JP2005071864A - カラー受像管 - Google Patents

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浩 櫻井
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Abstract

【課題】 熱膨張時にもブリッジに水平方向の張力が作用し続けることにより、シャドウマスクの皺を抑え、ドーミング現象による色ムラを解消する。
【解決手段】 シャドウマスクを構成する平板5が垂直方向に張力を印加されて保持される。平板5は垂直方向に長い複数の列板11と隣り合う列板11を連結するブリッジ12とを有する。列板11はジグザグ部20を有する。ジグザグ部20は垂直方向に対して傾斜した複数の隆起部21とこれらを連結する屈曲部22とを備え、複数の隆起部21が屈曲部22にてその向きを変えて列板11の垂直方向の両端間を蛇行するように連なっている。隣り合う列板11のそれぞれのジグザグ部20に含まれる屈曲部22のうち、水平方向に互いに接近し合う屈曲部22間がブリッジ12で連結されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シャドウマスク型のカラー受像管に関する。
図4は、一般的なカラー受像管の概略断面図である。
カラー受像管1は、内面に蛍光体スクリーン2が形成されたフェイスパネル3と、その後方に接合されたファンネル4とからなる外囲器を備える。外囲器内には、蛍光体スクリーン2と対向する金属の平板(シャドウマスク)5と、これを支持するフレーム6とを備え、さらに、ファンネル4のネック部7内には、電子銃8を備えている。電子銃8からは3本の電子ビーム9(図4では重なって1本に見えている)が射出され、電子ビーム9は、ファンネル4の外部に備えられた偏向ヨーク10によって偏向されながら平板5に設けられた複数の電子ビーム通過孔を通過して蛍光体スクリーン2へ到達する。以下、説明の便宜のために、水平方向(図4の紙面と垂直な方向、蛍光体スクリーン2の長辺方向)をX軸、垂直方向(図4の紙面の上下方向、蛍光体スクリーン2の短辺方向)をY軸、管軸方向をZ軸とする。X軸とY軸とはZ軸上で交差する。
図5は、従来のカラー受像管における架張方式のシャドウマスクの基本的な構成を示した斜視図である。シャドウマスクを構成する平板5がフレーム6により架張され保持されている。フレーム6は、互いに平行に配置された一対の長辺フレーム6aと、長辺フレーム6aを所定間隔で離間させて保持する一対の短辺フレーム6bとが長方形状の枠体となるように固定されて構成されている。
平板5は、垂直方向に長い複数のストライプ状の列板11を備える。列板11は水平方向に繰り返して配置され、隣り合う列板11間にはブリッジ12が架橋されている。平板5は垂直方向の張力T(図5中の矢印で示す)が印加された状態で一対の長辺フレーム6aに架張保持されている。水平方向に隣り合う列板11間の隙間のうち、ブリッジ12が無い部分は開口となり、これが電子ビーム通過孔13として作用する。
平板5は、垂直方向に張力Tを印加されると、水平方向に縮んで鼓状の変形(いわゆるポアソン歪)を生じる。平板5がフレーム6に架張保持されてポアソン歪を生じた状態で、電子ビーム通過孔13を通過した電子ビーム9が到達すると予測されるフェイスパネル3の内面上の領域に合致するように、垂直方向に延びる複数の蛍光体ストライプがフェイスパネル3の内面上に形成されて蛍光体スクリーン2が構成される。
この構成において、数十kVの電圧が印加されたシャドウマスクの平板5に、数十keVの運動エネルギーに加速された電子ビーム9の80%以上が衝突する。このとき、運動エネルギーが熱エネルギーに変換されるため、平板5の温度が上昇し、平板5が熱膨張する。その結果、平板5に多数設けられた電子ビーム通過孔13の空間的な変位が生じ、電子ビーム通過孔13を通過する電子ビーム9が所定の蛍光体に正しく当たらなくなり、色ムラが発生する。これはドーミング現象と呼ばれている。
このドーミング現象について、もう少し詳しく述べる。
平板5は架張時に垂直方向の張力Tが与えられるので、この張力Tが十分に大きければ、熱膨張の垂直方向成分を吸収することができる。ただし、蛍光体ストライプは垂直方向に延びているので、平板5の垂直方向の熱膨張は色ムラを生じない。
一方、水平方向には、構造上あまり強い張力を与えることができないので、熱膨張を吸収し得ず、電子ビーム通過孔13は水平方向に変位する。従って、電子ビーム9の蛍光体スクリーン2に対するランディング位置が蛍光体ストライプに対して水平方向に位置ずれする。この位置ずれは、所望の温度−変形特性を有するフレーム保持機構(図示せず)を介してフレーム6をフェイスパネル3内に保持し、フレーム6及び平板5の位置を温度上昇に応じて管軸方向にずらすことで補正できると考えられる。その理由は以下の通りである。電子ビーム通過孔13と電子ビーム9との相対的関係においては、平板5が管軸方向に位置ずれすることは、平板5の管軸方向位置を一定にして、電子ビーム通過孔13を垂直方向及び水平方向に拡大又は縮小し、且つ電子ビーム通過孔13を垂直方向及び水平方向に変位させることと等価である。蛍光体ストライプが垂直方向に延びていることにより、電子ビーム通過孔13の垂直方向の変位は色ムラに無関係である。従って、平板5の位置を管軸方向にずらすことにより、電子ビーム通過孔13を水平方向に移動させたのと同じ効果が得られ、電子ビーム9のランディング位置が蛍光体ストライプに対して水平方向にずれることにより生じる色ムラを解消できると考えられる。
平板5を温度変化に応じて管軸方向にずらすこの方法は、平板5の熱膨張により電子ビーム通過孔13が単純に水平方向に平行移動するような場合には有効である。ところが、実際には、熱膨張によりブリッジ12に水平方向の圧縮応力が作用するので、平板5に皺が発生しやすい。皺が発生すると、電子ビーム通過孔13が場所によって不均一に変位するので、平板5を管軸方向にずらすだけでは電子ビーム9のランディング位置の水平方向位置ずれを補正できず、色ムラが生じてしまう。
更に、平板5が熱膨張すると垂直方向の張力Tが弱まり、上記のポアソン歪みが緩和され、平板5が水平方向に膨らむ。平板5のこの水平方向の変形は、ポアソン歪みによる鼓状の変形が自然状態に戻ることにより生じるので、このとき生じる電子ビーム通過孔13の水平方向の変位量はその場所によって異なる。従って、上記の皺発生の場合と同様に、平板5を管軸方向にずらすだけでは電子ビーム9のランディング位置の水平方向位置ずれを補正できず、色ムラが生じてしまう。
よって、平板5の熱膨張により生じる色ムラを解消するには、ブリッジ12に作用する水平方向の圧縮応力を低減して皺の発生を抑え、更に、ポアソン歪による平板5の水平方向における不均一な変位、あるいはその熱膨張時の戻り量を低減するための対策が必要となる。
このような対策の一例としては、複数のストライプ状の列板11を水平方向に連結しているブリッジ12の数を減らす手段が知られている(例えば、特許文献1参照)。ブリッジ12の数が減れば、一つの列板11の熱膨張やポアソン歪による水平方向の変位がブリッジ12で連結された隣の列板11を変位させて、ブリッジ12を介して次々に隣の列板11へ変位量が加算されて伝播して行く現象を軽減できるため、熱膨張時にブリッジ12に作用する水平方向の圧縮応力を低減して皺の発生を抑え、更にポアソン歪による平板5の水平方向の不均一な変位、あるいはその熱膨張時の戻り量を低減できる。
ブリッジ12は電子ビーム9を遮蔽するので、蛍光体スクリーン2上に非発光部を形成する。ブリッジ12の数を減らすと、ブリッジ12の垂直方向ピッチが拡大するので、画面上においてブリッジ12による非発光部の垂直方向間隔が広がり、横縞状の輝度差が視認されやすくなり、これが固定された画面ノイズパターンを生じる。この対策として、上記特許文献1では、ブリッジ12を無くした部分に、ブリッジ12がある場合とほぼ等量の電子ビームを遮蔽する突起を設けている。このように、隣り合う列板11を連結していないが、見かけ上ブリッジが存在するかのように電子ビームを遮蔽する効果を有する突起は、擬似ブリッジとも呼ばれている。
特開2001−84918号公報
しかし、上記の特許文献1の技術は、ドーミング現象に対して抑制効果を発揮する一方で、平板5および蛍光体スクリーン2を設計どおりに精度よく製作することが難しく、製造上のわずかな誤差が輝度差による画面ノイズとして視認されてしまうという問題があった。
また、設計どおりに精度よく平板5および蛍光体スクリーン2を製作できたとしても、なんらかの影響でわずかに電子ビーム9の軌道が変化すると、ブリッジ12と擬似ブリッジとの電子ビーム遮蔽量のバランスが変化し、再び画面ノイズが発生するという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、ドーミング現象による色ムラを解消したカラー受像管を提供することを目的とする。
本発明のカラー受像管は、蛍光体スクリーンと対向し、垂直方向に張力を印加されて保持された金属の平板を備える。前記平板は、垂直方向に長い複数の列板と複数のブリッジとを備え、前記複数の列板は水平方向に配列され、水平方向に隣り合う前記列板が垂直方向に離間した複数の前記ブリッジを介して連結され、水平方向に隣り合う前記列板の間に、電子ビーム通過孔が形成される。前記列板は垂直方向に延びるジグザグ部を有し、前記ジグザグ部は、垂直方向に対して傾斜した畝状の複数の隆起部と、垂直方向に隣り合う前記隆起部を連結する屈曲部とを備える。複数の前記隆起部が前記屈曲部にてその向きを変えて前記列板の垂直方向の両端間を蛇行するように連なっており、水平方向に隣り合う前記列板のそれぞれの前記ジグザグ部に含まれる前記屈曲部のうち、水平方向に互いに接近し合う前記屈曲部間を前記ブリッジが連結している。
本発明に係るカラー受像管によれば、架張時にブリッジに水平方向の適正な引っ張り力を与える構造とすることによって、熱膨張時にブリッジに水平方向の引っ張り力が維持されるので皺の発生が抑えられる。従って、皺に起因するドーミング現象を防止でき、色ムラを解消することができる。
本発明のカラー受像管においては、温度上昇によって前記平板が熱膨張した際に生じる前記列板の水平方向の変位を低減する機構を前記ブリッジが有していることが好ましい。これにより、ポアソン歪みによる平板の水平方向の不均一な変位が熱膨張により緩和されたとしても、ブリッジが列板の水平方向の戻り変位を吸収できる。従って、ドーミング現象による色ムラの発生を一層防止できる。
この場合において、前記機構が、前記ブリッジの蛍光体スクリーン側の面及び/又は電子銃側の面に形成された凹凸であることが好ましい。これにより、水平方向の変位を低減する機構を容易に実現できる。
また、本発明のカラー受像管において、前記ジグザグ部が、前記列板の板厚の部分的な差異によって形成されていることが好ましい。これにより、電子ビーム通過孔には何ら影響を及ぼすことなく、列板にジグザグ形状を形成することができる。
前記ブリッジの凹凸がハーフエッチングにより形成されていることが好ましい。これにより、ブリッジに凹凸を容易に設けることができる。
また、前記列板の板厚の部分的な差異がハーフエッチングにより形成されていることが好ましい。これにより、列板や平板の無孔領域(デッドスペース)に容易に板厚の差異を設けることができる。
また、前記ハーフエッチングが前記列板の両面に施されていることが好ましい。これにより、列板に大きな板厚の差異を容易に形成できるので、ジグザグ部の製造上の制約が緩和される。
また、複数の前記列板の水平方向の配列ピッチが同一ではなく、前記ピッチが小さな領域内の前記列板に含まれる前記隆起部が垂直方向に対してなす角度をθ1(0°<θ1<90°)、前記ピッチが大きな領域内の前記列板に含まれる前記隆起部が垂直方向に対してなす角度をθ2(0°<θ2<90°)としたとき、θ1<θ2を満足することが好ましい。列板の水平方向ピッチが大きい領域では、列板の強度は大きくなるから、平板に印加された張力によってジグザグ部がブリッジに発生させる水平方向の張力は小さくなりやすい。一方、隆起部の傾斜角度が大きいほど、平板に印加された張力によりブリッジに大きな水平方向の張力を発生させることができる。従って、θ1<θ2を満足することにより、列板の水平方向ピッチが大きい領域でも、ブリッジに大きな水平方向の張力を発生させることができる。
また、前記平板に垂直方向の張力が印加されたとき、印加しないときに比べて、前記隆起部が垂直方向に対してなす角度θ(0°<θ<90°)が小さくなるように前記平板が変形することが好ましい。これにより、ブリッジに発生する水平方向の張力の大きさを角度θにより調整することができる。
また、前記平板の水平方向の両端縁が、内側に凸の曲線により形成されていることが好ましい。これにより、垂直方向の張力を印加しながら平板を保持したときに、平板の水平方向の両端部に水平方向に外向きの張力を発生させることができるので、皺の発生を一層防止することができる。
また、前記屈曲部の水平方向の断面積が、前記隆起部の水平方向の断面積より小さいことが好ましい。これにより、垂直方向の張力を印加しながら平板を保持したときに、ブリッジにより大きな水平方向張力を発生させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図4および図5を用いて説明したカラー受像管の一般的構成は、本発明のカラー受像管でも同様であるので、これらについての説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるカラー受像管において、平板5のフレーム6への架張前の状態を、スクリーン側から見た一部拡大正面図である。また、図2は、平板5の一部拡大斜視図である。平板5の画面全域に図2に示すパターンが繰り返されている。
平板5は、垂直方向に長いストライプ状の複数の列板11を備える。複数の列板11は水平方向に離間して互いに略平行に配列され、水平方向に隣り合う列板11は、垂直方向に離間した複数のブリッジ12により連結されている。水平方向に隣り合う列板11と垂直方向に隣り合うブリッジ12とによって囲まれて形成された開孔が電子ビーム通過孔13である。
各列板11は、スクリーン2側の面からハーフエッチングによって部分的に板厚を薄くしたハーフエッチング部14が形成されている。図1では、ハーフエッチング部14に平行斜線を引いているが、これは本発明の理解を容易にするためであって、切断面を示すものではない。
ハーフエッチングは、エッチングされずに残った板厚の厚い部分がジグザグ状になるように施される。ハーフエッチング部14に対して隆起した部分をジグザグ部20と呼ぶ。ジグザグ部20は、畝状にほぼまっすぐに延びる複数の隆起部21を備える。列板11の垂直方向と平行な中心線16に対して、各隆起部21がなす角度の絶対値をθ(0°<θ<90°)とする。列板11の水平方向の一方の端縁である第1端縁の近傍から他方の端縁である第2端縁の近傍に向かって角度θで延びる隆起部21と、第2端縁の近傍から第1端縁の近傍に向かって角度θで延びる隆起部21とが、屈曲部22を介して垂直方向に交互に連結される。このように、列板11の垂直方向の両端間に、複数の隆起部21が蛇行するように連なってジグザグ部20が形成されている。
水平方向に隣り合う列板11にそれぞれ形成された複数の屈曲部22のうち、水平方向に互いに接近し合う屈曲部22間(即ち、ジグザグ部20の山の部分同士)を、ブリッジ12が水平方向に連結している。
以上のようなパターンは、多少その寸法が変化するものの平板5の全面に繰り返し形成されている。平板5の水平方向の両端の電子ビーム通過孔13が形成されていない無孔領域(デッドスペース)17にも、板厚の違いによる同様のパターンが連続するように形成されている。
平板5の水平方向の両端縁(短辺)18は、直線ではなく、内側に凸の曲線で構成されている。即ち、平板5の水平方向幅は、垂直方向の中央において小さく両端で大きい。
このような平板5が垂直方向に張力T(図5参照)を印加されてフレーム6に架張保持された場合を説明する。
垂直方向の張力Tが印加されると、列板11にポアソン歪が発生して列板11の水平幅S(図2参照)が小さくなり、その結果、隣り合う列板11間を連結するブリッジ12に、その両端である点Aと点Bとの間を離間させるような引っ張り力(これを張力αとする)が発生する。このような張力αは図5に示した従来のシャドウマスクにおいても同様に発生する。
本発明においては、垂直方向の張力Tが印加されたときに、列板11内のジグザグ部15が、ジグザグ状から直線状になるように、即ち、隆起部21の傾斜角度θが小さくなるように変形する。このような変形の結果、ブリッジ12には、点Aと点Bとの間を離間させるような引っ張り力(これを張力βとする)が更に発生する。
従って、本発明においては、平板5が垂直方向に張力Tを印加されることにより、全てのブリッジ12に水平方向の張力α+βが作用する。
次に、カラー陰極線管の動作時に熱膨張が起きた場合を説明する。熱膨張の水平方向成分によって、列板11とブリッジ12の水平方向の寸法が増加する。更に、熱膨張の垂直方向成分によって列板11に印加された垂直方向の張力Tが緩和されてポアソン歪が緩和するので、列板11の水平方向の寸法が増加する。これらの2種類の原因による水平方向の寸法の増加は、熱膨張前にブリッジ12に水平方向の張力が作用していない場合には、ブリッジ12に圧縮力を発生させる。これらの圧縮力の総和をγとする。実際には、熱膨張前のブリッジ12には、上述したように水平方向に張力α+βが作用しているので、熱膨張後のブリッジ12に作用する水平方向の力Fは、引っ張り方向の符号を正にとると、F=α+β−γとなる。ここで、通常はα<γである。図5に示した従来のシャドウマスクではβ=0であるので、F=α−γ<0、すなわちブリッジ12には圧縮力が作用することになり、平板5に皺が発生する。これに対して、本発明では、β>0であり、且つ、βの大きさを設計によって制御できるので、F=α+β−γ>0を実現できる。これにより、熱膨張後もブリッジ12に張力が作用した状態を維持することができるので、平板5に皺が発生するのを防止できる。
ただし、ブリッジ12に作用する力Fは、熱膨張前のα+βから熱膨張後にα+β−γに変化するのであるから、F>0の状態は維持されるものの、力Fの値はγだけ小さくなる。また同時に、点Aと点Bとの距離は熱膨張前に比べて熱膨張後は大きくなる(この水平方向の距離の変化をΔXとする)。このΔXが大きいとドーミング現象を生じさせ、問題になるため、何らかの対策を設けることが好ましい。
そこで本発明は、図2に示すように、ブリッジ12にΔXを吸収する機構を設けている。この機構は、ブリッジ12の蛍光体スクリーン2側の面と電子銃8側の面とにそれぞれ形成された複数の部分的な窪み19から構成される。窪み19がブリッジ12の水平方向の剛性を低下させて、弾性変形を容易にする(スプリング作用)。この機構は、平板5を架張するときにブリッジ12に作用する水平方向の張力α+βによって発生する点Aと点Bとの距離の変化を抑制する効果をも有する。即ち、架張及び熱膨張時のブリッジ12に作用する水平方向の力Fの変化による、点Aと点Bとの距離の変化がブリッジ12の弾性変形である程度吸収されるので、ΔXを低減できる。これによって、列板11の水平方向の変位が低減されるので、ドーミング量を問題のないレベルに抑えることが可能になる。なお、ブリッジ12の蛍光体スクリーン2側の面に形成される窪み19と電子銃8側の面に形成される窪み19とは、水平方向において同一位置に形成しても良いが、図2に示すように異なる位置に形成する方が、ブリッジ12の剛性が低下しやすいので好ましい。また、窪み19は、ブリッジ12の蛍光体スクリーン2側の面及び電子銃8側の面のうちのいずれか一方でもよいが、両方に設けた方が、ブリッジ12の剛性が低下しやすいので好ましい。
なお、上記の窪み19は、ハーフエッチング部14と同様にハーフエッチングにより形成できる。図2に示す本実施形態のシャドウマスクでは、平板5の電子銃8側の面を、ブリッジ12を垂直方向に通るストライプ状にハーフエッチングすることにより、窪み19と電子ビーム通過孔13とを同時に形成している。
<本発明の具体例>
表示画面対角サイズが76cmのワイドCRTの設計例を示す。平板5の大きさは660mm×530mmで、板厚T=0.15mmの鉄板材を用いる。平板5の中央部分において、図2に示すように、列板11の水平方向繰り返しピッチaH=0.49mm、ブリッジ12の垂直方向繰り返しピッチaV=1.11mm、電子ビーム通過孔13の垂直方向開孔幅H=1.08mm、電子ビーム通過孔13の水平方向開孔幅W=0.125mm、隆起部21の水平方向幅P=0.07mm、ブリッジ12の垂直方向幅G=0.03mmとし、ハーフエッチング部14の板厚t=0.05mm、隆起部21が垂直方向軸に対してなす角度θ=75°とする。この平板5を、垂直方向に従来と同様の規定の張力Tを印加して架張すれば、熱膨張後のブリッジ12に作用する水平方向の力F>0にできる。
ただし、平板5の位置によって上記の寸法を微妙に異ならせせることが好ましい。これは主として電子ビーム9の平板5および蛍光体スクリーン2に対する入射角が、画面の位置によって異なることに対応させるためである。例えば、列板11の水平方向繰り返しピッチaHは、平板5の水平方向の中央付近で最も小さく、水平方向周辺に向けて徐々に大きくなるように一般的に設計されている。
列板11の水平方向ピッチaHの変化にも関わらず、平板5のどの位置においても常に、ブリッジ12に所望の水平方向の引っ張り張力が印加されるためには、ピッチaHの変化に合わせて、隆起部21の傾斜角度θを変化させる必要がある。すなわち、ピッチaHが大きくなるにしたがって、傾斜角度θの絶対値を大きくする。ピッチaHが小さい領域内での傾斜角度θをθ1(0°<θ1<90°)、大きい領域内での傾斜角度θをθ2(0°<θ2<90°)とした場合に、θ1<θ2であることが好ましい。
このように設計された平板5をフレーム6に架張保持した状態で、フェイスパネル3の内面に向き合うように配置し、電子ビーム通過孔13の空間的な位置に対応するようにR(赤)、G(緑)、B(青)の蛍光体ストライプが繰り返し配置された蛍光体スクリーン2を形成して、カラー受像管が得られる。
<本発明の作用>
次に、本発明のカラー受像管の動作中の作用について、力のシミュレーション数値を用いて説明する。
従来例で述べたように、電子銃8から出射された電子ビーム9の大半が平板5に衝突して平板5を温度上昇させ熱膨張を引き起こす。このとき、垂直方向に関しては、従来例と同様に、平板5に垂直方向の張力Tが充分に与えられていれば、熱膨張の垂直方向成分を吸収することができる。一方、水平方向に関しては、列板11及びブリッジ12のそれぞれが熱膨張することによっていずれも水平方向の寸法が増加し、更に、列板11の垂直方向の張力Tが緩和されてポアソン歪が戻ることによって列板11の水平方向の寸法が増加する。これらの水平方向の寸法増加は、ブリッジ12に対して水平方向の圧縮力として作用する。この力の変化の絶対値をγで表すと、圧縮力の増加は−γとなる。ここで、γ=100とし、引っ張り力を+、圧縮力を−の符号で表す。
通常は平板5を架張する際に付与された張力Tによるポアソン歪みにより、ブリッジ12には水平方向の張力α=50が印加されている。図5に示した従来の平板5では、熱膨張後のブリッジ12に作用する水平方向の力はα−γ=−50<0となり、ブリッジ12には圧縮力が作用することになるので、平板5に皺が発生する。また、ブリッジ12に作用する力の変化量はγ=100であり、力の変化量が100に達すると問題となるレベルのドーミング現象を引き起こすことが実験的に確認されている。
これに対して、本発明では、2つの新しい構成により皺およびドーミング現象を回避できる。
第1は、平板5を張力Tで架張した際に、ブリッジ12に従来の張力α(=50)より大きな張力α+β(=140)が作用するように、ジグザグ部20を設計している点である。これによって、熱膨張後のブリッジ12に作用する水平方向の力はα+β−γ=40>0となり、張力が印加された状態が維持されるので、平板5の皺の発生を回避できる。
第2は、ブリッジ12の両端の点A,B間の距離の水平方向の変化を吸収する機構をブリッジ12に設けている点である。この機構によりブリッジ12が容易に弾性変形して水平方向の力を吸収するので点A、B間の距離の変化を抑制できる。これにより、ブリッジ12に作用する力の変化量を従来の約1/3であるγ=35に低減でき、ドーミング現象を問題のないレベルに抑制できる。
<発明の変形例>
上記の説明は本発明の一実施形態についてのものであって、本発明は、上記の実施形態に限定されない。例えば、以下のような変形例であってもよい。
(第1の変形例)
上記実施形態では、ジグザグ部20を列板11のスクリーン2側の面(ここでは表面と呼ぶことにする)を部分的エッチングすることで形成した。これに限らず、例えば、表面ではなく、列板11の電子銃8側の面(ここでは裏面と呼ぶことにする)を部分的にエッチングしてもよく、あるいは表面及び裏面の両面を部分的にエッチングしてもよい。エッチングされて厚み方向に薄くなった部分に対してエッチングされずに元の板厚を保持した部分が、実効的にジグザグ状に形成されれば、上記と同様の効果を得ることができる。
表面及び裏面の両面をエッチングする場合は、必要なエッチング量を表面と裏面とに振り分けることでエッチングの形状に自由度が増すので、エッチングの深さや形状に関する製作上の難易度を低くすることが可能になる。
(第2の変更例)
図3は第2の変更例に係る平板5の一部拡大斜視図である。本変更例は、屈曲部22のブリッジ12が接続されている側とは反対側の一部をエッチングにより除去してノッチ23を形成している点で、図2に示した実施形態と異なる。図2の実施形態では、屈曲部22と隆起部21とでは、水平方向断面積がほぼ同一であったのに対して、図3の変更例では、ノッチ23を設けたことにより、屈曲部22での水平方向断面積は隆起部21での水平方向断面積より小さくなっている。
本発明では、平板5を張力Tで架張した後、熱膨張前に、ブリッジ12に張力α+βが作用する。ここで、張力βはジグザグ部20を設けることによって発生している。熱膨張後に圧縮方向の力γが発生しても、ブリッジ12に水平方向の引っ張り力を作用させるためには、即ち、ブリッジ12に作用する水平方向の力F=α+β−γ>0を維持するためには、ジグザグ部20によって発生する張力βが大きいことが有利である。張力βを大きくするためには、例えば隆起部21の傾斜角度θを大きくすることが有効である。しかしながら、傾斜角度θは、列板11の水平方向ピッチaH及びブリッジ12の垂直方向ピッチaVによってほぼ決定されてしまい、設計上の自由度は小さい。また、隆起部21の水平方向幅Pを拡大すれば張力βを大きくできる可能性があるが、屈曲部22の水平方向幅も同様に拡大させると、屈曲部22の剛性が向上し、張力βの増加量はわずかになってしまう。
本変更例では、屈曲部22にノッチ23を形成し、屈曲部22での水平方向断面積を隆起部21での水平方向断面積より小さくすることにより、屈曲部22の曲げ剛性を低下させている。これにより、垂直方向の張力Tが印加されたときに、隆起部21の傾斜角度θの変化量が大きくなるので、ブリッジ12に作用する張力βが増大する。その結果、熱膨張後もブリッジ12に張力が作用した状態を維持し続けることが容易になる。
本発明野の利用分野は特に限定はないが、例えば、テレビ受像機、コンピューターディスプレイ等のカラー受像管として利用できる。特に、ドーミングによる色ムラが問題となりやすい高精細表示を行うカラー受像管に有効である。
本発明の一実施形態にかかるカラー受像管が備える架張前の平板の一部拡大平面図 図1に示した平板の一部拡大斜視図 本発明の第2の変更例にかかるカラー受像管が備える平板の一部拡大斜視図 一般的なカラー受像管の側面断面図 フレームに架張されたシャドウマスクの斜視図
符号の説明
1 カラー受像管
2 蛍光体スクリーン
3 フェイスパネル
4 ファンネル
5 平板
6 フレーム
7 ネック部
8 電子銃
9 電子ビーム
10 偏向ヨーク
11 列板
12 ブリッジ
13 電子ビーム通過孔
14 ハーフエッチング部
16 中心線
17 無孔領域(デッドスペース)
18 平板の水平方向の端縁(短辺)
19 窪み
20 ジグザグ部
21 隆起部
22 屈曲部
23 ノッチ

Claims (11)

  1. 蛍光体スクリーンと対向し、垂直方向に張力を印加されて保持された金属の平板を備えるカラー受像管であって、
    前記平板は、垂直方向に長い複数の列板と複数のブリッジとを備え、
    前記複数の列板は水平方向に配列され、
    水平方向に隣り合う前記列板が垂直方向に離間した複数の前記ブリッジを介して連結され、
    水平方向に隣り合う前記列板の間に、電子ビーム通過孔が形成され、
    前記列板は垂直方向に延びるジグザグ部を有し、
    前記ジグザグ部は、垂直方向に対して傾斜した畝状の複数の隆起部と、垂直方向に隣り合う前記隆起部を連結する屈曲部とを備え、
    複数の前記隆起部が前記屈曲部にてその向きを変えて前記列板の垂直方向の両端間を蛇行するように連なっており、
    水平方向に隣り合う前記列板のそれぞれの前記ジグザグ部に含まれる前記屈曲部のうち、水平方向に互いに接近し合う前記屈曲部間を前記ブリッジが連結していることを特徴とするカラー受像管。
  2. 温度上昇によって前記平板が熱膨張した際に生じる前記列板の水平方向の変位を低減する機構を前記ブリッジが有している請求項1に記載のカラー受像管。
  3. 前記機構が、前記ブリッジの蛍光体スクリーン側の面及び/又は電子銃側の面に形成された凹凸である請求項2に記載のカラー受像管。
  4. 前記ジグザグ部が、前記列板の板厚の部分的な差異によって形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のカラー受像管。
  5. 前記ブリッジの凹凸がハーフエッチングにより形成されている請求項3に記載のカラー受像管。
  6. 前記列板の板厚の部分的な差異がハーフエッチングにより形成されている請求項4に記載のカラー受像管。
  7. 前記ハーフエッチングが前記列板の両面に施されている請求項6に記載のカラー受像管。
  8. 複数の前記列板の水平方向の配列ピッチが同一ではなく、
    前記ピッチが小さな領域内の前記列板に含まれる前記隆起部が垂直方向に対してなす角度をθ1(0°<θ1<90°)、前記ピッチが大きな領域内の前記列板に含まれる前記隆起部が垂直方向に対してなす角度をθ2(0°<θ2<90°)としたとき、θ1<θ2を満足する請求項1〜7のいずれかに記載のカラー受像管。
  9. 前記平板に垂直方向の張力が印加されたとき、印加しないときに比べて、前記隆起部が垂直方向に対してなす角度θ(0°<θ<90°)が小さくなるように前記平板が変形する請求項1〜8のいずれかに記載のカラー受像管。
  10. 前記平板の水平方向の両端縁が、内側に凸の曲線により形成されている請求項1〜9のいずれかに記載のカラー受像管。
  11. 前記屈曲部の水平方向の断面積が、前記隆起部の水平方向の断面積より小さい請求項1〜10のいずれかに記載のカラー受像管。
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