JP2005078895A - 陽イオン交換膜、その製造方法及び固体高分子型燃料電池用膜電極接合体 - Google Patents

陽イオン交換膜、その製造方法及び固体高分子型燃料電池用膜電極接合体 Download PDF

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Abstract

【課題】薄くても高強度で、含水時の寸法安定性に優れる陽イオン交換膜と、当該陽イオン交換膜を有することにより高出力で耐久性に優れる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の提供。
【解決手段】縦糸及び横糸のデニール数がそれぞれ独立に0.01〜1.2であり、かつ縦糸と横糸との交点部の厚さが1〜20μmである含フッ素重合体織布で補強された、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜、及び当該陽イオン交換膜を電解質膜として有する固体高分子型燃料電池用膜電極接合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、陽イオン交換膜、特に燃料電池用電解質膜として有用な陽イオン交換膜と、当該陽イオン交換膜を有する固体高分子型燃料電池用膜電極接合体に関する。
近年、プロトン伝導性の高分子膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池の研究が進んでいる。固体高分子型燃料電池は、低温で作動し、出力密度が高く、小型化できるという特徴を有し、車載用電源等の用途に対し有望視されている。
固体高分子型燃料電池用の電解質膜には、通常厚さ20〜200μmのプロトン伝導性イオン交換膜が用いられ、特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体(以下、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体という。)からなる陽イオン交換膜が基本特性に優れるため広く検討されている。
上記陽イオン交換膜の電気抵抗を低減する方法としては、スルホン酸基濃度の増加と膜厚の低減がある。しかし、スルホン酸基濃度が著しく増加すると膜の機械的強度が低下したり、燃料電池の長期運転において膜がクリープしやすくなり、燃料電池の耐久性が低下する等の問題が生じる。一方、膜厚を低減すると膜の機械的強度が低下し、膜をガス拡散電極と接合させて膜電極接合体を作製する場合に、加工しにくくなったり取扱いにくくなる等の問題が生じる。
また、上記の電解質膜は含水時に膜の長さ方向に寸法が増大しやすく、様々な弊害を生じやすい。例えば、膜電極接合体を燃料電池セルに組込んで運転を行うと、反応により生成した水や燃料ガスとともに供給される水蒸気等により膜が膨潤し、膜の寸法が増大する。通常、膜と電極は接合しているので電極も膜の寸法変化に追従する。膜電極接合体は通常ガスの流路として溝が形成されたセパレータ等で拘束されているため、膜の寸法増大分は「しわ」となる。そして、そのしわがセパレータの溝を埋めてガスの流れを阻害することがある。
上記の問題を解決する方法として、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体からなるフィルムとポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)の多孔体との複合陽イオン交換膜が提案されている(非特許文献1参照)。しかし、この方法では膜厚は薄くできるものの、多孔体状のPTFEを含むため膜の電気抵抗が充分に低下しない。
また、パーフルオロカーボン重合体からなる糸を用いた織布により補強された燃料電池用イオン交換膜も提案されている(特許文献1参照)。しかし、この織布は繊維が太く、例えばイオン交換膜を低抵抗化させるために厚さを50μmとするような場合の膜補強体としては実用化が困難であった。
これに対し、本発明者らは、縦糸、横糸のデニール数が1.5〜20、密度が1〜120本/インチで縦糸と横糸の交点部の厚さが10〜50μmのフッ素系重合体織布で補強された陽イオン交換膜を提案している(特許文献2参照)。しかし、さらに薄く低抵抗の膜が燃料電池用の電解質膜としては望まれている。上記方法でも糸が太すぎて、その結果布が厚くなり30μm以下の薄い膜に適用した場合、糸が膜を切ってしまうという意図しない膜強度の低下を招く問題があり、充分ではなかった。
特開平6−231780号公報(特許請求の範囲) 国際公開01/006586号パンフレット(請求の範囲) マーク.W.バーブルッジ、AIChE ジャーナル,38,93(1992)
そこで本発明は、厚さが薄くても強度が高く、含水時の寸法安定性に優れた陽イオン交換膜を提供することを目的とする。さらにこのような陽イオン交換膜を電解質膜として有することにより、出力が高く耐久性に優れる固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、縦糸及び横糸のデニール数がそれぞれ独立に0.01〜1.2であり、かつ縦糸と横糸との交点部の厚さが1〜20μmである含フッ素重合体織布で補強された、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜及びその製造方法を提供する。
さらに本発明は、触媒とイオン交換樹脂とを含む触媒層を有するカソード及びアノードと、該カソードと該アノードとの間に配置される高分子電解質膜と、を備える固体高分子型燃料電池用膜電極接合体において、前記高分子電解質膜が上述の陽イオン交換膜からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜電極接合体を提供する。
本発明の陽イオン交換膜は、デニール数の小さい糸で構成される織布により補強されているため、補強による抵抗の上昇が少なく、また膜厚が薄くても充分に高い強度を有する。さらに含水時の寸法安定性に優れているので、この陽イオン交換膜を電解質膜として有する固体高分子型燃料電池は、長期間運転しても安定した高出力が得られる。
本発明において、フッ素系重合体織布を構成するフッ素系重合体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等のパーフルオロオレフィン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等の単量体に基づく重合単位を1種以上含む単独重合体又は共重合体が好ましい。
具体例としては、PTFE、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPという)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(以下、PFAという)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(以下、ETFEという)、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)共重合体、ポリパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという)、ポリフッ化ビニル(以下、PVFという)、これらのポリマーを構成するモノマー単位複数からなる共重合体、これらのポリマーのブレンド物等が挙げられる。なかでも、PTFE、FEP、PFA、ETFE、PVdF及びPVFからなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
本発明において、上記含フッ素重合体は特定の網目構造を有する織布の形態で補強材として陽イオン交換膜に含まれる。この織布を従来技術であるPTFE多孔体と比較すると、補強の割合を網目構造を調節することにより任意に選定できること、織布の開口率を高めても補強効果が高く膜の電気抵抗の上昇を小さく抑えられること、含水時においても寸法の安定性が優れていること等の利点がある。また、細い糸を使用し縦糸と横糸の交点部の厚さを薄くしているため、得られる陽イオン交換膜の厚さを薄くすることができる。
本発明において、含フッ素重合体織布は縦糸及び横糸のデニール数がそれぞれ独立に0.01〜1.2であり、好ましくは0.05〜1.15である。縦糸又は横糸のデニール数が0.01より小さい場合は補強効果が不充分となり、また糸自体を紡糸することも困難であり、紡糸後の糸の取り扱い性も悪くなる。一方、デニール数が1.2より大きい場合は陽イオン交換膜にピンホールやクラックが発生することがある。従来はデニール数が小さいと糸自体の強度が弱いと考えていたが、糸の原料となるポリマーを選択し分子量が比較的小さいものを使用することにより充分な膜の補強が可能でありかつ高性能な膜が得られることが判明した。
織布における縦糸と横糸との交点部の厚さは、1〜20μmであり、好ましくは3〜18μmである。1μm未満とするには縦糸及び横糸の太さが細くなりすぎるため充分な補強効果が得られない。20μm超であると陽イオン交換膜の厚さが厚くなり、強度が逆に低下し、かつ膜抵抗を低くできない。
また、縦糸及び横糸の密度はそれぞれ独立に20〜500本/インチであることが好ましく、特に150〜500本/インチ、さらには180〜450本/インチが好ましい。縦糸、横糸にデニール数の小さい糸を使用しているため、密度が小さすぎると充分な補強効果が得られないおそれがある。一方500本/インチ超であると膜が高抵抗化するおそれがある。なお、1インチは2.54cmであるから、縦糸及び横糸の密度の好ましい範囲は単位cmあたりに直すと、60〜200本/cmであり、より好ましくは70〜180本/cmである。
縦糸及び横糸としては、モノフィラメント、マルチフィラメントのいずれも使用できるが、マルチフィラメントの場合は糸断面を偏平化できるため、織布の開口率を減少させても膜抵抗の上昇を極小にできるので好ましい。開口率としては70〜98%が好ましい。開口率が低いと膜抵抗が高くなる傾向にあり、開口率が高いと実質的に補強密度が下がるので充分な強度が得られないおそれがある。
織布は、織布を作製する過程で糸に撚りをかけずに作製する(以下、撚りをかけない糸を未撚り糸という)ことで、交点部の厚さを1〜20μmにできる。すなわち、含フッ素重合体からなる糸は、例えば孔径0.05〜1mmの孔を複数有するフィラメント成形用金型を備えた単軸押し出し機を用いて押し出し成形した後、押し出されたフィラメントをガイドワイヤーで集合させ、引き取り機で引き取ることにより集合した連続繊維、すなわちマルチフィラメントが得られる。マルチフィラメントを分線して単糸(モノフィラメント)を得て、このモノフィラメントを用いて平織り構造の織布を得ることができる。
また、織布は平板プレスやロールプレス等により偏平化して、その厚さを調整することもできる。しかし、織布を偏平化しないほうが織布で補強された陽イオン交換膜の抵抗は補強することにより増大しにくい。
フッ素系重合体織布により補強された陽イオン交換膜を作製する方法としては、例えばスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の溶液又はその分散液を織布に塗工して含浸させた後、乾燥し造膜するキャスト法、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる膜状物と織布とを積層して熱溶融プレスする方法、あらかじめ形成しておいたスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体のフィルムを織布と加熱積層して一体化する方法等が挙げられる。
本発明における陽イオン交換膜に用いられるスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体としては、従来より公知の重合体が広く採用される。例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体は、末端がSOFである樹脂からなる前駆体(以下、単に前駆体という。)を加水分解及び酸型化処理して得られる。なお、本明細書において、パーフルオロカーボン重合体は、エーテル結合性の酸素原子等を含んでいてもよい。
上記前駆体としては、CF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOFで表されるフルオロビニル化合物(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数、nは1〜12の整数、pは0又は1であり、n=0の場合はp=0である。)に基づく重合単位とテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンのようなパーフルオロオレフィン、クロロトリフルオロエチレン、又はパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位とを含む共重合体が好ましい。特に上記フルオロビニル化合物に基づく重合単位とテトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体が好ましい。
上記フルオロビニル化合物の好ましい例としては、以下のいずれかの式で表される化合物が挙げられる。ただし、下記式中、qは1〜8の整数、rは1〜8の整数、sは1〜8の整数、tは1〜5の整数を示す。
Figure 2005078895
本発明におけるスルホン酸型パーフルオロカーボン重合体中のスルホン酸基の濃度、すなわちイオン交換容量としては、0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂、特に0.7〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂であることが好ましい。イオン交換容量がこの範囲より低い場合には膜の電気抵抗が大きくなる傾向になり、高い場合には膜の機械的強度が弱くなる傾向になる。
織布により補強された陽イオン交換膜は、通常の既知の方法により両面にガス拡散電極を密着させ、さらにその外側に集電体を配置することにより固体高分子型燃料電池が組み立てられる。
上記ガス拡散電極は、通常、白金触媒粒子又は白金合金触媒粒子を担持させた導電性のカーボンブラック粉末をPTFE等の疎水性樹脂結着材で保持してなるシート状の多孔質体からなることが好ましい。該多孔質体にはスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が含まれていてもよく、該重合体としては陽イオン交換膜を構成するパーフルオロカーボン重合体の好ましい例として挙げた重合体と同じ重合体が好ましい。カーボンブラック粉末は、上記パーフルオロカーボン重合体に被覆されているとさらに好ましい。
ガス拡散電極と陽イオン交換膜とは、加熱プレス法等により密着されることが好ましい。また、ガス拡散電極の外側に配置される集電体には、燃料ガス又は酸化剤ガスの通路となる溝が形成された導電性カーボンブラック板等を使用することが好ましい。
以下に、実施例及び比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
〔例1〕
まず、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(商品名:アフロンPFAP−62X、旭硝子社製)を、口径20mmの単軸押し出し機(商品名:VS20、田辺プラスチック機械社製)と孔径0.1mmの孔を50個有するダイを用いて、ダイス温度410℃、押し出し速度0.3kg/hにて押し出し成形する。押し出されたフィラメントをガイドワイヤーを用いて集合させた後、多段ロール式の引き取り機で、引き取り速度800m/分で引き取り、平均単糸太さ1.13デニールの集合した連続繊維(以後マルチフィラメントと呼ぶ)を成形する。
次いで、このマルチフィラメントを分線し、各単糸(以後モノフィラメントと呼ぶ)を個別のボビンに巻き取る。このモノフィラメントを用い、縦糸、横糸とも400本/インチの本数にて平織り構造で平均厚さ15μmの織布を作製する。
この織布を、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート製のフィルム上に載置して四辺を粘着テープで固定し、CF=CFに基づく重合単位とCF=CFOCFCF(CF)OCFCFSOHに基づく重合単位からなる共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂、以後樹脂aと呼ぶ)をエタノールと混合した液(固形分濃度9質量%)を乾燥固形分の厚さが25μmになるように計量し、これに塗布する。次いでこれを160℃のオーブンで5分間乾燥することにより、補強された電解膜が得られる。このようにして得られる電解膜に対しては、以下の方法で評価を行うことができる。得られる結果を表1に示す。
[含水時の寸法変化測定]
まず、電解膜を100mm角に切り出し、温度25℃、相対湿度50%の雰囲気にて16時間以上曝露した後のサンプルの縦と横の長さ(L)を測定する。次いで、25℃のイオン交換水にこのサンプルを1時間浸漬し、同様に縦と横の長さ(L)を測定する。縦、横それぞれの寸法変化率は、寸法変化率(%)=100×(L−L)/Lの式で求めることとし、電解質膜の寸法変化率は縦、横それぞれの寸法変化率の平均値とする。
[膜抵抗測定]
電解質膜から5mm幅の短冊状サンプルを切り出し、その表面に白金線(直径:0.2mm)を幅方向と平行になるように5mm間隔で5本押し当てる。このサンプルを80℃、相対湿度95%の恒温・恒湿装置中に保持し、交流10kHzにおける白金線間の交流インピーダンスを測定することにより、交流比抵抗を求める。5mm間隔に白金線を5本押し当てているため、極間距離を5、10、15、20mmに変化させることができるので、各極間距離における交流抵抗を測定し、極間距離と抵抗の勾配から膜の比抵抗を算出することで、白金線と膜の間の接触抵抗の影響を除外する。すなわち膜の比抵抗は次式により求められる。
比抵抗R(Ω・cm)=サンプルの幅(cm)×サンプルの厚さ(cm)×抵抗極間勾配(Ω/cm)。
[燃料電池の作製及び評価]
燃料電池セルは以下のようにして組み立てる。樹脂aと白金担持カーボンとを1:3の質量比で混合し、さらにエタノールと混合して塗工液を作製する。この塗工液を、電解膜の両面にダイコータ法で塗工し、乾燥して厚さ10μm、白金担持量0.5mg/cmの電極層を膜の両面に形成する。さらにその両外側にカーボンクロスをガス拡散層として配置して膜電極接合体を作製する。この膜電極接合体の両外側に、ガス通路用の細溝をジグザグに状に切削加工したカーボン板製のセパレータ、さらにその外側にヒータを配置することにより、有効面積25cmの固体高分子型燃料電池を組み立てられる。
測定条件としては、燃料電池の温度を80℃に保ち、カソードに空気、アノードに水素をそれぞれ0.15MPa(ゲージ圧)で供給する。電流密度0.1A/cm、及び1A/cmのときのセル電圧をそれぞれ測定すると、表1に示す結果となる。
〔例2〕
例1において、補強用織布の縦糸、横糸それぞれの打ち込み本数を200本/インチに変更する以外は、例1と同様の方法で電解膜の作製し、例1と同様の評価を行うと、表1に示す結果となる。
〔例3〕
例1において、マルチフィラメントを紡糸するときの引き取り速度を1500m/分に変更し、平均単糸太さが0.6デニール、織布の厚さを7.3μmとする以外は、例1と同様の方法で電解膜の作製し、例1と同様の評価を行うと、表1に示す結果となる。
〔例4〕
例3において、電解質膜の厚さが乾燥状態で15μmとなるように樹脂aとエタノールの混合液を塗工した以外は、例3と同様の方法で電解膜の作製し、例1と同様の評価を行うと、表1に示す結果となる。
〔例5(比較例)〕
例1において、補強用の繊維、織布を使用しない以外は、例1と同様の方法で電解膜の作製し、例1と同様の評価を行うと、表1に示す結果となる。
〔例6(比較例)〕
PTFE(製品名:フルオンCD−1、旭硝子社製)を用い、これにプロピレングリコールを、PTFE100gに対し25gの割合で添加混合し、ペースト押し出し成形することにより厚さ2mmで幅20mmの短冊状断面を有する成形品を得た。次いでこの成形品を一対の金属ロールからなる圧延機で厚さが280μmになるまで圧延した後、250℃の連続乾燥炉内でプロピレングリコールを蒸発させてから325℃で焼成し、得られた圧延シートを幅2.5mmにスリットして連続のひも状物を得た。次いでこのひも状物を300℃で、速度差を有するロールに沿わせて通し、速度比750倍で延伸し厚さ10μm、幅92μmの断面形状で、16.5デニールのテープ状繊維を得た。
上記繊維を用いて糸密度10本/インチの織布を作製した。得られた織布を150℃にて圧力40kg/cmで1分間プレスし、織布の縦糸と横糸の交点部の厚さを2μmに調整した。この織布を、両面から厚さ25μmの樹脂aのフィルム(押し出し成形した後、加水分解、酸型化して得られたフィルム)2枚で挟み込み、平板プレスで165℃にて20kg/cmで10分間プレスすることにより、積層されたイオン交換膜が作製できる。このイオン交換膜を用いて例1と同様の評価を行うと、表1に示す結果となる。
Figure 2005078895
本発明における陽イオン交換膜は、薄くても引裂強度が大きく、また含水時の寸法変化が少ないため、薄膜として燃料電池用の電解質膜に使用しても耐久性よく使用できる。したがって、膜厚を薄くすることにより陽イオン交換膜の電気抵抗を小さくすることができるため、当該陽イオン交換膜を固体高分子電解質として有する本発明の固体高分子型燃料電池は出力を高くすることができ、かつ耐久性に優れる。

Claims (8)

  1. 縦糸及び横糸のデニール数がそれぞれ独立に0.01〜1.2であり、かつ縦糸と横糸との交点部の厚さが1〜20μmである含フッ素重合体織布で補強された、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる陽イオン交換膜。
  2. 前記織布は、縦糸密度及び横糸密度がそれぞれ独立に20〜500本/インチである請求項1に記載の陽イオン交換膜。
  3. 前記織布は、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、又はテトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン及びポリフッ化ビニルからなる群から選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載の陽イオン交換膜。
  4. 前記パーフルオロカーボン重合体が、CF=CFに基づく重合単位とCF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHに基づく重合単位(ただし、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数、nは0〜12の整数、pは0又は1であり、n=0の場合はp=0である。)とを含む共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の陽イオン交換膜。
  5. 厚さが10〜70μmである請求項1〜4のいずれかに記載の陽イオン交換膜。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の陽イオン交換膜の製造方法であって、縦糸及び横糸のデニール数がそれぞれ独立に0.01〜1.2でありかつ縦糸と横糸との交点部の厚さが1〜20μmである含フッ素重合体織布に、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体を溶媒に溶解又は分散させた液を塗工又は含浸させることを特徴とする陽イオン交換膜の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の陽イオン交換膜の製造方法であって、縦糸及び横糸のデニール数がそれぞれ独立に0.01〜1.2でありかつ縦糸と横糸との交点部の厚さが1〜20μmである含フッ素重合体織布を、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるフィルムと加熱積層して一体化することを特徴とする陽イオン交換膜の製造方法。
  8. 触媒とイオン交換樹脂とを含む触媒層を有するカソード及びアノードと、該カソードと該アノードとの間に配置される高分子電解質膜と、を備える固体高分子型燃料電池用膜電極接合体において、前記高分子電解質膜が請求項1〜5のいずれかに記載の陽イオン交換膜からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜電極接合体。
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