JP2005066765A - 突出量調整装置およびこれを用いた棒状部材の研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】突出量調整装置に金具付きフェルールを固定する際に、保持部材から飛び出す研磨段長8を一定にするため、突出量調整装置1において保持部材2及び固定盤3とを接合固定する作業に要する時間を軽減し、作業時間の効率化を図る。
【解決手段】棒状部材6を保持する手段を備えた保持部材2を固定盤3上に取着してなり、棒状部材6の端面の突出量を調整するための突出量調整装置1であって、上記固定盤3と保持部材2とを磁力によって脱着可能に固定したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、光通信用のフェルール、光ファイバ等の棒状部材の端面を研磨する際に用いられる突出量調整装置と、その研磨方法に関する。
光通信用の光コネクタに用いられるフェルールとして、図4に示すような金具付きフェルール21が用いられる。これは、貫通孔24を有する円筒状のフェルール25をコネクタ用金具22に圧入した後、光ファイバ23を挿通保持し、フェルール25の端面と光ファイバ23の端面を同時に研磨し、鏡面に仕上げて作製され、この金具付きフェルール21の先端面同士を接続して光コネクタを構成するものである。
この金具付きフェルール21の端面を研磨する場合には、図5、図6に示すような突出量調整装置11を用いて金具付きフェルール21の先端26の突出量を調整する。この突出量調整装置11は、固定盤13と、該固定盤13上にフェルール16を保持した保持部材12を取着してなり、フェルール16の端面18の突出量を調整するものであって、図6(a)に示される保持部材12を同図(b)に示す固定盤13ネジ部にセンタリング孔17に固定ボルトを通し固定ナット部材20で固定するようになっている。保持部材固定部は、保持部材12の側部に固定された押さえブロック15に装着されている固定ネジ部材14を保持部材12に向けてねじ込むことで金具付きフェルール21を挟み込み固定する。またネジ部14を緩めることで、押さえブロック15による金具付きフェルール21が着脱される。
そして、この突出量調整装置11によって金具付きフェルール21の先端26の突出量18を調整した後、図7に示す研磨装置27にて端面研磨が行われる。
この研磨装置27は、保持部材12の中心部を加圧ピン30にて加圧できる構造になっており、保持部材12の下方には、上面にダイヤモンドやアルミナ、シリカ等が印刷された研磨部材を備え、自転円盤の同心円上で回転する研磨盤31を備え、この研磨盤31には公転用研磨モータ軸28の回転を伝達する遊星歯車を有し、研磨盤31を自転及び公転をさせる一方、この研磨盤31に固定した保持部材12に対して、多数のフェルールを保持した保持部材12が対向して設けられ、このフェルールの端面を研磨盤31に押し付けて研磨するものである。
特開平3−26456号公報
しかしながら、図5、6に示す突出量調整装置11では、棒状部材を保持部材12に固定する際に、保持部材12と固定盤13とを固定するナット部材20の2箇所で固定するため、保持部材12と固定盤13の接合面に浮きが生じ、研磨段長18がばらつきやすい。
また、ネジ部19へのセンタリング作業及びネジ長が長いため固定ナット20を数十回以上締めまわさないと固定できないため作業者への負担と、多大な労力を要していた。
本発明の突出量調整装置は、棒状部材を保持する手段を備えた保持部材を固定盤上に取着してなり、上記棒状部材の端面の突出量を調整するための突出量調整装置であって、上記固定盤と保持部材とを磁力によって脱着可能に固定したことを特徴とする。
また、本発明の突出量調整装置は、上記保持部材または固定盤に、表面磁束密度が0.2T以上、吸着力が0.3Kg以上の範囲である磁石を取着したことを特徴とする。
さらに、本発明の突出量調整装置は、上記保持部材または固定盤の少なくとも取着面が磁性材料からなることを特徴とする。
またさらに、本発明の突出量調整装置は、上記固定盤が円柱状であり、その円周方向に等間隔に3個以上の磁石を備えたことを特徴とする。
また、本発明の突出量調整装置は、上記棒状部材が光通信用のフェルールであることを特徴とする。
さらに、本発明の突出量調整装置を用いた棒状部材の研磨方法は、上記突出量調整装置を用いて棒状部材の端面の突出量を調整した後、保持部材を研磨盤上に取着し、棒状部材の端面を研磨することを特徴とする。
本発明の突出量調整装置は、棒状部材を保持する手段を備えた保持部材を固定盤上に取着してなり、上記棒状部材の端面の突出量を調整するための突出量調整装置であって、上記固定盤と保持部材とを磁力によって脱着可能に固定したことから、脱着作業時間が短縮され、棒状部材の研磨段長が一定になり、研磨精度を向上させることができる。
また、本発明の突出量調整装置は、上記保持部材または固定盤に、表面磁束密度が0.2T以上、及び吸着力が0.3Kg以上の範囲である磁石を取着したことから、保持部材と固定盤の固定がより安定し、棒状部材の長さを高精度に調整することができる。
さらに、本発明の突出量調整装置は、上記保持部材または固定盤の少なくとも取着面が磁性材料からなることから、保持部材または固定盤の一方に磁石を取着すればよい。
またさらに、本発明の突出量調整装置は、上記固定盤が円柱状であり、その円周方向に等間隔に3個以上の磁石を備えたことから、保持部材と固定盤が平行に固定され研磨段長のバラツキを軽減できる。
また、本発明の突出量調整装置は、上記棒状部材が光通信用のフェルールであることから、高精度な研磨が可能となる。さらに、本発明の突出量調整装置を用いた端面研磨方法は、上記突出量調整装置を用いて棒状部材の端面の突出量を調整した後、保持部材を研磨盤上に取着し、棒状部材の端面を研磨することから、低損失な光通信コネクタ接続が可能になる。
さらに、本発明の突出量調整装置を用いた棒状部材の研磨方法は、上記突出量調整装置を用いて棒状部材の端面の突出量を調整した後、保持部材を研磨盤上に取着し、棒状部材の端面を研磨することから、保持部材と固定盤が平行に固定され研磨段長のバラツキを軽減して、高精度に研磨でき、低損失な光通信コネクタ接続が可能になる。
ここで、本発明の実施形態を説明する。
図1、2は、本発明の突出量調整装置の一実施形態を示す断面図であり、光コネクタに用いられる金具付きフェルール、レセプタクル用フェルール等の棒状部材の端面を研磨する際に、予め、その突出量を調整するものであって、固定盤3と、該固定盤3上に棒状部材6を保持する手段を備えた保持部材2を取着してなる。
本発明の突出量調整装置1は、図1、2に示すように、保持部材2と、研磨段長8を調整すべく固定盤3とで構成され、棒状部材6を固定ブロック5と固定ネジ部4で仮固定し、固定盤3に取着されている磁石9の磁力作用を利用し、保持部材2のセンタリング孔7と固定盤3のセンタリング軸10とをあわせ保持部材2と固定盤3とを固定する。
上記保持部材2は、例えば、図2(a)に示すように円柱状をなし、同一な円周上に等間隔に複数設けられた孔を有する固定ブロック5に棒状部材6を挿入し、中心方向に向かって固定ネジ部4の締め付けにより、複数の棒状部材6を保持するものである。
また、上記保持部材2のセンタリング孔7に嵌合するセンタリング軸10を介して固定盤3が取着され、この固定盤3はセンタリング孔がガイドとなり、段長位置への固定が可能となる。
そして、各棒状部材6の先端を固定盤3に接触させすることで、棒状部材6の突出量を調整する。また、保持部材2と固定盤3との接合面の高さを調整することで、研磨段長8を適宜調整するものである。
ここで、本発明の突出量調整装置1は、上記固定盤3と保持部材2とのが磁力によって脱着可能に固定されることを特徴とするものである。
これによって、センタリング孔7とセンタリング軸10の嵌合によって常に研磨段長8が一定に固定され、同時に保持部材2と固定盤3とが磁力によって固定されているため、研磨段長8が確実に一定に固定される。また、従来の固定盤3と保持部材2との取着方法であるネジ固定に比べ作業工数が格段に削減され、容易に脱着することができる。
また、上記保持部材2または固定盤3に、表面磁束密度が0.2T以上、吸着力が0.3Kg以上である磁石9を取着することが好ましい。
例えば、図2に示すように固定盤3に上記磁石9を、保持部材2と固定盤3との取着面に一致する高さに設け、保持部材2の接合面を磁性材料で構成することで、保持部材2もしくは固定盤3の構造が簡素化される。
上記磁石9は、ネオジ磁石、サマリウムコバルト磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石、MA磁石等が適用され、この磁石9に取着する磁性材料としては、鉄系、ステンレス(SUS420系、等を用いることができる。これによって吸着力を0.3Kg以上とすることができる。
また、上記磁石9の表面磁束密度が0.2T未満、吸着力が0.3Kg未満となると、多数の固定している金具付きフェルールに浮きや傾きが生じ。研磨段長8バラツキが発生し良好な研磨ができない。
さらに、上記表面磁束密度、吸着力は、それぞれ0.2〜0.5T、0.3〜5Kgの範囲の磁石9を取着することがより好ましく、表面磁束密度、吸着力が大き過ぎると、固定盤3から保持部材2を脱着する際に、表面磁束密度及び吸着力が強すぎるため、はずしにくい問題が発生するためである。
ここで、上記磁石9の表面磁束密度とは、JIS C 2501 永久磁石試験方法に定義されており、1平方センチメートル当たりどれだけの磁束があるかをあらわす単位として用いられ、10000ガウス(G)=1テスラ(T)とされる。但し、表面磁束密度は、磁石9の大きさ・形状・測定個所により異なるため、磁石9の強弱を示す単位としては吸着力とあわせて判断し、この吸着力とは何キログラムの鉄塊を垂直に持ち上げるかを実測して求める。
なお、磁石9は、保持部材2または固定盤3のどちらか一方に設け、磁石9を有していない部材の少なくとも取着面を磁性材料により構成すればよい。
さらに、磁石9は固定盤3に設けることが好ましく、この場合、固定盤3が円柱状であり、その円周方向に等間隔に3個以上の磁石9を取着することがより好ましい。その理由としては、保持部材2は研磨装置27にセットするため、研磨作業中に次ぎに研磨する保持部材2に同一の固定盤3を使って調整できるため、固定盤3の数量は、保持部材2の数量に比べ、少量でよい。このように磁石のコストを考えると、固定盤3に磁石9を取着するほうが好ましい。
さらに、本発明による突出量調整装置1によって、従来の突出量調整装置に比べ、構造が単純になる
ことから、突出量調整装置のコストが下げられる。また、保持部材2を磁性材料にすることで、
保持部材2の作製時に、加工機及び研磨機にマグネットチャック方式が使用できるため、
保持部材の精度が高められる。
このような突出量調整装置1によって、先端の突出量を高精度に調整された棒状部材6として、光通信用のフェルールに有効に用いることができる。
このフェルールとして、図4に示すような金具付きフェルールが用いられる。これは、貫通孔24を有し、セラミック、プラスチック、ガラス等からなる円筒状のフェルール25をコネクタ用金具22に圧入した後、光ファイバ23を挿通保持し、フェルール25の端面と光ファイバ23の端面を同時に研磨し、鏡面に仕上げて作製するものであり、このフェルール21の先端同士を互いに付き合わせて接合することにより光コネクタを構成するものである。
このように金具付きフェルール21を用いた光コネクタでは、フェルールの先端同士を接続する際の精度によって接続損失は左右されるため、先端面には高精度な加工が要求される。そこで、研磨の前に上述の突出量調整装置1を用いることで、直径が1.25mm程度と小さい金具付きフェルール21においても、研磨段長8を確実に一定に調整し、固定することができる。
そして、この突出量調整装置1によって先端の突出量を調整した棒状部材6を研磨するには、突出量調整装置1の固定盤3から保持部材2を外した後、保持部材2を図3に示すように、研磨機に組み込んで研磨する。
この際、保持部材3の中心部を加圧ピン30にて加圧できる構造になっており、保持部材3の下方には、上面にダイヤモンドやアルミナ、シリカ等が印刷された研磨部材を備え、自転円盤の同心円上で回転する研磨盤31を備え、この研磨盤31には公転用研磨モータ軸28の回転を伝達する遊星歯車を有し、研磨盤31を自転及び公転をさせる一方、この研磨盤31に固定した保持部材2に対して、多数のフェルールを保持した保持部材2が対向して設けられ、このフェルールの端面を研磨盤31に押し付けて研磨する。
このように研磨することで、研磨作業の前処理時間である棒状部材を保持部材2への
突出量調整時間が大幅に短縮され、また、研磨断長のバラツキが軽減されたことにより
研磨精度を向上させることができる。
なお、本発明の突出量調整装置1および研磨方法は、金具付きフェルール21をはじめ、レセプタクル用フェルールなど他の種類のフェルールにも採用可能である。
次いで、本発明の実施例を説明する。
図1、2に示すような本発明の突出量調整装置(マグネット固定式)と、図5、6に示すような従来の突出量調整装置(ネジ固定式)を用意し、JIS C 5973に制定されるSC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber connector)を用いて研磨段長の調整、研磨を行った。
本発明の突出量調整装置は、図1、2に示すように、保持部材2にステンレス SUS420を使用し、固定盤3も同様にステンレス SUS420にネオジウム磁石 外径φ5mm長さ5mm,表面磁束密度0.4T,吸着力0.65kgを円周方向に3個均等に固定したものを用いた。
また、従来の突出量調整装置として、図5、6に示すようなネジ固定式により保持部材12及び固定盤13とをネジにより固定したものを用いた。
そして、それぞれの突出量調整装置に、光コネクタ用のフェルールを24本ずつ用意し、各フェルールに光ファイバを接着固定した後、それぞれの突出量調整装置の保持部材と固定盤とを接合し装着したときの時間と保持部材端面からの研磨段長に関して実験を行った。
なお本試験ではいずれも外径2.5mmのセラミック(ジルコニア)SCコネクタ用のフェルールを使用した。
各突出量調整装置にはフェルールを12本を1セットとして固定し、保持部材と固定盤を使用し研磨作業時間を測定し、研磨前の各20個の研磨段長をダイヤルゲージにて測定し基準寸法0.200mmに対しバラツキを測定した。
その結果を表1に示す。
Figure 2005066765
この結果より、フェルールの突出量調整装置への着脱時間(研磨時間を除く)は、従来治具では平均10分32秒に対し本発明では平均7分15秒と31%もの大幅な時間削減ができた。
また、突出量調整装置からの段長バラツキも従来0.003mmから本発明では0.002mmと0.001mmバラツキが軽減された。
本発明の突出量調整装置に棒状部材を固定した形態を示す断面図である。 (a)は本発明の突出量調整装置における棒状部材を固定した保持部材を示す断面図であり、(b)は本発明の突出量調整装置における固定盤を示す断面図である。 本発明の研磨に用いる研磨装置を示す概略図である。 本発明の研磨方法に用いられる金具付きフェルールの断面図である。 従来の突出量調整装置に棒状部材を固定した形態を示す断面図である。 (a)従来の突出量調整装置における棒状部材を固定した保持部材を示す断面図であり、(b)は突出量調整装置における固定盤を示す断面図である。 従来の研磨に用いる研磨装置を示す概略図である。
符号の説明
1:突出量調整装置
2:保持部材
3:固定盤
4:固定ネジ
5:固定ブロック
6:棒状部材
7:センタリング孔
8:研磨段長
9:磁石
10:センタリング軸
11:突出量調整装置
12:保持部材
13:固定盤
14:固定ネジ
15:固定ブロック
16:ファイバスタブ
17:センタリング孔
18:研磨段長
19:固定用ボルト
20:固定用ナット
21:金具付きフェルール
22:コネクタ用金具
23:光ファイバ
24:貫通孔
25:フェルール
26:先端
27:研磨機本体
28:研磨モータ軸
29:フェルール
30:突出量調整装置加圧ピン
31:研磨盤

Claims (6)

  1. 棒状部材を保持する手段を備えた保持部材を固定盤上に取着してなり、上記棒状部材の端面の突出量を調整するための突出量調整装置であって、上記固定盤と保持部材とを磁力によって脱着可能に固定したことを特徴とする突出量調整装置。
  2. 上記保持部材または固定盤に、表面磁束密度が0.2T以上、吸着力が0.3Kg以上である磁石を取着したことを特徴とする請求項1に記載の突出量調整装置。
  3. 上記保持部材または固定盤の少なくとも取着面が磁性材料からなることを特徴とする請求項2に記載の突出量調整装置。
  4. 上記固定盤が円柱状であり、その円周方向に等間隔に3個以上の磁石を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の突出量調整装置。
  5. 上記棒状部材が光通信用のフェルールであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の突出量調整装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の突出量調整装置を用いて棒状部材の端面の突出量を調整した後、保持部材を研磨盤上に取着し、棒状部材の端面を研磨することを特徴とする棒状部材の研磨方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN101543970B (zh) * 2008-03-27 2012-05-09 凌国基 工件端面研磨置具
CN104416447A (zh) * 2013-09-11 2015-03-18 威光自动化科技股份有限公司 光纤头研磨装置
CN106826534A (zh) * 2015-12-06 2017-06-13 杭州奥克光电设备有限公司 一种新型光纤陶瓷插芯端面研磨实现方式

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