JP2005073696A - 不活化したnirオペロンを有する腸内細菌科の細菌を用いたL−アミノ酸の製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 L−アミノ酸生産株の生産性を向上させ、それらの株を用いてL−アミノ酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】 腸内細菌科のL−アミノ酸生産菌であって、nirオペロンが不活化するように改変されている細菌を培地で培養し、培地から蓄積されたL−アミノ酸を回収することを含む、L−アミノ酸の製造法。
【選択図】 図1
【解決手段】 腸内細菌科のL−アミノ酸生産菌であって、nirオペロンが不活化するように改変されている細菌を培地で培養し、培地から蓄積されたL−アミノ酸を回収することを含む、L−アミノ酸の製造法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、微生物産業、詳しくは、nirBDC−cysG遺伝子を含むnirオペロンが不活化されている腸内細菌科の細菌を用いたL−アミノ酸の製造法に関する。
エシェリヒア・コリは(Escherichia coli)、nrfABCDEFGおよびnirBDCオペロンによりコードされる2種の生化学的に異なる亜硝酸レダクターゼ酵素を有している(非特許文献1)。nirオペロンの基礎発現レベルはnrfオペロンのそれよりも約8倍高く、硝酸塩を加えることにより21倍増加し得る(非特許文献2)。nirBDCオペロンの転写は、単一のプロモーターから駆動され、発現は2種の環境的シグナル、すなわち、生育培地中の酸素の非存在、および亜硝酸または硝酸塩イオンの存在により、活性化される(非特許文献3、非特許文献4)。また、cysG遺伝子は、nirBDCオペロンとともに共転写(co-transcribe)されるが、第二の構成プロモーターが、cysG遺伝子の上流100bp未満に位置している(非特許文献5)。
cysG遺伝子の産物、シロヘム合成酵素は、ヘム補因子であるシロヘム(これは硫酸および亜硝酸還元プロセスで亜硫酸レダクターゼおよび亜硝酸レダクターゼ酵素に使用される)の合成を触媒する。
NirBDC亜硝酸レダクターゼもまた、NADHを電子供与体として使用して細胞質中の亜硝酸塩を還元する、シロヘム含有酵素である(非特許文献6、非特許文献7)。nirB遺伝子を欠損したエシェリヒア・コリ変異株は、NADH依存性亜硝酸レダクターゼの活性を欠き、嫌気的生育の間にゆっくりと亜硝酸塩を還元する。これらの変異株は生育にシステインを必要とする(非特許文献8)。
cysG変異株の栄養要求性は、それらがCysIJ酵素の補因子であるシロヘムを生成できないためである。シロヘム依存性亜硫酸還元は、硫酸塩または亜硫酸塩が硫黄源としてシステイン、メチオニン、および他の硫黄含有代謝産物の合成に用いられるときはいつでも、それらの代謝産物の合成に必要とされる(非特許文献9、非特許文献10)。シロヘムはまた、亜硝酸レダクターゼ(NirB)にも必要であるため、cysG変異株はまた、亜硝酸塩の還元が不完全である。
nirプロモーター(Pnir)は、FNR結合部位(位置−41.5)、NarL/NarP結合部位(位置−69.5)(非特許文献11、非特許文献12)、Fis結合部位(−142、+23)、IHF結合部位(−88)、およびヌクレオイド(核様体)関連タンパク質であるH−NS(nirプロモーターの上流の配列に優先的に結合する)を含んでいる。
nirプロモーターは、次の3つのDNA結合タンパク質、Fis、IHF、およびH−NSにより抑制される。nirプロモーター発現の活性化は、FNRタンパク質(嫌気的に誘発される転写アクチベーター)と、NarLまたはNarPタンパク質(亜硝酸塩および硝酸塩により誘発される転写アクチベーター)の両方に共依存(co-dependent)している。嫌気的条件下では、FNRは部位−41.5に結合して、nirオペロンの転写を活性化する。nirプロモーターは、培地中の亜硝酸または硝酸イオンの存在によりさらに調節される。これは、2つのよく似た応答−制御ファミリー転写因子、NarLおよびNarPにより達成される(非特許文献13により総説される)。亜硝酸塩または硝酸
塩に応答して、NarLおよびNarPは、膜結合センサーであるリン酸化酵素タンパク質、NarXおよびNarQによりリン酸化される。次いで、リン酸化したNarLおよびNarPは、標的プロモーターの特異的七量体配列に結合し、そしてこれらのプロモーターで転写開始を上方または下方のいずれかに調節する(例えば、非特許文献14、非特許文献15を参照)。
塩に応答して、NarLおよびNarPは、膜結合センサーであるリン酸化酵素タンパク質、NarXおよびNarQによりリン酸化される。次いで、リン酸化したNarLおよびNarPは、標的プロモーターの特異的七量体配列に結合し、そしてこれらのプロモーターで転写開始を上方または下方のいずれかに調節する(例えば、非特許文献14、非特許文献15を参照)。
Fis、IHF、およびH−NSの連携は、nirプロモーターDNAが、FNR依存性転写活性化を抑制する高次核タンパク質構造に隔絶されることを示唆している。NarLおよびNarPは、IHF媒介性およびFis媒介性抑制の両方を軽減し得るが、H−NS媒介性抑制を打ち消すことはできない(非特許文献16)。
nirB誘導に必要な高亜硝酸塩条件は、解毒におけるNirB酵素に提唱されている役割と一致する(非特許文献17)。NirB酵素について第二の妥当と思われる役割は、過剰な還元等量(reducing equivalent)が細胞内に存在する条件下で、NADHを酸化することによりそれを再生させることである。そのような条件は、NarG硝酸レダクターゼ複合体を介して硝酸塩依存性呼吸により十分なエネルギーが生成される場合に生じる。したがって、NirB酵素の存在は、細胞が、NADH−NAD再生のための無駄なサイクルを使用することにより、亜硝酸呼吸経路から炭素異化作用を効果的に切り離すことを可能にする(非特許文献18)。
Cole, J., FEMS Microbiol. Lett. 136:1-11 (1996) Wang, H. and Gunsalus, H.P., J. Bacteriol., 182, No. 20, p. 5813-5822 (2000) Jayaraman et al., J. Mol. Biol., 196, 4:781-8 (1987) Page et al., Arch Microbiol., 154:4:349-54, (1990) Peakman, T. et al, Eur. J. Biochem., 191(2):325-331 (1990) MacDonald, H. and Cole, J., Mol. Gen. Genet., 200:320-334 (1985) Peakman, T. et al, Eur. J. Biochem., 191:315-323 (1990) Cole, J.A. et al, J. Gen. Microbiol. 120:475-483 (1980) Becker, M.A. et al, J. Biol. Chem., 244:2418-2427 (1969) Becker, M.A. and Tomkins, G.M., J. Biol. Chem., 244:6023-6030 (1969) Jayaraman, P.S. et al, Nucleic Acids Res. 17:1 135-45 (1989) Tyson, K.L. et al, Mol. Microbiol., 7:1:151-7 (1993) Darwin, A.J. et al, Mol. Microbiol., 20:3:621-32 (1996) Tyson, K.L. et al., Mol. Microbiol., 13:6:1045-55 (1994) Darwin, A.J. et al., Mol. Microbiol., 25:3:583-95 (1997) Browning D.F. et al, Molecular Microbiology, 37(5), 1258-1269 (2000) Fazzio, T. G., and Roth, J. R., J. Bacteriol. 178:6952-6959 (1996) Wang, H. and Gunsalus, R.P., J. Bacteriol., 182, No. 20, p. 5813-5822 (2000)
Cole, J., FEMS Microbiol. Lett. 136:1-11 (1996) Wang, H. and Gunsalus, H.P., J. Bacteriol., 182, No. 20, p. 5813-5822 (2000) Jayaraman et al., J. Mol. Biol., 196, 4:781-8 (1987) Page et al., Arch Microbiol., 154:4:349-54, (1990) Peakman, T. et al, Eur. J. Biochem., 191(2):325-331 (1990) MacDonald, H. and Cole, J., Mol. Gen. Genet., 200:320-334 (1985) Peakman, T. et al, Eur. J. Biochem., 191:315-323 (1990) Cole, J.A. et al, J. Gen. Microbiol. 120:475-483 (1980) Becker, M.A. et al, J. Biol. Chem., 244:2418-2427 (1969) Becker, M.A. and Tomkins, G.M., J. Biol. Chem., 244:6023-6030 (1969) Jayaraman, P.S. et al, Nucleic Acids Res. 17:1 135-45 (1989) Tyson, K.L. et al, Mol. Microbiol., 7:1:151-7 (1993) Darwin, A.J. et al, Mol. Microbiol., 20:3:621-32 (1996) Tyson, K.L. et al., Mol. Microbiol., 13:6:1045-55 (1994) Darwin, A.J. et al., Mol. Microbiol., 25:3:583-95 (1997) Browning D.F. et al, Molecular Microbiology, 37(5), 1258-1269 (2000) Fazzio, T. G., and Roth, J. R., J. Bacteriol. 178:6952-6959 (1996) Wang, H. and Gunsalus, R.P., J. Bacteriol., 182, No. 20, p. 5813-5822 (2000)
しかし、現在までに、L−アミノ酸の製造を目的としてnirオペロンを不活化することを記載した報告はない。
本発明の目的は、L−アミノ酸生産株の生産性を向上させることである。本発明のさら
なる目的は、それらの株を用いてL−アミノ酸を製造する方法を提供することである。
なる目的は、それらの株を用いてL−アミノ酸を製造する方法を提供することである。
本発明は、腸内細菌科のL−アミノ酸生産菌であって、nirオペロンが不活化するように改変されている細菌を提供する。
また本発明は、前記nirオペロンはnirBDC遺伝子およびcysG遺伝子を含む、前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、エシェリヒア属に属する前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、前記L−アミノ酸はL−アルギニンである、前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、L−アルギニンオペロンの発現が増強されるように改変されている前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、前記の細菌を培地で培養し、培地から蓄積されたL−アミノ酸を回収することを含む、L−アミノ酸の製造法を提供することである。
また本発明は、前記L−アミノ酸はL−アルギニンである、前記の方法を提供する。
また本発明は、前記細菌は、L−アルギニンオペロンの発現が増強されるように改変されている、前記の方法を提供する。
また本発明は、前記nirオペロンはnirBDC遺伝子およびcysG遺伝子を含む、前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、エシェリヒア属に属する前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、前記L−アミノ酸はL−アルギニンである、前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、L−アルギニンオペロンの発現が増強されるように改変されている前記L−アミノ酸生産菌を提供する。
また本発明は、前記の細菌を培地で培養し、培地から蓄積されたL−アミノ酸を回収することを含む、L−アミノ酸の製造法を提供することである。
また本発明は、前記L−アミノ酸はL−アルギニンである、前記の方法を提供する。
また本発明は、前記細菌は、L−アルギニンオペロンの発現が増強されるように改変されている、前記の方法を提供する。
本発明により、発酵法によるL−アルギニン等のL−アミノ酸の生産性を向上させることができる。
前記の目的は、nirオペロンを不活化することにより、L−アルギニンのようなL−アミノ酸の生産を増強させ得ることを見い出したことにより達成された。本発明はこうして完成されたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.本発明の細菌
本発明の細菌は、nirオペロンが不活化するように改変された腸内細菌科のL−アミノ酸生産菌である。
本発明の細菌は、nirオペロンが不活化するように改変された腸内細菌科のL−アミノ酸生産菌である。
本発明において、「L−アミノ酸生産菌」は、本発明の細菌が培地で培養したときに、培地中にL−アミノ酸を生成、蓄積させる能力を有する細菌を意味する。L−アミノ酸生産能は、育種に付与又は増強されてもよい。ここで使用される用語「L−アミノ酸生産菌」はまた、エシェリヒア・コリK−12株のような、細菌の野生型または親株よりも多い量のL−アミノ酸を培地中に生成および蓄積し得る細菌を意味し得る。
本発明において使用され得る腸内細菌科(Enterobacteriaceae)の細菌は、特に制限されないが、例えば、Neidhardt, F.C. et al. (Escherichia coli and Salmonella typhimurium, American Society for Microbiology, Washington D.C., 1208, Table 1)に記載された細菌が含まれる。
腸内細菌科は、エシェリヒア属、エルウィニア(Erwinia)属、プロビデンシア(Providencia)属、およびセラチア(Serratia)属細菌を含む。エシェリヒア属が好ましい。
用語「エシェリヒア属細菌」は、微生物学の当業者に既知の分類に従ってエシェリヒア属として分類される細菌を意味する。本発明で使用されるエシェリヒア属微生物の例として、エシェリヒア・コリ(E.coli)が挙げられ得る。エシェリヒア・コリは本発明で最も好ましい。
用語「nirオペロンが不活化された」あるいは「nirオペロンを不活化する」は、改変された標的オペロンの遺伝子が活性が減少した又は活性を持たない変異型タンパク質をコードするように、標的オペロンが改変されることを意味する。オペロンの一部分の欠失、1又は複数のオペロン遺伝子のリーディングフレームのずれ、または1もしくは複数のプロモーター、エンハンサー、アテニュエーター等のオペロン発現を制御する配列を含むオペロンの隣接領域の改変により、改変されたDNA領域がオペロンを普通に発現できないということでもよい。nirオペロンの発現はnirB遺伝子の上流に位置する単一プロモーターから駆動され、cysG遺伝子の構成的な基本発現レベルはそれ自身の弱いプロモーターのために、シロヘム合成には不十分である。したがって、nirB遺伝子の下流に位置する遺伝子をさらに発現させることができないように、nirB遺伝子のみを不活化させることができる。L−アルギニン生成における、nirB遺伝子によりコードされる亜硝酸レダクターゼの役割は依然として不明である。可能性のある説明は、nirB遺伝子の不活化がcysG遺伝子のnirBプロモーターからの転写を妨げ、cysG遺伝子自身の弱いプロモーターからのcysG遺伝子の発現がシロヘム合成に不十分であるということである。これは、L−アルギニン生合成経路を誘導するシステイン、メチオニン、および他の含硫黄代謝産物の合成の欠乏を導く。したがって、本発明の一実施形態は、cysG遺伝子の不活化または破壊を含む。
エシェリヒア・コリのnirオペロンは、以下の連続的に位置する遺伝子:nirB、nirD、nirC、およびcysGを含む。nirBおよびnirD遺伝子は、亜硝酸リダクターゼをコードする。nirC遺伝子は亜硝酸トランスポーターをコードする。cysG遺伝子は、シロヘム合成酵素をコードする。nirB遺伝子(gi:16131244;GenBank受入番号NC_000913.1中番号3491648〜3494191)、nirD遺伝子(gi:16131245;GenBank受入番号NC_000913.1中番号3494188〜3494514)、nirC遺伝子(gi:16132233;GenBank受入番号NC_000913.1中番号3494640〜3495446)、およびcysG遺伝子(gi:16131246;GenBank受入番号NC_0000913.1中番号3495465〜3496838)は、エシェリヒア・コリK−12株の染色体上yhfCとyhfLのORFの間に位置する。
エシェリヒア・コリMG1655株のnirオペロンの塩基配列は、受入れ番号AE000412 U00096としても、GenBankに登録されている。MG1655株のnirB、nirD、nirC及びcysG遺伝子を含む塩基配列を配列番号6に示す。nirB、nirD、nirC及びcysG遺伝子によってコードされるアミノ酸配列をそれぞれ配列番号7、8、9及び10に示す。nirB、nirD、nirC及びcysG遺伝子の配列番号10中のコード領域は、それぞれ135〜2678、2675〜3001、3379〜3933、及び3952〜5325である。
遺伝子の不活化は、従来法、例えばUV照射またはニトロソグアニジン(N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン)処理を使用する変異誘発処理、部位特異的変異法、相同組換えまたは/および「レッド−ドリブン インテグレーション(Red−driven integration)」とも称される挿入−削除(insertion-deletion)変異法(Datsenko K.A. and Wanner B.L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, 97:12: 6640-45)を用いた遺伝子破壊等により行われ得る。
エシェリヒア・コリ以外の腸内細菌科の細菌のnirオペロンも、エシェリヒア・コリのnirオペロン断片、又はエシェリヒア・コリのnirオペロンのホモログであり得る固有のnirオペロン断片を用いた相同組換えにより不活化することができる。そのようなnirオペロンホモログは、エシェリヒア・コリのnirオペロンとそれぞれのコード
領域について70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性を有し得る。
領域について70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上の相同性を有し得る。
L−アルギニン生産菌
nirオペロンを不活化する親株としては、L−アルギニン生産菌が含まれる。
nirオペロンを不活化する親株としては、L−アルギニン生産菌が含まれる。
L−アルギニンを生産するエシェリヒア属細菌には、エシェリヒア・コリ237株(VKPMB−7925)および変異型N−アセチルグルタミン酸シンターゼを保持するその誘導株(ロシア特許出願第2001112869号)、N−アセチルグルタミン酸合成酵素をコードするargA遺伝子が導入されたアルギニン生産株(特開昭57−5693)等が含まれるが、それらに限定されない。
237株は、ピリミジンアナログである6−アザウラシルに耐性な変異株であり、N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)を用いてエシェリヒア・コリK12 ilvA::Tn5から誘導された株である。237株は、2000年4月10日にルシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズム(Russia, 117545, Moscow, 1 Dorozhny proezd, 1)に寄託され、受託番号VKPM
B−7925が付与され、2001年5月18日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管されている。
237株は、ピリミジンアナログである6−アザウラシルに耐性な変異株であり、N−メチル−N'−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)を用いてエシェリヒア・コリK12 ilvA::Tn5から誘導された株である。237株は、2000年4月10日にルシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリアル・マイクロオーガニズム(Russia, 117545, Moscow, 1 Dorozhny proezd, 1)に寄託され、受託番号VKPM
B−7925が付与され、2001年5月18日にブダペスト条約に基づく国際寄託に移管されている。
本発明の細菌は、L−アミノ酸生産能を本質的に有する細菌のnirオペロンを不活化することにより取得することができる。あるいは、本発明の細菌は、既に不活化したnirオペロンを有する細菌にL−アミノ酸生産能を付与することにより取得できる。
プラスミドDNAの調製、DNAの消化およびライゲーション、形質転換、プライマーとしてのオリゴヌクレオチドの選択等の方法は、当業者に既知の通常の方法であってもよい。それらの方法は、例えば、Sambrook, J., Fritsch, E.F., and Maniatis, T., 「分子クローニングの実験室手引き、第二版(Molecular Cloning A Laboratory Manual, Second Edition)」, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989) などに記載されている。
2.本発明の方法
本発明の方法は、本発明の細菌を培地に培養して培地中にL−アミノ酸を生成および蓄積させ、同培地から蓄積したL−アミノ酸を回収することを含む、L−アミノ酸の製造法である。より具体的には、本発明の方法は、本発明の細菌を培地に培養して培地中のL−アルギニンを生成および蓄積させ、同培地から蓄積したL−アルギニンを回収することを含む、L−アルギニンの製造法である。
本発明の方法は、本発明の細菌を培地に培養して培地中にL−アミノ酸を生成および蓄積させ、同培地から蓄積したL−アミノ酸を回収することを含む、L−アミノ酸の製造法である。より具体的には、本発明の方法は、本発明の細菌を培地に培養して培地中のL−アルギニンを生成および蓄積させ、同培地から蓄積したL−アルギニンを回収することを含む、L−アルギニンの製造法である。
本発明において、培養、培地からのL−アミノ酸の回収および精製等は、微生物を用いたアミノ酸の製造法に通常用いられる方法によって行ってもよい。
培養に使用される培地は、培地が、炭素源および窒素源およびミネラル類、そして必要に応じて微生物が生育に必要とする適当量の栄養を含む限り、合成培地であっても天然培地であってもよい。
炭素源には、グルコースおよびスクロースのような種々の炭水化物および種々の有機酸が含まれる。使用する微生物の同化の様式によっては、エタノールおよびグリセロール等のアルコールを使用してもよい。
窒素源としては、アンモニアおよび硫酸アンモニウムのような種々のアンモニウム塩、アミンのような他の窒素化合物、ペプトン、大豆加水分解物、および発酵微生物の消化物
のような天然の窒素源が使用され得る。
のような天然の窒素源が使用され得る。
ミネラル類としては、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化カルシウム等が使用され得る。ビタミンとしては、チアミン、酵母菌抽出物等が使用され得る。
培養は、好ましくは、振盪培養および通気を伴う攪拌培養のような好気的条件下、20℃〜42℃、好ましくは30℃〜38℃の温度で行われる。培養のpHは、通常5〜9の間であり、好ましくは6.5〜7.2の間である。培養のpHは、アンモニア、炭酸カルシウム、種々の酸、種々の塩基、および緩衝液で調節され得る。通常、1日〜5日間の培養で、培地に目的のL−アミノ酸が蓄積する。
培養後、細胞のような固体は、遠心分離または膜濾過により培養液から除去することができ、次いで目的のL−アミノ酸がイオン交換、濃縮、および結晶法により回収および精製され得る。
以下、本発明を、以下の非限定的な実施例を参照してより具体的に説明する。本実施例において、アミノ酸はL−体である。
〔実施例1〕不活化したnirオペロンを有する菌株の構築
nirB遺伝子の欠失
nirB遺伝子の欠失は、Datsenko and Wanner(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000,
97(12), 6640-6645)により初めて開発され、「Red−driven integration」と称される方法により構築された。この手順に従って、鋳型プラスミド中の、nirB遺伝子に隣接する両領域および抗生物質耐性を与える遺伝子と相同な、PCRプライマーnirBL(配列番号1)およびnirBR(配列番号2)を構築した。プラスミドpACYC184(NBL Gene Sciences Ltd., UK)(GenBank/EMBL受入番号X06403)を、PCR反応における鋳型として使用した。以下のようにしてPCRを行った。95℃で3分間の変性工程、最初の2サイクルのプロファイル:95℃で1分、50℃で30秒、72℃で40秒、その後25サイクルのプロファイル:95℃で30秒、54℃で30秒、72℃で40秒、最終工程:72℃で5分。
nirB遺伝子の欠失
nirB遺伝子の欠失は、Datsenko and Wanner(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000,
97(12), 6640-6645)により初めて開発され、「Red−driven integration」と称される方法により構築された。この手順に従って、鋳型プラスミド中の、nirB遺伝子に隣接する両領域および抗生物質耐性を与える遺伝子と相同な、PCRプライマーnirBL(配列番号1)およびnirBR(配列番号2)を構築した。プラスミドpACYC184(NBL Gene Sciences Ltd., UK)(GenBank/EMBL受入番号X06403)を、PCR反応における鋳型として使用した。以下のようにしてPCRを行った。95℃で3分間の変性工程、最初の2サイクルのプロファイル:95℃で1分、50℃で30秒、72℃で40秒、その後25サイクルのプロファイル:95℃で30秒、54℃で30秒、72℃で40秒、最終工程:72℃で5分。
得られた945bpのPCR産物(図1、配列番号3)を、アガロースゲル電気泳動で精製し、複製が温度感受性のプラスミドpKD46を保持するエシェリヒア・コリMG1655株のエレクトロポレーションに使用した。プラスミドpKD46(Datsenko and Wanner, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2000, 97:12:6640-45)は、アラビノース−誘導性のParaBプロモーターの制御下にあるλRed相同組換え系遺伝子(γ、β、エキソ遺伝子)を含む、ファージλ(GenBank受入番号J02459)の2,154ヌクレオチド(31088〜33241)のDNAフラグメントを含む。プラスミドpKD46は、PCR産物をMG1655株の染色体中に組込むのに必要である。
エレクトロコンピテント細胞を以下のようにして調製した。アンピシリン(100mg/L)を添加したLB培地中30℃で増殖させたエシェリヒア・コリMG1655株の一晩培養物(night culture)を、アンピシリンおよびL−アラビノース(1mM)を含む5mlのSOB培地(Sambrook et al,「分子クローニングの実験室手引き、第二版(Molecular Cloning A Laboratory Manual, Second Edition)」, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))で100倍に希釈した。得られた培養物を30℃で通気しながらOD600が約0.6まで増殖させ、次いで100倍に濃縮して氷冷した脱イオンH2Oで3回洗浄することによりエレクトロコンピテントにした。70μlの細胞懸濁液および約10
0ngのPCR産物を使用して、エレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーション後の細胞を、1mlのSOC培地(Sambrook et al, 「分子クローニングの実験室手引き、第二版」、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))で、37℃で2.5時間インキュベートし、25mg/Lのクロラムフェニコール(Cm)を含むL−寒天培地に蒔いて、37℃で増殖させてCmR組換え体を選択した。次いで、pKD46プラスミドを除去するために、Cmを含むL−寒天培地を用いて42℃で2継代を行い、そして得られたコロニーのアンピシリンに対する感受性について検査した。
0ngのPCR産物を使用して、エレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーション後の細胞を、1mlのSOC培地(Sambrook et al, 「分子クローニングの実験室手引き、第二版」、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))で、37℃で2.5時間インキュベートし、25mg/Lのクロラムフェニコール(Cm)を含むL−寒天培地に蒔いて、37℃で増殖させてCmR組換え体を選択した。次いで、pKD46プラスミドを除去するために、Cmを含むL−寒天培地を用いて42℃で2継代を行い、そして得られたコロニーのアンピシリンに対する感受性について検査した。
2.PCRによるnirB遺伝子欠失の検証
Cm耐性遺伝子(cat)でマーキングされた、nirB遺伝子の欠失を含む変異株を、PCRで検証した。遺伝子座特異的プライマーnirB1(配列番号4)およびnirB2(配列番号5)をPCRによる検証に使用した。PCR検証の条件は以下のとおりであった。94℃で3分間の変性工程、30サイクルのプロファイル:94℃で30秒、54℃で30秒、72℃で1分、最終工程:72℃で7分。鋳型として親株であるnirB+のMG1655株の細胞を用いた反応で得られたPCR産物は、長さが949bpであった。鋳型として変異株であるMG1655ΔnirB::cat株の細胞を用いた反応で得られたPCR産物は、長さが1400ヌクレオチドであった(図2)。
Cm耐性遺伝子(cat)でマーキングされた、nirB遺伝子の欠失を含む変異株を、PCRで検証した。遺伝子座特異的プライマーnirB1(配列番号4)およびnirB2(配列番号5)をPCRによる検証に使用した。PCR検証の条件は以下のとおりであった。94℃で3分間の変性工程、30サイクルのプロファイル:94℃で30秒、54℃で30秒、72℃で1分、最終工程:72℃で7分。鋳型として親株であるnirB+のMG1655株の細胞を用いた反応で得られたPCR産物は、長さが949bpであった。鋳型として変異株であるMG1655ΔnirB::cat株の細胞を用いた反応で得られたPCR産物は、長さが1400ヌクレオチドであった(図2)。
3.不活化したnirB遺伝子を持つアルギニン生産株の構築
P1形質導入の標準手順(Sambrook et al, 「分子クローニングの実験室手引き、第二版(Molecular Cloning A Laboratory Manual, Second Edition)」、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))により、アルギニン生産株のエシェリヒア・コリ237(VKPMB−7925)をCm耐性となるように形質導入した。MG1655ΔnirB::cat株をcat遺伝子のドナーとして使用した。プライマーnirB1(配列番号4)およびnirB2(配列番号5)を用いて、得られた237ΔnirB::cat株について、ΔnirB::cat欠失を有することをPCRで検証した。
P1形質導入の標準手順(Sambrook et al, 「分子クローニングの実験室手引き、第二版(Molecular Cloning A Laboratory Manual, Second Edition)」、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))により、アルギニン生産株のエシェリヒア・コリ237(VKPMB−7925)をCm耐性となるように形質導入した。MG1655ΔnirB::cat株をcat遺伝子のドナーとして使用した。プライマーnirB1(配列番号4)およびnirB2(配列番号5)を用いて、得られた237ΔnirB::cat株について、ΔnirB::cat欠失を有することをPCRで検証した。
〔実施例2〕不活化したnirB遺伝子を持つエシェリヒア・コリ菌株によるL−アルギニンの製造
エシェリヒア・コリ237株および237ΔnirB::cat株の両方を、L−寒天プレート上で、37℃で一晩増殖させた。237ΔnirB::cat株のプレートにはクロラムフェニコール(20μg/ml)を含有させた。次いで、1白金耳の細胞を、20×200mmの試験管中の発酵用最小培地2mlに移した。細胞を、250rpmで振盪しながら32℃で72時間増殖させた。
エシェリヒア・コリ237株および237ΔnirB::cat株の両方を、L−寒天プレート上で、37℃で一晩増殖させた。237ΔnirB::cat株のプレートにはクロラムフェニコール(20μg/ml)を含有させた。次いで、1白金耳の細胞を、20×200mmの試験管中の発酵用最小培地2mlに移した。細胞を、250rpmで振盪しながら32℃で72時間増殖させた。
培養後、培地中に蓄積したアルギニン量を、アルギニン(1g/Lおよび2g/L)およびグルタミン酸(1g/Lおよび2g/L)をコントロールとして使用して、ペーパークロマトグラフィーにより決定した。ペーパーは、移動相、n−ブタノール:酢酸:水=4:1:1(v/v)で展開した。可視化試薬として、ニンヒドリン−アセトン溶液(0.5%)を使用した。
結果を表1に示す。
〔発酵培地の組成(g/l)〕
グルコース 67.0
イーストエキストラクト 5.0
(NH4)2SO4 35.0
KH2PO4 2.0
MgS04・7H2O 2.0
チアミン(ビタミンB1) 1.0
CaCO3 25.0
L−イソロイシン 0.05
グルコースおよび硫酸マグネシウムは別個に滅菌する。pHは7.2に調整する。
グルコース 67.0
イーストエキストラクト 5.0
(NH4)2SO4 35.0
KH2PO4 2.0
MgS04・7H2O 2.0
チアミン(ビタミンB1) 1.0
CaCO3 25.0
L−イソロイシン 0.05
グルコースおよび硫酸マグネシウムは別個に滅菌する。pHは7.2に調整する。
表1からわかるように、nirオペロンの不活化は、L−アルギニン生産株237によるL−アルギニン蓄積を改善した。
Claims (8)
- 腸内細菌科のL−アミノ酸生産菌であって、nirオペロンが不活化するように改変されている細菌。
- 前記nirオペロンはnirBDC遺伝子およびcysG遺伝子を含む、請求項1に記載のL−アミノ酸生産菌。
- エシェリヒア属に属する請求項2に記載のL−アミノ酸生産菌。
- 前記L−アミノ酸はL−アルギニンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のL−アミノ酸生産菌。
- L−アルギニンオペロンの発現が増強されるように改変されている請求項4に記載のL−アミノ酸生産菌。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の細菌を培地で培養し、培地から蓄積されたL−アミノ酸を回収することを含む、L−アミノ酸の製造法。
- 前記L−アミノ酸はL−アルギニンである、請求項6に記載の方法。
- 前記細菌は、L−アルギニンオペロンの発現が増強されるように改変されている、請求項7に記載の方法。
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