JP2005066767A - 旋盤 - Google Patents

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Hiroshi Kawai
浩 川合
Chihiro Ito
千尋 伊藤
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Abstract

【課題】 横幅が狭く設置面積を小さくでき、ワークの取扱性が良く、さらに主軸に切粉が残り難くて着座不良の生じ難い旋盤を提供する。
【解決手段】 シャフトワークWの一端を支持する主軸ユニット2と、この主軸ユニット2の主軸14の前方に配置されてシャフトワークWの他端を支持する支持ユニット3と、刃物台ユニット4を設ける。支持ユニット3は、例えばテイルストックユニットである。刃物台ユニット4によるワークWの加工空間Sを覆い、ワーク交換作業用の扉6を有する機体カバー5を設ける。主軸ユニット2の主軸14の軸心および支持ユニット3の軸心が通る軸線Oを、前側に向かって下るように傾斜させる。支持ユニット3を主軸ユニット2よりも前側に配置する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、シャフトワークの両端を主軸ユニットとテイルストックユニット等の支持ユニットとで支持する旋盤に関する。
テイルストックを有する旋盤は、一般に主軸ユニットとテイルストックユニットを軸心が水平になるように設置した横型とされている。横型旋盤は、横幅が広がって設置面積が大きくなるため、設置面積の縮小のために縦型とした旋盤も使用されている。
また、縦型旋盤において、切粉の排出性の向上等のために、若干傾斜させたものも提案されている(例えば特許文献1)。この提案例のものは、主軸ユニットが下方に位置し、テイルストックユニットが上方に位置する。
特公昭57−52161号公報
しかし、前記特許文献1の傾斜型の縦型旋盤は、主軸ユニットが下方に位置するため、小型の旋盤でなければ、主軸ユニットが邪魔となって、旋盤の前面から主軸チャックによるワーク支持位置までの距離が長くなり、ワークの取扱性が悪くなる。また、主軸ユニットが下方に位置するため、切粉が主軸チャックに残り易く、その着座面に残った切粉でワークの着座不良が起こることがある。着座不良が生じると、そのワークを一旦取り外し、着座面を清掃して再度ワークを把持させる必要があり、手間が増える。
この発明の目的は、横幅が狭く設置面積を小さくでき、ワークの取扱性が良く、さらに主軸に切粉が残り難くて着座不良の生じ難い旋盤を提供することである。
この発明の他の目的は、ワーク支持位置を機外の作業者に近づけることができ、ワークの取扱性をより優れたものとすることである。
この発明のさらに他の目的は、主軸ユニットのチャック面が見え、かつワーク支持位置も近くにできて、ワーク取扱性に関してバランスの良いものとすることである。
この発明の旋盤は、シャフトワークの一端を把持して支持する主軸ユニットと、この主軸ユニットよりも前側に配置され、主軸軸心が通る軸線上に支持軸心が位置して前記主軸に支持されたシャフトワークの他端を支持する支持ユニットと、ワークに切削加工を行う刃物台ユニットと、前記刃物台ユニットによるワークの加工空間を覆い、前側にワーク交換作業用の扉を有する機体カバーとを備え、前記軸線を前側に向かって下るように傾斜させたものである。
この構成によると、主軸ユニットと支持ユニットとが前後に並ぶため、旋盤の横幅が短くなり、かつこれら主軸ユニットおよび支持ユニットを傾斜させたため、奥行きも浅くでき、設置面積を小さくできる。また、主軸と支持ユニット間に把持されるワークにつき、その前方の機外の作業者が着脱作業等の取扱を行うときに、前記支持ユニットの傾斜のため、水平配置の場合よりもワーク位置が作業者に近くなり、ワークの取扱性が良い。さらに、支持ユニットが下側となるように傾斜させているので、主軸ユニットが下側となるものと異なり、主軸に切粉が残り難く、主軸チャック面のワークの着座不良が生じ難い。
この発明の旋盤は、支持ユニットの前記軸線方向における長さが主軸ユニットよりも短いものであることが好ましい。支持ユニットが短いと、それだけ機外の作業者から、主軸と支持ユニットで支持されるワークの支持位置が近くなる。そのため、ワーク交換作業等のワーク取扱性がより一層向上する。支持ユニットは、一般的に、主軸ユニットに一端が把持されたたシャフトワークの他端を補助的に支持するもので足りるため、主軸ユニットに比べて短く構成することが容易である。
また、この発明の旋盤は、例えば、前記軸線を、水平面に対して30〜60°傾斜させてもよい。前記軸線の水平面に対する傾き角度を60°よりも大きくすると、主軸ユニットのチャック面が旋盤前方の作業者から見え難くなる。また、前記傾き角度を30°より小さくすると、ワーク支持位置が機外の作業者から遠くなってワーク取扱性が低下する。前記30〜60°の傾き角度の範囲であると、チャック面が見え、かつワーク支持位置も近くて、ワーク取扱性に関してバランスが良い。
前記支持ユニットは、テイルストックユニットであっても良く、また、例えば第2の主軸ユニットであっても良い。支持ユニットがテイルストックユニットである場合は、支持ユニットの前記軸線方向における長さを主軸ユニットよりも短く構成することが容易である。
この発明の旋盤は、主軸ユニットと、支持ユニットと、ワーク交換作業用の扉を有する機体カバーとを備えた旋盤において、主軸ユニットおよび支持ユニットの軸心が通る軸線を前側に向かって下るように傾斜させると共に、前記支持ユニットを主軸ユニットよりも前側に配置したため、横幅が狭く設置面積を小さくでき、ワークの取扱性が良く、さらに主軸に切粉が残り難くて着座不良の生じ難いものとなる。
前記支持ユニットの前記軸線の方向における長さが主軸ユニットよりも短いものである場合は、ワーク支持位置を機外の作業者に近くにづけることができ、ワークの取扱性がより優れたものとなる。
前記軸線の水平面に対する傾斜角度を30〜60°とした場合は、主軸ユニットのチャック面が見え、かつワーク支持位置も近くにできて、ワーク取扱性に対してバランスの良いものとなる。
支持ユニットがテイルストックユニットである場合は、支持ユニットの前記軸線方向における長さを主軸ユニットよりも短く構成することが容易である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図6と共に説明する。この旋盤1は、シャフトワークWの一端を把持して支持する主軸ユニット2と、この主軸ユニット2よりも前側に配置されてシャフトワークWの他端を支持する支持ユニット3と、ワークWに切削加工を行う刃物台ユニット4と、この刃物台ユニット4によるワークWの加工空間Sを覆う機体カバー5とを備える。支持ユニット3は、主軸14の軸心が通る軸線O上に支持軸心が位置する。機体カバー5は、ワーク交換作業用の扉6を前側に有する。扉6は、例えば左右にスライドして開閉自在なように機体カバー5に設置されている。
主軸ユニット2は、ベッド7上に固定した主軸台13に主軸14を回転自在に設置してなる主軸ユニット本体10と、主軸台13の後方に設置され主軸14を回転駆動するモータ11と、同じく主軸台13の後方に設置され主軸チャック14aを開閉駆動するチャックシリンダ12とを有する。
ベッド7は、図4に斜視図で示すように、左右に離れた一対の脚部15,16を有し、これら一対の脚部15,16の後部を横架部17で一体に連結した形状とされている。横架部17はその下面が脚部15,16よりも高い位置にあり、横架部17の下方における両側の脚部15,16間の空間が、チップコンベア配置空間33となっている。ベッド7の全体は、例えば鋳造等で一体に構成される。横架部17の上部に、主軸ユニット2を載せる主軸ユニット載置面17aが形成されている。この主軸ユニット載置面17aは前側が下方に傾斜する傾斜面とされ、上記主軸台13が設置される。主軸ユニット載置面17aは、横架部17の幅方向の中央の上面に突出させた主軸ユニット載置部17bの上面からなる。図5はベッド7を図4の矢印P3の方向から見た斜視図を、図6はベッド7を図4の矢印P4の方向から見た斜視図をそれぞれ示す。
図1において、支持ユニット3は、主軸14に支持されたシャフトワークWの他端を支持可能なものであれば良く、テイルストックユニットであっても、また第2の主軸ユニット等であっても良いが、この実施形態では、支持ユニット3はテイルストックユニットとされている。このテイルストックユニットからなる支持ユニット3は、ベッド7上に固定される基台18に、案内19を介して進退位置調整が自在なようにテイルストック20を設置したものである。テイルストック20は、主軸14に対向して進退自在な心押軸21を有し、テイルストック20の本体に対して突出量調整可能とされている。ベッド7の左右の脚部15,16の上面の下部に、支持ユニット3を載せる支持ユニット載置面15a,16aが形成されている。これら載置面15a,16aは、主軸ユニット載置面17aと平行な傾斜面とされ、両載置面15a,16aに跨がって支持ユニット3の基台18が設置されている。これにより、主軸ユニット2の主軸14の軸心および支持ユニット3の心押軸21の軸心が通る軸線Oが、水平面に対して支持ユニット3側が下側となるように傾斜させてある。ここでは、軸心Oの傾斜角度θ(図1)を、30〜60°の範囲内としている。より好ましくは、45〜60°の範囲である。支持ユニット3は、上記軸線Oの方向における長さが主軸ユニット2よりも短いものである。なお、上記支持ユニット載置面15a,16aは、ベッド7の両側の脚部15,16の一部となる支持ユニット載置部15aa,16aaの上面からなる。支持ユニット載置部15aa,16aaは、上記主軸ユニット載置部17bよりも高さが低い位置に設けられている。
刃物台ユニット4は、図2,図3に示すように、上記軸線Oを挟んでベッド7上の左右両側に分けて2つ設置されている。なお、図2は図1の矢印P1の方向から見た図を、図3は図1の矢印P2の方向から見た図をそれぞれ示す。図2,図3では機体カバー5を省略している。ベッド7の左右の脚部15,16の上面の上部に、各刃物台ユニット4を載せる刃物台ユニット載置面15b,16bが形成されている。これら載置面15b,16bは上記主軸ユニット載置面17aと平行な傾斜面とされ、両載置面15b,16bに各刃物台ユニット4が設置される。
刃物台ユニット4は刃物台22と送り台23とを有する。刃物台22は、複数の工具ステーションを有するものであり、例えば外周に各工具ステーションを有するタレットからなる。刃物台22の各工具ステーションには、切削加工を行うバイト等の各工具(図示せず)が、工具ホルダを介して設置されている。送り台23は、上記刃物台ユニット載置面15b,16b上に案内24を介して上記軸線Oと平行な方向に移動可能に設置された送り台ベース23aと、この送り台ベース23a上に直線移動可能に設置された上側送り台23bとからなる。すなわち、送り台23は、互いに直交する方向に相対移動可能な送り台ベース23aおよび上側送り台23bにより構成される。上側送り台23bの送り台ベース23aに対する直線移動方向は、上記軸線Oに垂直であって、上記軸線Oとこの軸線Oに直交する水平線を含む直交平面に対して傾斜させた方向であり、主軸ユニット2側に向かって下る方向とされている。なお、上記とは逆に、主軸ユニット2側に向かって上る方向としても良い。各刃物台ユニット載置面15b,16bは、主軸14側に向かって下る傾斜面とされている。具体的には、上記案内24が刃物台ユニット載置面15b,16bに一体に形成され、この案内24が主軸14側に向かって下る傾斜面とされている。なお、案内24は、上記軸線Oに沿う方向に刃物台ユニット4を進退自在に案内するものであり、ベッド4に一体に設けられた滑り案内とされている。刃物台22は、上側送り台23bに、上記軸線Oと平行な姿勢で割出回転可能に設置されている。送り台ベース23aの進退は、サーボモータ25および送りねじ26で進退駆動され、上側送り台23bは、サーボモータ27および送りねじ28で進退駆動される。刃物台22の割出回転は割出駆動モータ29により行われる。
ベッド7の下部にはベッド7を前後に貫通するチップコンベア30が、上記チップコンベア配置空間33内に設置されている。このチップコンベア30の上面の一端は切粉回収部8とされ、他端は機外に延びて排出部31とされている。ベッド7上の主軸ユニット2と支持ユニット3の間、つまりベッド7上の平面視で主軸ユニット載置面17a、支持ユニット載置面15a,16a、刃物台ユニット載置面15b,16bにより囲まれる領域に、ベッド7の底部へと通じる切粉排出空間9が設けられている。この切粉排出空間9は左右の脚部15,16と後部の横架部17で囲まれて形成される。切粉排出空間9の下端部に、上記切粉回収部8が配置されている。ベッド7の横架部7の後部には、旋盤1の全体の動作を制御する制御盤32(図1)が載置されている。
この構成の旋盤1によると、主軸ユニット2と支持ユニット3とが前後に並ぶため、旋盤1の横幅が狭くなる。また、主軸14および支持ユニット3の軸心が並ぶ軸線Oを水平面に対して傾斜させたため、旋盤1の奥行きも浅くなり、これらにより、旋盤1の設置面積を小さくすることができる。また、刃物台ユニット4の刃物台22を、上側送り台23bと共に、上記軸線Oに垂直な平面内で主軸ユニット2側に向かって下る方向に直線移動可能としているので、刃物台ユニット進退方向の傾斜によって、旋盤1の横幅寸法をさらに狭くできる。
刃物台ユニット4は、上記軸線Oを挟んで両側に2つ設けられているので、複数の切削加工を同時に行うことができる。このように両側に刃物台ユニット4を設置した構成でありながら、それら刃物台ユニット4の進退方向を傾斜させたため、旋盤1の横幅寸法を狭くできる。
また、支持ユニット3の傾斜のため、主軸14と支持ユニット3間に支持されるワークWにつき、その前方の機外の作業者Mが着脱作業等を行うときに、水平配置の場合よりもワーク支持位置が作業者Mに近くなり、ワークMの取扱性が良い。さらに、奥行きの長くなる主軸ユニット2を傾斜の上側とし、支持ユニット3を下側に配置しているため、作業者MとワークWの支持位置とがより近くなり、取扱性が一層向上する。
上記ベッド7上には、主軸ユニット2を載せる主軸ユニット載置面17aと、支持ユニット3を載せる支持ユニット載置面15a,16aと、刃物台ユニット4を載せる刃物台ユニット載置面15b,16bとを、上記軸線Oと平行に設けているので、各ユニット2〜4を安定良く、また組立性良くベッド7上に設置することができる。
また、平面視で主軸ユニット載置面17a、支持ユニット載置面15a,16a、および刃物台ユニット載置面15b,16bにより囲まれる領域に、ベッド7の底部へと通じる切粉排出空間9を形成し、切粉をその下の切粉回収部8に直接に落下させるようにしているため、切粉の排出性が良く、ベッド7に切粉が残り難い。ベッド7の下部にはチップコンベア30を設け、その上面の一端を切粉回収部8とし、他端の排出部31を機外に延ばしているので、切粉を効率よく機外に排出できる。
また、支持ユニット3の上方に主軸ユニット2が位置するので、主軸14のチャック面に切粉が残り難く、ワークWの着座不良が軽減される。
また、この実施形態では、上記軸線Oを、水平面に対して30〜60°の範囲で傾斜させているので、ベッド7上に、主軸ユニット2、支持ユニット3、刃物台ユニット4をバランスよく設置できると共に、旋盤1の正面からワーク交換作業を行うときに、主軸チャック14aのチャック面を見ることができ、ワーク交換作業をより容易に行うことができる。
図7は、この発明における他の実施形態を示す。この実施形態は、図1ないし図6に示す第1の実施形態において、支持ユニット3をテイルストックユニットとする代わりに、支持ユニット3Aとして第2の主軸ユニットを設けたものである。この支持ユニット3Aは、基台18A上に案内19Aを介して第2の主軸台20Aを前記軸線Oに沿う方向に進退自在に設置し、主軸台20Aに第2の主軸21Aを回転自在に設置したものである。基台18Aは、ベッド7の上記支持ユニット載置面15a,16aに跨がって設置される。第2の主軸21Aの主軸中心となる支持軸心は、上記軸線O上に位置する。第2の主軸21Aは、主軸14に一端を把持されたワークWの他端を把持するチャックを有しており、モータ(図示せず)により回転駆動される。この支持ユニット3Aも、主軸ユニット2よりも上記軸線Oに沿う方向の長さが短いものとされている。その他の構成は第1の実施形態と同じである。この実施形態の場合も、第1の実施形態で説明した各作用,効果が得られる。
この発明の第1の実施形態にかかる旋盤の一部破断側面図である。 同旋盤を図1の矢印P1の方向から見た図である。 同旋盤を図1の矢印P2の方向から見た図である。 同旋盤におけるベッドの斜視図である。 同ベッドを図4の矢印P3の方向から見た斜視図である。 同ベッドを図4の矢印P4の方向から見た斜視図である。 この発明の他の実施形態にかかる旋盤の一部破断側面図である。
符号の説明
1…旋盤
2…主軸ユニット
3,3A…支持ユニット
4…刃物台ユニット
5…機体カバー
6…扉
7…ベッド
8…切粉回収部
9…切粉排出空間
14…主軸
15,16…脚部
15a,16a…支持ユニット載置面
15b,16b…刃物台ユニット載置面
17…横架部
17a…主軸ユニット載置面
21…心押軸
22…刃物台
23…送り台
23a…送り台ベース
23b…上側送り台
30…チップコンベア
33…チップコンベア配置空間
O…軸線
S…加工空間
W…シャフトワーク
θ…傾斜角度

Claims (4)

  1. シャフトワークの一端を把持して支持する主軸ユニットと、この主軸ユニットよりも前側に配置され、主軸軸心が通る軸線上に支持軸心が位置して前記主軸に支持されたシャフトワークの他端を支持する支持ユニットと、ワークに切削加工を行う刃物台ユニットと、前記刃物台ユニットによるワークの加工空間を覆い、前側にワーク交換作業用の扉を有する機体カバーとを備え、前記軸線を前側に向かって下るように傾斜させた旋盤。
  2. 前記支持ユニットは、前記軸線の方向における長さが主軸ユニットよりも短いものとした請求項1記載の旋盤。
  3. 前記軸線は、水平面に対して30〜60°傾斜させた請求項1または請求項2記載の旋盤。
  4. 前記支持ユニットはテイルストックユニットである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の旋盤。
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