JP2005071661A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロール状電極の保持部とロール状電極との間から処理ガスが外部に拡散することを防ぐプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明のプラズマ処理装置Mは、ロール状電極50を有している。ロール状電極50の外周曲面53には、被処理体90とロール状電極50との間を所定の間隔に保つ円環状の保持部60a、60aが嵌め込まれている。保持部60a、60aがロール状電極50に設けられることによって、ロール状電極50の保持部60a、60aとロール状電極50との間から処理ガスが外部に拡散することを防ぐことができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、プラズマを利用して被処理体を処理するプラズマ処理装置に関する。
従来から、ロール状電極の外周曲面に被処理体を設け、ロール状電極を回転させることによって被処理体を搬送させながらプラズマ処理を行う装置が開発されてきた。
また、ロール状電極とは別に保持部を設け、この保持部に被処理体を巻付けることによって被処理体とロール状電極との間を所定の間隔に保ちながら被処理体を搬送させた状態で、ロール状電極を高速回転させて被処理体とロール状電極との間に処理ガスを供給しながら被処理体にプラズマ処理を行う装置も開発されてきた(例えば、特許文献1)。
特開2002−129340号公報
しかしながら、このようなプラズマ処理装置では、ロール状電極と保持部との間が空いているために、ロール状電極と被処理体との間に供給された処理ガスが、ロール状電極と保持部との間から外部に拡散してしまうという問題があった。更に、被処理体にプラズマ処理を行う際、プラズマ処理によって発生するオゾン等の有害な気体も外部に拡散してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み、ロール状電極と保持部との間から外部に処理ガスが拡散することを防ぐプラズマ処理装置を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ処理装置は、上記の問題点を解決するために提案されたものであり、ロール状電極と、前記ロール状電極に対向する対向電極とを備え、前記ロール状電極と前記対向電極との間に存在する被処理体にプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、前記ロール状電極の外周曲面には、前記被処理体と前記ロール状電極との間を所定の間隔に保つ円環状の保持部が備えられていることを特徴としている。
また、本発明のプラズマ処理装置は、前記ロール状電極の外周曲面には、前記被処理体の縁部に設けられるフランジ部が備えられており、前記フランジ部は、前記保持部よりも大きな外径を有することを特徴としている。
ロール状電極や対向電極を構成する材質としては、例えば、ステンレス、銅、アルミニウム、チタン、タングステン、真鍮等の金属が挙げられる。これらの導電体は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
対向電極の形状としては特に限定されないが、例えば、板状、ロール状等が挙げられる。また、対向電極は、ロール状電極との対向面側に略円弧状の凹面になされていることが好ましい。
本発明のプラズマ処理装置は、ロール状電極及び対向電極に電圧を印加することによって、ロール状電極と対向電極との間の空間にプラズマを発生する。
ロール状電極及び対向電極に印加する電圧としては、例えば、交流電圧やパルス化された電圧等が好ましい。
ロール状電極の保持部は、円筒状等の円環状の形状をなしている。
このロール状電極の保持部は、ロール状電極と一体化をなしていてもよく、ロール状電極と別体であってもよい。ロール状電極と保持部とが別体である場合、保持部は、ロール状電極と着脱可能であることが好ましい。
また、ロール状電極に設けられたフランジ部は、ロール状電極と一体化をなしていてもよく、ロール状電極と別体であってもよい。ロール状電極とフランジ部が別体である場合、フランジ部は、ロール状電極と着脱可能であることが好ましい。
ここで、保持部とフランジ部とが着脱可能である場合、保持部とフランジ部とは一体化になされていることが好ましい。保持部とフランジ部とが一体化になされていることによって、取り扱いが容易になる。
本発明のプラズマ処理装置は、ロール状電極と対向電極との間の空間に存在する被処理体に対してプラズマ処理を行う。電極の間に被処理体が存在するので被処理体の両面にプラズマ処理を行うことができる。
本発明のプラズマ処理装置は、大気圧近傍の圧力下でも被処理体に対してプラズマ処理を行うことができる。なお、大気圧近傍の圧力下とは、1.333×104〜10.664×104Paの圧力下を意味する。特に、プラズマ処理を行う圧力が9.331×104〜10.397×104Paの範囲内にあると、圧力調整が容易になるとともに、装置の構成が簡便にすることができる。
また、電極と被処理体との間に存在する処理ガスを適宜選択することによって任意の処理を被処理体に行うことができ、処理ガスとしては、例えば、被処理体表面をアッシングするにはO2ガス等が好ましく、被処理体表面を親水性とするにはN2ガス等が好ましい。また、被処理体表面に電気的特性や光学的特性を付与させるために金属含有化合物ガス等を用いることができる。
用いる処理ガスの種類は、1種でもよく、複数でもよい。
また、処理ガスは被処理体の表面と裏面に対して異なる処理ガスを供給してもよく、表面と裏面に対して同じ処理ガスを供給してもよい。
ここで、本発明のプラズマ処理装置によってプラズマ処理される被処理体としては、例えば、各種樹脂フィルム、シート等が挙げられる。また、被処理体の構造としては、処理ガスが透過しにくい構造であれば特に限定されない。
本発明のプラズマ処理装置は、被処理体とロール状電極との間を所定の間隔に保つ円環状の保持部が、ロール状電極の外周曲面に備えられていることによって、ロール状電極と保持部との間から外部に処理ガスが拡散することを防ぐことができる。
また、ロール状電極の外周曲面には、被処理体の縁部に設けられるフランジ部が備えられており、そのフランジ部は、保持部よりも大きな外径を有していることによって、被処理体の縁部から処理ガス等の気体が拡散することを防ぐことができるとともに、被処理体の縁部の位置を規制することができる。被処理体の縁部の位置が規制されることによって、被処理体とロール状電極との位置関係が一定に保たれるので、被処理体に対して安定したプラズマ処理を行うことができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のプラズマ処理装置の模式的斜視図を図1に示し、図1のA−A線に沿うプラズマ処理装置の模式的断面図を図2に示す。
図1に示すプラズマ処理装置Mは、上下に対向して設けられる一対のユニットU1、U2を有している。
上部ユニットU1は、ホット電極(対向電極)10、ガス供給部材20、ガス排出部材30等を有しており、下部ユニットU2は、アース電極(ロール状電極)50、支持体(保持部)60a、60a、ガス供給部材70、ガス排出部材80等を有している。
まず、上部ユニットU1に設けられたホット電極10と、下部ユニットU2に設けられたアース電極50について説明する。
上側に位置するホット電極10は、下側に位置するアース電極50に対向して設けられている。また、ホット電極10とアース電極50とが所定の間隔に保たれており、ホット電極10とアース電極50とが対向する空間に放電空間40が形成される。
アース電極50は軸方向に長いロール状の形状をなしている。アース電極50は、図示しない下部保持部によって回転可能に保持された軸部51を有しており、軸部51を中心として回転可能になされている。また、ホット電極10は板状の形状をなしており、ホット電極10の対向面は略円弧状の凹面になされている。アース電極50は外周曲面53を有しており、アース電極50とホット電極10とは、この外周曲面53とホット電極10の凹面と一定の間隔を保持して対向するように設けられている。ホット電極10の凹面とアース電極50とが一定の間隔を保持して対向するように設けられていることによって、プラズマ処理を行う面積を広くすることができる。なお、ホット電極10の凹面は、アース電極50の外周曲面53と同軸になされている。
また、ホット電極10は、給電線12を介して電源11と接続されて電圧印加電極となっており、アース電極50は、軸部51に設けられた接地線52を介して接地されている。
ホット電極10及びアース電極50は、ステンレスやアルミニウム等の金属導電体から構成されており、電極10、50の対向面であるホット電極10の凹面及びアース電極50の外周曲面53には、アルミナ等の固体誘電体が均一な厚さに溶射されている。ここで、ホット電極10の凹面及びアース電極50の外周曲面53が放電面となる。
アース電極50の軸部51には、図示しないモーター部が連結されている。アース電極50の外周曲面53には一対の支持体60a、60aが設けられており、この支持体60a、60aには、シート状の基材(被処理体)90が電極10、50と接触しないように支持されている。ここで、モーター部の駆動によって、アース電極50と支持体60a、60aは、軸部51を中心軸としてそれぞれ同じ角速度で回転する。アース電極50の回転、ひいては支持体60a、60aの回転に伴って、基材90は供給ロール91から放電空間40を通過して巻取ロール92に向けて搬送される。なお、支持体60a、60aについては、本発明の特徴に係る部分であり、後に詳述する。
基材90は、電極10、50と接触せずに放電空間40を通過する。基材90が電極10、50と接触せずに放電空間40を通過するので、放電空間40は、基材90によって上側の上部空間41と下側の下部空間42とに仕切られる。
なお、上部空間41は、放電空間40のうち、下側を基材90、上側をアース電極50、アース電極50の軸方向を支持体60a、60aで仕切られた空間を意味し、下部空間42は、放電空間40のうち、下側をアース電極50、上側を基材90、アース電極の軸方向を支持体60a、60aで仕切られた空間を意味する。
上部ユニットU1について説明する。
上部ユニットU1に設けられたホット電極10は、ボルト締めによってホット電極10の両側に位置するガス供給部材20及びガス排出部材30に固定されている。
部材20、30は、それぞれアース電極50の軸方向に長く、断面L字型の形状をなしている。具体的には、部材20、30の下部は、アース電極50の下面周縁を覆うようにアース電極50側に突出した突出部21、31となされている。
ガス供給部材20には、導入管23を介して、処理ガスが充填された処理ガス源22が接続されている。
処理ガス源22に充填された処理ガスは、導入管23を介して導入路24に導入された後、突出部21に設けられた小孔状の吹出口25から上部空間41に供給されてプラズマ処理に用いられる。ここで、導入路24は、導入管23との接続部から途中で枝分かれした構造になっており、処理ガスの濃度を均一化した状態で上部空間41に供給することができる。また、導入路24には図示しない流量調節手段が設けられており、上部空間41に供給される処理ガスの流量を調整することができる。
ガス排出部材30には、排出管33を介して真空ポンプ32が接続されている。
真空ポンプ32の駆動によって、上部空間41に供給された処理ガスは、ガス排出部材30の突出部31に設けられた小孔状の排出口35から吸い込まれた後、排出路34及び排出管33を介して真空ポンプ32から排気される。このときに排気される処理ガスとしては、例えば、未反応の処理ガス、プラズマ処理に用いられた使用済みの処理ガス、プラズマ処理によって生じたオゾン等の副生成物が挙げられる。
下部ユニットU2について説明する。
下部ユニットU2に設けられたガス供給部材70には、上部ユニットU1に設けられたガス供給部材20と同様に、ガス吹出口75、導入路74が設けられている。導入路74には、処理ガス源72と接続された導入管73が設けられている。この処理ガス源72には、上部ユニットU1に設けられた処理ガス源22とは異なる種類の処理ガスが充填されており、処理ガス源72に充填された処理ガスは、下部空間42に向けて供給され、プラズマ処理に用いられる。
また、下部ユニットU2に設けられたガス排出部材80には、上部ユニットU1に設けられたガス排出部材30と同様に、排出口85、ガス排出路84が設けられている。ガス排出路84には、真空ポンプ82と接続された排出管83が設けられている。真空ポンプ82の駆動によって、上部ユニットU1に設けられたガス排出部材30と同様に、下部空間42に供給された処理ガス等は、排出口85に吸い込まれた後、排気される。
ここで、本発明の特徴部分について説明する。
ロール状のアース電極50の外周曲面53には、絶縁性樹脂から構成された円筒状の一対の支持体60a、60aが設けられている。支持体60a、60aは、所定の間隔を空けて設けられている。
支持体60a、60aは、ロール状のアース電極50と同軸の円筒形になされている。この支持体60a、60aの内周曲面の直径はアース電極50の直径と等しくなされており、支持体60a、60aは、アース電極50の外周曲面53と密着してアース電極50と支持体60a、60aの内周曲面との間を気体が拡散することができない状態になっている。
支持体60a、60aはアース電極50の軸方向から着脱自在に嵌め込まれている。支持体60a、60aは、アース電極50に嵌め込む位置を調節することができ、支持体60a、60aを嵌めこむ位置を調整することによって、支持体60a、60a同士の間隔を調整することができる。また、支持体60a、60aがアース電極50に着脱自在になされていることによって、支持体60a、60aを別の肉厚の支持体に交換することでプラズマ処理の目的に応じて基材90とアース電極50との距離を調節することができる。
なお、支持体60a、60a同士の距離は、基材90の幅に合わせて調整されている。また、支持体60a、60aは、アース電極50の回転によって、アース電極50と同じ角速度で回転する。
支持体60a、60aには、基材90を支持するとともに、アース電極50と基材90との間隔を保つ支持部61a、61aと、基材90の縁部に位置するフランジ部63a、63aが設けられている。
支持部61a、61aは、アース電極50と同軸になされている。支持部61a、61aの支持面は、アース電極50の外周曲面53と平行になっており、この支持部61a、61aに基材90の両側の縁部が支持される。支持部61a、61aの肉厚はそれぞれ一定になっており、支持部61a、61aに支持される基材90とアース電極50の外周曲面53との距離が一定に保たれる。基材90は、支持部61a、61aに支持されることによってアース電極50の軸方向に張力を発生し、基材90の中央部に発生する撓みを抑え、電極10、50との接触を抑えることができる。
また、基材90が支持部61a、61aに支持されながら搬送されるので、基材90が搬送される際に基材90は支持体60a、60aと密着し、処理ガスが基材90と支持体60a、60aとの間から外部に拡散することを防いでいる。
支持体60a、60aのフランジ部63a、63aは、アース電極50の外周曲面53に対して垂直に突出した形状をなしている。フランジ部63a、63aは、基材90の両側の縁部に位置するように設けられており、基材90の縁部から処理ガス等の気体が拡散することを防ぐことができる。
また、フランジ部63a、63aが基材90の両側の縁部に位置するように設けられていることによって、基材90の縁部の位置が規制され、基材90とアース電極50との位置関係を一定に保つことができる。基材90とアース電極50との位置関係を一定に保つことができるので、基材90に対して安定したプラズマ処理が行われる。
ここで、下部空間42の周囲には、下側にアース電極50、上側に基材90、アース電極50の軸方向に支持体60a、60a、基材90の両側の縁部にフランジ部63a、63aが設けられているので、下部空間42に供給された処理ガスは、下部空間42から外部に拡散せずに下部空間42の中に滞在し、上部空間41に供給された処理ガスと混合することなく基材90のアース電極50側の面に対するプラズマ処理に用いられた後、真空ポンプ82によって排気される。更に、プラズマ処理によって生じたオゾン等の副生成物も下部空間42から外部に拡散することなく排気される。同様に、上部空間41に供給された処理ガスは、下部空間42の内部に拡散せずに、下部空間42に供給された処理ガスと混合することなく基材90の上面に対するプラズマ処理に用いられる。
上記のように構成されたプラズマ処理装置Mを用いて、基材90に対するプラズマ処理方法を説明する。
まず、支持体60a、60aの外周曲面に基材90の両端が支持された状態で、アース電極50を回転させる。アース電極50の回転に伴って支持体60a、60aが回転し、供給ロールに準備された基材90は、その縁部が支持体60a、60aの支持部61a、61aに支持されながら搬送される。基材90は、アース電極50とホット電極10の間の放電空間40を通過し、巻取ロール92に巻き取られる。基材90が搬送されることによって、基材90は、放電空間40に連続的に供給されるようになっている。
次に、上下のユニットU1、U2に接続された処理ガス源22、72から、空間41、42に向けてそれぞれ異なる種類の処理ガスが均一な濃度に調整された状態で供給される。このとき、それぞれの処理ガスは、流量が調整された状態で空間41、42に供給される。なお、空間41、42に供給された処理ガスは、それぞれの空間41、42が基材90及び支持体60a、60a等によって仕切られているために互いに混合することがない。
そして、電源11のスイッチをオンにする。電源11のスイッチをオンにすることによって、ホット電極10にパルス電圧が印加される。パルス電圧の印加によって、上部空間41と下部空間42には、それぞれグロー放電状の均一な放電が形成される。
空間41、42に発生したグロー放電状の均一な放電によって、空間41、42に供給された処理ガスはプラズマ化され、プラズマ化した処理ガスによって基材90の上面と下面にそれぞれ異なるプラズマ処理が施される。例えば、上部空間41にはアッシング処理用のO2ガス等が供給され、下部空間42には親水化処理用のN2ガス等が供給された状態で電圧を印加すると、基材90の両面に対してそれぞれ異なったプラズマ処理が行われる。
なお、基材90の両端が支持体60a、60aによって張力を有した状態で保持されているので、基材90は、プラズマ処理が施される際にも撓むことなく連続的にプラズマ処理が行われる。
プラズマ処理された基材90は、アース電極50の回転、ひいては支持体60a、60aの回転によって巻取ロール92に向けて搬送され、巻取ロール92に巻き取られる。
以上の工程によって、基材90に対してプラズマ処理が行われる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る支持体の模式的斜視図を図3(a)に示す。この第2の実施形態において、上記の第1の実施形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
ロール状のアース電極50の外周曲面53には、一対の支持体60b、60bが所定の間隔を空けて設けられている。支持体60b、60bはアース電極50の軸方向から嵌め込まれている。
支持体60b、60bは、ロール状のアース電極50と同軸の円筒形になされている。この支持体60b、60bの内周曲面の直径はアース電極50の直径と等しくなされており、支持体60b、60bは、アース電極50の外周曲面53と密着してアース電極50と支持体60b、60bとの間を気体が拡散することができない状態になっている。
支持体60b、60bには、基材90の縁部を支持する支持部61b、61bと溝部62b、62bとが設けられている。
支持体60b、60bの外周曲面は、アース電極50の外周曲面53と平行になされている。また、支持体60b、60bの肉厚はそれぞれ一定になっており、支持部61b、61bに支持される基材90とアース電極50の外周曲面53との距離が一定に保たれている。基材90は、支持部61b、61bに支持されることによってアース電極50の軸方向に張力を発生し、基材90の中央部に発生する撓みを抑え、アース電極50との接触を抑えることができる。
溝部62b、62bは、アース電極50の回転方向に向けて外側に広がるようになされている。溝部62b、62bが支持部61b、61bに設けられていると、アース電極50が回転する際に、基材90の両側がアース電極50の軸方向に引っ張られて張力が発生するので、基材90とアース電極50の外周曲面53との間の距離が容易に保たれる。溝部62b、62bは、支持部61b、61bのうち、支持体60b、60bが向かい合う側に設けられている。基材90は、溝部62b、62bを覆うように支持体60b、60bに支持されているため、処理ガスが溝部62b、62bを介して外部に拡散することを防いでいる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る支持体の模式的斜視図を図3(b)に示す。この第3の実施形態において、上記の第1又は第2の実施形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
ロール状のアース電極50の両端には、絶縁性樹脂から構成された円盤状の支持体60c、60cが設けられている。支持体60c、60cは、アース電極50と同軸の形状になされている。この支持体60c、60cの側部には、アース電極50の直径と同径の凹部66、66が設けられており、この凹部66、66にアース電極50が嵌め込まれている。この凹部66、66にアース電極50の側部が嵌め込まれることによって支持体60c、60cとアース電極50とが密着されている。
凹部66、66の内周曲面の直径は、アース電極50の直径と等しくなっているので、凹部66、66の内周曲面とアース電極50の外周曲面53とが密着された状態になっている。ここで、支持体60c、60cがアース電極50の側部を覆っているので、支持体60c、60cとアース電極50との間から気体が外部に拡散することができない状態になっている。なお、支持体60c、60cには、アース電極50の軸方向等に気体が連通可能な孔等が形成されていないので、支持体60c、60cとアース電極50との間から気体が外部に拡散することがない。
支持体60c、60cには、基材90が支持される支持部61c、61cと、基材90の縁部に位置するフランジ部63c、63cが設けられている。
支持体60c、60cの支持部61c、61cは、アース電極50と同軸になされている。支持部61c、61cの外周曲面は、アース電極50の外周曲面53と平行になっており、この支持部61c、61cに基材90の両側の縁部が支持される。支持部61c、61cの肉厚はそれぞれ一定になっており、支持部61c、61cに支持される基材90とアース電極50の外周曲面53との距離が一定に保たれる。
支持体60c、60cのフランジ部63c、63cは、アース電極50の外周曲面53に対して垂直に突出した形状をなしている。フランジ部63c、63cは、基材90の両側の縁部に位置するように設けられており、処理ガス等の気体が基材90の縁部から拡散することを防いでいる。
基材90は、支持部61c、61cに支持されることによってアース電極50の軸方向に張力を発生し、基材90の中央部に発生する撓みを抑え、電極10、50との接触を抑えることができる。
また、支持体60c、60cの略中間部には、円筒状の中央支持体67がアース電極50の外周曲面53に設けられている。中央支持体67は、絶縁性の樹脂から構成されている。中央支持体67の外周曲面には、基材90が支持される支持部67cが設けられている。ここで、中央支持体67の外周曲面とアース電極50の外周曲面53との距離は、支持体60c、60cの支持部61c、61cとアース電極50の外周曲面53の距離と等しくなっており、基材90とアース電極50の外周曲面53との距離を一定に保持することができる。
支持体60c、60cの間に中央支持体67が設けられることによって、基材90が幅広の形状であっても、基材90とアース電極50との距離を一定に保つことができ、基材90の中央部等が撓んでアース電極50の外周曲面53と接触することを防ぐことができる。
また、中央支持体67にはアース電極50の軸方向に連通する孔68が設けられており、下部空間42に存在する処理ガスは、孔68を介して中央支持体67の軸方向に自由に拡散することができる。
中央支持体67はアース電極50に固定されており、中央支持体67は、アース電極50の回転と同じ角速度で回転する。また、基材90は、支持体60c、60cと同様に中央支持体67の支持部67cにも支持されることによってアース電極50の外周曲面53と接することなく搬送される。
本発明は上記実施例に限られず、種々の改変を行うことができる。
例えば、アース電極50に対して円環状の支持体60aと円盤状の支持体60cとを組み合わせて用いてもよい。また、アース電極50の外周曲面53に対して、支持体とアース電極50とを一体化してもよい。中央支持体67を設ける数は1個のみに限られず、目的に応じて複数個設けてもよい。
アース電極50を上側にし、ホット電極10を下側に設けてもよい。また、これらの電極10、50を水平や斜め方向に対向して配置してもよい。
ガス供給部材20、70やガス排出部材30、80に対しての基材90の搬送方向と直交する側に仕切り板を設け、処理ガスが外部に拡散したり、上部空間41と下部空間42の処理ガスが混合することを防止してもよい。また、上部空間41と下部空間42とに供給する処理ガスは同じ種類でもよい。
例えば、上記第1の実施例では、支持体60a、60aは、アース電極50の両端側から嵌め込まれていたが、支持体60a、60aに代えて、アース電極50の外周曲面53に巻き付けられる支持体を用いてもよい。支持体がアース電極50の外周曲面53に巻き付けられるものである場合、この支持体に蟻ほぞ構造等の巻き付けた状態で固定可能な構造を形成しておくことによって、アース電極50に対して支持体60a、60aを容易に取り付けることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。
(実施例1)
上記の第1の実施形態において、基材90として厚さ50μmのポリイミド樹脂シートを使用した。また、上部空間41には処理ガスとしてO2ガス(30slm)を供給し、下部空間42には処理ガスとしてN2ガス(30slm)を供給した。基材90を30mm/minの速度で搬送し、空間41、42にそれぞれの処理ガスを供給した状態で、電極10、50間に周波数20kHz、波高値18kVのパルス電圧の印加を行い、ポリイミド樹脂の両面に対してプラズマ処理を行った。
(実施例2)
上記の第2の実施形態において、基材90として厚さ12.5μmのポリイミド樹脂シートを使用した。また、上部空間41と下部空間42にはそれぞれ処理ガスとしてN2ガス(50slm)を供給した。基材90を1m/minの速度で搬送し、空間41、42にそれぞれの処理ガスを供給した状態で、電極10、50間に周波数15kHz、波高値15kVのパルス電圧の印加を行い、ポリイミド樹脂の両面に対してプラズマ処理を行った。
(比較例1)
実施例1において、アース電極50に設けられた支持体60a、60aに対して、アース電極50の軸方向に連通する多数の孔が設けられていること以外は実施例1と同様にしてポリイミド樹脂の両面にプラズマ処理を行った。
(比較例2)
実施例2において、アース電極50に設けられた支持体60b、60bに対して、アース電極50の軸方向に連通する多数の孔が設けられていること以外は実施例2と同様にしてポリイミド樹脂の両面にプラズマ処理を行った。
表面の観察
実施例1及び比較例1でプラズマ処理されたポリイミド樹脂に対して、ホット電極10側の面を電子顕微鏡によって観察した。
実施例1で得られたポリイミド樹脂では、表面に多数の凹凸が一面に渡って均一に観察され、O2ガス雰囲気中におけるプラズマ処理による良好なアッシング処理が確認された。
これに対し、比較例1で得られたポリイミド樹脂では、表面の凹凸がまばらに観察され、不均一なアッシング処理が確認された。また、比較例1で得られたポリイミド樹脂のアース電極50側の面にもアッシング処理による凹凸が確認された。
接触角測定
実施例及び比較例でプラズマ処理されたポリイミド樹脂に対して、アース電極50側の面に対するプラズマ処理前後の水の接触角測定を行った。
なお、プラズマ処理を行う前におけるポリイミド樹脂に対する水の接触角は85°だった。
実施例1、2で得られたポリイミド樹脂では、プラズマ処理後の接触角が5°となり、N2ガス雰囲気中におけるプラズマ処理による良好な親水化処理が確認された。
これに対し、比較例1、2で得られたポリイミド樹脂では、プラズマ処理後の接触角が測定場所によって8〜35°となり、不均一な親水化処理が確認された。
以上の測定より、実施例1及び実施例1でプラズマ処理を行ったポリイミド樹脂には両面とも良好なプラズマ処理が行われたことが確認された。これに対し、比較例1及び比較例2でプラズマ処理を行ったポリイミド樹脂には不均一なプラズマ処理が行われた。
本発明の1実施形態に係るプラズマ処理装置の模式的斜視図である。 図1のA−A線に沿うプラズマ処理装置の模式的断面図である。 (a)第2の実施形態に係る支持体の模式的斜視図である。(b)第3の実施形態に係る支持体の模式的斜視図である。
符号の説明
M プラズマ処理装置
U1 上部ユニット
U2 下部ユニット
10 ホット電極
20、70 ガス供給部材
22、72 処理ガス源
23、73 導入管
24、74 導入路
25、75 吹出口
30、80 ガス排出部材
32、82 真空ポンプ
33、83 排出管
34、84 排出路
35、85 排出口
60a、60b、60c 支持体
61a、61b、61c、67c 支持部
62b 溝部
63a、63c フランジ部
66 凹部
67 中央支持体
68 孔
90 基材
91 供給ロール
92 巻取ロール

Claims (2)

  1. 外周曲面を有するロール状電極と、
    前記ロール状電極に対向する対向電極とを備え、
    前記ロール状電極と前記対向電極との間に存在する被処理体にプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、
    前記ロール状電極の外周曲面には、前記被処理体と前記ロール状電極とを所定の間隔に保つ円環状の保持部が備えられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記ロール状電極の外周曲面には、前記被処理体の縁部に位置するようになされているフランジ部が備えられており、
    前記フランジ部は、前記保持部よりも大きな外径を有することを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
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