JP2005076613A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は内燃機関の制御装置に関し、実際のパージガス量或いはパージ率を正確に求め、その正確なパージガス量或いはパージ率に基づき内燃機関を制御できるようにする。
【解決手段】 圧縮行程中の異なるクランク角における筒内圧の測定値に基づいて、燃焼前の筒内ガスの比熱比を算出する。そして、算出した比熱比に基づいて、筒内ガス中の既燃ガスの比率を算出する。また、筒内に吸入される新気の量を測定するとともに、筒内に残存する既燃ガスの量をマップから推定する。そして、これら筒内ガス中の既燃ガスの比率、新気の量、及び既燃ガスの量に基づき、筒内に吸入されるパージガスの量やパージ率を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関し、特に、蒸発燃料処理装置を備えた内燃機関のための制御装置に関する。
車両用の内燃機関には、燃料タンクで発生する蒸発燃料が大気に放出されることを防止するための蒸発燃料処理装置が備えられている。蒸発燃料処理装置は、内部に活性炭が充填されたキャニスタを有しており、キャニスタに蒸発燃料を吸着して貯えるようになっている。キャニスタに貯えられた蒸発燃料は、内燃機関の運転中、吸気通路の負圧を利用したパージ処理によって吸気通路に導入され、内燃機関の燃焼室において燃焼処理される。
このような蒸発燃料処理装置を備えた内燃機関では、吸気通路に導入されるパージガス(蒸発燃料を含むガス)の量を把握する必要がある。内燃機関では目標とする空燃比となるように燃料噴射弁からの燃料噴射量を調整しているが、パージガスが導入されている場合には、その導入量に応じて燃料噴射量を補正する必要があるからである。従来、例えば、特許文献1に開示された装置では、吸入負圧と、吸気通路へのパージガスの流出を制御するパージ制御弁の開口面積とからパージガス量を推定している。
特開2001−263179号公報 特開2002−276436号公報
しかしながら、特許文献1の装置で得られるパージガス量はあくまでも推定値であり、正確な値であるとは言い切れない。上述のようにパージガス量は燃料噴射量の補正に用いられるため、パージガス量の推定値が実際値から大きくずれている場合には、燃料噴射量を正しく補正することができず、実際の空燃比が目標空燃比からずれてしまう。空燃比の目標空燃比に対するずれは、特に、アイドル時のような低回転低負荷時における燃焼を不安定にし、排気エミッションやドライバビリティを悪化させてしまう。このため、今日では、パージガス量、或いはパージ率(燃焼室に吸入される吸入ガス全体に対するパージガスの比率)に関するより正確な情報が必要とされている。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、実際のパージガス量或いはパージ率を正確に求め、その正確なパージガス量或いはパージ率に基づき内燃機関を制御できるようにした制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
吸気通路へのパージガスの供給を制御するパージ制御弁と、
筒内圧を測定する筒内圧測定手段と、
圧縮行程中の異なるクランク角における前記筒内圧の複数の測定値に基づいて、燃焼前の筒内ガスの比熱比を算出する比熱比算出手段と、
前記比熱比に基づいて、前記筒内ガス中の既燃ガスの比率を算出する既燃ガス比率算出手段と、
筒内に吸入される新気の量を測定する新気量測定手段と
筒内に残存する既燃ガスの量を推定する既燃ガス量推定手段と、
前記筒内ガス中の既燃ガスの比率、前記新気の量、及び前記既燃ガスの量に基づき、筒内に吸入される前記パージガスの量を算出するパージガス量算出手段と、
前記パージガスの量に基づいて内燃機関を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
第2の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
吸気通路へのパージガスの供給を制御するパージ制御弁と、
筒内圧を測定する筒内圧測定手段と、
圧縮行程中の異なるクランク角における前記筒内圧の複数の測定値に基づいて、燃焼前の筒内ガスの比熱比を算出する比熱比算出手段と、
前記比熱比に基づいて、前記筒内ガス中の既燃ガスの比率を算出する既燃ガス比率算出手段と、
筒内に吸入される新気の量を測定する新気量測定手段と
筒内に残存する既燃ガスの量を推定する既燃ガス量推定手段と、
前記筒内ガス中の既燃ガスの比率、前記新気の量、及び前記既燃ガスの量に基づき、パージ率を算出するパージ率算出手段と、
前記パージ率に基づいて内燃機関を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記既燃ガス量推定手段は、
排気終了後吸気開始前の所定のクランク角における筒内圧と、筒内に残存する既燃ガスの量を対応付けて記憶した記憶手段と、
前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値に対応した既燃ガス量を前記記憶手段から読込む読込手段とを含み、
前記読込み手段により前記記憶手段から読込まれた既燃ガス量を、筒内に残存する既燃ガスの推定量として設定することを特徴としている。
また、第4の発明は、第3の発明において、前記既燃ガス量推定手段は、
前記パージ制御弁の非作動時に算出或いは測定された前記筒内ガス中の既燃ガスの比率と前記新気の量に基づき、筒内に残存する既燃ガスの量を算出する既燃ガス量算出手段と、
前記既燃ガス量算出手段の算出値を前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値と対応させて前記記憶手段に記憶させる学習手段とをさらに含むことを特徴としている。
また、第5の発明は、第1又は第2の発明において、内燃機関の回転数を測定する回転数測定手段をさらに備え、
前記既燃ガス量推定手段は、
排気終了後吸気開始前の所定のクランク角における筒内圧、及び内燃機関の回転数と、筒内に残存する既燃ガスの量を対応付けて記憶した記憶手段と、
前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値、及び前記回転数の測定値に対応した既燃ガス量を前記記憶手段から読込む読込み手段とを含み、
前記読込み手段により前記記憶手段から読込まれた既燃ガス量を、筒内に残存する既燃ガスの推定量として設定することを特徴としている。
また、第6の発明は、第5の発明において、前記既燃ガス量推定手段は、
前記パージ制御弁の非作動時に算出或いは測定された前記筒内ガス中の既燃ガスの比率と前記新気の量に基づき、筒内に残存する既燃ガスの量を算出する既燃ガス量算出手段と、
前記既燃ガス量算出手段の算出値を前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値、及び前記回転数の測定値と対応させて前記記憶手段に記憶させる学習手段とをさらに含むことを特徴としている。
第1の発明によれば、既燃ガス比率、新気量、及び既燃ガス量に基づいて理論的に正確に求められたパージガス量に基づき内燃機関を制御することができる。
第2の発明によれば、既燃ガス比率、新気量、及び既燃ガス量に基づいて理論的に正確に求められたパージ率に基づき内燃機関を制御することができる。
第3の発明によれば、パージガス量やパージ率の算出に必要な残存既燃ガスの量を筒内圧との関係に基づいて正確に求めることができる。
第4の発明によれば、機差や経年変化により筒内圧と残留既燃ガスの量の関係にずれが生じた場合でも、パージ制御弁の非作動時に行われる学習によって前記ずれを解消することができる。
第5の発明によれば、パージガス量やパージ率の算出に必要な残存既燃ガスの量を筒内圧及び回転数との関係に基づいて正確に求めることができる。
第6の発明によれば、機差や経年変化により筒内圧及び回転数と残留既燃ガスの量との関係にずれが生じた場合でも、パージ制御弁の非作動時に行われる学習によって前記ずれを解消することができる。
以下、図1乃至図6を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態にかかる内燃機関のシステム構成を説明するための図である。本実施形態にかかる内燃機関2は火花点火式の4ストロークエンジンであり、図示していないが複数の気筒を有している。各気筒の燃焼室12には吸気通路4と排気通路6が接続されている。燃焼室12と吸気通路4との接続部にはその連通状態を制御する吸気弁8が設けられ、燃焼室12と排気通路6との接続部にはその連通状態を制御する排気弁10が設けられている。特に、吸気弁8には、その開閉時期を調整することができる可変バルブタイミング機構50が設けられている。燃焼室12の頂部には、図示しない点火プラグと燃焼室12内の圧力、すなわち、筒内圧を測定する筒内圧センサ36が取り付けられている。また、クランク軸20の近傍には、所定のクランク角位置で信号を出力するクランク角センサ32が取り付けられている。
排気通路6には、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ44が設けられている。また、その下流には、排気ガス中の有害成分を浄化するための図示しない触媒装置が設けられている。
吸気通路4は、その一端にエアクリーナ16を備えている。エアクリーナ16の直ぐ下流部分には吸入空気流量(新気の流量)を測定するエアフローメータ(新気量測定手段)34が配置されている。さらに、エアフローメータ34の下流には、燃焼室12内へ流入する新気の量を調整する電子制御式のスロットル弁18が配置されている。このスロットル弁18には、その開度に応じた信号を出力するスロットルセンサ38が組み込まれている。吸気通路4の先端は各気筒の燃焼室12に空気を導入するために分岐しており、分岐通路毎に燃焼室12に燃料(ガソリン)を供給するための燃料噴射弁14が取り付けられている。
燃料噴射弁14から噴射される燃料は、図示しない燃料通路を通って燃料タンク42から供給される。燃料タンク42には、内部で発生した蒸発燃料を抜き出すためのベーパ通路22が接続されている。ベーパ通路22の一端は、キャニスタ40に接続されている。キャニスタ40の内部には、蒸発燃料を吸着するための活性炭が充填されている。このため、燃料タンク42の内部で発生した蒸発燃料は、ベーパ通路22を通ってキャニスタ40に到達し、キャニスタ40の内部に吸着保持される。
キャニスタ22には、大気導入口26が設けられていると共に、パージ通路24が接続されている。パージ通路24には、その内部を流れるガスの流量を制御するためのパージ制御弁28が設けられている。パージ制御弁28は、デューティ制御されることにより任意の開度を実現する制御弁である。パージ通路24は、スロットル弁18の下流において吸気通路4に連通している。
内燃機関2はその制御装置として、ECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30は、上述したクランク角センサ32,エアフローメータ34,筒内圧センサ36,スロットルセンサ38,酸素濃度センサ44等の各種センサから出力信号の供給を受けていると共に、燃料噴射弁14,パージ制御弁28,可変バルブタイミング機構50等の各種アクチュエータに対して駆動信号を供給している。特に、本実施形態にかかるECU30は、アイドル時のような低回転低負荷時には、パージ制御弁28の作動によって供給されるパージガスの量、及びそのパージ率を以下に説明する方法によって算出し、算出したパージ率に基づいて燃料噴射弁14を制御している。
[吸排気弁の開閉時期]
先ず、以下に説明するパージ率の算出方法が実施される前提条件として、本実施形態の内燃機関2における低回転、低負荷時の吸排気弁の開閉時期について説明する。一般に、吸気弁8の開時期は排気弁10の閉時期よりも早く設定されており、排気弁10の開期間と吸気弁8の開期間が重なるバルブオーバーラップが生じている。このバルブオーバーラップが大きいと、低回転低負荷時、特にアイドル時において、吸気通路4の負圧によって排気通路6から吸気通路4へ排気ガスが逆流し、その分、次回のサイクルにおいて筒内に残留する既燃ガスの量が増大してしまう。そこで、本実施形態では、低回転低負荷時には、可変バルブタイミング機構50によって吸気弁8の開時期が遅角側にシフトされ、図3に示すように、吸気弁8の開時期は排気弁10の閉時期よりも遅く設定される。
[パージ率の算出方法]
図4(A)は、筒内容積が最大になったとき、すなわち、ピストンが下死点にあるときの筒内ガスの組成を模式的に示した図である。この図に示すように、筒内ガスにはスロットル弁18を通って供給される新気、パージ制御弁28を通って供給されるパージガスに加え、前回サイクルの既燃ガスの残留分が含まれている。ここでは、筒内ガス中に占める新気の量をA(g)、パージガスの量をB(g)、残留既燃ガスの量をC(g)とする。
上記筒内ガスの各成分のうち、新気量Aは、エアフローメータ34の出力信号に基づいて測定することができる。エアフローメータ34では単位時間あたりの新気の流量が検出され、その検出値に応じた信号がECU30に供給される。ECU30は、エアフローメータ34の出力信号に基づいて1サイクルあたりの新気の吸入量、すなわち、新気量Aを測定している。
残留既燃ガス量Cは、図6に示すマップから読込むことができる。マップは、ECU30内の図示しない記憶要素に記憶されている。図6のマップでは、残留既燃ガス量Cが内燃機関の筒内圧力及び回転数と関連付けられている。マップに示す筒内圧力は、図3に示すようにクランク角θがθにあるとき、すなわち、排気弁10が閉じるタイミングでの筒内圧力Pである。本実施形態では、図3に示すように、排気弁10が閉じてから吸気弁8が開くので、排気通路6から吸気通路4への排気ガスの逆流はない。排気弁10の閉時期に筒内に存在するガスが次回サイクルの残留既燃ガスとなる。したがって、クランク角θで測定される筒内圧力Pは残留既燃ガスの圧力を示すことになり、この筒内圧力Pが高いほど残留既燃ガスの密度は大きく、残留既燃ガス量Cは大きくなる。
図6のマップでは、回転速度NEについてはその測定タイミングに限定はなく、複数のサイクルにわたる平均回転数であってもよい。低回転低負荷時には、回転数NEが比較的高くなるほど残留既燃ガスの温度は高くなる傾向にある。このため、回転速度NEが高いほど、残留既燃ガスの密度は小さくなり、筒内に残存する残留既燃ガス量Cも小さくなる。マップでは、回転速度NEが高いほど残留既燃ガス量Cは小さく、回転速度NEが低いほど残留既燃ガス量Cは大きく設定されている。
図6のマップを用いることで、クランク角θがθになったときの筒内圧力P及び回転数NEから残留既燃ガス量Cが一義的に求められる。クランク角θはクランク角センサ32によって検知することができ、回転数NEはクランク角センサ32の信号から算出することができ、筒内圧力Pは筒内圧センサ36によって測定することができる。なお、図3ではクランク角θは排気弁10の閉時期に設定されているが、排気弁10の閉時期から吸気弁8の開時期まで、すなわち、排気弁10と吸気弁8がともに閉じている時期であれば任意のタイミングに設定可能である。
新気量Aと残留既燃ガス量Cが分かれば、これらとパージガス量Bの比率が明らかになることで、パージガス量Bを算出することができる〔図4(A)参照〕。ここで、以下の(1)式に示すように、筒内ガスの総量(A+B+C)中の残留既燃ガス量Cの比率をRとする。
R=C/(A+B+C) ・・・(1)
パージガスと新気とはその気体成分が略同じであるのに対し、燃焼ガスである残留既燃ガスの気体成分はパージガスや新気とは大きく異なっている。したがって、筒内ガス中の残留既燃ガス量の比率に応じて筒内ガス全体の物性は変化する。
図5は、筒内ガス中の残留既燃ガス量の比率Rと筒内ガスの比熱比κとの関係を示す図である。この図に示すように、既燃ガス量比率Rと筒内ガスの比熱比κとは線形関係を有しており、比熱比κが分かれば既燃ガス量比率Rが明らかになる。図5に示す既燃ガス量比率Rと比熱比κとの関係は理論式や実験によって求められ、ECU30内の図示しない記憶要素にマップとして記憶されている。
比熱比κは、内燃機関2の断熱圧縮行程における圧力と容積との関係から理論的に求めることができる。図3においては、吸気弁8が閉じてから点火プラグが点火されるまでの期間が断熱圧縮行程にあたる。本実施形態の装置では、吸気弁8が閉じた直後の所定のクランク角θにおける筒内圧力Pと、点火直前の所定のクランク角θにおける筒内圧力Pが測定される。また、各クランク角θ,θにおける筒内容積V,Vは、クランク角とピストン位置との関係に基づいて予め数学的に求められている。クランク角θにおける筒内圧力Pと筒内容積V、及び、クランク角θにおける筒内圧力Pと筒内容積Vから、次の(2)式によって比熱比κが算出される。
κ=log(P/P)/log(V/V) ・・・(2)
上記の(2)式で算出された比熱比κを図5のマップに当てはめることで、筒内ガス中の既燃ガス量比率Rが明らかになる。なお、本実施形態では、2つのクランク角θ,θにおける測定値に基づいて比熱比κを算出しているが、より複数のクランク角における測定値に基づいて比熱比κを算出してもよい。既燃ガス量比率Rが分かれば、上記(1)式を変形した次の(3)式によってパージガス量Bが算出される。
B=(C−R×A−R×C)/R ・・・(3)
さらに、次の(4)式によってパージ率PGRが算出される。
PGR=B/(B+A) ・・・(4)
[残留既燃ガス量推定マップの学習方法]
図6のマップは実験によって作成することができる。しかし、内燃機関には機差があり、また、経年変化が生じるため、全ての状況において実験結果と同様の結果が得られるとは限らない。そこで、ECU30は、残留既燃ガス量Cと回転数NE及び筒内圧力Pの関係を学習し、図6に示すマップの記憶内容を更新するようになっている。
マップの学習は、筒内にパージガスが存在しないとき、すなわち、パージ制御弁28が作動していないときに行われる。図4(B)は、パージ制御弁28が作動していないときの筒内ガスの組成を模式的に示した図である。この場合、筒内ガスは新気と残留既燃ガスのみで構成されるので、筒内ガス中の既燃ガス量比率Rは次の(5)式によってあらわされる。
R=C/(A+C) ・・・(5)
上記の(5)式において、新気量Aは、エアフローメータ34で測定することができる。既燃ガス量比率Rは、クランク角θ,θにおける筒内圧力P,Pと筒内容積V,Vを測定して比率比κを計算し、計算結果を図5のマップに当てはめることで求めることができる。そして、新気量Aと既燃ガス量比率Rが分かれば、上記(5)式を変形した次の(6)式によって残留既燃ガス量Cが算出される。
C=R×A/(1−R) ・・・(6)
ECU30は、上記の(6)式によって算出された残留既燃ガス量Cを、クランク角θで測定された筒内圧力P及び回転数NEと関連付けて、図6のマップに登録する。
以上説明したパージ率の算出方法と残留既燃ガス量推定マップの学習方法は、図2のフローチャートで示すルーチンを実行することによって実施することができる。図2に示すルーチンは、ECU30の内部で内燃機関2の1サイクル(クランク角で720度)を1サイクルとして実行される。図2に示すルーチンでは、先ず、内燃機関2の運転状態が所定の運転状態であるか、すなわち、低回転低負荷であって吸気弁8の開時期が遅角側にシフトされているか判定される(ステップ100)。
ステップ100の判定の結果、内燃機関2の運転状態が所定運転状態にない場合には、吸気圧力PMとパージ制御弁28の駆動デューティ比に基づいた公知の手法でパージ率PGRが推定される(ステップ134)。吸気圧力PMは、吸入空気量GAなどに基づいて公知の手法で推定することができる。
ステップ100の判定の結果、内燃機関2の運転状態が所定運転状態にある場合には、ステップ100以降の処理が実施される。まず、ステップ102では、エアフローメータ34の出力信号に基づいて新気量Aが測定される。
ECU30は、クランク角センサ32の出力信号を監視しており、クランク角θがθ,θ,θになることをそれぞれトリガとして、次のステップの処理が行われる。ステップ104ではクランク角θがθになったか判定され、クランク角θがθになったら、筒内圧センサ36によってそのときの筒内圧Pが測定される(ステップ106)。
続いて、ステップ108ではクランク角θがθになったか判定され、クランク角θがθになったら、筒内圧センサ36によってそのときの筒内圧Pが測定される(ステップ110)。そして、ステップ104で測定された筒内圧Pとステップ110で測定された筒内圧Pと予め計算されている各時点での筒内容積V,Vから、上記の(2)式を用いて比熱比κが算出される(ステップ112)。次に、図5のマップから比熱比κに応じた既燃ガス比率Rが読込まれる(ステップ114)。
続いて、ステップ116ではクランク角θがθになったか判定され、クランク角θがθになったら、筒内圧センサ36によってそのときの筒内圧Pが測定される(ステップ118)。また、クランク角センサ32の出力信号に基づき内燃機関2の現在の回転速度NEが測定される(ステップ120)。なお、前述のように、回転速度NEの測定タイミングは、クランク角θがθになった時に限定されず、他のタイミングで測定されたものや、複数のサイクルにわたる平均回転数を読込むようにしてもよい。
続くステップ122では、パージ制御弁28が作動中か判定される。パージ制御弁28が作動している場合にはパージ率PGRの算出が行われる。先ず、ステップ124では、図6に示すマップからステップ118で測定された筒内圧P及びステップ120で測定された回転速度NEに応じた残留既燃ガス量Cが読込まれる。そして、ステップ102で測定された新気量A、ステップ124で推定された残留既燃ガス量C、及び、ステップ104で測定された既燃ガス比率Rから、上記の(3)式を用いてパージガス量Bが算出される(ステップ126)。さらに上記の(4)式を用いてパージ率PGRが算出される(ステップ128)。
一方、ステップ122の判定の結果、パージ制御弁28が作動していない場合には、図6の残留既燃ガス量推定マップの学習が行われる。先ず、ステップ130では、ステップ102で測定された新気量A、及び、ステップ114で測定された既燃ガス比率Rから、上記の(6)式を用いて残留既燃ガス量Cが算出される。算出された残留既燃ガス量Cは、ステップ118で測定された筒内圧P及びステップ120で測定された回転速度NEに関連付けられ、図6のマップに登録される(ステップ132)。
上記のルーチンによれば、パージ制御弁28の作動中には、既燃ガス比率R、新気量A、及び残留既燃ガス量Cに基づいて理論的に正確にパージガス量Bやパージ率PGRを求めることができる。そして、機差や経年変化により筒内圧Pや回転数NEと残留既燃ガスの量Cの関係にずれが生じた場合でも、パージ制御弁28の非作動時に、残留既燃ガス量推定マップの学習が行われるので、パージガス量Bやパージ率PGRの計算値が実際の値からずれてしまうこともない。
なお、ステップ126で算出されたパージ率PGRは、以下の(7)式に示すように、燃料噴射弁14の燃料噴射時間TAUの補正に用いられる。
TAU=TP×(FAF+FW+KGX+FGPG×PGR) ・・・(7)
上記の(7)式において、TPは基本燃料噴射時間であり、機関回転数NEと吸入空気量Aとの比(A/NE)に所定の噴射係数Kを乗算することで算出される。FAFは空燃比フィードバック係数であり、酸素濃度センサ44の出力に基づいて検出される排気空燃比がリッチである場合は、燃料噴射時間TAUを短縮すべく小さな値に設定され、排気空燃比がリーンである場合は燃料噴射時間TAUを伸張すべく大きな値に設定される。FWは水温補正係数であり、内燃機関2の冷却水温に応じて設定される。KGXは経年変化等の影響による空燃比のずれを吸収するための学習値であり、機関回転数と機関負荷によって区分される運転領域毎に設定されている。そして、FGPGはパージ率1%当たりの補正割合であり、FGPG×PGRがパージガスの供給量に応じて燃料噴射量を減少補正するためのパージ補正係数となる。
本実施形態の装置によれば、上述のように正確なパージ率PGRが算出されるので、燃料噴射時間TAUは実際のパージ率に応じて適切に補正される。したがって、本実施形態の装置によれば、空燃比フィードバック制御において実際の空燃比が目標空燃比から大きくずれることがなく、良好な排気エミッションやドライバビリティを実現することができる。
以上説明した実施の形態においては、ECU30がステップ112の処理を実行することにより第1,第2の発明の「比熱比算出手段」が実現されている。また、ECU30がステップ114の処理を実行することにより第1,第2の発明の「既燃ガス比率算出手段」が実現されている。また、ECU30がステップ124の処理を実行することにより第1,第2の発明の「既燃ガス量推定手段」、及び、第5の発明の「読込み手段」が実現されている。また、ECU30がステップ126の処理を実行することにより第1の発明の「パージガス量算出手段」が実現され、ECU30がステップ128の処理を実行することにより第2の発明の「パージ率算出手段」が実現されている。また、ECU30が上記(7)式の計算結果に基づき燃料噴射弁14を制御することにより第1,第2の発明の「制御手段」が実現されている。さらに、ECU30がステップ130の処理を実行することにより第6の発明の「既燃ガス量算出手段」が実現され、ECU30がステップ132の処理を実行することにより第6の発明の「学習手段」が実現されている。
ところで、図6のマップは、筒内圧力P及び回転数NEに残留既燃ガス量Cを関連付けているが、筒内圧力Pのみに残留既燃ガス量Cを関連付けるようにしてもよい。この場合、図2のルーチンにおけるステップ120の処理は不要になる。また、ECU30がステップ122の処理を実行することにより第3の発明の「読込み手段」が実現され、ECU30がステップ128の処理を実行することにより第4の発明の「既燃ガス量算出手段」が実現され、ECU30がステップ132の処理を実行することにより第4の発明の「学習手段」が実現される。
本発明の実施の形態にかかる内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態において実行されるパージ率算出及びマップ学習ルーチンのフローチャートである。 図2のルーチンにおける各処理の実行タイミングを筒内圧の変化とともにクランク角で示す図である。 パージ制御弁が作動している場合の筒内ガスの組成を模式的に示す図である。 パージ制御弁が作動していない場合の筒内ガスの組成を模式的に示す図である。 図2のルーチンで使用される比熱比から既燃ガス比率を求めるためのマップである。 図2のルーチンで使用される筒内圧力及び機関回転数から残留既燃ガス量を求めるためのマップである。
符号の説明
2 内燃機関
4 吸気通路
6 排気通路
8 吸気弁
10 排気弁
12 燃焼室
14 燃料噴射弁
16 エアクリーナ
18 スロットル弁
20 クランク軸
22 ベーパ通路
24 パージ通路
26 大気導入口
28 パージ制御弁
30 ECU(Electronic Control Unit)
32 クランク角センサ
34 エアフローメータ
36 筒内圧センサ
38 スロットルポジションセンサ
40 キャニスタ
42 燃料タンク
44 酸素濃度センサ
50 可変バルブタイミング機構

Claims (6)

  1. 吸気通路へのパージガスの供給を制御するパージ制御弁と、
    筒内圧を測定する筒内圧測定手段と、
    圧縮行程中の異なるクランク角における前記筒内圧の複数の測定値に基づいて、燃焼前の筒内ガスの比熱比を算出する比熱比算出手段と、
    前記比熱比に基づいて、前記筒内ガス中の既燃ガスの比率を算出する既燃ガス比率算出手段と、
    筒内に吸入される新気の量を測定する新気量測定手段と
    筒内に残存する既燃ガスの量を推定する既燃ガス量推定手段と、
    前記筒内ガス中の既燃ガスの比率、前記新気の量、及び前記既燃ガスの量に基づき、筒内に吸入される前記パージガスの量を算出するパージガス量算出手段と、
    前記パージガスの量に基づいて内燃機関を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 吸気通路へのパージガスの供給を制御するパージ制御弁と、
    筒内圧を測定する筒内圧測定手段と、
    圧縮行程中の異なるクランク角における前記筒内圧の複数の測定値に基づいて、燃焼前の筒内ガスの比熱比を算出する比熱比算出手段と、
    前記比熱比に基づいて、前記筒内ガス中の既燃ガスの比率を算出する既燃ガス比率算出手段と、
    筒内に吸入される新気の量を測定する新気量測定手段と
    筒内に残存する既燃ガスの量を推定する既燃ガス量推定手段と、
    前記筒内ガス中の既燃ガスの比率、前記新気の量、及び前記既燃ガスの量に基づき、パージ率を算出するパージ率算出手段と、
    前記パージ率に基づいて内燃機関を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記既燃ガス量推定手段は、
    排気終了後吸気開始前の所定のクランク角における筒内圧と、筒内に残存する既燃ガスの量を対応付けて記憶した記憶手段と、
    前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値に対応した既燃ガス量を前記記憶手段から読込む読込手段とを含み、
    前記読込み手段により前記記憶手段から読込まれた既燃ガス量を、筒内に残存する既燃ガスの推定量として設定することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記既燃ガス量推定手段は、
    前記パージ制御弁の非作動時に算出或いは測定された前記筒内ガス中の既燃ガスの比率と前記新気の量に基づき、筒内に残存する既燃ガスの量を算出する既燃ガス量算出手段と、
    前記既燃ガス量算出手段の算出値を前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値と対応させて前記記憶手段に記憶させる学習手段とをさらに含むことを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 内燃機関の回転数を測定する回転数測定手段をさらに備え、
    前記既燃ガス量推定手段は、
    排気終了後吸気開始前の所定のクランク角における筒内圧、及び内燃機関の回転数と、筒内に残存する既燃ガスの量を対応付けて記憶した記憶手段と、
    前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値、及び前記回転数の測定値に対応した既燃ガス量を前記記憶手段から読込む読込み手段とを含み、
    前記読込み手段により前記記憶手段から読込まれた既燃ガス量を、筒内に残存する既燃ガスの推定量として設定することを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記既燃ガス量推定手段は、
    前記パージ制御弁の非作動時に算出或いは測定された前記筒内ガス中の既燃ガスの比率と前記新気の量に基づき、筒内に残存する既燃ガスの量を算出する既燃ガス量算出手段と、
    前記既燃ガス量算出手段の算出値を前記所定のクランク角における前記筒内圧の測定値、及び前記回転数の測定値と対応させて前記記憶手段に記憶させる学習手段とをさらに含むことを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010113331A1 (ja) * 2008-04-02 2010-10-07 トヨタ自動車株式会社 内燃機関用燃料のアルコール濃度対応値取得装置
JP2011236812A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置

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