JP2005076475A - キャニスタベント装置 - Google Patents

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誠司 岩下
Kazunobu Takada
和宜 高田
Hitoshi Obata
仁 小畑
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Abstract

【課題】本発明は、フィルタの負担を軽減できるキャニスタベント装置を提供する。
【解決手段】キャニスタベント装置1は、大気に連通する入口24とキャニスタ11に連通する出口25とを連通する連通路23と、連通路23の内部に配置される異物捕集用のフィルタ21と、出口25とフィルタ21と間に配置されて連通路23を開閉するベントバルブ30とを具備し、連通路23は、入口24とフィルタ21との間に形成される貯蔵室32の底壁32bに,当該底壁32bに溜まる異物Fを排出する排出口34を形成し、排出口34に、異物Fが所定量になると開弁する弁体35を設ける。これにより、異物Fは、底壁32bに所定量溜まると排出口34より排出されるようになる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、キャニスタの大気開放状態を制御するバルブとキャニスタに供給される空気を浄化するフィルタとを備えるキャニスタベント装置に関する。
自動車は、古くは燃料タンク内で蒸発した燃料を大気中に蒸散させていたことがある。その一例は、燃料を給油する際に燃料タンクの給油口を開口することで、燃料タンク中に蒸発していた燃料が給油口から放出されて大気中に蒸散することであるが、給油時以外であっても微量な蒸発燃料が大気中に蒸散することがある。しかしながら、大気汚染防止意識の高まりという社会情勢や、各国法規要件の変更に伴って、蒸発した燃料の大気への蒸散を防ぐために燃料タンクで蒸発した燃料をキャニスタにより捕集し、捕集した燃料をエンジンの吸気側へ回収するシステムを装備するようになった。
こうしたシステムでは、キャニスタで吸着捕集された蒸発燃料は、エンジンの吸気負圧によって大気と共にエンジンに吸気されるため、大気中の異物を捕集するためのフィルタアッセンブリを取り付けることがおこなわれている。(例えば、特許文献1参照。)。
一方、キャニスタからエンジンまでの流路に亀裂や孔などが形成されているとエンジンの吸気負圧がキャニスタに働かなくなり、キャニスタで捕集した燃料を充分に回収することができなくなる。また、流路の亀裂や孔などにより蒸発した燃料が大気中に放出されて蒸散することにもなる。このため、流路に亀裂や孔が形成されているかどうかを確認することが行なわれている。確認手段としては、大気開放パイプにベントバルブを取り付け、エンジンを稼働させて流路内を負圧状態にするとともにベントバルブを閉めて密閉空間にし、その状態で流路内の圧力を検出することが行なわれている。
すなわち、流路に亀裂や孔が形成されていればそこから空気が流入して負圧状態が維持されなくなる。逆に、流路に亀裂や孔が形成されていなければ流路内の負圧状態が維持されることになる。
特開2001−20810(段落8、第3図)
しかし、近年、自動車から蒸発する燃料を少なくするためにキャニスタは大型化、高性能化されてきており、それにともない大気開放パイプを介してキャニスタに流入する空気の量も多くなる傾向にある。
このため、フィルタで捕集される異物の量も増加し、フィルタの負担が大きくなる。
従って、本発明の目的は、フィルタの負担を軽減できるキャニスタベント装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載のキャニスタベント装置は、キャニスタに連通する連通路において、前記連通路の入口と異物捕集用のフィルタとの間に形成される最下部に,当該最下部に溜まる異物を排出する排出口を形成し、前記排出口に、前記異物が所定量になると開弁する弁体を設ける。これにより、フィルタの詰まりをもたらす異物は、フィルタに付着せずに前記排出口から外部へ排出されるようになる。
請求項2に記載のキャニスタベント装置では、前記異物を前記排出口が形成される地点に集めやすくするために、前記連通路の前記フィルタから上流側は、前記フィルタから略上下方向に延びる第1連通部と、前記第1連通部に対して横方向に延びる第2連通部とを有し、この空気の流れが変わる部分の最下部に排出口を形成している。
請求項3に記載のキャニスタベント装置では、前記最下部に多くの異物を溜めることができるように、前記最下部には前記異物を所定量収容できる貯蔵室を形成する。
請求項1に記載のキャニスタベント装置によれば、最下部に溜まる異物は、排出口から外部へ排出されるのでフィルタの負担を軽減できる。さらに、排出口がフィルタと入口との間の最下部に形成されることにより、フィルタで捕集された異物がすみやかに排出口まで導かれるようになるので効率よく異物を排出することができる。
請求項2に記載のキャニスタベント装置によれば、排出口は、上下方向に形成される第1連通部の底に形成されることにより異物をより集めやすくなる。さらに、空気は、第2連通部から第1連通部へ流入するとともに、その流れ方向の変化にともなって比較的大きな異物が分離されるので、フィルタの負担を軽減することができる。
請求項3に記載のキャニスタベント装置によれば、排出口が形成される最下部は、所定量の異物を溜められる貯蔵室で形成されているので、異物を多く溜めることができる。
本発明の一実施形態に係るキャニスタベント装置について図1から図3を用いて説明する。図1は、例えば、自動車の蒸発燃料蒸散防止システムを示す図である。例えば内燃式のレシプロエンジンであるエンジン2は、第1流路3を介して燃料タンク4と連通している。燃料タンク4は、内部に燃料ポンプ5を有しており、エンジン2に燃料を供給している。燃料タンク4は、第2流路10を介してキャニスタ11に連通している。燃料タンク4の内部で蒸発した燃料は、内部の圧力が高まると第2流路10を通ってキャニスタ11に送られる。
キャニスタ11は、内部に例えば活性炭を有しており、燃料タンク4から送られてくる蒸発した燃料を吸着捕集している。キャニスタ11は、第3流路12を介してエンジン2の吸気側、例えば吸気マニホールドと連通している。第3流路12は、例えばエンジン2の近傍に第3流路12を開閉する、例えば常閉式のパージバルブ13を有している。パージバルブ13は、例えばソレノイドバルブが用いられていてECU14に接続されている。そして、ECU14の制御によって、エンジン2の稼働時に第3流路12を開放するようにしている。また、キャニスタ11は、大気開放用の第4流路15を有している。
このため、ECU14がパージバルブ13を開くと、エンジン2の吸気負圧により、第4流路15を介して空気がキャニスタ11の内部に流入するようになる。キャニスタ11に流入する空気は、キャニスタ11の内部に吸着捕集された燃料を離脱させてキャニスタ11を浄化するとともに燃料とともにエンジン2に吸気されるようになる。
一方、自動車は、燃料タンク4と第2流路10と第3流路12とに孔や亀裂が形成されているか否かを確認することを行なう。例えば、燃料タンク4と第2流路10と第3流路12とに吸気負圧が働いている状態でパージバルブ13を閉めるとともに第4流路15を閉じる。つまり、燃料タンク4から第2流路10と第3流路12を経てエンジン2まで形成される空間を負圧状態で密閉する。
また、燃料タンク4は、内部の圧力を検出する圧力センサ20を有している。圧力センサ20は、ECU14に接続されており、燃料タンク4から第2流路10と第3流路12とを経てエンジン2まで形成される密閉空間の内部の圧力を検出することで燃料タンク4および第2流路10と第3流路12とに孔および亀裂が形成されているかどうかを判定している。キャニスタ11へ大気を流入する構造に戻って、第4流路15は、開放端にキャニスタベント装置1が接続されている。
図2には、このキャニスタベント装置1の詳細な構造が示されている。同装置1は、図2に示すように、本体部22と、本体部22を通って第4流路15と連通する連通路23とを有している。
連通路23は、大気連通用の入口24と、第4流路15と連通する出口25とを有している。入口24は、ノズル26と連通しており、ノズル26の大気側一端(図示せず)は、例えば自動車のリアフェンダの内側に開口している。本体部22は、内部に入口24から流入する空気中の異物Fを捕集するフィルタ21を有している。異物Fには、例えば水や石や泥などがある。
連通路23は、フィルタ21と出口25との間にベントバルブ30が取り付けられている。ベントバルブ30は、例えばソレノイドバルブが用いられる。ベントバルブ30は、連通路23を開閉する開閉部30aと、開閉部30aを駆動するソレノイド部30bとを有している。ベントバルブ30は、ECU14に接続されており、エンジン2がキャニスタ11から吸着捕集された燃料を吸入する際に開かれるようになっている。
連通路23は、ベントバルブ30から上流側において、第1連通部としてフィルタ21を挟さんで重力が働く方向に沿って延びる鉛直部23aを有している。なお、重力が働く方向を下側として上下方向を定める。鉛直部23aは、本体部22の略中央を通るように形成されている。
鉛直部23aは、フィルタ21よりも上流側が、異物Fが集められる貯蔵室32となっている。貯蔵室32は、例えば略円柱状であって異物Fを所定量溜められるように連通路23の他の部分の流路断面よりも広く形成されている。貯蔵室32の側壁32aと本体部22の底壁22aとが連続する連続部33は、なだらかに形成されており、フィルタ21で捕集されてフィルタ21から脱離した異物Fが貯蔵室32に滑り落ちやすいようになっている。
連通路23は、貯蔵室32より上流側において、第2連通部として、貯蔵室32の側壁32aに開口部32dを有して上下方向に対して略直角方向に延びる水平部23bを形成している。このため、貯蔵室32の底壁32bは、連通路23において、最下部となる。
貯蔵室32は、溜まった異物Fを外へ排出するために、図3に示すように底壁32bに排出口34が形成されている。排出口34は、例えば略円形であって略円周状に沿って底壁32bの外縁に近い場所に複数形成されている。また、貯蔵室32の底壁32bは、中央部から縁に向かって下る傾斜を有する形状をしており、排出口34に異物Fが集まりやすくなっている。
貯蔵室32の底壁32bは、排出口34の開閉を行なう弁体35が取り付けられている。弁体35は、例えば薄膜状の可撓性の樹脂で形成されており、略円状であって中央が盛り上がっており、貯蔵室32の底壁32bに外面32cから排出口34を覆って密着する形状をしている。
弁体35は、略中央に突出して形成される引掛部35aを有している。底壁32bは、弁体35の引掛部35aに対応して孔40が形成されている。引掛部35aは、例えば上下方向中央が孔40の径よりも広くなっている。弁体35は、引掛部35aが孔40に嵌挿されることによって底壁32bの外面32cに固定される。したがって、排出口34は、常閉している。弁体35は、下方にめくれることにより排出口34を開口する。
一方、キャニスタベント装置1は、図2に示すように、例えば本体部22の上壁22cに形成される凸部41に開口部22dが形成されている。開口部22dは、第2連通路42を介してノズル44と連通している。ノズル44は、上流側でノズル26に合流している。開口部22dは、ダイアフラム43aが取り付けられており、開口部22dとダイアフラム43aとでダイアフラム式のリリーフバルブ43を形成している。リリーフバルブ43は、本体部22の内部の圧力が所定値よりも低くなると開くようになっている。
次に、キャニスタベント装置1の作用を説明する。ECU14によってパージバルブ13とベントバルブ30とが開かれると、エンジン2の吸気負圧によってノズル26に空気が流入する。ノズル26に流入した空気は、図2に矢印で示すように、キャニスタベント装置1の入口24から連通路23を通って貯蔵室32へ導かれる。
このとき、空気が水平部23bから貯蔵室32へ進入すると、その流れ方向が略直角に曲がるため、空気に含まれる水分などは、側壁32aに衝突して振り分けられて貯蔵室32に溜まる。貯蔵室32で振り分けられなかった異物Fを含む空気は、フィルタ21まで導かれ、フィルタ21で異物Fが捕集される。フィルタ21を通過した空気は、出口25から第4流路15に流入し、キャニスタ11において吸着捕集された燃料を脱離させてキャニスタ11を浄化してエンジン2に吸気される。
エンジン2の停止時や、ECU14の制御によりベントバルブ30が閉じられると、弁体35に負圧が働かなくなる。このとき、フィルタ21によって捕集された異物F、例えばフィルタ21の下面に吸い付けられているものは、重力によって貯蔵室32に落下する。弁体35には貯蔵室32に溜まった異物Fの荷重だけが働くようになる。貯蔵室32に所定量の異物Fが溜まっていると、排出口34を介して弁体35に所定量の異物Fの重さが加わり、弁体35は、図3に仮想線で示すように、下側に向かってめくられる。このとき、排出口34の内側に溜まっている異物Fは、排出口34と弁体35との隙間からキャニスタベント装置1の外に排出されるようになる。
また、燃料タンク4と第2流路10と第3流路12とで形成される密閉空間に孔や亀裂が形成されているか否かを判定する場合には、ECU14の制御によってベントバルブ30は閉じられる。また、リリーフバルブ43は、フィルタ21の通気性が損なわれた場合などに開き、空気は、図2に仮想線の矢印で示すように、フィルタ21を介さずにキャニスタ11へ吸入される。
上記構成のキャニスタベント装置1では、貯蔵室32の底壁32bに溜まった異物は、排出口34より排出されるので、フィルタ21の上流側に異物が過度に溜まることがなくなる。したがって、溜まった異物Fがフィルタ21まで達することがなくなり、フィルタ21が異物Fでつまることがないので、フィルタ21の負担を軽減することができる。さらに、排出口34は、貯蔵室32の底壁32bに形成されており、かつ弁体35は、可撓性の樹脂を用いて形成されているので、貯蔵室32に溜まった異物Fを異物Fの自重を利用して効率良く排出することができる。
また、貯蔵室32は、上下方向に延びる略直線形状であるので、フィルタ21で捕集された異物Fが速やかに排出口34まで導かれる。さらに、空気は、水平部23bから貯蔵室32にかけて流路方向が略直角に変更するのに伴って側壁32aに衝突して水などが分離されるので、フィルタ21の負担を軽減することができる。また、貯蔵室32は、連通路23の他の部分の流路断面に比べて広く形成されているので、異物Fを多く溜めることができる。
なお、排出口34は、貯蔵室32の底壁32bに形成されているが、これに限定されるものではなく、フィルタ21の上流側の最下部に形成されていればよい。例えば、水平部23bが斜め下方に延びるように形成されているような場合には、排出口34は、水平部23bの最下部に形成されてもよい。また、貯蔵室32は、略円柱形状をしているが、直線状であれば例えば四角柱などでもよく、形状は限定されない。また、パージバルブ13とベントバルブ30とは、ソレノイドバルブが用いられているが、これは特に限定されるものではない。また、リリーフバルブ43は、ダイアフラム式が用いられているが、これは、特に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る蒸発燃料蒸散防止システムを示す図。 本発明の一実施形態に係るキャニスタベント装置の一部を切欠いて示す正面図。 図2に示すキャニスタベント装置の貯蔵室を拡大して示す斜視図。
符号の説明
1…キャニスタベント装置、21…フィルタ、23…連通路、23a…鉛直部(第1連通部)、23b…水平部(第2連通部)、24…入口、25…出口、30…ベントバルブ、32…貯蔵室、32b…底壁(最下部)、34…排出口、35…弁体。

Claims (3)

  1. 大気に連通する入口とキャニスタに連通する出口とを連通する連通路と、
    前記連通路の内部に配置される異物捕集用のフィルタと、
    前記出口と前記フィルタとの間に配置されて前記連通路を開閉するバルブとを具備するキャニスタベント装置において、
    前記連通路は、前記入口と前記フィルタとの間に形成される最下部に,当該最下部に溜まる異物を排出する排出口を形成し、前記排出口に、前記異物が所定量になると開弁する弁体を設けたことを特徴とするキャニスタベント装置。
  2. 前記連通路の前記フィルタから上流側は、前記フィルタから略上下方向に延びる第1連通部と、前記第1連通部に対して横方向に延びる第2連通部とを有しており、前記排出口は、前記第1連通部の最下部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のキャニスタベント装置。
  3. 前記最下部には、前記異物を所定量収容できる貯蔵室が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のキャニスタベント装置。
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