JP2005079855A - 光アナログ伝送システム - Google Patents

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洋侍 岡田
Mitsuru Hirakawa
満 平川
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Abstract

【課題】 誤り率を少なくし、かつ帯域外スペクトルの発生を防止する光アナログ伝送システムを提供する。
【解決手段】 無線制御局110では、LINC変調部101は、複素包絡線信号を複数の定振幅信号に分離し、定振幅信号の実部と虚部を直交変調し、電気/光変換部104,105は、アップコンバータ102,103は、LICN変調部101の出力を無線周波数帯へアップコンバートし、各系統の信号を光強度変調信号に変換する。光ファイバーケーブル130,140は、変換された各系統の光強度変調信号を伝送し、無線基地局120では、光/電気変換部121,122は、光ファイバーケーブル130,140から受けた各系統の光強度変調信号を電気信号に変換し、増幅器123,124は、各系統の変換された電気信号を増幅し、信号合成部125は、各系統の増幅された信号を合成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光アナログ伝送システムに関する。
従来から、光ファイバの広帯域および低損失特性の利点により、光ファイバーケーブルを用いて信号を伝送する光アナログ伝送システムが様々な用途に用いらている。たとえば、非特許文献1では、光アナログ伝送システムによって、無線基地局システムを構築した例が記載されている。
この光アナログ伝送システムでは、1台の無線制御局が光ファイバによって、複数の無線基地局と接続される。移動局への信号の送信時には、無線制御局で、移動局へ送る信号の変調を行ない、光ファイバーケーブルを通じて無線基地局に送り、無線基地局で移動局へ送信を行なう。また、移動局からの信号の受信時には、無線基地局は、移動局から受信した信号を光ファイバーケーブルを通じて無線制御局に送り、無線制御局で、受けた信号の復調を行なう。
このような光アナログ伝送システムによって、無線基地局では、光ファイバーケーブルから受けた光強度変調信号を電気信号に変換し、電気信号を光強度変調信号に変換して光ファイバーケーブルへ送出すればよいので、無線基地局の構成を簡易にすることができる。
IEICE TRANS.ELECTRON., VOL.E76-C, NO.2 FEBRUALY 1993 p.271-p.278, "Performance Analysis of Optical Fiber Link for Microcellular Mobile Communication Systems"
しかしながら、このような光アナログ伝送システムでは、非特許文献1に記載されているように、レーザダイオードによって、電気信号が光強度変調信号に変換されて、光ファイバーケーブルに送られるのだが、レーザダイオードの非線形性によって、伝送される信号の誤り率が劣化したり、帯域外スペクトルが発生する。
それゆえに、本発明の目的は、誤り率を少なくし、かつ帯域外スペクトルの発生を防止する光アナログ伝送システムを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明に係わる光アナログ伝送システムは、送信装置と受信装置とが光ケーブルで接続された光アナログ伝送システムであって、送信装置は、複素包絡線信号を複数系統の定振幅信号に分離し、定振幅信号の実部と虚部を直交変調する変調部と、変調部から出力された各系統の信号を光強度変調信号に変換する第1変換部とを備え、光ケーブルは、変換された各系統の光強度変調信号を伝送し、受信装置は、光ケーブルから受けた各系統の光強度変調信号を電気信号に変換する第2変換部と、第2変換部が出力する各系統の信号を合成する合成部とを備える。
好ましくは、受信装置は、さらに、第2変換部が出力する各系統の信号を増幅する増幅部を備え、合成部は、各系統の増幅された信号を合成する。
好ましくは、送信装置は、さらに、変調部から出力される各系統の信号とともに、またはこれに代えて、総和が零となる複数の既知の信号を第1変換部に与える既知信号出力部を備え、受信装置は、さらに、第2変換部が出力する少なくとも1つの系統の信号の振幅を補正し、または第2変換部が出力する少なくとも1つの系統の信号の位相を補正する補正部と、合成部から出力された信号に含まれる、複数の既知の信号によって生成された信号成分を抽出する抽出部と、抽出部で抽出された信号成分の振幅が小さくなるように、補正部による振幅または位相の補正量を制御する制御部とを備える。
より好ましくは、変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、既知信号出力部は、変調部からの出力がないときに、トーン信号を一方の系統に与え、トーン信号と逆相のトーン信号を他方の系統に与える。
より好ましくは、変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、既知信号出力部は、変調部からの出力があるときに、所定の周波数のトーン信号を一方の系統に与え、トーン信号と逆相のトーン信号を他方の系統に与え、抽出部は、合成部から出力される信号のうち、トーン信号から生成された信号成分のみを通すようにカットオフ周波数が定められたフィルタを含む。
より好ましくは、変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、既知信号出力部は、変調部からの出力がないときに、ユニークワード信号を一方の系統に与え、ユニークワード信号の符号を逆にした信号を他方の系統に与え、受信装置は、さらに、第2変換部の出力信号からユニークワード信号を検出したときに、タイミング信号を出力する検出部を備え、抽出部は、タイミング信号に基づいて、合成部から出力される信号を取得するスイッチを含む。
より好ましくは、変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、増幅部は、所定の範囲で線形動作が可能な増幅器であり、補正部は、いずれか1つの系統に、第2変換部の出力信号の振幅を補正する振幅可変回路と位相を補正する位相可変回路とを含み、制御部は、振幅可変回路の振幅補正量および位相可変回路の位相補正量を制御する。
好ましくは、光アナログ伝送システムは、無線基地局システムに適用されるものであって、送信装置および受信装置のいずれかは、無線周波数帯へのアップコンバートを行なうアップコンバータを備え、受信装置は、合成部で合成された信号を無線端末に向けて送信する。
本発明によれば、複素包絡線信号が定振幅信号に分離されるので、第1変換部または第2変換部によって定振幅信号の振幅が変化しても複素包絡線信号の特徴が変化さず、複素包絡線信号の誤り率を少なくすることができる。また、第1変換部に入力される信号が一定振幅なので、帯域外スペクトルの発生も防止することもできる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
本実施の形態は、LINC(LInear amplication using Nonlinear Components)変調を用いた光アナログ伝送システムに関する。
(構成)
図1は、第1の実施形態に係る光アナログ伝送システムの構成を示す。同図を参照して、この光アナログ伝送システム100は、無線制御局110と、無線基地局120と、無線制御局110と無線基地局120とを接続する光ファイバーケーブル130,140とからなる。
無線制御局110は、LINC変調部101と、アップコンバータ102,103と、電気/光変換部(E/O)104,105とを備える。無線基地局120は、光/電気変換部(O/E)121,122と、増幅器(HPA)123,124と、信号合波部125と、アンテナ127とを備える。
LINC変調部101には、変調された複素包絡線信号s(t)が入力される。複素包絡線信号s(t)は、2個の実信号I(t),Q(t)により次のように書くことができる。
s(t)=I(t)+jQ(t)=A(t)exp(jθ(t))・・・(A1)
ただし、A(t)={I2(t)+Q2(t)}1/2・・・(A1−1)
θ(t)=tan-1(Q(t)/I(t))・・・(A1−2)
tは時刻、A(t)はs(t)の振幅、jは虚数単位、θ(t)はs(t)の位相である。
LINC変調部101は、複素包絡線信号s(t)を、次のように2系統の定振幅信号s1(t)とs2(t)とに分離する。
s(t)=s1(t)+s2(t)・・・(A2)
1(t)=Vexp[j(θ(t)+ψ(t))]・・・(A3)
2(t)=Vexp[j(θ(t)−ψ(t))]・・・(A4)
ここで、Vは一定の振幅である。
式(A1)、(A3)、および(A4)を式(A2)に代入することにより、
A(t)exp(jθ(t))=Vexp(jθ(t))(exp(jψ(t))+exp(−jψ(t))=2Vcos(ψ(t))exp(jθ(t))・・・(A5)
となるので、Vm=2Vとすると、
ψ(t)=cos-1(A(t)/Vm)・・・(A6)
となる。なお、Vmは、s(t)の最大振幅であるmax[A(t)]以上に設定する必要がある。
LINC変調部101は、さらに、次のように定振幅信号s1(t)およびs2(t)の実部と虚部とを角周波数ωの搬送波で直交変調して、次のLINC変調信号を出力する。
1 (1)(t)=Re{s1(t)exp(jωct)}=Vcos(ωct+θ(t)+ψ(t))・・・(A7)
2 (1)(t)=Re{s2(t)exp(jωct)}=Vcos(ωct+θ(t)−ψ(t))・・・(A8)
アップコンバータ102,103は、直交変調された信号s1 (1)(t),s2 (1)(t)を角周波数ωL0の信号と混合させて、次のように無線周波数帯へアップコンバートする。
1 (2)(t)=Kcos(ωct+θ(t)+ψ(t)+ωL0t+φ(2))=
Kcos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+φ(2))・・・(A9)
2 (2)(t)=Kcos(ωct+θ(t)−ψ(t)+ωL0t+φ(2))=
Kcos(ωrt−θ(t)+ψ(t)+φ(2))・・・(A10)
Kは、アップコンバート処理によって変化した振幅で定数、ωr=ωc+ωL0、φ(2)は、アップコンバート処理によって生じた位相遅れである。
ただし、近年、角周波数ωrで直交変調してアップコンバータなしで、直接無線周波数帯信号を出力する技術(ダイレクトコンバージョン)も実用化されている。このような技術を用いる場合、アップコンバータ102,103は、必要ない。
電気/光変換部(E/O)104,105は、それぞれレーザダイオードを含む回路であり、アップコンバートされた信号s1 (2)(t),s2 (2)(t)を光強度変調する。
光ファイバーケーブル130,140は、光強度変調信号を無線制御局110から無線基地局120へ伝送する。
光/電気変換部(O/E)121,122は、それぞれフォトダイオードを含む回路であり、光ファイバーケーブル130,140から受取った光強度変調信号を電気信号に変換する。
電気/光変換部(E/O)104,105と、光ファイバーケーブル130,140と、光/電気変換部(O/E)121,122は、光伝送部131,141を構成する。この光伝送部131,141において生じる非線形性は、電気/光変換部(E/O)104,105に含まれるレーザダイオードで生じるものがほとんどである。
光伝送部131,141は、アップコンバートされた信号s1 (2)(t),s2 (2)(t)より、次のような信号を出力する。
1 (3)(t)=f(K)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+φ(3))・・・(A11)
2 (3)(t)=f(K)cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+φ(3))・・・(A12)
となる。
ただし、f(K)は、光伝送部131,141で変化した振幅であり、φ(3)は、光伝送部131,141で生じた位相遅れとφ(2)との和である。
増幅器(HPA)123は、光/電気変換部(O/E)121から出力される信号s1 (3)(t)を増幅して、第1系統の増幅信号s1 (4)(t)を出力する。増幅器(HPA)124は、光/電気変換部(O/E)122から出力される信号s2 (3)(t)を増幅して、第2系統の増幅信号s2 (4)(t)を出力する。
光伝送部出力から増幅器124,125までの振幅利得をGとし、位相変化をφとすると、第1系統の増幅信号s1 (4)(t)および第2系統の増幅信号s2 (4)(t)は、次のようになる。
1 (4)(t)=Gf(K)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+φ(4))・・・(A13)
2 (4)(t)=Gf(K)cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+φ(4))・・・(A14)
ただし、φ(4)=φ(3)+φ
信号合波部125は、第1系統の増幅信号s1 (4)(t)と第2系統の増幅信号s2 (4)(t)とを加算して、合成信号y(t)を出力する。合成信号y(t)は、次のように表わされる。
y(t)=s1 (4)(t)+s2 (4)(t)=Gf(K)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+φ(4))+Gf(K)cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+φ(4))=2Gf(K)cos(ωrt+θ(t)+φ(4))cosψ(t)・・(A15)
式(A15)は、式(A6)を用いると、次のように変形される。
y(t)={2Gf(K)/Vm}A(t)cos(ωrt+θ(t)+φ(4))・・・(A16)
ここで、{2Gf(K)/Vm}は、定数である。
アンテナ127は、信号合波部125で合成された合成信号y(t)を無線端末へ向けて送信する。
以上のように、本実施の形態に係わる光アナログ伝送システムによれば、LINC変調部101によって、複素包絡線信号の特徴が式(A3),(A4)に示されるように、2つの定振幅信号の位相で表現されるので、電気/光変換部(E/O)104,105、光/電気変換部(O/E)121,122、および増幅器(HPA)123,124の入出力特性が非線形成分を持っていたとしても、式(A16)に示されるように、複素包絡線信号の振幅と位相を完全に再生できる。したがって、複素包絡線信号の誤り率が劣化することがなく、さらに、帯域外スペクトルの発生を抑制することができる。
[第2の実施形態]
本実施の形態は、2系統の伝送特性が相違する場合に、2系統の伝送特性の相違を小さくするように補正する光アナログ伝送システムに関する。
第1の実施形態では、2系統の伝送特性、すなわち、2系統の光/電気変換部(O/E)、電気/光変換部(E/O)、および増幅器の振幅と位相の通過特性が同一であったので、入出力特性の非線形性によって、複素包絡線信号の振幅と位相の情報を損なうことなく維持することができた。
しかしながら、実際には、光/電気変換部(O/E)、電気/光変換部(E/O)、および増幅器は、製造ばらつき、温度変化、または経年変化などにより、その特性が相違し、それによって2系統の伝送特性が相違する。2系統の伝送特性が相違する場合には、複素包絡線信号の振幅と位相の情報が維持されなくなる。
それゆえに、本実施の形態では、2系統の伝送特性の相違を小さくするように補正する光アナログ伝送システムに関する。
(構成)
図2は、第2の実施形態に係る光アナログ伝送システムの構成を示す。同図を参照して、この光アナログ伝送システム200は、無線制御局210と、無線基地局220と、無線制御局210と無線基地局220とを接続する光ファイバーケーブル130,140とからなる。
無線制御局210は、図1に示す第1の実施形態における無線制御局110に、パイロット生成部201と、合波器202,203とが追加されている。また、図1に示す電気/光変換部(E/O)104,105に代えて、電気/光変換部(E/O)204,205が用いられている。
LINC変調部101は、図1に示すものと同一である。
LINC変調部101は、複素包絡線信号が入力されたとき、LINC変調信号を出力する。
図3は、パイロット生成部201の詳細な構成を示す。同図に示すように、パイロット生成部201は、たとえば、180°ハイブリッドで構成される。パイロット生成部201は、パイロット信号として互いに逆相の2つのトーン信号(正弦波)を生成する。これらのトーン信号の角周波数ωpについては、後述する。
パイロット生成部201は、パイロット信号を出力する。
合波器202,203は、パイロット生成部201と、LINC変調部101とに接続される。合波器202,203は、LINC変調信号とパイロット信号とを交互に伝送する場合には、LINC変調信号の伝送期間にLINC変調信号を出力し、パイロット信号の伝送期間にパイロット信号を出力する。合波器202,203は、LINC変調信号とパイロット信号とを同時に伝送する場合には、LINC変調信号とパイロット信号とを加算した信号を出力する。
アップコンバータ102,103は、合波器202,203から出力される信号を角周波数ωL0の信号と混合させて、無線周波数帯へアップコンバートする。
電気/光変換部(E/O)204,205は、それぞれレーザダイオードを含む回路であり、アップコンバータ102,103から出力された信号を光強度変調信号に変換する。
無線基地局220は、図1に示す第1の実施形態における無線基地局120に、振幅可変回路(A)208と、位相可変回路(φ)209と、制御部254と、パイロット抽出部255と、スイッチ211と、フィルタ245とが追加されている。
また、無線基地局220では、図1における増幅器(HPA)123,124が、それぞれ増幅器(HPA)206,207に変更されている。また、図1に示す光/電気変換部(O/E)121,122に代えて、光/電気変換部(O/E)221,222が用いられている。
光/電気変換部(O/E)221,222は、それぞれフォトダイオードを含む回路であり、光ファイバーケーブル130,140から受取った光強度変調信号を電気信号に変換する。
電気/光変換部(E/O)204,205と、光ファイバーケーブル130,140と、光/電気変換部(O/E)221,222は、光伝送部231,241を構成する。この光伝送部231,241において生じる非線形性は、電気/光変換部(E/O)204,205に含まれるレーザダイオードで生じるものがほとんどである。
振幅可変回路(A)208は、光/電気変換部(O/E)221から出力される信号の振幅を補正振幅係数α1倍する。補正振幅係数α1の値は可変で設定される。振幅可変回路(A)208に入力される信号の振幅の値をAとしたときに、出力される信号の振幅の値は、α1×Aとなる。
位相可変回路(φ)209は、振幅可変回路(A)208から出力される信号の位相に補正位相量β1を加える。補正位相量β1の値は可変で設定される。位相可変回路(φ)209に入力される信号の位相をPとしたときに、出力される信号の位相は、P+β1となる。
増幅器(HPA)206は、位相可変回路(φ)209から出力される信号を増幅して、第1系統の増幅信号を出力する。増幅器(HPA)206は、所定の範囲で線形動作が可能な増幅器であり、たとえばA級、AB級、B級、またはC級増幅器である。増幅器206の振幅利得をG1とし、位相変化をφ1とする。
増幅器(HPA)207は、光/電気変換部(O/E)222から出力される信号を増幅して、第2系統の増幅信号を出力する。増幅器(HPA)207は、所定の範囲で線形動作が可能な増幅器であり、たとえばA級、AB級、B級、またはC級増幅器である。増幅器207の振幅利得をG2とし、位相変化をφ2とする。
信号合波部125は、第1系統の増幅信号と第2系統の増幅信号とを加算して、合成信号を出力する。
アンテナ127は、信号合波部125で合成された信号を無線端末へ向けて送信する。
次に、LINC変調部101から出力されるLINC変調信号と、パイロット生成部201から出力されるパイロット信号とを交互に伝送するときと、同時に伝送するときにおいて、各構成要素で生成される信号について説明する。
(1) LINC変調信号とパイロット信号とを交互に伝送するとき
(LINC変調信号の伝送期間)
LINC変調部101は、第1の実施形態と同様に、次のようなLINC変調信号を出力する。
1 (1)(t)=Vcos(ωct+θ(t)+ψ(t))・・・(A7)
2 (1)(t)=Vcos(ωct+θ(t)−ψ(t))・・・(A8)
合波器202,203は、信号s1 (1)(t),s2 (1)(t)を出力する。
アップコンバータ102,103は、合波器202,203から信号s1 (1)(t),s2 (1)(t)を受けて、次のようなアップコンバートした信号を出力する。
1 (2)(t)=K1cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (2))・・・(A17)
2 (2)(t)=K2cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+ζ2 (2))・・・(A18)
ただし、K1,K2は、アップコンバート処理によって変化した振幅で定数、ωr=ωc+ωL0、ζ1 (2),ζ2 (2)は、アップコンバート処理によって生じた位相遅れである。
光伝送部231,241は、アップコンバータ102,103からアップコンバートされた信号s1 (2)(t),s2 (2)(t)を受けて、次のような信号を出力する。
1 (3)(t)=f1(K1)×cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3))・・・(A19)
2 (3)(t)=f2(K2)×cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+ζ2 (3))・・・(A20)
たたし、f1(K1),f2(K2)は、光伝送部231,241で変化した振幅であり、ζ1 (3),ζ2 (3)は、それぞれ光伝送部231,241で生じた位相遅れとζ1 (2),ζ2 (2)との和である。
振幅可変回路(A)208は、光伝送部231から出力される信号s1 (3)(t)を受けて、次のように振幅が補正された信号を出力する。振幅可変回路(A)208でも位相遅れが生じるが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)′(t)=α1×f1(K1)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3))・・・(A21)
位相可変回路(φ)209は、振幅可変回路(A)208から信号s1 (4)′(t)を受けて、次のように位相が補正された信号を出力する。位相可変回路(φ)209でも振幅が変化するが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)″(t)=α1×f1(K1)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3)+β1)・・・(A22)
増幅器(HPA)206は、位相可変回路(φ)209から信号s1 (4)″(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
1 (4)(t)=G1α1×f1(K1)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3)+β1+φ1)・・・(A23)
増幅器(HPA)207は、光伝送部241から出力される信号s2 (3)(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
2 (4)(t)=G22(K2)cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+ζ2 (3)+φ2)・・・(A24)
信号合波部125は、増幅器(HPA)206から信号s1 (4)(t)と、増幅器(HPA)207から信号s2 (4)(t)とを受けて、次のような合成信号ys(t)を出力する。
ys(t)=s1 (4)(t)+s2 (4)(t)=G1α1×f1(K1)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3)+β1+φ1)+G22(K2)cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+ζ2 (3)+φ2)・・・(A25)
(パイロット信号の伝送期間)
パイロット生成部201は、次のようなパイロット信号を出力する。
1(t)=K0sin(ωpt)・・・(B1)
2(t)=K0sin(ωpt+π)・・・(B2)
合波器202,203は、パイロット信号p1(t),p2(t)を出力する。
アップコンバータ102,103は、合波器202,203からパイロット信号p1(t),p2(t)を受けて、次のようなアップコンバートした信号を出力する。
1 (2)(t)=Kp1sin(ωrpt+ζ1 (2))・・・(B3)
2 (2)(t)=Kp2sin(ωrpt+π+ζ2 (2))・・・(B4)
ただし、Kp1,Kp2は、アップコンバート処理によって変化した振幅で定数、ωrp=ωp+ωL0、ζ1 (2),ζ2 (2)は、アップコンバート処理によって生じた位相遅れである。
光伝送部231,241は、アップコンバータ102,103からアップコンバートされた信号p1 (2)(t),p2 (2)(t)を受けて、次のような信号を出力する。
1 (3)(t)=f1(Kp1)×sin(ωrpt+ζ1 (3))・・・(B5)
2 (3)t)=f2(Kp2)×sin(ωrpt+π+ζ2 (3))・・・(B6)
たたし、f1(Kp1),f2(Kp2)は、光強度変調によって変化した振幅であり、ζ1 (3),ζ2 (3)は、それぞれ光強度変調によって生じた位相遅れとζ1 (2),ζ2 (2)との和である。
振幅可変回路(A)208は、光伝送部231から信号p1 (3)(t)を受けて、次のように振幅が補正された信号を出力する。振幅可変回路(A)208でも位相遅れが生じるが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)′(t)=α1×f1(Kp1)sin(ωrpt+ζ1 (3))・・・・・・(B7)
位相可変回路(φ)209は、振幅可変回路(A)208から信号p1 (4)′(t)を受けて、次のように位相が補正された信号を出力する。位相可変回路(φ)209でも振幅が変化するが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)″(t)=α1×f1(Kp1)sin(ωrpt+ζ1 (3)+β1)・・・(B8)
増幅器(HPA)206は、位相可変回路(φ)209から信号p1 (4)″(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
1 (4)(t)=G1α1×f1(Kp1)sin(ωrpt+ζ1 (3)+β1+φ1)・・・(B9)
増幅器(HPA)207は、光伝送部241から出力される信号p2 (3)(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
2 (4)(t)=G22(Kp2)sin(ωrpt+π+ζ2 (3)+φ2)・・・(B10)
信号合波部125は、増幅器(HPA)206から信号p1 (4)(t)と、増幅器(HPA)207から信号p2 (4)(t)とを受けて、次のような合成信号yp(t)を出力する。
yp(t)=p1 (4)(t)+p2 (4)(t)=G1α1×f1(Kp1)sin(ωrpt+ζ1 (3)+β1+φ1)+G22(Kp2)sin(ωrpt+π+ζ2 (3)+φ2)・・・(B11)
(2) LINC変調信号とパイロット信号とを同時に伝送するとき
LINC変調部101は、次のようなLINC変調信号を出力する。
1 (1)(t)=Vcos(ωct+θ(t)+ψ(t))・・・(A7)
2 (1)(t)=Vcos(ωct+θ(t)−ψ(t))・・・(A8)
パイロット生成部201は、次のようなパイロット信号を出力する。
1(t)=K0sin(ωpt)・・・(B1)
2(t)=K0sin(ωpt+π)・・・(B2)
合波器202,203は、信号{s1 (1)(t)+p1(t)},{s2 (1)(t)+p2(t)}を出力する。
アップコンバータ102,103は、合波器202,203から信号{s1 (1)(t)+p1(t)},{s2 (1)(t)+p2(t)}を受けて、次のようなアップコンバートした信号を出力する。
1 (2)(t)=s1 (2)(t)+p1 (2)(t)・・・(C1)
2 (2)(t)=s2 (2)(t)+p2 (2)(t)・・・(C2)
ここで、s1 (2)(t)は、式(A17)で表わされ、p1 (2)(t)は、式(B3)で表わされ、s2 (2)(t)は、式(A18)で表わされ、p2 (2)(t)は、式(B4)で表わされる。
光伝送部231,241は、アップコンバータ102,103からアップコンバートされた信号b1 (2)(t),b2 (2)(t)を受けて、次のような信号を出力する。
1 (3)(t)=s1 (3)(t)+p1 (3)(t)・・・(C3)
2 (3)(t)=s2 (3)(t)+p2 (3)(t)・・・(C4)
ここで、s1 (3)(t)は、式(A19)で表わされ、p1 (3)(t)は、式(B5)で表わされ、s2 (3)(t)は、式(A20)で表わされ、p2 (3)(t)は、式(B6)で表わされる。
振幅可変回路(A)208は、光伝送部231から信号b1 (3)(t)を受けて、次のように振幅が補正された信号を出力する。振幅可変回路(A)208でも位相遅れが生じるが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)′(t)=s1 (4)′(t)+p1 (4)′(t)・・・(C5)
ここで、s1 (4)′(t)は、式(A21)で表わされ、p1 (4)′(t)は、式(B7)で表わされる。
位相可変回路(φ)209は、振幅可変回路(A)208から信号b1 (4)′(t)を受けて、次のように位相が補正された信号を出力する。位相可変回路(φ)209でも振幅が変化するが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)″(t)=s1 (4)″(t)+p1 (4)″(t)・・・(C6)
ここで、s1 (4)″(t)は、式(A22)で表わされ、p1 (4)″(t)は、式(B8)で表わされる。
増幅器(HPA)206は、位相可変回路(φ)209から信号b1 (4)″(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
1 (4)(t)=s1 (4)(t)+p1 (4)(t)・・・(C7)
ここで、s1 (4)(t)は、式(A23)で表わされ、p1 (4)(t)は、式(B9)で表わされる。
増幅器(HPA)207は、光伝送部241から出力される信号b2 (3)(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
2 (4)(t)=s2 (4)(t)+p2 (4)(t)・・・(C8)
ここで、s2 (4)(t)は、式(A24)で表わされ、p2 (4)(t)は、式(B10)で表わされる。
信号合波部125は、増幅器(HPA)206から信号b1 (4)(t)と、増幅器(HPA)207から信号b2 (4)(t)とを受けて、次のような合成信号yb(t)を出力する。
yb(t)=ys(t)+yp(t)
=G1α1×f1(K1)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3)+β1+φ1)+G22(K2)cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+ζ2 (3)+φ2)+G1α1×f1(Kp1)sin(ωrpt+ζ1 (3)+β1+φ1)+G22(Kp2)sin(ωrpt+π+ζ2 (3)+φ2)・・・(C9)
再び、図2を参照して、無線基地局220は、パイロット抽出部255を備える。パイロット抽出部255は、信号合波部125から出力される信号から合成信号yp(t)を抽出する。パイロット信号とLINC変調信号とが交互に伝送されているときには、抽出タイミングが正しければ、信号合波部125の出力は、合成信号yp(t)だけになる。一方、パイロット信号とLINC変調信号とが同時に伝送されているときには、信号合波部125の出力は、合成信号yb(t)、すなわち合成信号yp(t)と合成信号ys(t)の和となる。
パイロット信号とLINC信号とが同時に伝送されている場合に、パイロット抽出部255において合成信号yb(t)から合成信号yp(t)だけを分離して取出すことを可能にするため、パイロット生成部201において、パイロット信号であるトーン信号の角周波数ωpを適切な値に設定する。すなわち、図4に示すように、LINC変調信号によって生成された合成信号と、トーン信号によって生成された合成信号の周波数の領域が重ならないように、トーン信号の角周波数ωpを定める。パイロット信号とLINC変調信号を交互に伝送する場合は、ωpはωcと同じでもよい。ただし、トーン信号がアンテナから送信されないようトーン信号伝送時にスイッチ211をオフする必要がある。
図5は、パイロット抽出部255の例である。同図を参照して、パイロット抽出部255は、ダウンコンバータ212と、フィルタ213と、A/D変換器214とを備える。A/D変換器214の代わりに、包絡線検波を用いる方法も考えられるが、ここでは省略する。
ダウンコンバータ205は、信号合波部125から出力される信号をダウンコンバートする。フィルタ213は、合成信号に含まれるLINC変調信号によって生成された成分を除去し、パイロット信号によって生成された成分のみを抽出する。A/D変換器214は、フィルタ213の出力を標本し、フィルタ213の出力信号の振幅の大きさを抽出するために用いる。
ダウンコンバータ205は、パイロット信号のみが伝送されるときには、式(B11)の信号を角周波数ωL0だけダウンコンバートした次の信号を出力する。
ypd(t)=G1α1×f1(Kp1)sin(ωpt+ζ1 (3)+β1+φ1)+G22(Kp2)sin(ωpt+π+ζ2 (3)+φ2)・・・(D1)
一方、LINC変調信号とパイロット信号とが同時に伝送されるときには、式(C9)の信号を角周波数ωL0だけダウンコンバートした次の信号を出力する。
ybd=ypd(t)+G1α1×f1(K1)cos(ωct+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3)+β1+φ1)+G22(K2)cos(ωct+θ(t)−ψ(t)+ζ2 (3)+φ2)・・・(D2)
フィルタ213は、ハイパスフィルタ(HPF)であり、ダウンコンバータ212から出力される信号の周波数成分のうち、カットオフ周波数fc以上の周波数成分のみを通過させる。
図6は、カットオフ周波数fcを示す図である。同図に示すように、カットオフ周波数fcは、式(A25)の合成信号ys(t)の角周波数をωL0だけダウンコンバートした周波数の領域の最大値と、式(B11)の合成信号yp(t)の角周波数をωL0だけダウンコンバートした周波数の領域の最小値との間に設定されている。
このフィルタ213によって、パイロット信号とLINC変調信号とを交互に伝送するときだけでなく、パイロット信号とLINC変調信号とを同時に伝送するときにおいても式(D1)の信号のみが抽出される。
A/D変換器214は、フィルタ213を通過した信号の振幅値を制御部254に出力する。
制御部254は、スイッチ211の開閉を制御する。
フィルタ245は、LINC変調信号とトーン信号とを同時に伝送する場合に、トーン信号を除去する。
制御部254は、A/D変換器214からの振幅値に基づいて、振幅可変回路(A)208および位相可変回路(φ)209を制御する。
2系統の伝送経路が同一のとき、すなわち、G1=G2、φ1=φ2、ζ1 (3)=ζ2 (3)、およびf1(K1)=f2(K2)のときには、振幅可変回路(A)208での振幅補正および位相可変回路(φ)209での位相補正を行なわなくても、A/D変換器214の出力値は0となる。
2系統の伝送経路が異なるときには、すなわち、G1≠G2、φ1≠φ2、ζ1 (3)≠ζ2 (3)、および/またはf1(K1)≠f2(K2)のときには、振幅補正および/または位相補正を行なわなければ、A/D変換器214の出力値は0とならない。したがって、制御部254は、A/D変換器214から送られる信号の振幅値が小さくなるように、振幅可変回路(A)208および位相可変回路(φ)209を制御する。
(動作)
図7は、本実施の形態における補正振幅係数および補正位相量の調整処理の手順を示すフローチャートである。
まず、無線基地局220では、制御部254は、補正振幅係数および補正位相量の調整前にはスイッチ211をオフにする(ステップS601)。
パイロット生成部201で生成された式(B1),(B2)のトーン信号は、合成器202,203、アップコンバータ102,103、電気/光変換部(E/O)204,205、光ファイバーケーブル130,140、光/電気変換部(O/E)221,222、振幅可変回路208、位相可変回路209、増幅器(HPA)206,207、信号合波部125を順次伝送されて、信号合波部125から式(B11)の合成信号yp(t)が出力される。無線基地局220のパイロット抽出部255は、信号合波部125から出力される、トーン信号(パイロット信号)に基づいて生成された合成信号yp(t)をダウンコンバートして、式(D1)の信号ypd(t)を生成し、信号ypd(t)の振幅値を制御部254に出力する。
無線基地局210の制御部254は、補正位相量β1の初期値を検索する。すなわち、制御部254は、図8(a)に示すように、位相可変回路209の位相補正量β1、すなわち、位相可変回路209に入力された信号の位相に加える位相量を粗い間隔(たとえば、10度ずつ)で変えながら、パイロット抽出部255から送られる信号ypd(t)の振幅値を監視する。制御部254は、信号ypd(t)の振幅が最小となったときの位相可変回路209の補正位相量を特定し、位相可変回路209の補正位相量β1をこの特定した補正位相量に設定する(ステップS602)。
次に、無線基地局220では、補正振幅係数α1の初期値を検索する。すなわち、制御部254は、図8(b)に示すように、振幅可変回路208の補正振幅係数α1、すなわち、振幅可変回路208に入力された信号の振幅に乗じる係数を粗い間隔(たとえば、1dB)で変えながら、パイロット抽出部255から送られる信号ypd(t)の振幅値を監視する。制御部254は、信号ypd(t)の振幅が最小となったときの振幅可変回路208の補正振幅係数を特定し、振幅可変回路209の補正振幅係数α1をこの特定した補正振幅係数に設定する(ステップS603)。
次に、制御部254は、補正位相量β1の最適値を降下法に基づいて探索する。すなわち、制御部254は、図8(a)に示すように、位相可変回路209の補正位相量β1をステップS602で特定した補正位相量を初期値として、細かい間隔(たとえば、1度ずつ)で、信号ypd(t)の振幅値が小さくなる方向に変化させる。制御部254は、パイロット抽出部255から送られる信号ypd(t)の振幅値が、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値よりも小さいときには、位相可変回路209の補正位相量β1の変化を繰返させ、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値以上のときには、位相可変回路209の補正位相量β1を前回の補正位相量に設定する(ステップS604)。
次に、制御部254は、補正振幅係数α1の最適値を降下法に基づいて探索する。すなわち、制御部254は、図8(b)に示すように、振幅可変回路208の補正振幅係数α1をステップS603で特定した補正振幅係数を初期値として、細かい間隔(たとえば、0.1dBずつ)で、信号ypd(t)の振幅値が小さくなる方向に変化させる。制御部254は、パイロット抽出部255から送られる信号ypd(t)の振幅値が、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値よりも小さいときには、振幅可変回路208の補正振幅係数α1の変化を繰返させ、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値以上のときには、振幅可変回路208の補正振幅係数α1を前回の補正振幅係数に設定する(ステップS605)。
無線基地局220では、補正振幅係数と補正位相量の収束後、制御部254は、スイッチ211をオンにする(ステップS606)。
無線制御局210では、LINC変調部101には複素包絡線信号が入力されて、式(A7)の信号s1 (2)(t)と式(A8)の信号s2 (2)(t)とが出力される。
合波器202では、パイロット生成部201で生成された式(B1)のトーン信号p1(t)と式(A7)の信号s1 (2)(t)とが加算され、合波器203では、パイロット生成部201で生成された式(B2)のトーン信号p2(t)と式(A8)の信号s2 (2)(t)とが加算される。(同時伝送の場合は、加算されるが、交互に伝送する場合、LINC信号の間にトーン信号が挿入される。)
これらの加算された信号は、アップコンバータ102,103、電気/光変換部(E/O)204,205、光ファイバーケーブル130,140、光/電気変換部(O/E)221,222、振幅可変回路208、位相可変回路209、増幅器(HPA)206,207、信号合波部125を順次伝送されて、信号合波部125から式(C9)の合成信号yb(t)が出力される。
無線基地局220のパイロット抽出部255は、信号合波部125から出力される、トーン信号(パイロット信号)およびLINC変調信号に基づいて生成された合成信号yb(t)をダウンコンバートして、式(D2)の信号ybd(t)を生成する。パイロット抽出部255では、信号ybd(t)から信号ypd(t)のみを抽出し、その振幅値を制御部254に出力する。
次に、制御部254は、補正位相量β1の最適値を降下法に基づいて探索する。すなわち、制御部254は、位相可変回路209の補正位相量β1をステップS604で特定した補正位相量を初期値として、細かい間隔(たとえば、1度ずつ)で、信号ypd(t)の振幅値が小さくなる方向に変化させる。制御部254は、パイロット抽出部255から送られる信号ypd(t)の振幅値が、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値よりも小さいときには、位相可変回路209の補正位相量β1の変化を繰返させ、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値以上のときには、位相可変回路209の補正位相量β1を前回の補正位相量に設定する(ステップS607)。
次に、制御部254は、補正振幅係数α1の最適値を降下法に基づいて探索する。すなわち、制御部254は、振幅可変回路208の補正振幅係数α1をステップS605で特定した補正振幅係数を初期値として、細かい間隔(たとえば、0.1dBずつ)で、信号ypd(t)の振幅値が小さくなる方向に変化させる。制御部254は、パイロット抽出部255から送られる信号ypd(t)の振幅値が、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値よりも小さいときには、振幅可変回路208の補正振幅係数α1の変化を繰返させ、前回変化させたときの信号ypd(t)の振幅値以上のときには、振幅可変回路208の補正振幅係数α1を前回の補正振幅係数に設定する(ステップS608)。
ステップS607およびS608の処理は、温度変動などの要因で回路の特定が時間的に変動する場合に備えて実施するものである。特性が変化しない場合には、実施しなくてもよい。
制御部254は、LINC変調信号の伝送が引き続き行なわれるときには、ステップS607の補正位相量β1の最適値の探索、およびS608の補正振幅係数α1の最適値の探索を繰返し行ない、LINC変調信号の伝送が終了したときには、スイッチ211をオフにする(ステップS609、S610)。
以上のように、本実施の形態に係わる光アナログ伝送システムでは、2系統の伝送特性が相違する場合でも、振幅可変回路208および位相可変回路209によって、光伝送部231の出力信号の振幅および位相を補正することで、2系統の伝送特性の相違を小さくするように補正することができる。また、パイロット信号として、所定の周波数の互いに逆相のトーン信号を用いることによって、振幅可変回路208および位相補正回路209の補正量を適切に制御することができる。
[第3の実施形態]
本実施の形態は、ユニークワード(以下、UW)をパイロット信号として用いて、2系統の伝送特性の相違を小さくするように補正する光アナログ伝送システムに関する。
(構成)
図9は、第3の実施形態に係る光アナログ伝送システムの構成を示す。同図を参照して、この光アナログ伝送システム300は、無線制御局310と、無線基地局320と、無線制御局310と無線基地局320とを接続する光ファイバーケーブル130,140とからなる。
無線制御局310は、図2に示す第2の実施形態における無線制御局210におけるパイロット生成部201に代えて、パイロット生成部301が用いられ、合波器203,203に代えて、加算器302,減算器303が用いられている。
パイロット生成部301は、パイロット信号として既知の信号であるUW(t)を生成して、加算器302,減算器303に出力する。本実施の形態では、図10に示すように、パイロット信号とLINC変調信号とは、別々に伝送するので、パイロット生成部301は、LINC変調信号が伝送されていない期間のみパイロット信号を出力する。
アップコンバータ102,103は、加算器302,減算器303から出力される信号を角周波数ωL0の信号と混合させて、無線周波数帯へアップコンバートする。
電気/光変換部(E/O)204,205は、それぞれレーザダイオードを含む回路であり、アップコンバータ102,103から出力された信号を光強度変調信号に変換する。
無線基地局320は、図2に示す第2の実施形態における無線基地局220に、UW検出部306が追加されている。また、この無線基地局320では、図2におけるパイロット抽出部255と制御部254とに代えて、パイロット抽出部305と制御部304とが用いられている。
以下、無線基地局320の各構成要素で生成される信号について説明する。
光/電気変換部(O/E)221,222は、それぞれフォトダイオードを含む回路であり、光ファイバーケーブル130,140から受取った光強度変調信号を電気信号に変換する。
電気/光変換部(E/O)204,205と、光ファイバーケーブル130,140と、光/電気変換部(O/E)221,222は、光伝送部231,241を構成する。この光伝送部231,241において生じる非線形性は、電気/光変換部(E/O)204,205に含まれるレーザダイオードで生じるものがほとんどである。
振幅可変回路(A)208は、光伝送部231から出力される信号の振幅を補正振幅係数α1倍する。補正振幅係数α1の値は可変で設定される。振幅可変回路(A)208に入力される信号の振幅の値をAとしたときに、出力される信号の振幅の値は、α1×Aとなる。
位相可変回路(φ)209は、振幅可変回路(A)208から出力される信号の位相に補正位相量β1を加える。補正位相量β1の値は可変で設定される。位相可変回路(φ)209に入力される信号の位相をPとしたときに、出力される信号の位相は、P+β1とする。
増幅器(HPA)206は、位相可変回路(φ)209から出力される信号を増幅して、第1系統の増幅信号を出力する。増幅器206の振幅利得をG1とし、位相変化をφ1とする。
増幅器(HPA)207は、光伝送部241から出力される信号を増幅して、第2系統の増幅信号を出力する。増幅器207の振幅利得をG2とし、位相変化をφ2とする。
信号合波部125は、第1系統の増幅信号と第2系統の増幅信号とを加算して、合成信号を出力する。
アンテナ127は、信号合波部125で合成された信号を無線端末へ向けて送信する。
次に、LINC変調信号とパイロット信号とが交互に伝送されるときの各構成要素で生成される信号について説明する。
(LINC変調信号の伝送期間)
第2の実施形態と同様であり、要約すると以下のようになる。
LINC変調部101は、第1の実施形態と同様に、式(A7)のLINC変調信号s1 (1)(t),式(A8)のLINC変調信号s2 (1)(t)を出力する。
加算器302,減算器303は、信号s1 (1)(t),s2 (1)(t)を出力する。
アップコンバータ102,103は、式(A17)の信号s1 (2)(t),式(A18)の信号s2 (2)(t)を出力する。
光伝送部231,241は、式(A19)の信号s1 (3)(t),式(A20)の信号s2 (3)(t)を出力する。
振幅可変回路(A)208は、式(A21)の信号s1 (4)′(t)を出力する。
位相可変回路(φ)209は、式(A22)の信号s1 (4)″(t)を出力する。
増幅器(HPA)206は、式(A23)の増幅信号s1 (4)(t)を出力する。
増幅器(HPA)207は、式(A24)の増幅信号s2 (4)(t)を出力する。
信号合波部125は、式(A25)の合成信号ys(t)を出力する。
(パイロット信号の伝送期間)
パイロット生成部301は、次のようなパイロット信号を出力する。
p(t)=UW(t)・・・(E1)
ここで、UW(t)は、既知の信号である。
加算器302,減算器303は、パイロット信号p(t)を受けて、次の信号を出力する。
1(t)=UW(t)・・・(E2)
2(t)=−UW(t)・・・(E3)
アップコンバータ102,103は、加算器302,減算器303から信号p1(t),p2(t)を受けて、次のようなアップコンバートした信号を出力する。
1 (2)(t)=UW1(t)cos(ωL0t+ζ1 (2))・・・(E4)
2 (2)(t)=−UW2(t)cos(ωL0t+ζ2 (2))・・・(E5)
ただし、UW1(t),UW2(t)は、アップコンバート処理によって変化した振幅、ζ1 (2),ζ2 (2)は、アップコンバート処理によって生じた位相遅れである。
光伝送部231,241は、アップコンバータ102,103からアップコンバートされた信号p1 (2)(t),p2 (2)(t)を受けて、次のような信号を出力する。
1 (3)(t)=f1(UW1(t))cos(ωL0t+ζ1 (3))・・・(E6)
2 (3)(t)=−f2(UW2(t))cos(ωL0t+ζ2 (3))・・・(E7)
ただし、f1(UW1(t)),f2(UW2(t))は、光伝送部231,241によって変化した振幅であり、ζ1 (3),ζ2 (3)は、それぞれ光伝送部231,241によって生じた位相遅れとζ1 (2),ζ2 (2)との和である。
振幅可変回路(A)208は、光伝送部231から出力される信号p1 (3)(t)、次のように振幅が補正された信号を出力する。振幅可変回路(A)208でも位相遅れが生じるが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)′(t)=α11(UW1(t))cos(ωL0t+ζ1 (3))・・・・・・(E8)
位相可変回路(φ)209は、振幅可変回路(A)208から信号p1 (4)′(t)を受けて、次のように位相が補正された信号を出力する。位相可変回路(φ)209でも振幅が変化するが、説明の便宜上、ここでは省略する。
1 (4)″(t)=α11(UW1(t))cos(ωL0t+ζ1 (3)+β1)・・・(E9)
増幅器(HPA)206は、位相可変回路(φ)209から信号p1 (4)″(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
1 (4)(t)=G1α11(UW1(t))cos(ωL0t+ζ1 (3)+φ1+β1)・・・(E10)
増幅器(HPA)207は、光伝送部241から出力される信号p2 (3)(t)を受けて、次のような増幅信号を出力する。
2 (4)(t)=−G22(UW2(t))cos(ωL0t+ζ2 (3)+φ2)・・・(E11)
信号合波部125は、増幅器(HPA)206から信号p1 (4)(t)と、増幅器(HPA)207から信号p2 (4)(t)とを受けて、次のような合成信号yp(t)を出力する。
yp(t)=p1 (4)(t)+p2 (4)(t)=G1α11(UW1(t))cos(ωL0t+ζ1 (3)+φ1+β1)−G22(UW2(t))cos(ωL0t+ζ2 (3)+φ2)・・・(E12)
再び、図9を参照して、無線基地局320は、UW検出部306を含む。
図11は、UW検出部306の詳細な構成を示す。同図を参照して、UW検出部306は、ダウンコンバータ311と、A/D変換器312と、参照信号メモリ313と、相関計算機314と、判定器315とを備える。
ダウンコンバータ311は、光伝送部231から出力される信号を各周波数ωL0だけダウンコンバートする。
パイロット信号が伝送されているときには、式(E6)の信号がダウンコンバートされて、次の信号が出力される。
Dp(t)=f1(UW1(t))cos(ζ1 (3))・・・(F1)
LINC変調信号が伝送されているときには、式(A19)の信号がダウンコンバートされて、次の信号が出力される。
Ds(t)=f1(K1)×cos(ωct+θ(t)+ψ(t)+ζ1 (3))・・・(F2)
A/D変換器312は、ダウンコンバータ311から出力される信号の振幅値を出力する。参照信号メモリ313は、参照信号としてUW(t)を記憶する。
相関計算機314は、参照信号メモリ313内のUW(t)と、A/D変換器312から出力される信号の振幅値との相関値を計算する。パイロット信号が伝送されているときには、UW(t)と、式(F1)との相関値が計算されるので、計算された相関値の値は大きい。一方、LINC変調信号が伝送されているときには、UW(t)と、式(F2)との相関値が計算されるので、計算された相関値の値は小さい。
判定器315は、相関計算機314で計算された相関値が所定値以上のときに、タイミング信号をパイロット抽出部305に出力する。
再び、図9を参照して、無線基地局320は、パイロット抽出部305を含む。
図12は、パイロット抽出部305の構成を示す。同図を参照して、パイロット抽出部305は、スイッチ316と、ダウンコンバータ317と、A/D変換器318とを備える。スイッチ316は、A/D変換器の後に配置することもできるが、ここでは、図12の場合を説明する。
スイッチ316は、UW検出部306からタイミング信号を受けたときに、オンとなる。
ダウンコンバータ317は、スイッチ316がオンのときに、信号合波部125から出力される合成信号を各周波数ωL0だけダウンコンバートする。
ダウンコンバータは、式(E12)の信号がダウンコンバートされて、次の信号を出力する。
ypd(t)=G1α11(UW1(t))cos(ζ1 (3)+β1+φ1)−G22(UW2(t))cos(ζ2 (3)+φ2)・・・(F3)
A/D変換器318は、ダウンコンバートされた信号の振幅値を出力する。
制御部304は、スイッチ211の開閉を制御する。
制御部304は、パイロット抽出部305から送られる信号の振幅値が小さくなるように、第2の実施形態と同様にして、振幅可変回路(A)208および位相可変回路(φ)209を制御する。
(変形例)
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、以下の変形例も当然ながら包含する。
(1) 増幅器
本発明の実施形態では、各系統に増幅器を置いたが、増幅を要しない場合には、各系統に増幅器を置かなくてもよい。また、増幅が必要な場合でも、信号合波部の前段の各系統に増幅器を置くのではなく、信号合波部の後段に1つの増幅器を置くものとしてもよい。
このように増幅器を置かない場合でも、第1の実施形態では、各構成機器の入出力特性が非線形成分を持っていたとしても、複素包絡線信号の振幅と位相を完全に再生できる。また、第2〜第3の実施形態では、2系統間の振幅および位相のずれを補正することができる。
たとえば、第1の実施形態では、信号合波部125は、光伝送部の出力信号s1 (3)(t),s2 (3)(t)とを加算して、次のような合成信号yn(t)を出力する。
yn(t)=s1 (3)(t)+s2 (3)(t)=f(K)cos(ωrt+θ(t)+ψ(t)+φ(3))+f(K)cos(ωrt+θ(t)−ψ(t)+φ(3))=2f(K)cos(ωrt+θ(t)+φ(3))cosψ(t)・・(A26)
式(A31)は、式(A6)を用いると、次のように変形される。
yn(t)={2f(K)/Vm}A(t)cos(ωrt+θ(t)+φ(3))・・・(A32)
ここで、{2f(K)/Vm}は、定数である。
(2) 光ファイバーケーブル
本発明の実施形態では、各系統ごとに光ファイバーケーブルを備えたが、これに限定するものではない。1本の光ファイバーケーブルによって、アップコンバータ102,103の出力信号を多重伝送するものとしてもよい。
(3) アップコンバータの位置
本発明の実施形態では、無線周波数帯にアップコンバートするアップコンバータ102,103を、無線制御局のLINC変調部101と、電気/光変換部104,105との間に置いたが、これに限定するものではなく、任意の位置に置くことができる。たとえば、無線基地局側に置くものとしてもよい。
(4) パイロット信号
本発明の第2の実施形態では、LINC変調信号の通信開始前に、トーン信号のみを伝送し、LINC変調信号の通信開始後は、トーン信号とLINC変調信号を伝送するものとしたが、これに限定するものではない。LINC変調信号の通信開始後であっても、LINC変調信号が連続して送信されるのではなく、断続的に送信される場合には、第3の実施形態と同様に、LINC変調信号の送信期間にはLINC変調信号のみを伝送し、LINC変調信号の送信期間以外にはトーン信号のみを伝送するものとしてもよい。
本発明の第2の実施形態では、パイロット信号のみを伝送する期間は、スイッチ211をオフにし、本発明の第3の実施形態では、パイロット信号を送信する期間は、スイッチ211をオフにしたが、これに限定するものではなく、スイッチ211をオンのままにしておき、無線端末側で受信した信号からパイロット信号を捨てるものとしてもよい。
本発明の実施形態では、LINC変調信号の非伝送期間のすべての期間でパイロット信号の伝送を行なったが、これに限定するものではなく、LINC変調信号の非伝送期間の一部の期間のみでパイロット信号の伝送を行なうものとしてもよい。
本発明の実施形態では、パイロット信号としてトーン信号とユニークワードを用いた場合について説明したが、これに限定するものではない。2つの系統に与える信号の和が零となるような既知の信号であれば、パイロット信号はどのようなものであってもよい。
(5) 複数系統に分離
本発明の実施形態では、LINC変調部によって、2系統の定振幅信号に分離したが、n個(n>3)の系統の定振幅信号に分離するものとしてもよい。
このように、n個(n>3)の系統に分離した場合には、第2〜第3の実施形態では、n個の系統に与えるパイロット信号の総和が零となるようにすればよい。あるいは、n個の系統のうち、2つの系統を順次選択し、選択した系統に和が零となる2つのパイロット信号を与えるものとしてもよい。
また、n個の系統に分離した場合には、第2、第3の実施形態では、1つの系統を除く(n−1)個の系統に振幅可変回路と位相可変回路を置けばよい。また、このように、(n−1)個、n個のように多数の系統に振幅可変回路または位相可変回路を置くことができない場合には、少数の系統にのみ振幅可変回路または位相回路を置くものとしてもよい。このように少数の系統にのみ振幅可変回路または位相回路を置く場合には、多数の系統に置く場合よりも、系統間のずれの補正の効果は弱められるが、まったく補正しない場合よりも優れているといえる。
(6) LINC変調部の出力を補正
本発明の第2〜第3の実施形態では、パイロット信号を用いて、光/電気変換部の出力信号の振幅または位相を補正するものとしたが、たとえば、公知文献(流田理一郎、府川和彦、鈴木博、「最小2乗法によるLINC用送信電力増幅器の振幅・位相バランス調整法」、電子情報通信学会技術報告、2001、Vol.101、No.436、p.7−12)に記載しているように、信号合波部の出力を無線制御局に送り、無線制御局で、LINC変調部の出力と信号合波部の出力に基づいて、LINC変調部の出力信号の振幅または位相を補正するものとしてもよい。
(7) フィルタ
本発明の第2の実施形態におけるパイロット抽出部では、ハイパスフィルタを用いて、信号合波部から出力される合成信号からパイロット信号によって生成された信号成分のみを抽出したが、これに限定するものではない。パイロット信号によって生成された信号成分のみが、ローパスフィルタによって抽出できるなら、ローパスフィルタを用い、特定の範囲のバンドパスフィルタによって抽出できるなら、そのようなバンドパスフィルタを用いればよい。また、フィルタによっては、LINC変調信号によって生成された信号成分が完全に除去できなくても、パイロット信号によって生成された信号成分に比べて、それが相対的に少量であれば、なにも補正を行なわない場合に比べて優れているといえる。
(8) 第1の実施形態の伝送特性
本発明の第1の実施形態では、2つの伝送経路の特性が完全に同一として説明したが、完全に同一でなくても、従来例よりも優れている場合もある。
すなわち、2つの伝送経路の特性の相違によって起こる誤り率の増加などの悪影響が、従来例(非特許文献1)に記載のようにレーザダイオードの非線形によって起こる誤り率の増加などの悪影響に比べて、相対的に小さければ、第1の実施形態において伝送経路の特性が若干異なっていても、従来例よりも優れているといえる。
(9) CATV
本発明の実施形態では、無線制御局を送信装置、無線基地局を受信装置とした光アナログ伝送システムについて説明したが、これに限定するものではなく、その他の用途にも用いることができる。たとえば、CATV放送に用いるものとしてもよい。CATV放送に用いる場合には、送信装置がCATV放送局となり、受信装置がCATV受信局になる。受信装置では、信号合波部から出力される合成信号をアンテナの代りにテレビ装置に出力する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
第1の実施形態に係わる光アナログ伝送システムの構成を示す図である。 第2の実施形態に係わる光アナログ伝送システムの構成を示す図である。 第2の実施形態に係わるパイロット生成部の構成を示す図である。 LINC変調信号による合成信号ys(t)の周波数とトーン信号による合成信号yp(t)の周波数を示す図である。 第2の実施形態に係わるパイロット抽出部の構成を示す図である。 ハイパスフィルタのカットオフ周波数を示す図である。 第2の実施形態に係わる補正振幅係数および補正位相量の調整処理の手順を示すフローチャートである。 (a)は、補正振幅係数の初期値検索および最適値探索の過程を例示する図であり、(b)は、補正位相量の初期値検索および最適値探索の過程を例示する図である。 第3の実施形態に係わる光アナログ伝送システムの構成を示す図である。 LINC変調信号とUWの伝送期間を示す図である。 UW検出器の構成を示す図である。 第3の実施形態に係わるパイロット抽出部の構成を示す図である。
符号の説明
100,200,300 光アナログ伝送システム、110,210,310 無線制御局、120,220,320 無線基地局、101 LINC変調部、102,103 アップコンバータ、104,105,204,205 電気/光変換部、121,122,221,222 光/電気変換部、130,140 光ファイバーケーブル、123,124,206,207 増幅器、125 信号合波部、127 アンテナ、201,301 パイロット生成部、254,304 制御部、255,305 パイロット抽出部、211,316 スイッチ、306 UW検出部、208 振幅可変回路、209 位相可変回路、212,311,317 ダウンコンバータ、213,245 フィルタ、214,312,318 A/D変換器、313 参照信号メモリ、314 相関計算機、315 判定器、131,141,231,241 光伝送部,202,203 合波器、302 加算器、303 減算器。

Claims (8)

  1. 送信装置と受信装置とが光ケーブルで接続された光アナログ伝送システムであって、
    送信装置は、
    複素包絡線信号を複数系統の定振幅信号に分離し、前記定振幅信号の実部と虚部を直交変調する変調部と、
    前記変調部から出力された各系統の信号を光強度変調信号に変換する第1変換部とを備え、
    光ケーブルは、前記変換された各系統の光強度変調信号を伝送し、
    受信装置は、
    光ケーブルから受けた各系統の光強度変調信号を電気信号に変換する第2変換部と、
    前記第2変換部が出力する各系統の信号を合成する合成部とを備えた光アナログ伝送システム。
  2. 前記受信装置は、さらに、
    前記第2変換部が出力する各系統の信号を増幅する増幅部を備え、
    前記合成部は、前記各系統の増幅された信号を合成する、請求項1記載の光アナログ伝送システム。
  3. 前記送信装置は、さらに、
    前記変調部から出力される各系統の信号とともに、またはこれに代えて、総和が零となる複数の既知の信号を前記第1変換部に与える既知信号出力部を備え、
    前記受信装置は、さらに、
    前記第2変換部が出力する少なくとも1つの系統の信号の振幅を補正し、または前記第2変換部が出力する少なくとも1つの系統の信号の位相を補正する補正部と、
    前記合成部から出力された信号に含まれる、前記複数の既知の信号によって生成された信号成分を抽出する抽出部と、
    前記抽出部で抽出された信号成分の振幅が小さくなるように、前記補正部による振幅または位相の補正量を制御する制御部とを備えた請求項2記載の光アナログ伝送システム。
  4. 前記変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、
    前記既知信号出力部は、前記変調部からの出力がないときに、トーン信号を一方の系統に与え、前記トーン信号と逆相のトーン信号を他方の系統に与える、請求項3記載の光アナログ伝送システム。
  5. 前記変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、
    前記既知信号出力部は、前記変調部からの出力があるときに、所定の周波数のトーン信号を一方の系統に与え、前記トーン信号と逆相のトーン信号を他方の系統に与え、
    前記抽出部は、前記合成部から出力される信号のうち、前記トーン信号から生成された信号成分のみを通すようにカットオフ周波数が定められたフィルタを含む、請求項3記載の光アナログ伝送システム。
  6. 前記変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、
    前記既知信号出力部は、前記変調部からの出力がないときに、ユニークワード信号を一方の系統に与え、前記ユニークワード信号の符号が逆の信号を他方の系統に与え、
    前記受信装置は、さらに、
    前記第2変換部の出力信号からユニークワード信号を検出したときに、タイミング信号を出力する検出部を備え、
    前記抽出部は、前記タイミング信号に基づいて、前記合成部から出力される信号を取得するスイッチを含む、請求項3記載の光アナログ伝送システム。
  7. 前記変調部は、2系統の定振幅信号に分離し、
    前記増幅部は、所定の範囲で線形動作が可能な増幅器であり、
    前記補正部は、いずれか1つの系統に、前記第2変換部の出力信号の振幅を補正する振幅可変回路と位相を補正する位相可変回路とを含み、
    前記制御部は、前記振幅可変回路の振幅補正量および前記位相可変回路の位相補正量を制御する、請求項3記載の光アナログ伝送システム。
  8. 前記光アナログ伝送システムは、無線基地局システムに適用されるものであって、
    前記送信装置および受信装置のいずれかは、無線周波数帯へのアップコンバートを行なうアップコンバータを備え、
    前記受信装置は、前記合成部で合成された信号を無線端末に向けて送信する、請求項2記載の光アナログ伝送システム。
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