JP2005069093A - ガスタービンエンジンの加減速制御装置及び加減速制御方法 - Google Patents

ガスタービンエンジンの加減速制御装置及び加減速制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料温度の変化により燃料の比重が変化した場合でも、加減速に必要な所望の質量流量で燃料を供給できるガスタービンエンジンの加減速制御装置及び加減速制御方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るガスタービンエンジンの加減速制御装置は、所定のデータに基づいてガスタービンエンジン10の加減速に必要な燃料質量流量を求め、燃料質量流量信号を出力する燃料流量算出部4aと、燃料質量流量信号を受け、予め設定された燃料質量流量と燃料流量制御弁20の弁開度との相関関係を示す燃料御弁特性M2に基づいて燃料流量制御弁20の弁開度を求め、弁開度信号を出力する弁開度算出部4bと、燃料温度から求まる燃料比重に基づき、燃焼器2に供給する燃料質量流量を燃料流量算出部により求めた燃料質量流量と一致させるように、弁開度算出部4bへの燃料質量流量信号を補正する燃料流量補正部4cとを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ガスタービンエンジンの加減速制御装置及び加減速制御方法に関する。
図3は、従来の一般的なガスタービンエンジンの構成を示す図である。この図に示すように、ガスタービンエンジン40は、圧縮機31と、燃焼器32と、タービン33と備え、圧縮機31で空気を圧縮し、燃料44を圧縮空気と混合して燃焼器32で燃焼させて燃焼ガス42を生成し、生成した燃焼ガス42によりタービン33を駆動させ、排ガス43を排出するようになっている。図中46は、燃料44と潤滑油45との間で熱交換を行わせ、潤滑油45を冷却する潤滑油冷却器である。タービン33の軸には、例えばガスタービン船の場合には図示しないギヤボックスを介してプロペラ35が接続され、プロペラ35の回転により推進力を得るようになっている。
また、図3に示すように、このようなガスタービンエンジン40は、タービン回転速度を所定の回転速度まで加減速させるための加減速制御装置34を備えている。この加減速制御装置34は、圧縮機入口空気温度と圧縮機吐出圧力等のデータからガスタービンエンジン40が加減速する際に必要な燃料質量流量を求め、燃料質量流量信号を出力する燃料流量算出部34aと、燃料質量流量信号を受け、燃料流量制御弁の弁開度を求め、弁開度信号を出力する弁開度算出部34bとを有し、この弁開度信号に基づいて燃料流量制御弁44の弁開度を調節してガスタービンエンジンの加減速を制御している。なお、このようなガスタービンエンジンの加減速制御に関する技術は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
特許文献1の「ガスタービンエンジンの加減速制御装置」は、エンジン負荷量の変動に伴って所要の回転数に移行させるために燃料流量を制御する燃料流量制御手段を有するガスタービンエンジンの加減速制御装置において、燃料流量制御手段は、所定の上限値を超えないようにエンジン温度の目標値を設定すると共に、目標値に向けて変化する過渡状態にある現在のエンジン温度を推定し、該エンジン温度の推定値と目標値との差に基づいて、エンジン温度の目標値に対応して求められた燃料流量を補正するようにしたものである。
特開2002−138857号公報
燃料流量制御弁は、燃料計量部の前後差圧を一定に保ちながら、燃料計量部の開度面積に比例した燃料が流れることにより燃料の体積流量を制御している。しかし、燃料温度はガスタービンエンジンの運転状態により変動するものであり、燃料温度が変動するとこれに伴い燃料比重も変動する。図4は、燃料温度と燃料質量流量との関係を示す図であり、横軸に燃料温度(℃)をとり、縦軸に燃料質量流量の変化率(%)をとっている。この図から分かるように、燃料温度の影響により、燃料温度が約30℃変動すると、燃料質量流量は約1%変化する。
このため、従来のガスタービンエンジンの加減速制御装置では、燃料の体積流量は燃料流量制御弁の弁開度に応じた流量となるが、燃料温度が上昇した場合には燃料温度の上昇に伴い燃料比重が小さくなり、その結果燃料の質量流量が減少してしまい、所望の加速度でもってタービン回転速度を増加させることができなくなり、負荷変動に対する応答性が悪くなるという問題があった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、燃料温度の変化により燃料の比重が変化した場合でも、加減速に必要な所望の質量流量で燃料を供給できるガスタービンエンジンの加減速制御装置及び加減速制御方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明によれば、タービン回転速度を所定の回転速度まで加減速させるために、燃焼器に供給する燃料流量を燃料流量制御弁の弁開度を調節して制御するガスタービンエンジンの加減速制御装置であって、所定のデータに基づいてガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を求め、燃料質量流量信号を出力する燃料流量算出部と、燃料質量流量信号を受け、予め設定された燃料質量流量と前記燃料流量制御弁の弁開度との相関関係を示す燃料制御弁特性に基づいて前記燃料流量制御弁の弁開度を求め、弁開度信号を出力する弁開度算出部と、燃料温度から求まる燃料比重に基づき、前記燃焼器に供給する燃料質量流量を前記燃料流量算出部により求めた燃料質量流量と一致させるように、前記弁開度算出部への燃料質量流量信号を補正する燃料流量補正部とを備える、ことを特徴とするガスタービンエンジンの加減速制御装置が提供される。
また、上記ガスタービンエンジンの加減速制御装置において、好ましくは、前記燃料流量補正部は、燃料と潤滑油との間で熱交換を行って潤滑油を冷却する潤滑油冷却器の潤滑油出口側の潤滑油温度に基づいて前記潤滑油冷却器の燃料出口側の燃料温度を推定し、推定した燃料温度から前記燃料比重を求める。
また本発明によれば、タービン回転速度を所定の回転速度まで加減速させるために、燃焼器に供給する燃料流量を燃料流量制御弁の弁開度を調節して制御するガスタービンエンジンの加減速制御方法であって、所定のデータに基づいてガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を求め、燃料質量流量信号を出力する燃料流量算出ステップと、燃料質量流量信号を受け、予め設定された燃料質量流量と前記燃料流量制御弁の弁開度との相関関係を示す燃料制御弁特性に基づいて前記燃料流量制御弁の弁開度を求め、弁開度信号を出力する弁開度算出ステップと、燃料温度から求まる燃料比重に基づき、前記燃焼器に供給する燃料質量流量を前記燃料流量算出ステップにより求めた燃料質量流量と一致させるように、前記弁開度算出ステップで用いられる燃料質量流量信号を補正する燃料流量補正ステップとを備える、ことを特徴とするガスタービンエンジンの加減速制御方法が提供される。
また、上記ガスタービンエンジンの加減速制御方法において、好ましくは、前記燃料流量補正ステップにおいて、燃料と潤滑油との間で熱交換を行って潤滑油を冷却する潤滑油冷却器の潤滑油出口側の潤滑油温度に基づいて前記潤滑油冷却器の燃料出口側の燃料温度を推定し、推定した燃料温度から前記燃料比重を求める。
本発明に係るガスタービンエンジンの加減速制御装置は、燃料温度から求まる燃料比重に基づき、燃焼器に供給する燃料質量流量を前記燃料流量算出部により求めた燃料質量流量と一致させるように、前記弁開度算出部への燃料質量流量信号を補正する燃料流量補正部を備えるので、燃料温度の変動により燃料比重が変動しても、燃焼器へ供給される燃料質量流量とガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量との間で誤差が生じることがない。したがって、燃料温度の影響を受けることなく、ガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を燃焼器に正確に供給することができる。
また、本発明に係るガスタービンエンジンの加減速制御方法は、燃料温度から求まる燃料比重に基づき、前記燃焼器に供給する燃料質量流量を前記燃料流量算出ステップにより求めた燃料質量流量と一致させるように、前記弁開度算出ステップで用いられる燃料質量流量信号を補正する燃料流量補正ステップを備えるので、燃料温度の変動により燃料比重が変動しても、燃焼器へ供給される燃料質量流量とガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量との間で誤差が生じることがない。したがって、燃料温度の影響を受けることなく、ガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を燃焼器に正確に供給することができる。
また、上記ガスタービンエンジンの加減速制御装置及び加減速制御方法において、燃料と潤滑油との間で熱交換を行って潤滑油を冷却する潤滑油冷却器の潤滑油出口側の潤滑油温度に基づいて潤滑油冷却器の燃料出口側の燃料温度を推定し、推定した燃料温度から燃料比重を求めるので、ハードウェア上の計測項目を増加させることなく、燃料温度を認知することができる。したがって、システムを簡素化することができ、既存のガスタービンエンジンにも適用することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るガスタービンエンジンの加減速制御装置及び加減速制御方法の実施形態の構成を示す図である。この図に示すように、ガスタービンエンジン10は、圧縮機1と、燃焼器2と、タービン3と、加減速制御装置4を備え、圧縮機1で空気を圧縮し、燃料14を圧縮空気と混合して燃焼器2で燃焼させて燃焼ガス12を生成し、生成した燃焼ガス12によりタービン3を駆動させ、排ガス13を排出するようになっている。タービン回転速度を所望の回転速度に加減速するときには、加減速制御装置4により燃料流量制御弁20の弁開度を調節し、燃焼器2への燃料流量を制御する。また、図中16は、燃料14と潤滑油15との間で熱交換を行わせ、潤滑油15を冷却する潤滑油冷却器である。なお、タービン3の軸には、例えばガスタービン船の場合には図示しないギヤボックスを介してプロペラ5が接続され、プロペラ5の回転により推進力を得るようになっている。
図2は、加減速制御装置4による加減速制御の内容を説明する図である。以下、図1及び図2を参照して説明する。図2に示すように加減速制御装置4は、燃料流量算出部4aと、弁開度算出部4bと、燃料流量補正部4cとを有している。
燃料流量算出部4aは、温度検出部21により検出された圧縮機入口空気温度(ガスゼネレータ入口温度)、圧力検出部23により検出された圧縮機吐出空気圧力、タービン目標回転数、タービン回転数、等を含む所定のデータを入力し、このデータに基づいてガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を求め、燃料質量流量信号を出力する。このとき、燃料質量流量は、図2に示すような予め設定されたガスゼネレータ加減速スケジュールマップM1を用いて算出される。このガスゼネレータスケジュールマップM1は、圧縮機入口空気温度ごとに異なるラインを示し、この図では、圧縮機入口空気温度が15℃の場合の概形を示している。
弁開度算出部4bは、燃料質量流量信号を受け、予め設定された燃料質量流量と燃料流量制御弁20の弁開度との相関関係を示す燃料制御弁特性マップM2に基づいて燃料流量制御弁20の弁開度を求め、弁開度信号を出力する。
燃料流量補正部4cは、燃料温度から求まる燃料比重に基づき、燃焼器2に供給する燃料質量流量を燃料流量算出部4aにより求めた燃料質量流量と一致させるように、弁開度算出部4bへの燃料質量流量信号を補正する。すなわち、燃料温度が上昇して燃料比重が基準値以下となった場合には、燃料流量算出部4aにより求めた燃料質量流量を燃料質量流量信号としてそのまま弁開度算出部4cの入力信号とすると、燃料比重が減少した分燃料質量流量が減少するため、この燃料比重の減少による燃料質量流量の減少分を補填できるように、燃料流量指令信号を補正して燃料流量制御弁20の弁開度を増大させるようにする。これとは反対に、燃料温度が下降して燃料比重が基準値以上となった場合は、燃料流量指令信号を補正して燃料流量制御弁20の弁開度を減少させるようにする。
このとき、燃料14と熱交換を行う潤滑油15の温度に基づいて潤滑油冷却器16の燃料出口側の燃料温度Tfを推定し、燃料温度Tfから燃料比重を求めるようにする。潤滑油15の温度は監視用計測項目であるため、これを用いることにより新たなハードウェア上の計測項目を増加させる必要がない。
燃料温度Tfは、Tf=TLO+aなる計算式から求められる。ここで、TLOは潤滑油冷却器16の潤滑油出口側の潤滑油温度、aは潤滑油温度TLOから求まる補正量であり、この補正量aは、図2に示すように、タービン回転数(ガスゼネレータ回転数)Nと潤滑油給油温度TLOから予め設定された相関マップM3を用いて求められる。なお、潤滑油温度TLOは温度検出部22で検出され、その出力信号が加減速制御装置4の燃料流量補正部4cに入力されるようになっている。
そして、このようにして推定した燃料温度Tfから燃料比重を求め、燃焼器2に供給する燃料質量流量が燃料流量算出部4aにより求めた燃料質量流量となるように、弁開度算出部4bへの燃料質量流量信号を補正する。
このように、本発明に係るガスタービンエンジンの加減速制御装置および加減速制御方法によれば、燃料温度から求まる燃料比重に基づき、燃焼器への燃料質量流量をガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量と一致させるように、燃料質量流量信号を補正するので、燃料温度の変動により燃料比重が変動しても、燃焼器へ供給される燃料質量流量とガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量との間で誤差が生じることがない。したがって、燃料温度の影響を受けることなく、ガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を燃焼器に正確に供給することができる。
また、燃料と潤滑油との間で熱交換を行って潤滑油を冷却する潤滑油冷却器の潤滑油出口側の潤滑油温度に基づいて潤滑油冷却器の燃料出口側の燃料温度を推定し、推定した燃料温度から燃料比重を求めるので、ハードウェア上の計測項目を増加させることなく、燃料温度を認知することができる。したがって、システムを簡素化することができ、既存のガスタービンエンジンにも適用することが可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ることは勿論である。
本発明の実施形態の構成を示す図である。 本発明における加減速制御の内容を説明する図である。 従来のガスタービンエンジンの加減速制御装置の構成を示す図である。 燃料温度と燃料質量流量との関係を示す図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 燃焼器
3 タービン
4 加減速制御装置
4a 燃料流量算出部
4b 弁開度算出部
4c 燃料流量補正部
5 プロペラ
10 ガスタービンエンジン
11 空気
12 燃焼ガス
13 排ガス
14 燃料
15 潤滑油
16 熱交換器
20 燃料流量制御弁
21、22 温度検出部
23 圧力検出部

Claims (4)

  1. タービン回転速度を所定の回転速度まで加減速させるために、燃焼器に供給する燃料流量を燃料流量制御弁の弁開度を調節して制御するガスタービンエンジンの加減速制御装置であって、
    所定のデータに基づいてガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を求め、燃料質量流量信号を出力する燃料流量算出部と、
    燃料質量流量信号を受け、予め設定された燃料質量流量と前記燃料流量制御弁の弁開度との相関関係を示す燃料制御弁特性に基づいて前記燃料流量制御弁の弁開度を求め、弁開度信号を出力する弁開度算出部と、
    燃料温度から求まる燃料比重に基づき、前記燃焼器に供給する燃料質量流量を前記燃料流量算出部により求めた燃料質量流量と一致させるように、前記弁開度算出部への燃料質量流量信号を補正する燃料流量補正部とを備える、ことを特徴とするガスタービンエンジンの加減速制御装置。
  2. 前記燃料流量補正部は、燃料と潤滑油との間で熱交換を行って潤滑油を冷却する潤滑油冷却器の潤滑油出口側の潤滑油温度に基づいて前記潤滑油冷却器の燃料出口側の燃料温度を推定し、推定した燃料温度から前記燃料比重を求める、ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジンの加減速制御装置。
  3. タービン回転速度を所定の回転速度まで加減速させるために、燃焼器に供給する燃料流量を燃料流量制御弁の弁開度を調節して制御するガスタービンエンジンの加減速制御方法であって、
    所定のデータに基づいてガスタービンエンジンの加減速に必要な燃料質量流量を求め、燃料質量流量信号を出力する燃料流量算出ステップと、
    燃料質量流量信号を受け、予め設定された燃料質量流量と前記燃料流量制御弁の弁開度との相関関係を示す燃料制御弁特性に基づいて前記燃料流量制御弁の弁開度を求め、弁開度信号を出力する弁開度算出ステップと、
    燃料温度から求まる燃料比重に基づき、前記燃焼器に供給する燃料質量流量を前記燃料流量算出ステップにより求めた燃料質量流量と一致させるように、前記弁開度算出ステップで用いられる燃料質量流量信号を補正する燃料流量補正ステップとを備える、ことを特徴とするガスタービンエンジンの加減速制御方法。
  4. 前記燃料流量補正ステップにおいて、燃料と潤滑油との間で熱交換を行って潤滑油を冷却する潤滑油冷却器の潤滑油出口側の潤滑油温度に基づいて前記潤滑油冷却器の燃料出口側の燃料温度を推定し、推定した燃料温度から前記燃料比重を求める、ことを特徴とする請求項3に記載のガスタービンエンジンの加減速制御方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10801361B2 (en) 2016-09-09 2020-10-13 General Electric Company System and method for HPT disk over speed prevention
CN117892458A (zh) * 2024-03-11 2024-04-16 中国航发沈阳发动机研究所 一种涡扇发动机涡轮前燃气温度正向设计及调试方法

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