JP2005071746A - 電子顕微鏡用撮像装置 - Google Patents

電子顕微鏡用撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005071746A
JP2005071746A JP2003298785A JP2003298785A JP2005071746A JP 2005071746 A JP2005071746 A JP 2005071746A JP 2003298785 A JP2003298785 A JP 2003298785A JP 2003298785 A JP2003298785 A JP 2003298785A JP 2005071746 A JP2005071746 A JP 2005071746A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scintillator
electron beam
optical
electron microscope
electron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003298785A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005071746A5 (ja
JP4217565B2 (ja
Inventor
Taketoshi Watanabe
壮俊 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003298785A priority Critical patent/JP4217565B2/ja
Publication of JP2005071746A publication Critical patent/JP2005071746A/ja
Publication of JP2005071746A5 publication Critical patent/JP2005071746A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4217565B2 publication Critical patent/JP4217565B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 簡易且つ自由な構成で、電子線回折図形の任意の領域を選択してSTEM像を得られる撮像装置を安価に提供する。
【解決手段】 シンチレータ9と光信号を電気信号に変換する変換デバイス11から成る電子線検出器8を用いた電子顕微鏡用撮像装置において、前記電子線検出器8は、前記シンチレータ9と前記変換デバイス11の間に、前記シンチレータ9に電子線が照射されることにより発光したシンチレータ9からの光を部分的に遮蔽及び減光を行う光学デバイス14を有し、更に前記光学デバイス14を制御して光の部分的な遮蔽及び減光を行う駆動制御装置15を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、透過電子顕微鏡装置の撮像装置に係り、特に電子線回折パターンを用いた走査型透過電子顕微鏡像の撮像装置に関する。
走査型透過電子顕微鏡(以下STEM)は、細く絞った電子線を薄片化した試料上で走査し、試料上の各照射点で散乱、透過した電子の強度をマッピングすることにより像(STEM像)を形成する電子顕微鏡である。
図7は、従来の撮像装置を備えた走査型透過電子顕微鏡の構成を示した図である。
101は電子顕微鏡鏡筒、102は電子銃、103は照射レンズ、104は電子線を試料上で走査するための偏向コイル、105は対物レンズ、106は試料、107は電子線回折図形を電子線検出器に投影するための投影レンズ、108aは暗視野用の電子線検出器、108bは明視野用の電子線検出器、109はシンチレータ、110はライトパイプ、111は光電子増倍管、112は偏向コイル104の走査駆動を行う電子顕微鏡用制御装置、113aは暗視野用撮像モニタ、113bは明視野用撮像モニタである。
STEM像は、(1)非散乱電子による明視野像(以下「BF像」)と、(2)散乱電子による暗視野像(以下「DF像」)の2つに大別され、更にDF像では、特定の領域に散乱した電子の強度による像形成から様々な情報を抽出することができるとともに、透過電子顕微鏡(以下TEM)観察で生じるフォーカスによるコントラストの反転や、試料の厚みによる回折コントラストが発生しないので、得られた像の解釈が容易である。例えば、結晶による特定の回折電子の強度から形成した結晶性を反映したコントラスト像、結晶による回折の影響を受けない広角散乱(数十mrad以上)した電子の強度から形成したZコントラスト像(原子番号の2乗に比例したコントラスト:高散乱角円環状検出暗視野法)、磁性材料の磁区分布をローレンツ力による偏向による位相差コントラスト像(下記特許文献1等)などが得られる。
また、STEM像を得るための電子線検出器としては、例えば下記非特許文献1に記載されているように、半導体検出器やシンチレータ109を備えた光電子増倍管111による検出器が用いられている。一般に散乱、透過した電子の強度は各照射点での電子線回折図形から得る。BF像では円状の電子線検出器108bを用いて0次の回折点の強度を検出し、DF像ではBF像用の電子線検出器108bと同軸の円環状の電子線検出器108aを用いて0次以外の強度を検出する。更に、カメラ長を変化させて検出面に形成する電子線回折図形の大きさを変えることで、散乱角の異なるDF像を得ることができる。そして、同心円状に配置されたこれらの検出器を用いることで、BF像とDF像の両方を同時に得ることができるとともに、EDSやEELSを組み合わせることにより、元素マッピング像も同時に得ることが可能である。
以上のように、STEM観察は、TEM観察と比較して像の解釈が容易であると同時に、特にDF像からは様々な情報を抽出することが可能で、試料の詳細な情報を得るに有効な観察方法である。しかしながら、一般的に使用されているDF像用の電子線検出器108aは、上記のように検出領域が固定された円環状のものであるために、電子線回折図形上の散乱角範囲や特定の領域を任意に設定し、STEM像を得ることができなかった。
そして、これを解決するための方法や撮像装置が幾つか提案されている。例えば、(1)下記特許文献2に記述されているように、カメラレンズに使用されている可動絞りの機構を応用した検出器を複数使用し、特定の散乱角範囲の強度からSTEM像を得る方法や、(2)下記特許文献3に記載されているように、試料と電子線検出器の間に内角用と外角用の各々の散乱角制限絞りを設け、特定の散乱角範囲の強度からSTEM像を得る方法、(3)下記特許文献4や下記特許文献5に記載されているように、電子線回折図形をCCDや撮像管を用いて2次元検出器により撮像し、特定の領域の強度からSTEM像を得る方法、そして(4)下記特許文献6に記載されているように、電子線照射により発光した透明基板上のシンチレータを裏面からアバランシェ型撮像素子により電子線回折図形を撮像し、特定の領域の強度からSTEM像を得る方法が提案されている。
特開平06−005237号公報 特開平06−139988号公報 特開平09−167591号公報 特開平02−220339号公報 特開平02−015545号公報 特開平08−285947号公報 日本学術振興会マイクロビームアナリシス第141委員会編「マイクロビームアナリシス」朝倉書店、1985年、p.141−162
しかしながら、上記特許文献2に記述されているカメラの可動絞りの機構を応用した検出器を複数使用したSTEM撮像装置や、特許文献3に記載されている試料と電子線検出器の間に散乱角制限絞りを設けたSTEM撮像装置では、特定の散乱角度範囲の強度からSTEM像を得ることはできるものの、検出領域が円環状であるために特定の領域を任意に指定することができない。更に、特許文献2に記載の検出器では機構が複雑で任意の散乱角度範囲を設定するためには3個以上検出器が必要であり、特許文献3に記載の散乱角制限絞りを設けた方法では内角と外角の2つの絞り機構を個々に結像レンズ系の間に設置しなければならないという問題点があった。
また、上記特許文献4,5に記載されている電子線回折図形を2次元検出器により撮像してSTEM像を得る方法では、全ての情報を得ることが可能なので理想的な方法といえるが、1回の電子線走査からSTEM像を得るにも各照射点での画像データの転送や画像処理が必要となるために応答性が悪く観察時間が大幅に増加してしまうという問題点があった。特に、高倍率観察時の試料ドリフトや、電子線照射による試料損傷の懸念される試料には不適であり、更に高精細画像を得ようとすればするほどこの問題が顕著となる方法であった。
そして、上記特許文献6に記載されているアバランシェ型撮像素子を用いてSTEM像を得る方法では、特定の領域を撮像するために電子線回折図形が投影されたアバランシェ型撮像素子の光導電膜を電子線走査する必要があるので、電子線走査制御など装置の構成が複雑且つ高価であるという問題点があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、本発明は、走査型透過電子顕微鏡像の撮像に関して、簡易且つ自由な構成が可能で、電子線回折図形の任意の領域を選択してSTEM像を得られる撮像装置を安価に提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明の電子顕微鏡用撮像装置は、シンチレータと光信号を電気信号に変換する変換デバイスから成る電子線検出器を用いた電子顕微鏡用撮像装置であって、前記電子線検出器は、前記シンチレータと前記変換デバイスとの間に、前記シンチレータに電子線が照射されることにより発光したシンチレータからの光を部分的に遮蔽及び減光を行う光学デバイスを有し、更に前記光学デバイスを制御して光の部分的な遮蔽及び減光を行う駆動制御装置を有することを特徴とする。
特に、前記シンチレータの光を前記変換デバイスに導くための光学レンズ系を更に有することを特徴とする。
また、前記駆動制御装置により前記光学レンズ系の駆動も制御することを特徴とする。
また、前記光学デバイスは、光の部分的な遮蔽及び減光をパターン状に行うことを特徴とする。
また、前記パターンが同心円状又は格子状であることを特徴とする。
また、前記光学デバイスは、光の部分的な遮蔽及び減光を行うパターンが同心円状又は格子状であることを特徴とする。
また、前記光学デバイスが複数有ることを特徴とする。
また、前記光学デバイスが、液晶素子であることを特徴とする。
また、前記光信号を電気信号に変換する変換デバイスが、光電子増倍管であることを特徴とする。
本発明によれば、電子線回折図形上の任意に指定した特定の領域からSTEM像を得ることのできる撮像装置を、簡易且つ自由な構成で安価に提供することが可能である。
更に、本発明の電子線検出器の大きさは構成次第で自由に変えられるため、大きな改造の必要なく現行の走査型透過電子顕微鏡装置への搭載も十分に可能である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の撮像装置を備えた走査型透過電子顕微鏡の構成を示した図である。
図5は、本発明における格子状のパターンを持つ光学デバイスを示した図である。
図6は、本発明における同心円状のパターンを持つ光学デバイスを示した図である。
図1において、1〜7は、図7の従来の装置における101〜107と共通の構成要素であり、1は電子顕微鏡鏡筒、2は電子銃、3は照射レンズ、4は電子線を試料上で走査するための偏向コイル、5は対物レンズ、6は試料、7は電子線回折図形を電子線検出器に投影するための投影レンズである。8は電子線検出器、9はシンチレータ、11は光電子増倍管を用いた光信号を電気信号に変換する変換デバイス、12は偏向コイルの走査駆動を行う電子線走査駆動装置、14は液晶素子を用いた光学デバイス、15は駆動制御用PCである。
シンチレータ9は、電子を光に変換するものであれば特に限定はないが、電子線のエネルギー(数十keV〜数百keV)に対する発光効率が高く、電子線照射による劣化が少なく、残光時間の短いシンチレータが望ましい。例えば、CeドープのYAG(Y3-xCexAl512)や、Pr,Ce,FドープのGOS(Gd22S)、CeドープのYSO(Y2SiO5)、Cd,S,AgドープのZnSなどが挙げられる。また、シンチレータの厚みはシンチレータ自身による発光した光の吸収を抑える厚み(シンチレータの材質にもよるが、数十から数百μm程度)が望ましい。更に、電子線照射によるシンチレータのチャージアップ防止や、発光した光の収集効率向上、外界からの迷光防止のために、数十keV〜数百keVの電子線が透過し且つシンチレータの発光した光が透過しない程度の厚みを持つAl等の金属膜をシンチレータ表面に形成すると良い。
シンチレータ9と光信号を電気信号に変換する変換デバイス11の間に設置する光学デバイス14は、電子線照射により発光したシンチレータ9の光を部分的に遮蔽及び減光が可能であれば特に限定はないが、STEM像を短時間でS/N比を良く得るために、遮蔽時の遮蔽効果及び非遮蔽時の透過率が高く、応答速度の速い光学デバイスが望ましい。例えば、高速の電子制御が可能で、遮蔽と減光が可能な液晶素子などが挙げられる。更に、光学デバイスにより部分的に行う遮蔽及び減光のパターンについても特に限定はなく、任意のパターンであっても構わない。なお、例えば一般的なパターンとして、四角形をX−Yの格子状に並べた正方パターンや、三角形を格子状に並べたハニカムパターンや、円環や円弧を同心円に並べた同心円状パターンが挙げられる。
光信号を電気信号に変換する変換デバイス11は、シンチレータの光の強度を電子に変換及び増倍し電気信号に変換するものであれば特に限定はないが、S/N比、変換効率、応答の良いものが望ましい。また、増幅機能を有するものであっても構わない。撮像管や撮像素子であってもよいが、本発明では撮像データの転送や画像処理等は不要であるため、安価で構成が簡単な一般的な光電子増倍管でもよい。
更に、本発明において、シンチレータ9と光信号を電気信号に変換する変換デバイス11の間に設置された光学デバイス14は、シンチレータ9により光に変換された電子線回折図形に対して部分的に遮蔽及び減光を作用させるデバイスであるため、光学デバイス14の設置場所は電子線回折図形の像面と一致させる必要がある。したがって、光学デバイス14の設置方法としては、(1)シンチレータ9の直後に光学デバイス14を設置する方法、(2)シンチレータ9と光信号を電気信号に変換する変換デバイス11の間にシンチレータ9の光を変換デバイス11に導くための光学レンズ系を組み合わせ、光学レンズ系により形成される電子線回折図形の像面に光学デバイスを設置する方法(後述の実施例2,3)の2つが挙げられる。どちらの方法においても、光学デバイス14は1つ以上複数の設置が可能で、異なるパターンのデバイスを組み合わせて使用することが可能である。
シンチレータ9の光を光信号を電気信号に変換する変換デバイス11に導くための光学レンズ系には透過率が高く散乱の少ないものが望ましいが特に限定はなく、シンチレータに投影された電子線回折図形の結像行うレンズ群や、光を90°曲げるためのプリズムやミラー、オプティカルファイバプレートを組み合わせても良い。更に、これらの光学系に駆動機構を持たせることで、オートフォーカス機能やズーム機能、光学デバイスに対する電子線回折図形の像面のシフト機能が可能となる。なお、光学レンズ系は、透過率低下防止のため、反射防止膜のマルチコーティングが必要である。
上記電子線検出器で使用する駆動制御装置は、光学デバイスの遮蔽及び減光及び光学レンズ系の駆動制御を行う。したがって、液晶素子やカメラレンズ等の従来のシステムを利用すれば、駆動電圧が低く、消費電力の少ない制御が可能であり、市販のPCで十分である。更に、図1のように現行の電子顕微鏡装置に組み込む必要のない装置構成が可能であると同時に、電子顕微鏡の電子線走査信号と電子線検出器で得られた強度信号からSTEM画像の取得編集も可能となる。
上記電子線検出器とその駆動制御装置で構成された撮像装置を使用したSTEM像の取得方法を説明する。図1に示すように、使用する電子線検出器8の一例として、光学デバイスには図5のような正方格子状のパターンを有する液晶素子14、駆動制御装置には市販の駆動制御用PC15を用いた例を説明する。
先ず、駆動制御用PC15と電子線検出器8及び電子顕微鏡の電子線走査駆動装置12を接続させる。これにより、駆動制御用PC15に電子線検出器8の駆動制御と電気信号取得、並びに電子線走査駆動装置12からの走査信号を取得し、STEM像の形成を行う。次に、駆動制御用PC15により電子線検出器8の光学デバイス14を駆動させ、所望の領域に散乱された電子からのSTEM像を取得する。
具体的には、STEM像を形成させたい電子線回折図形上の所望の領域に対応する液晶素子14の素子部をシンチレータ9の光が透過するように駆動し、それ以外の領域に対応する液晶素子14の素子部をシンチレータ9の光が遮蔽されるように駆動する。そして、通常のSTEM像取得操作を行う。すなわち、試料上に細く絞った電子線を走査し、上記電子線検出器8により各照射点での強度信号を得、STEM像を取得する操作である。ここで、本発明の電子検出器8の光信号を電気信号に変換する変換デバイス11には、電子線回折図形における所望の領域から発生した光のみが到達する。したがって、電子線検出器8による強度信号と電子顕微鏡の電子線走査信号から、電子線回折図形の所望の領域からの情報によるSTEM像が得られる。
また、電子線回折図形における異なる領域からSTEM像を得るには、液晶素子14を異なるパターンに駆動すれば得られる。したがって、異なる信号のDF像だけでなく、BF像も得ることができる。
更に、この撮像装置を用いて次のような画像取得も可能である。例えば、試料上の電子線走査の各照射点において、液晶素子14のパターンを複数の異なる駆動を行い、各パターンで検出された電気信号を個々にSTEM像形成の処理を行うことで、1回の電子線走査で複数のSTEM画像を取得することが可能である。
また、格子状のパターンを持った液晶素子14を用いた場合において、シンチレータ9の光が透過するように素子を端から1個ずつ駆動しながら、その強度信号をマッピングすることにより、シンチレータ表面に投影された像が得られ、電子線回折図形やTEM像を撮像することができる。但し、取得画像が高精細になるに連れて撮像時間が長く、S/N比も低下するため、液晶素子14のパターンと電子線回折図形の対応付けや、試料の確認への利用に留めておくことが望ましい。
以下、実施例を用いて詳細に本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、電子を光に変換させるシンチレータの材料及び構成や、シンチレータの光を遮蔽及び減光を行う光学デバイス及び構成、シンチレータの光を光信号を電気信号に変換する変換デバイスに導くための光学レンズ系の構成及びその駆動機構、光信号を電気信号に変換する変換デバイスの構成は自由に変えることが可能である。また、シンチレータと光学デバイスと変換デバイスを備えた電子線検出器の設置場所は電子顕微鏡筒内に限らず大気中であっても良い。例えば、TEM像を観察する為の蛍光板を利用し、鉛ガラス窓を通して上記電子線検出器として構成しても構わない。また、電子線検出器は電子光学鏡筒に対して固定されていなくてもよい。更に、電子線検出器の駆動制御装置においても以下に説明する実施例に限定されない。
本実施例は、シンチレータ9と液晶素子による光学デバイス14とライトガイド10と光電子増倍管による光信号を電気信号に変換する変換デバイス11で構成された電子線検出器を用いた、走査電子顕微鏡装置用の撮像装置の一例である。なお、本実施例では本発明の電子線検出器を現行の走査型透過電子顕微鏡に搭載して行った。
図2は、本発明の撮像装置を備えた走査型透過電子顕微鏡の構成を示した図である。
図2において、走査型透過電子顕微鏡の基本構成として、1〜9,11,12,14,15は、図1の1〜9,11,12,14,15と共通の構成要素である。本発明の電子線検出器8の具体的構成として、9は表面にチャージアップ防止のためのAl薄膜が形成されたCeドープのYAGによるシンチレータ、10はライトガイド、11は光電子増倍管、14はシンチレータ直後に設置された格子状のパターンを有する液晶素子、15は撮像装置の駆動制御用PCであり、液晶素子14及び光電子増倍管11の駆動と、電子線走査信号によるSTEM形成を行った。なお、電子線検出器8は駆動機構により電子顕微鏡光軸から外すことが可能で、フィルムによるTEM像の撮影や、EELS検出器の利用が可能となっている。
本発明の撮像装置によるSTEM像撮像を次のような方法で行った。先ず、基本的な撮像方法は従来の方法と同様であり、電子銃2及び照射レンズ3により引き出された電子線を走査コイル4及び対物レンズ5により試料上に収束及び走査し、試料上の各照射点で散乱及び透過した電子線を投影レンズ7により電子線検出器8上にシンチレータ9に電子線回折図形として投影させる。次に、シンチレータ9によって電子から光に変換された輝度信号をライトガイド10を通じて光電子倍増管11に導き、電子に変換、増倍し電気信号に変え、駆動制御用PC15に送る。そして、試料上の各照射点の輝度信号を、偏向コイル4を駆動している電子線走査駆動装置12からの走査信号を用い、駆動制御用PC15によりマッピングし、STEM像を得た。
そして、上記STEM像撮像のプロセスにおいて、液晶素子14を駆動制御用PC15により駆動し、シンチレータ9の光を部分的に遮蔽し、電子線回折図形の特定の領域によるSTEM像の撮像を行った。先ず、液晶素子14による電子線回折図形の特定の領域を指定するために、液晶素子上での電子線回折図形の座標の確認を行った。そこで、試料上任意の場所の電子線回折図形をシンチレータ上に投影し、シンチレータ9の光が透過するように液晶素子14を端から1個ずつ駆動しながら、その強度信号をマッピングすることにより電子線回折図形を撮像し、座標指定にはその画像を用いた。そして、BF像は0次の回折点の信号強度が約50%透過するように液晶素子14を駆動して撮像し、Zコントラスト像は高角度領域の円環状のパターンからの信号を選択して撮像することができた。また、高倍率観察では試料のドリフトが懸念されるため、各照射点においてBF像とZコントラスト像の2つの像が得られるように液晶素子14を駆動し、駆動制御用PC15に各々の強度信号から画像形成を行い、1回の電子線走査で2枚のSTEM像を同時に取得した。
更に、電子線回折図形の投影により経時変化したシンチレータ9のゲイン補正を、この液晶素子14により行った。一様の電子線像を前記電子線回折図形の撮像と同様の方法で撮像し、像の輝度分布が一様となるように液晶素子14の減光駆動させた駆動制御の情報を駆動制御用PC15に保持し、以後の撮像操作時に適用させた。
本実施例は、シンチレータ9と2枚のパターンの異なる液晶素子による光学デバイス14と光電子増倍管による光信号を電気信号に変換する変換デバイス11とシンチレータ9の光を光電子増倍管11に導くための光学レンズ群で構成された電子線検出器を用いた、走査電子顕微鏡装置用の撮像装置の一例である。
電子線検出器以外は図2に示した構成と同様である。
図3は、本発明における複数の光学デバイスを備えた電子線検出器の構成を示した図である。
図3に示すように、本実施例の電子線検出器の構成として、9はCd,S,AgドープのZnSによるシンチレータ、17は光を90°曲げるためのダイアゴナルプリズム、16は結像用の光学レンズ、14は図5及び図6に示すような格子状及び同心円状の異なるパターンを有する2枚の液晶素子、18はオプティカルファイバプレート、11は光電子増倍管である。更に、上記電子線検出器の各部品の配置として、シンチレータ9は光学ガラスによるダイアゴナルプリズム17上に形成され、その表面にはチャージアップ防止のためのAl薄膜が形成されている。また、パターンの異なる2種類の液晶素子14は、厚さ数mmのオプティカルファイバプレート18とのオイルカップリングによりサンドイッチされた構造になっており、光電子増倍管11と接続されている。そして、光学レンズ16はシンチレータ9に投影された電子線回折図形をダイアゴナルプリズムを通して上記オプティカルファイバプレート18と組み合わされた液晶素子14の表面に結像されるように固定されている。
本発明の撮像装置によるSTEM像撮像は、実施例1と同様の方法であるが、電子線検出器に光学レンズ系を組み合わせることで、2枚の異なるパターンの液晶素子を駆動させることができた。実施例1と同様に、液晶素子上での電子線回折図形の座標の確認を行った後、従来のSTEM像撮像方法と駆動制御用PC15による液晶素子14の駆動で、シンチレータ9の光を部分的に遮蔽し、電子線回折図形の特定の領域によるSTEM像の撮像を行った。
先ず、同心円状パターンを有する液晶素子の駆動を行い、中心の円状のパターンを用いた0次の回折点によるBF像と、高角度領域の円環状パターンを用いたZコントラスト像を得ることができた。更に、格子状パターンを有する液晶素子の駆動を行い、TEM像及び参照用の電子線回折図形の撮像と、特定の結晶による回折点を選択したSTEM像を得、結晶性によるコントラスト像を撮像することができた。なお、実施例1と同様に、電子線回折図形の投影によるシンチレータ9のゲインのバラツキに、同様の補正操作を行った。
本実施例は、シンチレータ9と2種のパターン駆動が可能な液晶素子による光学デバイス14と光電子増倍管による光信号を電気信号に変換する変換デバイス11とシンチレータ9の光を光電子増倍管11に導くための駆動可能な光学レンズ群で構成された電子線検出器を用いた、走査電子顕微鏡装置用の撮像装置の一例である。
電子線検出器以外は図2に示した構成と同様である。
図4は、本発明における駆動可能な光学レンズ群を備えた電子線検出器の構成を示した図である。
図4に示すように、本実施例の電子線検出器の構成として、9はCeドープのYAGによるシンチレータ、20は光を90°曲げるためのダイアゴナルミラー、19はズーム機能及びオートフォーカス機能を備えた光学ズームレンズ、21はダイアゴナルミラー20及び光学ズームレンズ19のXYZΦ駆動を行う光学レンズ系の駆動装置、14は図5及び図6に示すような格子状及び同心円状の2種のパターン駆動が可能な液晶素子、16は結像用光学レンズ、11は光電子増倍管である。光学ズームレンズ19は、駆動装置21によりダイアゴナルミラー20、液晶素子14、シンチレータ9との相対位置が変化しても、シンチレータ9の像面が液晶素子14の表面に結像されるようになっており、更にシンチレータ9のある領域を拡大縮小し、液晶素子に結像させるズーム機能を持たせた。液晶素子14は2種のパターンが駆動可能な1枚の光学デバイスであり、透過駆動時の透過率の向上を図った。
本発明の撮像装置によるSTEM像撮像は、実施例1と同様の方法であるが、電子線検出器の光学レンズ系に駆動機構21を組み合わせることで、更に自由な領域選択を可能とさせた。実施例1と同様に、液晶素子上での電子線回折図形の座標の確認を行った後、従来のSTEM像撮像方法と駆動制御用PC15による液晶素子14の駆動で、シンチレータ9の光を部分的に遮蔽し、電子線回折図形の特定の領域によるSTEM像の撮像を行った。
格子状パターンを有する液晶素子14の駆動を行い、TEM像及び参照用の電子線回折図形の撮像を行った。しかしながら、STEMの低倍率観察では、走査コイル及び投影レンズ系の収差が顕著になり、電子線回折図形が電子線検出器上でシフトする現象が見られた。そこで、電子線走査と同期させて光学レンズ系の駆動装置21によるダイアゴナルミラー20のXYZΦ駆動操作と光学ズームレンズ19のオートフォーカス操作を行うことでこの影響を排除したSTEM像を得ることができた。
本発明の撮像装置を備えた走査型透過電子顕微鏡の構成を示した図 本発明の撮像装置を備えた走査型透過電子顕微鏡の構成を示した図 本発明における複数の光学デバイスを備えた電子線検出器の構成を示した図 本発明における駆動可能な光学レンズ群を備えた電子線検出器の構成を示した図 本発明における格子状のパターンを持つ光学デバイスを示した図 本発明における同心円状のパターンを持つ光学デバイスを示した図 従来の撮像装置を備えた走査型透過電子顕微鏡の構成を示した図
符号の説明
1 電子顕微鏡鏡筒
2 電子銃
3 照射レンズ
4 偏向コイル
5 対物レンズ
6 試料
7 投影レンズ
8 電子線検出器
9 シンチレータ
10 ライトガイド
11 光信号を電気信号に変換する変換デバイス(光電子増倍管)
12 電子線走査駆動装置
14 光学デバイス(液晶素子)
15 駆動制御用PC
16 光学レンズ
17 ダイアゴナルプリズム
18 オプティカルファイバプレート
19 光学ズームレンズ
20 ダイアゴナルミラー
21 光学レンズ系駆動装置

Claims (8)

  1. シンチレータと光信号を電気信号に変換する変換デバイスから成る電子線検出器を用いた電子顕微鏡用撮像装置であって、
    前記電子線検出器は、前記シンチレータと前記変換デバイスとの間に、前記シンチレータに電子線が照射されることにより発光したシンチレータからの光を部分的に遮蔽及び減光を行う光学デバイスを有し、
    更に前記光学デバイスを制御して光の部分的な遮蔽及び減光を行う駆動制御装置を有することを特徴とする電子顕微鏡用撮像装置。
  2. 前記シンチレータの光を前記変換デバイスに導くための光学レンズ系を更に有することを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡用撮像装置。
  3. 前記駆動制御装置により前記光学レンズ系の駆動も制御することを特徴とする請求項2に記載の電子顕微鏡用撮像装置。
  4. 前記光学デバイスは、光の部分的な遮蔽及び減光をパターン状に行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子顕微鏡用撮像装置。
  5. 前記パターンが同心円状又は格子状であることを特徴とする請求項4に記載の電子顕微鏡用撮像装置。
  6. 前記光学デバイスを複数有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子顕微鏡用撮像装置。
  7. 前記光学デバイスが、液晶素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子顕微鏡用撮像装置。
  8. 前記光信号を電気信号に変換する変換デバイスが、光電子増倍管であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子顕微鏡用撮像装置。
JP2003298785A 2003-08-22 2003-08-22 電子顕微鏡用撮像装置 Expired - Fee Related JP4217565B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298785A JP4217565B2 (ja) 2003-08-22 2003-08-22 電子顕微鏡用撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298785A JP4217565B2 (ja) 2003-08-22 2003-08-22 電子顕微鏡用撮像装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005071746A true JP2005071746A (ja) 2005-03-17
JP2005071746A5 JP2005071746A5 (ja) 2006-08-10
JP4217565B2 JP4217565B2 (ja) 2009-02-04

Family

ID=34404189

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003298785A Expired - Fee Related JP4217565B2 (ja) 2003-08-22 2003-08-22 電子顕微鏡用撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4217565B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011065860A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Jeol Ltd 共焦点stem像取得方法及び装置
JP2013026152A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Hitachi High-Technologies Corp 電子顕微鏡
WO2013168488A1 (ja) * 2012-05-11 2013-11-14 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線顕微鏡
CN109884343A (zh) * 2019-02-22 2019-06-14 浙江中医药大学 一种用于透射电镜直投图像观察的挡光装置
WO2022009297A1 (ja) * 2020-07-07 2022-01-13 株式会社日立ハイテク 荷電粒子線装置
JP2023516791A (ja) * 2020-03-09 2023-04-20 ケーエルエー コーポレイション アレイ化カラム検出器

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011065860A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Jeol Ltd 共焦点stem像取得方法及び装置
JP2013026152A (ja) * 2011-07-25 2013-02-04 Hitachi High-Technologies Corp 電子顕微鏡
WO2013168488A1 (ja) * 2012-05-11 2013-11-14 株式会社 日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子線顕微鏡
CN109884343A (zh) * 2019-02-22 2019-06-14 浙江中医药大学 一种用于透射电镜直投图像观察的挡光装置
CN109884343B (zh) * 2019-02-22 2023-12-19 浙江中医药大学 一种用于透射电镜直投图像观察的挡光装置
JP2023516791A (ja) * 2020-03-09 2023-04-20 ケーエルエー コーポレイション アレイ化カラム検出器
JP7432759B2 (ja) 2020-03-09 2024-02-16 ケーエルエー コーポレイション 電子ビーム検査システム
WO2022009297A1 (ja) * 2020-07-07 2022-01-13 株式会社日立ハイテク 荷電粒子線装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4217565B2 (ja) 2009-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3140848B1 (en) Apparatus and method for inspecting a sample using a plurality of charged particle beams
US7385197B2 (en) Electron beam apparatus and a device manufacturing method using the same apparatus
US7214947B2 (en) Detector assembly and method of manufacture
JP6568646B2 (ja) 電子顕微鏡
US6365897B1 (en) Electron beam type inspection device and method of making same
JPH07260713A (ja) X線撮像装置
JP2005276819A (ja) 帯電粒子ビームデバイスのための対物レンズ
CN109411320A (zh) 透射带电粒子显微镜中的衍射图案检测
US10903042B2 (en) Apparatus and method for inspecting a sample using a plurality of charged particle beams
JPS63318052A (ja) 直接的画像化式の単色光電子顕微鏡
JP4217565B2 (ja) 電子顕微鏡用撮像装置
JP6950088B2 (ja) 荷電粒子線装置及び荷電粒子線装置の検出器位置調整方法
US5936244A (en) Electron microscope and electron microscopy method
US9029768B2 (en) Detector and charged particle beam instrument
WO2022091234A1 (ja) 荷電粒子ビーム装置および試料観察方法
US9018581B2 (en) Transmission electron microscope
JP2021048114A (ja) 走査型電子顕微鏡および走査型電子顕微鏡の2次電子検出方法
JP2008107335A (ja) カソードルミネッセンス測定装置及び電子顕微鏡
WO2013175972A1 (ja) 電子顕微鏡および電子検出器
US20220238297A1 (en) Apparatus and method for detecting one or more scanning charged particle beams
JP2007227116A (ja) 電子線検査方法および装置
JPH04322047A (ja) 走査形電子顕微鏡及び類似装置の二次電子または反射電子検出器
JPH06283128A (ja) 電子顕微鏡
JPWO2014069364A1 (ja) 荷電粒子線装置およびそれを用いた観察方法
CN114945822A (zh) 用于将多个带电粒子小波束的阵列投射到样品上的装置和方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060616

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060616

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080917

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081021

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111114

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121114

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131114

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees