JP2005077693A - 変倍撮像レンズ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1枚構成よりなる負の屈折力を有する第1レンズ群110、1または2枚構成の正の屈折力を有する第2レンズ群120、および1枚構成の負の屈折力を有する第3レンズ群130により変倍撮像レンズ100の撮像光学系が構成されている。すなわち、撮像光学系が、負、正、負のレンズ構成で、物体側OBJSから順に配置した第1レンズ群110が1枚構成、第2レンズ群120が1または2枚構成、第3レンズ群130が1枚構成の計3または4枚のレンズで構成されている。
【選択図】 図1
Description
この種の携帯装置である携帯電話機や携帯情報端末等にカメラモジュールを搭載するためには、光学(レンズ)系は極めてコンパクトである必要がある。
この特許文献1に記載のズームレンズは、正のパワーを有する前群と負のパワーを有する後群とで構成されている。
そして、前群が物体側より負のパワーの貼り合わせレンズ、メニスカス負レンズ、両凸正レンズ、両凸正レンズの4群5枚、後群が両凸正レンズ、負レンズ、メニスカス負レンズの3群3枚の合計7群8枚のレンズから構成され、第3群あるいは第4群のレンズの少なくとも一つの面に非球面を採用することにより、小型で高性能な光学系を構成している。
しかしながら、上述した特許文献1に記載のズームレンズは、レンズの構成枚数が7群8枚と比較的多く、撮像光学系の小型化には、限界があり、携帯電話機等、全長に制限のある機器に対しては十分な小型化がなされているとは言い難い。
コンパクトなデジタルスチルカメラや携帯電話搭載カメラに使用される撮像素子は、通例として、銀塩フィルムに比べ撮像面サイズが数%から20%程度と極端に小さいため、高い光学性能を確保でき得るものとなっている。
したがって、撮像素子を用いた撮像光学系は、テレセントリック性を重視するため、レンズタイプとしては、以下の2通りに分類される。
この第1のタイプは、いわゆるレトロフォーカスタイプであり、広角化には容易に適用できるとされている。
しかしながら、上述した第1のレンズタイプは、いわゆるレトロフォーカスタイプであり、広角化には容易に適用できるとされているものの、携帯電話機等、全長に制限のある機器に対しては十分な小型化がなされているとは言い難い。
たとえば、このレンズタイプは、テレセントリック性に優れており、撮像素子を用いた光学系では、採用されることが多い。
しかし、第2のレンズタイプは、テレセントリック性に優れているものの、前述の正、負の2群構成と同様に、レトロフォーカスタイプであるが故に、十分な小型化がなされているとは言い難い。
しかし、このレンズタイプは最も撮像面に近いレンズ群である第3レンズ群が負の屈折力を持つため、光学系からの射出角が跳ね上がる傾向があり、撮像素子を対象として用いた際には、撮像素子の開口によるケラレが懸念される。
一方、テレフォト系の作用を強くした負、正、負のレンズタイプはコンパクト化の面では優位であるが、光学系からの射出角を跳ね上がる傾向がある。また、昨今の撮像素子では、開口によるケラレの減少を促すために、各画素にマイクロレンズを搭載し、このマイクロレンズにより補正を行うことが一般的になってきている。
0.18<y’/L …(1)
ただし、y’は上記撮像素子の撮像面における最大像高を、Lは光学系の最物体側レンズ面頂より光軸上における上記撮像面までの距離が最大となるときの光学系最前面より撮像面までの距離をそれぞれ表している。
2.1<|f1|/fw<3.7 …(2)
0.65<f2/fw<0.90 …(3)
0.84<|f3|/fw<1.32 …(4)
ただし、f1は第1レンズ群の焦点距離を、f2は第2レンズ群の焦点距離を、f3は第3レンズ群の焦点距離を、fwは広角端における光学系の焦点距離をそれぞれ表している。
tanω×fst/Lst<0.72 …(5)
ただし、ωは広角端での最大入射角度を、fstは広角端における絞りより像側の光学系の合成焦点距離を、Lstは広角端における絞りから撮像面までの距離をそれぞれ表している。
また、デジタルスチルカメラへの応用も可能であり、超薄型の変倍レンズ搭載のカメラを実現でき、応用範囲が広い変倍撮像レンズを実現できる利点がある。
この変倍撮像レンズ100において変倍を行う際には、第1レンズ群110、第2レンズ群120,120A、および第3レンズ群130のうち、たとえば第2レンズ群120と第3レンズ群130が光軸AX上を移動する。
なお、変倍機能に関しては、第1レンズ群110を固定する構成をとることが可能であるが、第1レンズ群110を変動させる(移動可能)に構成することも可能であり、使用目的に応じて対応することができる。
すなわち、本実施形態においては、撮像光学系が、物体側OBJSから順に配置した第1レンズ群110が1枚構成、第2レンズ群120が1または2枚構成、第3レンズ群130が1枚構成の計3または4枚のレンズで構成される。
このように、第1レンズ群110を負の屈折力を持つメニスカスレンズ111により構成することにより、ディストーションを抑えやすくなる。
また、第1レンズ群110は、レンズ1枚で構成される故、色収差の発生を抑えるために、分散の小さな硝材を選ぶことが望ましい。
第2レンズ群120を1枚のレンズで構成する場合には、たとえば図1に示すように、両凸レンズ121により構成される。
第2レンズ群120を2枚のレンズで構成する場合には、たとえば図2に示すように、正のレンズ122,123の組み合わせにより構成される。
第3レンズ群130は、たとえば像面側を凹とした負のレンズ131により構成される。
本実施形態において、ピント調整(フォーカス調整)は第3レンズ群130で行っており、無限から至近にかけて撮像面測に移動する。
第3レンズ群が正レンズの場合は物体側に移動するために、特に望遠端での第2レンズ群と第3レンズ群間の距離を確保する必要がある。
本実施形態では、像面側に移動するため、望遠端での第2レンズ群120と第3レンズ群130との距離を狭めることができる。
これは、変倍光学系のコンパクト化を可能ならしめる要因の一つであり、また同じ大きさであれば、無理の無いパワー配置が可能となり、高性能化および偏心感度の低下を可能ならしめている。
撮像光学系を介した被写体(物体)からの光が、撮像素子142の撮像面142a上に結像される。
以下に、本実施形態に係る変倍撮像レンズ100において設定された各条件について説明する。
0.18<y’/L …(条件式1)
この条件下において、高い光学性能を維持ずるために変倍比に上限を設ける必要がある。上限を超えると、第1レンズ群110を光軸AXに沿って大きく移動する必要が生じるためコンパクト性が失われ、また、3または4枚という構成枚数では諸収差の補正が困難となる。さらに好ましくは、変倍比2.0以下が望ましい。
また、条件式1の下限を超えると、条件式中のLが像高y’に比し大きくなるのでコンパクト性が失われることを意味しているのは自明だが、それに加え、径方向にも増大する傾向があるために極めてコンパクトな光学系であることを求めるには望ましくない。さらに、絞りの位置によってはF値が大きくなる傾向があり十分な明るさと光学性能を両立することが困難となる。
しかしながら、本実施形態では、負、正、負の3群構成にも関わらずコンパクトな全長の短い光学系が可能である。
また、本実施形態は3または4枚構成と少ない枚数でコンパクト化を実現している。枚数を低減すると収差補正を行うためにはLを短くすることが困難となり、本実施形態においてはy<0.22となっている。
2.1<|f1|/fw<3.7 …(条件式2)
0.65<f2/fw<0.90 …(条件式3)
0.84<|f3|/fw<1.32 …(条件式4)
条件式3は、第2レンズ群120の屈折力の条件を示しており、上限を超えると全長が長くなり、さらに球面収差補正が困難となる。下限を超えると、球面収差、非点収差、コマ収差が悪化する。さらに好ましくは、0.71<f2/fw<0.85の条件を満たしていることが望ましい。
条件式4は、第3レンズ群130の屈折力の条件を示しており、上限を起えると負の歪曲補正が困難となり、下限を超えるとコマ収差、正の歪曲を増大させ、さらに全長が長くなる。
具体的には、本実施形態の変倍撮像レンズ100は、上述したように、収差補正において、各群のパワー配置を最適化することでコンパクト化を達成しており、さらに第2レンズ群120,120Aと第3レンズ群130に非球面を適宜配置することで、さらにコンパクト化を実現している。
本実施形態に係る撮像光学系において、第2レンズ群120は唯一の正の屈折力を持ち、必然的にその屈折力も大きくなり、収差の発生も大きくなるため少なくとも1面以上の非球面が必要であり、これにより球面収差、コマ収差、非点収差の補正を行っている。
Z=(h2 /r)/〔1+{1−(1+k)(h/r)2 }1/2 〕
+Ah4 +Bh6 +Ch8 +Dh10+Eh12+Fh14+・・・
tanω×fst/Lst<0.72 …(条件式5)
したがって、撮像素子を用いた光学系は、必ずしもテレセントリック性が必要とされていない。
しかしながら、撮像素子への光線光量を確保するためには、入射角の限界があり、この限界角を規制しており、上限を超えると受光部への角度が厳しくなり、画面周辺部において急激な光量低下が発生する。
光学系に入射する角度(両角)に対して、射出瞳距離に関与する、絞り位置と絞りから撮像面142a側の光学系の焦点距離(パワー)の関係式となっている。本実施形態において、広画角、コンパクトでありながら、射出瞳の規制緩和を行っており、その達成した条件式を表している。
また、第3レンズ群120は、軸外光線像高が高い上に、1枚構成であるために、諸収差の補正、および、射出角の補正のための非球面が少なくとも1面は必要であり、また、像側に凹面を向けた負のレンズとすることにより、主点位置を物体側へと配置し、コンパクト化を行うことができる。
実施例1においては、図3(図1と同様の構成)に示す第2レンズ群120が1枚構成の変倍撮像レンズ100の各レンズ群を構成する各レンズ、絞り部150、並びに撮像部140を構成するカバーガラス141に対して、図3に示すような面および間隔dの番号を付与した。
実施例2においては、図4(図2と同様の構成)に示す第2レンズ群120Aが2枚構成の変倍撮像レンズ100の各レンズ群を構成する各レンズ、絞り部150、並びに撮像部140を構成するカバーガラス141に対して、図4に示すような面および間隔dの番号を付与した。
実施例3においては、図5に示す第2レンズ群120Aが2枚構成の変倍撮像レンズ100の各レンズ群を構成する各レンズ、絞り部150、並びに撮像部140を構成するカバーガラス141に対して、図5に示すような面および間隔dの番号を付与した。
実施例4においては、図6に示す第2レンズ群120Aが2枚構成の変倍撮像レンズ100の各レンズ群を構成する各レンズ、絞り部150、並びに撮像部140を構成するカバーガラス141に対して、図6に示すような面および間隔dの番号を付与した。
実施例5においては、図7に示す第2レンズ群120Aが2枚構成の変倍撮像レンズ100の各レンズ群を構成する各レンズ、絞り部150、並びに撮像部140を構成するカバーガラス141に対して、図7に示すような面面および間隔dの番号を付与した。
表2から表4に実施例1の各数値を示す。
表2は、実施例1における変倍撮像レンズの各面番号に対応した各レンズ、絞りの曲率半径(r:mm)と間隔(d:mm)、屈折率、およびアッベ数を示している。表中の面番号の*は非球面であることを意味する。
図8および図9からわかるように、実施例1によれば、広角端から望遠端までの焦点位置距離において、球面、非点、歪曲の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた変倍撮像レンズが得られる。
表5から表7に実施例2の各数値を示す。
表5は、実施例2における変倍撮像レンズの各面番号に対応した各レンズ、絞りの曲率半径(r:mm)と間隔(d:mm)、屈折率、およびアッベ数を示している。表中の面番号の*は非球面であることを意味する。
図10および図11からわかるように、実施例2によれば、広角端から望遠端までの焦点位置距離において、球面、非点、歪曲の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた変倍撮像レンズが得られる。
表8から表10に実施例3の各数値を示す。
表8は、実施例3における変倍撮像レンズの各面番号に対応した各レンズ、絞りの曲率半径(r:mm)と間隔(d:mm)、屈折率、およびアッベ数を示している。表中の面番号の*は非球面であることを意味する。
図12および図13からわかるように、実施例3によれば、広角端から望遠端までの焦点位置距離において、球面、非点、歪曲の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた変倍撮像レンズが得られる。
表11から表13に実施例4の各数値を示す。
表11は、実施例4における変倍撮像レンズの各面番号に対応した各レンズ、絞りの曲率半径(r:mm)と間隔(d:mm)、屈折率、およびアッベ数を示している。表中の面番号の*は非球面であることを意味する。
図14および図15からわかるように、実施例4によれば、広角端から望遠端までの焦点位置距離において、球面、非点、歪曲の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた変倍撮像レンズが得られる。
表14から表16に実施例5の各数値を示す。
表14は、実施例5における変倍撮像レンズの各面番号に対応した各レンズ、絞りの曲率半径(r:mm)と間隔(d:mm)、屈折率、およびアッベ数を示している。表中の面番号の*は非球面であることを意味する。
図16および図17からわかるように、実施例3によれば、広角端から望遠端までの焦点位置距離において、球面、非点、歪曲の諸収差が良好に補正され、結像性能に優れた変倍撮像レンズが得られる。
変倍に際しては、第1レンズ群110を固定もしくは変動させることも可能であり、使用目的に応じ対応できる。
収差補正において、各レンズ群のパワー配置を最適化することでコンパクト化を達成しており、さらに第2レンズ群120と第3レンズ群130に非球面を適宜配置することで、さらにコンパクト化を実現できる。これらの条件を最適化することにより、コンパクトな変倍レンズにも関わらず高性能で、さらに歪曲を小さくすることができる利点がある。
また、本実施形態においては、ピント調整は第3レンズ群130で行っており、無限から至近にかけて撮像面測に移動するため、望遠端での第2レンズ群120と第3レンズ群130との距離を狭めることができる。これにより、変倍光学系のコンパクト化が可能となり、また同じ大きさであれば、無理の無いパワー配置が可能となり、高性能化および偏心感度低下を実現できる。
110…第1レンズ群
111…負のメニスカスレンズ
120,120A…第2レンズ群
121,123,123…正のレンズ
130…第3レンズ群
131…負のレンズ
140…撮像部
141…ガラス製の平行平面板(カバーガラス)
142…撮像素子
142a…撮像面
Claims (6)
- 撮像素子を対象とした変倍機能を備えた撮像光学系を有する変倍撮像レンズであって、
上記撮像光学系が、
物体側から順に配置した3枚または4枚のレンズで構成され、
変倍比が約2.5以下であり、かつ、
以下の条件式(1)を満足する
ことを特徴とする変倍撮像レンズ。
0.18<y’/L …(1)
ただし、y’は上記撮像素子の撮像面における最大像高を、Lは光学系の最物体側レンズ面頂より光軸上における上記撮像面までの距離が最大となるときの光学系最前面より撮像面までの距離をそれぞれ表している。 - 上記撮像光学系は、物体側から順に配置された、
1枚構成よりなる負の屈折力を有する第1レンズ群と、
1枚または2枚構成よりなる正の屈折力を有する第2レンズ群と、
1枚構成よりなる負の屈折力を有する第3レンズ群と、により構成され、
変倍を行う際には、少なくとも上記第2レンズ群と上記第3レンズ群が光軸上を移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の変倍撮像レンズ。 - 上記第1レンズ群、上記第2レンズ群、および上記第3レンズ群の焦点距離は、それぞれ以下の条件式(2)、(3)、および(4)を満足する
ことを特徴とする請求項2に記載の変倍撮像レンズ。
2.1<|f1|/fw<3.7 …(2)
0.65<f2/fw<0.90 …(3)
0.84<|f3|/fw<1.32 …(4)
ただし、f1は第1レンズ群の焦点距離を、f2は第2レンズ群の焦点距離を、f3は第3レンズ群の焦点距離を、fwは広角端における光学系の焦点距離をそれぞれ表している。 - 上記第2レンズ群に少なくとも1面非球面を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の変倍撮像レンズ。 - 上記第3レンズ群は、少なくとも1面非球面を有し、かつ、最も像側の面が、像側に凹面を向けた負のレンズであり、以下の条件式(5)を満足する
ことを特徴とする請求項4に記載の変倍撮像レンズ。
tanω×fst/Lst<0.72 …(5)
ただし、ωは広角端での最大入射角度を、fstは広角端における絞りより像側の光学系の合成焦点距離を、Lstは広角端における絞りから撮像面までの距離をそれぞれ表している。 - 上記第1レンズ群は、第1面に物体側を凸面とした負のメニスカスレンズである
請求項2から5のいずれか一に記載の変倍撮像レンズ。
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