JP2005068353A - 重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水中での不溶化現象を広い温度範囲で緩やかにおきるようにして、温度変化に伴い広い温度範囲で吸光度を変化させることが可能な、センサーや遮光材料等の用途へは用いることが出来る重合体組成物を提供すること。
【解決手段】 GPC溶出曲線が少なくとも質量平均分子量(Mw)500〜5000とMw2万〜100万の領域でそれぞれ極大値を有し、該GPC溶出曲線全面積に対し、該GPC溶出曲線のMw250〜1万の低分子量成分の面積が80〜95%であり、該低分子量成分の重合体が末端に親水性基を有する、水中で曇点を有する重合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、曇点を有する重合体およびその製造方法に関する。
N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドのようなN−置換(メタ)アクリルアミド類やN−ビニルカプロラクタムのようなビニルアミド類等を原料に得られる重合体は、ある温度より低い温度では水に溶けるが、ある温度以上では水に不溶となる曇点、あるいは下限臨界共溶温度と呼ばれる温度を有している事が知られており、医療、医薬、農薬、アクチュエーター、水処理剤、塗料、化粧品、洗剤、分散剤、遮光材料等として、様々な分野での応用が期待されている。
例えばイソプロピルメタクリルアミド単独重合体であれば、曇点は42℃程度となるが、この温度は必ずしも各種用途には最適ではないことからその利用範囲が限られていた。曇点を調節する方法として、特許文献1に有るように、解離性基を有する単量体を、その解離性基と同一の電荷を有する解離性基を分子内に有するメルカプタンおよび/またはスルフィドの存在下に、異種単量体と共重合させる方法が開示されている。
特開2000−186121号公報
これらの方法で得られた重合体は、特定の温度の前後で鋭敏に吸光度を大きく変化させるため、温度変化に緩慢に応答する性質が求められるセンサーや遮光材料等の用途へは用いることが出来なかった。不溶化現象を広い温度範囲で緩やかにおきるようにすることができれば、温度変化に伴い、広い温度範囲で水の吸光度を緩慢に変化させる事が可能となり、センサーや遮光材料等としての用途が期待される。
本発明者らは、上記課題を解決できる特定の構造を有する重合体組成物および、優れた前記重合体組成物の製造方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の第1の要旨は、GPC溶出曲線が少なくとも質量平均分子量(Mw)500〜5000とMw2万〜100万の領域でそれぞれ極大値を有し、該GPC溶出曲線全面積に対し、該GPC溶出曲線のMw250〜1万の低分子量成分の面積が80〜95%であり、該低分子量成分の重合体が末端に親水性基を有する、水中で曇点を有する重合体である。
本発明の第二の要旨は、前記重合体と溶媒とを含有する重合体組成物である。
本発明の第三の要旨は、前工程で使用する連鎖移動剤の単量体に対するモル濃度をαとし、後工程で使用する連鎖移動剤の単量体に対するモル濃度をβとしたとき、α<βとなる関係にある前工程と後工程を含む請求項1記載の重合体の製造方法である。ここで重合率とは、仕込んだ単量体の総量に対して、その時点までに重合した単量体の百分率をいう。
本発明の重合体は、水中において温度変化に伴い広い温度範囲で水の吸光度を緩慢に変化させることが可能である。また、本発明の重合体の製造方法により、このような重合体および重合体組成物を、高い重合率で、効率良く製造することが可能である。
本発明において、曇点とは、1相に溶解している重合体水溶液の温度を上げることにより重合体が析出し、2相になる温度をいう。
その測定方法として、重合体を1質量%溶解した水溶液を、1℃/分の速度で温度を上げ、目視にて溶液が白濁を開始する温度を曇点とする方法等がある。
曇点を有する重合体の構成単位となる単量体としては、例えば、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−2−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−3−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−3−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−3−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−3−(2−メトキシエトキシ)プロピル(メタ)アクリルアミド、N−3−(2−メトキシエトキシ)プロピル(メタ)アクリルアミド、N−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−1−メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエチル)−N−(メタ)アクリルアミド、N−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−N−(メタ)アクリルアミド、N−2−メトキシエチル−N−(メタ)アクリルアミド、N−2−メトキシエチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−2−メトキシエチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−イソプロペニルピロリドン、N−イソプロペニルカプロラクタム等が挙げられる。
なかでも、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタムを50質量%以上含有した重合体が好ましく、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミドが更に好ましい。なお、本発明では「重合体」とは単独重合体及び共重合体の両方を指す。また、「(メタ)アクリルアミド」とはメタクリルアミドとアクリルアミドの総称である。なかでも、単独重合体であることが、曇点の制御が容易であるという観点から好ましい。
本発明におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定は、検量線として標準ポリスチレンを使用し、常法により作成したものを用いる。
本発明の重合体組成物のGPC溶出曲線は2つ以上の極大値を示すことが必要であり、2つの極大値を示すことが好ましい。
低分子量側の極大値は下限値は500以上であり、800以上であることが好ましい。その上限値は5000以下であり、3000以下であることが好ましい。
本発明において、低分子量成分とはGPC溶出曲線においてMw250〜1万成分のことを指し、この面積は、GPC溶出曲線の全面積を基準にして下限値は80%以上であり、85%以上が好ましい。上限値はGPC溶出曲線の全面積を基準にして95%以下であり93%以下が好ましい。低分子量成分の量がこの範囲内であると、広い温度範囲で水溶液の吸光度を緩慢に変化させることが可能となる。
高分子量側の極大値は、下限は2万以上であり、5万以上が好ましく、8万以上が更に好ましい。また、上限は100万以下であり、60万以下が好ましく、20万以下が更に好ましい。本発明の重合体組成物では、高分子量成分は低温領域で水溶液の吸光度を緩慢に変化させることに寄与し、低分子量成分は高温領域で水溶液の吸光度を緩慢に変化させることと水溶液の粘度を低くさせることに寄与する。
本発明の重合体組成物中の低分子量成分は末端に親水性基を含有する。低分子量成分が親水性基を末端に含有することで、高温での曇点を幅広く変化させることが可能となる。親水性基の種類は、特に限定はなく、カルボキシ基、水酸基、ポリオキシアルキレン基などが挙げられるが、pHの変化や塩の存在の影響を受けずに安定した溶解挙動を示す点で水酸基が好ましい。
末端に親水基を導入する方法としては、例えば、水溶性の連鎖移動剤および/または水溶性の開始剤を使用する方法が挙げられる。中でも、水溶性の連鎖移動剤が好ましく、特に水溶性のメルカプタン類が好ましい。水溶性のメルカプタン類としてはメルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール、1,3−メルカプトプロパノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1,4−メルカプトブタノール、ジエタノールスルフィド、チオジグリコール、エチルチオエタノール等が挙げられる。水のpHや塩の影響を受けにくく、温度上昇に伴う広い温度範囲で水の吸光度を変化させることができる点で、イオン性基を含まず、水酸基を含む連鎖移動剤を使用することが好ましい。なかでも、2−メルカプトエタノール、1,3−メルカプトプロパノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールが好ましく、3−メルカプト−1,2−プロパンジオールが特に好ましい。
本発明の製造方法しては、例えば、水溶液重合、有機溶媒を用いた溶液重合、沈澱析出重合、乳化重合、逆相乳化重合、ソープフリー重合、懸濁重合、逆相懸濁重合等による方法が挙げられる。これらの重合法のうちでは、溶液重合、沈澱析出重合、乳化重合、ソープフリー重合がより好ましく、なかでも溶液重合が特に好ましい。
また、本発明の製造方法では使用する重合開始剤は特に限定はないが、通常、以下のものが用いられる。
アゾ開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二水和物、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプピオネート)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオンニトリル]、2−シアノ−2−プロピルアゾホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]二水和物、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジノ]プロパン}等が挙げられる。
過酸化物としては、イソブチルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、過酸化水素等が挙げられる。
また、レドックス開始剤や光開始剤を併用してもよい。
これらの開始剤はpHや塩濃度に対する影響が少ないという観点から非イオン性のものが好ましい。中でも非イオン性アゾ系開始剤の使用が好ましく、特に2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)の使用が好ましい。
本発明の重合体組成物の製造方法としては、特に限定はないが、単量体、開始剤及び連鎖移動剤を重合釜に滴下しながら重合する滴下重合が、本発明の重合体組成物が、再現性良く、容易に得られるという観点から好ましい。
本発明の製造工程では、主に高分子量成分の重合体を製造する前工程と、主に低分子量成分の重合体を製造する後工程を含む。
前工程で到達する重合率の下限は1%以上であり、好ましくは5%以上であり、さらに好ましくは7%以上であり、上限は50%であり、好ましくは20%以下であり、好ましくは15%以下ある。重合率がこの範囲内であると、この範囲で生成した重合体は、低温部分の領域で温度上昇に伴い広い温度範囲で水の吸光度を変化させることが可能となる。
本発明の製造方法では、前工程で使用する連鎖移動剤の単量体に対するモル濃度をαとし、後工程で使用する連鎖移動剤の単量体に対するモル濃度をβとしたとき、α<βとなることが必要である。
前工程では、αは、0.5モル%未満が好ましく0.1モル%未満がより好ましい。αがこの範囲にあると低温の領域で、温度上昇に伴い広い温度範囲で水の吸光度を変化させることが可能となる。
後工程では、βは、下限は2モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましい。上限は40モル%以下が好ましく、25モル%以下が好ましい。βがこの範囲にあると、低分子量成分の重合体末端の親水性基の数が適正となり、得られる重合体組成物は幅広い温度範囲で水の吸光度を変化させることが出来る。
前工程と後工程の切り替える時期は、重合率が、5%以上で切り替えることが好ましく、7%以上で切り替えることがより好ましい。また、20%以下で切り替えることが好ましく、15%以下で切り替えることがより好ましい。この範囲内で前・後工程を切り替えることにより、得られる重合体組成物は広い温度範囲で水の吸光度を変化させることが可能となる。
単量体等の滴下の際には、溶媒を用いて単量体、開始剤、必要に応じて水溶性メルカプタン類を溶解して滴下する方法が好ましい。
これらの溶媒としては、アルコール類が好ましく、なかでもメタノール、ブタノール、エチレングリコールが好ましく、特にメタノールが好ましい。この際の溶媒には、水が含まれていることが好ましい。
重合中に気化した溶媒は冷却管等で液化させ重合系内に戻しても構わないし、液化させずに系外に除去してもよい。溶媒を除去しながら重合する方法は、単量体の重合速度が速くなり、また重合率が高くなるので好ましい。
単量体等の滴下に要する時間は、用いられる開始剤系等により異なるが、前工程と後工程を含めた全工程では、その下限値は好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上であり、上限値は好ましくは12時間以下、より好ましくは8時間以下、更に好ましくは6時間以下である。
前工程における滴下時間は、上記全工程の滴下時間の5〜50%の範囲が好ましく、後工程における滴下時間は、上記全工程の滴下時間の50〜95%の範囲が好ましい。
重合を行う温度は、使用する開始剤等により異なるが、その下限値は40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。その上限値は150℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。重合温度は、重合体の分解等の副反応が抑制されるという観点からは低い方が好ましく、重合が早く進行するという観点からは高い方が好ましい。
重合に使用する溶媒は重合方法により適宜選択されるが、一般には、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アミド類、ニトリル類等が用いられる。例えば、有機溶媒として、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−エトキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシエタノール)等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、(メチル)ピロリドン等のアミド類、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。好ましくは、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセロール等のアルコール類であり、より好ましくはエチレングリコールであるが、これらは2種以上を混合して用いてもよい。なかでも、メタノールは、他の溶媒に少量混合することにより、重合時のN−イソプロピルメタクリルアミド昇華物が重合釜の壁面やコンデンサ−に付着することを防ぐことができ好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
なお、製造した高分子溶液の諸特性は以下の方法により測定した。
<重合率>
重合溶液中のエチレングリコール、メタノール、および残存N−イソプロピルメタクリルアミド単量体量をガスクロマトグラフィーにより測定し、ポリイソプロピルメタクリルアミドの含有量を求め、重合率とした。
<高分子溶液の組成分析>
高分子溶液の組成分析を、以下の装置および測定条件により行った。
(1)エチレングリコール、メタノール
装置:Agilent社製6890ガスクロマトグラフ/5973N質量検出器 カラム:HP−5 MS(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
オーブン温度:40℃(1分)→10℃/分(昇温)→300℃
キャリアガス:He
流速:1ml/分
サンプル濃度:10質量%
(2)水分量
カールフィッシャー法により測定した。
(3)ポリイソプロピルメタクリルアミド成分
(1)、(2)以外はすべてポリイソプロピルメタクリルアミドとした。
< 分子量>
重合体の分子量を以下のGPC装置および測定条件で測定した。
装置:東ソー社製 8010システム(RI検出器)
カラム:Shodex GPC KD-806M(8×300mm)
Ultrahydrogel 120 (8×300mm)
カラム温度:40℃(恒温槽)
移動相:ジメチルホルムアミド 0.01M臭化リチウム
流速:0.8ml/min
分子量換算用標準 重合体:標準ポリエチレングリコール
サンプル濃度:0.1質量%(DMF/LiBr溶液)
<吸光度>
重合体含量が0.1質量%のイオン交換水溶液を作成し、分光光度計を用い、50℃、75℃、90℃での波長500nmの光の吸光度を測定した。
<実施例1>
[前工程]
攪拌装置、溶媒留出装置、窒素導入管、熱電対をセットした1000mlセパラブルフラスコ中に、エチレングリコール72gを加え、気相部へ窒素を導入しながら、オイルバスに浸けて100℃に加熱攪拌した。これに、エチレングリコール32g、メタノール160g、イオン交換水40gに溶かしたN−イソプロピルメタクリルアミド(三菱レイヨン社製)160g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業社製:V−59)0.08g、ならびに1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬工業社製:V−40)0.04gの単量体溶液を調製し、そのうち滴下されるN−イソプロピルメタクリルアミド量が50gとなるよう100℃で75分かけて滴下した。このときの重合率(初期重合率という)を求めた。(このとき滴下されず残った方の単量体を未滴下単量体という。)
前工程で連鎖移動剤を使用しなかったためα=0[mol%]であった。
[後工程]
その後、前工程終了時の重合液中の残存単量体量34gに対し、8.5モル%の3−メルカプト−1,2−プロパンジオールを添加した。
更に、前工程終了時の重合液中の残存単量体量と未滴下単量体の合計量に対し、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業社製:V−59)0.6質量%、ならびに1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬工業社製:V−40)0.3質量%、および、未滴下単量体量に対し、メタノールを100質量%、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール8.5モル%を混合した混合液を、温度100℃で4時間かけて滴下した。
滴下終了後、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール5g、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬工業社製:V−59)0.4g、ならびに1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬工業社製:V−40)0.2gの、アセトン溶液20gならびにメタノール溶液20gを1時間かけて滴下した。その後、更に100℃で1時間攪拌を継続し、重合体溶液を得た。重合中は窒素の気相への導入を継続した。後工程で使用した連鎖移動剤の単量体に対する濃度はβ=8.5[mol%]であった。
このようにして得られた重合体溶液について、GPCを用いて分子量を測定した結果、分子量分布は2つの極大値を持つカーブに分かれた。そのうち、高分子量および低分子の極大値をそれぞれ「高分子量ピーク」、「低分子ピーク」とし表−1に示した。また、GPCカーブ全体に占める分子量1万未満の部分の面積比(以下、低分子量成分の面積という)を表1に示す。最終的な重合率(以下、最終重合率という)を求め、初期重合率とともに表−1に示す。
また、吸光度測定の結果を表−1に示す。90℃での吸光度は0.3であった。GPCによって低分子量成分を分取し、H−NMRにより低分子量成分が水酸基を含有していることを確認した。
<実施例2>
前工程で滴下するN−イソプロピルメタクリルアミドの量を35g、滴下時間を55分とし、初期重合率が7%、後工程での残存単量体量が24gとなった以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。この溶液についてGPC測定、初期重合率、最終重合率、および吸光度測定の結果を表−1に示す。90℃での吸光度は0.3であった。GPCによって低分子量成分を分取し、H−NMRにより低分子量成分が水酸基を含有していることを確認した。
<実施例3>
前工程で滴下するN−イソプロピルメタクリルアミドの量を80g、滴下時間を120分とし、初期重合率が15%、後工程での残存単量体量が56gとなった以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。この溶液についてGPC測定、初期重合率、最終重合率、および吸光度測定の結果を表−1に示す。90℃での吸光度は0.3であった。GPCによって低分子量成分を分取し、H−NMRにより低分子量成分が水酸基を含有していることを確認した。
<比較例1>
前工程で滴下するN−イソプロピルメタクリルアミドの量を120g、滴下時間を180分とし、初期重合率が30%、後工程での残存単量体量が72gとなった以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。この溶液についてGPC測定、初期重合率、最終重合率、および吸光度測定の結果を表−1に示す。90℃での吸光度は0.4であった。GPCによって低分子量成分を分取し、H−NMRにより低分子量成分が水酸基を含有していることを確認した。
<比較例2>
前工程で滴下するN−イソプロピルメタクリルアミドの量を12g、滴下時間を20分とし、初期重合率が2%、後工程での残存単量体量が9gとなった以外は実施例1と同様にして重合体溶液を得た。この溶液についてGPC測定、初期重合率、最終重合率、および吸光度測定の結果を表−1に示す。90℃での吸光度は0.3であった。GPCによって低分子量成分を分取し、H−NMRにより低分子量成分が水酸基を含有していることを確認した。
Figure 2005068353
このように実施例1〜3で得られた重合体溶液は幅広い温度範囲で緩慢に吸光度が変化した。また、製造プロセスはワンポットで行うことができ、最終重合率は高かった。これに対し、比較例1〜2では測定した温度範囲で吸光度は急激に変化した。

Claims (7)

  1. GPC溶出曲線が少なくとも質量平均分子量(Mw)500〜5000とMw2万〜100万の領域でそれぞれ極大値を有し、該GPC溶出曲線全面積に対し、該GPC溶出曲線のMw250〜1万の低分子量成分の面積が80〜95%であり、該低分子量成分の重合体が末端に親水性基を有する、水中で曇点を有する重合体。
  2. 親水性基が水酸基であることを特徴とする請求項1記載の重合体。
  3. 請求項1または2いずれかに記載の重合体と溶媒とを含有する重合体組成物。
  4. 前工程で使用する連鎖移動剤の単量体に対するモル濃度をαとし、後工程で使用する連鎖移動剤の単量体に対するモル濃度をβとしたとき、α<βとなる関係にある前工程と後工程を含む請求項1記載の重合体の製造方法。
  5. 連鎖移動剤が水酸基を含有する請求項4記載の製造方法。
  6. 用いる単量体がN−イソプロピルメタクリルアミドである請求項4または5に記載の製造方法。
  7. 前工程の重合率が5〜20%に達した時点で前工程を後工程に切り変えることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006118249A1 (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 The University Of Tokushima アミド基含有高分子化合物およびその製造方法
JP2012153816A (ja) * 2011-01-27 2012-08-16 Soken Chem & Eng Co Ltd アクリル系重合体の製造方法並びにこの方法により得られるアクリル系重合体およびこれを利用するアクリル系粘着剤組成物

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