JP2005078031A - 天球儀 - Google Patents

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Abstract

【課題】 観察者が、見かけの天体の配置や日周運動を立体的な実天感覚で観察でき、実際の天体運動との対照を容易にすることが可能な天球儀を提供する。
【解決手段】 内部の透視が可能な天球殻5を、天の北極6および天の南極7を貫く天球の軸3にて空転自在に支持するとともに、その内部に、可動ジョイント部2を介して天球の軸3に傾動自在に支持され地平面1を模した円盤を収容する。天球殻5の表面(天球面)には、全天の主な天体や星座、必要な天体の軌道環等を内部からの視点で正常表示となるように配置する。地平面1は、重錘にて常に水平となるようにされ、地平面1の上には、観察者を模した人形30、天球の軸3と地平面1とのなす仰角を示す仰角計4aを配置する。利用者は、自己の緯度に仰角を設定し、天球殻5を回転させれば、その緯度における地平面1での天体の見え方を多様かつ動的に実天感覚で体験できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、天球儀に関し、特に、天体運動の学習や理解への支援等に好適な天球儀に関する。
たとえば、理科教育の分野では、宇宙における地球その他の天体の運動を客観的に理解させることは、天体の運行等の日常経験を科学的に考察する習慣をつけさせる等の観点から重要である。このような天体の運動の学習等には、たとえば、天球儀等の模型の使用が考えられる。
従来、この種の天球儀としては、たとえば特許文献1のように、地球儀に似た天球殻の天球面上に様々な天体や星座が描かれたものや、特許文献2のように、透視型の天球殻の中心部に小さな地球儀が据え付けられたものが知られている。
ところが、上述の従来技術は、以下のような様々な技術的課題を有する。
すなわち、第1に、特許文献1および特許文献2は、いずれも天球面上の天体を天球儀の外側から概観するものであり、星座等の配置も、我々が実際の天空で観測するものとは「裏返し」のものとなっている。このため、実際に見える配置が想像しにくいという技術的課題がある。また、星座等の配置を裏返して天球儀上に配置したとしても球面上に配置されたものを外部から観察することには変わりがなく、天球面全体が手前側に凸となるため日常経験する天球の見え方(向こう側に凸)とは異なり、実天感覚に乏しいものとなる。
第2に、観測者のいる地球の地平面の緯度による天球面上の天体の見え方の違いが全く考慮されていないという技術的課題がある。たとえば特許文献2のように天球内に地球の模型を配置したとしても、地球上の特定の位置にいる観測者における天球の見え方を実感することは困難である。
第3に、天球面上の天体の日周運動の地平面上からの見え方や、その観察可能時間、太陽や月の年周運動、月周運動による、地平面からの見え方の違い等が考慮されておらず、利用者は、種々の季節や時刻、自分のいる場所(緯度、経度)に応じた各種の天体の地平面からの見え方の違いを把握できない、という技術的課題がある。
特開2000−267561号公報 実開平5−37255号公報
本発明は、内部から天球ドームを見上げて観察しているかの如きプラネタリウムのような感覚や視点が得やすく、実際の天体との対照を容易にしその運動の様子を具体的、立体的に実感できる天球儀を提供することを目的とする。
本発明は、地球の任意の地平面上の観測者からの天体の見え方を実感できる天球儀を提供することを目的とする。
本発明は、地球の任意の地平面上の観測者が種々の季節や時刻、観測者のいる場所(緯度、経度)に応じた各種の天体の地平面からの見え方の違いを把握できる天球儀を提供することを目的とする。
本発明は、天体の天球運動全体の仕組みの理解を容易にすることが可能な天球儀を提供することを目的とする。
本発明の天球儀は、その内部が外から透視できる透明アクリル樹脂等の素材、若しくはプラスチックや金属等のフレームで作られた構造による天球殻を設けた構成としたものである。ただし、天球面に表示される星座は、天球体・内外部から見て表裏が正しくなるように配置する。そして、天球殻の天の北極と天の南極を貫く天球の軸の中心部に、南北方向に天球殻に対して相対的に自在に回転する可動係合装置等により接合され、その裏面に取り付けられた重錘の働きにより、常に水平を保つことができる地平面を模した円盤を配置する。
さらに、上記天球儀において、ある共通の赤経線を基準として、その全円周が24等分若しくは48等分などの等分に区切られている赤緯線を天球殻の天球面上に配置する構成としたものである。これらは、地平面より上にある赤緯線の区切り(赤経線との交点)の数を数えることにより、その付近の天体が、一日のうち、大凡何時間くらい地平面上にあるかを知るためのものである。
さらに、上記天球儀において、天球殻の天球面上の通常の天体の表示に加えて、天球殻に、太陽軌道環(黄道)や月軌道環(白道)を配置する構成としたものである。
さらに、上記天球儀において、天球儀本体の脱着を可能とした、支援、支持用具としての支持台を配置する構成としたものである。
上記した本発明の天球儀の作用は、一例として、次の通りである。すなわち、天球面に表された星座は、従来技術では天球を外部から見るので、通常、地表から見ているものとは異なり裏返しとなってしまうばかりでなく、天体と天体の位置関係も分かりにくくなってしまう。
これに対して、本発明の天球儀では、天球殻の外から内部を透視することができることにより、観察者は、その天球内部の地平面中央から天球ドームを見上げ、実際の正立した星座や天体を天空に見ているのと同じ感覚を得ることができる。よって、地平面からみる天球面上の正しい天体の配置や運動の理解を容易にするという効果を発揮する。
また、本発明の天球儀では、天球面上の天の北極は、北極星の天球座標ともなるので、天球の軸と地平面を模した円盤の形成する角度(仰角)が、その地平面の地球上での実際の緯度と同じになる。よって、天球の軸と地平面の傾きから、地球上の任意の緯度と経度の地平面からの天体を再現し観察することができるという効果を発揮する。
そして、地平面の中央付近に人間を模した小さな人形や、天球の軸と地平面との接合ジョイント部に仰角計(高度計・分度器)などを配置すればその視覚認識効果はより高まる。
また、天球殻を天球の軸を中心に、東から西へ回転させることにより、地平面の端の地平線と天球の日周運動の関係も極めて容易に理解することができるという効果を発揮する。
さらに、本発明の天球儀では、地平面より上にある天球面上の赤緯線の区切りの数を数えることにより、その付近の天体が、一日24時間の内、大凡何時間ぐらい地平面上に現れているかを容易に知ることができる。
実際に、天球上の任意の天体を、地平面の東端から西端まで天球殻を回転させて移動させてみることにより、その天体の日周運動の軌跡(軌道)と、地平面上の大凡の現出時間を容易に知ることができる効果を発揮する。
また、本発明の天球儀では、天球面上の通常の天体表示とは別に、天球面上に、一年間の月日を記した太陽軌道環(黄道)と、約一ヶ月の日や月齢を記した月軌道環(白道)を設け、それぞれの任意の軌道上に太陽や月の模型を配置し、地平面に対して天球殻を回転させることにより、観察者は、その時点での太陽や月の日周運動の軌跡は勿論のこと、地平面から見た、季節による太陽高度の違いや、地平面上の現出時間の相違、さらには、他の天体との関係を容易に理解することができるという効果を発揮する。
また、本発明の天球儀では、天球儀本体と台座(支持台)とが脱着できることにより、使用時には本体を手にとって操作や観察ができたり、台座(支持台)に固定して観察したりすることができる。
さらに、天球儀本体にLED(発光ダイオード)や光ファイバー等の電飾を施したり、駆動モーターやジャイロコンパスを設置して、天球の軸や天球殻を自動的に回転させたりすることで、視認効果の向上による学習効果の向上はもとより、置物等としての装飾性を持たせることもできる。
また、天球殻を、たとえば液晶パネルディスプレイ等の平面ディスプレイを球形にした透明な球面ディスプレイで構成し、天体やその運行経路等の各種の情報をコンピュータ制御で表示することで、ディスプレイ効果をより発揮させ、一層多様かつ詳細な天体等の表示態様を実現することもできる。たとえば、太陽が出ている日中は他の星が見えにくくなり、太陽が沈んだときに星が出現することを表現できる。また、朝焼けや夕焼け等も表現できる。
この場合、電飾の表示電源や、球面ディスプレイの表示制御用のコンピュータは、台座(支持台)の中に省スペースに実装することができる。
本発明の天球儀によれば、天球殻の外より内部を透視できることにより、天球中心部の地表面から天球面上の天体や星座を正しい配置で観測でき、天球の構造を容易に理解できる効果を提供できる。
また、天球殻の中心部に設けられた地平面を模した円盤が、天球の軸に対し常に水平を保つ機構から、地球上の特定の緯度の地点における地平面からの天球面上の天体の配置を現出させることができ、容易にその地点で観察可能な天体を特定できる効果を提供できる。
さらに、天球殻を東から西に回転させることにより、その地平面における天体の日周運動の様子を容易に認識できる効果を提供できる。
さらに、天球面上の赤緯線に日周時間の等分目盛りが刻んであることにより、その付近の天体の日周運動において地平面上に現出している大凡の時間を知ることができるという効果を提供できる。
さらに、天球殻に太陽軌道環(黄道)や月軌道環(白道)を設けていることにより、季節や月齢による太陽や月の日周運動が容易に表現でき、その高度の違いや地平面上に現れている時間の大凡を容易に知れる効果を提供できる。
さらに、着脱式の支持台を設けることにより、天球儀の観察を容易にするだけでなく、天球儀本体がその諸表示にLEDや光ファイバー等の電飾や駆動モーターやジャイロコンパスを用いたり、球形表示パネル等を用いてコンピュータ制御したりする場合には、電源やコンピュータ等を省スペースで支持台に収容できるとともに、それらの動作電力を容易に供給することができるだけでなく、優れたディスプレイ効果を提供できる。
上述したこれらの機能が全部融合されて立体的、実感的、組織的に天球の天体運動の理解が促進され、宇宙の仕組みが理解しやすくなるという学習促進効果が提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である天球儀の全体構成の一例を示す斜視図である。本実施の形態の天球儀は、透明な天球殻5と、この天球殻5を回転(空転)自在に支持する天球の軸3と、天球殻5の内部に配置され、天球の軸3に支持された円盤状の地平面1を備えている。
地平面1は、後述の図3に例示されるように、その可動ジョイント部2において天球の軸3により常に水平に支えられており、地平面1の南北方向と天球の軸3との間で仰角4を形成する。
天の北極6の座標には北極星20があるので、この仰角4は、その地平面1における北極星20の高度となり、その地平面1の地球上の緯度ともなる。また、地平面1の輪郭は、その緯度での地平線を示している。この実施の形態では、地平面1の大きさ(輪郭)は、天球殻5の内周に非接触でかつ当該内周とほぼ等しい大きさに設定されているが、これに限らず、天球殻5の内周寸法よりも小さくしてもよい。
また、天球の軸3は、天球殻5の天の北極6と天の南極7を貫いており、この天球の軸3を中心にしてこの天球殻5は、地平面1に対して自由に回転することにより、天球殻5の表面(天球面)上の天体21や星座22が、地平面1に対する日周運動を表現することができるだけでなく、地平線上における、その天体21に隣接する赤緯線15の日周時間区切り(赤緯線15を等分する赤経線14との交点)の数を数えることにより、その天体21の地平面1上に現出する大凡の時間を計算することができる。
地平面1の中央付近には、人間を模した小さな人形30や、天球の軸3と地平面1との可動ジョイント部2に仰角計4a(高度計あるいは分度器等)などが配置されており、その視覚認識効果をより高めている。
さらに、この天球殻5の天球面上の北極星20、天体21、星座22、天の赤道8、赤経線14、赤緯線15等の諸表示には、LEDや光ファイバー等の電飾を用いることができる。また、必要に応じて、軸受け17内に図示しない駆動モーターを設けて、天球の軸3(地平面1)に対して天球殻5を自動的に所定の速度で回転させる構成としてもよい。これにより、本実施の形態の天球儀のディスプレイ効果をより発揮することができる。
天球の軸3の南端3aは、天球儀の全体を支援、支持するための支持台18の軸受け17に挿入されて支持されている。
この支持台18の軸受け17は、傾きが自由に変えられる可撓性のフレキシブル機構の腕で台座である支持台18に接続されており、天球儀本体を台座(支持台18)から取り外して使用する場合の他、天球の軸3の南端3aを支持台18の軸受け17に挿入し、天球の軸3を必要な角度に固定して天球儀本体を観察することができる。
また、この天球儀の天体21、星座22、赤経線14、赤緯線15等の諸表示には、必要に応じて、LEDや光ファイバー等の電飾を用いたり、天球殻5の回転に駆動モーターを用いたり、また、球形表示パネル等を用いてコンピュータ制御したりする場合には、この軸受け17を通して電力や情報の供給を行うことができる。
図2は、地平面1を模した円盤の平面図である。その面上には東西南北の方位が定められているが、南北方向にスリット2a(溝)が開いている。このスリット2aは、地平面1に対して天球の軸3を相対的に傾動させる際に天球の軸3がすり抜けるためのものである。
なお、このスリット2aで分けられた円盤の東側部分1bと西側部分1aは円盤の中心部で、東西方向に軸をもつ可動ジョイント部2により接合され一つの統合した平面(地平面1)を形成している。
図3は、地平面1の可動ジョイント部2と、天球の軸3との取り付け状態の一例を示す見取り図である。
この天球の軸3は、地平面1の可動ジョイント部2において、南北方向のスリット2aの中を自由に回転することができる図示しない軸受け機構で接合されている。すなわち、天球の軸3の径方向の貫通する図示しない軸孔に地平面1の可動ジョイント部2を回転自在に挿通して係合させることにより、天球の軸3は、地平面1の南北方向(スリット2aの方向)を含み当該地平面1に直交する平面内で相対的に回動自在となるように地平面1を支持している。
なお、地平面1は、その裏面に吊り下げ部材1cを介して重錘1dが取り付けられており、重錘1dを含めた地平面1の全体の重心位置は、天球の軸3と交差する可動ジョイント部2の直下で地平面1の平面の下方となるように設定されている。これにより、地平面1は、天球の軸3の傾きに拘わらず、天球殻5等に対して、常に水平を保つことができる。そして上述のように、地平面1上の支点である可動ジョイント部2の付近に仰角計4aが設けられていることにより、地平面1と天球の軸3との角度、即ち、その地点における北極星20の高度たる仰角4、(即ち、その地点の地球上の緯度)を容易に表現することができる。
図4は、天球殻5の構成の一例を示す斜視図である。本実施の形態の天球殻5は、透明なアクリル樹脂やガラス等の透明素材を用いて作られており、内部は中空になっている。そして、この天球殻5の内部は、外から透視することができる。
天球殻5上の天球面には、天の赤道8、黄道9をはじめ、必要な赤緯線15や赤経線14だけでなく、必要な天体21や星座22が、内部の視点から見た状態で正しい座標に表示されている。
また、天球の軸3を傾斜させることにより、天球殻5の全体は、常に水平な地平面1に対して変位し、地平面1の中心に直交して上方に貫く線と天球殻5との交点である天頂16は、天球の軸3の傾斜に従って天球殻5上を移動する。
図5は、天球面上の代表的な赤緯線(A)15aと赤緯線(B)15bを表している。
これら、天球面上で表示される赤緯線15は、それぞれの全円周が、共通の赤経線14を基準に、24等分若しくは48等分など、等分で区切られている。そのことにより、地平面1より上にあるそれぞれの赤緯線15と赤経線14との交点(区切り)の数をえることにより、その付近にある天体21が大凡何時間くらい地平面1より上に現出しているかを知ることができる。
即ち、ある天体21が表示された天球面を、東から西へ回転させることにより、その天体21を地平面1の東端より西端へ移動させることができる。その時、その天体21の天空上の軌跡を知ることができるだけでなく、地平面1上にある赤緯線15の区切りの数を数えるたけで、その天体21が地平面1上に現出している大凡の時間を知ることができる。
図6は、天球殻5の天球面上に取り付ける太陽軌道環9a(黄道)や平均的な月軌道環9b(白道)と、これらと天の赤道8との交点である春分点10および秋分点12、さらには夏至点11および冬至点13を示している。
黄道の太陽軌道環9aには、全局(周)に一年間の“月日”が記されており、白道の月軌道環9bには一ヶ月(30日)の月齢に対応した“日”が記されている。そして、それらの任意の位置に図示しない太陽や月の模型を張り付け、天球殻5を東から西へ回転させることにより任意の日における、太陽や月の、大凡の日周運動を表現し、その軌跡と地平面1上に現出している大凡の時間を知ることができる。
以下、本実施の形態の天球儀の作用の一例について説明する。
上述のように、本実施の形態の天球儀では、天球殻5が、外から内部を透視できる素材や構造で作られているため、観察者の視線方向に対向する内周に天球面上の正立した正しい座標の天体21の配置や天球の構造が現出される。また、地平面1と併せて観察することにより、実際に地平面1に立って天球を見るときの実天感覚にて、天体21の位置等を認識できる。
また、天球の軸3と地平面1との成す角が北極星20の高度となるので、地球上の個別の緯度ごとの多様な地平面1上での実天感覚で、天体観察できる天球面が現出する。
また、天球面全体を外から俯瞰して得られる全体像と、天球の中心部を透視して自在に水平を保つ地平面1を併せて観察できることから、天球殻5を回転させることにより、地平面1の東側部分1bの地平線(輪郭)から出現して西側部分1aの地平線(輪郭)に没する天体21の日周運動が現出し、この日周運動を観察者は客観的に認識できる。
また、天球面上に取り付けられた太陽軌道環(黄道)9aや月軌道環(白道)9b上に任意におかれた太陽や月の日周運動も現出する。
このように、あらゆる天体21や星座22等の、その時点での、天球の回転と地平面の関係により天体21の日周運動の軌跡を容易に表現できる。また、その天体21の近隣にある赤緯線15に等分に刻まれた時間区切り表示(赤経線14との交点)を数えることにより、その天体21が地平面1上に現出する大凡の時間を知ることができる。
以上のように、これらの機能が全部融合されて、立体的、実感的、組織的に天球面における天体運動が容易に理解され、宇宙の仕組みの学習促進効果が得られるものである。
さらに、必要に応じて、この天球殻5の天球面上において、LEDや光ファイバー等の電飾を用いて天体等の諸表示を行ったり、軸受け17に設けられた図示しない駆動モーター、ジャイロコンパスやコンピュータ等を用いて天球殻5を自動的に回転させることにより、より効果的なディスプレイ動作を実現することが可能となる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の他の実施の形態である天球儀の構成の一例を示す概念図である。この実施の形態2の場合には、天球殻5を、内部が透視可能な球形表示パネル50で構成した場合の一例を示す。なお、天球殻5の内部やその他の構成は、上述の実施の形態1の場合と同様であるので、対応する部材には同一符号を付して説明は省略する。
天球殻5を構成する球形表示パネル50は、動作電力や制御信号を供給するためのケーブル51を介してコンピュータ等で構成される球面表示制御部52に接続され、この球面表示制御部52には、表示データメモリ53およびキーボードやスイッチ等の入力装置54が接続されている。
球面表示制御部52や表示データメモリ53は、支持台18の内部にコンパクトに実装することができる。ケーブル51は、軸受け17および天球の軸3の内部に挿通されて、球形表示パネル50に接続される。
球形表示パネル50は、一例として、球形に成型された透明基板の任意の領域を所定の解像度で任意に選択的に不透明にするか、発色させることにより、文字や図形の描画を目視可能に可変に行う機能を備えている。この表示機能は、一例として、液晶表示パネル等のフラットパネルディスプレイを球形に成型することで実現できる。
球面表示制御部52は、入力装置54の操作等による外部からの指示に応じて、表示データメモリ53に格納された制御プログラムや表示データを読み出して、球形表示パネル50上の球面座標に任意の文字や図形を表示させる制御機能を備えている。
この球形表示パネル50における表示は静的なものに限らず、動画等の動的な表示も可能である。これにより、たとえば、上述の天の赤道8や赤経線14等の必要な情報を球形表示パネル50上に随意に描画することが可能になるとともに、内部を透視して、球形表示パネル50の内部の地平面1等を目視することも可能である。
この場合には、電飾等による天球殻5の諸表示に比較して、表示データメモリ53内の表示データや球面表示制御部52の制御プログラムを任意のものに入れ替えるだけで、極めて多様な天体等の静的および動的表示、さらには白黒/カラー表示等が可能となり、ディスプレイ効果をより発揮することができるとともに、教育的効果もより大きくなる。
(実施の形態3)
図8は、本発明のさらに他の実施の形態である天球儀の構成の一例を示す概念図である。この実施の形態3の場合には、天球殻5をフレームで構成した場合の変形例を示す。なお、天球殻5の内部やその他の構成は、上述の実施の形態1の場合と同様であるので、対応する部材には同一符号を付して説明は省略する。
この図8の変形例の場合、天球殻5は、プラスチックや金属等の細いフレーム60を用いて作られ、内部は中空になっており、フレーム60の間隙から天球殻5の内部を、外から透視することができる。また、このフレーム60自体を透明な樹脂やガラス等で構成してもよい。
図8の例では、赤経線14に対応するように円形に成型されるとともに球面をなすように配列された複数の経線フレーム61と、これらを経線方向に連ねて固定する一つまたは複数の緯線フレーム62で全体が球面の天球殻5をなすように構成されている。
また、天球の軸3が回転自在に貫通する天の北極6および天の南極7(複数の経線フレーム61の交差部位)の各々には、天球殻5の軸方向の位置ずれを防止するための鍔条のストッパ63がそれぞれ設けられている。天球の軸3の南端3aは、支持台70に設けられた、可動支持部71の溝部72に、当該溝部72の長手方向に傾動可能に着脱自在に支持されている。そして、支持台70上で天球の軸3を傾動させることで、地平面1と天球の軸3のなす角度(その地平面1の緯度)を随意に設定することが可能となっている。
この実施の形態3の場合には、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態3では、素朴な模型的外観を呈するため、上述した天球儀としての本来の効果の他に、展示物等としても有用である。また、この天球儀を分解可能にして部品状態で流通させ、利用者が自分で組み立てて使用するようにしてもよい。この場合には、組立の過程で、宇宙や天球儀に対するより深い理解が進み、教育的効果は一層大きくなる。
なお、上述の各実施の形態では、地平面1は、いずれもスリット2aを形成した場合を例示しているが、これに限らず、仰角4を180度の範囲で変化させるのであれば、西側部分1aと東側部分1bを一体とし、天球の軸3との交差部を境に、凹凸が逆の逃溝を東西の境界領域に形成し、天球の軸3が地平面1と平行になる姿勢では、天球の軸3がこの逃溝に収容される構成としてもよい。
本発明の天球儀は、多様な大きさとすることができる。すなわち、携帯や机上設置が可能な小型のものはもちろんのこと、実際に人がなかに入り、天球殻内の地平面上に立って当該天球殻の内周に配置された天体等を観察することが可能な大型のものを構築し、教育施設等に設置するようにしてもよい。
本発明の一実施の形態である天球儀の全体構成の一例を示す斜視図。 地平面を模した円盤を取り出して例示した平面図。 地平面と天球の軸とを係合する可動ジョイント部の取り付け状態の一例を示す見取り図。 天球殻の構成の一例を示す斜視図。 天球面上の代表的な赤緯線と赤緯線を例示した斜視図。 天球殻の天球面上に取り付ける太陽軌道環(黄道)や平均的な月軌道環(白道)を例示した斜視図。 本発明の他の実施の形態である天球儀の構成の一例を示す概念図。 本発明のさらに他の実施の形態である天球儀の構成の一例を示す概念図。
符号の説明
1…地平面、1a…西側部分、1b…東側部分、1c…吊り下げ部材、1d…重錘、2…可動ジョイント部(可動係合構造)、2a…スリット、3…天球の軸、3a…南端、4…仰角、4a…仰角計、5…天球殻、6…天の北極、7…天の南極、8…天の赤道、9…黄道、9a…太陽軌道環、9b…月軌道環、10…春分点、11…夏至点、12…秋分点、13…冬至点、14…赤経線、15…赤緯線、15a…赤緯線(A)、15b…赤緯線(B)、16…天頂、17…軸受け、18…支持台、20…北極星、21…天体、22…星座、30…人形、50…球形表示パネル、51…ケーブル、52…球面表示制御部(表示制御部)、53…表示データメモリ、54…入力装置、60…フレーム、61…経線フレーム、62…緯線フレーム、63…ストッパ、70…支持台

Claims (8)

  1. 内部が透視可能な天球殻と、前記天球殻の南北極を貫き、当該天球殻を回転自在に支持する天球の軸と、前記天球殻の内部に位置し、当該天球殻に対して相対的に移動自在に前記天球の軸に支持された、地平面として形成された円盤とを具備したことを特徴とする天球儀。
  2. 前記円盤と前記天球の軸とのなす角度が可変なように、前記円盤を前記天球の軸に支持する可動係合構造と、前記円盤を水平な姿勢に保つバランス機構とをさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の天球儀。
  3. 前記天球殻の天球面上に表示される複数の赤緯線と、複数の前記赤緯線を周方向に等分するように表示される複数の赤経線とをさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の天球儀。
  4. 前記天球殻の天球面上には、太陽の運行経路を示す黄道に対応した太陽軌道環、および月の運行を示す白道に対応した月軌道環を設け、前記太陽軌道環および前記月軌道環の任意の位置に太陽および月をそれぞれ配置可能にしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の天球儀。
  5. 前記天球殻は、透明素材からなる球体、または球面をなすように成型されたフレームで形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の天球儀。
  6. 前記天球殻に情報を表示するための電飾を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の天球儀。
  7. 前記天球殻は、内部が透視可能な球形表示パネルにて構成され、前記表示パネルに対する情報表示を制御する表示制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の天球儀。
  8. 天球の軸を着脱自在に支持する支持台をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜請求項7に記載の天球儀。
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