに覆われる冷却配管CLの長さlとその冷却配管CLのウェハー周辺側に隣接する冷却配管CLとの間隔pとによって規定される矩形の面積Sが一定となるようにしていたが、ウェハー中心側に隣接する冷却配管CLとの間隔と長さlとによって規定される矩形の面積が一定となるようにしても良い。
図1、2のいずれの例においても、本発明は、円形基板の周辺部に対応する領域よりも中央部に対応する領域における冷却配管CLの配設密度を高くすることによって、熱負荷の大きな円形基板の中央部をも十分に冷却するものである。このため、円形の半導体ウェハーWを均一に冷却することができ、冷却後直ちに半導体ウェハーWの次工程を開始することができるため、処理のスループットも向上する。
<2.基板冷却装置の冷却システム>
次に、上述の原理を適用した基板冷却装置の冷却システムについて説明する。図4は、本発明に係る基板冷却装置の冷却システムの構成を示す図である。同図において、実線にて示しているのは流体(液相、気相またはそれらの混合相)の流れであり、点線にて示しているのは電気信号の流れである。
本実施形態の基板冷却装置1は、コールドプレート(冷却プレート)10に載置した円形の半導体ウェハーW(本実施形態ではφ300mm)を冷媒を使用して所定の冷却温度にまで冷却するものである。本実施形態の基板冷却装置1において使用している冷媒はフロン(R134a)である。なお、フロン(R134a)は、オゾン層を破壊するとされているいわゆる特定フロンではなく、オゾン破壊係数”0”の代替フロンである。
基板冷却装置1は、コールドプレート10の他に、主として圧縮機20、コンデンサ(凝縮器)30、膨張弁40および気液分離器50を備えている。圧縮機20は、コンデンサ30およびエバポレータ(蒸発器)70と配管を介して連通接続されており、エバポレータ70から冷媒の蒸気を吸引するとともに、その蒸気を圧縮して圧力を高めてコンデンサ30に送給する機能を有する。圧縮機20としては、吸引した蒸気の体積を押し縮めて圧縮する容積圧縮機(往復式等)、または、高速で回転する羽根車で蒸気に速度を与え、圧力に変換して圧縮する遠心圧縮機等の公知の種々の圧縮機を用いることができる。
コンデンサ30は、圧縮機20および膨張弁40と配管を介して連通接続されており、圧縮機20から送給されてきた冷媒蒸気を受け入れ、それを凝縮させて液化する機能を有する。通常処理が進行しているときには、コンデンサ30にて生成された冷媒の液体は膨張弁40に送り込まれる。コンデンサ30としては、水冷凝縮器、空冷凝縮器、蒸発式凝縮器等の公知の凝縮器を使用することができる。
膨張弁40は、コンデンサ30および気液分離器50と配管を介して連通接続されており、コンデンサ30から送り出されてきた冷媒液を絞り膨張させて気液分離器50に送り出す。膨張弁40は、冷媒が通過する流量を切り換える機能を有しており、大流量と小流量との二段階に切り換えることが可能である。
気液分離器50は、膨張弁40から送り出された冷媒を気相と液相とに分離する。分離された冷媒の液相は気液分離器50内の下方に貯留され、気相は気液分離器50内の上方に蓄積される。気液分離器50にはレベルセンサ55が付設されており、レベルセンサ55は気液分離器50内に貯留されている冷媒の液相の液面レベルを検出する。なお、レベルセンサ55としては、光学式のセンサ等公知の種々のものを使用することができる。
気液分離器50の上部(つまり冷媒の気相が蓄積されるべき部分)は、配管を介してアキュムレータ60に連通接続されている。アキュムレータ60も気液分離器の一種であり、気液分離器50から送り出されてきた冷媒の気相中に液相が含まれていた場合に、その液相を分離して気相のみをエバポレータ70に送り出す。また、気液分離器50とアキュムレータ60とを連結する配管の経路途中には圧力調整弁80が介挿されている。圧力調整弁80は、気液分離器50の内部空間から圧力調整弁80に至る管路の圧力を連続的に調整することが可能である。
エバポレータ70は、配管を介してアキュムレータ60および圧縮機20と連通接続されており、アキュムレータ60から送給されてきた冷媒を完全に気相のみの状態として圧縮機20に送り出す。圧縮機20が非圧縮性の液相を含む冷媒を吸引するとミストによるエロージョン(浸食)を起こして障害を引き起こすおそれがあるため、圧縮機20に気相のみの冷媒を送り込むことができるようにアキュムレータ60およびエバポレータ70が設けられている。本実施形態の基板冷却装置1においては、気液分離器50から圧力調整弁80を介して送り出される冷媒は原理的は気相単相であるが、何らかの契機で液相が含まれていたとしても圧縮機20に液相が吸引されないようにするためのいわば保険としてアキュムレータ60およびエバポレータ70は設けられている。なお、アキュムレータ60およびエバポレータ70の双方を設置する必要は必ずしもなく、いずれか一方を設けるようにしても良い。
図5は、コールドプレート10の斜視図である。また、図6は、コールドプレート10の内部構造を示す図5のI−I線断面図である。さらに、図7はコールドプレート10の平面図であり、図8は連絡流路の配設を示す図7のII−II線断面図である。なお、図5から図8の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。
コールドプレート10は、四角柱形状の基台11の上面に載置台12を形成して構成されている。載置台12は、半導体ウェハーWよりも若干大きな径(本実施形態ではφ310mm)を有する円板状の部材である。基台11および載置台12は、熱伝導の良好な金属(本実施形態ではアルミニウム)にて形成されている。冷却処理の対象となる半導体ウェハーWは載置台12の表面に載置される。なお、載置台12の表面にはアルマイト処理を施しても良い。
基台11の端部((−Y)側端部)には、X軸方向に沿って供給側流路13bが貫通して設けられている。供給側流路13bの両端は液体供給口13aとして開口している。すなわち、供給側流路13bは、液体供給口13aと連通し、水平方向であるX軸方向(第1の方向)に沿って延びる管路である。
一方、供給側流路13bと反対側の基台11の端部((+Y)側端部)にも、X軸方向に沿って排出側流路14bが貫通して設けられている。排出側流路14bの両端は気体排出口14aとして開口している。すなわち、排出側流路14bは、気体排出口14aと連通し、X軸方向に沿って供給側流路13bと平行に延びる管路である。
供給側流路13bと排出側流路14bとの間にはX軸方向に沿って互いに平行に複数の連絡流路15が列設されている。各連絡流路15はY軸方向に沿って延びるように形成された流体通過可能な管路である。複数の連絡流路15のそれぞれの一端は供給側流路13bに連通接続されるとともに、他端は排出側流路14bに連通接続されている。これによって、コールドプレート10の基台11内部には供給側流路13b、排出側流路14bおよび連絡流路15にて構成される中空部が形成されることとなり、液体供給口13aと気体排出口14aとは供給側流路13b、排出側流路14bおよび連絡流路15を介して連通することとなる。
本実施形態においては、図7,8に示すように、23本の連絡流路15がX軸方向に沿って列設されている(図5では、図示の便宜上一部の連絡流路15の図示を省略している)。具体的には、載置台12に載置される円形の半導体ウェハーWの中心直下を通る連絡流路15の両側に当該連絡流路15を対称軸として線対称となるように11本ずつ連絡流路15が配設されている。そして、中央の連絡流路15とそれに隣接する連絡流路15との間隔は12mmであるのに対して、最も端に位置する連絡流路15とそれに隣接する連絡流路15との間隔は17mmである。すなわち、コールドプレート10に載置される円形の半導体ウェハーWの中央部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔が、当該半導体ウェハーWのX軸方向の周辺部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔よりも密となっている。なお、23本の連絡流路15の管径は等しくφ8mmであり、隣接する連絡流路15の間隔とは、図3と同様に、隣接する連絡流路15の中心線の間隔である。
供給側流路13bの両端開口部である液体供給口13aは気液分離器50の下部(つまり冷媒の液相が貯留されるべき部分)と配管を介して連通接続される。この配管は、図5に示すように、下方から液体供給口13aに接続される。一方、排出側流路14bの両端開口部である気体排出口14aは気液分離器50の上部(冷媒の気相が蓄積されるべき部分)と配管を介して連通接続されている。この配管は、図5に示すように、上方から気体排出口14aに接続される。なお、液体供給口13aおよび気体排出口14aと気液分離器50とをそれぞれ連通接続する配管がコールドプレート10に半導体ウェハーWを搬出入するための搬送ロボットと干渉しないように設けられていることは勿論である。
このような構成によって、気液分離器50内に貯留された冷媒液は液体供給口13aを介してコールドプレート10内の中空部に供給され、当該中空部にて生じた冷媒の蒸気は気体排出口14aから気液分離器50へと排出される。
図4に戻り、コールドプレート10には温度センサ19が付設されている。温度センサ19は、コールドプレート10の載置台12の表面近傍の温度を計測する。温度センサ19には、例えば熱電対を使用することができる。
また、基板冷却装置1における流体経路としては、上記以外に、コンデンサ30から膨張弁40に至る配管から分岐してアキュムレータ60からエバポレータ70に至る配管に合流するバイパス配管が設けられている。このバイパス配管の経路途中にはバイパス弁85が介挿されている。バイパス弁85は、通常処理時には閉じられており、コールドプレート10の温度が所定の設定範囲を超えて異常降下したときに開けられて冷媒を直接エバポレータ70に帰還させる。
基板冷却装置1の制御機構としては、装置全体を管理する制御部90の他に温度コントローラ93とレベルコントローラ96とが設けられている。これらはいずれもCPU等を備えた通常のコンピュータと同様に構成されている。温度コントローラ93は、温度センサ19によって計測されたコールドプレート10の温度に基づいて圧力調整弁80およびバイパス弁85を制御する。また、レベルコントローラ96は、レベルセンサ55によって検出された気液分離器50内の液面レベルに基づいて圧縮機20の動作を制御する。さらに、制御部90は圧縮機20の稼働状態に基づいて膨張弁40を制御する。なお、これら各制御機構による具体的な制御内容についてはさらに後述する。
次に、上記構成を有する基板冷却装置1における動作内容について説明する。図9は、モリエル線図(Mollier diagram)であり、冷媒の状態を表すものである。図9の縦軸は圧力を示し、横軸はエンタルピーを示している。同図中において、飽和液線L1よりも左側が過冷却の液相であり、飽和蒸気線L2よりも右側が過熱蒸気の気相であり、飽和液線L1と飽和蒸気線L2との間が混相となる。また、図9のKは臨界点を示している。以下、適宜図9を参照しつつ説明を続ける。
まず、圧縮機20に吸引される冷媒の蒸気は状態Aで示される冷媒の過熱蒸気であり、気相のみの状態である。この冷媒の蒸気が圧縮機20によって圧縮されることにより状態Bで示される過熱蒸気となる。圧縮機20による圧縮行程が断熱圧縮(冷媒と外部との間に熱の出入りのない圧縮)であるとすると、冷媒の蒸気は状態Aから等エントロピー線に沿って圧力が上昇するとともに温度も上昇し、圧縮機20の出口近傍では状態Bの過熱蒸気となる。なお、状態Bで示される冷媒の過熱蒸気が気相単相であることは勿論である。
圧縮機20によって生成された状態Bで示される冷媒の過熱蒸気はコンデンサ30に流入し、コンデンサ30にて冷却されて状態Bの圧力に対応する飽和温度の飽和液に凝縮され、さらに過冷却されて状態Cで示される過冷却液となる。状態Cで示される冷媒の過冷却液は液相のみの状態である。なお、コンデンサ30は必ずしも溶媒を過冷却する必要は無く、飽和液にまで凝縮するものであっても良い。
コンデンサ30によって生成された状態Cで示される冷媒の過冷却液は膨張弁40へと流れる。コンデンサ30から膨張弁40へと冷媒液が流れる過程で外部と熱の授受がなく、流れによる圧力降下もないとすると、膨張弁40に流入する直前の冷媒液は状態Cのままである。そして、状態Cで示される冷媒の過冷却液が膨張弁40を通過するときに膨張が生じ、冷媒は状態Dで示される混相状態となる。冷媒の過冷却液が膨張弁40を通過するときには、冷媒への熱の出入りはなく(断熱膨張)、また冷媒が何らかの仕事をすることもなく、単に膨張して圧力が降下するだけである。すなわち、状態Cのエンタルピーと状態Dのエンタルピーとは等しい。
膨張弁40を通過することによって生成された状態Dにて示される冷媒の混合相は、状態Eで示される冷媒の飽和液と、状態Fで示される冷媒の飽和蒸気とが混合したものである。このような冷媒の混合相が膨張弁40から気液分離器50に送給され、気液分離器50内にて液相(状態Eの飽和液)と気相(状態Fの飽和蒸気)とに分離される。分離された冷媒の飽和液は気液分離器50内の下方に貯留され、冷媒の飽和蒸気は気液分離器50内の上方に蓄積される。
そして、気液分離器50内に貯留された冷媒の飽和液は基台11の液体供給口13aを介してコールドプレート10内の中空部に供給される。ここで、液体供給口13aと連通する配管は気液分離器50の下部に接続されており、コールドプレート10の中空部へは気液分離器50にて分離された冷媒の飽和液のみが供給されることとなる。また、当該配管は下方から液体供給口13aに接続されているため、コールドプレート10の中空部へは冷媒の飽和液が下から導入され、中空部内に冷媒飽和液が確実に充盈されることとなる。
本実施形態の基板冷却装置1の冷却システムにおいては、コールドプレート10内の中空部に単に冷媒の飽和液を満たしているだけであり、連絡流路15に飽和液を流しているものではない。飽和液とは、液相を維持できる限度の状態(臨界状態)にある液体のことであり、飽和液に少しでも熱を加えると温度は変わらずに蒸発沸騰を開始する。従って、中空部に飽和液が充盈されたコールドプレート10に加熱処理後の半導体ウェハーWを載置すると、半導体ウェハーWから冷媒の飽和液への熱伝達が生じ、その熱負荷によって冷媒の飽和液は直ちに急激に沸騰する。ここでの熱伝達は、コールドプレート10の固体壁面(正確には連絡流路15の内壁面)から沸騰する冷媒への熱移動であって、沸騰熱伝達と称されるものである。
このような液相から気相への相変化を伴う沸騰熱伝達の特徴は、相変化を伴わない対流熱伝達よりも高い熱伝達率を示すことである。このため、本実施形態の基板冷却装置1では良好な冷却効率を得ることができ、半導体ウェハーWの冷却速度を高速にすることができる。
また、冷媒の飽和液はコールドプレート10内の中空部に充盈されているだけであって、連絡流路14を流れているわけではないため、流体の流れに伴う圧力降下が生じない。このため、コールドプレート10の中空部に満たされている冷媒飽和液の状態は均一(図9の状態E)であり、温度も均一である。よって、コールドプレート10の載置台12の表面においても、供給側流路13bの近傍から排出側流路14bの近傍に至るまで温度差が無く、冷却処理中における半導体ウェハーWの面内温度分布均一性を高い精度にて維持することができる。
ところで、仮に複数の連絡流路15の全てが等間隔で列設されていたとすると、円形の半導体ウェハーWの中央部に対応する連絡流路15の方が周辺部に対応する連絡流路15よりも熱負荷が大きくなるため、周辺部に比較して中央部の冷却速度がやや遅くなり、冷却処理中に半導体ウェハーWの面内温度分布が不均一となるおそれがある。このため、本実施形態においては、コールドプレート10に載置される円形の半導体ウェハーWの中央部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔を、当該半導体ウェハーWの周辺部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔よりも密としている。このようにすれば、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域における熱伝導の経路が短くなって冷却能が高くなり、熱負荷の大きな円形の半導体ウェハーWの中央部をも熱負荷の小さな周辺部と同様に十分に冷却することができ、冷却処理中における半導体ウェハーWの面内温度分布均一性をより高い精度にて維持することができる。
また、本実施形態においては、冷媒の飽和液が充盈される中空部をコールドプレート10の基台11の内部に形設し、その基台11の上面に半導体ウェハーWを載置する円板状の載置台12を形成している。もし、載置台12を形成することなく、円形の半導体ウェハーWを四角柱形状の基台11に直接載置すると、半導体ウェハーWが存在していないエリア(載置台12の上面四隅)への伝熱によって不均一な冷却となる。本実施形態のように、四角柱形状の基台11の上面に円板状の載置台12を形成し、その載置台12に半導体ウェハーWを載置すれば、上記のような不均一な伝熱は緩和され、より均一な冷却を行うことができる。
コールドプレート10の載置台12に高温の半導体ウェハーWを載置したときに、その半導体ウェハーWからの熱伝達によって中空部にて沸騰した冷媒の飽和液から発生した冷媒の蒸気は気体排出口14aから気液分離器50へと排出される。なお、コールドプレート10に半導体ウェハーWを載置していないときには、コールドプレート10の中空部に冷媒の飽和液が充盈されているだけであって、その飽和液にはほとんど熱負荷がかからず、気体排出口14aからは極少量の冷媒蒸気が気液分離器50へと排出されるに過ぎない。
気体排出口14aと連通する配管は上方から気体排出口14aに接続されているため、コールドプレート10の中空部にて発生した冷媒の蒸気は特段の動力を必要とすることなく気相と液相との比重の差によって自然に気体排出口14aから抜け出ることとなる。また、冷媒の蒸発にともなってコールドプレート10の中空部から冷媒の飽和液が減少することとなるが、その減少分は冷媒蒸気が気体排出口14aから抜け出るのに伴って、飽和液のレベル(高さ)、すなわち位置エネルギーによって自然に気液分離器50から冷媒の飽和液が供給されて補充されることとなる。つまり、冷媒の飽和液の供給と発生した蒸気の排出とがいわゆる熱サイフォンによってスムーズに行われ、かつ、気液分離器50およびコールドプレート10によって構成される循環系内の圧力を一定とし、冷媒の温度が変動しないようにできる。
一方、気液分離器50内の上方に蓄積された冷媒の飽和蒸気は圧力調整弁80を経由してアキュムレータ60に送給される。気液分離器50からアキュムレータ60へと送り出される冷媒蒸気は原理的には気相単相のはずであるが、気液分離器50内に蓄積されている冷媒の飽和蒸気には、膨張弁40から送られた冷媒の混合相から分離された蒸気の他にコールドプレート10の気体排出口14aから排出された冷媒蒸気も含まれている。コールドプレート10に加熱処理直後の高温の半導体ウェハーWが載置された瞬間には、中空部内にて冷媒が激しく沸騰し、気体排出口14aから排出される冷媒の蒸気中に冷媒のミスト(微小液滴)が混入する可能性もある。既述したように、液相を含む冷媒蒸気が圧縮機20に吸引されると障害の原因となるため、アキュムレータ60は送給されてきた冷媒の蒸気から液相を分離して気相のみをエバポレータ70に送り出す。
エバポレータ70は、アキュムレータ60から送給されてきた冷媒を完全に気相のみの状態として圧縮機20に送り出す。このエバポレータ70も圧縮機20に送給する冷媒の蒸気から液相を取り除くためのものである。気液分離器50から送り出された直後の冷媒は状態Fで示される飽和蒸気であるが、アキュムレータ60およびエバポレータ70を通過して完全に気相のみとされる過程で若干過熱され、状態Aで示される冷媒の過熱蒸気に戻って圧縮機20に吸引されることとなる。
以上のようにして、基板冷却装置1における冷媒の循環が行われ、その循環経路途中にて生成される冷媒の飽和液のみをコールドプレート10に供給し、その中空部内に冷媒飽和液を充盈している。図9の状態Aから状態Dに至るサイクル自体は、従来の冷却システムにおいても実現されている冷凍サイクルである。例えば、冷蔵庫やエアコンディショナ等に備えられている冷却システムも図9の状態Aから状態Dに至る冷凍サイクルを実行している。
しかしながら、かかる従来の冷却システムでは、吸熱を行う冷却部に状態Dにて示される冷媒の飽和液と飽和蒸気との混合相をそのまま供給していた。混合流体をそのまま供給すると、気相が存在するために沸騰熱伝達の高い熱伝達効率を十分に得ることができず、良好な冷却効率を得られにくい。また、冷却部に混合流体を強制的に流すこととなるため、配管抵抗に起因した流体の圧力降下が発生して飽和温度が低下するが、その結果既述した強制対流熱伝達の場合とは逆に冷却部の流体入口側近傍よりも出口側近傍の方が若干温度が低くなるという現象が生じる。もっとも、冷蔵庫やエアコンディショナ等であれば、庫内や室内を循環する空気を順次冷却するだけで足りるため、多少冷却効率が悪かったり、或いは冷却部の温度分布が若干不均一であっても特段の問題は生じない。
本発明に係る基板冷却装置1のように半導体ウェハーWを冷却する場合には高い冷却効率と温度分布均一性が要求されるが、本実施形態のようにすれば、状態Dにて示される冷媒の混合流体から気液分離器50によって液相(つまり状態Eの冷媒の飽和液)のみを分離し、その冷媒の飽和液をコールドプレート10の中空部に充盈しているため、相変化を伴う沸騰熱伝達の熱伝達効率を十分に活用することができ、良好な冷却効率を得ることが可能となる。また、コールドプレート10の中空部には冷媒飽和液の強制的な流れは存在しないため、配管抵抗に起因した冷媒飽和液の圧力降下も無く、供給側流路13b近傍から排出側流路14b近傍に至るまで冷媒飽和液の温度は一定であり、その結果コールドプレート10の温度を均一にして冷却中の半導体ウェハーWの面内温度分布均一性を維持することができる。
さらに、コールドプレート10の載置台12に載置される円形の半導体ウェハーWの中央部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔を、当該半導体ウェハーWの周辺部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路15の間隔よりも密としているため、熱負荷の大きな円形の半導体ウェハーWの中央部をも十分に冷却することができる。その結果、冷却処理中における半導体ウェハーWの面内温度分布均一性をより高い精度にて維持することができる。すなわち、半導体ウェハーWを急速に冷却しつつもその面内温度分布均一性を高い精度にて維持することができるため、冷却後直ちに半導体ウェハーWを次工程(例えば、フォトレジストの塗布工程)に搬送して処理を開始することができ、処理のスループットを高めることができるのである。
また、基板冷却装置1は、温度センサ19によって計測されたコールドプレート10の温度に基づいて圧力調整弁80およびバイパス弁85を制御する温度コントローラ93を備えている。温度コントローラ93は、コールドプレート10のプレート温度を監視しつつ、そのプレート温度が常に半導体ウェハーWの冷却目標温度となるように圧力調整弁80を制御して気液分離器50内の蒸気圧力を調整している。具体的には、コールドプレート10に高温の半導体ウェハーWが載置されて熱的負荷が与えられたときには圧力調整弁80を開放し、その半導体ウェハーWの温度が低下して熱的負荷が軽減したときには圧力調整弁80を絞る。
コールドプレート10に高温の半導体ウェハーWが載置されると、その中空部に充盈された冷媒の飽和液が急激に沸騰して蒸発し、気体排出口14aから多量の冷媒蒸気が排出されて気液分離器50に流れ込む。すると、気液分離器50内の蒸気圧力が上昇して冷媒飽和液の温度も上昇し、コールドプレート10の温度が目標温度より高くなるおそれがある。このため、温度コントローラ93は圧力調整弁80の開放度を大きくして気液分離器50内の蒸気圧力が上昇するの防ぎ、冷媒飽和液の温度上昇を防止している。
逆に、コールドプレート10への熱的負荷が軽減されてきたときには、発生する冷媒蒸気量も減少するため、圧力調整弁80を大きく開放したままであると気液分離器50内の蒸気圧力が低くなりすぎて冷媒飽和液の温度も低下し、コールドプレート10の温度が目標温度より低くなるおそれがある。このため、温度コントローラ93は圧力調整弁80の開放度を小さくして気液分離器50内の蒸気圧力が過度に低下するの防ぎ、冷媒飽和液の温度下降を防止している。
また、温度コントローラ93は、コールドプレート10のプレート温度が所定の設定範囲を超えて低下したときにバイパス弁85を開放して冷媒の過冷却液を直接エバポレータ70に流す。この動作は、プレート温度が異常低下したときにコールドプレート10への冷媒供給を停止してコールドプレート10上への雰囲気からの結露を防止する非常措置である。具体的には、23℃相対湿度40%の雰囲気ではプレート温度が10℃未満にならないようにする。
また、基板冷却装置1は、レベルセンサ55によって検出された気液分離器50内の液面レベルに基づいて圧縮機20の動作を制御するレベルコントローラ96を備えている。レベルコントローラ96は、レベルセンサ55の検出結果に基づいて、気液分離器50内に貯留されている冷媒の飽和液の液面レベルが一定となるように圧縮機20の動作を制御する。すなわち、コールドプレート10への熱的負荷が大きく冷媒飽和液の消費量が大きいときには、気液分離器50内に貯留されている冷媒飽和液の液面レベルが低下する。このような場合には、レベルコントローラ96が圧縮機20の動作量を増やし、気液分離器50に送給される冷媒飽和液の量を増加させる。逆に、コールドプレート10への熱的負荷が軽減されてきたときには、気液分離器50内に貯留されている冷媒飽和液の液面レベルが上昇するため、レベルコントローラ96が圧縮機20の動作量を減らし、気液離器50に送給される冷媒飽和液の量を減少させる。このようにして、気液分離器50内に貯留されている冷媒の飽和液の液面レベルが絶えず一定となるようにされている。なお、基本的な動作量を増減する方法は、インバータによる圧縮機20の回転数制御や複数台の圧縮機20を使用する場合には運転する圧縮機20の台数を変化させるというものである。
また、基板冷却装置1の制御部90は圧縮機20の稼働状態に基づいて膨張弁40を制御する。制御部90は、圧縮機20の動作量に基づいて膨張弁40を大流量または小流量のいずれか二段階に切り換える。具体的には、制御部90は、圧縮機20の動作量が所定の基準値より多いときには膨張弁40を大流量とし、該基準値より少ないときには膨張弁40を小流量とする。なお、圧縮機20の動作量が上記基準値と等しい場合には膨張弁40を大流量または小流量のいずれにしても良い。このようにすれば、圧縮機20の稼働状態に応じて膨張弁40を通過して膨張する冷媒量を調整することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、複数の連絡流路15を図7,8のように列設していたが、複数の連絡流路15を上述の原理に忠実に従って配置するようにしても良い。もっとも、上述の原理に忠実に従うと、半導体ウェハーWの周辺部に向かうほど隣接する連絡流路15の間隔が広くなり、最も端に位置する周辺部近傍には連絡流路15が存在しなくなることもある。この場合、逆に当該周辺部近傍の冷却速度が遅くなるおそれがある。このため、半導体ウェハーWのX軸方向の最も端の周辺部に対応する領域においては、上述の原理から外れてでも連絡流路15を設けるようにした方が好ましい。また、図7,8の配置例においても、半導体ウェハーWのX軸方向の最も端の周辺部に対応する領域には連絡流路15を設けている。すなわち、円形の半導体ウェハーWの中央部からX軸方向に沿って基板半径の少なくとも半分に対応する領域において、図1または図2を用いて説明した上述の原理に従うようにするのが好ましい。
また、上記実施形態においては、23本の連絡流路15の管径を等しくφ8mmとしていたが、連絡流路15の管径を異なるようにしても良い。具体的には、円形の半導体ウェハーWの中央部に対応する領域における連絡流路15の太さが、X軸方向に沿った半導体ウェハーWの周辺部に対応する領域における連絡流路15の太さよりも大きくなるようにしても良い。例えば、半導体ウェハーWの中央部に対応する領域における連絡流路15の管径をφ10mmとし、周辺部に対応する領域における連絡流路15の管径をφ8mmとする。熱負荷の大きな円形の半導体ウェハーWの中央部に対応する連絡流路15内では冷媒の蒸発量が当然に多くなるのであるが、その連絡流路15の管径を太くすれば流路抵抗が低下するため、冷媒蒸気を熱サイフォンによって排出する場合の流路抵抗をすべての連絡流路15について等しくすることができる。その結果、冷却処理中における半導体ウェハーWの面内温度分布均一性をより高い精度にて維持することができる。
また、上記実施形態においては、冷媒を使用して半導体ウェハーWの冷却処理を行っていたが、本発明は冷却水やエチレングリコール等の冷却液を使用して冷却処理を行う装置にも適用することが可能である。このような装置においても、円形の半導体ウェハーWの中央部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管の間隔が、半導体ウェハーWの周辺部に対応する領域において互いに隣接する冷却配管の間隔よりも密となるようにすれば、熱負荷の大きな円形の半導体ウェハーWの中央部の冷却効率を高めてより均一な冷却を行うことができる。
また、本発明に係る基板冷却装置1によって冷却処理の対象となる円形基板は、シリコンの半導体ウェハーWに限定されるものではなく、光源、レーザなどの光デバイス、高速無線通信用などのデバイス(HEMT)などの円形の化合物半導体基板であっても良い。また、太陽電池用の円形のシリコン基板、ガリウム砒素基板などであっても良い。
また、上記実施形態においては、「隣接する冷却配管の間隔」を隣接する連絡流路(冷却配管)の中心線の間隔としていたが、これを管壁の間隔としても良い。
本発明の原理を説明するための図である。 本発明の原理を説明するための図である。 隣接する配管の間隔を説明するための図である。 本発明に係る基板冷却装置の冷却システムの構成を示す図である。 コールドプレートの斜視図である。 コールドプレートの内部構造を示す図5のI−I線断面図である。 コールドプレートの平面図である。 連絡流路の配設を示す図7のII−II線断面図である。 モリエル線図である。
符号の説明
1 基板冷却装置
10 コールドプレート
11 基台
12 載置台
13a 液体供給口
13b 供給側流路
14a 気体排出口
14b 排出側流路
15 連絡流路
19 温度センサ
20 圧縮機
30 コンデンサ
40 膨張弁
50 気液分離器
55 レベルセンサ
60 アキュムレータ
70 エバポレータ
80 圧力調整弁
85 バイパス弁
90 制御部
93 温度コントローラ
96 レベルコントローラ

Claims (6)

  1. 冷却プレートに載置した円形基板を所定温度に冷却する基板冷却装置であって、
    前記冷却プレートの内部に設けられ、冷媒の飽和液が充盈される中空部と、
    前記中空部に冷媒の飽和液を供給する液体供給口と、
    前記中空部にて沸騰した冷媒の飽和液から生じた冷媒の蒸気を排出する気体排出口と、
    を備え、
    前記中空部は、
    前記液体供給口と連通し、第1の方向に沿って延びる供給側流路と、
    前記気体排出口と連通し、前記供給側流路と平行に設けられた排出側流路と、
    前記第1の方向に沿って前記供給側流路と前記排出側流路との間に列設され、前記供給側流路と前記排出側流路とを連通接続する複数の連絡流路と、
    を備え、
    前記冷却プレートに載置される円形基板の中央部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔が、当該円形基板の周辺部に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔よりも密であることを特徴とする基板冷却装置。
  2. 請求項1記載の基板冷却装置において、
    前記円形基板の中央部に対応する領域から周辺部に対応する領域に向かうにつれて互いに隣接する連絡流路の間隔が疎となることを特徴とする基板冷却装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の基板冷却装置において、
    前記円形基板の中央部から基板半径の少なくとも半分に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔は、前記円形基板によって覆われる連絡流路の長さと反比例することを特徴とする基板冷却装置。
  4. 請求項1または請求項2記載の基板冷却装置において、
    前記円形基板の中央部から基板半径の少なくとも半分に対応する領域において互いに隣接する連絡流路の間隔は、前記円形基板によって覆われる連絡流路の長さと当該間隔とによって規定される矩形の面積が一定となるように設定されることを特徴とする基板冷却装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板冷却装置において、
    前記円形基板の中央部に対応する領域における連絡流路の太さが、当該円形基板の周辺部に対応する領域における連絡流路の太さよりも大きいことを特徴とする基板冷却装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板冷却装置において、
    前記冷却プレートは、
    四角柱形状の基台と、
    前記基台の上面に形成され、円形基板を載置する円板状の載置台と、
    を備え、
    前記中空部は、前記基台の内部に形設されることを特徴とする基板冷却装置。
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