JP2005076310A - ロックボルト用引抜抵抗試験装置及びロックボルト引抜抵抗試験方法 - Google Patents
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Abstract
スリーブチャック要素を、構造が簡素で、操作しやすく、作業性を高めて信頼性を向上できるロックボルト用引抜抵抗強度試験装置を提供する。
【解決手段】
鋼管膨張型ロックボルトRに被着された高圧水注入用スリーブSに環状の凹部Uを形成するとともに、スリーブチャック治具Cのコレットチャック8の内面に設けた環状凸部9を、前記高圧水注入用スリーブSに設けた環状の凹部Uに嵌め合せた後、前記コレットチャック8の外周に配置されたケーシング10を移動させて、スリーブSをスリーブチャック治具Cでチャッキングした後、平面出し用ケーシング3をセットし、当該平面出し用ケーシング3の上面に配置したセンターホールジャッキ6を駆動させて、テンションロッド2に引抜きの力を作用させてロックボルトの引抜き抵抗試験を行う。
【選択図】 図4
Description
このような地盤強化方法においては、強化度合いの確認の意味で、埋め込まれた棒状ロックボルトを引抜試験して、その引抜抵抗を調べる引抜抵抗試験が行われている。その試験装置として、地山中に挿入・設置された棒鋼部材の引抜抵抗強度を試験するための引抜抵抗試験装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
長手方向に膨張用凹部を有し、先端部が閉じられ、後端部に高圧水注入用スリーブが被せられた鋼管製のロックボルトを岩盤に設けた孔内に挿入し、スリーブの側面に穿った高圧水圧入孔から高圧水を圧入し、鋼管を加圧・膨張させて孔壁と密着させることによって岩盤や地盤を鋼管で固結しようとするものである。
このような管状の鋼管膨張型ロックボルトを使用した場合にあっても、当然引抜抵抗試験を行う必要がある。しかしながら、前記特許文献1に記載されたような引抜抵抗試験装置は、棒鋼部材の引抜抵抗強度を試験するための装置であるから、鋼管膨張型ロックボルトの引抜試験には使用できない。
この装置では、まず、鋼管膨張型ロックボルトRに被着したスリーブSにスリーブチャック治具1を被着した後、テンションロッド2をスリーブチャック治具1に締め込むことによって、スリーブチャック治具1をスリーブSに固着する。その後平面出し用ケーシング3をテンションロッド2を貫通させた状態でスリーブチャック治具1に被せ、アジャスタボルト4を調整して平面出しを行った後、高さ調整用スペーサー5をテンションロッド2に装入セットする。そしてセンターホールジャッキ6をテンションロッド2に装入セットする。テンションロッド2の先端にストッパー用ねじ7を取り付けて締め込む。手動の油圧ポンプ(図示せず)にてセンターホールジャッキ6に圧力油を送り込み、テンションロッド2を介して鋼管膨張型ロックボルトRに被着したスリーブSに引抜きの力を付与したときのスリーブS頭部の変位量から引抜抵抗強度を測ることが試みられている。
この際、スリーブチャック治具をスリーブSに取り付ける作業は人力で、かつかなりの力を要するものであるため、チャック力が不足して負荷試験中にスリップが発生し、引抜き試験のやり直しが必要となる場合がある。この場合、上記とは逆の手順で各部品,機器を取り外し、再取り付けする必要があり、多大な労力と時間を要することとなる。
このように、従来のスリーブチャック治具を備えた試験装置では、引抜抵抗強度試験を実施できるロックボルトに数的に限度がある。
鋼管膨張型ロックボルトに被着した高圧水注入用スリーブに環状の凹部を設けるとともに、本発明ロックボルト用引抜抵抗試験装置のコレットチャック内面に設けられた環状凸部を前記スリーブの環状凹部に嵌め合わせた後、前記ケーシングを移動させてコレットチャックを締め付け、その後、ロックボルトの引抜抵抗試験を行う。
基本的には、本発明ロックボルト用引抜抵抗試験装置は、図1に示されたような従来の装置のスリーブチャック治具1を、小型化され、取り扱いやすい形状に変更したものである。具体的に図3,4に基づいて説明する。テンションロッド2の先端に、スリーブチャック治具Cが固設される。本発明のスリーブチャック治具Cは、内面に環状凸部9を設けたコレットチャック8と、該コレットチャック8の外周に配置されて当該コレットチャック8を締め付けるためのケーシング10とから構成されている。
本発明ロックボルト用引抜抵抗試験装置の好ましい形態では、スリーブチャック治具C及びそれに連接されているテンションロッド2を取り囲んだ平面出し用ハウジング3と、この平面出し用ハウジング3の上面に配置され、かつ前記テンションロッド2を貫通させたセンターホールジャッキ6とが、図4に示すように設置されている。そして、テンションロッド2の先端には、センターホールジャッキ6の上限位置を規制するストッパー用ねじ7が取り付けられている。
ケーシング10は、コレットチャック8を収容できる内径を有する円筒体である限り、特に形状が限定されるものではない。
逆に、把持の開放は、ケーシング10を、図3中、軸方向後方(図で右方向)に移動させることにより行われる。ケーシング10の端部がコレットチャック8の外周テーパ部からはなれることにより、テーパ部を径方向内側に圧縮していた力を開放する。この結果、コレットチャック8は自身のばね力によって径方向外側に拡張復元するため、内径が拡がりコレットチャック8の環状凸部9がロックボルトの高圧水注入用スリーブSの環状凹部Uから外れる。
ケーシング10の軸方向前後への移動を容易にし、かつ移動させた箇所でのロック機構を働かせる意味で、ケーシング10の後端部(図3中では右端)と、コレットチャック8の後端部にねじ部を設けて、両者を嵌め合せることが好ましい。
ケーシング10による締め付け、すなわちケーシング10の軸方向の移動は人力によって行っているので、作業員が代わったりすると、締め付け力が変わることがある。しかしながら、上記のような構造を採用することによって、締め付け力に多少の違い、すなわち、ケーシング10の軸方向の移動量に多少の差異があっても、その差異を吸収でき、確実に把持位置を確保できる。
したがって、作業員が代わったりしても、高い精度を維持でき、信頼性の高いロックボルト引抜抵抗試験を実施することができる。
まず、スリーブチャック治具Cを構成しているケーシング10を、図3中、軸方向後方(図で右方向)に移動して、コレットチャック8の先端を拡径させる。
その後、鋼管膨張型ロックボルトRに被着したスリーブSに拡径したコレットチャック8を被せ、コレットチャック8の内面に形成した環状凸部9をスリーブSの外表面に設けた環状凹部Uに嵌め合せた後に、コレットチャック8の外周に配置されたケーシング10を、図3中、軸方向前方(図で左方向)に移動させて、コレットチャック8の拡径部を径方向内側に圧縮し、コレットチャック8にて鋼管膨張型ロックボルトRに被着されたスリーブSを把持する。
この一連の操作で一本の鋼管膨張型ロックボルトについての引抜抵抗強度の測定を終了し、次のロックボルトの引抜抵抗試験に移ることになる。
なお、本発明のロックボルト用引抜抵抗試験装置及びロックボルト引抜抵抗試験方法は、適当なアダプターを取付けることによって、棒鋼タイプロックボルトの引抜抵抗試験にも利用可能である。
1:スリーブチャック治具 2:テンションロッド 3:平面出し用ケーシング 4:アジャスタボルト 5:高さ調整用スペーサー 6:センターホールジャッキ 7:ストッパー用ねじ 8:コレットチャック 9:環状凸部 10:ケーシング
Claims (2)
- 内面に環状凸部を設けたコレットチャックと該コレットチャックの外周に配置されて当該コレットチャックを締め付けるためのケーシングとからなるスリーブチャック治具、前記スリーブチャック治具に連接されたテンションロッド、前記スリーブチャック治具及びテンションロッドを取り囲んだ平面出し用ハウジング、該平面出し用ハウジングの上面に配置され、かつ前記テンションロッドを貫通させたセンターホールジャッキを備えていることを特徴とするロックボルト用引抜抵抗試験装置。
- 鋼管膨張型ロックボルトに被着された高圧水注入用スリーブに環状の凹部を形成するとともに、内面に環状凸部を設けたコレットチャックと該コレットチャックの外周に配置されて当該コレットチャックを締め付けるためのケーシングとからなるスリーブチャック治具、前記スリーブチャック治具に連接されたテンションロッド、前記コレットチャック部及びテンションロッドを取り囲んだ平面出し用ハウジング、該平面出し用ハウジングの上面に配置され、かつ前記テンションロッドを貫通させたセンターホールジャッキを備えているロックボルト用引抜抵抗試験装置のコレットチャック内面に設けられた環状凸部を前記スリーブの環状凹部に嵌め合わせてチャッキングした後、センターホールジャッキを駆動させることを特徴とするロックボルト引抜抵抗試験方法。
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