JP2005067009A - インキフォロワー流体 - Google Patents

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Abstract

【目的】本発明のインキフォロワー流体は、高温下や長期保存でインキフォロワー流体の一部がインキに移行してしまい分離や離油を生じることなく、インキ追従体としての品質を維持することができるインキフォロワー流体を提供することを目的とする。
【構成】インキ収容部内に直接充填されたインキの上部に備えられたインキフォロワー流体であって、当該インキフォロワー流体が角周波数0.0001〜100.0rad/secにおける、貯蔵弾性率と損失弾性率の交点が角周波数0.5rad/sec以下であることを特徴とするインキフォロワー流体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ボールペンや万年筆、マーキングペンといった筆記具や、インキジェットプリンタなどの記録機器に用いるインキカートリッジのインキ収容部内に直接充填された状態で収容されるインキと共にインキ収容部内に収容され、前記インキの外気との接触部分となり得る境界部分を封じ、インキの乾燥やインキの漏れを抑制したり、インキ収容部内壁へのインキの付着を減少したりするインキフォロワー流体に関する。
インキをインキ収容部内に直接充填する型の筆記具や記録機器のインキカートリッジは従来多く用いられている。特に、筆記具において、この種の構造の筆記具は、所謂生インキ式構造の筆記具と称され、インキの吐出量が使用始めから終わりまで大きく変化しない点で優れたものとして知られている。生インキ式構造の筆記具としては、ペン先にボールペンチップを用いたボールペンや、繊維収束体を用いたマーキングペン等が知られている。そして、これらのペン先を取り付けるインキ収容部は、ポリプロピレンのような合成樹脂によって成形されたパイプ状物や、ケース状物の内部に形成されている。更に、このインキ収容部は、ペン先取付部の他端を開放状態にしたり、空気孔を有する尾栓を配したりすることがなされている。
上記生インキ筆記具において、インキフォロワー流体は、インキ収容部に配置されるインキのペン先取付部と反対側に位置する界面に層状に充填されている。これは、筆記具に衝撃が加わった際、或いは高温の環境下に置かれた際のインキ収容部後端よりのインキ漏れを防止することやインキ収容部後端からのインキ乾燥を防止することを主な目的として用いているためである。
そして、インキフォロワー流体は、流動パラフィンやポリブテンなどの不揮発性液体を基材として、この基材を微粒子シリカなどでゲル化したもの等が提案されている。しかし、これらのインキフォロワー流体を使用した場合、インキフォロワー流体が高温下や長期間の保存において、離油が起き、インキへ移行してしまい、逆流防止体としての品質を維持できなくなり、多くの場合は筆記具自体の品質をも劣化させることが起きることがある。
こういったインキフォロワー流体の離油や逆転を防止する為、一種または二種以上の難揮発性もしくは不揮発性有機溶剤とゲル化剤としての微粒子シリカおよび、シラン系表面改質剤を添加している特許も開示されている(特許文献1)。また、インキフォロワー流体の物性を限定しているものもあり、角周波数0.1〜650rad/secにおけるtanδを0.1〜2.0と限定している特許が開示されている(特許文献2)も開示されている。
特開平8−300873号公報 特開2001−353993号公報
しかし、増粘剤や添加剤などの対応方法では、増粘剤や資材などのバラツキ、配合方法などの違いによりインキ追従体の物性が変化したりすることがあり、インキフォロワー流体の離油などの問題も起こりうる。
また、物性を限定することは資材や配合方法のバラツキなどによる物性変化を極力防止することができるが、tanδ(損失弾性率と貯蔵弾性率の比率)を0.1〜2.0と限定することがインキフォロワー流体の離油に影響することに関しては技術的な疑問も多く、現実的な対策となっていない可能性がある。
本発明のインキフォロワー流体は上記問題に鑑み、高温下や長期保存でインキフォロワー流体の一部がインキに移行してしまい分離や離油を生じることなく、インキフォロワーとしての品質を維持することができるインキフォロワー流体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、インキ収容部の開口端に向かうインキ界面に接触して層状に該インキ界面を覆うように配置され、角周波数0.0001〜100.0rad/secの範囲での貯蔵弾性率と損失弾性率の交点が、角周波数0.5rad/sec以下であるインキフォロワー流体を要旨とする。
以下、本発明を詳細に説明する
損失弾性率及び貯蔵弾性率は角振動数(または振動数)で振動し、ひずみを与える測定方法によって得られ、この挙動は物質固有のスペクトルとなる。この2つの数値は、損失弾性率がその試料の粘性要素を、貯蔵弾性率がその試料の弾性要素を表している。この2つの数値には関連性があり、それを表す損失正接をtanδと呼ぶ。tanδは〔損失弾性率/貯蔵弾性率〕を意味する値であり、この値が大きいこと(tanδ>1)は、流動性が高いこと(あるいは粘性応答)を示し、小さいこと(tanδ<1)は、固体状(あるいは弾性応答)に近いことを示す。
こういった損失弾性率及び貯蔵弾性率は周波数依存性により、分子の内部構造を推測することができる。弾性応答の場合、分子の内部構造は分子の絡み合いが解けにくく、再度絡み合いをしたりして、損失弾性率よりも貯蔵弾性率が優り、弾性応答を示し、粘性応答の場合、分子の絡み合いが解けるのに十分な時間があり、分子の絡み合いが弱くなり、貯蔵弾性率よりも損失弾性率が強く、粘性応答を示すと考えられる。このように、低角周波数から高角周波数へ動かすことにより、分子の構造、絡み合いを予測することができる。またこの周波数依存性により、分子の絡み合いなどの概念から分子量や分子量分布を相対的に比較したりすることもできる。(参考文献:「講座・レオロジー」日本レオロジー学会編、1992)
インキ収容管は、筆記具においては一端に、例えばボールペンペン先やフェルト等の繊維束のペン先や連通多孔体状のペン先やまた弁等によって閉鎖されている。また、記録機器などのインキタンクではインキ供給用導管によって一端が閉鎖されている。インキ収容管はインキの残量を確認できるように透明又は半透明のものが多く用いられ、例えばポリエチレンやポリプロピレンがよく使用されているが、このほかの各種プラスチックや金属製のものもある。また、必要に応じてインキ収容管内面にシリコーン系やフッ素系の撥水・撥油剤を塗布することもできる。
インキは、紙などの記録媒体上に画像を形成する目的で使用するもので、溶媒に溶質の着色材を溶解したものや、分散媒に分散質の着色材を分散したものがある。溶質の着色材としてはウォーターブルーやメチルバイオレット等の水溶性・油溶性染料が知られており、分散質の着色材としてはフタロシアニンブルーやモノアゾイエローや酸化チタンのような有機・無機顔料が知られている。溶媒や分散媒は水や有機溶剤が使用できる。
着色材を紙面に定着させるためや硬化させるため等、インキに各種樹脂を併用することもできる。具体的には、セラック、スチレンとマレイン酸又はそのエステルとの共重合体及びそのアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、スチレンとアクリル酸又はそのエステルとの共重合体及びそのアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、尿素樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、クマロン−インデン樹脂、ポリテルペン、ロジン系樹脂やその水素添加物、ケトン樹脂、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物、フェノール樹脂などが挙げられる。
その他、上記各成分以外、従来インキに用いられる種々の添加剤を適宜必要に応じて使用することもできる。例えば、インキの蒸発防止のためにソルビット、キシリット等の糖アルコールを用いたり、筆記感を向上させるためにポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールポリオキシプロピレングリコール、オレイン酸のアルカリ金属塩やアミン塩等の潤滑剤を用いたりすることができる。
さらに、インキに、アニオン系、非イオン系、カチオン系の各種界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の表面張力調整剤、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾイソチアザリン−3−オンなどの防腐防黴剤、ベンゾトリアゾール、エチレンジアミン四酢酸などの防錆剤、pH調整剤として水酸化ナトリウム、アルカノールアミン、アミン、アンモニウム等のアルカリ化剤なども用いることもできる。
インキフォロワー流体は、従来から使用されている公知のインキフォロワー流体用基材が使用できる。ただし、インキフォロワー流体はインキと直接に接するように使用されるため、インキと化学的に反応せず、溶解あるいは混入懸濁といったことが起こりにくい必要がある。よって、水性インキ用インキフォロワー流体には油性または疎水性の基材を、また油性インキには水性の基材が使用される。さらに、インキとインキフォロワー流体の比重差に起因する浮力によりインキとインキフォロワー流体の位置が逆転することを防ぐためには、インキとインキフォロワー流体の比重差は小さい方が好ましい。インキとインキフォロワー流体の位置が逆転することを防ぐための基材の選定基準として比重は重要である。
これらのことより、インキフォロワー流体の基材として使用できる流体としては、水性インキやアルコール系、グリコール系溶剤を用いた油性インキの場合、具体的にはフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(比重0.99)、フタル酸ジブチル(比重1.05)といったフタル酸エステル類、リン酸トリクレジル(比重1.175)といったリン酸エステル類、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(比重0.93)やアジピン酸イソデシル(比重0.92)といったアジピン酸エステル類、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(比重0.92)といったセバシン酸エステル類、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(比重0.99)といったトリメリット酸エステル類、クエン酸トリエチル(比重1.14)やアセチルクエン酸トリブチル(比重1.04)といったクエン酸エステル類、エポキシ化大豆油(比重0.99)やエポキシ化アマニ油(比重1.04)といったエポキシ化植物油やエポキシ化脂肪酸エステル(比重0.92〜0.97)、ポリエステル系可塑剤(比重1.02〜1.12)のような可塑剤が挙げられる。また、ポリブテン(比重0.82〜0.90)、ポリブタジエン(比重0.90)、流動パラフィン(比重0.85〜0.90)、α−オレフィンオリゴマー(比重0.82〜0.85)といった液状オリゴマーや液状ゴムが挙げられ、ポリジメチルシリコーン(比重0.75〜1.00)、ポリエーテル変性シリコーン(比重1.00〜1.10)、フッ素変性シリコーン(比重1.25〜1.30)などのシリコーンオイルが挙げられ、パラフィン系・ナフテン系・アロマ系プロセスオイル(比重0.85〜1.05)やエクステンダーオイル等の鉱物油、植物油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ワセリン等の油脂類が挙げられ、ホスファロールNF46(比重1.76)、同NF68(比重1.78)、同NF100(比重1.79)(以上、大塚化学(株)製)などのフルオロアルコキシシクロトリホスファゼンが挙げられ、エンパラK43(塩素含有量42〜44%、比重1.12〜1.15)、同K45(塩素含有量44〜46%、比重1.15〜1.18)、同K47(塩素含有量47〜49%、比重1.19〜1.22)、同K50(塩素含有量50〜52%、比重1.23〜1.26)(以上、味の素(株)製)などの塩素化パラフィンが挙げられる。また極性の小さい炭化水素系の溶剤を用いたインキの場合、極性の大きい溶剤を使用する。具体的には水の他に、極性が大きい多価アルコールのエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノアセテート、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが使用できる。これらは単独もしくは混合して使用可能である。これらは1種もしくは2種以上、併用して使用できる。
本発明におけるインキフォロワー流体のゲル化剤および/または増粘剤は従来公知のものが使用できる。具体例としては、フォロワー流体の基材に低極性の溶剤を用いた場合、微粒子シリカよりなるアエロジルR972、同R974、同200(以上、日本アエロジル(株)製)、脂肪酸アマイドよりなるディスパロンA670−20M、同6900−20X(以上、楠本化成(株)製)、ソロイド(三晶(株)製)などのセルロース系のもの、更に金属セッケン類、ベントナイト、デキストリンなどを用いることができ、基材に高極性の溶剤を用いた場合、グァーガム、ヒドロキシプロピル化グァーガム、カルボキシメチルヒドロキシプロピル化グァーガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、ウエランガム、ラムザンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ソーダ、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、カラギーナン、サクシノグルカン等の水溶性多糖類、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アルキル/アクリルアミド共重合体、N−ビニルアセトアミド共重架橋物などの合成高分子、スメクタイト等の粘度系鉱物などを添加することができ、これらは、単独もしくは2種以上混合して使用できる。こういったゲル化剤に関しては、単にゲル化剤を多く添加すれば、その構造がより強固になると考えられるが、ゲル化剤の増粘方法、ゲル構造の違いにより、上記物性値を得ることができないことがある。好ましくはゲル化剤の添加総重量%が3重量%以上7重量%以下であることが望ましい。
更に、インキ収容管内壁へのインキ付着防止の為に、ソルビタン脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルを用いたり、低温での筆記性低下防止の為にメタクリレートコポリマーを用いたり、その他、種々の添加剤や界面活性剤を適宜必要に応じて使用することもできる。尚、筆記具の形態にて使用されるインキ界面に配置された状態で、当該逆流防止体中に全部もしくは一部浸漬させて逆流防止体の界面形状を安定化させる浮子を配置することもできる。
また基材として水を用いた場合、インキフォロワー流体のカビ発生防止のためにデヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンゾチアゾリン−3−オン、安息香酸ナトリウムなどの防腐防カビ剤を適量加えることができる。また、水などの蒸発しやすい材料では、蒸発抑制の為に、この基材に不溶及び/または難溶の不揮発性及び/または難揮発性の有機溶剤、またはこれらを粘度調整したものや、ゴム弾性を有する合成ゴムやエラストマー、プラスチックなどの成型品を浮き体として、フォロワー流体の後端側界面に配置して併用することもできる。
本発明のインキフォロワー流体を製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。例えば、上記成分を撹拌機により加熱撹拌混合(90〜160℃)することにより容易に得られたり、プロペラ攪拌機などで溶解、分散して容易に得られる。
何故本発明におけるインキフォロワー流体が高温下や長期保存でインキフォロワー流体の一部がインキに移行してしまう分離や離油を生じることなく、インキ追従体としての品質を維持できるインキフォロワー流体を得ることが可能なのかを以下の様に推察する。
インキフォロアー流体などの流体は、低角周波数から高角周波数へ振動数を振ることで内部構造を推測でき、分子の絡み合いなどにより、低角周波数領域では弾性応答を、高角周波数領域では粘性応答を示す。インキフォロワー流体については、ゲル化剤がその基材を保持することによって、その機能を果たしている。ゲル化剤の分子の絡み合いにより基材を保持する構造上、その分子の絡み合いが重要な要因である。その絡み合いを周波数依存性により測定でき、低角周波数領域で貯蔵弾性率をより大きくすることによって、インキフォロワー流体における分子の絡み合いが強くなり、離油や分離を防ぐことができると考えられる。その為低角周波数領域での貯蔵弾性率を大きくし、損失弾性率と貯蔵弾性率がより低い角周波数で交わることが必要であると考えられる。また0.5rad/sec付近の角周波数は、インキ収容管内に通常想定される角周波数であり、この角周波数で貯蔵弾性率が損失弾性率よりも優っていることが必要であると考えられる。この角周波数よりも低い角周波数損失弾性率と貯蔵弾性率の交点が、角周波数0.5rad/secよりも大きいと、高温下や長期保存でインキフォロワー流体の一部がインキに移行してしまう分離や離油が生じてしまう。
このインキフォロワー流体は、インキ収容管内径が大きい時に最も効果を発揮する。例えばインキ収容管内径が4.0mm以上のインキ収容管であり、その形状は厭わない。そのインキ収容管を使用し、直接充填する型の筆記具や記録機器のインキカートリッジなどが良い。特に筆記具において、インキの吐出量が使用始めから終わりまで大きく変化しない点で優れた効果を発揮する。ペン先にボールペンチップを用いたボールペンや、繊維収束体を用いたマーキングペン、修正液などの塗布具がその例である。そして、これらのペン先を取り付けるインキ収容部は、ポリプロピレンのような合成樹脂によって成形されたパイプ状物や、ケース状物の内部に形成されている。更に、このインキ収容部は、ペン先取付部の他端を開放状態にしたり、空気孔を有する尾栓を配したりすることがなされている。これらに充填されるインキは、一般的なインキが使用できる。油性インキや水性インキなどが配設される。インキフォロワー流体は、インキとの相溶性がないことを前提に、角周波数0.0001〜100.0rad/secにおける、貯蔵弾性率と損失弾性率の交点が角周波数0.5rad/sec以下であるインキフォロワー流体が好ましい。
以下、実施例に基づき更に詳細に説明する。
モービルSHF1001(α−オレフィンオリゴマー、米国、モービル・ケミカル・プロダクト・インキ製) 50.00重量部
ルーカントHC−100(基材、エチレン−α−オレフィンコポリマー、三井石油化学工業(株)製) 45.00重量部
レオパールKL(ゲル化増粘剤、デキストリン脂肪酸エステル、千葉製粉(株)製)
50重量部
アエロジルR972(ゲル化増粘剤、微粒子シリカ、日本アエロジル(株)製)
3.50重量部
上記成分を容器に入れ、温度を120℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、インキフォロワー流体を得た。
ポリブテンHV−15(ポリブテン、日本石油(株)製) 91.00重量部
レオパールKE(ゲル化増粘剤、デキストリン脂肪酸エステル、千葉製粉(株)製)
3.00重量部
アエロジルR972(ゲル化増粘剤、微粒子シリカ、日本アエロジル(株)製)
4.00重量部
CDIS−400(ポリエチレングリコールジイソステアレート、日光ケミカルズ社製)
2.00重量部
レオパールKEとアエロジルR972を乾式混合し、上記成分とともに容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、インキフォロワー流体を得た。
モービルSHF1001(前述) 40.00重量部
ルーカントHC−100(前述) 40.00重量部
ルーカントHC−40(基材、エチレン−α−オレフィンコポリマー、三井石油化学工業(株)製) 15.00重量部
アエロジルR972(前述) 2.50重量部
KF410(メチルスチリル変性シリコーンオイル、信越シリコン(株)製)
1.50重量部
レオパールKL(前述) 1.20重量部
上記成分を容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、インキフォロワー流体を得た。
ポリブテンLV−50(ポリブテン、日本石油化学(株)製) 46.00重量部
モービルSHF1001(前述) 46.00重量部
アエロジルR972(前述) 4.00重量部
レオパールKL(前述) 3.00重量部
レオパールKLとアエロジルR972を乾式混合し、上記成分とともに容器に入れ、温度を140℃に加熱しながら攪拌を2時間行い、インキフォロワー流体を得た
水 83.80重量部
ケルザンS(キサンタンガム、三晶(株)製) 4.00重量部
エマルゲン709(ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、花王(株)製)
2.00重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ICIジャパン(株)製) 0.20重量部
上記各成分をプロペラ型攪拌機で混合、溶解し、インキフォロワー流体を得た。
モービルSHF1001(前述) 49.50重量部
ルーカントHC−100(前述) 49.50重量部
GP−1(増粘剤、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α、γ−ジノルマルブチルブチルアミド、味の素(株)製) 1.00重量部
上記各成分をプロペラ型攪拌機で混合、溶解し、インキフォロワー流体を得た。
(比較例1)
ポリブテンLV−50(前述) 89.00重量部
アエロジルR972(前述) 8.00重量部
レオパールKE(前述) 3.00重量部
上記成分を容器に入れ、温度を140度に加熱しながら、インキフォロワー流体を得た。
(比較例2)
モービルSHF1001(前述) 32.50重量部
ルーカントHC−100(前述) 32.50重量部
ルーカントHC−40(前述) 30.00重量部
アエロジルR972(前述) 4.00重量部
KF410(前述) 1.00重量部
上記成分を容器に入れ、温度を120度に加熱しながら、インキフォロワー流体を得た。
(比較例3)
ポリブテンHV−15(前述) 31.00重量部
エンパラK43(塩素化パラフィン、味の素(株)製) 61.00重量部
アエロジルR972(前述) 3.00重量部
レオパールKE(前述) 5.00重量部
上記成分を容器に入れ、温度を120度に加熱しながら、インキフォロワー流体を得た。
以上、実施例1〜6および比較例1〜3で得たインキフォロワー流体を用いて歪み測定を行った。
歪み測定測定機CVO50 Rheometer(Bohiln Istruments社製、英国)にジオメトリー(直径40mm、平行板と円錐の側面とがなす角4°の円錐と平行板の組み合わせ)をセットし、円錐と平行板の間にインキフォロワー流体を充填する。測定条件をSWEEP TYPE:FREQUENCY SWEEP、角周波数:0.0001〜100rad/sec、歪み率:1%、温度:25±0.5度を設定し測定した。
また、ペン体評価として一端に、径1.0mmのボール(材質:超硬)とステンレス製のホルダーとよりなるボールペンチップを取り付けた内径7mm、長さ70mmのインキ収容管(材質:ポリプロピレン)を持つボールペンに2cc充填し、このインキの上部(ボールペンチップの反対側)に実施例1〜5及び比較例1〜3で得たインキフォロワー流体各々を0.3cc充填し、遠心脱泡を行い、その後遠心機(KOKUSAN H103N、(株)コクサン製)で遠心処理(800rpm、10分)を行い、筆記具を得た。
水性インキの組成
食用赤色103号(赤色染料、ダイワ化成(株)製) 2.00重量部
食用赤色104号(赤色染料、ダイワ化成(株)製) 3.00重量部
WaterYellow#6C(黄色染料、オリエント(株)製) 1.50重量部
エチレングリコール 9.00重量部
チオジグリコール 9.00重量部
ベンゾトリアゾール 0.30重量部
オレオイルサルコシンナトリウム 3.00重量部
プロクセルGXL(S)(防腐剤、ICIジャパン(株)製) 0.20重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.40重量部
イオン交換水 71.60重量部
また実施例5に関しては、水系のインキフォロワー流体の為、後記する油性インキを用い一端に、径1.0mmのボール(材質:超硬)とステンレス製のホルダーとよりなるボールペンチップを取り付けた内径7mm、長さ70mmのインキ収容管(材質:ポリプロピレン)を持つボールペンに2cc充填し、このインキの上部(ボールペンチップの反対側)に実施例1〜4及び比較例1〜3で得たインキフォロワー流体各々を0.3cc充填し、遠心脱泡を行い、その後遠心機(KOKUSAN H103N、(株)コクサン製)で遠心処理(800rpm、10分)を行い、筆記具を得た。
油性インキ
TITONE R62N(酸化チタン、堺化学(株)製) 55.0重量部
アクリロイドB67(アクリル樹脂、ロームアンドハース社製) 9.0重量部
メチルシクロヘキサン 35.0重量部
ホモゲノールL18(ポリカルボン酸型高分子界面活性剤) 1.0重量部
これら筆記具を、70度、50度の恒温室中にペン先を上向きにして1ヶ月放置したものと、室温(25度)中に1年間放置したもので逆流防止体の変化の状態を目視もしくは、X線にて観察した。
以上の結果を表1に示す。
○・・・インキ逆流防止体の分離・離油が発生しない。
△・・・インキ逆流防止体の分離・離油が少量発生する。
×・・・インキ逆流防止体の分離・離油が発生する。
以上説明したとおり、本発明は、高温下や長期保存でインキフォロワー流体の一部がインキに移行してしまい分離や離油を生じることなく、インキ追従体としての品質を維持することができるインキフォロワー流体を提供することのできる良好なインキフォロワー流体である。

Claims (6)

  1. インキ収容部の開口端に向かうインキ界面に接触して層状に該インキ界面を覆うように配置され、角周波数0.0001〜100.0rad/secの範囲での貯蔵弾性率と損失弾性率の交点が、角周波数0.5rad/sec以下であるインキフォロワー流体。
  2. 少なくとも難揮発性もしくは不揮発性液体とゲル化剤とからなる請求項1に記載のインキフォロワー流体。
  3. 前記難揮発性液体もしくは不揮発性液体が、少なくとも多価アルコールを含む請求項2に記載のインキフォロワー流体。
  4. 前記難揮発性液体もしくは不揮発性液体が、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、エチレン−α−オレフィンコポリマー、鉱物油から選ばれる1種類もしくは2種以上の混合物を含有する請求項2に記載のインキフォロワー流体。
  5. 前記ゲル化剤が、インキフォロワー流体全量に対して3.0重量%以上7.0重量%以下である請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のインキフォロワー流体。
  6. 前記インキ収容部の内径が4.0mm以上のものに使用される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインキフォロワー流体。
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