JP2005082539A - チタノセン類を触媒とする芳香族フッ素化物の脱フッ素化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
反応条件を制御しやすく、加水分解処理も不要である、簡便かつ選択性の良い、有機フッ素化物からの脱フッ素化方法の提供。
【解決手段】
有機フッ素化物を、チタノセンジハライドあるいはチタノセンモノハライド触媒と、アルキルマグネシウム試薬とを組み合わせて、有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法により上記課題を解決する。
【選択図】なし
反応条件を制御しやすく、加水分解処理も不要である、簡便かつ選択性の良い、有機フッ素化物からの脱フッ素化方法の提供。
【解決手段】
有機フッ素化物を、チタノセンジハライドあるいはチタノセンモノハライド触媒と、アルキルマグネシウム試薬とを組み合わせて、有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法により上記課題を解決する。
【選択図】なし
Description
本発明は、有機フッ素化物の脱フッ素化処理方法に関する。
現在、有機ハロゲン化物を含むものを焼却処分をする際に焼却施設から発生する毒性の強いダイオキシン類は、人や動物の体内に残留し、また母乳から乳児への影響も推測されており、社会的に大きな問題となっている。特に有機フッ素化物は、オゾン層を破壊するなど社会的に重大な問題となっている。
このように有機ハロゲン化物からの脱ハロゲン化は有機化学において重要な反応であるから、多くの脱ハロゲン化方法および脱ハロゲン化試薬が現在までに開発されている。このような中で、ジルコニウム化合物と金属マグネシウムを用いた芳香族フッ素化物の脱フッ素化反応が報告されている。しかしながら、この方法は不均一系であるため反応条件を制御しにくいという問題があった。また、脱フッ素化反応によってグリニャールが生成するため、後処理として発熱を伴う加水分解プロセスを必要としていた。
このため、反応条件を制御しやすく、加水分解処理も不要である、有機フッ素化物からの脱フッ素化処理方法が望まれていた。
このため、反応条件を制御しやすく、加水分解処理も不要である、有機フッ素化物からの脱フッ素化処理方法が望まれていた。
本発明は、反応条件を制御しやすく、加水分解処理も不要である、簡便かつ選択性の良い、有機フッ素化物からの脱フッ素化方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様では、有機フッ素化物を、下記式(1a)で表される第1の有機金属化合物触媒と、
[式中、L1及びL2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。但し、L1及びL2は、架橋されていてもよい。X1及びX2は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子又はC1〜C6アルコキシ基を示す。]下記式(2)で表されるアルキルマグネシウム試薬と
RMgY (2)
[式中、Rは、C2〜C10アルキル基又はC2〜C10アルケニル基であり、Yは、ハロゲン原子を示す。]を用いて有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法が提供される。
RMgY (2)
[式中、Rは、C2〜C10アルキル基又はC2〜C10アルケニル基であり、Yは、ハロゲン原子を示す。]を用いて有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法が提供される。
本発明の第1態様において、X1及びX2が塩素であることが好ましい。
また、本発明の第1態様において、前記有機フッ素化物の量と、前記アルキルマグネシウム試薬の量が、モル比で、1:2〜10であることが好ましい。
本発明の第2態様では、有機フッ素化物を、下記式(1b)で表される第2の有機金属化合物触媒と、
[式中、L3は、アニオン性配位子を示す。X3、X4及びX5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、ハロゲン原子又はC1〜C6アルコキシ基を示す。]下記式(2)で表されるアルキルマグネシウム試薬と
RMgY (2)
[式中、Rは、C2〜C10アルキル基又はC2〜C10アルケニル基であり、Yは、ハロゲン原子を示す。]を用いて有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法が提供される。
RMgY (2)
[式中、Rは、C2〜C10アルキル基又はC2〜C10アルケニル基であり、Yは、ハロゲン原子を示す。]を用いて有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法が提供される。
本発明の第2態様において、X3、X4及びX5が塩素であることが好ましい。
また、本発明の第2態様において、前記有機フッ素化物の量と、前記アルキルマグネシウム試薬の量が、モル比で、1:2〜10であることが好ましい。
また、本発明の第1態様及び第2態様において、前記有機フッ素化物が芳香族フッ素化物であることが好ましい。また、有機溶媒がテトラヒドロフランであることが好ましい。
本発明により、有機フッ素化物を有機溶媒中において簡便かつ効率的に脱フッ素化できる。
本発明の第1態様では、有機フッ素化物を、下記式(1a)で表される第1の有機金属化合物触媒と下記式(2)で表されるアルキルマグネシウム試薬とを用いて有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法が提供される。
[式中、R、Y、L1、L2、X1及びX2は、上記の意味を有する。Org.は有機基を示し、nは1以上の整数を示す。]
また、本発明の第2態様では、有機フッ素化物を、下記式(1b)で表される第2の有機金属化合物触媒と下記式(2)で表されるアルキルマグネシウム試薬とを用いて有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法が提供される。
[式中、R、Y、L3、X3、X4及びX5は、上記の意味を有する。Org.は有機基を示し、nは1以上の整数を示す。]
また、本発明の第2態様では、有機フッ素化物を、下記式(1b)で表される第2の有機金属化合物触媒と下記式(2)で表されるアルキルマグネシウム試薬とを用いて有機溶媒中で処理することを特徴とする脱フッ素化処理方法が提供される。
本発明の第1態様および第2態様では、有機フッ素化物が脱フッ素化される。有機フッ素化物としては、芳香環にフッ素が導入された芳香族フッ素化物、脂肪族炭化水素にフッ素が導入された脂肪族フッ素化物を挙げることができる。
本明細書において、「芳香環」とは、単環式芳香環、多環式芳香環等を挙げることができる。
「単環式芳香環」としては、ベンゼン環、5員又は6員の複素環を挙げることができる。
「5員又は6員の複素環」としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
「多環式芳香環」としては、多環式芳香族炭化水素、多環式複素芳香環を挙げることができる。
「多環式芳香族炭化水素」としては、ビフェニル、トリフェニル、ナフタレン、インデン、アントラセン、フェナントレン等を挙げることができる。
「多環式複素芳香環」としては、インドール、キノリン、プリン等を挙げることができる。
芳香族フッ素化物は、上記「芳香環」のうち置換可能な位置にフッ素が1個以上導入されており、好ましくは1個〜4個導入される。
本明細書において、「脂肪族炭化水素」とは、鎖式炭化水素、脂環式炭化水素等を挙げることができる。
「鎖式炭化水素」としては、C1〜C20アルカン、C2〜C20アルケン、C2〜C20アルキン等を挙げることができる。
「C1〜C20アルカン」は、C1〜C10アルカンであることが好ましく、C1〜C6アルカンであることが更に好ましい。アルカンの例としては、制限するわけではないが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等を挙げることができる。
「C2〜C20アルケン」は、C2〜C10アルケンであることが好ましく、C2〜C6アルケンであることが更に好ましい。アルケンの例としては、制限するわけではないが、エテン、プロペン、ブテン等を挙げることができる。
「C2〜C20アルキン」は、C2〜C10アルキンであることが好ましく、C2〜C6アルキンであることが更に好ましい。アルキンの例としては、制限するわけではないが、アセチレン、プロピン、ブチン等を挙げることができる。
「脂環式炭化水素」としては、C4〜C20シクロアルカン、C4〜C20シクロアルケン等を挙げることができる。
「C4〜C20シクロアルカン」は、C4〜C10シクロアルカンであることが好ましい。シクロアルカンの例としては、制限するわけではないが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等を挙げることができる。
「C4〜C20シクロアルケン」は、C4〜C10シクロアルケンであることが好ましい。シクロアルケンの例としては、制限するわけではないが、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン等を挙げることができる。
脂肪族フッ素化物は、上記「脂肪族炭化水素」のうち置換可能な位置にフッ素が1個以上導入されており、好ましくは1個〜4個導入される。
本発明において、有機フッ素化物としては、芳香族フッ素化物を好ましく挙げることができ、具体的には、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、1−フルオロナフタレン、2−フルオロナフタレン、2−フルオロピリジン、3−フルオロピリジン、6−フルオロキノリン、7−フルオロキノリン等を好ましく挙げることができる。
上記式(1a)及び(1b)中、L1、L2及びL3は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、アニオン性配位子を示す。ただし、L1及びL2は、架橋されていてもよい。
前記アニオン性配位子は、非局在化環状η5−配位系配位子、C1〜C20アルコキシ基、C6〜C20アリールオキシ基又はジアルキルアミド基であることが好ましく、非局在化環状η5−配位系配位子であることが更に好ましい。非局在化環状η5−配位系配位子としては、置換されていてもよいシクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基又はアズレニル基を挙げることができ、無置換のシクロペンタジエニル基、及び置換されたシクロペンタジエニル基であることが好ましい。
本明細書において、「C1〜C20アルコキシ基」は、C1〜C10アルコキシ基であることが好ましく、C1〜C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
本明細書において、「C6〜C20アリールオキシ基」は、C6〜C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
この置換シクロペンタジエニル基は、例えば、メチルシクロペンタジエニル、エチルシクロペンタジエニル、イソプロピルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、ジメチルシクロペンタジエニル、ジエチルシクロペンタジエニル、ジイソプロピルシクロペンタジエニル、ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、ベンゾインデニル基、フルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、テトラヒドロフルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基及びアズレニル基である。
非局在化環状η5−配位系配位子は、非局在化環状π系の1個以上の原子がヘテロ原子に置換されていてもよい。水素の他に、周期表第14族の元素及び/又は周期表第15、16及び17族の元素のような1個以上のヘテロ原子を含むことができる。
非局在化環状η5−配位系配位子、例えば、シクロペンタジエニル基は、中心金属と、環状であってもよい、一つの又は複数の架橋配位子により架橋されていてもよい。架橋配位子としては、例えば、CH2、CH2CH2、CH(CH3)CH2、CH(C4H9)C(CH3)2、C(CH3)2、(CH3)2Si、(CH3)2Ge、(CH3)2Sn、(C6H5)2Si、(C6H5)(CH3)Si、(C6H5)2Ge、(C6H5)2Sn、(CH2)4Si、CH2Si(CH3)2、o−C6H4又は2、2'−(C6H4)2が挙げられる。
上記式(1a)及び(1b)中、X1、X2、X3、X4及びX5は、それぞれ、互いに独立し、同一または異なって、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子又はC1〜C6アルコキシ基を示す。
本明細書において、「C1〜C6アルコキシ」としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
本発明において、X1、X2、X3、X4及びX5は、塩素であることが好ましい。
上記式(1a)で示される第1の有機金属化合物触媒としては、例えば、下記のチタノセンを用いることができる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
テトライソプロポキシチタン;
テトラブトキシチタン。
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジエチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジイソプロピルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(ジ−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジクロロチタン;
テトライソプロポキシチタン;
テトラブトキシチタン。
上記式(1b)で示される第2の有機金属化合物触媒としては、例えば、下記のチタノセンを用いることができる。
シクロペンタジエニルトリクロロチタン;
メチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
イソプロピルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
n−ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
t−ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジメチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジエチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジイソプロピルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジ−t−ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
テトラメチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
テトライソプロポキシチタン;
テトラブトキシチタン。
メチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
イソプロピルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
n−ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
t−ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジメチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジエチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジイソプロピルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
ジ−t−ブチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
テトラメチルシクロペンタジエニルトリクロロチタン;
テトライソプロポキシチタン;
テトラブトキシチタン。
本発明の第1態様および第2態様では、下記式(2)で表されるアルキルマグネシウム試薬を用いる。
RMgY (2)
RMgY (2)
上記式(2)中、Rは、C2〜C10アルキル基又はC2〜C10アルケニル基である。
本明細書において、C2〜C10アルキル基としては、制限するわけではないが、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等を挙げることができる。
本明細書において、C2〜C10アルケニル基としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等を挙げることができる。
本発明において、Rは、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、ビニルであることが好ましい。
上記式(2)中、Yはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子を示し、臭素又は塩素であることが好ましい。
本発明の第1態様において、上記式(1a)で示される第1の有機金属化合物触媒の量は、有機フッ素化物1モルに対し、0.001モル〜1モルであり、好ましくは0.01モル〜0.1モルであり、更に好ましくは0.03モル〜0.1モルである。
同様に、本発明の第2態様において、上記式(1b)で示される第2の有機金属化合物触媒の量は、有機フッ素化物1モルに対し、0.001モル〜1モルであり、好ましくは0.01モル〜0.1モルであり、更に好ましくは0.03モル〜0.1モルである。
本発明の第1態様および第2態様において、上記式(2)で示されるアルキルマグネシウム試薬の量は、有機フッ素化物1モルに対し、0.1モル〜100モルであり、好ましくは1モル〜10モルであり、更に好ましくは2モル〜4モルである。
本発明の第1態様および第2態様において、典型的には、有機フッ素化物の溶液に、上記式(1a)で示される第1の有機金属化合物触媒、あるいは、上記式(1b)で示される第2の有機金属化合物触媒を添加し、次いで、上記式(2)で示されるアルキルマグネシウム試薬を加え、攪拌する。
反応は、好ましくは−100℃〜300℃の温度範囲で行われ、特に好ましくは−80℃〜100℃の温度範囲、更に好ましくは−80℃〜60℃の温度範囲で行われる。圧力は、例えば、0.1バール〜2500バールの範囲内で、好ましくは0.5バール〜10バールの範囲内である。
溶媒としては、エーテル構造を持つもの、特にテトラヒドロフランのような環状エーテルが好ましいものと推測されるが、反応性との関係は定かではない。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
すべての反応は、特に言及しない限り、乾燥した窒素雰囲気下のもとで行われた。溶媒として用いたテトラヒドロフラン(THF)は窒素気流下、ナトリウム金属、ベンゾフェノンで蒸留して無水とした。試薬は市販品を購入し、そのまま用いた。
実施例1:アルキルマグネシウム試薬の違いによる反応性の実験(試験例1〜9)
−78℃において、1−フルオロナフタレン(1mmol)及びトリクロロシクロペンタジエニルチタニウム(0.1mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液に、アルキルマグネシウム(3mmol)を加えた。反応生成物を50℃で撹拌し、生成物をガスクロマトグラフイー及びNMRで調べた。
各試験例で使用したアルキルマグネシウム、反応時間およびNMR収率を反応式と共に表1に示す。
−78℃において、1−フルオロナフタレン(1mmol)及びトリクロロシクロペンタジエニルチタニウム(0.1mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液に、アルキルマグネシウム(3mmol)を加えた。反応生成物を50℃で撹拌し、生成物をガスクロマトグラフイー及びNMRで調べた。
各試験例で使用したアルキルマグネシウム、反応時間およびNMR収率を反応式と共に表1に示す。
メチルマグネシウムブロマイド(MeMgBr)は1−フルオロナフタレンを還元しなかった。芳香族β水素を持っているフェニルマグネシウムブロマイド(PhMgBr)との反応は進行しなかった。t−ブチルマグネシウムブロマイド(t−BuMgBr)またはエチルマグネシウムブロマイド(EtMgBr)との反応は中間の収率であり、n−プロピルネシウムクロライド(n−PrMgCl)、イソプロピルマグネシウムブロマイド(i−PrMgBr)、sec−ブチルマグネシウムクロライド(sec−BuMgCl)との反応では高い収率が得られた。これらのことから、反応性の違いは、β−及びγ−水素及びそれらの立体配置によるものと推測される。
実施例2:有機金属化合物触媒の違いによる反応性の実験(試験例10〜18)
−78℃において、1−フルオロナフタレン(1mmol)及び有機金属化合物触媒(0.1 mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液に、sec−ブチルマグネシウムクロライド(3 mmol)を加えた。反応生成物を50℃で撹拌し、生成物をガスクロマトグラフイー及びNMRで調べた。
各試験例で使用した有機金属化合物触媒、反応時間およびNMR収率を反応式と共に表2に示す。
−78℃において、1−フルオロナフタレン(1mmol)及び有機金属化合物触媒(0.1 mmol)を5mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液に、sec−ブチルマグネシウムクロライド(3 mmol)を加えた。反応生成物を50℃で撹拌し、生成物をガスクロマトグラフイー及びNMRで調べた。
各試験例で使用した有機金属化合物触媒、反応時間およびNMR収率を反応式と共に表2に示す。
表2によれば、有機金属化合物触媒として、アルキルマグネシウム試薬と共に、トリクロロシクロペンタジエニルチタニウムあるいはジクロロビスシクロペンタジエニルチタニウムを用いた場合に顕著に収率が上がることが理解される。
Claims (8)
- X1及びX2が塩素である、請求項1記載の脱フッ素化処理方法。
- 前記有機フッ素化物の量と、前記アルキルマグネシウム試薬の量が、モル比で、1:2〜10である、請求項1又は2に記載の脱フッ素化処理方法。
- X3、X4及びX5が塩素である、請求項4記載の脱フッ素化処理方法。
- 前記有機フッ素化物の量と、前記アルキルマグネシウム試薬の量が、モル比で、1:2〜10である、請求項4又は5に記載の脱フッ素化処理方法。
- 前記有機フッ素化物が芳香族フッ素化物である、請求項1〜6のいずれかに記載の脱フッ素化処理方法。
- 有機溶媒がテトラヒドロフランである、請求項1〜7のいずれかに記載の脱フッ素化処理方法。
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