JP2005076783A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フットブレーキの過熱を防止しつつ、運転者の嗜好を考慮して、車両に制動力を与える。
【解決手段】 ECT_ECUは、ナビゲーションシステムから現在走行エリア情報を取得するステップ(S100)と、ブレーキ発熱量に関連するフットブレーキ操作積算量を算出するステップ(S110)と、ブレーキ発熱量がしきい値を越えていて(S120にてYES)、山間路が継続する場合には(S130にてYES)、次のコーナにおいて強くかつ早くエンジンブレーキを作用させるように要求減速度を変更するステップ(S140)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】 ECT_ECUは、ナビゲーションシステムから現在走行エリア情報を取得するステップ(S100)と、ブレーキ発熱量に関連するフットブレーキ操作積算量を算出するステップ(S110)と、ブレーキ発熱量がしきい値を越えていて(S120にてYES)、山間路が継続する場合には(S130にてYES)、次のコーナにおいて強くかつ早くエンジンブレーキを作用させるように要求減速度を変更するステップ(S140)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両に搭載された自動変速機に制御装置に関し、特に、降坂路やカーブ(コーナ)の多い山間路の走行時において、エンジンブレーキを的確に作用させる自動変速機の制御装置に関する。
車両用の自動変速機においては、スロットル開度(エンジン負荷)と車速とに応じて予め変速パターンを設定しておき、この変速パターンを使用して、検出したスロットル開度と車速とに応じて変速ギヤ段を設定し、変速制御を自動的に実行している。従来の自動変速制御では、市街地走行のような平坦路においては特に大きな問題はなく、変速もスムーズで違和感がない。しかし、山間路における走行においては、直線の登坂路もあれば頻繁に屈曲する登坂路もあり、強いエンジンブレーキを必要とする下り坂もあれば、緩やかな長い下り坂もある。そして、下り坂で急加速をし、コーナ突入直前で強いブレーキング操作を行なう運転者もいる。このような山間路の走行時において、車両運転状態、運転者の運転意思、道路状態等に最適な変速ギヤ段を選択することは難しく、山間路の走行時においても運転操作が簡単で、車両の運動性能がよく、より好ましい運転フィーリングを得ることが要請されている。
特開平5−231518号公報(特許文献1)は、下り坂において、エンジンブレーキを効かすタイミングを道路状況や運転者の運転癖に応じて最適化し、フットブレーキを掛ける回数を減らして運転操作を容易化する車両用自動変速機の変速制御方法を開示する。この車両用自動変速機の変速制御方法は、エンジンブレーキが効く低速変速段を含む複数の変速段を有する自動変速機のシフト位置を、予め設定された制御モードに従って選択した変速段に設定する、車両用自動変速機の変速制御方法であって、低速変速段を選択するか否かを判定するためのパラメータ値と閾値との大小関係に応じて、自動変速機のシフト位置を低速変速段に設定するか否かを決定するステップと、閾値を、道路の下り勾配の度合および道路の屈曲度の少なくとも何れか一方に応じた値に設定するステップとを含む。
この車両用自動変速機の変速制御方法によると、下り坂走行時においてエンジンブレーキが効く低速変速段に切り替えるか否かの判断を、道路の勾配、車速の時間変化等のパラメータ値と閾値との大小関係を判別することにより行なわれる。そして、閾値が道路の下り勾配の度合や屈曲度等の道路状態に応じた値に設定されるために、エンジンブレーキを効かせるタイミングが最適化される。さらに、下り坂走行時において、運転者のブレーキ操作量、例えば単位時間当たりのブレーキ操作回数やブレーキ操作時間割合を検出し、検出したブレーキ操作量と、好ましくは道路状態に応じて設定されているブレーキ操作量標準値とを比較することにより、運転者の運転癖を判断することができ、標準値よりブレーキ操作量が大である場合には、エンジンブレーキを早めに効かせるように、シフト操作が行なわれる。その結果、フットブレーキを掛ける回数を減らして運転操作を容易化することができる。
特開平5−231518号公報
しかしながら、特許文献1に開示された車両用自動変速機の変速制御方法では、ブレーキ操作量が標準値を超えると低速ギヤ段が早めに選択されてエンジンブレーキを早めに効かせるだけであって、フットブレーキの発熱に着目して、エンジンブレーキを効かせるようにするものではない。すなわち、特許文献1に開示された車両用自動変速機の変速制御方法では、運転者が山間路(たとえば、コーナが連続する降坂路)において、フットブレーキを多用していると、エンジンブレーキをより積極的に効かせることになる。運転者がエンジンブレーキではなくフットブレーキによる減速を望んでいる場合であっても、この車両用自動変速機の変速制御方法では、エンジンブレーキを効かせてしまい、運転者の意思に合致しない場合がある。
一方、山間路において、運転者がフットブレーキを多用すると、ブレーキを構成する摩擦材が高温になってフェード現象を起こしたり、ブレーキオイルが高温になって沸騰して気化して油圧を伝達しにくくなりペーパロック現象を起こしたりして、ブレーキが効かなくなる可能性もある。このため、運転者の嗜好(フットブレーキを使用した制動力を要求)を満足しつつ、ブレーキの過熱を抑制しなければならない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、フットブレーキの過熱を防止しつつ、運転者の嗜好やドライバビリティ考慮して、車両に制動力を与えることができる自動変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機の制御装置は、車両の走行場所に関する情報を取得するナビゲーション装置と、ナビゲーション装置からの情報に基づいて、自動変速機を制御するための制御手段と、車両の運転者により操作されるフットブレーキの発熱量に関連する状態量を算出するための算出手段とを含む。この制御手段は、状態量に基づいて、ダウンシフト制御およびダウンシフトのタイミング制御の少なくとも一方を行なうための手段を含む。
第1の発明によると、算出手段は、車両の運転者により操作されるフットブレーキの発熱量に関連する状態量を算出する。このとき、状態量は、ブレーキマスタ圧、パッド温度、ロータ温度、ブレーキ踏力等に基づいて算出される。この状態量がたとえば予め定められたしきい値を上回る場合には、ブレーキが加熱するおそれがあるので、ナビゲーション装置により次の降坂路やコーナに到達すると(あるいは到達する前に)、エンジンブレーキをより強くまたはより早く効かせるように、ダウンシフト制御およびダウンシフトのタイミング制御の少なくとも一方が行なわれる。これにより、エンジンブレーキ力とフットブレーキ力とで、運転者が必要とするブレーキ力を車両に作用させることができる。その結果、フットブレーキの過熱を防止しつつ、運転者の嗜好を考慮して、車両に制動力を与えることができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、算出手段は、フットブレーキのマスター油圧と車両の車速とに基づく発熱量を状態量として算出するための手段を含む。
第2の発明によると、フットブレーキのマスター油圧と車両の車速とに基づいて算出された発熱量が状態量として算出される。このため、的確にフットブレーキの発熱度合いを表わす指標を算出することができる。
第3の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加えて、制御手段は、状態量が予め定められた値以上であると、より低速側の変速比へダウンシフトするための手段およびダウンシフトのタイミングを早めるための手段の少なくとも一方を含む。
第3の発明によると、状態量が予め定められた値以上であることは、フットブレーキが過熱する可能性があることを意味する。このような場合には、より低速側の変速比へダウンシフトしたり、ダウンシフトのタイミングを早めたりして、フットブレーキにかかる負担をエンジンブレーキに負担させて、フットブレーキの過熱を防止できる。
第4の発明に係る自動変速機の制御装置は、車両の走行場所に関する情報を取得するナビゲーション装置と、ナビゲーション装置からの情報に基づいて変速するように自動変速機を制御するための制御手段と、車両のコーナリング時の横方向加速度を検知するための検知手段とを含む。この制御手段は、横方向加速度に基づいて、ダウンシフト制御およびダウンシフトのタイミング制御の少なくとも一方を行なうための手段を含む。
第4の発明によると、検知手段は、車両がコーナリング時に受ける横方向加速度を検知して、この横方向加速度が、たとえば予め定められた値以上である状態が予め定められた頻度以上である場合には、ナビゲーション装置により次のコーナに到達すると(あるいは到達する前に)、エンジンブレーキをより強くまたはより早く効かせるように、ダウンシフト制御およびダウンシフトのタイミング制御の少なくとも一方が行なわれる。これにより、エンジンブレーキ力とフットブレーキ力とで、運転者が必要とするブレーキ力を車両に作用させることができる。その結果、運転者の嗜好を考慮して、車両に制動力を与えることができる自動変速機の制御装置を提供することができる。
第5の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第4の発明の構成に加えて、制御手段は、横方向加速度が予め定められた値以上の状態が、予め定められた回数または頻度以上であると、より低速側の変速比へダウンシフトするための手段およびダウンシフトのタイミングを早めるための手段の少なくとも一方を含む。
第5の発明によると、この横方向加速度が、予め定められた値以上である状態が予め定められた回数または頻度以上である場合には、ナビゲーション装置により次のコーナに到達すると(あるいは到達する前に)、エンジンブレーキをより強くまたはより早く効かせるように、ダウンシフト制御およびダウンシフトのタイミング制御の少なくとも一方が行なわれる。これにより、コーナが連続する山間路等において、エンジンブレーキ力とフットブレーキ力とで、運転者が必要とするブレーキ力を車両に作用させることができる。
第6の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、制御手段は、ナビゲーション装置から車両の走行場所に関する情報が、登降坂とカーブとが連続した山間路であることを示す場合に、自動変速機を制御するための手段を含む。
第6の発明によると、登降坂とカーブとが連続した山間路において、通常よりも強くまたは早めにエンジンブレーキを効かせて、車両のフットブレーキの過熱を防止することや、コーナ進入時の車速を下げることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1000により実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。なお、本発明は、歯車式変速機構を有する自動変速機に限定されるものではなく、たとえばベルト式などの無段変速機であってもよい。
本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、図1に示すECU(Electronic Control Unit)1000により実行されるプログラムにより実現される。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手としてトルクコンバータを備えた、歯車式変速機構を有する自動変速機として説明する。なお、本発明は、歯車式変速機構を有する自動変速機に限定されるものではなく、たとえばベルト式などの無段変速機であってもよい。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、詳しくは、図1に示すECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020により実現される。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、自動変速機300と、ECU1000とから構成される。
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサにより検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチと、入力軸側のポンプ羽根車と、出力軸側のタービン羽根車と、ワンウェイクラッチを有しトルク増幅機能を発現するステータとから構成される。トルクコンバータ200と自動変速機300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサにより検知される。自動変速機300の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサにより検知される。
このような自動変速機300は、その内部に複数の摩擦要素であるクラッチやブレーキを備える。予め定められた作動表に基づいて、摩擦要素であるクラッチ要素(たとえばクラッチC1〜C4)や、ブレーキ要素(たとえばブレーキB1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(たとえばワンウェイクラッチF0〜F3)が、要求された各ギヤ段に対応して、係合および解放されるように油圧回路が制御される。自動変速機300の変速ポジション(シフトポジション)には、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)、前進走行(D)ポジションがある。
これらのパワートレーンを制御するECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、自動変速機300を制御するECT_ECU1020とを含む。
ECT_ECU1020には、出力軸回転数センサにて検知された出力軸回転数NOUTを表わす信号が入力される。また、ECT_ECU1020には、エンジンECU1010から、エンジン回転数センサにて検知されたエンジン回転数NEを表わすエンジン回転数信号が入力される。
これら回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、トルクコンバータ200の入力軸、トルクコンバータ200の出力軸および自動変速機300の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
さらに、ECT_ECU1020は、エンジンECU1010にエンジン制御信号(たとえばスロットル開度信号)を出力し、エンジンECU1010は、そのエンジン制御信号や他の制御信号に基づいてエンジン100を制御する。ECT_ECU1020は、トルクコンバータ200のロックアップクラッチ制御信号を出力する。このロックアップクラッチ制御信号に基づいて、ロックアップクラッチの係合圧が制御される。また、ECT_ECU1020は、自動変速機300にソレノイド制御信号を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて、自動変速機300の油圧回路のリニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速ギヤ段(たとえば第1速〜第5速)を構成するように、摩擦係合要素が係合および解放されるように制御される。
また、ECT_ECU1020には、ナビゲーションシステム2200から現在の車両の位置情報や、現在の車両の位置の周囲に関する情報(現在走行エリア情報)が入力される。この現在走行エリア情報とは、現在およびこの先の経路における路面の状態である、勾配およびその長さ、コーナの位置およびその曲率などの情報である。
さらに、ECT_ECU1020には、フットブレーキに関するブレーキ関連センサ2700から、ブレーキマスタ圧、ブレーキパッド温度、ブレーキロータ温度、ブレーキ踏力を表わす信号がそれぞれ入力される。また、ECU1000は、各種データやプログラムが記憶されたメモリを有する。
図2を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU1000のECT_ECU1020で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略して記載する)100にて、ECT_ECU1020は、ナビゲーションシステム2200から現在走行エリア情報を取得する。
S110にて、ECT_ECU1020は、フットブレーキ操作積算量(ブレーキ発熱量)を算出する。このとき、ECT_ECU1020は、たとえばブレーキマスタ圧と車速(車速は出力軸回転数センサから入力される出力軸回転数信号に基づいて算出)とにより、ブレーキ発熱量と相関関係があるフットブレーキ操作積算量やフットブレーキ操作仕事量を算出する。また、ブレーキマスタ圧ではなく、ブレーキパッド温度、ブレーキロータ温度、ブレーキ踏力などのフットブレーキの温度に関係する物理量に基づいて、ブレーキ発熱量に関連する物理量を算出するようにしてもよい。
S120にて、ECT_ECU1020は、算出されたブレーキ発熱量がメモリに記憶されたしきい値よりも大きいか否かを判断する。ブレーキ発熱量がメモリに記憶されたしきい値よりも大きいと判断されると(S120にてYES)、処理はS130へ移される。もしそうでないと(S120にてNO)、この処理は終了する。
S130にて、ECT_ECU1020は、ナビゲーションシステム2200から取得した現在走行エリア情報に含まれる、この先の経路における路面の状態である、勾配およびその長さ、コーナの位置およびその曲率などの情報に基づいて、この先において山間路が継続するか否かを判断する。この先において山間路が継続すると判断されると(S130にてYES)、処理はS140へ移される。もしそうでないと(S130にてNO)、この処理は終了する。
S140にて、ECT_ECU1020は、次のコーナに対する要求減速度が大きくかつ早くなるように変更する。このとき、ECT_ECU1020は、ダウンシフトの変速ギヤ段をより低速側の変速ギヤ段に変更したり、ダウンシフト制御の開始タイミングを前倒しに変更したりする。無段変速機の場合には、より低速側の変速比に変更する。このようにすると、ダウンシフトによるエンジンブレーキがより強く、より早く作用するので、車両がコーナの手前でエンジンブレーキにより十分に減速される。このため、フットブレーキが過熱気味である場合には、コーナ進入時に使用されるフットブレーキの負荷を軽減することができる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECU1020の動作について説明する。
車両の走行中に、ナビゲーションシステム2200から現在走行エリア情報が取得され(S100)、ブレーキ関連センサ2700からの信号や出力軸回転数信号に基づいて、フットブレーキ操作積算量(ブレーキ発熱量)が算出される(S110)。たとえば、車両が山間路(コーナが多い降坂路など)を車両が走行していると、ブレーキ操作積算量(ブレーキ発熱量)がしきい値を越えて、フットブレーキが過熱気味であると判断される(S120にてYES)。
実際にフットブレーキが過熱気味であることに基づいて、さらに山間路が継続する場合には(S130にてYES)、さらにフットブレーキの温度が上昇するおそれがある。このような場合には、運転者の自己の意思によりペダルを操作して車両を減速させるフットブレーキよりも、エンジンブレーキを優先して作用させて、フットブレーキの温度上昇を回避する。すなわち、運転者の意思に直結した減速感ではない可能性があるが、現実にフットブレーキの温度が過熱気味であることを考慮して、ドライバビリティよりもフットブレーキの過熱を回避する。
以上のようにして、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUによると、車両の運転者の嗜好に基づいて操作されるフットブレーキの発熱量に関連するフットブレーキ操作積算量やフットブレーキ操作仕事量を算出する。このフットブレーキ操作積算量やフットブレーキ操作仕事量がしきい値を上回る場合には、ブレーキが加熱気味である。このような場合に限定して、次の降坂路やコーナに到達すると(あるいは到達する前に)、エンジンブレーキをより強くまたはより早く効かせるように、ダウンシフト制御が実行される。これにより、エンジンブレーキ力とフットブレーキ力とで、運転者が必要とするブレーキ力を車両に作用させることができる。その結果、その結果、フットブレーキの過熱を防止しつつ、運転者の嗜好を考慮して、車両に制動力を与えることができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る自動変速機の制御装置について説明する。本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、第1の実施の形態と同じ図1に示すECU1000により実行されるプログラムにより実現される。第1の実施の形態に係る制御装置は、フットブレーキの発熱量に関する状態量に基づいて自動変速機300をダウンシフトさせる制御を行なう制御装置であったのに対して、第2の実施の形態に係る制御装置は、コーナリング時の横方向加速度の度合いに基づいて自動変速機300をダウンシフトさせる制御を行なう制御装置である点が異なる。
以下、本発明の第2の実施の形態に係る自動変速機の制御装置について説明する。本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、第1の実施の形態と同じ図1に示すECU1000により実行されるプログラムにより実現される。第1の実施の形態に係る制御装置は、フットブレーキの発熱量に関する状態量に基づいて自動変速機300をダウンシフトさせる制御を行なう制御装置であったのに対して、第2の実施の形態に係る制御装置は、コーナリング時の横方向加速度の度合いに基づいて自動変速機300をダウンシフトさせる制御を行なう制御装置である点が異なる。
図3を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。なお、図3に示す制御ブロックの中で前述の図1に示した制御ブロックと同じブロックについては同じ参照符号を付している。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図3に示すように、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンは、前述の第1の実施の形態におけるパワートレーンの構成要素のブレーキ関連センサ2700に代えて、横Gセンサ2800を有する。この横Gセンサ2800は、車両の走行方向に直角の方向に車両に作用する加速度(横G値)を計測する加速度センサである。ECT_ECU1020には、横Gセンサ2600から、コーナリング加速度(横G値)が入力される。
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU1000のECT_ECU1020で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図4に示すフローチャートにおいて前述の図2のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。その処理の内容も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S200にて、ECT_ECU1020は、横Gセンサ2800から入力されたコーナリング加速度(横G値)を検知する。S210にて、ECT_ECU1020は、検知した横G値がメモリに記憶されたしきい値よりも大きいか否かを判断する。横G値がメモリに記憶されたしきい値よりも大きいと判断されると(S210にてYES)、処理はS220へ移される。もしそうでないと(S210にてNO)、この処理は終了する。
S220にて、ECT_ECU1020は、横GカウンタCに1を加算する。S230にて、ECT_ECU1020は、横GカウンタCの値がメモリに記憶されたカウンタしきい値よりも大きいか否かを判断する。横GカウンタCの値がメモリに記憶されたカウンタしきい値よりも大きいと判断されると(S230にてYES)、処理はS130へ移される。もしそうでないと(S230にてNO)、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECU1020の動作について説明する。
車両の走行中に、ナビゲーションシステム2200から現在走行エリア情報が取得され(S100)、横Gセンサ2800から入力されたコーナリング加速度(横G値)が検知される(S200)。検知した横G値がメモリに記憶されたしきい値よりも大きいと(S210にてYES)、横GカウンタCに1が加算される(S220)。たとえば、車両が山間路(コーナが多い降坂路など)を車両が走行していると、横GカウンタCは増加する傾向になる。特にコーナへの進入車速が高速であれば横G値が大きくなる。このため、横GカウンタCの値がしきい値を越えて、横方向の加速度の履歴が多いと判断される(S230にてYES)。
このような場合、しきい値を、運転者が不快感を感じるほど大きな値として設定すると、しきい値を越える横Gを受けることは、運転者の意思に反するものとして考えることができる。それにもかかわらず、横G値がしきい値を越え、横GカウンタCの値がカウンタしきい値を越えるのは、運転者がコーナ手前で十分に減速したいのに、それが実現できていないことを示す。
そこで、実際に大きな横Gを受けている履歴が多いことに基づいて、さらに山間路が継続する場合には(S130にてYES)、このままの状態では、大きな横Gをさらに受けるおそれがある。すなわち、運転者が不快感をさらに感じることになる。このような場合には、エンジンブレーキを早く大きく作用させてコーナへの進入車速を十分に低下させて大きな横Gを受けないようにする。すなわち、現実に大きな横Gを受けていることを考慮して、運転者の意思に直結した減速感を実現するフットブレーキに加えて、エンジンブレーキにより、コーナ進入時の車速を低下させるようにダウンシフト制御する。
以上のようにして、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUによると、車両がコーナリング時に受ける横G値を検知して、この横G値が耐え難いほどの値以上である状態が多い場合には、ナビゲーション装置により次のコーナに到達すると(あるいは到達する前に)、エンジンブレーキをより強くまたはより早く効かせるように、ダウンシフト制御される。これにより、エンジンブレーキ力とフットブレーキ力とで、運転者が必要とするブレーキ力を車両に作用させることができ、耐え難い横Gを受けることがなくなる。その結果、運転者の嗜好を考慮して、車両に制動力を与えることができる。
<第3の実施の形態>
上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組合わせて、自動変速機の制御装置を実現してもよい。
上述した第1の実施の形態と第2の実施の形態とを組合わせて、自動変速機の制御装置を実現してもよい。
すなわち、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置は、コーナの多い降坂路を含む山間路を走行中に、ブレーキ発熱量に関連するフットブレーキ操作積算量やフットブレーキ操作仕事量を算出して、このフットブレーキ操作積算量やフットブレーキ操作仕事量がしきい値を越えたり、横Gセンサにより横G値を検知してこの横G値がしきい値よりも大きい状態が多く発生したりすると、自動変速機300をコーナ手前で早めにダウンシフトさせたり、ダウンシフトの変速比を大きくしたりして、エンジンブレーキ力を強めるような制御を行なう制御装置である。
このような制御装置によると、第1の実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUにより発現する作用効果と、第2の実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECT_ECUにより発現する作用効果とを、併せ持つことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 エンジン、200 トルクコンバータ、300 自動変速機、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、2200 ナビゲーションシステム、2700 ブレーキ関連センサ、2800 横Gセンサ。
Claims (6)
- 車両の走行場所に関する情報を取得するナビゲーション装置と、
前記ナビゲーション装置からの情報に基づいて、自動変速機を制御するための制御手段と、
前記車両の運転者により操作されるフットブレーキの発熱量に関連する状態量を算出するための算出手段とを含み、
前記制御手段は、前記状態量に基づいて、ダウンシフト制御および前記ダウンシフトのタイミング制御の少なくとも一方を行なうための手段を含む、自動変速機の制御装置。 - 前記算出手段は、前記フットブレーキのマスター油圧と前記車両の車速とに基づく発熱量を前記状態量として算出するための手段を含む、請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記制御手段は、前記状態量が予め定められた値以上であると、より低速側の変速比へダウンシフトするための手段およびダウンシフトのタイミングを早めるための手段の少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置。
- 車両の走行場所に関する情報を取得するナビゲーション装置と、
前記ナビゲーション装置からの情報に基づいて変速するように自動変速機を制御するための制御手段と、
前記車両のコーナリング時の横方向加速度を検知するための検知手段とを含み、
前記制御手段は、前記横方向加速度に基づいて、ダウンシフト制御および前記ダウンシフトのタイミング制御の少なくとも一方を行なうための手段を含む、自動変速機の制御装置。 - 前記制御手段は、前記横方向加速度が予め定められた値以上の状態が、予め定められた回数または頻度以上であると、より低速側の変速比へダウンシフトするための手段およびダウンシフトのタイミングを早めるための手段の少なくとも一方を含む、請求項4に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記制御手段は、前記ナビゲーション装置から車両の走行場所に関する情報が、登降坂とカーブとが連続した山間路であることを示す場合に、前記自動変速機を制御するための手段を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003308951A JP2005076783A (ja) | 2003-09-01 | 2003-09-01 | 自動変速機の制御装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017521301A (ja) * | 2014-06-27 | 2017-08-03 | ボルボトラックコーポレーション | 車両におけるクルーズコントロールブレーキの機構及び方法 |
US10569775B2 (en) | 2014-06-27 | 2020-02-25 | Volvo Truck Corporation | Arrangement and method for a cruise control brake in a vehicle |
US10030730B2 (en) | 2016-03-28 | 2018-07-24 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle brake system and method of detecting wear of friction member |
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