JP2005070986A - カードリーダ - Google Patents

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Abstract

【課題】 カードデザインが多彩化する近年のデザイン背景に鑑み、一般的なカードとはカード長或いはカード形状が異なる特殊カードが挿入された場合であっても、顧客ニーズの最小限を低コストで満足することができるカードリーダを提供することにある。
【解決手段】 レバー6及びマイクロスイッチ7からなるカード取込センサ15から構成され、或いはこのカード取込センサ15とフォトセンサ8aとから構成され、カード長を検出する既存の検出手段と、カードリーダ1が有するソフト的な処理動作と、を有機的に連携させることによって、カードリーダ1にメカ的な変更を加えることなく、カードリーダ1に挿入されたカードが特殊カードである場合に特定の処理動作を制限することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、挿入されたカードに対して情報の送受信を行うカードリーダに関するものであって、特に、そのカードの長さや形状を検出する検出手段の検出結果に基づき、特定の処理動作を制限するものである。
従来より、銀行等の金融機関で使用され、キャッシュレスや個人認証などを実現するカードとして、プラスチック基板表面に磁気ストライプが形成された磁気カードや、プラスチック基板内部に集積回路チップが埋設されたICカードがある。そして、この磁気カードに対する磁気データの記録再生、或いはこのICカードに対する電子データの送受信は、カードリーダ(カードリーダライタを含む)なる装置によって行われる。
カードリーダは、磁気カード表面上の磁気ストライプに磁気ヘッドを接触・摺動させることで、磁気カードに格納された磁気データを読み取ったり、磁気カードに対して新たな磁気データを書き込んだりする。また、ICカード表面上の金属端子(外部端子)にIC接点を接触・当接させることで、ICカードに格納された電子データを読み取ったり、ICカードに対して新たな電子データを書き込んだりする。
ところで、近年では、磁気カードやICカードのデザインが多彩化しており、一般的なカード長及びカード形状(85mm×55mmの四角形状)とは異なる大きさ・形のカード(以下、「特殊カード」という)が登場している。例えば、一般的なカード長よりも短い四角形状の短カード、一般的なカード形状とは異なる略台形状の変形カードなどである。
特殊カードがカードリーダに挿入されると、そのカードリーダが、挿入された特殊カードに対応している機種であれば、通常通り上述したようなデータ送受信等が行われ、そのカードリーダが、挿入された特殊カードに対応していない機種であれば、取引を全く行うことなくこの特殊カードを不正常なカードであると判断して排出動作が行われる。
しかしながら、カードリーダが、挿入された特殊カードに対応していない機種である場合に、取引(カードとの情報の送受信等)を全く行わないとなると、顧客ニーズの多様化に柔軟に対応できないといった問題がある。
例えば、カード長が一般的なカードよりも短いために磁気データの書き込みに弊害が出てしまう特殊カードであって、そのカード長は、カード搬送路内でのカード搬送を不可能にせしめるほど短いものではなく、磁気データの書き込み以外の処理動作(例えば磁気データの読み込み)には何ら弊害のない特殊カードが、その特殊カードに非対応の機種のカードリーダに挿入された場合において、カード長が一般的なカードよりも短いという一点のみを理由にその特殊カードを不正常なカードと判断して排除してしまうことは、取引に支障を来たし取引の迅速性が図れなくなる。また、このような不正常なカードと判断される特殊カードへの書き込みができないのは承知の上で、特殊カード内の磁気データだけでもカードリーダに読み込んでもらいたい、といった顧客ニーズの多様化に柔軟に対応できないという問題がある。
また、近年のカードデザインの多彩化及び顧客ニーズの多様化に伴い、カードリーダに対して頻繁にメカ的な変更を加え、特殊カードに対応する機種を増やすことで上記問題を解決することも考えられる。しかし、それには莫大なコストが必要となることから、現実的・実用的ではなく、100%の顧客ニーズ(磁気データの読み込みと書き込み)を満足できないにしろ、最小限の顧客ニーズ(磁気データの読み込み)を満足できる応急的な解決策が早急に望まれている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カードデザインが多彩化する近年のデザイン背景に鑑み、一般的なカードとはカードの長さ或いはカード形状が異なる特殊カードが挿入された場合であっても、最小限の顧客ニーズを低コストで満足させることができるカードリーダを提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、カード取込センサ等より構成され、カード長を検出する既存の検出手段と、カードリーダが有するソフト的な処理動作と、を有機的に連携させることによって、カードリーダにメカ的な変更を加えることなく、カードリーダに挿入されたカードが特殊カードである場合に特定の処理動作を制限することを特徴とする。
より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) カード挿入口からカード搬送路内へ挿入されるカードに接触することでカード挿入を検知するカード取込センサと、前記カード取込センサによって検知されたカード挿入の情報に基づいて、挿入されたカードの長さを検出する検出手段と、を備えるカードリーダにおいて、前記検出手段の検出結果に基づき、このカードが特殊カードであるか否かを判断する特殊カード判断機能と、前記特殊カード判断機能によりこのカードが特殊カードであると判定されたときは、特定の処理動作を制限する処理動作制限機能と、を備えることを特徴とするカードリーダ。
本発明によれば、カード挿入を検知するカード取込センサを有し、例えば、挿入されるカードとカード取込センサとが接触した等のカード挿入の情報に基づいて、挿入されたカードの長さを検出する検出手段を備えるカードリーダにおいて、その検出手段の検出結果を有効に活用することによって、挿入されたカードが特殊カードであるか否かを判断する特殊カード判断機能と、その特殊カード判断機能により特殊カードであると判定されると、特定の処理動作を制限する処理動作制限機能と、を備えることとしたから、カード取込センサを有する既存の検出手段を用いて挿入されたカードが特殊カードであるか否かを判断でき、特殊カードであると判定された場合には特定の処理動作(例えば磁気データの書き込み)を制限することができ、ひいては、特定の処理動作ができないのは承知の上で、それ以外の処理動作(例えば磁気データの読み込み)は実行してもらいたい、といった顧客ニーズの多様化に柔軟に対応することができる。
また、本発明は、カードリーダにメカ的な変更を加えることなく、ソフト的改変によって顧客ニーズを満足させることができることから、カードデザインの多彩化に伴い、短いサイクルで迫られるカードリーダのメカ的な変更要請に対する応急的な解決策として有用なものとなる。
ここで、「特殊カード」とは、カードリーダの搬送系により搬送することは可能であるが、一般的なカードとは長さ・形状が異なるカードをいう。また、「特定の処理動作」とは、カードリーダが処理可能な所定の処理動作のうちのある特定の処理動作を意味する。例えば、「特定の処理動作」としては、挿入されたカードが磁気カードである場合には磁気データの書き込み(記録)、或いは、挿入されたカードがICカードである場合にはICカードに設けられた外部端子へのIC接点の当接動作が挙げられる。
(2) カード挿入口からカード搬送路内へ挿入されるカードに接触することでカード挿入を検知するカード取込センサと、このカード搬送路内に設置されたフォトセンサと、から構成され、前記カード取込センサによって検知されたカード挿入のタイミングと、前記フォトセンサの受光量が変化するタイミングと、を検知することによって、挿入されたカードの長さ及び/又はカード形状を検出する検出手段を備えるカードリーダにおいて、前記検出手段の検出結果に基づき、挿入されたカードが特殊カードであるか否かを判断する特殊カード判断機能と、前記特殊カード判断機能によってこのカードが特殊カードであると判定された場合に、特定の処理動作を制限する処理動作制限機能と、を備えることを特徴とするカードリーダ。
本発明によれば、カード挿入を検知するカード取込センサによって検知されたカード挿入のタイミングと、カード搬送路内に設置されたフォトセンサの受光量が変化するタイミングと、を検知することによって、挿入されたカードの長さやカード形状を検出する検出手段を備えるカードリーダにおいて、その検出手段を有効に活用することによって、挿入されたカードが特殊カードであるか否かを判断する特殊カード判断機能と、その特殊カード判断機能により特殊カードであると判定されると特定の処理動作を制限する処理動作制限機能と、を備えることとしたから、カード取込センサとフォトセンサとを有する既存の検出手段を用いて挿入されたカードが特殊カードであるか否かを判断でき、特殊カードであると判定された場合には特定の処理動作(例えば磁気データの書き込み)を制限することができ、ひいては、挿入されたカードがカードリーダ非対応(例えば磁気データの書き込み不可能)の特殊カードである場合であっても、最小限の処理動作(例えば磁気データの読み込み)を実行してもらいたい、といった顧客ニーズの多様化に対して応急的に対応することができる。
(3) (1)又は(2)記載のカードリーダは、さらに、磁気ストライプを有するカードに対して磁気記録又は再生動作を行う磁気ヘッドを備えたものであって、前記特定の処理動作は、前記磁気ヘッドによる磁気ストライプへの磁気記録動作であることを特徴とするカードリーダ。
本発明によれば、磁気ヘッドを備えたカードリーダにおいて、挿入されたカードが特殊カードである場合に制限される特定の処理動作は、その磁気ヘッドによる磁気ストライプへの磁気記録動作であることとしたから、特殊カードに磁気データの書き込みができないのは承知の上で、特殊カード内の磁気データだけでもカードリーダに読み込んでもらいたい、といった顧客ニーズの多様化に柔軟に対応することができる。
(4) (1)又は(2)記載のカードリーダは、さらに、磁気ストライプを有するカードに対して磁気記録又は再生動作を行う磁気ヘッドと、外部端子を備えたカードに対して情報の送受信を行うIC接点と、を備えたものであって、前記特定の処理動作は、前記磁気ヘッドによる磁気ストライプへの磁気記録動作及び前記IC接点と外部端子とを当接させるIC接点当接動作であることを特徴とするカードリーダ。
本発明によれば、磁気ヘッドとIC接点を備えたカードリーダにおいて、挿入されたカードが特殊カードである場合に制限される特定の処理動作は、その磁気ヘッドによる磁気ストライプへの磁気記録動作及びそのIC接点と外部端子とを当接させるIC接点当接動作であることとしたから、特殊カードに磁気データの書き込み又は電子データの送受信ができないのは承知の上で、特殊カード内の磁気データだけでもカードリーダに読み込んでもらいたい、といった顧客ニーズの多様化に柔軟に対応することができる。
(5) (1)から(4)のいずれか記載のカードリーダは、さらに、前記特殊カード判断機能によりこのカードが特殊カードであると判定されたときは、前記特定の処理動作を制限する旨を報知する報知機能を有することを特徴とするカードリーダ。
本発明によれば、挿入されたカードが特殊カード判断機能によって特殊カードであると判定されたときは、上述した特定の処理動作を制限する旨を報知する報知機能を有することとしたから、カードリーダが搭載された上位装置(例えば銀行のATMなど)に対し、上述した特定の処理動作を制限する所定信号を送信することができ、ひいては、その上位装置の表示画面に「磁気データの書き込み不可」といった警告表示をすることができる。
本発明に係るカードリーダは、以上説明したように、カードリーダにメカ的な変更を加えることなくソフト的な改変を加えることのみによって、カードの長さやカード形状を検出し、挿入されたカードが特殊カードであるか否かを判断し、特殊カードであると判定された場合には特定の処理動作を制限する、というものであり、カードデザインが多彩化する近年のデザイン背景に鑑み、一般的なカードとはカードの長さ或いはカード形状が異なる特殊カードが挿入された場合であっても、顧客ニーズの最小限を低コストで満足することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
[カードリーダの構造]
図1は、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1の構造を示す平面断面図である。
図1において、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1は、カードリーダ1へ挿入するカード(磁気カード或いはICカードである。以下、「挿入カード」という。)をカード搬送路2の中に取り込むカード挿入口3と、後述する駆動モータ11が駆動する契機となる信号を送信するプリヘッド4と、カード搬送路側板5からカード搬送路2内へ突出するレバー6と、レバー6の機械的な動きを検知するマイクロスイッチ7と、カード搬送路2内にある挿入カードの位置確認やカードの長さやカード形状を検出することを目的として、フォトダイオード(図示せず)と対向して配置されたフォトセンサ8a〜8eと、挿入カードがICカードである場合に、そのICカードと電子データの送受信を行うIC接点ブロック機構9と、挿入カードが磁気カードである場合に、その磁気カードに対して磁気データの記録再生を行う磁気ヘッド10と、伝達ベルト12a,12b及び駆動軸13a〜13cを介して駆動ローラ14a〜14cを回転駆動する駆動モータ11(図中の点線枠内)と、その他、様々な機械部品・電気部品(図示せず)から構成されている。
プリヘッド4は、カード挿入口3から挿入カードが取り込まれると、その事実を検知し、駆動モータ11を駆動する契機となる信号をカードリーダ1内のCPU(図示せず)に対して送信する。そして、この信号を受信したカードリーダ1内のCPUが駆動モータ11に対して駆動信号を送信することで、挿入カードの引き込み(搬送)が行われる。なお、このプリヘッド4は、カード挿入口3から挿入カードが取り込まれたことを検知できるセンサであればその種類の如何を問わない。例えば、光センサ、磁気センサなどが挙げられる。
レバー6及びマイクロスイッチ7は、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1に備えられているカード取込センサ15の一部を構成している。カード挿入口3から挿入カードが取り込まれると、カード搬送路2内へ一部が突出したレバー6と挿入カードとが接触してレバー6が図1における下方に変位することを契機として、マイクロスイッチ7がレバー6の機械的な動きを検知する。そして、マイクロスイッチ7は、カードリーダ1内のCPUに対して、レバー6の機械的な動きを検知した旨の検知信号を送信し、この検知信号に基づいて、挿入カードの長さや形状を検出することができる。また、レバー6及びマイクロスイッチ7により構成されるカード取込センサ15のみならず、フォトセンサ8a〜8eを検出手段に加えることによっても、挿入カードの長さや形状を検出することができる。そして、これらの検出手法により、挿入カードの長さが検出されると、当該検出結果に基づき挿入カードが特殊カードであるか否かが判断される。なお、これらの検出方法の詳細については後述する。
IC接点ブロック機構9は、挿入カードがICカードである場合に作動するものであり、ICカード表面上の金属端子(外部端子)と接触できるように、カード搬送路2に沿って接触・当接可能なIC接点を有しており、これが接触・当接することによって電子データの読み書きを行う。また、磁気ヘッド10は、挿入カードが磁気カードである場合に作動するものであり、磁気カード表面上の磁気ストライプに接触・摺動することによって磁気データの読み書きを行う。このIC接点ブロック機構9及び磁気ヘッド10については、図2を用いて詳述する。
図2は、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1の構造を示す縦断面図である。なお、図1と同じ構成要素については同符号で示す。
図2において、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1に搭載されたIC接点ブロック機構9は、挿入カード(ICカード)のカード表面上の外部端子に接触・当接して情報の送受信を行う接点ブロック9aを備えた機構であり、その接点ブロック9aに配置され外部端子に接触・当接するIC接点9bと、そのIC接点9bを接触・離脱せしめる回動アーム9cと、その回動アーム9cを駆動する駆動源(アクチュエータ)9dを有している。
駆動源9dは、回動アーム9cに連結したプランジャ9eを直線上に往復運動させることによって回動アーム9cを駆動する。より具体的には、プランジャ9eは、コイルバネによって突出する方向に付勢されていて、駆動源9dに設置されたソレノイドに通電していない時は、接点ブロック9aを挿入カードから離反させる一方、駆動源9dに設置されたソレノイドに通電している時は、回動アーム9cを回転駆動することによって接点ブロック9aを挿入カードに近づける。
接点ブロック9aに配置されたIC接点9bは、挿入カードの規格に応じて配置された2列のくさび形状のばねより構成され、挿入カードの進行方向と直交する方向に並べられ、挿入カードと接触・当接する時に撓むことが可能な部材で形成されている。そして、このIC接点9bの一端は、IC接点ブロック機構9内に配置された制御回路基板(ICチップ)に半田付けされ、この制御回路基板と電気的に接続されている。これより、挿入カード(ICカード)に格納された電子データを読み取ったり(再生)、挿入カード(ICカード)に対して新たな電子データを書き込んだり(記録)することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1に搭載された磁気ヘッド10は、磁気ギャップ(ギャップスペーサ)を挟んで対向配置された少なくとも一対の磁気コアからなり、一方の磁気コアには再生用コイル、他方の磁気コアには記録用コイルが巻かれ、挿入カードに対してヘッド部が摺接して移動する。これより、挿入カード(磁気カード)に格納された磁気データを読み取ったり(再生)、挿入カード(磁気カード)に対して新たな磁気データを書き込んだり(記録)することが可能となる。
なお、図2において、駆動モータ11によって回転駆動される駆動ローラ14a〜14cは、挿入カードを挟持するために、従動ローラ14d〜14fと対になっている。
[第1検出手段]
図3は、レバー6及びマイクロスイッチ7により構成されるカード取込センサ15によって、挿入カードのカードの長さを検出する様子を示す図である。なお、図3(a)〜(c)は、挿入カードが特殊カード(短カード)である場合を説明するための図であって、図3(a')〜(c')は、挿入カードが特殊カードでない標準カード(一般的なカード)である場合を説明するための図である。
まず、図3(a)において、カード挿入口から挿入カード100が取り込まれると、挿入カード100とレバー6とが接触し、マイクロスイッチ7がオンになる。そして、それと同時に、カードリーダ1内のCPUに内蔵されたタイマが始動し、時間の計測が開始される。なお、上述のとおり、プリヘッド4が挿入カード100の存在を検知し、駆動ローラ14a〜14cが回転駆動することで、この挿入カードはカード搬送路2内へ引き込まれていく。一方で、挿入カードが標準カードである場合においても、上記同様、挿入カード100'とレバー6とが当接し、マイクロスイッチ7がオンになり(図3(a'))、時間の計測が開始される。
次に、図3(b)において、特殊カード100が駆動ローラ14a〜14cによってカード搬送路2内を搬送されている最中は、レバー6はカード搬送路2から非突出状態となっており、挿入カード100とレバー6との接触によって開始された時間の計測は継続される。一方で、挿入カードが標準カードである場合においても、上記同様、レバー6はカード搬送路2から非突出状態となっており(図3(b'))、時間の計測は継続される。
そして、図3(c)において、挿入カード100の進行方向に対する末端がレバー6から離反すると、レバー6は再びカード搬送路2内へ突出した状態となり、マイクロスイッチ7がオフとなる。それと同時に、カードリーダ1内のCPUに内蔵されたタイマは停止し、時間の計測が終了する。一方で、挿入カードが標準カード100'である場合においては、上記と異なり、未だレバー6はカード搬送路2から非突出状態であることから(図3(c'))、時間の計測は継続される。
このようにして、挿入カードが特殊カード(短カード)である場合には、挿入カードが標準カードである場合と比べて計測時間が少なくなることから、カードの長が短いことを検出することが可能となる。
なお、本実施形態においては、カードリーダ1内のCPUに内蔵されたタイマによる時間計測を用いてカードの長さを検出することとしたが、本発明はこれに限られることなく、例えば、カードリーダ1に内蔵されたモータに設けられたエンコーダのパルス数をカウントすることで所定時間を計測することとしてもよい。また、カードリーダ1に、予め挿入カードの規格情報を記憶させておき、それに基づき挿入カードを所定量だけ搬送し、その際のレバー6の突出状態を検知することでカードの長を検出することとしてもよい。このように、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1の検出手段は、挿入カードの長さを実測する場合の他、挿入カードが規定値よりも短いか長いかを検出することによっても、カードの長さを検出することができる。
[第1特殊カード判断機能]
上述した第1検出手段による挿入カードのカードの長さの検出結果に基づいて、第1特殊カード判断機能により、挿入カードが特殊カードであるか否かを判断することとなる。すなわち、第1検出手段によって計測されたカードの長さに基づいて、カードの長さが短いと判断されれば、挿入カードは特殊カードであると判定する。一方、カードの長さが規定値と判断されれば、挿入カードは標準カードであると判定する。
[第1検出手段,第1特殊カード判断機能の他の例]
図4は、レバー6及びマイクロスイッチ7により構成されるカード取込センサ15によって、挿入カードのカードの長さを検出して、特殊カードであるか否かを判断する様子を示す図である。なお、図4(a)〜(c)は、挿入カードが特殊カード(1つの角部が切り取られた略台形状の変形カード)である場合を説明するための図であって、図4(a')〜(c')は、挿入カードが特殊カードでない標準カード(一般的なカード)である場合を説明するための図である。
より具体的な検出方法は、上述した図3に示す方法と同様である。すなわち、カード挿入口3から挿入カード200が取り込まれると、挿入カード200とレバー6とが当接し、マイクロスイッチ7がオンになり、時間計測が開始される(図4(a))。一方、挿入カードが標準カードである場合にも、挿入カード200'とレバー6とが当接し、マイクロスイッチ7がオンになり、時間計測が開始される(図4(a'))。そして、レバー6がカード搬送路2から非突出状態のまま挿入カード200が駆動ローラによって所定の搬送量だけ搬送され(図4(b))、進行方向に対する末端がレバー6から離反すると(図4(c))、レバー6は再び突出した状態となり、マイクロスイッチ7がオフとなる。それと同時に、カードリーダ1内のCPUに内蔵されたタイマは停止し、時間の計測が終了する。一方、挿入カードが標準のカードである場合には、レバー6がカード搬送路2から非突出状態のまま挿入カード200'が駆動ローラによって所定の搬送量だけ搬送され(図4(b'))、図4(c)に示す搬送量と同じだけ搬送された場合であっても、未だレバー6はカード搬送路2から非突出状態であり(図4(c')参照)、時間の計測は継続される。
このようにして、挿入カードが特殊カード(1つの角部が切り取られた略台形状の変形カード)である場合には、挿入カードが標準のカードである場合と比べて計測時間が少なくなることから、カード形状が、標準のカード長と同じ長辺を有する四角形状ではないことを検出することが可能となる。
以上説明したように、カードリーダ1内のCPUの時間計測に基づく上記第1特殊カード判断機能によれば、挿入カードが特殊カードであるか否かを判断することが可能である。しかしながら、レバー6の突出状態及びカードリーダ1内のCPUの時間計測に基づく本機能では、特殊カードと判定された挿入カードが短カードであるのか、或いは変形カードであるのかまでも判断することは不可能である。そこで、次に説明する第2検出手段及び第2特殊カード判断機能によればこの問題は解決する。
[第2検出手段,第2特殊カード判断機能]
図5は、レバー6及びマイクロスイッチ7により構成されるカード取込センサ並びにフォトセンサ8aによって、挿入カードのカードの長さとその形状を検出して、挿入カードが特殊カード(短カード)であるか否かを判断する様子を示す図である。なお、図5(a)〜(d)は、挿入カードが特殊カード(短カード)である場合を説明するための図であって、図5(a')〜(d')は、挿入カードが特殊カードでない標準カード(一般的なカード)である場合を説明するための図である。また、ここではフォトセンサ8aを用いることしたが、本発明はこれに限られることなく、挿入カードの規格に応じて、フォトセンサ8a〜8eのいずれを用いることとしてもよい(図1参照)。
まず、図5(a)において、カード挿入口から挿入カード300が取り込まれると、挿入カード300とレバー6が接触し、マイクロスイッチ7がオンになる。なお、上述のとおり、プリヘッド4が挿入カード300の存在を検知し、駆動ローラ14a〜14cが回転駆動することで、この挿入カード300はカード搬送路2内へ引き込まれる。一方で、挿入カードが標準カードである場合においても、上記同様、挿入カード300'とレバー6とが接触し、マイクロスイッチ7がオンになる(図5(a'))。
次に、図5(b)において、挿入カード300が駆動ローラ14a〜14cによって所定量だけ搬送されると、挿入カード300の進行方向に対する先端がフォトセンサ8aにまで達する。そうすると、フォトセンサ8aの受光量が変化(例えば減少)する。一方で、挿入カードが標準のカードである場合においても、挿入カード300'の進行方向に対する先端がフォトセンサ8aにまで達し、フォトセンサ8aの受光量が変化(例えば減少)する。
ここで、説明の便宜上、挿入カード300(挿入カード300')がフォトセンサ8aに対向する位置(フォトセンサ8aの真上)にあるとき、フォトセンサ8aはオン状態になっていると仮定する。また、挿入カード300(挿入カード300')がフォトセンサ8aに対向する位置(フォトセンサ8aの真上)にないとき、フォトセンサ8aはオフ状態になっていると仮定する。
そして、図5(c)において、挿入カード300が駆動ローラによって更に所定量だけ搬送されると、挿入カード300の進行方向に対する末端がレバー6から離反する。その結果、レバー6は再びカード搬送路2内へ突出した状態となり、マイクロスイッチ7がオフとなる。このとき、挿入カード300は未だフォトセンサ8aに対向する位置にあり、フォトセンサ8aはオン状態になったままである。一方で、挿入カードが標準カードである場合には、挿入カード300'が、図5(c')に示す所定量だけ搬送されたとしても、挿入カード300'の進行方向に対する末端がレバー6から離反せず、カード搬送路2から非突出状態にある。標準カードは特殊カードよりもカード長が長いため、図5(c)に示す所定量よりも多く搬送されたときにレバー6から離反する(図5(c'))。
最後に、図5(d)において、挿入カード300が駆動ローラによって更に所定量だけ搬送されると、挿入カード300の進行方向に対する末端がフォトセンサ8aに対向する位置から離反し、フォトセンサ8aの受光量は変化(例えば増加)する。一方で、挿入カードが標準カードである場合においても、挿入カード300'が図5(c')に示す位置から更に所定量だけ搬送されると、挿入カード300'の進行方向に対する末端がフォトセンサ8aに対向する位置から離反し(図5(d'))、フォトセンサ8aの受光量は変化(例えば増加)する。このとき、フォトセンサ8aは、オン状態からオフ状態へと遷移する。
図6は、レバー6及びマイクロスイッチ7並びにフォトセンサ8aにより構成されるカード取込センサによって、挿入カードのカードの長さとその形状を検出して、挿入カードが特殊カード(略台形状の変形カード)であるか否かを検出する様子を示す図である。なお、図5(a)〜(d)は、挿入カードが特殊カード(略台形状の変形カード)である場合を説明するための図であって、図5(a')〜(d')は、挿入カードが特殊カードでない標準カード(一般的なカード)である場合を説明するための図である。なお、図6(a)及び(a')、図6(b)及び(b')については、それぞれ図5(a)及び(a')、図5(b)及び(b')と同様であるので、その説明を省略する。
図6(c)において、挿入カード400が駆動ローラによって更に所定量だけ搬送されると、挿入カード400の進行方向に対する末端がレバー6から離反する。その結果、レバー6は再びカード搬送路2内へ突出した状態となり、マイクロスイッチ7がオフとなる。このとき、挿入カード400は未だフォトセンサ8aに対向する位置にあり、フォトセンサ8aはオン状態になったままである。一方で、挿入カードが標準カードである場合には、挿入カード400'が図6(c)に示す所定量だけ搬送されたとしても、挿入カード400'の進行方向に対する末端がレバー6から離反することはない。標準カードは特殊カードよりもカードの長さが長いため、図6(c)に示す所定量よりも多く搬送されたときにレバー6から離反する(図6(c'))。
最後に、図6(d)において、挿入カード400が駆動ローラによって更に所定量だけ搬送されると、挿入カード400の進行方向に対する末端がフォトセンサ8aに対向する位置から離反し、フォトセンサ8aの受光量は変化(例えば増加)する。一方で、挿入カードが標準カードである場合においては、挿入カード400'が図6(c')に示す位置から更に所定量だけ搬送されると、挿入カード400'の進行方向に対する末端がフォトセンサ8aに対向する位置から離反し(図6(d'))、フォトセンサ8aの受光量は変化(例えば増加)する。このとき、フォトセンサ8aは、オン状態からオフ状態へと遷移する。
ここで、図6(c)→図6(d)における搬送量は、図5(c)→図5(d)における搬送量と比べて多くなり、この相違を検出することで、特殊カードが短カードであるか、或いは略台形状の変形カードであるか、を検出することができる。より具体的には、図7に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図7は、挿入カードの搬送量に対し、マイクロスイッチ7及びフォトセンサ8aの状態遷移を示すタイミングチャートである。
図7において、(a)の波形は、挿入カードが標準カードである場合におけるマイクロスイッチ7の状態遷移を示し、(b)の波形は、挿入カードが標準カードである場合におけるフォトセンサ8aの状態遷移を示し、(c)の波形は、挿入カードが短カードである場合におけるマイクロスイッチ7の状態遷移を示し、(d)の波形は、挿入カードが短カードである場合におけるフォトセンサ8aの状態遷移を示し、(e)の波形は、挿入カードが略台形状の変形カードである場合におけるマイクロスイッチ7の状態遷移を示し、(f)の波形は、挿入カードが略台形状の変形カードである場合におけるフォトセンサ8aの状態遷移を示している。
マイクロスイッチ7の状態遷移を示す図7(a),(c),(e)によれば、挿入カードを所定速度で搬送している際、挿入カードが標準カードでない場合(図7(c),(e))には、挿入カードが標準カードである場合(図7(a))と比べて、マイクロスイッチ7がオン状態からオフ状態へ遷移するタイミングが早いことが分かる。
フォトセンサ8aの状態遷移を示す図7(b),(d),(f)によれば、挿入カードを所定速度で搬送している際、挿入カードが短カードである場合(図7(d))には、挿入カードが標準カードである場合(図7(b))と比べて、マイクロスイッチ7がオン状態からオフ状態へ遷移するタイミングが早くなるが、挿入カードが変形カードである場合(図7(f))には、このマイクロスイッチ7がオン状態からオフ状態へ遷移するタイミングが早くならない。これは、上述したとおり、図6(c)→図6(d)における搬送量が、図5(c)→図5(d)における搬送量と比べて多くなることに起因している。従って、フォトセンサ8aを加えた検出手段によって挿入されたカードの長さを検出する第2特殊カード判断機能によれば、第1特殊カード判断機能と異なり、特殊カードの種類までをも特定することが可能となる。
[情報処理の流れ]
図8は、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1の取込動作を示すサブルーチンである。
図8において、まず、挿入カードの取込が開始される(ステップS81)。より具体的には、カードリーダ1のカード挿入口3に磁気カード或いはICカードが挿入されると、プリヘッド4が駆動モータ11を駆動する契機となる信号を、カードリーダ1内のCPUに対して送信する。これを受信したカードリーダ1内のCPUは、駆動モータ11を駆動する駆動信号を送信し、これを受信した駆動モータ11は、伝達ベルト12a,12b及び駆動軸13a,13bを介して駆動ローラ14a,14bを、駆動軸13cを介して駆動ローラ14cを回転駆動する。このようにして、挿入カードの取込が開始される。
次いで、挿入カードが標準カードか否かが判断される(ステップS82)。より具体的には、カードリーダ1内のCPUは、上述した第1特殊カード判断機能或いは第2特殊カード判断機能に基づき、挿入カードが標準カードであるか否かを判断する。特に、第2特殊カード判断機能に基づく場合には、図7で示したように、レバー6及びマイクロスイッチ7よりなるカード取込センサによって検知されたカード挿入のタイミングと、フォトセンサ8aの受光量が変化するタイミングと、を検知することによって、挿入カードの長さ(又は形状)を検出する。これにより、挿入カードが標準カードであると判定されれば、カード取込は完了し(ステップS83)、本サブルーチンを終了する。なお、挿入カードが標準カードである場合には、カードリーダ内で後述の特定の処理動作(磁気記録動作、IC接点当接動作)を含んだ所定の処理動作が標準カードに対して施されることになる。
一方で、挿入カードが標準カードでないと判定された場合には、次に、挿入カードが特殊カードであるか否かが判断される(ステップS84)。より具体的には、カードリーダ1内のCPUは、上述した第1特殊カード判断機能或いは第2特殊カード判断機能に基づき、挿入カードが特殊カードであるか否かを判断する。そして、挿入カードが特殊カードであると判定された場合には、カードリーダ1内蔵の半導体メモリ内に特殊カードフラグをセットする(ステップS85)。その後、カード取込は完了し(ステップS83)、本サブルーチンを終了する。なお、挿入カードが特殊カードである場合には、カードリーダ内では後述の特定の処理動作を除いた所定の処理動作が特殊カードに対して施されることになる。
ここで、特殊カードフラグがセットされた場合には、カードリーダ1内のCPUは、挿入カードに対する特定の処理動作(例えば磁気記録動作又はIC接点当接動作)を制限する旨を報知するための報知信号を、カードリーダ1を搭載する上位装置(例えば銀行のATM)に送信する。これにより、例えば、銀行のATMの表示画面に「本機では、このカードに書き込みできませんのでご注意下さい」といった警告表示を行うことが可能となる。
なお、本実施形態では、カードリーダ1内蔵の半導体メモリ内に特殊カードフラグをセットすることとしたが、本発明はこれに限られることなく、例えばカードリーダ1の上位装置等がもつ半導体メモリ内にセットしても構わない。また、ここでいう半導体メモリは、DRAM、フラッシュメモリ、EEPROM等、その種類の如何を問わない。
次いで、挿入カードが、標準カードでもなく特殊カードでもない、すなわち異常カードと判定された場合には、挿入カードの排出が行われる(ステップS86)。より具体的には、カードリーダ1内のCPUは、上述した第1特殊カード判断機能或いは第2特殊カード判断機能に基づき、挿入カードが特殊カードであるか否かを判断する。そして、例えばカード搬送に支障をきたすほどカード長が短いカードなど、挿入カードがいわゆる異常カードであると判定した場合(例えばマイクロスイッチ7がオン状態からオフ状態へ遷移するタイミングが早過ぎる場合)には、その時点でカード取込を中断し、駆動モータ11を逆回転駆動する駆動信号を送信し、駆動ローラ14a〜14cを逆回転させる。このようにして、挿入カードの排出が行われた後、本サブルーチンを終了する。
次に、挿入カードが異常カードではない磁気カードである場合において、カードリーダ1を搭載する上位装置から磁気記録動作を命令する磁気記録コマンドを受信したときに実行するサブルーチンについて説明する。図9は、本発明の実施の形態に係るカードリーダ1の特定の処理動作を制限する処理動作制限機能に関するサブルーチンである。
図9において、まず、カードリーダ1を搭載する上位装置から磁気記録コマンドを受信すると(ステップS91)、カードリーダ1内のCPUは、特殊カードフラグがセットされるメモリ空間にアクセスし、特殊カードフラグがセットされているか否かを判断する(ステップS92)。
特殊カードフラグがセットされていないと判定した場合には、通常の磁気記録動作を実行する(ステップS93)。より具体的には、挿入カードに対して磁気ヘッド10のヘッド部を摺接して移動させ、磁気コアに巻かれた記録用コイルを通電させ、磁気データを書き込む(記録する)。その後、本サブルーチンを終了する。
一方で、特殊カードフラグがセットされていると判定した場合には、通常の磁気記録動作は実行せず、磁気記録動作は実行できない旨の実行不可信号を上位装置に対して送信する(ステップS94)。より具体的には、挿入カードに対して磁気ヘッド10のヘッド部を摺接して移動させるものの、磁気コアに巻かれた記録用コイルを非通電とし、磁気データの書き込み(記録)を不可能にする。そして、カードリーダ1内のCPUは、磁気記録動作は実行できない旨の実行不可信号を上位装置に対して送信する。これにより、上位装置において、磁気書き込み動作を命令するコマンドが発行された場合には、それを拒否するレスポンスが上位装置に対して戻され、コマンドの拒否が行われることとなる。
ここで、挿入カードが磁気カードかつ特殊カードである場合に磁気記録動作を制限するのは、挿入カードが特殊カードすなわち短カードあるいは変形カードである場合、カード搬送路側板5(図1参照)による搬送時のカード搬送姿勢の規制が十分に行われず、カードに蛇行が生じ、その結果、記録スキューが悪化し磁気記録の精度が確保できなくなるからである。
なお、ここでは挿入カードが磁気カードである場合を考え、カードリーダ1を搭載する上位装置から磁気記録動作を命令する磁気記録コマンドを受信したときに実行するサブルーチンについて説明したが、挿入カードがさらに外部端子を備えた磁気ストライプ付きのICカードである場合も上述同様のサブルーチンを実行することができる。すなわち、カードリーダ1内のCPUは、特殊カードフラグがセットされていないと判定した場合には、IC接点ブロック機構9の回動アーム9cを回転駆動し、接点ブロック9cに配置されたIC接点9bを挿入カードの外部端子に接触・当接して、通常の情報書込動作を実行する。。一方で、特殊カードフラグがセットされていると判定した場合には、IC接点ブロック機構9の回動アーム9cの回転駆動を制限することで、IC接点9bとICカードの外部端子との当接動作を制限し、IC接点当接動作は実行できない旨の実行不可信号を上位装置に対して送信する。なお、この場合でも、カードリーダ1において磁気データの再生は行われることになる。
ここで、挿入カードが特殊カードすなわち短カードあるいは変形カードである場合、上述のようにカード搬送時にカードに蛇行が生じ、挿入カードであるICカードの停止位置精度を確保できなくなる。従って、ICカードの外部接点とIC接点9bとの相対位置精度を確保することが難しくなり、その状態で外部接点とIC接点とを当接させると外部接点とIC接点とが確実に接触せず、ICカードに傷を生じたり、IC接点9bに損傷が生じることから、挿入カードがICカードかつ特殊カードである場合にIC接点当接動作が制限されている。
以上説明したような情報処理によれば、標準カード(一般的なカード)とはカードの長さ或いはカード形状が異なる特殊カードが挿入された場合であっても、カードリーダ1にメカ的な変更を加えることなく、ソフト的な改変のみによって顧客ニーズの最小限を低コストで満足することができる。
本発明に係るカードリーダは、カードデザインが多彩化する近年のデザイン背景に鑑み、顧客ニーズの最小限を低コストに、かつ応急的に満足し得るものとして有用である。
本発明の実施の形態に係るカードリーダの構造を示す平面断面図である。 本発明の実施の形態に係るカードリーダの構造を示す縦断面図である。 挿入カードが特殊カード(短カード)であるか否かを検出する様子を示す図である。 挿入カードが特殊カード(略台形状の変形カード)であるか否かを検出する様子を示す図である。 挿入カードが特殊カード(短カード)であるか否かを検出する様子を示す図である。 挿入カードが特殊カード(略台形状の変形カード)であるか否かを検出する様子を示す図である。 挿入カードの搬送量に対し、マイクロスイッチ及びフォトセンサの状態遷移を示すタイミングチャートである。 本発明の実施の形態に係るカードリーダの取込動作を示すサブルーチンである。 本発明の実施の形態に係るカードリーダの特定の処理動作を制限する処理動作制限機能に関するサブルーチンである。
符号の説明
1 カードリーダ
2 カード搬送路
3 カード挿入口
4 プリヘッド
5 カード搬送路側板
6 レバー
7 マイクロスイッチ
8a〜8e フォトセンサ
9 IC接点ブロック機構
10 磁気ヘッド
11 駆動モータ
12a,12b 伝達ベルト
13a〜13c 駆動軸
14a〜14c 駆動ローラ

Claims (5)

  1. カード挿入口からカード搬送路内へ挿入されるカードに接触することでカード挿入を検知するカード取込センサと、前記カード取込センサによって検知されたカード挿入の情報に基づいて、挿入されたカードの長さを検出する検出手段と、を備えるカードリーダにおいて、
    前記検出手段の検出結果に基づき、このカードが特殊カードであるか否かを判断する特殊カード判断機能と、
    前記特殊カード判断機能によりこのカードが特殊カードであると判定されたときは、特定の処理動作を制限する処理動作制限機能と、
    を備えることを特徴とするカードリーダ。
  2. カード挿入口からカード搬送路内へ挿入されるカードに接触することでカード挿入を検知するカード取込センサと、このカード搬送路内に設置されたフォトセンサと、から構成され、
    前記カード取込センサによって検知されたカード挿入のタイミングと、前記フォトセンサの受光量が変化するタイミングと、を検知することによって、挿入されたカードの長さ及び/又はカード形状を検出する検出手段を備えるカードリーダにおいて、
    前記検出手段の検出結果に基づき、挿入されたカードが特殊カードであるか否かを判断する特殊カード判断機能と、
    前記特殊カード判断機能によってこのカードが特殊カードであると判定された場合に、特定の処理動作を制限する処理動作制限機能と、
    を備えることを特徴とするカードリーダ。
  3. 請求項1又は2記載のカードリーダは、さらに、
    磁気ストライプを有するカードに対して磁気記録又は再生動作を行う磁気ヘッドを備えたものであって、
    前記特定の処理動作は、前記磁気ヘッドによる磁気ストライプへの磁気記録動作であることを特徴とするカードリーダ。
  4. 請求項1又は2記載のカードリーダは、さらに、
    磁気ストライプを有するカードに対して磁気記録又は再生動作を行う磁気ヘッドと、
    外部端子を備えたカードに対して情報の送受信を行うIC接点と、
    を備えたものであって、
    前記特定の処理動作は、前記磁気ヘッドによる磁気ストライプへの磁気記録動作及び前記IC接点と前記外部端子とを当接させるIC接点当接動作であることを特徴とするカードリーダ。
  5. 請求項1から4のいずれか記載のカードリーダは、さらに、
    前記特殊カード判断機能によりこのカードが特殊カードであると判定されたときは、前記特定の処理動作を制限する旨を報知する報知機能を有することを特徴とするカードリーダ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009199272A (ja) * 2008-02-20 2009-09-03 Nec Computertechno Ltd カード処理装置およびカード挿入状態検知方法
JP2010160666A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Nidec Sankyo Corp カードリーダおよびカードリーダの制御方法
KR20180014737A (ko) 2015-10-30 2018-02-09 히타치 오므론 터미널 솔루션즈 가부시키가이샤 카드 처리 장치, 자동 거래 장치

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