JP2005081576A - 高隠蔽ポリエステルシートおよびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価で、隠蔽性、白色性に優れかつ良好な機械強度を有する、トランプやキャッシュカード、クレジットカード、ICカードに好適な高隠蔽ポリエステルシートを提供する。
【解決手段】白色着色剤を含有し、厚みが5〜50μmである白色ポリエステル層(A)と、黒色着色剤を0.001〜0.1重量%と白色着色剤を含有するポリエステル層(B)を少なくとも2層以上積層したシートにおいて、シート全体の白色着色剤含有量が式(1)を満たし、かつ光線透過率が5%以下であることを特徴とする高隠蔽ポリエステルシート。
2700/20b<a≦2700/1.5b (1)
a:白色着色剤の含有量(重量%)
b:高隠蔽ポリエステルシートの厚み(μm)
また、本発明の高隠蔽ポリエステルシートは、白色ポリエステル層(A)及びポリエステル層(B)が含有している白色着色剤が酸化チタンであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】白色着色剤を含有し、厚みが5〜50μmである白色ポリエステル層(A)と、黒色着色剤を0.001〜0.1重量%と白色着色剤を含有するポリエステル層(B)を少なくとも2層以上積層したシートにおいて、シート全体の白色着色剤含有量が式(1)を満たし、かつ光線透過率が5%以下であることを特徴とする高隠蔽ポリエステルシート。
2700/20b<a≦2700/1.5b (1)
a:白色着色剤の含有量(重量%)
b:高隠蔽ポリエステルシートの厚み(μm)
また、本発明の高隠蔽ポリエステルシートは、白色ポリエステル層(A)及びポリエステル層(B)が含有している白色着色剤が酸化チタンであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステル樹脂よりなる高隠蔽ポリエステルシートに関する。より詳しくは、隠蔽性、白色性に優れかつ良好な機械強度を有する、トランプやキャッシュカード、クレジットカード、ICカードに好適な高隠蔽ポリエステルシートに関する。
トランプや各種カードには、裏面の表示が透けない程度の高隠蔽性と、使用時や持ち運ぶ際に想定される落下や折り曲げに対する強度が必要とされ、カードの主原料として、塩化ビニル樹脂が使用されている。また、隠蔽性を有する着色剤としては酸化チタンが利用されている。近年、塩化ビニル樹脂は燃焼時における猛毒のダイオキシン類が発生する疑いがあり、その使用量が減少する傾向にある。その代替として、ポリエチレンテレフタレ−トを代表とするポリエステルシートがあり、燃焼時にダイオキシン類を発生することはなく、しかも耐熱性、印刷の光沢性と鮮明性、腰の強さの点で優れており、印刷材料や情報記録材料としての使用範囲を拡大しつつある。
このポリエステルシートをトランプや各種カードとして使用する際、必要となる白色性と隠蔽性を付与する方法として、フィルム中に微細空洞を分散させる方法と白色顔料を添加する方法が検討されてきた。例えば、特許文献1では、微細空洞の分散により白色性・隠蔽性を付与したフィルムを記録材料としての利用することが検討されている。しかし、この方法により白色性や隠蔽性を付与されたフィルムにおいては、空洞の存在に起因する強度低下やしわの発生といった機械的性能の低下が避けられず、その空洞含有量には自ずと上限があった。このため、この方法により得られるフィルムで上記用途に用いるに十分な白色性や隠蔽性を有したものは得られておらず、白色顔料を添加する方法との併用が必要であった。
白色顔料を添加して隠蔽性を付与する方法として、例えば特許文献2などでは、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタンなどの白色顔料をフィルム中に含有させている。しかしながら、炭酸カルシウムや硫酸バリウムは基材ポリエステルとの屈折率差が小さいため、十分な隠蔽力を発揮させるには多量の粒子を添加せざるをえなかった。このため、コストの上昇やフィルム強度の低下などの問題点が未解決であり、未だ十分なものが得られていない。これに対して、二酸化チタンは高い屈折率による光散乱能力を有するため、フィルム中に少量含有させることにより高い隠蔽性を発現させることが可能であり、二酸化チタンの使用が広く検討されている。しかしながら、二酸化チタンのみにより、トランプやカード程度の厚みでの裏面表示の透過を抑制するためには、多量の二酸化チタン粒子を添加する必要があるため、シートの機械強度が低下し使用時や持ち運ぶ際に想定される落下や折り曲げに耐えられないという問題があった。また、二酸化チタンは非常に高価であり、二酸化チタンの多量添加は最終製品価格の大幅なアップにつながり、安価な用途への展開を妨げてきた。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、安価で、隠蔽性、白色性に優れかつ良好な機械強度を有する、トランプやキャッシュカード、クレジットカード、ICカードに好適な高隠蔽ポリエステルシートを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、白色着色剤と少量の黒色着色剤を併用することで、極めて少量の配合量で高い隠蔽性を付与でき、しかもポリエステルシートの諸特性を損なうことがないことを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は白色着色剤を含有し、厚みが5〜50μmである白色ポリエステル層(A)と、黒色着色剤を0.001〜0.1重量%と白色着色剤を含有するポリエステル層(B)を少なくとも2層以上積層したシートにおいて、シート全体の白色着色剤含有量が式(1)を満たし、かつ光線透過率が5%以下であることを特徴とする高隠蔽ポリエステルシート。
2700/20b<a≦2700/1.5b (1)
a:白色着色剤の含有量(重量%)
b:高隠蔽ポリエステルシートの厚み(μm)
2700/20b<a≦2700/1.5b (1)
a:白色着色剤の含有量(重量%)
b:高隠蔽ポリエステルシートの厚み(μm)
また、本発明の高隠蔽ポリエステルシートは以下の態様をとることが好ましい。
白色ポリエステル層(A)及びポリエステル層(B)が含有している白色着色剤が酸化チタンである。
本発明の高隠蔽ポリエステルシートは、隠蔽性のある着色剤の配合量を極力少なくすることで、安価で、隠蔽性、白色性に優れかつ良好な機械強度を有し、トランプやキャッシュカード、クレジットカード、ICカードに好適である。
本発明の高隠蔽ポリエステルシートは、白色ポリエステル層(A)とポリエステル層(B)とからなる。
本発明において、各層を構成するポリエステルとは、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族ジカルボン酸又はそのエステルと、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接エステル化反応させた後重縮合させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造することができる。かかるポリエステルの代表例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマーであってもよく、第三成分を共重合したものであっても良い。
また、このポリエステルの中には公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、蛍光増白剤などが添加されていても良い。本発明におけるポリエステルシートとしては、耐水性、耐久性、耐薬品性などに優れているポリエチレンテレフタレートが好ましい。
本発明の白色ポリエステル層(A)の厚みが5〜50μmであることが好ましく、さらには8〜45μmであることが好ましい。厚みが5μm未満では高隠蔽ポリエステルシートの白色度が低下し80%未満となり、シートカラーは白色とは言えなくなるため、印刷後のカラーへ影響を与える恐れがある。また、厚みが50μmこえると高隠蔽ポリエステルシートの白色度は95%程度で変化なくなり、単に白色着色剤含有量が多くなりコスト
アップにつながってしまう。
アップにつながってしまう。
本発明のポリエステル層(B)における黒色着色剤の含有量は、0.001〜0.1重量%であることが肝要であり、さらに0.001〜0.05重量%であることが好ましい。含有量が0.001重量%未満では、白色着色剤との併用による隠蔽効果や白色着色剤の含有量の低減効果が得られず、0.1重量%を超えると高隠蔽ポリエステルシートの白色度が80%未満となり、シートがグレーに着色する。
また、本発明の高隠蔽ポリエステルシートにおける白色着色剤の含有量は式(1)を満たすことが肝要である。
2700/20b<a≦2700/1.5b (1)
a:白色着色剤の含有量(重量%)
b:高隠蔽ポリエステルシートの厚み(μm)
2700/20b≧aである場合、高隠蔽ポリエステルシートの隠蔽性が低下し、光線透過率が5%を超えてしまうばかりでなく、白色度も80%以下となる。また、a>2700/1.5bである場合、白色着色剤の含有量が多くなるため、シートの機械強度低下やコストアップが問題となる。特に2700/10b<a≦2700/2.0bの場合、隠蔽性と白色度のバランスがよく好ましい。
2700/20b≧aである場合、高隠蔽ポリエステルシートの着色が起こり、白度が80%未満となる。また、a>2700/1.5bである場合、白色着色剤の含有量が多くなるため、シートの機械強度低下やコストアップが問題となる。
2700/20b<a≦2700/1.5b (1)
a:白色着色剤の含有量(重量%)
b:高隠蔽ポリエステルシートの厚み(μm)
2700/20b≧aである場合、高隠蔽ポリエステルシートの隠蔽性が低下し、光線透過率が5%を超えてしまうばかりでなく、白色度も80%以下となる。また、a>2700/1.5bである場合、白色着色剤の含有量が多くなるため、シートの機械強度低下やコストアップが問題となる。特に2700/10b<a≦2700/2.0bの場合、隠蔽性と白色度のバランスがよく好ましい。
2700/20b≧aである場合、高隠蔽ポリエステルシートの着色が起こり、白度が80%未満となる。また、a>2700/1.5bである場合、白色着色剤の含有量が多くなるため、シートの機械強度低下やコストアップが問題となる。
また、本発明の高隠蔽ポリエステルシートの光線透過率は5%以下であることが肝要である。光線透過率が5%を超えると、シートに両面印刷を施した場合、裏面の模様が透けて表示を正確に読み取ることができない。また、カードの内部情報が漏洩する可能性があり隠蔽性が不十分となる。
本発明で層(A)と層(B)の双方に含有される白色着色剤はとしては、二酸化チタン、酸化亜鉛などが挙げられ、特に白度および隠蔽性の点からに二酸化チタンが好ましい。また、二酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型の異なる結晶構造を有するものがあるが、どちらを使用してもかまわない。
本発明の層(B)に含有される黒色着色剤としては、カーボンブラックやアセチレンブラックなどが挙げられるが、隠蔽性やコストの観点からカーボンブラックが好ましい。
また、高隠蔽ポリエステルシート中の白色ポリエステル層(A)には、滑り性を付与するために、無機または有機の粒子や有機易滑剤を必要に応じて含有させてもよい。本発明で使用可能な粒子としては、上記二酸化チタンとカーボンブラックのほか、シリカ、カオリナイト、タルク、炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、架橋ポリスチレンが例示されるが、特に限定されるものではない。
また、白色ポリエステル層(A)には、スクラッチ防止や溶剤印刷性の改善のために、ポリオレフィン、変性オレフィン、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマーなどを配合してもよい。
また、前述の着色剤などを含有させる方法としては、各種の方法を用いることができる。その代表的な方法としては、ポリエステルに添加し、溶融混練する方法や着色剤などを多量に添加したマスターペレットを製造し、着色剤を含有しないポリエステルと溶融混練し、所定量の添加物を含有させる方法がある。
本発明の高隠蔽ポリエステルシートの製造方法は任意であり、特に制限されるものではないが、例えば前述の組成からなる混合物を溶融させシート状に共押出し成形するという一般的な方法を用いることが出来る。また、白色ポリエステル層(A)シート及びポリエステル層(B)をそれぞれ単独に共押出し成形したシートをバインダーなどによって、後加工により積層する方法を用いることもできる。
このようにして得られた高隠蔽ポリエステルシートは、白色着色剤による高い白色性を有する層と白色着色剤・黒色着色剤による極めて高い隠蔽性を備えつつ、優れた機械強度を有している。
また、本発明の高隠蔽ポリエステルシートにおいて、そのいずれか一方または両方の表面に塗布層を有していても構わない。塗布層を設けることにより、帯電防止性の付与や印刷時のシートの滑り性を改善することができる。塗布層を構成する帯電防止剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系などが挙げられるが、性能の安定性からアニオン系が好ましい。また、滑り性改善剤としては、シリコーンが挙げられる。
塗布層を設ける方法としては、ロールコーター方式や噴霧方式など通常用いられている方法が適用できる。塗布する段階としては、押出し成形直後に塗布する方法がある。
次に本発明の実施例および比較例を示す。まず、測定・評価方法を以下に示す。
(1)ポリエステルの固有粘度:フェノール60重量%とテトラクロロエタン40重量%の混合溶媒に、原料ポリエステルおよび成形後の高隠蔽ポリエステルシートを溶解し、30℃にて測定した。
(2)厚み:(株)ミツトヨ製マイクロメータ(SPM2−25DM)によりシートの任意の点を10点測定し、その平均値を厚みとした。
(3)白色度:日本電色工業(株)製測色色差計(ZE−2000、光源はC、2度視野)を用いて色差を測定した。フィルムの白色度はL値(%)を用いて、80%以上の場合を白色度良好で○とし、80%未満である場合を白色度不足で×とした。
(4)隠蔽性:日本電色工業(株)製濁度計(NDH2000、光源はC)を用いて、各シートの全光線透過率を測定した。この値が5%以下である場合を○、5%を超える場合を×とした。
(5)衝撃強度:−10℃±2℃の条件下で、シート上50cmの高さから重量200gの鉄球を落下させた。この際、割れない(変形及び単に穴が開く場合も含む)場合を衝撃強度良好とし○、ヒビ割れた場合を衝撃強度不足とし×とした。
(6)総合評価
各シートの白色度、隠蔽性、衝撃強度などを評価し、全てを満足しているものを○とし、それ以外を×とした。
各シートの白色度、隠蔽性、衝撃強度などを評価し、全てを満足しているものを○とし、それ以外を×とした。
(ポリエステル層(B)における黒色着色剤の含有量による影響の検討)
〔実施例1〕
(マスターペレットの調整)
原料として、常法により得られた固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(三井化学製 SE030F)40重量%に平均粒径0.26μmのルチル型二酸化チタン粒子60重量%を混合したものをベント式二軸押し出し機に供給して予備混練りした。この溶融樹脂を連続的にベント式同方向二軸混練り機に供給、混練りして押出し、得られたストランドを冷却、切断して二酸化チタン60%含有マスターペレットを調製した。次に、固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学製
SE030F)99.5重量%にカーボンブラック0.5重量%を混合したものをベント式二軸押し出し機に供給して予備混練りした後、溶融樹脂を連続的にベント式単軸混練り機に供給、混練りしてカーボンブラック0.5重量%マスターペレット(B)を調製した。
〔実施例1〕
(マスターペレットの調整)
原料として、常法により得られた固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(三井化学製 SE030F)40重量%に平均粒径0.26μmのルチル型二酸化チタン粒子60重量%を混合したものをベント式二軸押し出し機に供給して予備混練りした。この溶融樹脂を連続的にベント式同方向二軸混練り機に供給、混練りして押出し、得られたストランドを冷却、切断して二酸化チタン60%含有マスターペレットを調製した。次に、固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学製
SE030F)99.5重量%にカーボンブラック0.5重量%を混合したものをベント式二軸押し出し機に供給して予備混練りした後、溶融樹脂を連続的にベント式単軸混練り機に供給、混練りしてカーボンブラック0.5重量%マスターペレット(B)を調製した。
(シートの作製)
メイン押出し機に固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学製 SE030F)93.7重量%と上記の二酸化チタン60重量%含有マスターペレット3.8重量%及び上記のカーボンブラック0.5重量%含有マスターペレット6.0重量%を供給し、サブ押出し機に固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学製 SE030F)58.3重量%と上記の二酸化チタン60重量%含有マスターペレット41.7重量%を供給し、フィードブロックを用いてメイン押出し機より押出される組成からなる層(層(B))とサブ押出し機から押出される組成からなる層(層(A))を層(A)/層(B)/層(A)の順に積層した。これを25℃に調温した冷却ロール上にTダイより共押出し高隠蔽ポリエステルシートを得た。なお、各押出機の吐出量はシート厚みが約200μmとなり、A層の厚みが約8μmとなるよう調製した。
メイン押出し機に固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学製 SE030F)93.7重量%と上記の二酸化チタン60重量%含有マスターペレット3.8重量%及び上記のカーボンブラック0.5重量%含有マスターペレット6.0重量%を供給し、サブ押出し機に固有粘度0.80dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学製 SE030F)58.3重量%と上記の二酸化チタン60重量%含有マスターペレット41.7重量%を供給し、フィードブロックを用いてメイン押出し機より押出される組成からなる層(層(B))とサブ押出し機から押出される組成からなる層(層(A))を層(A)/層(B)/層(A)の順に積層した。これを25℃に調温した冷却ロール上にTダイより共押出し高隠蔽ポリエステルシートを得た。なお、各押出機の吐出量はシート厚みが約200μmとなり、A層の厚みが約8μmとなるよう調製した。
〔実施例2〜5、比較例1〜6〕
実施例1におけるメイン押出し機及びサブ押出し機への供給樹脂組成を表1のようになるよう調整し、シート厚みも表1のようになるよう調節して高隠蔽ポリエステルシートを得た。
実施例1におけるメイン押出し機及びサブ押出し機への供給樹脂組成を表1のようになるよう調整し、シート厚みも表1のようになるよう調節して高隠蔽ポリエステルシートを得た。
上記より、黒色着色剤の含有量による影響は以下のように結論することができる。実施例1〜5の高隠蔽ポリエステルシートは、本発明の請求項1記載の要件を満足しており、高い白色性・隠蔽性と良好な衝撃強度を保持する安価な高隠蔽ポリエステルシートを得ることができた。それに比べ、比較例1のように黒色着色剤を併用せずに光線透過率5%以下を達成するためには、多量の白色着色剤を含有する必要があり、衝撃強度が不足するばかりでなく、コストアップにもつながった。また、比較2,3,5のように黒色着色剤であるカーボンブラックの含有量が0.001%未満の場合、全光線透過率が5%を超え、良好な隠蔽性が得られない。また、比較例4,6のようにカーボンブラックの含有量が0.1%超える場合、白度が80%未満となり、高隠蔽ポリエステルシートのグレーに着色した。
(白色着色剤の含有量による影響の検討)
〔実施例6,7、比較例7〜9〕
実施例1におけるメイン押出し機及びサブ押出し機への供給樹脂組成を表2のように調整し、シート厚みも表3のようになるよう調節して高隠蔽ポリエステルシートを得た。
〔実施例6,7、比較例7〜9〕
実施例1におけるメイン押出し機及びサブ押出し機への供給樹脂組成を表2のように調整し、シート厚みも表3のようになるよう調節して高隠蔽ポリエステルシートを得た。
以上の方法で得られた高隠蔽ポリエステルシートの白度、隠蔽性及び衝撃強度について、前述した方法による測定・評価した結果を表2に示す。
上記より、高隠蔽ポリエステルシートにおける白色着色剤の含有量(a)による影響は以下のように結論することができる。実施例6,7の高隠蔽ポリエステルシートは、本発明の請求項1記載の要件を満足しており、高い白色性・隠蔽性と良好な衝撃強度を保持する安価な高隠蔽ポリエステルシートを得ることができた。それに比べ、比較例7,9のように2700/20b≧aとなる場合、全光線透過率が5%を超え、良好な隠蔽性が得られないばかりでなく、白色度も80%未満となってしまう。また、比較例8のようにa>2700/1.5bとなる場合、衝撃強度が不足するばかりでなく、白色着色剤を多量に含有するためコストアップにもつながった。
本発明の方法は特に工業分野での使用に適している。
Claims (3)
- 白色着色剤を含有し、厚みが5〜50μmである白色ポリエステル層(A)と、黒色着色剤を0.001〜0.1重量%と白色着色剤を含有するポリエステル層(B)を少なくとも2層以上積層したシートにおいて、シート全体の白色着色剤含有量が式(1)を満たし、かつ光線透過率が5%以下であることを特徴とする高隠蔽ポリエステルシート。
2700/20b<a≦2700/1.5b (1)
a:白色着色剤の含有量(重量%)
b:高隠蔽ポリエステルシートの厚み(μm) - 白色ポリエステル層(A)及びポリエステル層(B)が含有している白色着色剤が酸化チタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高隠蔽ポリエステルシート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の高隠蔽ポリエステルシートよりなるトランプ、キャッシュカード、クレジットカード、ICカード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003313553A JP2005081576A (ja) | 2003-09-05 | 2003-09-05 | 高隠蔽ポリエステルシートおよびその用途 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005081576A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006347030A (ja) * | 2005-06-16 | 2006-12-28 | Yupo Corp | カード用紙、その製造方法及びトランプカード |
JP2011178869A (ja) * | 2010-02-28 | 2011-09-15 | Mitsubishi Plastics Inc | 単層白色ポリエステルフィルム |
JP2012219198A (ja) * | 2011-04-09 | 2012-11-12 | Mitsubishi Plastics Inc | 単層白色ポリエステルフィルム |
JP2014040540A (ja) * | 2012-08-23 | 2014-03-06 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | ポリエステル樹脂組成物およびシート |
-
2003
- 2003-09-05 JP JP2003313553A patent/JP2005081576A/ja not_active Withdrawn
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