JP2005072790A - 通信システムの応答器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反射波に含まれている低次の高調波成分を抑制でき、他の応答器の信号に妨害を与えにくい通信システムの応答器を提供する。
【解決手段】 質問波を受信するアンテナ71と、副搬送波を生成する副搬送波発振器52と、所定の情報信号53に基づいて副搬送波を変調した変調信号を生成する副搬送波変調器54とを備え、前記変調信号に含まれる高調波成分を抑制するための1又は複数の補正信号を前記変調信号に合成した補正変調信号により前記質問波を変調し、前記アンテナ71から質問器に返信させる変復調器70とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、質問器から質問波を送信して、該質問波を受信した応答器が該質問波に対して所定の変調を行った反射波を質問器に返信する通信システムの応答器に関する。
従来、質問器から複数の応答器へ質問波たる主搬送波を送信して、応答器がその主搬送波を所定の副搬送波で変調して反射する無線通信システムが知られている。この無線通信システムにおいては、複数の応答器が、それぞれ、互いに周波数の異なる副搬送波を発生する発振器を備え、その発振器からの副搬送波を所定の情報に基づいて変調した変調副搬送波を用いて、質問器から送信された主搬送波を変調することで、質問器に対する送信信号(反射波)を生成するようにされている(特許文献1参照)。
特開2000−49656号公報
しかしながら、上記通信システムにおいては、変調副搬送波で質問器からの主搬送波を変調すると、高次の側波帯成分が発生し、他の応答器に妨害を与える。すなわち、変調副搬送波は通常デジタル波形(2値パルス波形である矩形波)であるため、高調波成分を多く含み、受信した主搬送波をこの高調波成分を多く含む変調副搬送波で変調すると、主搬送波の周波数Fc1の両側に副搬送波周波数の整数倍だけ離れた高次の側波帯が発生するが、従来はこの変調副搬送波に対する高調波成分の影響は考慮されていなかった。
図18は、周波数Fc1の主搬送波を、周波数fs1の変調副搬送波で変調したある応答器の反射波を表し、主搬送波Fc1に副搬送波fs1が重畳された反射波Fc1+fs1の他に、3次の高調波成分3fs1が重畳された反射波Fc1+3fs1も発生していることがわかる。
実際には、変調用ダイオードの非線形性や変調副搬送波の歪により図19のように2次の高調波成分2fs1も発生し、この周波数2fs1が重畳された反射波Fc1+2fs1と他の応答器からの反射波Fs2との周波数が近接すると、他の応答器の反射波を質問器が検出するときに妨害を与え、質問器において他の応答器からの正確な情報を取り出せないという問題を生ずる。さらに、3次の高調波成分3fs1が重畳された反射波Fc1+3fs1とさらに別の応答器からの反射波Fs3との周波数が近接し、別の応答器が、ある応答器よりも質問器から遠くにあるときには、別の応答器からの反射波よりもある応答器からの高調波成分の方が大きくなる場合もあり、質問器で別の応答器からの正確な情報を取り出せなくなることもある。
このように、質問器において同時に複数の応答器からの情報を取り出すときに、高調波成分による妨害により各応答器からの正確な情報を取り出せないという大きな問題が生じることになる。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、その目的は、質問器から応答器に質問波を送信し、応答器において所定の情報に基づいて変調した副搬送波により質問波を変調して反射波を質問器に返信する通信システムにおいて、応答器が反射波を返信する際に、反射波に含まれる高調波成分を抑制でき、他の応答器の反射波に高調波成分による妨害を与え難くして、質問器において各応答器からの正確な情報を取り出せるようにすることにある。
前記目的を達成するための請求項1の発明は、質問器から質問波を送信して、当該質問波を受信した応答器が当該質問波に対して所定の変調を行った反射波を質問器に返信する通信システムの応答器であって、当該応答器は、前記質問波を受信するアンテナと、所定の情報信号に基づいて信号を変調した変調信号を生成する変調信号生成手段と、前記変調信号に含まれる高調波成分を抑制するための1又は複数の補正信号を生成し、該生成した補正信号を前記変調信号に合成することにより補正変調信号を生成する補正変調信号生成手段と、該補正変調信号生成手段により生成された補正変調信号により前記質問波を変調し、前記アンテナから質問器に返信させる変調返信手段とを備えてなることを特徴とする。
この請求項1の通信システムの応答器によれば、変調信号生成手段により生成された変調信号に含まれる高調波成分を抑制するための補正信号を変調信号に合成することにより
返信される反射波に含まれる高調波成分を抑制できるので、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器側では各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の通信システムの応答器において、前記変調信号及び前記補正信号は、2値のパルス信号からなることを特徴とする。
この請求項2の通信システムの応答器によれば、変調信号生成手段により生成する変調信号と補正信号生成手段により生成する補正信号は、2値のパルス信号(デジタル波形)であるため、変調信号生成手段と補正信号生成手段の構成が簡単にできる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の通信システムの応答器において、前記補正信号生成手段で生成される補正信号は、変調信号生成手段で生成される変調信号を所定時間遅延させた信号であることを特徴とする。
この請求項3の通信システムの応答器によれば、補正変調信号生成手段により生成される補正変調信号は、変調信号を所定時間遅延させた補正信号を合成した信号であるから、変調信号が矩形波であっても正弦波に近似した信号となる。従って、この正弦波に近似した補正変調信号で質問波を変調することにより、反射波に含まれる高次の高調波成分を抑制できる。
また、補正信号生成手段は、変調信号生成手段で生成される変調信号を所定時間遅延させるだけで補正信号を生成できるため、その構成を簡単にすることができる。
請求項4の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の通信システムの応答器において、前記変調信号生成手段を、副搬送波を生成する副搬送波発振器と、所定の情報信号に基づいて当該副搬送波を変調する副搬送波変調器とから構成したことを特徴とする。
この請求項4の通信システムの応答器によれば、変調信号生成手段を、応答器が本来有している副搬送波発振器と副搬送波変調器とで構成したことにより、変調信号を生成するための他の特別な構成を設ける必要がなく、簡単な構成で請求項1と同様の効果が得られる。
請求項5の発明は、請求項4に記載の通信システムの応答器において、前記副搬送波の周波数をホッピングする周波数ホッピング手段を備えたことを特徴とする。
この請求項5の通信システムの応答器によれば、反射波を質問器に送信する送信タイミング毎に、副搬送波周波数を周波数ホッピング手段により変化させることができる。このため、この応答器を用いて上記通信システムを構築すれば、各応答器が質問器へ反射波を返信する各タイミング毎に副搬送波周波数が変化し、各応答器が反射波を質問器に同時に返信しても各応答器の副搬送波周波数が連続して重なる確率は非常に小さくなり、質問器において複数の応答器を同時に識別することが可能となる。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の通信システムの応答器において、前記補正変調信号生成手段は、前記変調信号を所定時間遅延させた遅延変調信号に基づき第1補正信号を生成する第1補正信号生成手段と、前記副搬送波の2倍の周波数を有する信号から所定時間遅延させた第2補正信号を生成する第2補正信号生成手段とを備え、第1補正信号及び第2補正信号を前記変調信号と合成することにより、前記補正変調信号を生成することを特徴とする。
この請求項6の通信システムの応答器によれば、補正変調信号生成手段により生成される補正変調信号は、矩形波である変調信号に、該変調信号を所定時間遅延させた遅延信号に基づき生成された第1補正信号を合成した信号であるから正弦波に近似した信号となる。従って、この正弦波に近似した補正変調信号で変調を行うことにより反射波に含まれる高次の高調波成分を抑制できるため、反射波に含まれる3次高調波成分を抑制できる。
また、副搬送波の2倍の周波数を有しかつ前記副搬送波の2倍の周波数を有する信号から所定時間遅延させた第2補正信号を正弦波に近似した前記補正変調信号に合成するので、最終的に生成される補正変調信号はやや鋸歯状波に近似した信号になり、応答器から質問器に返信される反射波の2次高調波成分をも確実に抑制でき、他の応答器の信号に高調波成分による妨害をより一層与え難くできる。
さらに、副搬送波の周波数をホッピングする場合には、副搬送波の周波数が多種類になり、それら多種類の副搬送波の高調波成分による影響が出やすいが、これら多種類の副搬送波の2次及び3次高調波成分による妨害も抑制できる。
請求項7の発明は、請求項6に記載の通信システムの応答器において、前記第1補正信号の遅延時間の第1補正信号の1/2周期に対する割合と、第2補正信号の遅延時間の第2補正信号の1/2周期に対する割合を略等しくしたことを特徴とする。
この請求項7の通信システムの応答器によれば、第1補正信号の遅延時間の第1補正信号の1/2周期に対する割合と、第2補正信号の遅延時間の第2補正信号の1/2周期に対する割合を略等しくしたことにより、変調信号を所定時間遅延させた第1補正信号と副搬送波の2倍の周波数を有する信号から所定時間遅延させた第2補正信号を生成するときに、第1補正信号と第2補正信号は2値のパルス信号(デジタル波形)であるため、副搬送波の1/2周期T1と、副搬送波の2倍の周波数の1/2周期T2の値がわかれば、遅延時間D1、D2を高調波成分の抑制に必要な値に容易に設定することができ、また、副搬送波周波数が変化して1/2周期T1、T2が変化してもデジタル信号の処理で高調波成分の抑制に必要な遅延時間D1、D2を容易に設定することができるので、補正変調信号により2次高調波成分及び3次高調波成分を抑制でき、応答器から質問器に返信される反射波の高調波成分の抑制ができる。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の通信システムの応答器において、前記第2補正信号の振幅を所定レベルに設定するための振幅調整手段を設けたことを特徴とする。
この請求項8の通信システムの応答器によれば、第2補正信号の振幅を所定レベルに設定するための振幅調整手段を設けたことにより、第2補正信号の振幅を2次高調波成分を抑制する所定レベルに設定することができる。
請求項9の発明は、請求項1に記載の通信システムの応答器において、前記補正変調信号生成手段は、前記変調信号に含まれる高調波成分を抑制するための低域通過フィルタを含むことを特徴とする。
この請求項9の通信システムの応答器によれば、請求項1の構成に加えて低域通過フィルタを設けるという簡単な構成で、3次高調波成分が含まれない特定の副搬送波周波数を通過させることができ、応答器から返信される反射波に高調波成分を含まず、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器において各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
請求項10の発明は、請求項1又は請求項9に記載の通信システムの応答器において、前記変調信号生成手段は、副搬送波を生成する副搬送波発振器と、前記情報信号に基づいて当該副搬送波を変調する副搬送波変調器とから構成され、前記補正変調信号生成手段は、前記副搬送波の2倍の周波数からなる補正信号を生成することを特徴とする。
この請求項10の通信システムの応答器によれば、変調信号生成手段を、副搬送波を生成する副搬送波発振器と、所定の情報信号に基づいて当該副搬送波を変調する副搬送波変調器という具体的構成とすることにより、応答器が本来有する副搬送波発振器と副搬送波変調器とにより反射波に含まれる高調波成分を抑制できるので、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器において各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
請求項1の通信システムの応答器によれば、反射波に含まれる高調波成分を抑制できるので、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器側で各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
請求項2の通信システムの応答器によれば、変調信号生成手段により生成する変調信号と補正信号生成手段により生成する補正信号は、2値のパルス信号(デジタル波形)であるため、変調信号生成手段と補正信号生成手段の構成が簡単にできる。
請求項3の通信システムの応答器によれば、補正変調信号生成手段により生成される補正変調信号は、変調信号を所定時間遅延させた補正信号を合成した信号であるから、変調信号が矩形波であっても正弦波に近似した信号となる。従って、この正弦波に近似した補正変調信号で質問波を変調することにより、反射波に含まれる高次の高調波成分を抑制できる。
また、補正信号生成手段は、変調信号生成手段で生成される変調信号を所定時間遅延させるだけで補正信号を生成できるため、その構成を簡単にすることができる。
請求項4の通信システムの応答器によれば、変調信号生成手段を、応答器が本来有している副搬送波発振器と副搬送波変調器とで構成したことにより、変調信号を生成するための他の特別な構成を設ける必要がなく、簡単な構成で請求項1と同様の効果が得られる。
請求項5の通信システムの応答器によれば、反射波を質問器に送信する送信タイミング毎に、副搬送波周波数を周波数ホッピング手段により変化させることができる。このため、この応答器を用いて上記通信システムを構築すれば、各応答器が質問器へ反射波を返信する各タイミング毎に副搬送波周波数が変化し、各応答器が反射波を質問器に同時に返信しても各応答器の副搬送波周波数が連続して重なる確率は非常に小さくなり、質問器において複数の応答器を同時に識別することが可能となる。
請求項6の通信システムの応答器によれば、補正変調信号生成手段により生成される補正変調信号は、矩形波である変調信号に、該変調信号を所定時間遅延させた遅延信号に基づき生成された第1補正信号を合成した信号であるから正弦波に近似した信号となる。従って、この正弦波に近似した補正変調信号で変調を行うことにより反射波に含まれる高次の高調波成分を抑制できるため、反射波に含まれる3次高調波成分を抑制できる。
また、副搬送波の2倍の周波数を有しかつ前記副搬送波の2倍の周波数を有する信号から所定時間遅延させた第2補正信号を正弦波に近似した前記補正変調信号に合成するので、最終的に生成される補正変調信号はやや鋸歯状波に近似した信号になり、応答器から質問器に返信される反射波の2次高調波成分をも確実に抑制でき、他の応答器の信号に高調波成分による妨害をより一層与え難くできる。
請求項7の通信システムの応答器によれば、第1補正信号の遅延時間の第1補正信号の1/2周期に対する割合と、第2補正信号の遅延時間の第2補正信号の1/2周期に対する割合を略等しくしたことにより、変調信号を所定時間遅延させた第1補正信号と副搬送波の2倍の周波数を有する信号から所定時間遅延させた第2補正信号を生成するときに、第1補正信号と第2補正信号は2値のパルス信号(デジタル波形)であるため、副搬送波の1/2周期T1と、副搬送波の2倍の周波数の1/2周期T2の値がわかれば、遅延時間D1、D2を高調波成分の抑制に必要な値に容易に設定することができ、また、副搬送波周波数が変化して1/2周期T1、T2が変化してもデジタル信号の処理で高調波成分の抑制に必要な遅延時間D1、D2を容易に設定することができるので、補正変調信号により2次高調波成分及び3次高調波成分を抑制でき、応答器から質問器に返信される反射波の高調波成分の抑制ができる。
請求項8の通信システムの応答器によれば、第2補正信号の振幅を所定レベルに設定するための振幅調整手段を設けたことにより、第2補正信号の振幅を2次高調波成分を抑制する所定レベルに設定することができる。
請求項9の通信システムの応答器によれば、請求項1の構成に加えて低域通過フィルタを設けるという簡単な構成で、3次高調波成分が含まれない特定の副搬送波周波数を通過させることができ、応答器から返信される反射波に高調波成分を含まず、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器において各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
請求項10の通信システムの応答器によれば、変調信号生成手段を、副搬送波を生成する副搬送波発振器と、所定の情報信号に基づいて当該副搬送波を変調する副搬送波変調器という具体的構成とすることにより、応答器が本来有する副搬送波発振器と副搬送波変調器とにより反射波に含まれる高調波成分を抑制できるので、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器において各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、通信システム1の構成を示す図であり、図2は通信システム1で使用される主搬送波と反射波の関係を示す図である。
図1に示すように、通信システム1は、質問器10と、応答器20、21、22とから構成されている。質問器10からは、質問波たる主搬送波Fc1が各応答器20〜22に送信されている。
応答器20からは、反射波Fs1が返信され、応答器21からは、反射波Fs2が返信され、応答器22からは、反射波Fs3が返信されている。
即ち、各応答器20〜22は、質問器10から送信された主搬送波Fc1を、情報信号(データ)により1次変調した副搬送波(サブキャリア)信号fs1〜fs3で2次変調して、反射波Fs1〜Fs3を生成し、質問器10へ返信するのである。
また、図2に示すように、副搬送波信号fs1〜fs3の周波数は、各応答器20〜22毎に異なっており、しかも周波数ホッピングされている。即ち、各応答器20〜22からの反射波Fs1〜Fs3は、タイミングT1では、周波数の低い方からFs3(Fc1+fs3)、Fs2(Fc1+fs2)、Fs1(Fc1+fs1)の順だったものが、タイミングT2、タイミングT3、タイミングT4と時間が変化するごとに、ランダムに位置が入れ替わる。
次に、質問器10の電気的構成をそのブロック図である図3を参照して説明する。
図3に示すように、質問器10は、デジタル回路部30とアナログ回路部40とから構成され、アナログ回路部40は、900MHz、2.4GHz、5GHz等の周波数の主搬送波を発振する発振器41と、発振器41で発振された主搬送波を変調する変調器42と、当該変調器42で変調された主搬送波を電力増幅する電力増幅器43と、当該電力増幅器43からの出力をアンテナ47に伝え、また、当該アンテナ47が受信した電波を後述する低雑音増幅器(以下、LNAと称す。)45に伝えるように出力と入力の分離を行うサーキュレータ44と、アンテナ47が受信した各応答器20〜22からの受信信号を増幅するLNA45と、LNA45で増幅された受信信号を発振器41からの信号とミキシングしてホモダイン検波する主搬送波復調器46とから構成されている。
また、デジタル回路部30は、前記主搬送波復調器46でホモダイン検波された受信信号を、アナログ信号からデジタル信号にA/D変換し、当該A/D変換された受信信号をフィルタ処理によりホッピング周波数帯域に対応したチャンネルに分離する帯域分割フィルタ32と、帯域分割フィルタ32で分離された副搬送波信号から元の情報信号を復元する副搬送波復調器33と、副搬送波復調器33で復元された情報信号をフレーム毎に分割するフレーム分割器34と、フレーム分割器34でフレーム毎に分割された情報信号を仕分けするフレーム仕分け器35と、当該フレーム仕分け器35で仕分けられた応答器毎の情報信号(フレーム)を時系列に並べ替えて連結するフレーム連結器36と、質問器10全体の制御を行うコントローラ31とから構成されている。
次に、上記のように構成された質問器10の動作につき説明する。
発振器41で発振された主搬送波Fc1は、変調器42でコントローラ31の制御により、質問器の情報によりASK変調が行われて、サーキュレータ44を介して、アンテナ47から応答器に送信される。
応答器において変調された反射波は、サーキュレータ44を介して、LNA45で増幅され、主搬送波復調器46において、発振器41からの信号がミキシングされてホモダイン検波が行われる。
ホモダイン検波が行われると、各応答器からの反射波が混ざった信号が復調される。この信号は、帯域分割フィルタ32に内蔵されたA/D変換器(図示外)によりデジタル値に変換され、帯域分割フィルタ32により分離される。
このとき、応答器からの反射波に、他の応答器からの高調波成分が重畳されていると、仕分けられたフレーム毎の情報信号に高調波成分が妨害を与えることになり、各応答器からの正確な情報信号が取り出せなくなる。
そこで、本実施例では、各応答器20〜22からの反射波に含まれる高調波成分を、各応答器20〜22側において抑制することにより高調波成分による妨害をなくし、各応答器20〜22からの情報を質問器10側において正確に取り出せるようにしている。
以下、この様に構成された本実施例の応答器20〜22の構成及び作用を、図4及び図5を用いて説明する。
なお、下記においては応答器20について説明するが、応答器21、22は応答器20と同様の構成になっている。
図4A)は、本発明の第1実施例を示し、応答器20は、アンテナ71に接続された変復調器70とデジタル回路部50とから構成されている。デジタル回路部50には、応答器20の制御を行うコントローラ51と、副搬送波を発生する副搬送波発振器52と、副搬送波発振器52で生成された副搬送波を、コントローラ51を介して入力される情報信号53で位相変調(PSK)する副搬送波変調器54が設けられている。この副搬送波発振器52及び副搬送波変調器54は変調信号生成手段をなすものである。
副搬送波変調器54で情報信号図5(c)により位相変調された変調信号(図5(d)に示す)は、加算器55の一方に入力されると共に、遅延器56に入力される。該遅延器56に入力された変調信号は、所定時間遅延されることにより、補正信号(図5(e))となり前記加算器55に入力される。
該補正信号は、加算器55にて前記変調信号と合成されることにより補正変調信号(図 5(f))となり、該補正変調信号は、変復調器70に入力される。
変復調器70は、この入力された補正変調信号により、質問器10から受信した主搬送波を変調して、反射波としてアンテナ71から送信させる。
前記遅延器56と加算器55が補正変調信号生成手段をなし、前記変復調器70とアンテナ71が変調返信手段をなしている。
なお、前記変調信号生成手段は、コントローラ51のクロックを利用して変調信号をソフト的に生成するように構成してもよい。
また、副搬送波の変調は、位相変調(PSK)以外に、周波数変調(FSK)としてもよく、副搬送波発振器52及び副搬送波変調器54は、コントローラ51内に設け1チップ化してもよい。
次に、図4B)に示すように、遅延後の副搬送波信号(補正副搬送波信号)に、情報信号による副搬送波変調を行い補正信号の作成を行う本発明(第2実施例)について、その詳細を説明する。
なお、上述した図4A)と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、他の部分についてのみ説明する。
副搬送波周波数の2倍の周波数を発振する副搬送波発振器52Bは、分周器57を介して副搬送波変調器54に接続されると共に遅延器56に接続される。
該遅延器56は副搬送波変調器54に接続され、副搬送波変調器54は加算器55の他方に入力される
遅延器56は、コンデンサC及び抵抗Rから成るCR遅延回路のコンデンサC又は抵抗Rの値を制御し、さらに2分周することにより、所定の遅延時間を有する補正副搬送波信号を生成できる。このとき、遅延器56には分周器も含まれている。例えば、図4B)におけるコントローラ51、副搬送波変調器54、遅延器56は図6のような回路で実現できる。
以下、図6の回路の動作を、図6の各部の出力波形を示す図7を参照して説明する。
図6において、発振回路81は図7(a)に示す副搬送波周波数の2倍の周波数foscを有する2倍波信号を発生する。副搬送波を周波数ホッピングさせると副搬送波及びその2倍波信号は途中FHP(Frequency Hopping Point)のタイミングで変化する。この2倍波信号をモノステーブルマルチバイブレータ82に入力することにより図7(b)に示す信号に変換される。このとき、モノステーブルマルチバイブレータ82の出力信号のパルス幅Tpは発振回路81で発振する最高周波数の信号の周期よりも短く設定する。
この信号を積分回路83で積分すると、積分回路83の出力である制御電圧VcはVc=Vcc・Tp・foscとなり、図7(c)のように2倍波信号の周波数foscに比例した電圧となる。この電圧Vcを可変容量ダイオード84に印加する。制御電圧Vcが小さいと可変容量ダイオード84の容量Cvが大きくなり、抵抗R1、コンデンサC、可変容量ダイオード84の容量Cvで構成されるCR遅延回路は時定数が大きくなり、逆に、制御電圧Vcが大きいと可変容量ダイオード84の容量Cvが小さくなり、CR遅延回路の時定数は小さくなる。従って、CR遅延回路の出力は図7(d)のようになり、これを比較器85の基準電圧Vrefで比較し、2値化すると図7(e)のようになる。これを2分周回路で分周すると図7(f)に示すようなOUT2信号となる。
一方、発振回路81の2倍波信号を別の2分周回路87で2分周すると、図7(g)のようなOUT1信号となる。前記OUT2信号は該OUT1信号を遅延させたものとなっており、加算器55により、図7(h)のように正弦波に近い波形が得られる。図7(h)の波形は、周波数がホッピングした場合に、そのいずれの周波数においても正弦波に近い波形が得られることを示し、実際には、これらOUT1信号(g)、OUT2信号(f)の立ち下がりタイミングでコントローラ51を介して副搬送波の変調に用いる情報信号(co)をそれぞれデータラッチし、図7(i)、(j)に示すように変調を行うことにより変調信号たる変調副搬送波信号とその変調副搬送波信号を所定時間遅延させた補正信号たる補正変調副搬送波信号を生成し、それぞれ変調器88、89から出力し、図7(k)に示すように変調補正信号を加算器55から出力する。
上記した第1及び第2実施例の応答器によれば、副搬送波発振器52及び副搬送波変調器54により生成する変調信号と遅延器56により生成する補正信号を変調信号に合成することにより、図5(f)及び図7(k)に示すように正弦波に近い変調補正信号により変調されるため変調信号に含まれる高調波成分を抑制することができ、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器側で各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
また、副搬送波発振器52及び副搬送波変調器54により生成する変調信号と遅延器56により生成する補正信号は、2値のパルス信号(デジタル波形)であるため、副搬送波発振器52及び副搬送波変調器54と遅延器56の構成が簡単にできる。
また、加算器55及び遅延器56により生成される補正変調信号は、矩形波である変調信号に、該変調信号を所定時間遅延させた補正信号を合成した信号であるから正弦波に近似した信号となるため、この正弦波に近似した補正変調信号で変調を行うことにより反射波に含まれる高次の高調波成分を抑制できる。
さらに、応答器20が有する副搬送波周波数を、反射波を質問器に送信する送信タイミング毎にコントローラ51により変化させることができるので、この応答器20を用いて上記通信システムを構築すれば、各応答器が質問器へ反射波を返信する各タイミング毎に副搬送波周波数が変化し、各応答器が反射波を質問器に同時に返信しても各応答器の副搬送波周波数が重なる確率は非常に小さくなり、質問器10は、各応答器20〜22を同時に識別することが可能である。
次に、図8を参照して、本発明の第3実施例の応答器を説明する。
なお、上述した図4A)、図4B)と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、他の部分についてのみ説明する。
また、下記においては応答器20について説明するが、応答器21、22は応答器20と同様の構成になっている。
図8において、副搬送波周波数の2倍の周波数を発振する副搬送波発振器52は、分周器57を介して副搬送波変調器54に接続されると共に第2補正信号生成手段たる遅延器58に接続される。
該遅延器58は振幅調整手段たる減衰器59に接続され、該減衰器59の出力は第2補正信号となり加算器60の他方に入力されている。但し、ここでは、第2補正信号の入力の極性を反転させ、減算器として使用している。
前記副搬送波変調器54は加算器55の一方に接続されると共に第1補正信号生成手段たる遅延器56に接続されている。該遅延器56に入力された副搬送波変調器54からの変調信号は、遅延器56により所定時間遅延され、第1補正信号を生成して加算器55の他方に入力される。
副搬送波発振器52から発生する副搬送波は分周器57Bにより1/2の周波数として副搬送波変調器54に入力される。副搬送波変調器54で位相変調された変調信号は加算器55の一方に入力されると共に、遅延器56に入力される。遅延器56に入力された変調信号は遅延器56にて所定時間遅延されることにより第1補正信号が生成されて前記加算器55に入力される。該加算器55に入力された第1補正信号は加算器55にて前記変調信号と合成されることにより補正変調信号を生成する。
さらに、副搬送波発振器52から発生する副搬送波は、遅延器58により所定時間遅延させ第2補正信号を生成する。該第2補正信号は、減衰器59により振幅を調整された後、前記補正変調信号と加算器60により合成されることにより補正変調信号を生成する。該補正変調信号は、変復調器70に入力されて質問器10から受信した主搬送波を変調して反射波としてアンテナ71から送信する。
次に、図8に示した応答器20の動作につき、各部の波形を示す図9を参照して説明する。
副搬送波発振器52の出力は図9(a)に示すように、1/2周期はT2であり、この出力を分周器57Bで分周して周波数を1/2(周期は2倍)とした副搬送波を図9(b)に示す。この副搬送波を図9(c)に示す情報信号53により位相変調した波形が図9(d)である。この波形(d)を遅延器55でD1だけ遅延させた波形が(e)となり、この波形(e)と波形(d)とを加算器55で加算した波形が(f)に示される。図4A)の回路ではこの波形(f)で変復調器70により変調を行う。
ここで、波形(f)で主搬送波Fc1を変調反射した反射波のスペクトルを図10に示す。但し、位相変調を行い、変調時の最大位相変化量は130°としている。このスペクトルから明らかなように、副搬送波の3次高調波に対応する成分Fc1+3fs1は抑制されている。また、2次高調波に対応する成分Fc1+2fs1は線スペクトルとなっていることから、質問器10の方で、検出された応答器の副搬送波周波数の2倍の周波数で位相が反転した正弦波信号を受信信号から減算することで、その影響を抑制することができる。
さらに、遅延器58により波形(a)をD2だけ遅延させ、極性を反転させ、減衰器59により振幅をA2に減衰させた波形(g)を波形(f)に加算して合成した波形が(h)である。
ここで、波形(h)で主搬送波Fc1を変調反射した反射波のスペクトルを図11に示す。但し、位相変調を行い、変調時の最大位相変化量は130°としている。このスペクトルから明らかなように、副搬送波の2次高調波に対応する成分Fc1+2fs1及び3次高調波に対する成分Fc1+3fs1は抑制されている。これにより副搬送波周波数がFc1+2fs1及びFc1+3fs1の近傍にある応答器に対して妨害を与えない。
上記した第3実施例によれば、加算器55及び遅延器56により生成される補正変調信号(図9(f))は、矩形波である変調信号(図9(d))に、該変調信号を所定時間遅延させた遅延信号に基づき生成された第1補正信号(図9(e))を合成した信号であるから正弦波に近似した信号となる。
また、補正変調信号(図9(f))は、副搬送波の2倍の周波数を有し、かつ遅延器58により所定時間遅延された第2補正信号(図9(g))と合成されるので、加算器60により生成される補正変調信号(図9(h))は、正弦波からやや鋸歯状波に近似した信号となる。
従って、第1補正信号(図9(e))で3次高調波を抑制でき、また第1補正信号(図9(e))で抑制しきれなかった2次高調波成分を副搬送波の2倍の周波数を有する第2補正信号(図9(g))で抑制することができ、他の応答器への高調波による妨害をさらに与え難くできる。
さらに、副搬送波の2倍の周波数を有する第2補正信号(図9(g))の振幅A2を減衰器59により2次高調波成分を抑制する所定レベルに設定して正弦波に近似した前記補正変調信号(図9(f))に合成するので、加算器60により生成される補正変調信号(図9(h))は2次高調波成分を含む信号になり、この信号で変調することにより、応答器から質問器に返信される反射波の2次高調波成分をも確実に抑制でき、他の応答器の信号に高調波成分による妨害をより一層与え難くできる。
また、第1補正信号(図9(e))は変調信号(図9(d))を所定時間遅延させた遅延信号に基づき生成された信号であるため、該第1補正信号(図9(e))は遅延器56によりデジタル信号として簡単に生成することができる。
また、第1補正信号(図9(e))の遅延時間D1の第1補正信号(図9(e))の1/2周期T1に対する比率D1/T1と、第2補正信号(図9(g))の遅延時間D2の第2補正信号(図9(g))の1/2周期T2に対する比率D2/T2を略等しくしたことにより、変調信号(図9(d))を所定時間遅延させた第1補正信号(図9(e))と副搬送波の2倍の周波数を有する信号から所定時間遅延させた第2補正信号(図9(g))を生成するときに、副搬送波の1/2周期T1と、副搬送波の2倍の周波数の1/2周期T2の値がわかれば、遅延時間D1、D2を高調波成分の抑制に必要な値に容易に設定することができる。
また、副搬送波周波数が変化して1/2周期T1、T2が変化したとしても、高調波成分の抑制に必要な遅延時間D1、D2を容易に設定することができるので、補正変調信号(図9(h))により2次高調波成分及び3次高調波成分を抑制でき、応答器から質問器に返信される反射波の高調波成分の抑制ができる。
次に、第1補正信号の遅延時間D1の第1補正信号の1/2周期T1に対する比率D1/T1及び第2補正信号の遅延時間D2の第2補正信号の1/2周期T2に対する比率D2/T2の関係と第2補正信号の振幅A2につき、本出願人において検討した結果を説明する。
図12は、受信した主搬送波を位相変調して反射させるときの最大位相変化量を130°とした場合に、2次高調波に対応する成分及び3次高調波に対応する成分がそれぞれ基本波成分に対し−20dB以下となるようにするための、第1補正信号の遅延時間D1の第1補正信号の1/2周期T1に対する比率D1/T1と、第2補正信号の遅延時間D2の第2補正信号の1/2周期T2に対する比率D2/T2と、第2補正信号の振幅A2との関係を測定した測定結果を表わす図である。
そして、この測定結果から、D1/T1とD2/T2を略等しくして、0.14<D1/T1=D2/T2<0.32とし、振幅A2を0.22<A2<0.65とすることにより、2次及び3次の高調波に対応する成分を共に抑制できることが判明した。さらに望ましくは、D1/T1=D2/T2≒0.25、A2≒0.45であることが判った。
特に、D1/T1=D2/T2=0.25としたときには、第1補正信号、第2補正信号は図13に示すような波形となる。
図13において、副搬送波発振器の発振周波数の2倍の周波数の信号(a)を基準とし、この波形(a)の立ち上がりをトリガとして2分周したものが波形(b)となり、立ち下がりをトリガとして2分周したのが波形(c)、波形(b)をさらに2分周したものが波形(d)、波形(c)を2分周したものが波形(e)である。
この波形(e)は波形(d)よりD2=0.25×T2だけ遅延している。波形(d)を反転させたものが波形(f)で、この波形(d)と(f)の遅延関係は図8の波形(a)と(g)との遅延関係と同じとなる。波形(b)の立ち下がりをトリガとして2分周したのが波形(g)で、波形(d)と(g)をそれぞれ2分周したものが波形(h)と(i)で、図9の波形(d)と(e)に対応している。
この図13から明らかなように、第1補正信号である波形(i)は、波形(g)を2分周させたもので、かつ波形(g)は、波形(a)を2分周した波形(b)を、その立ち下がりをトリガとして2分周したものである。
また、第2補正信号である波形(e)は、波形(a)の立ち下がりをトリガとして2分周した波形(c)を、2分周したものである。
従って、波形(a)の2分周器、波形(b)の2分周器、波形(c)の2分周器、波形(d)の2分周器をそれぞれ設けることにより、高調波成分を抑制するのに必要な遅延時間D1を有する第1補正信号及び遅延時間D2を有する第2補正信号を簡単に生成させることができる。
そして、このようにすれば、副搬送波発振器の発振周波数の2倍の周波数の信号(a)の周波数が変化しても高調波成分を抑制するのに必要な第1補正信号の遅延時間D1及び第2補正信号の遅延時間D2を簡単に生成させることができるようになり、副搬送波をホッピングさせるときに、遅延量を制御するための時定数をホッピングの度に変化させるというアナログ的な制御が不要となる。
図14は本発明の第4実施例の応答器を示し、上述した図8と同一部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
図14においては、図8に示す、副搬送波変調器54から出力される変調信号を一方に入力する加算器55と変調信号を所定時間遅延させる遅延器56に代えてフィルタ91を設けている。
該フィルタ91は、副搬送波変調器54に接続され、該フィルタ91の出力側は加算器92の一方に入力される。
一方、副搬送波発振器52は、副搬送波周波数の2倍の周波数を有する第2高調波発振器93に入力され、該第2高調波発振器93は減衰器94を介して、その出力信号を所定時間遅延させる遅延器95に接続される。該遅延器95は前記加算器92の他方に接続され、該加算器92の出力はD/A変換器96を介して変復調器70に接続される。
次に、図14に示した応答器の動作につき説明する。
前述した副搬送波変調器54からの図9(d)に示す信号をレイズドコサインフィルタ等のフィルタ91により3次高調波に対応する成分を抑制して加算器92に加算すると、図15のスペクトルに示すように3次高調波に対応する成分は抑制されるが、2次高調波に対応する成分は増加する。このため、副搬送波発振器52からの発振出力を第2高調波発振器93に入力し、第2高調波発振器93からの周期2T2の信号を減衰器94及び遅延器95でその振幅及び位相を制御して加算器92に加算した後D/A変換器96によりデジタル/アナログ変換して変復調器70にて復調すると、図16に示すように副搬送波の2次及び3次の高調波に対応する成分が抑制される。
なお、図14においては、変調副搬送波や第2高調波発振器93の出力波形はDSP(Digital Signal Proceesor)等で数列値として発生し、レイズドコサインフィルタは良く知られたFIR(Finite Impulse Response)フィルタで実現でき、振幅や遅延の制御及び波形合成も所定の演算処理で実現できる。もちろん、副搬送波発振器を設けず第2高調波発振器の信号を2分周して副搬送波を生成してもよい。
図17は、図14の回路において、2次及び3次の高調波に対する成分が基本波成分に対してー20dB以下となるような、遅延時間D2と1/2周期T2との比率D2/T2と第2補正信号の振幅A2の値を示し、本出願人の実験結果によれば、A2<0.17、0.4<D2/T2<0.6が望ましく、0.06<A2<0.14がさらに望ましいことが判明した。
上記した第4実施例によれば、低域通過フィルタ91により、3次高調波成分が含まれない特定の副搬送波周波数を通過させることができ、応答器から返信される反射波に高調波成分を含まず、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器において各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
また、副搬送波を生成する副搬送波発振器92と、所定の情報信号に基づいて副搬送波を変調する副搬送波変調器94とで変調信号を生成した後に、フィルタ91により3次高調波成分を抑制すると共に、遅延器95により副搬送波の2倍の周波数からなる信号を所定時間遅延させた補正信号を合成することにより、補正変調信号を生成するので、反射波に含まれる2次及び3次の高調波成分を抑制でき、他の応答器の信号に高調波成分による妨害を与え難くでき、質問器において各応答器からの正確な情報を取り出すことができる。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の特徴を逸脱しない範囲において種々の態様で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態を示す通信システムの構成図である。 通信システムで使用される主搬送波と副搬送波の関係を示す図である。 質問器の電気的構成を示すブロック図である。 応答器の電気的構成を示すブロック図であり、 A)は第1実施例を示し、 B)は第2実施例を示す。 図4A)の回路の波形図である。 図4B)の応答器の具体構成を示す電気構成ブロック図である。 図6の回路の波形図である。 応答器の第3実施例を示す電気構成ブロック図である。 図8の回路の波形図である。 図8に示す応答器の出力波形の高調波成分を含むスペクトルである。 図8に示す応答器の出力波形の高調波成分を抑制した後のスペクトルである。 遅延時間と周期との比率と振幅との関係を示す図である。 D1/T1=D2/T2=0.25としたときの図8に示す応答器の波形図である。 応答器の第4実施例を示す電気構成ブロック図である。 図14に示す応答器の出力波形の高調波成分を含むスペクトルである。 図14に示す応答器の出力波形の高調波成分を抑制した後のスペクトルである。 遅延時間と周期との比率と振幅との関係を示す図である。 従来の応答器の出力波形の高調波成分を含むスペクトルである。 従来の各応答器の出力信号のスペクトルである。
符号の説明
1…通信システム、10…質問器、20、21、22…応答器、30…デジタル回路部
、31…コントローラ、32…帯域分割フィルタ、33…副搬送波復調器、40…アナ
ログ回路部、41…発振器、42…変調器、43…電力増幅器、44…サーキュレータ
、45…低雑音増幅器(LNA)、46…主搬送波復調器、50…デジタル回路部、5
1…コントローラ、52、52B…副搬送波発振器(変調信号生成手段)、53…情報信号、5
4…副搬送波変調器(変調信号生成手段)、55、60…加算器(補正変調信号生成手
段)、56…遅延器(第1補正信号生成手段)、57、57B…分周器、58…遅延器(第2補正信号生成手段
)、59,94…減衰器(振幅調整手段)、70…変復調器(変調返信手段)、71…
アンテナ(変調返信手段)、81…発振回路、82…モノステーブルマルチバイブレー
タ、83…積分回路、84…容量可変ダイオード、86、87…2分周回路、88、8
9…変調器、91…フィルタ、93…第2高調波発振器、96…D/A変換器。

Claims (10)

  1. 質問器から質問波を送信して、当該質問波を受信した応答器が当該質問波に対して所定の変調を行った反射波を質問器に返信する通信システムの応答器であって、
    当該応答器は、
    前記質問波を受信するアンテナと、
    所定の情報信号に基づいて変調信号を生成する変調信号生成手段と、
    前記変調信号に含まれる高調波成分を抑制するための1又は複数の補正信号を生成し、該生成した補正信号を前記変調信号に合成することにより補正変調信号を生成する補正変調信号生成手段と、
    該補正変調信号生成手段により生成された補正変調信号により前記質問波を変調し、前記アンテナから質問器に返信させる変調返信手段と、
    を備えてなることを特徴とする通信システムの応答器。
  2. 前記変調信号及び前記補正信号は、2値のパルス信号からなることを特徴とする請求項1に記載の通信システムの応答器。
  3. 前記補正変調信号生成手段で生成される補正信号は、変調信号生成手段で生成される変調信号を所定時間遅延させた信号であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システムの応答器。
  4. 前記変調信号生成手段は、副搬送波を生成する副搬送波発振器と、前記情報信号に基づいて当該副搬送波を変調する副搬送波変調器とからなることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の通信システムの応答器。
  5. 前記副搬送波の周波数をホッピングする周波数ホッピング手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の通信システムの応答器。
  6. 前記補正変調信号生成手段は、前記変調信号を所定時間遅延させた遅延変調信号に基づき第1補正信号を生成する第1補正信号生成手段と、前記副搬送波の2倍の周波数を有する信号であって、副搬送波に対し、所定時間遅延させた第2補正信号を生成する第2補正信号生成手段とを備え、該各補正信号生成手段にて生成された第1補正信号及び第2補正信号を前記変調信号と合成することにより、前記補正変調信号を生成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の通信システムの応答器。
  7. 前記第1補正信号の遅延時間の第1補正信号の1/2周期に対する割合と、第2補正信号の遅延時間の第2補正信号の1/2周期に対する割合を略等しくしたことを特徴とする請求項6に記載の通信システムの応答器。
  8. 前記第2補正信号の振幅を所定レベルに設定するための振幅調整手段を設けたことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の通信システムの応答器。
  9. 前記補正変調信号生成手段は、前記変調信号に含まれる高調波成分を抑制するための低域通過フィルタを含むことを特徴とする請求項1に記載の通信システムの応答器。
  10. 前記変調信号生成手段は、副搬送波を生成する副搬送波発振器と、前記情報信号に基づいて当該副搬送波を変調する副搬送波変調器とを含み、前記補正変調信号生成手段は、前記副搬送波の2倍の周波数からなる補正信号を生成することを特徴とする請求項1又は請求項9に記載の通信システムの応答器。
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