以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら説明する。本発明に係る球抜き機構を備えた遊技機の一例として、図1に第1構成形態の球抜き機構BM1を備えたパチンコ機PMにおけるガラス扉5および上球皿構造体6を開放した状態の正面図を示しており、まずこの図面を参照してパチンコ機PMの全体概要について説明する。なお、以降では、種々の構成形態の球抜き機構BMについて順次説明してゆくが、パチンコ機本体の基本構成および灰皿構造ATの構成は同様であり、各構成形態におけるパチンコ機PMの正面図、および灰皿構造ATを示す各図では同一部分に同一番号を付して重複説明を省略する。
(パチンコ機の基本構成)
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ機構により前方に横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2の前面上部には、前枠2の前面域に合わせた方形状のガラス扉5および上球皿構造体6が前方に横開き開閉および着脱可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4および球皿施錠装置を利用して前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。ガラス扉5の背面側に位置する前枠上部には、遊技盤7を着脱可能に収容保持する収容枠が設けられており、この収容枠に遊技盤7が立設姿勢で保持され常には閉鎖施錠されるガラス扉5に前面域を臨ませている。遊技盤7は、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルーター加工した化粧板を基板とし、帯板状の案内レールに囲まれた略円形の遊技領域内に、多数本の遊技釘とともに風車や各種の入賞具、遊技の展開状況に応じて図柄を表示させる画像表示装置、左右のサイドランプなどの遊技構成部品が取り付けられ、遊技領域の下端部にアウト口が設けられて構成される。
前枠2の下部領域には、遊技盤7の直下に位置して遊技補助盤10が形成され、遊技盤7に向けて遊技球を発射する遊技球発射装置11、遊技領域に到達できずに戻ってきたファール球を回収して下球皿に流下させるファール球回収構造12、遊技の展開状況に応じた効果音を発生させるスピーカ13などが設けられている。遊技補助盤10は常には閉鎖施錠される上球皿構造体6に前面が覆われている。遊技補助盤10の下側には、遊技球発射装置の作動を操作する発射ハンドル14が設けられるとともに、前方に突出して下球皿構造体20が取り付けられている。
前枠2の後面側には、裏セット盤が前枠2の後方に横開き開閉可能に取り付けられている。裏セット盤については詳細図示を省略するが、払い出し用の遊技球を貯留する球貯留タンク、球貯留タンクに貯留された遊技球を遊技盤における入賞状態に応じて払い出す球払出装置、球払出装置から払い出された褒賞品としての遊技球を上通出口16を介して上球皿に導く上球皿払出通路、および上球皿払出通路が充満された状態でさらに球払出装置から遊技球が払い出されたときに溢れ出る遊技球を下通出口17を介して下球皿23に導く下球皿払出通路などからなる賞球機構、ならびに入賞具に入賞したセーフ球およびアウト口から回収されたアウト球を遊技島側の回収バスケットに導く遊技済み球排出機構などが設けられている。また裏セット盤の背面には、主基板や払出制御基板などの各種回路基板が取り付けられており、各電装部品がコネクタケーブルで接続されてパチンコ機PMが構成される。
以上のように概要構成されるパチンコ機PMにあって、前枠2の前面下部に突出して設けられた下球皿構造体20に、上方に開口して遊技球を貯留する下球皿23と、上面が開口した箱状の灰皿50を着脱自在に備える灰皿構造ATと、後に詳述する球抜き機構BMとが設けられている。
(灰皿構造AT1)
図2〜図4の各図に第1構成形態の灰皿構造AT1を示しており、これらの各図を参照して灰皿構造AT1について説明する。ここで、図2は灰皿構造AT1を左斜め前方から見た斜視図、図3は灰皿装着状態における灰皿中央部での側断面図、図4は灰皿着脱時における図3と同様位置の側断面図である。なお、灰皿構造AT1を含む球抜き機構BM1aの正面図を図9に、背面図を図10に、平面図を図11に示しており、これらの図面も適宜参照しながら説明する。
灰皿構造AT1は、その構成を大別すると、灰皿50と、この灰皿50を収容保持する収容凹部60とからなる。灰皿50は全体として上面開放の箱状で、前縁側が下球皿構造体20の外形輪郭線に合わせた円弧状に形成され、例えばメラミン樹脂やフェノール樹脂などの耐熱性を有する熱硬化性樹脂を加工成型し、若しくはアルミ合金等の金属材料をダイキャスト等により加工成形し、または樹脂材料で加工成形した本体部に薄板ステンレス鋼板等をプレス成形した容体部を嵌着固定するなどして図示する形態に形成される。吸い殻を収容する容体部は、前方が比較的浅く後方に向けて緩やかに深くなるもみ消し部51と、もみ消し部51の後方に一段深く形成された吸い殻貯留部52との2段構成になっている。容体部51,52の上部には前後左右に拡開されて額縁状の縁部53が形成され、前方の縁部の中央にはタバコの転動を防止するU字溝状のレスト部53gが形成され、後方および左右の縁部には容体部51,52の周囲を取り囲む囲壁部54が立設されている。
このため、図11に示すように、喫煙中のタバコを灰皿50に仮置きしたときに、仮置きされたタバコがレスト部53gに安定支持されて左右に転動したり灰皿の内外に落下するようなことがなく、また吸い殻貯留部52をもみ消し部51の後方に一段深く形成しているため、既に吸い殻貯留部52に収容された吸い殻が、仮置きされたタバコの火やもみ消されたタバコの火種から離れて配設され、燃え移りにくい構成になっている。さらに、容体部51,52の周囲を取り囲むように縁部53および囲壁部54を形成しているため、タバコの灰や火種の飛散を防止するとともに、囲壁部54が周辺構造を保護する防火壁としても機能し、一般的に熱可塑性樹脂を用いて形成される周辺構造物の熱変形を抑止した構成になっている。
なお、図11中に二点鎖線で示すように、もみ消し部51の後端側に上方に突出するドット状ないしライン状の突起部51aを形成することにより、仮置きされたタバコが後方の吸い殻貯留部52に滑り落ちることを防止して、他の吸い殻への燃え移りをさらに抑制した構成にすることも有効である。
灰皿50の後部には、容体部の背面側に位置して灰皿側後方係合部が形成されている。灰皿側後方係合部は、後述する収容側後方係合部の連結ピン65と嵌脱自在なテーパ穴状のピン受容穴55、およびピン受容穴55の下側に下方に開くコの字状に立設されて収容側後方係合部の支持凸部66と係脱自在な受容壁56とからなり、灰皿50に一体に成型されている。
灰皿50の下面側では、もみ消し部51よりも一段深く形成された吸い殻貯留部52の下面により略矩形の平坦な灰皿底面57が形成され、もみ消し部51の前端側の下面には下方に向けて舌片状の指掛け部59が突出成型されている。指掛け部59の突出高さは、下端の縁面が灰皿底面57と同一平面上に位置するように形成されており、灰皿50を平坦なテーブル面等に載置したときに、指掛け部59が支持脚として機能し灰皿50が前後に傾いたりぐらついたりすることなく安定姿勢で支持されるようになっている。
一方、収容凹部60が設けられた下球皿構造体20は、図7に球抜き機構BM1aの分解斜視図を示すように、下球皿構造体20の基体をなすベース体21と、球皿構造体20の外殻をなす外装体22とを主体とし、ベース体21に後述する球抜き機構を組み付け、その前方から外装体22を覆い被せるように係合させて、ベース体21の後面側から外装体22をネジ固定することで一体のアッセンブリに形成される。そして、このように部分組立された下球皿構造体20を前枠下部の取付位置に嵌合位置決めして、前枠2の後面側からベース体21をネジ固定することで、下球皿構造体20が前枠2の下部所定位置に組み付けられる。
灰皿50を収容保持する収容凹部60は、下球皿構造体20における下球皿23と隣接してその左側に設けられており、外装体22が灰皿50の形状寸法に合わせて正面視凹状に切り欠かれ前面および上面開放の収容室が形成されるとともに、その奥部に灰皿50の後部と係脱自在な収容側後方係合部および灰皿50の下部と係脱自在な収容側下方係合部が設けられて構成される。
収容凹部60の幅寸法、具体的には外装体22における切り欠き部の左右の壁面間隔は、灰皿50における容体部51,52の外形幅に合わせてわずかに大きめに形成されており、左右の壁面の上方には縁部53および囲壁54の形状寸法に合わせた支持レール部63が形成されている。収容凹部60と下球皿23との間では、外装体22が上方に延出されて一定幅を有する区画壁64が形成されており、その突出高さは下球皿23の開口上面および灰皿装着時における容体部51,52の開口上面よりも高く、後方に向けて徐々に高くなる傾斜壁に形成されている。
収容凹部60の下側では、外装体22の周囲の底面と同一面上に底面カバー68が形成されいる。底面カバー68はその前縁が収容凹部60における左側の壁面の前端位置に合わせて左右の壁面を繋いで形成され、前縁中央には半円形に切り欠かれた指入れ部69が形成されている。
一方、収容凹部60の奥部では、ベース体21の立設面が収容凹部60に面して後方壁面を形成し、この後方壁面に灰皿50の後部と係脱自在な収容側後方係合部が設けられている。また後方壁面の下側には底面カバー68の上方に位置して収容凹部60に突出する支持台座67が形成されており、その上面が収容凹部60の収容側下方係合部を構成する。
後方壁面に設けられた収容側後方係合部は、前方に突出成型されたテーパピン状の連結ピン65、および連結ピン65の下側に位置して前方に膨出成型された矩形箱状の支持凸部66からなり、連結ピン65が灰皿50の後面に形成されたピン受容穴55と嵌脱自在に、支持凸部66が受容壁56と係脱自在に形成されている。
支持台座67は、灰皿底面57(吸い殻貯留部52の下面)を支持する台座であり、ピン受容穴55を連結ピン65に嵌合させて灰皿50を収容凹部60に装着したときの灰皿底面57の高さ位置を基準として形成されている。支持台座67の前端側は灰皿底面57の配設位置よりも幾分前方に延びて形成されており、その上面側に灰皿底面の前方R部と位置整合する側面視三角形状の脱落防止突起67s,67sが張出成型されている。また支持台座67の下面側には、脱落防止突起67s,67sの外側に位置して下方に突出し、前後に延びる細畦状のスペーサリブ67r,67rが形成されており、底面カバー68と支持面との間に所定の放熱空間を形成しつつ底面カバー68に安定支持されるようになっている。
このように各部が構成される灰皿構造AT1では、灰皿50の灰皿側後方係合部55,56を収容凹部60の収容側後方係合部65,66に係合させ、灰皿底面57を支持台座67に支持させることで、灰皿50が収容凹部60に着脱自在に装着される。
灰皿50の装着時には、図4に示すように収容凹部60の前方斜め上方から灰皿50を前傾姿勢で嵌挿し、灰皿50の左右の縁部53を収容凹部60の左右の支持レール部63に支持および案内させて、ピン受容穴55を連結ピン65の先端部に係合させる。このとき、灰皿底面57の前方R部が支持台座67に形成された脱落防止突起67sの傾斜面と係合する。そこで、脱落防止突起67sの傾斜面を滑らせるようにして灰皿50を後方にスライドさせつつ前端側を下方に揺動させる。するとピン受容穴55が連結ピン65を受容して嵌合し、受容壁56が支持凸部66の上面および左右面と係合し、灰皿底面57が支持台座67の支持面と係合し、さらに左右の縁部53および囲壁部54が支持レール部63と係合して灰皿50が収容凹部60に装着される。
こうして灰皿50が収容凹部60に装着されると、灰皿50は上記各部の係合関係によって位置決め支持され、上下左右方向への移動、連結ピン65を軸とする左右方向の傾動、連結ピン嵌合部近傍を支点とする上下方向の揺動、および水平面内での旋回動が規制され、また後方壁面と脱落防止突起67sとにより前後方向の移動が規制されて、挿抜方向(前方への移動と上方への揺動の組み合わせ)を除く6自由度の変位が規制され収容凹部60に安定的に係止保持される。
灰皿50が装着された状態では、下球皿23と灰皿50との間に下球皿23の開口上面および容体部51,52の開口上面よりも高く延出された区画壁64が存在しており、下球皿23と灰皿50との間で遊技球や灰が行き来し難い構成になっている。このため、例えば遊技者が下球皿23に貯留された遊技球をすくい上げようとして下球皿23から遊技球が溢れても、溢れ出た遊技球が区画壁64に阻止されて灰皿50側に転落することがなく、また灰皿50に仮置きしたタバコが転動して下球皿23に転落したり、容体部51,52に収容されたタバコの灰がもみ消し時に溢れて下球皿23に混入し遊技球が灰まみれになるようなこともない。さらに、この区画壁64が一定幅を有して前方に下傾して形成されているため、万が一遊技球が区画壁64の上面に乗った場合であっても前方に導かれて灰皿50側に転落しにくい構成になっている。
また灰皿構造AT1では、底面カバー68および支持台座67を短く形成し、もみ消し部51の下面側が開放状態になるように構成している。このため、灰皿50の各部のうちで最も高温になる頻度が高いもみ消し部51の放熱性が良好であり、仮置きされたタバコの火やもみ消されたタバコの火種による過熱を防止して灰皿50の損傷を抑えることができる。また吸い殻貯留部52の下面(灰皿底面57)を支持する支持台座67には、スペーサーリブ67rを設けてすのこ状に形成し、底面カバー68と支持台座67との間に放熱空間を形成している。このため、灰皿底面57から伝達される熱が蓄熱されるようなことがなく、一般的に熱可塑性樹脂材料を用いて一体成型されるベース体21の熱変形や劣化を抑制することができる。
一方、装着された灰皿50を取り外すときには、底面カバー68に切り欠き形成された指入れ部69に指を差し入れ、もみ消し部下面の指掛け部59に指を掛けて手前に引き上げ、灰皿50を前方にスライドさせつつ前端側を上方に揺動させる。すると灰皿底面57の前端R部が脱落防止突起67sの傾斜面を乗り越えるように滑り、ピン受容穴55と連結ピン65との嵌合、受容壁56と支持凸部66との係合、および灰皿底面57と支持台座67との係合が解除される。そこで、灰皿50を水平前方〜上方に引き出すことで灰皿50が収容凹部60から取り外される。
このため、遊技施設の係員が灰皿50の着脱を容易に行うことができる。灰皿50は下球皿23と隣接する球皿構造体20の正面左側に設けられており、遊技施設の係員は遊技者の遊技を妨げることなく灰皿50を脱着し、遊技者の後方で吸い殻をバケツ等に回収できる。従って、従来の回動形態の灰皿のように、回収操作を誤って吸い殻や灰を周辺にまき散らしてしまうようなことがなく、さらに灰皿50を脱着するときの灰皿の傾き角が5度程度と小さいため、収容された吸い殻が灰皿後方にこぼれ落ちる心配もない。
また、日常の点検や盤面交換等において、灰皿50の汚れがひどいような場合には灰皿50を取り外して丸洗い洗浄することができ、損傷を受けているような場合には灰皿50を簡単に交換することができる。従って、以上説明した灰皿構造AT1によれば、従来課題とされた種々の問題を解決することができ、このような灰皿構造を備えることにより、遊技者および遊技施設の双方にとって取り扱いが容易で快適な遊技環境を提供することができる。
なお、灰皿構造AT1では、連結ピン65および単純揺動による脱落を規制する支持凸部66を収容凹部60側に設け、連結ピン65と嵌合するピン受容穴55および支持凸部66と係合する受容壁56を灰皿50側に設けた例を示したが、これら各部の配設位置は灰皿50側と収容凹部60側とを逆に構成してもよく、また連結ピン65や支持台座67を金属製としてもよい。
(灰皿構造AT2)
次に、第2構成形態の灰皿構造AT2を、図3および図4に対応した側断面図として図5および図6に示しており、この両図を参照して灰皿構造AT2について説明する。なお灰皿構造AT2は、大別的には灰皿70と収容凹部80とからなり、両者の係合部を除く全体構成は、前述した灰皿50と主要凹部60とからなる第1構成形態の灰皿構造AT1と同様である。そこで、灰皿構造AT1と同様部分に同一番号を付して重複説明を省略し、灰皿70および収容凹部80の係合部の構成を中心に説明する。
灰皿70の容体部は、前方が浅く後方に向けて緩やかに深くなるもみ消し部51と、もみ消し部51の後方に一段深く形成された吸い殻貯留部52との2段構成になっており、その上部には額縁状の縁部53が形成され、後方および左右の縁部には容体部51,52の周囲を取り囲む囲壁部54が立設されている。左右の縁部には下方に突出してガイド突起73が形成されている。
灰皿70の後部には、囲壁部54の上端中央部が一部切り欠かれて凹状の掛止溝75が形成されている。また灰皿70の下面側では、吸い殻貯留部52の下面により平坦な灰皿底面57が形成され、もみ消し部51の下面中央には先端にテーパ面を有する係止ピン77が補強リブとともに突出成型されている。係止ピン77の突出高さは、ピン先端の端面が灰皿底面57と同一平面上に位置するように形成されており、灰皿70を平坦なテーブル面等に載置したときに、係止ピン77が支持脚として機能し灰皿70が前後に傾いたりぐらついたりすることなく安定姿勢で支持されるようになっている。
一方、収容凹部80は、外装体22が灰皿70の形状寸法に合わせて正面視凹状に切り欠かれ前面および上面開放の収容室が形成されるとともに、その奥部に灰皿70の後部と係脱自在な収容側後方係合部および灰皿70の下部と係脱自在な収容側下方係合部が設けられて構成される。
収容凹部80の左右の壁面間隔は、灰皿70の容体部51,52の外形幅よりもわずかに大きめに形成されるとともに、左右の壁面の上方に縁部53および囲壁54の形状寸法に合わせた支持レール部63が形成され、この左右の支持レール部63に灰皿側のガイド突起73と係脱自在に係合して灰皿50の装着を案内するV字状のガイド溝83が形成されている。収容凹部80と下球皿23との間には前述同様の区画壁64が設けられており、その突出高さは下球皿23の開口上面および灰皿装着時における容体部51,52の開口上面よりも高く形成されている。
収容凹部80の奥部では、ベース体21の立設面が収容凹部80に面して後方壁面を形成し、この後方壁面の上端中央部に灰皿70の掛止溝75と係脱自在な掛止突起85が形成されている。なお、掛止突起85および掛止溝75の係合端部は、ともに側断面視円弧状に形成されており、滑らかに係脱し得るようになっている。後方壁面の下側には収容凹部80に突出する支持台座67が形成され、灰皿底面57を支持し得るようになっている。
収容凹部80の下側では、外装体22の周囲の底面と同一面上に底面カバー68が形成されている。底面カバー68はその前縁が収容凹部80における左側の壁面の前端位置に合わせて左右の壁面を繋いで形成され、前端側中央部には上方に突出して前方に延びるクランク状の収容側下方係合部が設けられている。収容側下方係合部は左右対称に形成された一対のクランプアーム86からなり、基端部から切り離された左右のクランプアーム86が中央の溝を挟んで左右に弾性変位可能に形成されるとともに、溝の先端部には灰皿側の係止ピン77を受容して弾性的に挟持し、係止ピン77を係止し得るピン受容部87が形成されている。
このように各部が構成される灰皿構造AT2では、灰皿70の掛止溝75を収容凹部80の掛止突起85に係合させ、係止ピン77をピン受容部87に嵌合させることで、灰皿70が収容凹部80に着脱自在に装着される。
灰皿70の装着時には、図6に示すように収容凹部80の前方斜め上方から灰皿70を前傾姿勢で嵌挿し、灰皿70の左右の縁部53を収容凹部80の左右の支持レール部63に支持および案内させて、掛止溝75を掛止突起85に係合させる。そして係止溝75と掛止突起85の係合部を支点にして灰皿70の前端側を下方に揺動させ、ガイド突起73をガイド溝83に沿って滑らせるように沈み込ませる。
すると、係止ピン77の先端に形成されたテーパ面が斜め上方からピン受容部87に進入して係合し、ピン受容部87を押し開くように左右のクランプアーム86を弾性変形させながらピン受容部87に嵌入して、係止ピン77が左右のクランプアーム86に弾性的に挟持された状態で係止される。このとき、灰皿底面57が支持台座67の支持面と係合し、左右の縁部53および囲壁部54が支持レール部63と係合し、ガイド突起73がガイド溝83の底部と係合して灰皿70が収容凹部80に装着される。
こうして灰皿70が収容凹部80に装着されると、灰皿70は上記各部の係合関係によって位置決め支持され、上下左右ならびに前後方向への移動、左右方向の傾動、掛止突起85を支点とする上下方向の揺動、および水平面内での旋回動が規制されて、6自由度の変位が規制され収容凹部80に安定的に係止保持される。
灰皿70が装着された状態では、下球皿23と灰皿70との間に両者の開口上面よりも高く延出された区画壁64が存在しており、下球皿23と灰皿70との間で遊技球や灰が行き来し難い構成になっている。このため、例えば遊技者が下球皿23に貯留された遊技球をすくい上げようとして下球皿23から遊技球が溢れても、溢れ出た遊技球が区画壁64に阻止されて灰皿70側に転落することがなく、また灰皿70に仮置きしたタバコが転動して下球皿23に転落したり、容体部51,52に収容されたタバコの灰がもみ消し時に溢れて下球皿23に混入し遊技球が灰まみれになるようなこともない。さらに、この区画壁64が一定幅を有して前方に下傾して形成されているため、万が一遊技球が区画壁64の上面に乗った場合であっても前方に導かれて灰皿70側に転落しにくい構成になっている。
また灰皿構造AT2では、底面カバー68および支持台座67を短く形成し、もみ消し部51の下面側が開放状態になるように構成している。このため、灰皿70の各部のうちで最も高温になる頻度が高いもみ消し部51の放熱性が良好であり、仮置きされたタバコの火やもみ消されたタバコの火種による過熱を防止して灰皿70の損傷を抑えることができる。また吸い殻貯留部52の下面を支持する支持台座67には、スペーサーリブ67rを設けてすのこ状に形成し、底面カバー68と支持台座67との間に放熱空間を形成している。このため、灰皿底面57から伝達される熱が蓄熱されるようなことなく、ベース体21の熱変形や劣化を抑制することができる。
一方、装着された灰皿70を取り外すときには、係止ピン77の下端面またはもみ消し部51の下面に指を掛けて手前に引き上げ、掛止溝75と掛止突起85との係合部を支点にして灰皿70の前端側を上方に揺動させる。するとピン受容部87に弾性的に挟持されていた係止ピン77が外れて係止が解除され、ガイド突起73がガイド溝83の傾斜面を滑るように上動して各部の係合が解除される。そこで、灰皿70を水平前方〜上方に引き出すことで灰皿70が収容凹部80から取り外される。
このため、遊技施設の係員が灰皿70の着脱を容易に行うことができる。灰皿70は球皿構造体20の正面左側に設けられており、遊技施設の係員は遊技者の遊技を妨げることなく灰皿70を脱着し、遊技者の後方で吸い殻をバケツ等に回収できる。従って、従来の回動形態の灰皿のように、回収操作を誤って吸い殻や灰を周辺にまき散らしてしまうようなことがない。また、日常の点検や盤面交換等において、灰皿70の汚れがひどいような場合には灰皿70を取り外して丸洗い洗浄することができ、損傷を受けているような場合には灰皿70を簡単に交換することができる。従って、以上説明した灰皿構造AT2においても、従来課題とされた種々の問題を解決することができ、このような灰皿構造を備えることにより、遊技者および遊技施設の双方にとって取り扱いが容易で快適な遊技環境を提供することができる。
なお、灰皿構造AT2では、掛止溝75および係止ピン77を灰皿70側に設け、掛止溝と係合する掛止突起85および係止ピンを受容して係止するピン受容部87を収容凹部80側に設けた例を示したが、これら各部の配設位置は灰皿70側と収容凹部80側とを逆に構成してもよく、また掛止溝75を形成することなく掛止突起85が囲壁54の上端部と係合するように構成してもよい。
さて、以上説明した灰皿構造AT(AT1またはAT2)と隣接して、下球皿23に貯留された遊技球を下球皿構造体20の下方に準備した球箱BBに落下させて収容させる球抜き機構BMが設けられている。発明者は頭書記載の課題を解決して目的を達成するため種々の構成形態の球抜き機構BMを考案しており、以降、各構成形態の球抜き機構BM1〜BM6について順に説明する。
第1構成形態の球抜き機構BM1は、底部に球抜き口24を有し上方に開口する皿部内に遊技球を貯留する下球皿23と、球抜き口24の背面側に水平変位可能に配設され球抜き口24を開閉する弁体120と、弁体120の変位操作を行う操作部材130を備え、操作部材130の操作部135が下球皿23の左側における下球皿構造体20の上面側に前後方向にスライド操作可能に設けられて、操作部135をスライド操作したときに弁体120が水平変位して球抜き口24を開閉するように構成される。
(球抜き機構BM1a)
本構成形態における第1構成例の球抜き機構BM1aを図7〜図13に示しており、以下これらの各図を参照して球抜き機構BM1aについて説明する。ここで、各図について予め簡潔に説明すると、図7は球抜き機構BM1aの構成各部を斜め後方から見た分解斜視図、図8は球抜き機構BM1aにおける弁体120を主として示す斜め前方から見た斜視図、図9は球抜き機構BM1aを正面側から見た断面図、図10は球抜き機構BM1aを背面側から見た断面図、図11は球抜き機構BM1aの平面図、図12は球抜き機構BM1aを下球皿23側から見た側断面図、図13は球抜き機構BM1aにより球抜き口を開放した状態の側断面図である。
下球皿構造体20は、図7を参照して既述したように、下球皿構造体20の基体をなすベース体21と、下球皿構造体20の外殻をなす外装体22とを主体とし、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように係合させて、ベース体21の後面側から外装体22をネジ固定することで一体のアッセンブリに形成される。
ベース体21には、底面が緩く前方および左方(灰皿構造側)に下傾して上面開放の深皿形態をなす下球皿23が一体に成型され、傾斜下端の左前方部に、底面から左側壁にかけて上下連通する球抜き口24が開口形成されている。
下球皿23の左上方には外装体22に形成された区画壁64の内側形状と整合して前後方向に係脱自在な区画壁係合部101が設けられるとともに、この区画壁係合部101の一部が切り欠かれて操作部材130の可動範囲を閉鎖位置と開放位置の間に規定するスライド範囲規制部102が形成され、その下部に上下連通するスリット状のレバー挿通孔103が形成されている。下球皿23の下面側には、球抜き口24の前方に位置して下方に突出する前方転入防止壁105と、球抜き口24の右側方に位置して下方に突出する右側方転入防止壁106とが設けられており、球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間に入り込まないようになっている。
外装体22は、全体として前述した灰皿構造ATの収容凹部60(80)および下球皿23の開口上面を除くベース体21の上下面および前面を覆う外殻カバー状に形成されている。外装体22の底面側には、下球皿側の球抜き口24よりも大きな開口幅を有し、組立状態において球抜き口24の下方に位置して上下連通する放出口25が開口形成されている。区画壁64の下球皿側の側壁には、下球皿23の上縁フランジ面と係合するリブフランジが形成され、その前後中央部にはベース体側のスライド範囲規制部102の形成位置と整合して操作部材130を左右に挿通させるレバー挿通部113が形成されている。
区画壁64の下方では、外装体22の前方壁面および底面から内側に突出してL字フレーム状の左側方転入防止壁116が形成され、その上方に区画壁64の下部領域と下球皿23側とを左右に連通する開口部が形成されている。左側方転入防止壁116の形成位置は放出口25の開口左縁に合わせて形成されており、前方壁面と底面とをL字状に繋いで外装体22の剛性を向上させるとともに、球抜き口24から落下する遊技球を放出口25に案内してベース体21と外装体22との間に遊技球が入り込まないように構成されている。左側方転入防止壁116の左側には、底面から突出して左側方転入防止壁116と平行に前後に延びる断面視T字状のスライドレール112が形成されている。
このため、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せて係合させると、区画壁64の下方に、収容凹部60の右側壁面、下球皿23の左側壁面、区画壁係合部101、およびスライドレール112に囲まれて、前後に延びる断面視台形状の収容空間(弁体収容部という)111が形成される。弁体収容部111の奥部ではベース体21の立設壁面に、コイルスプリング147の内径よりも幾分小さめの外径を有する円柱状のバネ支柱107が前方に突出して形成されている。また、区画壁64の上面に球抜き機構の操作を説明する案内ラベル118が貼付されている。
一方、弁体120は、前後に延びる中空ブロック状の本体部121と、この本体部121の下部に右側方(球皿側)に延びて形成されたシャッター部124とを主体として構成され、例えばABS樹脂などの熱可塑性樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段で一体に成型される。
本体部121は、正面視における投影形状が下球皿構造体20における弁体収容部111の断面形状に合わせた台形状に形成されるとともに、本体部121の下面にスライドレール112のレール形状に合わせた凹状のレール係合部122が形成されており、弁体120を弁体収容部111に収容させたときに、レール係合部122がスライドレール112と係合して支持され、本体部121が弁体収容部111の上方および左右の壁面と係合して、前後方向にスライド移動自在に支持されるようになっている。本体部121の上面には、操作部材の嵌合突片133を受容して固定するレバー嵌合孔123が形成され、本体部121の内部中央には、コイルスプリング147の外径よりも幾分大きめの内径を有する円筒状のスプリング収容部127が後方に開いて形成されている。
シャッター部124は、球抜き口24の下面側の高さ位置に合わせて本体部121の下部から右側方に張り出すプレート状に形成され、その左右方向の張出幅および前後方向寸法が球抜き口24の開口幅および開口寸法よりも幾分大きめに形成されている。一方、球抜き口24は下球皿23の前方に形成され、かつ球抜き口24の開口後縁からベース体21の立設壁面までの寸法がシャッター部124の前後方向寸法よりも大きく設定されている。
このため、弁体120を前後にスライドさせたときに、後述する閉鎖位置においてシャッター部124が球抜き口24の開口全体を閉鎖するとともに、開放位置においてシャッター部124がベース体21の立設壁面に当接することなく球抜き口24の開口全体を完全に開放し得るようになっている。なお本構成例では球抜き口24を下球皿23の左側壁まで拡大して開口形成しているため、本体部121の前後方向寸法もシャッター部124の前後方向寸法に合わせて形成している。
シャッター部124の前端には、下方に延びて後方転入防止壁125が形成されており、シャッター部124を開放したときに球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間に入り込まないようになっている。また本体部121の下部には帯板状の左側方スライド転入防止壁126が前方に突出成型されており、シャッター部124を開放したときに球抜き口24の前方から左側方転入防止壁116を越えて遊技球が弁体収容部111に転入しないように構成されている。
弁体120に固着される操作部材130は、L字アングル状に成型されたレバー部131と、レバー部131の先端側に圧入固定された操作部135とからなる。レバー部の基端側には弁体120の本体部上面に形成されたレバー嵌合孔123に嵌入される嵌合突片133が、レバー部131の先端側には操作部135下端の圧入軸を受容するボス部が形成されている。操作部135の上端は球状に形成され指掛け操作容易になっている。レバー部131および操作部135は、いずれも樹脂材料または金属材料を用いて形成することができ、あるいは両者を一体に成型することも可能であるが、本構成例ではレバー部131に樹脂材料を用い、操作部135に金属材料を用いて量産コストと耐久性とを両立させた構成にしている。
このように構成される各部材は、下球皿構造体20の組立工程においてベース体21と外装体22との間に組み付けられ球抜き機構BM1aが形成される。
組み付けは、まずベース体21のバネ支柱107にコイルスプリング147の一端を支持させ、前方から弁体120の右側面およびシャッター部124を下球皿23の左側面および下面に沿って支持させて、コイルスプリング147の他端側を弁体背面のスプリング収容部127に収容させる(図8を参照)。これによりコイルスプリング147がベース体側のバネ支柱107と弁体側のスプリング収容部127との間に前後に弾性変移自在に支持される。そこで弁体120を後方に押圧して弁体上面のレバー嵌合孔123をベース体のレバー挿通孔103の下方に位置させ、レバー挿通孔103の上方から操作部材130の嵌合突片133を挿通させて、レバー嵌合孔123に圧入固定する。この際必要に応じて接着剤を用い嵌合突片133をレバー嵌合孔123に固着させてもよい。
これにより、弁体120が操作部材130とスライド範囲規制部102との係合関係によりベース体21に支持され、バネ支柱107とスプリング収容部147との間に挟持されたコイルスプリング147の付勢力によって操作部材130(レバー部131)の前方側面がスライド範囲規制部102の前端壁面に当接する位置に付勢支持される。
次いで、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着する。このときベース体の区画壁係合部101が区画壁64と係合して外装体22を左右方向に位置決めし、外装体22を案内するスライドガイドとして機能する。区画壁64の後端部がスライド範囲規制部102の前端位置に達するまで外装体22をスライドさせると、区画壁64のリブフランジがレバー部131に当接する。そこで、区画壁64の右壁面を斜め上方に開くように弾性変形させ、レバー部131を乗り越えさせてレバー挿通部113に導入させる。このとき区画壁64の左側では、弁体120における本体部121の左側面が収容凹部60の右壁面と係合し、弁体のレール係合部122がスライドレール112と係合する。
そこで、外装体22の後端各部がベース体21の立設壁面に当接するまでスライドさせ、突き当て状態で整合する外装体のネジボスにベース体21の後面側からネジを螺合させて締め込むことで、球抜き機構BM1aが組み付けられ、球抜き機構を備えた下球皿構造体20が形成される。
こうして球抜き機構BM1aが組み付けられると、弁体120は区画壁64の下側の弁体収容部111に前後方向に水平変位可能に収容支持され、常にはコイルスプリング147により前方に付勢されて操作部材130がスライド範囲規制部102の前端面に当接する規制位置、具体的には弁体120の本体部121およびシャッター部124が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図12を参照)。従って、下球皿払出通路から払出バケット18および下通出口17を介して下球皿23に払い出された遊技球は、閉鎖位置にある弁体120により流下が規制され下球皿23に貯留される。
球抜き作業を行うには、操作部材130の操作部135をコイルスプリング147の付勢力に抗して前方に押圧する。すると弁体120が弁体収容部111内で後方にスライド移動し、本体部121およびシャッター部124が後方に移動して球抜き口24が開かれる(図11を参照)。そして操作部材130がスライド範囲規制部102の後端面に当接する規制位置まで押圧操作すると、弁体120の本体部121およびシャッター部124が球抜き口24の開口全体を開放する開放位置に配設される(図13を参照)。従って、下球皿23に貯留された遊技球が球抜き口24および放出口25を通って下方に準備された球箱BBに流下する。
ここで、球抜き口24の下側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁105、右側方に右側方転入防止壁106、左側方に左側方転入防止壁116、シャッター部124の前端に後方転入防止壁125が配設され、さらに本体部121の前方に左側方スライド転入防止壁126が配設される。このため、弁体120を開いたときに、球抜き口24の下部周辺がこれらの転入防止壁に囲まれてダクト状の排出路を形成し、球抜き口24から放出口25に流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込むようなことがない。
また、球抜き機構BM1aでは、コイルスプリング147の内周を支持するバネ支柱107とコイルスプリング147の外周を支持するスプリング収容部127とでコイルスプリング147の前後を支持するとともに、スプリング収容部127を弁体120の本体内部に形成している。このため、弁体120の開放位置において、後方に移動した弁体120の内部(スプリング収容部127の内部)にベース体から前方に突出するバネ支柱107が受容され、コイルスプリング147も略全体が弁体120の内部(同上)に収容される。従って、コンパクトな構成で開口寸法の大きな球抜き機構を構成することができる。
球抜き作業を終了するときには、操作部135を開放位置に保持させる押圧力を弱めればよい。前方への押圧力が弱められると、コイルスプリング147に蓄積された弾性力によってコイルスプリング147が伸長方向に自己復帰し、弁体120が弁体収容部111内を前方にスライド移動して、本体部121およびシャッター部124が球抜き口24を閉じる。そして操作部材130がスライド範囲規制部102の前端面に当接すると弁体120の前方への移動が規制され、所定の付勢力を保持した状態で本体部121およびシャッター部124が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図12を参照)。
このように、本構成の球抜き機構BM1aでは、球抜き口24の開閉操作を行う操作部135が下球皿23の左側に位置して下球皿構造体20の上面側に前後方向にスライド操作可能に設けられているため、右手で発射ハンドル14を回動操作したまま左手で球抜き操作を簡単に行うことができ、かつ下球皿構造体20と腹部との間隔が密着してしまうような遊技者であっても容易に球抜き操作を行うことができる。
また、操作部135が下球皿構造体20の上面側に前後方向にスライド操作可能に設けられているため、遊技者が座席から立ち上がったり着座しようとするとき、あるいは隣接するパチンコ機に放置された球箱を取ろうとして横を向いたときなどに、たとえ下球皿構造体20の前面にぶつかっても操作部135が開方向に誤操作されて球抜き口24が開放されるようなことがなく、遊技球を周囲にまき散らしてしまうような事態が生じない。さらに、球抜き機構の主要構成部が区画壁64の下部領域を有効に利用して構成され、操作部135が区画壁64から下球皿23側に突出して配設されるため、コンパクトな構成で操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。また、操作部材130を挿通させるレバー挿通部113が区画壁64における下球皿23側の側面に形成されているため、タバコの灰やごみ等が球抜き機構の内部に侵入しにくい構成になっている。
従って、以上説明した球抜き機構BM1aによれば、誤操作による遊技球の飛散を有効に防止して、遊技者にとって操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
(球抜き機構BM1b)
次に、上述した球抜き機構BM1aと同様に、操作部材を下球皿構造体20の上面左側に前後方向にスライド操作可能に設けた第1構成形態の球抜き機構BM1における第2構成例の球抜き機構BM1bについて、図14〜図16を参照して説明する。ここで、図14は球抜き機構BM1bの構造を斜め前方から見た斜視図、図15は球抜き機構BM1bを正面側から見た断面図、図16は球抜き機構BM1bの平面図である。なお、下球皿構造体20の基本的な構成や灰皿構造AT1などは上述した第1構成例の球抜き機構BM1aと同様であるため、同様部分に同一番号を付して重複説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
ベース体21における下球皿23の左上方には、外装体22に形成された区画壁64の内側形状と整合して前後方向に係脱自在な区画壁係合部151が設けられ、この区画壁係合部151の右側壁の下部に、左右連通するスリット状のレバー挿通孔153が形成されている。レバー挿通孔153の前後端は閉じており、これにより操作部材180の可動範囲を閉鎖位置と開放位置の間に規定するスライド範囲規制部152を形成する。区画壁係合部151の左側壁にはスライド範囲規制部152の前端位置に対応して左側壁の一部切り欠かれ、操作部材180を左右水平にレバー挿通孔153に挿通させ得るセット凹部154が形成されている。
一方、外装体22側では、区画壁64の右側壁の下部に下球皿23の上縁フランジ面と係合するリブフランジが形成され、ベース体21側のレバー挿通孔153の形成位置と整合して操作部材180を左右に挿通させるレバー挿通部163が形成されている。区画壁64の下方では、外装体22の前方壁面および底面から内側に突出して前後に延びるリブ状のスライドレール162,162が左右に並んで2本平行に形成されている。
これらのスライドレール162は、前方壁面と底面とを繋ぐL字フレーム状に形成されて外装体22の剛性を向上させるとともに、右側のスライドレールは放出口25の開口左縁に合わせて球抜き口24の開口上縁近くまで高く形成されており、球抜き口24から流下する遊技球を放出口25に案内して遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込まないようになっている。すなわち本構成例のスライドレール162は、弁体170を前後スライド自在に支持するスライドレールとしての機能のみならず、外装体22の補強フレームとしての機能と、前述した左側方転入防止壁116および左側方スライド転入防止壁126の機能とを兼ね備えた構成になっている。
そしてベース体21の前方から外装体22を覆い被せて係合させると、区画壁64の下方に収容凹部60の右側壁面、下球皿23の左側壁面、区画壁係合部151、およびスライドレール162に囲まれて、前後に延びる断面視台形状の弁体収容部161が形成される。
弁体170は、上記弁体収容部161の断面形状に合わせて形成された中空ブロック状の本体部171と、この本体部171の下部に右側方に延びて形成されたシャッター部174、本体部171の上面から上方に突出して右側方に延びるL字状の操作部材180を主体とし、前述した弁体120と同様の樹脂材料を用いて成型される。球抜き機構BM1bでは、操作部材180を弁体170に一体成型で形成しており、操作部材180の先端に円弧状の操作部185が形成されている。
本体部171の下面には、左右のスライドレール162,162と係脱自在な凹状のレール係合部172,172が前後に延びて形成され、弁体170を弁体収容部161に収容させたときにレール係合部172がスライドレール162と係合して支持され、本体部171が弁体収容部161の上方および左右の壁面と係合して、前後方向にスライド移動自在に支持されるようになっている。本体部171の内部中央には円筒状のスプリング収容部127が後方に開いて形成されている。
シャッター部174は、球抜き口24の下面側の高さ位置に合わせて本体部171の下部から右側方に張り出すプレート状に形成され、その左右方向の張出幅および前後方向寸法が球抜き口24の開口幅および開口寸法よりも幾分大きめに形成されている。ここで球抜き口24は下球皿23の前方に形成され、かつ球抜き口24の開口後縁からベース体21の立設壁面までの寸法がシャッター部174の前後方向寸法よりも大きく設定されている。
このため、弁体170を閉鎖位置に位置させたときにシャッター部174が球抜き口24の開口全体を閉鎖する一方、開放位置においては球抜き口24を完全に開放し得るようになっている。シャッター部174の前端には下方に延びる後方転入防止壁175が形成されており、シャッター部174を開放したときに球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間に入り込まないようになっている。
このように構成される各部材がベース体21と外装体22との間に組み付けられ球抜き機構BM1bが形成される。組み付けは、ベース体のバネ支柱107にコイルスプリング147の一端を支持させておき、下球皿23の左側方から操作部180をセット凹部154に位置合わせしてレバー挿通孔153に挿通させ、本体部171の右側面およびシャッター部174を下球皿23の左側面および下面に支持させて、コイルスプリング147の他端側を弁体背面のスプリング収容部127に収容させる。これによりコイルスプリング147がベース体側のバネ支柱107と弁体側のスプリング収容部127との間に前後に弾性変移自在に支持される。
次いで、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着する。このときベース体の区画壁係合部151が区画壁64と係合して外装体22を左右方向に位置決めし、外装体22を案内するスライドガイドとして機能する。外装体22をガイドに沿ってスライドさせると区画壁64の左側で本体部171の左側面が収容凹部60の右壁面と係合し、レール係合部172がスライドレール162と係合する。さらに外装体22をスライドさせて区画壁64のリブフランジが操作部材180に当接したら、区画壁64の右壁面を斜め上方に開くように弾性変形させ、操作部材180を乗り越えさせてレバー挿通部163に導入させる。そして、外装体22の後端各部がベース体21の立設壁面に当接するまでスライドさせて突き当て、外装体のネジボスにベース体21の後面側からネジを螺合させて締め込むことで、球抜き機構BM1bが組み付けられ、球抜き機構を備えた下球皿構造体20が形成される。
球抜き機構BM1bが組み付けられると、弁体170は区画壁64の下側の弁体収容部161に前後方向に水平変位可能に収容支持され、常にはコイルスプリング147により前方に付勢されて操作部材180がスライド範囲規制部152の前端面に当接する規制位置、具体的には弁体170の本体部171およびシャッター部174が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図16を参照)。従って、下球皿23に払い出された遊技球が閉鎖位置にある弁体170により流下規制され下球皿23に貯留される。
球抜き作業を行うには、操作部材180の操作部185をコイルスプリング147の付勢力に抗して前方に押圧する。すると弁体170が弁体収容部161内で後方にスライド移動し、本体部171およびシャッター部174が後方に移動して球抜き口24が開かれる。そして操作部材180がスライド範囲規制部152の後端面に当接する規制位置まで押圧操作すると、弁体170の本体部171およびシャッター部174が球抜き口24の開口全体を開放する開放位置に配設される(図16における二点鎖線を参照)。従って、下球皿23に貯留された遊技球が球抜き口24および放出口25を通って下方に準備された球箱BBに流下する。
球抜き口24の下側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁105、球抜き口24の右側方に右側方転入防止壁106、球抜き口24の左側方に転入防止壁の機能を有するスライドレール162、シャッター部174の前端に後方転入防止壁175が配設されている。このため、弁体170を開いたときに、球抜き口24の下部周辺がこれらの転入防止壁に囲まれてダクト状の排出路を形成し、球抜き口24から放出口25に流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込むようなことがない。
また、球抜き機構BM1bにおいても、前述した球抜き機構BM1aと同様に、コイルスプリング147の内周を支持するバネ支柱107と外周を支持するスプリング収容部127とでコイルスプリング147を支持し、かつスプリング収容部127を弁体170の本体内部に形成している。このため、弁体170の開放位置において、後方に移動した弁体170(スプリング収容部127)の内部にバネ支柱107が受容され、コイルスプリング147の略全体が弁体170の内部に収容される。従って、コンパクトな構成で開口寸法の大きな球抜き機構を構成することができる。
球抜き作業を終了するときには、操作部185を開放位置に保持させる押圧力を弱めればよい。前方への押圧力が弱められると、コイルスプリング147に蓄積された弾性力によってコイルスプリング147が伸長方向に自己復帰し、弁体170が弁体収容部161内を前方にスライド移動して、本体部171およびシャッター部174が球抜き口24を閉じる。そして操作部材180がスライド範囲規制部152の前端面に当接すると弁体170の前方への移動が規制され、所定の付勢力を保持した状態で本体部171およびシャッター部174が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図12を参照)。
このように、本構成の球抜き機構BM1bでは、球抜き口24の開閉操作を行う操作部185が下球皿23の左側に位置して前後方向にスライド操作可能に設けられているため、右手で発射ハンドル14を回動操作したまま左手で球抜き操作を簡単に行うことができ、かつ下球皿構造体20と腹部との間隔が密着してしまうような遊技者であっても容易に球抜き操作を行うことができる。
また、操作部185が下球皿構造体20の上面側に前後方向にスライド操作可能に設けられているため、遊技者が誤って下球皿構造体20の前面にぶつかっても操作部185が開方向に誤操作されて球抜き口24が開放されるようなことがなく、遊技球を周囲にまき散らしてしまうような事態が生じない。さらに、球抜き機構の主要構成部が区画壁64の下部領域を有効に利用して構成され、操作部185が区画壁64から下球皿23側に突出して配設されるため、コンパクトな構成で操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。また、操作部材180を挿通させるレバー挿通部163が区画壁64における下球皿23側の側面に形成されているため、タバコの灰やごみ等が球抜き機構の内部に侵入しにくい構成になっている。
従って、以上説明した球抜き機構BM1bによれば、誤操作による遊技球の飛散を有効に防止して、遊技者にとって操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
(球抜き機構BM2)
次に、第2構成形態の球抜き機構BM2について、図17〜図27の各図を参照して説明する。ここで、図17は球抜き機構BM2を備えたパチンコ機PMにおけるガラス扉5および上球皿構造体6を開放した状態の正面図(図1に対応する正面図)、図18は灰皿構造AT1を左斜め前方から見た斜視図(図2に対応する斜視図)、図19は灰皿装着状態における灰皿中央部での側断面図(図3に対応する側断面図)、図20は灰皿脱着時における灰皿中央部での側断面図(図4に対応する側断面図)であるが、パチンコ機PMの本体構成および下球皿構造体20に設けられる灰皿構造AT(AT1,AT2)については、既述した内容と同様であるため、図17〜図20の各図における同様部分に同一番号を付して重複説明を省略する。
また、図21は球抜き機構BM2の構造を斜め前方から見た斜視図、図22は球抜き機構BM2における弁体220を主として示す斜め後方から見た斜視図、図23は球抜き機構BM2の組み付け状態を示す平面図、図24は球抜き機構BM2の平面図、図25は球抜き機構BM2を下球皿23側から見た側断面図、図26は球抜き機構BM2を正面側から見た断面図、図27は球抜き機構BM2により球抜き口を開放した状態の側断面図である。
球抜き機構BM2は下球皿構造体20に設けられており、底部に球抜き口24を有し上方に開口する皿部内に遊技球を貯留する下球皿23と、球抜き口の背面側に水平変位可能に配設され球抜き口24を開閉する弁体220と、弁体220の変位操作を行う操作部材230とを備え、操作部材230の操作部235が下球皿23の左側における下球皿構造体20の底面側に前後方向にスライド操作可能に設けられ、操作部235をスライド操作したときに弁体220が水平変位して球抜き口24を開閉するように構成される。
下球皿構造体20は、既述した下球皿構造体と同様に、下球皿構造体20の基体をなすベース体21と、下球皿構造体20の外殻をなす外装体22とを主体とし、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着して、ベース体21の後面側から外装体22をネジ固定することで一体のアッセンブリに形成される。
ベース体21には、底面が緩く前方および左方に下傾して上面開放の深皿形態をなす下球皿23が一体に成型され、傾斜下端の左前方部に、底面から左側壁にかけて上下連通する球抜き口24が開口形成されている。
下球皿23の左上方には外装体22に形成された区画壁64の内側形状と整合して前後方向に係脱自在な区画壁係合部201が設けられている。下球皿23の下面側には、球抜き口24の右側方に位置して下方に突出し、外装体22の右側方転入防止壁216と係合する右側方ガイド壁206が設けられており、外装体22を装着する際に右側方転入防止壁216を案内するガイド壁として機能するほか、右側方転入防止壁216と協働してシャッター部224の先端部を案内するガイド溝を形成する。
外装体22は、全体として灰皿構造ATの収容凹部60(80)および下球皿23の開口上面を除くベース体21の上下および前面を覆う外殻カバー状に形成されている。外装体22の上面側では、区画壁64の右側壁の下部に下球皿23の上縁フランジ面と係合するリブフランジが形成され、その下側に区画壁64の下部領域と下球皿23側とを左右に連通する開口部が形成されている。
外装体22の底面側には、下球皿側の球抜き口24よりも大きな開口幅を有して上下に連通し、組立状態において球抜き口24の下方に位置する放出口25が開口形成されている。放出口25の周縁では、放出口25の前方に遊技球の球径よりも狭い配設ピッチで複数の前方転入防止リブ215が上向きに立設形成され、放出口25の開口右縁に沿って右側方転入防止壁216が形成されている。前方転入防止リブ215は、遊技球の球径よりも狭いピッチで配設されており抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間の前方領域に入り込むことを防止するとともに、弁体220の閉鎖姿勢においてシャッター部前端の後方転入防止壁225と係合して支持し、弁体220の移動範囲を規定する閉鎖側規制部を形成する。また右側方転入防止壁216は、球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間の右側方領域に入り込むことを防止するとともに、シャッター部224の先端部をスライド自在に支持する支持レールとしても機能する。
区画壁64の下方では、外装体22の前方壁面および底面から内側に突出して前後に延びる2本のスライドレール212,212が左右に並んで平行に形成されている。左右のスライドレール212は、前方壁面と底面とを繋いでL字フレーム状に形成され外装体22の剛性を向上させるとともに、右側のスライドレールは放出口25の開口左縁に合わせて球抜き口24の開口上縁近くまで高く形成されており、球抜き口24から流下する遊技球を放出口25に案内して遊技球がベース体21と外装体22との間の左側方領域に入り込まないようになっている。すなわちスライドレール212は、弁体220を前後スライド自在に支持するスライドレールとしての機能に加えて、外装体22の補強フレームとしての機能と、既述した左側方転入防止壁116および左側方スライド転入防止壁126(図8等を参照)の機能とを兼ね備えた構成になっている。
外装体22の底面側では、左右のスライドレール212,212を繋ぐ底面の前方部分が上方にオフセットされて下方に開く凹状の操作部保護溝214が形成され、このオフセットされた底面の中央に前後に延びるスリット状の操作部ガイド孔213が開口形成されている。操作部ガイド孔213は、操作部材230の厚さよりも幾分大きめのスリット幅を有して形成され、操作部材230の操作部235を前後移動可能に操作部保護溝214に導出させるとともに、操作部ガイド孔213の後端位置は弁体220の開放位置に合わせて形成されており、操作部235が後方に押圧されて開放位置に到達したときに操作部235の鉛直端面と係合して後方への移動を規制し、弁体220を開放位置に規定する開放側規制部を形成する。
そして、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せて係合させると、区画壁64の下方に、収容凹部60の右側壁面、下球皿23の左側壁面、区画壁係合部201、およびスライドレール212に囲まれて、前後に延びる断面視台形状の弁体収容部211が形成される。弁体収容部211の奥部ではベース体21の立設壁面に、コイルスプリング247の内径よりも幾分小さめの外径を有する円柱状のバネ支柱207が前方に突出して形成されている。
一方、弁体220は、弁体収容部211の断面形状に合わせて形成された中空ブロック状の本体部221と、この本体部221の下部に右側方に延びて形成されたシャッター部224、本体部221の前面から前方に延びて形成された操作部材230を主体とし、既述した弁体120と同様の樹脂材料を用いて成型される。
本体部221の下面には、左右のスライドレール212,212と係脱自在な凹状のレール係合部222,222が前後に延びて形成され、弁体220を弁体収容部211に収容させたときにレール係合部222がスライドレール212と係合して支持され、本体部221が弁体収容部211の上方および左右の壁面と係合して、前後方向にスライド移動自在に支持されるようになっている。
本体部221の内部中央には、コイルスプリング247の外径よりも幾分大きめの内径を有して後方に開く円筒収容部、およびコイルスプリング247の内径よりも幾分小さめの外径を有して円筒収容部内に突出するバネ支柱部からなるスプリング収容部227が形成されている。バネ支柱部の高さは、このバネ支柱部の高さとベース体側のバネ支柱207の高さを合計した寸法が、円筒収容部の深さ寸法よりも小さくなるように設定されている。
シャッター部224は、球抜き口24の下面側の高さ位置に合わせて本体部221の下部から右側方に張り出すプレート状に形成され、その左右方向の張出幅および前後方向寸法が球抜き口24の開口幅および開口寸法よりも幾分大きめに形成されている。一方、球抜き口24は下球皿23の前方に形成され、球抜き口24の開口後縁からベース体21の立設壁面までの寸法がシャッター部224の前後方向寸法よりも大きく設定されている。
このため、弁体220を閉鎖位置に位置させたときにシャッター部224が球抜き口24の開口全体を閉鎖するとともに、弁体220を開放位置に位置させたときにシャッター部224の後端がベース体21の立設壁面に当接することなく、球抜き口24を完全に開放し得るようになっている。シャッター部224の前端には下方に延びる後方転入防止壁225が形成されており、シャッター部224を開放したときに球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間の後方領域に入り込まないようになっている。
操作部材230は、本体部221の前面中央部に立設されて前方に延びる側面視三角形のプレート状をなし、その先端側が下方に延出されて後ろ向きの鉛直端面を有する操作部235が形成されている。操作部材230は、弁体220が組み付けられた状態で先端の操作部235が操作部ガイド孔213を通って操作部保護溝214に配設され外装体22の底面よりも下方に突出しないように形成されるとともに、弁体220が閉鎖位置にあるときに操作部235の前端が外装体22の前面よりもわずかに突出して指掛け容易に配設され、操作部235が後方に押圧されて弁体220が開放位置に達したときに操作部235の鉛直端面が操作部ガイド孔213の後端に係合して後方への移動が規制されるように構成される。
以上のように構成される各部材がベース体21と外装体22との間に組み付けられて球抜き機構BM2が形成される。組み付けは、外装体22の下球皿側の開口部から弁体220を斜めに挿入して操作部235を操作部ガイド孔213に挿通させ、レール係合部222をスライドレール212に係合させ、シャッター部224の先端を右側方転入防止壁216に係合させて支持させる。これにより弁体220が外装体22に前後方向にスライド移動自在に支持される。
次いで、ベース体のバネ支柱207(または弁体のスプリング収容部227)にコイルスプリング247の一端を支持させておき、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着する。このときベース体の区画壁係合部201が外装体の区画壁64と係合し、またベース体の右側方ガイド壁206が外装体の右側方転入防止壁216と係合して外装体22を左右方向に位置決めし、外装体22を案内するスライドガイドとして機能する。このスライド過程ではコイルスプリング247の他端側を弁体背面のスプリング収容部227(またはベース体正面のバネ支柱に207)支持させる。これによりコイルスプリング247がバネ支柱207とスプリング収容部227との間に前後に弾性変移自在に支持される。
そして、外装体22の後端各部がベース体21の立設壁面に当接するまでスライドさせて突き当て、外装体のネジボスにベース体21の後面側からネジを螺合させて締め込むことで、球抜き機構BM2が組み付けられ、球抜き機構を備えた下球皿構造体20が形成される。
こうして球抜き機構BM2が組み付けられると、弁体220は区画壁64の下側の弁体収容部211に前後方向に水平変位可能に収容支持され、常にはコイルスプリング247により前方に付勢されてシャッター部前端の後方転入防止壁225が前方転入防止リブ215に当接して移動規制され、弁体220の本体部221およびシャッター部224が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図24および図25を参照)。従って、下球皿払出通路から払出バケット18および下通出口17を介して下球皿23に払い出された遊技球が閉鎖位置にある弁体220により流下規制され下球皿23に貯留される。操作部材230の操作部235は操作部保護溝214の前方に位置してその前端が外装体22の前面側にわずかに突出して指掛け容易に配設される。なお、操作部235の前方への突出量は遊技球の球径の半分未満程度とされており、誤って操作部235に当接した場合でも球抜きされることがないようになっている。
球抜き作業を行うには、操作部235に指を掛けて操作部材230をコイルスプリング247の付勢力に抗して前方に押圧する。すると弁体220が弁体収容部211内で後方にスライド移動し、本体部221およびシャッター部224が後方に移動して球抜き口24が開かれる。そして操作部235後方の鉛直端面が操作部ガイド孔213の後端面に当接する規制位置まで押圧操作すると、弁体220の本体部221およびシャッター部224が球抜き口24の開口全体を開放する開放位置に配設され(図27を参照)、下球皿23に貯留された遊技球が球抜き口24および放出口25を通って下方に準備された球箱BBに流下する。
球抜き口24の下側では、球抜き口24の前方に前方転入防止リブ215、球抜き口24の右側方に右側方転入防止壁216、球抜き口24の左側方に転入防止壁の機能を有するスライドレール212、シャッター部224の前端に後方転入防止壁225が配設されている。このため、弁体220を開いたときに、球抜き口24の下部周辺がこれらの転入防止壁に囲まれてダクト状の排出路を形成し、球抜き口24から放出口25に流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込むようなことがない。
また、コイルスプリング247の内周を支持するバネ支柱207と、コイルスプリング247の内外周を支持するスプリング収容部227とでコイルスプリング247の前後を支持するとともに、前後のバネ支柱の高さをスプリング収容部227の深さ寸法よりも小さく形成し、かつスプリング収容部227を弁体220の本体内部に形成している。このため、弁体220の開放位置において、後方に移動した弁体220(スプリング収容部227)の内部にバネ支柱207が受容され、コイルスプリング247の略全体が弁体220の内部に収容される。従って、コンパクトな構成で開口寸法の大きな球抜き機構を構成することができる。
球抜き作業を終了するときには、操作部235を開放位置に保持させる押圧力を弱めればよい。前方への押圧力が弱められると、コイルスプリング247に蓄積された弾性力によってコイルスプリング247が伸長方向に自己復帰し、弁体220が弁体収容部211内を前方にスライド移動して、本体部221およびシャッター部224が球抜き口24を閉じる。そしてシャッター部前端の後方転入防止壁225が前方転入防止リブ215に当接すると弁体220の前方への移動が規制され、所定の付勢力を保持した状態で本体部221およびシャッター部224が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図24および図25を参照)。
このように、球抜き機構BM2では、球抜き口24の開閉操作を行う操作部235が下球皿23の左側に位置して前後方向にスライド操作可能に設けられているため、右手で発射ハンドル14を回動操作したまま左手で球抜き操作を簡単に行うことができる。
また、操作部235が下球皿構造体20の下面側の操作部保護溝214に前後方向にスライド操作可能に設けられているため、遊技者が座席から立ち上がったり着座しようとするとき、あるいは隣接するパチンコ機に放置された球箱を取ろうとして横を向いたときなどに、たとえ下球皿構造体20の前面にぶつかっても操作部235が開方向に誤操作されて球抜き口24が開放されるようなことがなく、遊技球を周囲にまき散らしてしまうような事態が生じない。さらに、球抜き機構の主要構成部が区画壁64の下部領域を有効に利用して構成されるとともに、操作部235が区画壁下方の構造体下面側に配設されるため、コンパクトな構成で操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。また、操作部材230を挿通させる操作部ガイド孔213が球皿構造体20の下面側に形成されているため、タバコの灰やごみ等の侵入を効果的に防止し得る構成になっている。
従って、以上説明した球抜き機構BM2によれば、誤操作による遊技球の飛散を有効に防止して、遊技者にとって操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
(球抜き機構BM3)
次に、第3構成形態の球抜き機構BM3について、図28〜図38の各図を参照して説明する。ここで、図28は球抜き機構BM3を備えたパチンコ機PMにおけるガラス扉5および上球皿構造体6を開放した状態の正面図(図1に対応する正面図)、図29は灰皿構造AT1を左斜め前方から見た斜視図(図2に対応する斜視図)、図30は灰皿装着状態における灰皿中央部での側断面図(図3に対応する側断面図)、図31は灰皿脱着時における灰皿中央部での側断面図(図4に対応する側断面図)であるが、パチンコ機PMの本体構成および下球皿構造体20に設けられる灰皿構造AT(AT1,AT2)の構成については既に詳述した内容と同様であるため、図28〜図31の各図における同様部分に同一番号を付して重複説明を省略する。
一方、図32は球抜き機構BM3の構造を斜め前方から見た分解斜視図、図33は球抜き機構BM3における弁体320を主として示す斜め後方から見た斜視図、図34は球抜き機構BM3を正面側から見た部分断面図、図35は球抜き機構BM3における操作部材の支持形態を主として示す断面図、図36は球抜き機構BM3の平面図、図37は球抜き機構BM3を下球皿23側から見た側断面図、図38は球抜き機構BM3により球抜き口を開放した状態の側断面図である。
球抜き機構BM3は下球皿構造体20に設けられており、底部に球抜き口24を有し上方に開口する皿部内に遊技球を貯留する下球皿23と、球抜き口の背面側に水平変位可能に配設され球抜き口24を開閉する弁体320と、弁体320の変位操作を行う操作部材330とを備え、操作部材330の操作部335が下球皿23の左側における下球皿構造体20の前面側に上下方向に揺動操作可能に設けられ、操作部335を揺動操作したときに弁体320が水平変位して球抜き口24を開閉するとともに、球抜き口24が閉鎖された状態において操作部335が下球皿構造体20の前端よりも後方に配設されるように構成される。
下球皿構造体20は、既述した各下球皿構造体と同様に、下球皿構造体20の基体をなすベース体21と、下球皿構造体20の外殻をなす外装体22とを主体とし、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着して、ベース体21の後面側から外装体22をネジ固定することで一体のアッセンブリに形成される。
ベース体21には、底面が緩く前方および左方に下傾して上面開放の深皿形態をなす下球皿23が一体に成型され、傾斜下端の左前方部に、底面から左側壁にかけて上下連通する球抜き口24が開口形成されている。
下球皿23の左上方には外装体22に形成された区画壁64の内側形状と整合して前後方向に係脱自在な区画壁係合部301が設けられ、区画壁係合部301の前端部には下方に突出する左右一対の軸支プレートからなる支持ブラケット302が設けられている。支持ブラケット302の内面間隔、すなわち相対峙する左右の軸支プレートの内面間隔は、後述する操作部材330のボス部332の厚さ寸法よりも幾分大きめに設定され、ボス部332を左右の軸支プレート間に受容可能に形成されるとともに、各軸支プレートの中央部には枢結ピン342を嵌挿させる軸支孔302hが位置整合して形成されている。また、左右の軸支プレート間を繋ぐ支持部には、操作部材の本体プレート部331の厚さよりも幾分大きめの溝幅を有して前後に延びるスリット状の操作部材受容溝303が前端開放形態で形成されている。なお支持ブラケット302を別体に形成し(例えば左右の軸支プレートを含む区画壁係合部301の前端部を金属または樹脂材料を用いて別体に形成し)、これを区画壁係合部301に取着する構成にしてもよい。
下球皿23の下面側では、球抜き口24の周囲に前方転入防止壁305と右側方ガイド壁306が形成されている。前方転入防止壁305は、球抜き口24の前方に位置して下向きに突出成型され、球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間の前方領域に入り込むことを防止するとともに、弁体320の閉鎖姿勢においてシャッター部前端の後方転入防止壁325と係合して支持し、弁体320の移動範囲を規定する閉鎖側規制部を形成する。また右側方ガイド壁306は、球抜き口24の右側方に位置して下向きに突出成型されており、外装体22を装着する際に外装体22の右側方転入防止壁316と係合してスライド装着を案内するガイド壁として機能するほか、右側方転入防止壁316と協働してシャッター部324の先端部を案内するガイド溝を形成する。
一方、外装体22は、全体として灰皿構造ATの収容凹部60(80)および下球皿23の開口上面を除くベース体21の上下および前面を覆う外殻カバー状に形成されている。外装体22の上面側では、区画壁64の右側壁の下部に下球皿23の上縁フランジ面と係合するリブフランジが形成され、その下側に区画壁64の下部領域と下球皿23側とを左右に連通する開口部が形成されている。
外装体22の底面側には、下球皿側の球抜き口24よりも大きな開口幅を有して上下に連通し、組立状態において球抜き口24の下方に位置する放出口25が開口形成されている。放出口25の右側方には、放出口25の開口右縁に沿って右側方転入防止壁316が形成されており、球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間の右側方領域に入り込むことを防止するとともに、シャッター部324の先端部をスライド自在に支持する支持レールとしても機能する。
区画壁64の下方では、外装体22の前方壁面および底面から内側に突出して前後に延びる2本のスライドレール312,312が左右に並んで平行に形成されている。左右のスライドレール312は、前方壁面と底面とを繋いでL字フレーム状に形成され外装体22の剛性を向上させるとともに、右側のスライドレールは放出口25の開口左縁に合わせて球抜き口24の開口上縁近くまで高く形成されており、球抜き口24から流下する遊技球を放出口25に案内して遊技球がベース体21と外装体22との間の左側方領域に入り込まないようになっている。すなわちスライドレール312は、弁体320を前後スライド自在に支持するスライドレールとしての機能に加えて、外装体22の補強フレームとしての機能と、既述した左側方転入防止壁116および左側方スライド転入防止壁126(図8等を参照)の機能とを兼ね備えた構成になっている。
外装体22の前面側では、左右のスライドレール312,312間の前方壁面が凹設されて上下に延びる凹状の操作部保護溝314が形成され、この溝底面の中央にスリット状の操作部ガイド孔313が開口形成されている。操作部ガイド孔313は、操作部材330の操作部335の厚さよりも幾分大きめのスリット幅を有して上下方向に形成されており、操作部335を操作部保護溝314に導出するとともに、操作部335の上下揺動をガイドするようになっている。
ベース体21の前方から外装体22を覆い被せて係合させると、区画壁64の下方に、収容凹部60の右側壁面、下球皿23の左側壁面、区画壁係合部301、およびスライドレール312に囲まれて、前後に延びる断面視台形状の弁体収容部311が形成される。弁体収容部311の奥部ではベース体21の立設壁面に、コイルスプリング347の内径よりも幾分小さめの外径を有する円柱状のバネ支柱307が前方に突出して形成されている。
一方、弁体320は、弁体収容部311の断面形状に合わせて形成された中空ブロック状の本体部321と、この本体部321の下部に右側方に延びて形成されたシャッター部324、本体部321の前面から前方に延びて形成された左右一対のリンクアーム326などを主体とし、既述した弁体120と同様の樹脂材料を用いて成型される。
本体部321の下面には、左右のスライドレール312,312と係脱自在な凹状のレール係合部322,322が前後に延びて形成され、弁体320を弁体収容部311に収容させたときにレール係合部322がスライドレール312と係合して支持され、本体部321が弁体収容部311の上方および左右の壁面と係合して、前後方向にスライド移動自在に支持されるようになっている。
本体部321の内部中央には、コイルスプリング347の外径よりも幾分大きめの内径を有して後方に開く円筒収容部、およびコイルスプリング347の内径よりも幾分小さめの外径を有して円筒収容部内に突出するバネ支柱部、からなるスプリング収容部327が形成されている。バネ支柱部の高さは、このスプリング収容部側のバネ支柱部の高さとベース体側のバネ支柱307の高さを合計した寸法が、円筒収容部の深さ寸法よりも小さくなるように設定されている。
シャッター部324は、球抜き口24の下面側の高さ位置に合わせて本体部321の下部から右側方に張り出すプレート状に形成され、その左右方向の張出幅および前後方向寸法が球抜き口24の開口幅および開口寸法よりも幾分大きめに形成されている。一方、球抜き口24は下球皿23の前方に形成され、球抜き口24の開口後縁からベース体21の立設壁面までの寸法がシャッター部324の前後方向寸法よりも大きく設定されている。
このため、弁体320を閉鎖位置に位置させたときにシャッター部324が球抜き口24の開口全体を閉鎖するとともに、弁体320を開放位置に位置させたときにシャッター部324の後端がベース体21の立設壁面に当接することなく、球抜き口24を完全に開放し得るようになっている。シャッター部324の前端には下方に延びる後方転入防止壁325が形成されており、シャッター部324を開放したときに球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間の後方領域に入り込まないようになっている。
左右一対のリンクアーム326は、本体部321の前面下部から前方斜め下方に延びて形成され、その先端側が下方に延出されてフック状に形成されている。左右のリンクアームの内面間隔は、操作部材330における揺動アーム336の厚さ寸法よりも幾分大きめに設定され、左右のリンクアーム326,326の間に揺動アーム336を受容可能に形成されるとともに、各リンクプレートの前端部にアーム連結ピン346を嵌挿させる軸支孔326hが位置整合して形成されている。
操作部材330は、平板状の本体プレート部331と、この本体プレート部331の端部に本体プレート部よりも厚めの円盤フランジ状に形成されたボス部332とを有し、例えば弁体320と同様にABS樹脂などの熱可塑性樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段で一体に成型される。
本体プレート部331は、全体としてボス部332を中心とする扇形に形成されており、その一側縁側が先端円弧形のレバー状に延出されて操作部335が形成され、他側縁側が同様に延出されて揺動アーム部336が形成されている。ボス部332の中心には枢結ピン342を嵌挿させる軸受孔332hが形成され、揺動アーム部336の先端部にはアーム連結ピン346を挿通させるピン係合孔336hがアームの延びる方向に長孔状に形成されている。
操作部335と揺動アーム部336の相対角度および各アーム長さは、ボス部332を枢結ピン342により支持ブラケット302に枢結し、操作部335を操作部保護溝314の高さ範囲内で上下方向に揺動させたときに、これに伴って揺動される揺動アーム部336が外装体22の内側で前後方向に移動し、かつこのときのピン係合孔336hの前後方向への移動量(揺動アームのアーム長さ×揺動角度)が、シャッター部324を閉鎖位置と開放位置との間でスライド移動させるために必要なストロークを満すように設定される。
球抜き機構BM3では、操作部335と揺動アーム部336の相対角度を略90度に設定して操作部335を前方に、揺動アーム部336を下方に配設するとともに、揺動支点となる支持ブラケット302を外装体22の内部上方に設けることで下方に延びる揺動アーム336のアーム長さを確保し、これにより操作部335の揺動操作角度を操作部保護溝314の上端から中央下部までの60度程度の小さい角度範囲に抑えながら、シャッター部324を閉鎖位置と開放位置との間でスライド移動させるための必要ストロークを満すように構成している。
揺動アーム336の先端部に形成された長孔状のピン係合孔336hは、その幅寸法がアーム連結ピン346の軸径と略同一に形成される一方、長さ寸法は操作部335を上下に揺動させたときに揺動アーム336の先端部が上下方向に変位する変位量よりも大きめに形成されている。このため、揺動アームのピン係合孔336hとリンクアームの軸支孔326hとをアーム連結ピン346で連結し、操作部材330を揺動させたときに、操作部材330と弁体320とが前後方向にガタなく嵌合して操作力を弁体に伝達するとともに、揺動アーム326の揺動に伴う上下方向の変位に対してアーム連結ピン346がピン係合孔内を上下に移動して揺動アームの相対変位を許容し、操作部材330の揺動角度に応じたストロークで弁体320を前後方向にスライドさせる。
また操作部335は、弁体320および操作部材330が組み付けられた状態で操作部ガイド孔313を通って操作部保護溝314に配設され、シャッター部324が球抜き口24を塞ぐ閉鎖位置あるときに操作部保護溝314の上端部に位置して外装体22の前端よりも突出しないように配置され(図37を参照)、シャッター部324が球抜き口24を開放する開放位置にあるときに操作部保護溝314の中央下部に位置して保持容易に配置されるようになっている(図38を参照)。
以上のように構成される弁体320および操作部材330をベース体21に組み付け、その前方から外装体22を覆い被せるように装着することで、球抜き機構BM3が形成される。組み付けは、ベース体21における支持ブラケット302の左右の軸支プレート間に操作部材のボス部332を受容させ、支持ブラケット302の一側方から軸支孔302hおよび軸受孔332hを通して枢結ピン342を嵌挿し、他側方に突出した枢結ピン342の先端側のリング溝にEリングを嵌着する。これにより操作部材330が支持ブラケット302に枢結され、操作部材330が枢結ピン342の軸と直交する面内で揺動自在に支持ブラケット302に支持される。
次に、操作部材330における揺動アーム336の先端部に、この揺動アームの左右側面を挟むように弁体320の左右のリンクアーム326を係合させて、リンクアーム326の一側方から軸支孔326hおよびピン係合孔336hを通してアーム連結ピン346を嵌挿し、他側方に突出したアーム連結ピン346の先端側のリング溝にEリングを嵌着する。これにより揺動アーム336とリンクアーム326とがピン係合され、弁体320が操作部材330の揺動面と同一面内で相対揺動自在に連結される。
こうして操作部材330に連結された弁体320を上方に揺動させて、本体部321の上面および右側面を区画壁係合部301の下縁および下球皿23の左側面に係合支持させ、相対峙する弁体側のスプリング収容部327とベース体側のバネ支柱307との間にコイルスプリング347を嵌着する。
そして、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着する。このときベース体の区画壁係合部301が外装体の区画壁64と係合し、またベース体の右側方ガイド壁306が外装体の右側方転入防止壁316と係合して外装体22を左右方向に位置決めし、外装体22を案内するスライドガイドとして機能する。このスライド過程で弁体320の下面側に形成されたレール係合部322がスライドレール312と係合して本体部321が弁体収容部311に前後にスライド移動可能に支持され、操作部材330の操作部335が操作部ガイド孔313を通ってレバー収容部314に突出する。
そして、外装体22の後端各部がベース体21の立設壁面に当接するまでスライドさせて突き当て、外装体のネジボスにベース体21の後面側からネジを螺合させて締め込むことで、球抜き機構BM3が組み付けられ、球抜き機構を備えた下球皿構造体20が形成される。
こうして球抜き機構BM3が組み付けられると、弁体320は区画壁64の下側の弁体収容部311に前後方向に水平変位可能に収容支持され、常にはコイルスプリング347により前方に付勢されてシャッター部前端の後方転入防止壁325が前方転入防止壁305に当接して移動規制され、弁体320の本体部321およびシャッター部324が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図36および図37を参照)。従って、下球皿払出通路から払出バケット18および下通出口17を介して下球皿23に払い出された遊技球が閉鎖位置にある弁体320により流下規制され下球皿23に貯留される。
このとき操作部材330は、弁体320のリンクアーム326とアーム連結ピン346で連結された揺動アーム336の配設位置より揺動角度位置が規定され、操作部335は外装体22の前端よりも突出することなく操作部保護溝314の上端部に位置して配置される。
球抜き作業を行うには、操作部335に指を掛けて下方に押圧し、コイルスプリング347の付勢力に抗して操作部335を下方に揺動させる。すると後方に揺動する揺動アーム336によりアーム連結ピン346を介して弁体320が後方に押圧され、操作部材330の揺動角度に応じたストロークで弁体320が弁体収容部311内を後方にスライド移動し、本体部321およびシャッター部324が後方に移動して球抜き口24が開かれる。
そして操作部335が操作部保護溝314の中央下部に位置するまで揺動されると、弁体320の本体部321およびシャッター部324が球抜き口24の開口全体を開放する開放位置に配設され(図38を参照)、下球皿23に貯留された遊技球が球抜き口24および放出口25を通って下方に準備された球箱BBに流下する。なお操作部ガイド孔313の下端をこの開放位置に合わせて形成し、操作部335の揺動角度位置を規定するように構成してもよい。
球抜き口24の下側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁305、球抜き口24の右側方に右側方転入防止壁316、球抜き口24の左側方に転入防止壁の機能を有するスライドレール312、シャッター部324の前端に後方転入防止壁325が配設されている。このため、弁体320を開いたときに、球抜き口24の下部周辺がこれらの転入防止壁に囲まれてダクト状の排出路を形成し、球抜き口24から放出口25に流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込むようなことがない。
また、コイルスプリング347の内周を支持するバネ支柱307と、コイルスプリング347の内外周を支持するスプリング収容部327とでコイルスプリング347の前後を支持するとともに、前後のバネ支柱の高さをスプリング収容部327の深さ寸法よりも小さく形成し、かつスプリング収容部327を弁体320の本体内部に形成している。このため、弁体320の開放位置において、後方に移動した弁体320(スプリング収容部327)の内部にバネ支柱307が受容され、コイルスプリング347の略全体が弁体320の内部に収容される。従って、コンパクトな構成で開口寸法の大きな球抜き機構を構成することができる。
球抜き作業を終了するときには、操作部335を開放位置に保持させる押圧力を弱めればよい。下方への押圧力が弱められると、コイルスプリング347に蓄積された弾性力によってコイルスプリング347が伸長方向に自己復帰し、弁体320が弁体収容部311内を前方にスライド移動して、本体部321およびシャッター部324が球抜き口24を閉じる。またこれに伴いアーム連結ピン346で連結された操作部材330が弁体320の前方移動に応じて揺動され、操作部335が弁体320の移動量に応じた揺動角度で上方に揺動される。
そしてシャッター部前端の後方転入防止壁325が前方転入防止壁305に当接すると弁体320の前方への移動が規制され、所定の付勢力を保持した状態で本体部321およびシャッター部324が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持され、操作部335が操作部保護溝314の上端部に配置される。(図37を参照)。
このように、球抜き機構BM3では、球抜き口24の開閉操作を行う操作部335が下球皿23の左側に位置して上下方向に揺動操作可能に設けられているため、右手で発射ハンドル14を回動操作したまま左手で球抜き操作を簡単に行うことができる。
また、操作部335が下球皿構造体20の前面側に上下方向に揺動操作可能に設けられ、球抜き口24が閉鎖された状態において操作部335が下球皿構造体20の前端よりも後方の操作部保護溝314に配設されるように構成される。このため、遊技者が座席から立ち上がったり着座しようとするとき、あるいは隣接するパチンコ機に放置された球箱を取ろうとして横を向いたときなどに、たとえ下球皿構造体20の前面にぶつかっても操作部335が開方向に誤操作されて球抜き口24が開放されるようなことがなく、遊技球を周囲にまき散らしてしまうような事態が生じない。さらに、球抜き機構の主要構成部が区画壁64の下部領域を有効に利用して構成されるとともに、操作部335が区画壁64の前方の構造体前面側に配設されるため、コンパクトな構成で操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。また、操作部材330を挿通させる操作部ガイド孔313が球皿構造体20の前面側に形成されているため、タバコの灰やごみ等が球抜き機構の内部に侵入しにくい構成になっている。
従って、以上説明した球抜き機構BM3によれば、誤操作による遊技球の飛散を有効に防止して、遊技者にとって操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
(球抜き機構BM4)
次に、第4構成形態の球抜き機構BM4について、図39および図40を参照して説明する。ここで、図39は球抜き機構BM4を正面側から見た断面図(図35に対応する断面図)、図40は球抜き機構BM4を下球皿23側から見た側断面図(図38に対応する断面図)である。なお、図39と図35、図40と図38をそれぞれ比較しても明らかなように、本構成形態の球抜き機構BM4は、球抜き口24を開閉操作する操作部(435,335)の配設位置が相違するほか、灰皿構造AT(AT1,AT2)や下球皿構造体20の基本構成は前述した球抜き機構BM3と同様である。そこで適宜図28〜図38の各図を参酌するとともに同様の部材に同一番号を付して重複説明を省略し、球抜き機構BM3と相違する部分を中心に説明する。
球抜き機構BM4は、底部に球抜き口24を有し上方に開口する皿部内に遊技球を貯留する下球皿23と、球抜き口の背面側に水平変位可能に配設され球抜き口24を開閉する弁体320と、弁体320の変位操作を行う操作部材430とを備え、操作部材430の操作部435が下球皿23の左側における下球皿構造体20の上面側に前後方向に揺動操作可能に設けられ、操作部435を揺動操作したときに弁体320が水平変位して球抜き口24を開閉するように構成される。
ベース体21の下球皿23の左上方には、外装体22に形成された区画壁64の内側形状と整合して前後方向に係脱自在な区画壁係合部401が設けられ、区画壁係合部401の前端部には下方に突出する左右一対の軸支プレートからなる支持ブラケット302が設けられている。左右の軸支プレートの内面間隔は、操作部材430のボス部432の厚さ寸法よりも幾分大きめに設定され、各軸支プレートの中央部には枢結ピン342を嵌挿させる軸支孔302hが左右に位置整合して形成されている(図32を参照)。左右の軸支プレート間を繋ぐ支持部には、操作部材の本体プレート部431の厚さよりも幾分大きめの溝幅を有して前後に延びるスリット状の操作部材受容溝403が前端開放形態で形成されている。
一方、外装体22における区画壁64の上面側には、区画壁係合部401側の上方に位置整合してスリット状の操作部ガイド孔413が開口形成されている。操作部ガイド孔413は、操作部材430の操作部435の厚さよりも幾分大きめのスリット幅を有して前後方向に形成されており、操作部435を区画壁64の上面側に導出するとともに、操作部435の前後揺動をガイドするようになっている。
区画壁64の下方では、左右一対のスライドレール312,312が外装体22の前方壁面および底面から内側に突出して形成されており、ベース体21の前方に外装体22を覆い被せて装着したときに、区画壁64の下方に、収容凹部60の右側壁面、下球皿23の左側壁面、区画壁係合部401、およびスライドレール312に囲まれて、前後に延びる断面視台形状の弁体収容部311が形成される。
弁体320は、弁体収容部311の断面形状に合わせて形成された中空ブロック状の本体部321を基体とし、この本体部321の下面側に形成された左右一対のレール係合部322、本体部321から右側方に延びて形成されたシャッター部324、シャッター部324の前端に形成された後方転入防止壁325、本体部321の前面から前方に延びて形成された左右一対のリンクアーム326、本体部321の内部に形成されたスプリング収容部327などを有して構成される。なお各部の構成内容は前述したとおりである(図32および図33を参照)。
一方、操作部材430は、平板状の本体プレート部431と、この本体プレート部431の略中央に本体プレート部よりも厚めの円盤フランジ状に形成されたボス部432とを有し、前述した操作部材330と同様の成形手段で形成される。本体プレート部431の一部はボス部を中心に外周方向に延出されて扇状の操作部435が形成され、ボス部432を挟んで反対側にはレバー状の揺動アーム部436が形成されている。ボス部432の中心には枢結ピン342を嵌挿させる軸受孔432hが形成され、揺動アーム部436の先端部にはアーム連結ピン346を挿通させるピン係合孔436hがアームの延びる方向に長孔状に形成されている。
揺動アーム部436のアーム長さおよび操作部435の形成角度は、ボス部432を枢結ピン342により支持ブラケット302に枢結し、操作部435を区画壁64の上面側で前後に揺動させたときに、これに伴って揺動される揺動アーム部436が外装体22の内側で前後方向に移動し、かつこのときのピン係合孔436hの前後方向への移動量(揺動アームのアーム長さ×揺動角度)が、シャッター部324を閉鎖位置と開放位置との間でスライド移動させるために必要なストロークを満すように設定される。
球抜き機構BM4では、揺動支点となる支持ブラケット302を外装体22の内部上方に設けることで、下方に延びる揺動アーム436のアーム長さを確保し、60度程度の小さい揺動操作角度でシャッター部324を閉鎖位置と開放位置との間でスライド移動させる必要ストロークを満すように構成し、この揺動操作角度に合わせて操作部435を形成している。
揺動アーム436の先端部に形成された長孔状のピン係合孔436hは、その幅寸法がアーム連結ピン346の軸径と略同一に形成される一方、長さ寸法は操作部435を前後に揺動させたときに揺動アーム436の先端部が上下方向に変位する変位量よりも大きめに形成されている。このため、揺動アームのピン係合孔436hとリンクアームの軸支孔326hとをアーム連結ピン346で連結し、操作部材430を揺動させたときに、操作部材430と弁体320とが前後方向にガタなく嵌合して操作力を弁体に伝達するとともに、揺動アーム326の揺動に伴う上下方向の変位に対してアーム連結ピン346がピン係合孔内を上下に移動して揺動アームの相対変位を許容し、操作部材430の揺動角度に応じたストロークで弁体320を前後方向にスライドさせる。
操作部435は、弁体320および操作部材430が組み付けられた状態で操作部ガイド孔413を通って区画壁64の上面側にわずかに(2〜5mm程度)突出して配設され、シャッター部324が球抜き口24を塞ぐ閉鎖位置あるときに、図40に二点鎖線で付記する揺動角度位置に配置され、シャッター部324が球抜き口24を開放する開放位置にあるときに図40に実線で示す揺動角度位置に配置されるようになっている。なお操作部435の外周縁面には平目ローレットが形成されており、前後方向の揺動操作を容易に行い得るようになっている。
以上のように構成される弁体320および操作部材430をベース体21に組み付け、その前方から外装体22を覆い被せるように装着することで、球抜き機構BM4が形成される。組み付けは、ベース体21の操作部材受容溝403に操作部435を受容させ、支持ブラケット302の左右の軸支プレート間にボス部432を受容させて、支持ブラケット302の一側方から軸支孔302hおよび軸受孔432hを通して枢結ピン342を嵌挿し、他側方に突出した枢結ピン342の先端側のリング溝にEリングを嵌着する。これにより操作部材430が支持ブラケット302に枢結され、操作部材430が枢結ピン342の軸と直交する面内で揺動自在に支持ブラケット302に支持される。
次に、操作部材430における揺動アーム436の先端部に、この揺動アームの左右側面を挟むように弁体320の左右のリンクアーム326を係合させて、リンクアーム326の一側方から軸支孔326hおよびピン係合孔436hを通してアーム連結ピン346を嵌挿し、他側方に突出したアーム連結ピン346の先端側のリング溝にEリングを嵌着する。これにより揺動アーム436とリンクアーム326とがピン係合され、弁体320が操作部材430の揺動面と同一面内で相対揺動自在に連結される。
こうして操作部材430に連結された弁体320を上方に揺動させて、本体部321の上面および右側面を区画壁係合部401の下縁および下球皿23の左側面に係合支持させ、相対峙する弁体側のスプリング収容部327とベース体側のバネ支柱307との間にコイルスプリング347を嵌着する。
そして、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着する。このときベース体の区画壁係合部401が外装体の区画壁64と係合し、またベース体の右側方ガイド壁306が外装体の右側方転入防止壁316と係合して外装体22を左右方向に位置決めし、外装体22を案内するスライドガイドとして機能する(図34および図36を参照)。このスライド過程で弁体320の下面側に形成されたレール係合部322がスライドレール312と係合して本体部321が弁体収容部311に前後にスライド移動可能に支持され、操作部材430の操作部435が操作部ガイド孔413を通って区画壁64の上面側に突出する。
そして、外装体22の後端各部がベース体21の立設壁面に当接するまでスライドさせて突き当て、外装体のネジボスにベース体21の後面側からネジを螺合させて締め込むことで、球抜き機構BM4が組み付けられ、球抜き機構を備えた下球皿構造体20が形成される。
こうして球抜き機構BM4が組み付けられると、弁体320は区画壁64の下側の弁体収容部311に前後方向に水平変位可能に収容支持され、常にはコイルスプリング347により前方に付勢されてシャッター部前端の後方転入防止壁325が前方転入防止壁305に当接して移動規制され、弁体320の本体部321およびシャッター部324が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図36および図37を参照)。従って、下球皿払出通路から下球皿23に払い出された遊技球が閉鎖位置にある弁体320により流下規制され下球皿23に貯留される。
このとき操作部材430は、弁体320のリンクアーム326とアーム連結ピン346で連結された揺動アーム436の配設位置より揺動角度位置が規定され、操作部435は図40に二点鎖線で示す角度姿勢で区画壁64の上面にわずかに突出して配設される。
球抜き作業を行うには、操作部435の外周縁面(ローレット目)に指や手を掛けて手前(前方)に引き、コイルスプリング347の付勢力に抗して前方に揺動させる。すると後方に揺動する揺動アーム436によりアーム連結ピン346を介して弁体320が後方に押圧され、操作部材430の揺動角度に応じたストロークで弁体320が弁体収容部311内を後方にスライド移動し、本体部321およびシャッター部324が後方に移動して球抜き口24が開かれる。
そして操作部435が図40に実線で示す揺動角度位置まで揺動されると、弁体320の本体部321およびシャッター部324が球抜き口24の開口全体を開放する開放位置に配設され、下球皿23に貯留された遊技球が球抜き口24および放出口25を通って下方に準備された球箱BBに流下する。
球抜き口24の下側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁305、右側方に右側方転入防止壁316、左側方に転入防止壁の機能を有するスライドレール312、後方のシャッター部前端に後方転入防止壁325が配設されているため(図36を併せて参照)、弁体320を開いたときに、球抜き口24の下部周辺がこれらの転入防止壁に囲まれてダクト状の排出路を形成し、球抜き口24から放出口25に流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込むようなことがない。
また、コイルスプリング347を支持する前後のバネ支柱の高さをスプリング収容部327の深さ寸法よりも小さく形成し、かつスプリング収容部327を弁体320の本体内部に形成しているため、弁体320が後方に移動した開放位置においてバネ支柱307が弁体320の内部に受容され、コイルスプリング347の略全体が弁体320の内部に収容される。従って、コンパクトな構成で開口寸法の大きな球抜き機構を構成することができる。
球抜き作業を終了するときには、操作部435を開放位置に保持させる引き留め力を弱めればよい。引き留め力が弱められると、コイルスプリング347に蓄積された弾性力によってコイルスプリング347が伸長方向に自己復帰し、弁体320が弁体収容部311内を前方にスライド移動して、本体部321およびシャッター部324が球抜き口24を閉じる。またこれに伴いアーム連結ピン346で連結された操作部材430が弁体320の前方移動に応じて揺動され、操作部435が弁体320の移動量に応じた揺動角度で後方に揺動される。
そしてシャッター部前端の後方転入防止壁325が前方転入防止壁305に当接すると弁体320の前方への移動が規制され(図36および図37を参照)、所定の付勢力を保持した状態で本体部321およびシャッター部324が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持され、操作部435が図40における二点鎖線で示す揺動角度位置に配置される。
このように、球抜き機構BM4では、球抜き口24の開閉操作を行う操作部435が下球皿23の左側に位置して下球皿構造体20の上面側に前後方向にスライド操作可能に設けられているため、右手で発射ハンドル14を回動操作したまま左手で球抜き操作を簡単に行うことができ、かつ下球皿構造体20と腹部との間隔が密着してしまうような遊技者であっても容易に球抜き操作を行うことができる。
また、操作部435が下球皿構造体20の上面側に前後方向に揺動操作可能に設けられているため、遊技者が座席から立ち上がったり着座しようとするとき、あるいは隣接するパチンコ機に放置された球箱を取ろうとして横を向いたときなどに、たとえ下球皿構造体20の前面にぶつかっても操作部435が開方向に誤操作されて球抜き口24が開放されるようなことがなく、遊技球を周囲にまき散らしてしまうような事態が生じない。さらに、球抜き機構の主要構成部が区画壁64の下部領域を有効に利用して構成されるとともに、操作部435が区画壁64の上面に配設されるため、コンパクトな構成で操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
従って、以上説明した球抜き機構BM4によれば、誤操作による遊技球の飛散を有効に防止して、遊技者にとって操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
なお、以上では操作部435を下球皿構造体20の上面側に突出して配設した構成例を示したが、操作部を下球皿構造体20の下面側に配設し、あるいは下球皿構造体20の上下両面に配設して、本構成形態の球抜き機構を構成することもできる。例えば、外装体22の下面側に上述した操作部ガイド孔(313)と同様のガイド孔を設けるとともに、揺動アーム436を延長してレバー状の操作部を下球皿構造体20の下面側に突出させ、あるいは揺動アーム436を大きめの扇状に形成して操作部435同様の操作部を下球皿構造体20の下面側に突出させることで、下球皿構造体20の下面側に操作部を配設することができ、また上述した操作部435に加えてこのような下面側の操作部を併設することにより、上下いずれの操作部でも球抜き操作ができる球抜き機構を構成することも可能である。
(球抜き機構BM5)
次に、第5構成形態の球抜き機構BM5について、図41〜図51の各図を参照して説明する。ここで、図45は球抜き機構BM5の構造を斜め前方から見た分解斜視図、図46は球抜き機構BM5の組み付け状態を示す平面図、図47は球抜き機構BM5の平面図、図48は閉鎖状態にある球抜き機構BM5を正面側から見た部分断面図、図49は開放状態にある球抜き機構BM5を正面側から見た断面図、図50は球抜き機構BM5を下球皿23側から見た側断面図、図51は球抜き機構BM5を灰皿構造AT1側から見た側断面図である。
なお、図41は球抜き機構BM5を備えたパチンコ機PMにおけるガラス扉5および上球皿構造体6を開放した状態の正面図(図1に対応する正面図)、図42は灰皿構造AT1を左斜め前方から見た斜視図(図2に対応する斜視図)、図43は灰皿装着状態における灰皿中央部での側断面図(図3に対応する側断面図)、図44は灰皿脱着時における灰皿中央部での側断面図(図4に対応する側断面図)であるが、パチンコ機PMの本体構成および下球皿構造体20に設けられる灰皿構造AT(AT1,AT2)の構成については既に詳述した内容と同様であるため、図41〜図44の各図における同様部分に同一番号を付して重複説明を省略する。
球抜き機構BM5は下球皿構造体20に設けられており、底部に球抜き口24を有し上方に開口する皿部内に遊技球を貯留する下球皿23と、球抜き口の背面側に水平変位可能に配設され球抜き口24を開閉する弁体520と、弁体520の変位操作を行う操作部材530とを備え、操作部材530の操作部535が下球皿23の左側における下球皿構造体20の前面側に、前後方向に延びる回動軸まわりに回動操作可能に設けられ、操作部535を回動操作したときに弁体520が水平変位して球抜き口24を開閉するように構成される。
下球皿構造体20は、既述した各下球皿構造体と同様に、下球皿構造体20の基体をなすベース体21と、下球皿構造体20の外殻をなす外装体22とを主体とし、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着して、ベース体21の後面側から外装体22をネジ固定することで一体のアッセンブリに形成される。
ベース体21には、底面が緩く前方および左方に下傾して上面開放の深皿形態をなす下球皿23が一体に成型され、傾斜下端の左前方部に上下連通する球抜き口24が開口形成されている。下球皿23の左上方には、外装体22に形成された区画壁64の内側形状と整合して前後方向に係脱自在な区画壁係合部501が設けられ、ベース体21の立設壁面には、操作部材530における揺動軸531の先端部を支持する軸支ボス502が形成されている。
下球皿23の下面側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁505a、後方に後方転入防止壁505b、右側方に右側方転入防止壁506が形成されている。これらの転入防止壁505a,505b,506は、球抜き口24の周囲を取り囲むように下向きに突出成型されており、球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間に入り込むことを防止する。前後の転入防止壁505a,505bは、弁体520におけるシャッター部524の前後端面と係合して左右方向へのスライドを案内するスライドガイドとしても機能し、また右側方転入防止壁506は、弁体520の閉鎖姿勢においてシャッター部右端のスライド範囲規制突起528と係合して弁体520の閉鎖位置を規定するスライド規制部としても機能する。
一方、外装体22は、全体として灰皿構造ATの収容凹部60(80)および下球皿23の開口上面を除くベース体21の上下および前面を覆う外殻カバー状に形成されている。外装体22の上面側では、区画壁64の右側壁の下部に下球皿23の上縁フランジ面と係合するリブフランジが形成され、その下側に区画壁64の下部領域と下球皿23側とを左右に連通する開口部が形成されている。
外装体22の底面側には、球抜き口24と略同一の前後方向開口寸法を有し、組立状態において球抜き口24の下方に位置する放出口25が上下に連通して開口形成され、その右側方に上方に突出して前後に延びるリブ状の右側方ガイド壁516が形成されている。右側方ガイド壁516は、ベース体21の右側方転入防止壁506の右側に位置整合してこの転入防止壁506と係脱自在に形成されており、ベース体21に外装体22を装着する際に右側方転入防止壁506と係合してスライド装着を案内するガイド壁として機能する。放出口25の左側には、弁体520の掛止フック527を下面側に挿通させ、本体部521を収容凹部60側に挿通させる弁体挿通孔513が開口形成されている。
外装体22の前面側には、段付き円筒状の軸受ボス512が前方壁面から後方(ベース体21側)に延びて形成されている。軸受ボス512は、外装体22をベース体21の前面側に装着したときに、ベース体側の軸支ボス502と整合して同一軸上に並ぶ位置に形成されるとともに、軸受ボス512の内径は、後方の小径部分が操作部材530における揺動軸531を嵌合支持し、前端側が操作部535を受容するように形成されており、操作部材530を前後に延びる揺動軸531廻りに回動自在に支持し得るようになっている。
このため、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せて係合させると、区画壁64の下方に、収容凹部60の右側壁面、下球皿23の左側壁面、区画壁係合部501、および外装体22の下面に囲まれて弁体収容部511が形成され、弁体収容部511の前後の壁面に操作部材530を支持する軸支ボス502、軸受ボス512が同一軸上に配設される。
一方、弁体520は、基板となる本体部521と、この本体部521の上面に突出成型された前後一対の支軸フランジ522、本体部521から上方にオフセットされて本体部と平行に左右に延びるシャッター部524などを主体とし、既述した弁体120と同様の樹脂材料を用いて成型される。
本体部521の上面側には、前後一対の軸支フランジ522,522が上方に突出形成され、その内側に本体部521を上下貫通して左右に延びるスリット状のアーム受容溝523,523が前後に並んで形成されている。前後の軸支フランジ522,522の内面間隔は、操作部材530における前後の揺動アーム533b,533bの外面間隔よりも大きめに設定され、前後の揺動アーム533b,533bの先端部を軸支フランジ522,522の間に受容可能に形成されている。また軸支フランジの中央部には係合ピン542を嵌挿させるピン孔522h,522hが前後に位置整合して形成されており、一方の支軸フランジ側から前後の軸支孔522h,522hを連通させて係合ピン542を嵌挿し、他方に突出した係合ピン先端のリング溝にEリングを嵌着することで係合ピン542が前後の支軸フランジ間を結んで取り付けられる。
一方、前後のアーム受容溝523,523は、前後の揺動アーム533b,533bの配設位置に合わせ、揺動アーム部の厚さよりも幾分大きめの溝幅を有して形成されており、操作部材530が回動操作されたときに上下方向にも変位する揺動アーム533b,533bの先端部を溝内に受容して、操作部材530が自由に揺動できるように構成されている。また本体部521の下側に位置する弁体挿通孔513の前後方向の開口幅は、これら前後のアーム受容溝533bの外面幅に合わせて形成されている。
本体部521の下面側では、前後のアーム受容溝523,523の外側に位置して下方に突出し、アーム受容溝と平行に延びるスライドリブ521r,521rが形成されており、弁体520を取着したときにレール状のスライドリブ521r(および後述するスライド突起526r)で弁体520を支持し、弁体520を左右にスライドさせたときに外装体22との間で生じる摺動抵抗を低減した構成になっている。
本体部521の下面側左端部には、引っ張りバネ547の一端を掛止する掛止フック527が下方に突出成型され、受容凹部60の底面カバー68にはこの掛止フック527の移動範囲に合わせて弁体挿通孔513が細長く延びて形成されている。外装体22の下面側には引っ張りバネ547の他端をネジ固定するバネ固定ボス507が形成されている。なお、球抜き機構BM5では、弁体520の開閉に伴って本体部521が受容凹部60における支持台座67と底面カバー68との間に水平変位する。そこで本構成の灰皿構造では、スペーサリブ67rを支持台座67の下面中央部に1条設けた構成例を示している。
シャッター部524は、球抜き口24の下面側の高さ位置に合わせて上方にオフセットされて本体部521と平行に右側方に張り出すプレート状に形成され、その前後方向寸法が球抜き口24および放出口25の開口寸法よりも大きく、下球皿23の下面側に形成された前後の転入防止壁505a,505bの内面幅よりも幾分小さめに形成されている。シャッター部524の左側方の上端角部は、前後の軸支フランジ間の領域が斜めに面取りされており、後述する開放位置で前後の揺動アーム部533bの右側縁と当接して弁体520の開放位置を規定するようになっている。
シャッター部524の右端には下方に延びて左側方転入防止壁526が形成され、その下端縁面に円弧状のスライド突起526r,526rが下方に突出形成されている。左側方転入防止壁526は、シャッター部524を開放したときに球抜き口24の左側方を塞いで球抜き口24から流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込まないように転入を防止し、スライド突起526rおよび本体側のスライドリブ521rは、弁体520を左右にスライドさせたときに外装体22との間で生じる摺動抵抗を低減する機能を有している。左側方転入防止壁526には、下球皿側の右側方転入防止壁506と係合して弁体520の閉鎖位置を規定するスライド範囲規制突起528が形成されている。
操作部材530は、この操作部材の中心軸をなす揺動軸531、揺動アーム部533bを有する揺動部材533、操作部材530の操作を行う操作部535などからなり、揺動軸531の中間部に揺動部材533、揺動軸531の前端部に操作部535がそれぞれネジ固定されて一体の操作部材530を構成する。
揺動軸531は、中実丸棒の先端部がテーパ状に形成されてベース体の軸支ボス502と嵌脱自在に形成され、中間部および後部の所定位置には固定ネジ543および止めネジ545の先端部を係止するための平坦面が平取り加工されている(図49を参照)。揺動軸531は、例えば所定線径のみがき鋼棒を所定長さに切断し旋削、鍛圧加工等して形成される。
揺動部材533は、中空円筒状のカラー部533aと、このカラー部533aの前方に所定間隔をおいて張出成型された前後一対の揺動アーム部533bとからなり、例えば弁体520と同様にABS樹脂などの熱可塑性樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段で一体に成型される。カラー部533aの中心には揺動軸531の外径よりもわずかに大きめの内径を有する軸受孔が形成され、前後の揺動アーム部533b,533bの間には固定ネジ543を螺合締結して揺動部材533を揺動軸531に固定するための雌ネジ部が軸直交方向に形成されている。
前端の揺動アーム部を含むカラー部の長さ(揺動部材533の前後方向寸法)は、ベース体21に外装体22を装着固定した状態におけるベース体側の軸支ボス502の前端面と、外装体側の軸受ボス512の後端面との間隔に合わせて形成されており、揺動軸531に嵌合支持された揺動部材533が、軸支ボス502と軸受ボス512により上下左右方向(軸芯位置)に位置決めされ、これらのボス502,512に挟持されたカラー部533aにより前後方向に位置決めされ、固定ネジ543を締め込むにより角度方向に位置決めされるようになっている。
一方、前後の揺動アーム部533b,533bは、カラー部533aから軸直交方の同一方向に張り出されたアーム状に形成されており、その先端部には係合ピン542を受容して係合するピン係合溝533h,533hがアームの延びる方向に形成されている。
各ピン係合溝533hは、幅寸法が係合ピン542の軸径と略同一に形成される一方、長さ寸法は操作部535を時計回りおよび反時計回りに揺動させたときに揺動アーム部533bの先端部が上下方向に変位する変位量よりも大きめに形成されている。このため、弁体520の前後の軸支フランジ522間を結んで取り付けられた係合ピン542に、前後のピン係合溝533hを係合させて揺動アーム部533bを揺動させると、ピン係合溝533hと係合ピン542とが左右方向にガタなく嵌合して操作力を弁体520に伝達するとともに、揺動アーム部533bの揺動に伴うアーム先端部の上下方向の変位に対して連結ピン542がピン係合溝533h内を上下に移動して揺動アーム部の相対変位を許容し、操作部材530の揺動角度に応じたストロークで弁体520を左右方向にスライドさせる。
操作部535は、外周縁面にローレット目が形成されたノブ部535aと、揺動軸531を受容するハブ部535bとからなる操作つまみであり、例えば市販の円形ノブや多角形ノブなどが用いられる。ノブ部535aの正面には球抜き操作の方向を示す円弧矢印状の操作表示が設けられ、ハブ部535bには止めネジ545を螺合締結して揺動軸531に操作部材535を固定するための雌ネジ部が軸直交方向に形成されている。
以上のように構成される弁体520および操作部材530を外装体22に組み付け、各部材が組み付けられた外装体22をベース体21の前方から覆い被せるように装着することで、球抜き機構BM5が形成される。組み付けは、まず揺動軸531の後端に操作部535のハブ部535bを嵌合させて止めネジ545を締め込み、ネジ先端部を平取り面に係合させて操作部535を固定する。次いで揺動軸531を軸受ボス512に嵌入し、外装体22の後面側に突出した揺動軸531に揺動部材533のカラー部533aを嵌合させて、操作部材535と揺動部材533とで軸受ボス512を挟持するように係合させ、固定ネジ543の先端部を揺動軸中間の平取り面に係合させて締め込んで揺動部材530を固定する。これにより、操作部材530が外装体22に組み付けられ、揺動軸531の軸廻りに揺動自在に支持される。
次に、揺動アーム部533bを右方の球抜き口25側に揺動させた状態で、球抜き口25側から弁体520を左方にスライドさせ、係合ピン542を揺動アーム部のピン係合溝533hに係合させる。そして、操作部535を正面視における(以下同様につき記載を省略する)時計回りに回動操作し、揺動アーム部533bを時計回りに揺動させて弁体520を左方にスライド移動させる。このとき、揺動アーム部533bの揺動に伴って下動するアーム先端部がアーム受容溝523に受容されて弁体520が支障なく左方にスライド移動される一方、シャッター部524が球抜き口24を開放する開放位置で揺動アーム部533bの右側縁がシャッター部524の上端角部の面取り部に当接し、弁体520の左方へのスライド移動および操作部材530の時計回りの揺動が開放位置で規制される。
このようにシャッター部524を左方に待避させた状態で、各部材が組み付けられた外装体22をベース体21の前方から覆い被せるように装着しネジ止めする。このときベース体の区画壁係合部501が外装体の区画壁64と係合し、またベース体の右側方転入防止壁506が外装体の右側方ガイド壁516と係合して外装体22を左右方向に位置決めし、外装体22を案内するスライドガイドとして機能する。またこのスライド過程で揺動軸531の前端部がベース体側の軸支ボス502に嵌合支持され、操作部材530が軸支ボス502と軸受ボス512との間に位置決めされて支持される。
そして操作部535を反時計回りに回動してシャッター部524が球抜き口24を閉じる閉鎖位置に位置させ、外装体下面側のバネ固定ボス507に引っ張りバネ547の一端をねじ止めし、引っ張りバネ547の他端側を掛止フック527に掛止して張り渡すことにより、球抜き機構BM5が組み付けられ、球抜き機構を備えた下球皿構造体20が形成される。なお図49および図51に二点鎖線で付記するように、外装体22の下面側に引っ張りバネ547を覆うバネケース548を設けることで、部材の損傷や誤作動を効果的に防止することができる。
こうして球抜き機構BM5が組み付けられると、弁体520は区画壁64の下側の弁体収容部511に左右方向に水平変位可能に収容支持され、常には引っ張りバネ547により右方に付勢されてシャッター部右端のスライド範囲規制突起528が右側方転入防止壁506に当接して移動規制され、シャッター部524が球抜き口24の背面側で開口を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図48および図50を参照)。従って、下球皿払出通路から払出バケット18および下通出口17を介して下球皿23に払い出された遊技球が閉鎖位置にある弁体520により流下規制され下球皿23に貯留される。
球抜き作業を行うには、操作部535を摘んで時計回りに回動操作し、引っ張りバネ547の付勢力に抗して操作部材530を揺動させる。すると外装体内部の弁体収容部511で揺動アーム533bが時計回りに揺動され、アーム先端部のピン係合溝533hに係合する係合ピン542を介して弁体520が左方に押圧されて、弁体520が操作部535の揺動角度に応じたストロークで左方にスライド移動する。このとき、シャッター部524の前後の端面が下球皿23の前後の転入防止壁505a,505bにガイドされ、弁体下面側のスライドリブ521rおよびスライド突起526rに支持された弁体520が滑るように左方にスライド移動して球抜き口24が開かれる。
そして、揺動アーム部533bの右側縁がシャッター部524の上端角部の面取り部に当接し、弁体520の左方へのスライド移動および操作部材530の時計回りの揺動が規制される角度位置まで揺動部材530が揺動されると、シャッター部524が球抜き口24の背面側で開口全体を開放する開放位置に配設され(図47および49を参照)、下球皿23に貯留された遊技球が球抜き口24および放出口25を通って下方に準備された球箱BBに流下する。
球抜き口24の下側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁505a、球抜き口24の後方に後方転入防止壁505b、球抜き口24の右側方に右側方転入防止壁506、シャッター部524の右端に左側方転入防止壁526が配設されている。このため、弁体520を開いたときに、球抜き口24の下部周辺がこれらの転入防止壁に囲まれてダクト状の排出路を形成し、球抜き口24から放出口25に流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込むようなことがない。
球抜き作業を終了するときには、操作部535を開放位置に保持させる保持力を弱めればよい。保持力が弱められると、引っ張りバネ547に蓄積された弾性力によって引っ張りバネ547が縮小方向に自己復帰し、弁体520が弁体収容部511内を右方にスライド移動してシャッター部524が球抜き口24を閉じる。これに伴って右動する係合ピン542により揺動アーム部533bが反時計回りに揺動され、操作部535が弁体520の移動量に応じた揺動角度で反時計回りに揺動される。
そしてシャッター部右端のスライド範囲規制突起528が右側方転入防止壁506に当接すると弁体520の右方への移動が規制され、所定の付勢力を保持した状態でシャッター部524が球抜き口24の背面側で開口を閉鎖する閉鎖位置に保持され、操作部535が球抜き操作以前の揺動角度位置に配置される。(図48および図50を参照)。
このように、球抜き機構BM5では、球抜き口24の開閉操作を行う操作部535が下球皿23の左側に位置して回動操作可能に設けられているため、右手で発射ハンドル14を回動操作したまま左手で球抜き操作を簡単に行うことができる。
また、操作部535が下球皿構造体20の前面側に設けられるものの、下球皿23の左側に位置し、かつ前後方向に延びる回動軸まわりに回動操作可能に設けられているため、遊技者が座席から立ち上がったり着座しようとするとき、あるいは隣接するパチンコ機に放置された球箱を取ろうとして横を向いたときなどに、下球皿構造体20で最も前方に突出する前面中央部にぶつかったとしても、左側に配設された操作部535に当接する確率が低いうえ、当接により操作部535が回動される確率はさらに低く、遊技球を周囲にまき散らしてしまうような事態を大幅に抑制することができる。さらに、球抜き機構の主要構成部が区画壁64の下部領域を有効に利用して構成されるとともに、操作部535が区画壁64の前方の構造体前面側に配設されるため、コンパクトな構成で操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。また、操作部535が球皿構造体20の前面側に設けられ、かつ操作部535が軸受ボス512の前方を覆って配設されるため、タバコの灰やごみ等の侵入を効果的に防止し得る構成になっている。
従って、以上説明した球抜き機構BM5によれば、誤操作による遊技球の飛散を有効に防止して、遊技者にとって操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
なお、以上では操作部材を操作する操作部として、外周縁面にローレット目が形成された円筒形の操作部535を例示したが、図52に操作部の他の構成例を背面図で例示するように、多角形形態の操作部を用いることや、操作部535および揺動部材533を固定するネジ(543,545)にトガリ先の止めネジ549を用い、揺動軸531にサラモミ穴を形成してこれらの部材を固定するように構成することもできる。
また、図52(a)に示す操作部535′のようにノブ部535aの外周縁面に突起部535tを設けるとともに、この突起部535tを挟む円筒面を前後に切り離してラジアル方向に弾性変形可能に形成する一方、軸受ボス512′の内周面には弁体520が開放位置にあるときに突起部535tと係合する係合凹部512tを形成し、操作部535が弁体520の開放位置まで回動されたときに突起部535tと係合凹部512tとが係合して操作部535を当該揺動角度位置に係止し、弁体520を開放位置に保持させる開放保持構造を付設することも好ましい構成形態である。さらに、図52(b)に示すように操作部535′の正面側に操作部の角度位置を示す指標部535sを設け、操作部材530がどのような揺動角度位置にあるのかを外装体22の正面から一目で把握可能に構成することも好ましい構成形態である。そして、図52(a)(b)に示したような開放保持構造を備えた球抜き機構によれば、上記した効果に加えて、さらに球抜き作業の操作性を向上させた球抜き機構を提供することができる。
(球抜き機構BM6)
次に、第6構成形態の球抜き機構BM6について、図53〜図64の各図を参照して説明する。ここで、図57は球抜き機構BM6の構造を斜め前方から見た分解斜視図、図58は球抜き機構BM6の組み付け状態を示す平面図、図59は球抜き機構BM6の平面図、図60は閉鎖状態にある球抜き機構BM6を正面側から見た部分断面図、図61は開放状態にある球抜き機構BM6を正面側から見た断面図、図62は球抜き機構BM6を下球皿23側から見た側断面図、図63は球抜き機構BM6を灰皿構造AT1側から見た側断面図、図64(a)(b)はそれぞれ図60中に付記する64a、64b矢視の平断面図である。
なお、図53は球抜き機構BM6を備えたパチンコ機PMにおけるガラス扉5および上球皿+構造体6を開放した状態の正面図(図1に対応する正面図)、図54は灰皿構造AT1を左斜め前方から見た斜視図(図2に対応する斜視図)、図55は灰皿装着状態における灰皿中央部での側断面図(図3に対応する側断面図)、図56は灰皿脱着時における灰皿中央部での側断面図(図4に対応する側断面図)であるが、パチンコ機PMの本体構成および下球皿構造体20に設けられる灰皿構造AT(AT1,AT2)の構成については既に詳述した内容と同様であるため、図53〜図56の各図における同様部分に同一番号を付して重複説明を省略する。
球抜き機構BM6は下球皿構造体20に設けられており、底部に球抜き口24を有し上方に開口する皿部内に遊技球を貯留する下球皿23と、球抜き口の背面側に水平変位可能に配設され球抜き口24を開閉する弁体620と、弁体620の変位操作を行う操作部材630とを備え、操作部材630の操作部635が下球皿23の左側における下球皿構造体20の上面側に、上下方向に延びる回動軸まわりに回動操作可能に設けられ、操作部635を回動操作したときに弁体620が水平変位して球抜き口24を開閉するように構成される。
下球皿構造体20は、既述した各下球皿構造体と同様に、下球皿構造体20の基体をなすベース体21と、下球皿構造体20の外殻をなす外装体22とを主体とし、ベース体21の前方から外装体22を覆い被せるように装着して、ベース体21の後面側から外装体22をネジ固定することで一体のアッセンブリに形成される。
ベース体21には、底面が緩く前方および左方に下傾して上面開放の深皿形態をなす下球皿23が一体に成型され、傾斜下端の左前方部に上下連通する球抜き口24が開口形成されている。下球皿23の左上方には、外装体22に形成された区画壁64の内側形状と整合して前後方向に係脱自在な区画壁係合部601が設けられている。
下球皿23の下面側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁605a、後方に後方転入防止壁605b、右側方に右側方転入防止壁606が形成されている。これらの転入防止壁605a,605b,606は、球抜き口24の周囲を取り囲むように下向きに突出成型されており、球抜き口24から流下する遊技球が下球皿23の底面と外装体22との間に入り込むことを防止する。前後の転入防止壁605a,605bは、弁体620におけるシャッター部624の前後端面と係合して左右方向へのスライドを案内するスライドガイドとしても機能し、また右側方転入防止壁606は、弁体620の閉鎖姿勢においてシャッター部右端の左側方転入防止壁626と係合して弁体620の閉鎖位置を規定するスライド規制部としても機能する。
一方、外装体22は、全体として灰皿構造ATの収容凹部60(80)および下球皿23の開口上面を除くベース体21の上下および前面を覆う外殻カバー状に形成されている。外装体22の上面側では、区画壁64の右側壁の下部に下球皿23の上縁フランジ面と係合するリブフランジが形成され、その下側に区画壁64の下部領域と下球皿23側とを左右に連通する開口部が形成されている。
外装体22の底面側には、球抜き口24と略同一の前後方向開口寸法を有し、組立状態において球抜き口24の下方に位置する放出口25が上下に連通して開口形成され、その右側方に上方に突出して前後に延びるリブ状の右側方ガイド壁616が形成されている。右側方ガイド壁616は、ベース体21の右側方転入防止壁606の右側に位置整合してこの転入防止壁606と係脱自在に形成されており、ベース体21に外装体22を装着する際に右側方転入防止壁606と係合してスライド装着を案内するガイド壁として機能する。放出口25の左側には、弁体620における弁体側掛止フック627を下面側に挿通させ、本体部621を収容凹部60側に挿通させる弁体挿通孔613が開口形成されている。
外装体22の前方部では、区画壁64が比較的短めに形成されて下球皿前方の上面と同一高さの平坦面が形成され、この上面に操作部635のハブ部635bを挿通させるハブ挿通孔612a、外装体22の下面に操作部材630における揺動軸631の下端部を枢支する軸受孔612b、これらの中間に操作部材635と揺動部材633との間で揺動軸631の外周面を支持する支持フランジ612cが同軸上に形成されており、操作部材630の抜け落ちを防止しつつ揺動軸631廻りに回動自在に支持し得るようになっている。
一方、弁体620は、基板となる本体部621と、この本体部621の上面に突出成型されたリンクボス622、本体部621から上方にオフセットされて本体部と平行に左右に延びるシャッター部624などを主体とし、既述した弁体120と同様の樹脂材料を用いて成型される。
本体部621の上面に突出成型されたリンクボス622は、円筒突起状に形成されて軸心にネジ642を受容するネジ受容孔が上下貫通して形成されており、平座金を介してネジ642を螺着することで、後述するボス係合溝633hとの係合が安易に外れないようになっている。
本体部621の下面側では、本体部621の前後端部に下方に突出して左右に延びるレール状のスライドリブ621r,621rが形成されており、弁体620を取着したときに前後のスライドリブ621rで弁体620を支持し、弁体620を左右にスライドさせたときに外装体22との間で生じる摺動抵抗を低減した構成になっている。
また本体部621の下面側左端部には、引っ張りバネ647の一端を掛止する弁体側掛止フック627が下方に突出成型される一方、外装体22の下面側には引っ張りバネ647の外周を覆うバネケース648をネジ固定するためのケース固定ボス608が形成され、バネケース648の右側面には引っ張りバネ647の他端を掛止するケース側掛止フック607が形成されている。なお、球抜き機構BM6では、弁体620の開閉に伴って本体部621が受容凹部60における支持台座67と一部重複する高さ位置で水平変位する。そこで本構成の灰皿構造では、支持台座67をこの移動軌跡に合わせて一部切り欠いて形成するとともに、スペーサリブ67rを支持台座67の下面中央部に1条設けた構成例を示している。
シャッター部624は、球抜き口24の下面側の高さ位置に合わせて上方にオフセットされて本体部621と平行に右側方に張り出すプレート状に形成され、その前後方向寸法が球抜き口24および放出口25の開口寸法よりも大きく、下球皿23の下面側に形成された前後の転入防止壁605a,605bの内面幅よりも幾分小さめに形成されている。
シャッター部624の右端には下方に延びて左側方転入防止壁626が形成されている。左側方転入防止壁626は、シャッター部624が開放されたときに球抜き口24の左側方を塞いで球抜き口24から流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込まないように転入を防止するとともに、シャッター部624が閉鎖されたときに下球皿の右側方転入防止壁606と係合して弁体620の閉鎖位置を規定する機能を持っている。
本体部621とシャッター部624との間を繋ぐ立設面の前方部分には、揺動アーム633bの揺動軌跡に合わせてスリット状のアーム受容溝623が切り欠き形成されており、操作部材630を揺動させて弁体620を開放位置に位置させたときに、揺動アーム部633bを溝内に受容して立設面と揺動アーム部633bとが干渉しないようになっている。シャッター部624の下面側には、下方に突出して立設面と左側方転入防止壁626との間を結ぶセンターリブ624rが形成されており、遊技球の荷重によるシャッター部624の撓みを抑制した構成になっている。
操作部材630は、この操作部材の中心軸をなす揺動軸631、揺動アーム部633bを有する揺動部材633、操作部材630の操作を行う操作部635などからなり、揺動軸631の上端部に操作部635、揺動軸631の下部に揺動部材633がそれぞれネジ固定されて一体の操作部材630を構成する。
揺動軸631は、中実丸棒のシャフトであり、その先端部がベース体の軸受孔612bと嵌脱自在に形成され、上部および中間部の所定位置にはそれぞれ操作部635を固定する止めネジ645および揺動部材633を固定する止めネジ643の各トガリ先部分を受容して係止するためサラモミ穴が加工されている(図64(a)(b)を参照)。揺動軸631は、例えば所定線径のみがき鋼棒を所定長さに切断し旋削、穿孔加工等して形成される。
揺動部材633は、中空円筒状のカラー部633aと、このカラー部633aの下端に設けられた揺動アーム部633bとからなり、例えば弁体620と同様の樹脂材料を用いて射出成型等の成形手段により一体成型され、あるいは金属製のカラー部とアーム部とをカシメ圧着や溶着等して一体に形成される。カラー部633aの中心には揺動軸631の外径よりもわずかに大きめの内径を有する軸受孔が形成され、揺動軸631と整合する所定位置には止めネジ643を螺合締結して揺動部材633を揺動軸631に固定するための雌ネジ部が軸直交方向に形成されている(図64 (b)を参照)。
下端の揺動アーム部を含むカラー部の長さ(揺動部材633の上下方向寸法)は、揺動部材633におけるカラー部633aの上端面を支持フランジ612cの下面に当接させたときに、揺動アーム部633bの下面が弁体620の本体部621の上面と略同一高さになるように設定されており、揺動軸631に嵌合支持された揺動部材633が、ハブ挿通孔612aと軸受孔612bにより前後左右方向(軸芯位置)に位置決めされ、止めネジ643を締め込んでサラモミ穴に係止することで上下方向および角度方向に位置決めされるようになっている。
一方、揺動アーム部633bは、カラー部633aから軸直交方向に張り出されてアーム状に形成されており、その先端部にはリンクボス622を受容して係合するボス係合溝633hがアームの延びる方向に形成されている。
ボス係合溝633hは、その幅寸法がリンクボス622の軸外径と略同一に形成される一方、長さ寸法は操作部635を時計回りおよび反時計回りに揺動させたときに揺動アーム部633bの先端部が前後方向に変位する変位量よりも大きめに形成されている。このため、弁体のリンクボス622にボス係合溝633hを係合させて揺動アーム部633bを揺動させると、ボス係合溝633hとリンクボス622とが左右方向にガタなく嵌合して操作力を弁体620に伝達するとともに、揺動アーム部633bの揺動に伴うアーム先端部の前後方向の変位に対してリンクボス622がボス係合溝633h内を前後に移動して揺動アーム部の相対変位を許容し、操作部材630の揺動角度に応じたストロークで弁体620を左右方向にスライドさせる。
操作部635は、円形ノブの上面に平板状のつまみ部が立設されたノブ部635aと、揺動軸631を受容するハブ部635bとからなる操作つまみであり、例えば市販のつまみノブや多角形ノブ、ウィングノブなどが用いられる。ハブ部635bには止めネジ645を螺合締結して揺動軸631に操作部材635を固定するための雌ネジ部が軸直交方向に形成されている(図64(a)を参照)。
以上のように構成される弁体620および操作部材630を外装体22に組み付け、各部材が組み付けられた外装体22をベース体21の前方から覆い被せるように装着することで、球抜き機構BM6が形成される。組み付けは、まず揺動軸631の上端に操作部635のハブ部635bを嵌合させて止めネジ645を締め込み、ネジ先端のトガリ先をサラモミ穴係合させて操作部635を固定する。次いで揺動部材633を支持フランジ612cと軸受孔612bとの間に配設し、ハブ挿通孔612aの上方から揺動軸631を挿入して揺動部材633を貫通させて軸受孔612bに枢支させる。そして操作部のハブ部635bと揺動部材のカラー部633aとで支持フランジ612cを挟持させ、カラー部の側方から止めネジ643を締め込んで先端のトガリ先を揺動軸のサラモミ穴に係止して揺動部材630を固定する。これにより、操作部635を上方に引き上げても抜けることなく操作部材630が外装体22に組み付けられ、揺動軸631の軸廻りに揺動自在に支持される。
次に、揺動アーム部633bを右方の球抜き口25側に揺動させた状態で、球抜き口25側から弁体620を左方にスライドさせ、リンクボス622を揺動アーム部のボス係合溝633hに係合させる。そして、操作部635を平面視における(以下同様につき記載を省略する)反時計回りに回動操作し、揺動アーム部633bを反時計回りに揺動させて弁体620を左方にスライド移動させる。このとき、揺動アーム部633bの揺動に伴って左方に移動するアーム受容溝623にアーム中間部が受容され弁体620が支障なく左方にスライド移動される。そしてシャッター部624が球抜き口24を開放する開放位置に到達すると、本体部621の左端面が支持台座67の右端面に当接して左方へのスライド移動が規制され、弁体620が開放位置に配設される。
このようにシャッター部624を左方に待避させた状態で、各部材が組み付けられた外装体22をベース体21の前方から覆い被せるように装着しネジ止めする。このときベース体の区画壁係合部601が外装体の区画壁64と係合し、またベース体の右側方転入防止壁606が外装体の右側方ガイド壁616と係合して外装体22を左右方向に位置決めし、外装体22を案内するスライドガイドとして機能する。区画壁64の下方には、収容凹部60の右側壁面、下球皿23の左側壁面、区画壁係合部601、および外装体22の下面に囲まれて弁体収容部611が形成される。
そして操作部635を時計回りに回動してシャッター部624が球抜き口24を閉じる閉鎖位置に位置させ、外装体22の下面側に突出する弁体側掛止フック627に引っ張りバネ647の一端を掛止し、引っ張りバネ647の他端をバネケース648のケース側係止フック607に掛止して、バネケース648を外装体下面のケース固定ボス608にネジ固定することにより、球抜き機構BM6が組み付けられ、球抜き機構を備えた下球皿構造体20が形成される。
こうして球抜き機構BM6が組み付けられると、弁体620は区画壁64の下側の弁体収容部611に左右方向に水平変位可能に収容支持され、常には引っ張りバネ647により右方に付勢されてシャッター部右端の左側方転入防止壁626が右側方転入防止壁606に当接して移動規制され、シャッター部624が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持される(図60および図62を参照)。従って、下球皿払出通路から払出バケット18および下通出口17を介して下球皿23に払い出された遊技球が閉鎖位置にある弁体620により流下規制され下球皿23に貯留される。
球抜き作業を行うには、操作部635を摘んで反時計回りに回動操作し、引っ張りバネ647の付勢力に抗して操作部材630を揺動させる。すると外装体内部の弁体収容部611で揺動アーム633bが反時計回りに揺動され、アーム先端部のボス係合溝633hに係合するリンクボス622を介して弁体620が左方に押圧されて、弁体620が操作部635の揺動角度に応じたストロークで左方にスライド移動する。このとき、シャッター部624の前後の端面が下球皿23の前後の転入防止壁605a,605bにガイドされ、本体部下面のスライドリブ621rに支持された弁体620が滑るように左方にスライド移動して球抜き口24が開かれる。
そして、本体部621の左端面が支持台座67の右端面に当接し、弁体620の左方へのスライド移動および操作部材630の反時計回りの揺動が規制される角度位置まで揺動部材630が揺動されると、シャッター部624が球抜き口24の背面側で開口全体を開放する開放位置に配設され(図59および49を参照)、下球皿23に貯留された遊技球が球抜き口24および放出口25を通って下方に準備された球箱BBに流下する。
球抜き口24の下側では、球抜き口24の前方に前方転入防止壁605a、球抜き口24の後方に後方転入防止壁605b、球抜き口24の右側方に右側方転入防止壁606、シャッター部624の右端に左側方転入防止壁626が配設されている。このため、弁体620を開いたときに、球抜き口24の下部周辺がこれらの転入防止壁に囲まれてダクト状の排出路を形成し、球抜き口24から放出口25に流下する遊技球がベース体21と外装体22との間に入り込むようなことがない。
球抜き作業を終了するときには、操作部635を開放位置に保持させる保持力を弱めればよい。保持力が弱められると、引っ張りバネ647に蓄積された弾性力によって引っ張りバネ647が縮小方向に自己復帰し、弁体620が弁体収容部611内を右方にスライド移動してシャッター部624が球抜き口24を閉じる。これに伴って右動するリンクボス646により揺動アーム部633bが時計回りに揺動され、操作部635が弁体620の移動量に応じた揺動角度で時計回りに揺動される。
そしてシャッター部右端の左側方転入防止壁626が右側方転入防止壁606に当接すると弁体620の右方への移動が規制され、所定の付勢力を保持した状態でシャッター部624が球抜き口24の背面側で開口全体を閉鎖する閉鎖位置に保持され、操作部635が球抜き操作以前の揺動角度位置に配置される。(図60および図62を参照)。
このように、球抜き機構BM6では、球抜き口24の開閉操作を行う操作部635が下球皿23の左側に位置して下球皿構造体20の上面側に回動操作可能に設けられているため、右手で発射ハンドル14を回動操作したまま左手で球抜き操作を簡単に行うことができ、かつ下球皿構造体20と腹部との間隔が密着してしまうような遊技者であっても容易に球抜き操作を行うことができる。
また、操作部635が下球皿構造体20の上面側に回動操作可能に設けられているため、遊技者が座席から立ち上がったり着座しようとするとき、あるいは隣接するパチンコ機に放置された球箱を取ろうとして横を向いたときなどに、たとえ下球皿構造体20の前面にぶつかっても操作部が開方向に誤操作されて球抜き口が開放されるようなことがなく、遊技球を周囲にまき散らしてしまうような事態が生じない。さらに、球抜き機構の主要構成部が区画壁64の下部領域を有効に利用して構成されるとともに、操作部635が球皿構造体上面の区画壁64の前方に配設されるため、コンパクトな構成で操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。また、操作部635がハブ挿通孔612aを覆って配設されるため、タバコの灰やごみ等の侵入を効果的に防止し得る構成になっている。
従って、以上説明した球抜き機構BM6によれば、誤操作による遊技球の飛散を有効に防止して、遊技者にとって操作性の良好な球抜き機構を提供することができる。
なお、以上では操作部635を下球皿構造体20の上面側に配設した構成例を示したが、操作部635を下球皿構造体20の下面側に配設し、あるいは下球皿構造体20の上下両面に配設して、本構成形態の球抜き機構を構成することもできる。例えば、操作部材630の配置を上下逆に構成して外装体22の下面側に操作部635を配設し、あるいは上面側の操作部635に加えて揺動軸631の下端部にも操作部を取り付けることにより、上下いずれの操作部でも球抜き操作ができる球抜き機構を構成することも可能である。