JP2005064107A - 積層体の製造方法および回収方法 - Google Patents

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一範 小島
Tsutomu Nakamura
勤 中村
Takashi Yoshitomi
孝 吉冨
Toyoaki Ishiwatari
豊明 石渡
Toru Sawaki
透 佐脇
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Abstract

【課題】生産性高く、簡便である積層体の製造方法、および回収方法を提供する。
【解決手段】被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、およびC層とからなる積層体の厚み方向に30〜800℃温度差を発生させることによりB層とC層との界面を剥離させ、A’層とB層とからなる積層体を得ることを特徴とする、積層体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、B層とC層との界面を好適に剥離させ、A’層とB層とからなる積層体を製造する方法、およびA’層とB層とからなる積層体を回収する方法に関する。とくには薄葉化半導体部品用の積層体の製造方法にするものである。
近年、電子機器は、薄型、軽量化のニーズが要求され、携帯電話やICカ−ドで代表されるように益々、薄型化が進展している。また、高速化や低消費電力との側面からも、半導体を薄くする事が要求されてきている。予め薄くした半導体・ウェハーやセラミックス基板などを用いて、片面のみに電子回路を形成すると、回路形成に材料、特にアルミニウム、銅、金などの金属とシリコン・ウェハーやセラミックス基板との熱膨張率の差が 5〜15×10−6−1程度あり、この差によって、反りや歪みを生じる。その為、裏面に回路を形成することが不可能となるばかりでなく、表面の全工程すら実施不能な場合が発生する。このため、予め薄くした基板を使用することは実質的に不可能であった。
そこで、従来は、片面のみに電子回路を形成しても、その形状を十分に保持する厚さの基板、通常、厚み 200μm以上の基板を使用して片面(表面)に主に、高温を必須とする電子回路形成工程を行った後、該表面を保持基板に接着して保護しつつ、反対面(裏面)を研磨して薄葉化する方法が取られていた。従来、薄葉化法としては、ワックスやテープにて固定する方法の提案がある。ワックスを用いる場合、ダミーウェハー(保持基板)にワックスを加熱塗布し、ウェハーと張り合わせ、研磨、更にポリッシングした後、ワックスを加熱溶融して横滑りさせて剥がしたり、冷却してワックスが脆くなった処を衝撃破壊して剥離する方法が提案されている。しかし、ワックス固定には、厚み精度、平行度、 平坦度に問題があった。テープ固定としては、バックグラインド・テープの場合も表面側に張り、反対面を研磨し、薄葉化する方法があった。
薄葉化したウェハー裏面や基板裏面に、金属薄膜を必要とする場合には、通常、沸酸、硝酸等の前処理と、アルミニウムや金などの金属蒸着とその焼成処理などの温度 100〜450 ℃で30分〜1時間の高温処理工程を必要とする。しかし、これらの工程は、ワックスやバックグラインド・テープで保持基板に接着した状態では実施できない。薄葉化にワックスやテープを用いる方法では、薄葉化した後、保持基板から剥離し、これを高温処理工程に用いることとなる。薄葉化されたウェハーは、極めて脆く、また、片面に基板とは熱膨張率のことなる半導体回路を有することなどから、歪みや破損による不良率の大幅な増大があり、また、厚みが50μm程度と薄くなると高温処理工程に適用することが困難であった。
半導体基板やセラミックス基板を使用した電子回路を、大型ワークサイズで、薄葉化したものとして能率良く制作出来れば、薄型化、高速化、省電力化した電子部品の実用的な製造が可能となる。そこで、半導体基板を保持基板に保持接着して、薄葉化し、その状態で高温処理工程などに適用し、これらの工程の終了後、水などを用いて剥離する方法(例えば、特許文献1〜4を参照) あるいは、接着面に膨潤性粒子を付着させた後、水を用いた膨潤によって体積膨張を利用して剥離する方法(例えば、特許文献5を参照)が提案されてきた。
ところが、これらの方法は、剥離に長時間を要する為、生産性が低く現実的でないものであった。
特開2001− 77304号公報 1頁 特開2002−237515号公報 1頁 特開2002−203821号公報 1頁 特開2002−192394号公報 1頁 特開2002−270553号公報 1頁
本発明は、被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、B層とC層との界面を、短時間で簡単な手段で容易に接着力を低下させて剥離させ、A’層とB層とからなる積層体を製造する方法、およびA’層とB層とからなる積層体を回収する方法である。とくには薄葉化半導体部品用の積層体の製造方法にするものである。
本発明は、被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、およびC層とからなる積層体の厚み方向に温度差を30〜800℃発生させることによりB層とC層との界面を剥離させ、A’層とB層とからなる積層体を得ることを特徴とする、積層体の製造方法、および積層体の回収方法である。
本発明の積層体の製造方法によれば、液体の気化時の体積膨張を利用して、接着層の接着力の低下或いは喪失がより確実に達成され、容易に機械的な剥離を可能となるので、薄葉化半導体部品用の積層体を好ましく製造することができる。
本発明の積層体の回収方法によれば、液体の気化時の体積膨張を利用して、接着層の接着力の低下或いは喪失がより確実に達成され、容易に機械的な剥離が可能となるので、薄葉化半導体部品の製造工程において非接着物を生産性高く簡便に回収することができる。
以下、本発明の構成を説明する。本発明は、被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、およびC層とからなる積層体の厚み方向に30〜800℃温度差を発生させることによりB層とC層との界面を剥離させる積層体の製造方法である。
本発明は被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、およびC層とからなる積層体の厚み方向に30〜800℃温度差を発生させることによりB層とC層との界面を剥離させ、A’層とB層とからなる積層体を回収し、またC層を回収する方法である。
本発明の方法はこれらの層が単一層からなる場合、および複数の層からなる場合、あるいはこれらの層の間に異なる層が存在する構成を含む。
またこれらの層はフィルム状であることが好ましい。またこれらの層には例えば電子部品製造を目的とする場合は配線を通すための穴などを前もって設けた構成であっても良い。
被処理物層Aは、処理される露出面とは反対側に各種の層を積層した複層構造のものが好ましく用いられる。好ましくはシリコン・ウェハーに不純物導入を含む回路部品形成層を適宜コーティングしたものが適用できる。またA層の露出面への処理が薄葉化処理であることが、この発明の効果を発揮できる点で好ましい。すなわち、本発明は、半導体基板の片面に不純物導入を含む回路部品形成工程を施した後、該面側を保持基板に接着し、露出面を研磨して薄くする加工処理を経て薄葉化基板(A’層)を形成する。その薄葉化基板の厚さとしては、好ましくは厚さ 400μm以下、更に好ましくは厚さ200μm以下、より好ましくは100μm以下である。下限としては薄葉化基板の強度が維持されていれば特に限定されないが、好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上である。本発明は、これらの研磨を必須とする裏面処理工程を行って電子部品を形成した薄葉化基板とし、該薄葉化基板を保持基板から剥離する電子部品の製造法において好ましく用いられる。すなわち本発明は薄葉化基板と保持基板との接着力を低下させた後に剥離する工程部材として好ましく用いられることを特徴とする。
C層の上側にさらに保持基板として無機物層Dを有することが好ましい。無機物層Dは裏面である被処理物層Aの処理工程の条件により適宜選択されるが、とくに薄葉化半導体部品製造工程に用いる場合は耐熱性、耐薬品性が高いことが必要とされ、また、半導体基板の熱膨張率に近い事が、接着後の反りを小さくする為に必要である。通常、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、サファイア、アルミナ、ジルコニア、ワラストナイト、アモルファスカーボン、グラッシィカーボン、炭化珪素複合C/C コンポジット等の無機物ベースの材料が挙げられ、シリコン・ウェハーも適用出来る。
耐熱性有機物層Cを構成するポリマーとしては、全芳香族ポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミド、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリ−4-メチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチルメタクリレート、フッ素のテトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA) 、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP) 、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE) 、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(E/CTFE)などが挙げられるが、好ましくは主として全芳香族ポリイミドおよび/又は芳香族ポリアミドから成るフィルムあるいは該フィルムを含む層状物である。なかでも全芳香族ポリイミドと芳香族ポリアミドとを積層した層とするのが好ましく、さらに好ましくはD層側に芳香族ポリアミドからなる層が存在し、B層側に全芳香族ポリイミドからなる層が存在する構成とするのが好ましい。
また、耐熱性有機物層Cを形成する樹脂溶液としてポリイミド前駆体のポリイミド酸、あるいはメタ配向アラミド、パラ配向アラミド等の芳香族ポリアミドの N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの溶液か挙げられる。この他、種々の熱可塑性樹脂はその溶剤の溶液として使用することが可能である。
予め作製したフィルムとして用いる方法は、例えば、芳香族ポリアミドのN−メチル−2−ピロリドン溶液を押出して、適宜、延伸などしたフィルムが用いられる。また、この方法において市販のフィルムの片面に、或いは両面に上記した本コーティング組成物の膜を形成した複合フィルムとする方法も例示される。また、その他の方法として金型内に、保持基板を保持して置き、その片面にプレス成型、射出成型などにて接着層を形成する方法なども考えられる。
耐熱有機物層Cとして好ましく用いられる全芳香族ポリイミドとは、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミン成分とからなる高分子化合物である。
芳香族テトラカルボン酸成分としては、例えばピロメリット酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸、2,3,4,5−チオフェンテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸、2,2’,3,3’−p−テルフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−p−テルフェニルテトラカルボン酸、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,6,7−フェナンスレンテトラカルボン酸、1,2,7,8−フェナンスレンテトラカルボン酸、1,2,9,10−フェナンスレンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸、1,4,5,8−テトラクロロナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ピリジン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン等が挙げられる。
上記の芳香族テトラカルボン酸成分は二種以上を同時に併用することもできる。
この中でも、好ましい芳香族テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸単独からなるかあるいはピロメリット酸および上記の如きそれと異なる芳香族テトラカルボン酸との組合せからなるものが例示される。より具体的には、全テトラカルボン酸成分に基づき、ピロメリット酸二無水物が50〜100モル%であることが好ましい。ピロメリット酸二無水物50モル%以上とすることで、詳細は後述するが、全芳香族ポリイミド中のイミド基濃度を高めることができ、接着性を良好なものとすることができる。好ましくはピロメリット酸二無水物が70〜100モル%であり、更に好ましくは90〜100モル%であり、ピロメリット酸二無水物単独で用いることが特に好ましい。
芳香族ジアミン成分としては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノアントラセン、2,7−ジアミノアントラセン、1,8−ジアミノアントラセン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノ(m−キシレン)、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノトルエンベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)アミンビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミンビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミンビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、1,1−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等およびそれらのハロゲン原子あるいはアルキル基による芳香核置換体が挙げられる。上記の芳香族ジアミン成分は二種以上を同時に併用することもできる。また、好ましい芳香族ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが例示される。更に好ましい芳香族ジアミン成分としては、全ジアミン成分に基づき、p−フェニレンジアミンが30〜100モル%であることが好ましい。p−フェニレンジアミン40モル%以上とすることで、詳細は後述するが、全芳香族ポリイミド中のイミド基濃度を高めることができ、接着性の良好なフィルムが得られる。この場合、p−フェニレンジアミン以外の他の芳香族ジアミン成分としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンが好ましい。これらの中でも、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが特に好ましい。
従って耐熱有機物層Cを構成する実質的に好ましい全芳香族ポリイミドとしては下記式(I)
Figure 2005064107
[Arは非反応性の置換基を含んでもよい1,4−フェニレン基である。]
で表される構成単位からなる全芳香族ポリイミド、または上記式(I)で表わされる構成単位30〜70モル%、および下記式(II)
Figure 2005064107
[Ar2aおよびAr2bはそれぞれ独立に、非反応性の置換基を含んでいてもよい炭素数6以上20以下の芳香族基である。]
で表わされる構成単位70〜30モル%からなる全芳香族ポリイミドが熱圧着性、耐熱性などの点で好ましく挙げられる。
上記式(I)中のArは非反応性の置換機を含んでいてもよい1,4−フェニレン基である。ここにおける非反応性の置換基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などの芳香族基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基などのハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基などのアルコキシル基、ニトロ基等が例示される。従って、Arは例えば2−クロロ−1,4−フェニレン基、2−ブロモ−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2−エチル−1,4−フェニレン基、2−シクロヘキシル−1,4−フェニレン基、2−フェニル−1,4−フェニレン基、2−ニトロ−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2,クロロ−5−ブロモ−1,4−フェニレン基、2,クロロ−5−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,6−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,5−ジシクロヘキシル−1,4−フェニレン基、2,5−ジフェニル−1,4−フェニレン基、2,5−ジニトロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリクロロ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリメチル−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラブロモ−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラエチル−1,4−フェニレン基、などが挙げられる。この中でも、1,4−フェニレン基が特に好ましい。
上記式(II)中のAr2aおよびAr2bはそれぞれ独立に、非反応性の置換基を含んでいてもよい炭素数6以上20以下の芳香族基である。ここにおける非反応性の置換基とは、上記式(I)中のArにおいて説明されている非反応性の置換基と同じものを例示できる。従って、Ar2aおよびAr2bはそれぞれ、1,4―フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、2−ブロモ−1,4−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、2−エチル−1,4−フェニレン基、2−シクロヘキシル−1,4−フェニレン基、2−フェニル−1,4−フェニレン基、2−ニトロ−1,4−フェニレン基、2−メトキシ−1,4−フェニレン基、2,5−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2,6−ジクロロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2,6−ジブロモ−1,4−フェニレン基、2,クロロ−5−ブロモ−1,4−フェニレン基、2,クロロ−5−フルオロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,6−ジメチル−1,4−フェニレン基、2,5−ジシクロヘキシル−1,4−フェニレン基、2,5−ジフェニル−1,4−フェニレン基、2,5−ジニトロ−1,4−フェニレン基、2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリクロロ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3,5−トリメチル−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラブロモ−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−フェニレン基、2,3,5,6−テトラエチル−1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、5−クロロ−1,3−フェニレン基、5−ブロモ−1,3−フェニレン基、5−メチル−1,3−フェニレン基、5−エチル−1,3−フェニレン基、5−シクロヘキシル−1,3−フェニレン基、5−フェニル−1,3−フェニレン基、5−ニトロ−1,3−フェニレン基、5−メトキシ−1,3−フェニレン基、2,5−ジクロロ−1,3−フェニレン基、2,5−ジブロモ−1,3−フェニレン基、2,5−ジブロモ−1,3−フェニレン基、2,クロロ−5−ブロモ−1,3−フェニレン基、2,クロロ−5−フルオロ−1,3−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,3−フェニレン基、2,5−ジメチル−1,3−フェニレン基、2,5−ジシクロヘキシル−1,3−フェニレン基、2,5−ジフェニル−1,3−フェニレン基、2,5−ジニトロ−1,3−フェニレン基、2,5−ジメトキシ−1,3−フェニレン基、2,4,6−トリクロロ−1,3−フェニレン基、2,4,6−トリフルオロ−1,3−フェニレン基、2,4,6−トリメチル−1,3−フェニレン基、1,6−ビフェニレン基、2,6−ナフチレン基などが挙げられる。この中でも1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基が好ましい例として挙げられる。
また、該全芳香族ポリイミドフィルムの製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の何れの製造方法を用いても構わない。例えば、芳香族テトラカルボン酸成分の原料としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物や芳香族テトラカルボン酸成分の一部又は全部がジカルボン酸ハロゲン化物ジカルボン酸アルキルエステル誘導体であっても構わない。芳香族テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。芳香族ジアミン成分の原料としては、芳香族ジアミンの他、芳香族ジアミンのアミド酸形成性誘導体でもよい。例えば芳香族ジアミン成分のアミノ基の一部又は全てがトリアルキルシリル化されていてもよく、酢酸の如く脂肪族酸によりアミド化されていても良い。この中でも、実質的に芳香族ジアミンを用いることが好ましい。
これらの原料を例えば、N−メチル−2−ピロリドンやジメチルアセトアミド、ジメチルイミダゾリジノンの如く有機極性溶媒中にて、例えば−30℃〜120℃程度の温度で重合反応せしめて、前駆体であるポリアミック酸又はポリアミック酸誘導体の有機極性溶媒溶液を得、該溶液を支持体などにキャストし、次いで例えば80〜400℃程度で乾燥し、更に、最高温度が250〜600℃の熱処理を施しイミド化反応せしめ、全芳香族ポリイミドフィルムを得たり、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドや、無水酢酸のような脂肪族酸無水物とピリジンの如く有機窒素化合物との組合せを用いて化学的に脱水環化反応せしめて、膨潤ゲルフィルムを得て、該ゲルフィルムを任意に延伸した後、定長乾燥・熱処理を施し、全芳香族ポリイミドフィルムを得る方法などが例示される(特開2002−179810号公報)。特に化学脱水反応により得られるゲルフィルムを延伸して製造する方法は、その延伸条件により任意に熱膨張係数を制御することが可能であり、このような用途において、特に好ましい製造方法といえる。
耐熱有機物層Cを構成する好ましい芳香族ポリアミドとしては、下記式(III)
Figure 2005064107
[Ar3a及びAr3bはそれぞれ、独立に非反応性の置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族基である]
で表される構成単位からなり、上記式(III)中のAr3aを含む芳香族ジカルボン酸成分と上記式(III)中のAr3bを含む芳香族ジアミン成分とからなる芳香族ポリアミドであることが好ましい。上記式(III)中のAr3a及びAr3bはそれぞれ独立に非反応性の置換基を有していてもよい炭素数6〜20の芳香族基である。また、上記式(III)中のAr3a及びAr3bが含んでいてもよい非反応性の置換基とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基などの芳香族基、クロロ基、フルオロ基、ブロモ基などのハロゲン基、ニトロ基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等が例示される。
Ar3aは芳香族ジカルボン酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−ジカルボキシナフタレン、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,8−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシアントラセン、2,7−ジカルボキシアントラセン、1,8−ジカルボキシアントラセン、2,4−ジカルボキシトルエン、2,5−ジカルボキシ(m−キシレン)、3,3’−ジカルボキシビフェニル、2,2’−ジカルボキシベンゾフェノン、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、3,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、3,3’−ジカルボキシジフェニルスルフィド、3,4’−ジカルボキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジカルボキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジカルボキシジフェニルチオエーテル、4,4’−ジカルボキシ3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシ3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、4,4’−ジカルボキシ3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、1,3−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ベンゼン、2,6−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ピリジン、1,4−ビス(3−カルボキシフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−カルボキシフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(4−カルボキシフェニルチオエーテル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(4−カルボキシフェニル)アミンビス(4−カルボキシフェニル)−N−メチルアミンビス(4−カルボキシフェニル)−N−フェニルアミンビス(4−カルボキシフェニル)ホスフィンオキシド、1,1−ビス(3−カルボキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−カルボキシ3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−カルボキシフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等およびそれらのハロゲン原子あるいはアルキル基による芳香核置換体が挙げられる。
上記の芳香族ジカルボン酸成分は二種以上を同時に併用することもできる。また、好ましい芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸が例示される。
Ar3bは芳香族ジアミン成分として、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノアントラセン、2,7−ジアミノアントラセン、1,8−ジアミノアントラセン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノ(m−キシレン)、2,5−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノトルエンベンジジン、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、1,4−ビス(3−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)アミンビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミンビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミンビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、1,1−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3,5−ジブロモ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等およびそれらのハロゲン原子あるいはアルキル基による芳香核置換体が挙げられる。上記の芳香族ジアミン成分は二種以上を同時に併用することもできる。
また、好ましい芳香族ジアミン成分としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンが例示される。更に好ましい芳香族ジアミン成分としては、m−フェニレンジアミンであることが好ましい。
すなわち上記式(III)が下記式(III-a)
Figure 2005064107
で表わされる構成単位単独からなる芳香族ポリアミドであることが好ましい。
本発明における芳香族ポリアミドからなる耐熱有機物層Cを製造する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の何れの製造方法を用いても構わない。例えば、製膜原液としては、重合後のポリマー溶液をそのまま用いてもよいし、一旦、ポリマーを単離後、溶剤に再溶解したものを用いてもよい。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機極性溶媒が好ましいが、濃硫酸、濃硝酸、ポリりん酸等の強酸性溶媒を用いても構わない。前記芳香族ポリアミド溶液には、所望により、溶解助剤として無機塩例えば塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどを添加することができる。溶液中のポリマー濃度は1〜60重量%程度さらには3〜40重量%であることが好ましい。
上記のようにして調製された製膜原液は、乾式法、湿式法等によりフィルム化が行われる。まず湿式法について具体的に説明する。
調製された製膜原液は支持体上にキャスト(流延とも言う)し、そのキャスト物を支持体と共に凝固液に導入する。キャストの方法としては、ダイ押し出しによる方法、アプリケーターを用いた方法、コーターを用いた方法などが挙げられる。この場合支持体としては金属ドラム、エンドレスの金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルテレフタレート等が挙げられる。なお、キャストする場合におけるポリマー溶液の温度については特に制限がなく、その粘度が30〜2,000Poiseの間となるように選択するのが好ましい。
凝固液には、芳香族ポリアミド非相溶性物質を含有するアミド系凝固液を用いることが好ましい。具体的にはアミド系物質としてN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられ、好ましくはN−メチル−2−ピロリドンを使用する。
ここで当該芳香族ポリアミド非相溶性物質とは、アミド系物質と、当該アミド系物質および芳香族ポリアミドおよびアミド系溶媒に対して不活性であり、当該アミド系物質と相溶性を有する物質を含む。具体的には、低級アルコール、低級エーテル等各種のものを使用できるが、水を用いることが好ましい。またこれらの混合物を使用することもできる。
凝固液中のアミド系物質の濃度はアミド系凝固液全体に対し5重量%以上90重量%以下であり、より好ましくは40重量%〜80重量%である。
凝固液の温度は融点以上沸点以下でありより好ましくは30℃以上80℃以下である。
次に乾式法によるフィルムの製造例をより具体的に説明する。調製された製膜原液は支持体上にキャスト(流延とも言う)し、乾燥により溶媒を飛散させる。
キャストの方法としては、ダイ押し出しによる方法、アプリケーターを用いた方法、コーターを用いた方法などが挙げられる。この場合支持体としてはガラス板、金属ドラム、エンドレスの金属ベルト、有機フィルム、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、カプトン(登録商標)(東レデュポン製)やユーピレックス(登録商標)(宇部興産製)の如くポリイミド等が挙げられる。
なお、キャストする際の製膜原液の温度については特に制限がなく、製膜原液の粘度が30〜20,000Poiseの間となるようになるように選択するのが好ましい。より好ましくは、50〜2,000Poiseが例示される。
溶媒を飛散させる乾燥方法としては、熱風加熱、真空加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱による乾燥が挙げられるが熱風による加熱乾燥が好ましい。この時の乾燥温度は、30℃〜300℃であり、より好ましくは40℃〜200℃であり、さらに好ましくは70℃〜160℃である。
このようにして湿式法または乾式法によって製膜された該キャスト物は次に水洗工程に移され、そこで水によって洗浄される。この洗浄時の温度、また洗浄時間は特に限定されるものではない。
上記水洗工程を出たフィルムは次に乾燥、熱処理を行う。乾燥及び熱処理方法としては、熱風加熱、真空加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱の他、熱板、ホットロールを用いた接触による加熱などが挙げられる。この時の乾燥及び熱処理温度は、50℃〜600℃であり、より好ましくは80℃〜500℃であり、さらに好ましくは100℃〜300℃である。
また、本発明における耐熱有機物層Cは線熱膨張係数が−10ppm/℃〜+45ppm/℃の範囲であることが好ましく、耐熱有機物層Cの線熱膨張係数が−10ppm/℃より小さい値の場合、又は、+35ppm/℃より高い場合、熱圧着後、例えば室温などに冷ました後の接着力が不十分となることがある。さらに好ましくは−9ppm/℃〜+10ppm/℃の範囲である。
また、本発明における耐熱有機物層Cの厚さは0.1μm〜1000μmの範囲であることが好ましい。0.1μm未満の場合、被処理物Bとの接着精度がとれず、圧着装置の接触面の平面性・平滑性の精度が要求され、平面性・平滑性の制御が不十分となり、接着斑が発生する場合が多くなる。また2000μmより大きい場合、被処理物層Aと接着せしめる際に熱が伝わりにくく、温度を伝えるまでに時間がかかり生産性が低下する場合がある。
また、本発明における耐熱有機物層Cの表面粗さは特に限定されるものではないが、表面粗度(Rt)が0.01μm〜100μmの範囲であることが好ましい。0.01μm未満の場合、溶剤に含浸させ剥離させる際に溶剤が浸透せず剥離が困難になる場合があり、100μmより大きい場合、被処理物層Aとの接着精度がとれず、接着斑が発生する場合が多くなる。
また、接着層に用いる耐熱有機物層Cに適宜表面に凹凸を付与してもよい。凹凸を付与する方法としては、例えば、サンドブラスターを用いる方法、レーザーによる表面処理加工、研磨材による研磨処理、プラズマ処理、アーク放電処理などが適用できる。あるいは、無機粒子を付着させた紙や織不、不織布等の面体を被接着面に接触して研磨する方法も適用できる。またフィルムを用いる場合、フィルム製造時にキャスト面をサンドブラスターあるいは、無機粒子を付着させた紙や織不、不織布等の面体を被接着面に接触して研磨する方法にて凹凸を付け、フィルムに転写する方法も好適に用いられる。
次に本発明の積層体における好ましい接着方法を説明する。
上記積層体の製造方法は特に限定されるものではないが、上記の無機物層DとA層およびB層からなる積層体とを耐熱性有機物層Cを接着フィルムとして室温、場合によっては加熱、加圧しながら貼り合わせる。貼り合わせる方法としては加熱プレス機、真空プレス機を用いたプレスによる接着、ローラーによる接着などが挙げられる。
例えば加熱プレス機を用いたプレスによる接着の場合、加熱プレス機の天板と上記の耐熱性有機フィルムならびに被接着体の間にステンレス、鉄、チタン、アルミニウム、銅、などの金属またはそれらの合金などの保護板や、全芳香族ポリイミドおよび/または全芳香族ポリアミドなどの耐熱性ポリマーからなるフィルム、および/またはこれらの耐熱性ポリマーからなる繊維などの樹脂を、熱伝導を阻害しない厚さの程度で、接着面全体で圧力が伝わるように緩衝材として挟んでもよい。
温度や圧力、時間などの接着条件は特に限定されないが、用いられる無機物層DとA層およびB層からなる積層体と耐熱性有機物層Cの材質または組合せによりこれらの接着の際任意にコントロールできる。接着の際の好適な温度としては、例えば、20℃〜600℃の範囲が例示できる。好ましくは50℃〜550℃の範囲である。さらに好ましくは、100℃〜500℃の範囲である。また接着の際の圧力は、無機物層DとA層同士が全体的に受ける平均圧力としては0.001MPa〜1000MPaの範囲であり、好ましくは0.01MPa〜100MPaの範囲である。圧力としては0.001MPa未満の場合、充分に接着することができず、また100MPaより高い圧力の場合、無機物層DとA層が破損する場合がある。
また接着の際の保圧時間は、0.1秒〜48時間の範囲が好ましい。0.1秒未満の場合、接着力不足となり、接着力の安定した積層体が得られにくくなる。48時間より長い場合、生産性が低くなるだけでなく、長時間、高温高圧条件に供すると、本発明の積層体のA層およびB層からなる積層体をC層を介してD層に接着する際、耐熱性有機物層CとA層およびB層からなる積層体との接着力が低下することがある。即ち、耐熱性有機物層Cと半導体チップ上アルミ配線の絶縁保護層などとの接着性の低下が起こる。この原因は定かではないが、耐熱性有機物層Cの特に表面の熱による化学変化や、高温高圧によるモロフォロジー変化によるものと考えられる。より好ましくは、接着の際の保圧時間は、1秒〜24時間の範囲がより好ましい。また、接着の際には温度を上昇させ所定の圧力で所定の時間接着させた後、室温で一定時間加圧したまま放冷してもよく、また温度を上昇させ所定の圧力で所定の時間接着させた後、圧力を解除した状態で一定時間保温したままにしてもよい。
本発明において、A層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、およびC層とからなる積層体の厚み方向に30〜800℃温度差を発生させることによりB層とC層との界面を剥離させることを特徴とする。温度差を発生させる方法としては、特に限定されるものではないが、積層体を低温状態から高温状態へ移す方法または高温状態から低温状態へ移す方法、あるいは該温度差を、無機物層D側と被処理物層Aとの間で発生させる方法が挙げられる。積層体を低温状態から高温状態へ移す方法または高温状態から低温状態へ移す方法での状態としては例えば大気中または液体中での室温状態と、熱風加熱、蒸気加熱、真空加熱、赤外線加熱、マイクロ波加熱の他、熱板、ホットロール、ウォーターバス、オイルバス、TEGバス、ソルトバス、はんだ浴等を用いた接触による加熱等の加熱状態と、冷風、ドライアイス、氷、冷却液体等の冷却状態、の各状態中で温度差が生じればいずれの状態間でもよい。
また該温度差を、積層体の厚み方向に発生させる方法としては上記の状態間をそれぞれの面で発生させる方法であればいずれの方法を用いても構わない。好ましくは熱板上に置いた積層体の上側からドライアイス、氷、冷却液体を接触させる方法が挙げられる。
温度差としては30〜800℃であるが、好ましくは100〜600℃である。
本発明において、有機物保護層Bを積層した被処理物層Aが不純物導入を含む回路部品形成工程を施した半導体基板であり、かつ無機物層Dを構成する無機物が保持基板であり、A層およびB層を接着処理した後、被処理物層Aの露出面を研磨して薄くする加工処理を経て薄葉化基板を形成し、該薄葉化基板を接着層である耐熱性有機フィルムから剥離する電子部品の製造工程に適用することを特徴とする。
以下、実施例により本発明方法をさらに詳しく具体的に説明する。ただしこれらの実施例により本発明の範囲が限定されるものではない。
[製造例1]
温度計、撹拌装置及び原料投入口を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、脱水NMP1920gを入れ、更にp−フェニレンジアミン26.52gを加え完全に溶解させる。その後、氷浴にて冷却し、ジアミン溶液の温度を3℃とした。この冷却したジアミン溶液に無水ピロメリット酸53.46gを添加し1時間反応させた。この時反応溶液の温度は5〜20℃であった。更に該反応液を室温(23℃)下3時間反応させ、次いで、無水フタル酸0.091gを添加し、1時間反応させアミン末端封止を行い、粘調溶液としてポリアミック酸NMP溶液を得た。
得られたポリアミック酸溶液をガラス板上に厚み1.0mmのドクターブレードを用いてキャストし、無水酢酸250ml、トリエチレンジアミン74g及びNMP2000mlからなる30℃の脱水縮合浴に30分浸漬しイミド/イソイミド化させ、支持体であるガラス板から分離し、ゲルフィルムを得た。
得られたゲルフィルムをNMPに室温下20分浸漬させ洗浄を行った後、該ゲルフィルムの両端をチャック固定し、室温下、直交する2軸方向に1.05倍に10mm/secの速度で同時二軸延伸した。延伸開始時のゲルフィルムの膨潤度は1510%であった。
延伸後のゲルフィルムを枠固定し、乾燥空気を用いた熱風乾燥機にて160℃から300℃まで多段的に昇温していき、乾燥及び熱処理を実施した。次いで、熱風循環式オーブンを用いて300℃〜450℃まで多段的に昇温していき全芳香族ポリイミドフィルムを得た。従って、該フイルムは、下記式(I−a)
Figure 2005064107
で表される構成単位のみからなる全芳香族ポリイミドフィルムである。
また帝人テクノプロダクツ株式会社製コーネックス(登録商標)のパウダーをN−メチル−2−ピロリドンに5℃で分散させた後、40℃で溶解させ10wt%溶液を得た。このコーネックス(登録商標)10wt%溶液をガラス板上にカプトン(登録商標)テープで貼り付けた上記全芳香族ポリイミドフィルム上に、厚み28μmのバーコーターを用いて流延させた。その後、熱風乾燥機にて160℃にて30分乾燥させた後280℃まで多段的に昇温していき、乾燥及び熱処理を行うことにより芳香族ポリアミドフィルムよりなる層を有するフィルムを得た。
[実施例1]
保持基板として、厚さ0.6mm、直径150mmのシリコン・ウェハーを準備した。また、半導体基板として、厚さ0.6mm、直径150mmのシリコン・ウェハーの片面(ミラー面)にポリイミドをスピンコートしたウェハーを準備した。
接着層として、製造例1で得られた芳香族ポリイミドフィルムを準備し、その片面にイソフタル酸クロライドとm−フェニレンジアミンから合成した芳香族ポリアミド(帝人テクノプロダクツ社製、商標コーネックス)の10%N−メチル−2−ピロリドン溶液をコーティングし、乾燥させて厚み3μmの薄膜層を形成した。
次に保持基盤と芳香族ポリイミドフィルムとポリイミドをコートしたシリコン・ウェハーを積層した。尚、芳香族ポリイミドフィルムに付与した芳香族ポリアミドの薄膜層は保持基盤側に、またシリコン・ウェハーのポリイミドコート層は芳香族ポリイミドをフィルム側にそれぞれ接触するよう積層した。
上記積層体を熱プレスにセットし、5MPa、300℃で2分間プレスを行った。
この積層体のシリコン・ウェハーの露出側を研磨機にセットし、シリコンカーバイド粒子を有する研磨紙を用い160gf/cmの荷重下で、研磨板を110rpmの回転数にて回転させて、シリコン・ウェハー厚みが130μmになるまで研磨した。研磨は粒度#150、#800、#2000の順で行った。研磨時に積層体の剥離は観察されなかった。
得られた積層体を300℃の熱板上に保持基板面を下にして置いた後ポリイミドをコートしたシリコン・ウェハー面に氷を置いて冷却した。
積層体はシリコン・ウェハーのポリイミドコート層と芳香族ポリイミドフィルムの界面で容易に剥離した。保持基板と芳香族ポリイミドフィルムは剥離しなかった。
[実施例2]
実施例1と同様に作成した研削後の積層体を400℃の熱板上に保持基板面を下にして置いた後ポリイミドをコートしたシリコン・ウェハー面に液体窒素を流し冷却した。
積層体はシリコン・ウェハーのポリイミドコート層と芳香族ポリイミドフィルムの界面で容易に剥離した。保持基板と芳香族ポリイミドフィルムは剥離しなかった。
本発明は薄葉化半導体ウェハーの製造工程に好適に用いることができ、生産性良く薄葉化半導体ウェハーを製造することができ、経済性に優れた薄葉化半導体ウェハーの製造が可能である。

Claims (11)

  1. 被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、およびC層とからなる積層体の厚み方向に30〜800℃温度差を発生させることによりB層とC層との界面を剥離させ、A’層とB層とからなる積層体を得ることを特徴とする、積層体の製造方法。
  2. さらにC層の上側に無機物層Dがあることを特徴とする、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. A層の露出面への処理が薄葉化処理であることを特徴とする、請求項1に記載の積層体の製造方法。
  4. 耐熱性有機物層Cの線熱膨張係数が−10ppm/℃〜+40ppm/℃の範囲であることを特徴とする請求項1記載の積層体の製造方法。
  5. 耐熱有機物層Cが、主として全芳香族ポリイミドおよび/又は芳香族ポリアミドから成るフィルムあるいは該フィルムを含む層状物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  6. 耐熱有機物層Cが下記式(I)
    Figure 2005064107
    [Arは非反応性の置換基を含んでもよい1,4−フェニレン基である。]
    で表される構成単位からなる全芳香族ポリイミドからなるフィルムを主として構成されることを特徴とする請求項5に記載の積層体の製造方法。
  7. 耐熱有機物層Cが下記式(I)
    Figure 2005064107
    [Arは非反応性の置換基を含んでもよい1,4−フェニレン基である。]
    で表わされる構成単位30〜70モル%、および下記式(II)
    Figure 2005064107
    [Ar2aおよびAr2bはそれぞれ独立に、非反応性の置換基を含んでいてもよい炭素数6以上20以下の芳香族基である。]
    で表わされる構成単位70〜30モル%からなる芳香族ポリイミドから成ることを特徴とする請求項5に記載の積層体の製造方法。
  8. 耐熱有機物層Cが、p−フェニレンジアミン成分が30モル%以上、p−フェニレンジアミンとは異なる芳香族ジアミン成分が0モル%以上70モル%以下からなるジアミン成分と、テレフタル酸成分が0モル%以上80モル%以下、イソフタル酸とは異なる芳香族ジカルボン酸成分が0モル%以上、70モル%以下からなるジカルボン酸成分とからなる芳香族ポリアミドから成ることを特徴とする請求項5に記載の積層体の製造方法。
  9. 被処理物層Aが不純物導入を含む回路部品形成工程を施した半導体基板であり、かつ無機物層Dが保持基板であり、A層およびB層からなる積層体をC層を介してD層に接着処理した後、A層の露出面を研磨して薄くする加工処理を経て薄葉化基板(A’層)を形成した後、保護層Bと耐熱性有機物層Cとの界面を剥離して、半導体基板(A’層)と有機物保護層Bとからなる積層体を得る請求項2に記載の積層体の製造方法。
  10. 被処理物層A、有機物保護層B、および耐熱性有機物層Cをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、およびC層とからなる積層体の厚み方向に温度差を30〜800℃発生させることによりB層とC層との界面を剥離させ、A’層とB層からなる積層体を回収することを特徴とする積層体の回収方法。
  11. 被処理物層A、有機物保護層B、耐熱性有機物層C、および無機物層Dをこの順に積層してなる積層体のA層の露出面に処理を行ってA’層とした後、A’層、B層、C層、およびD層とからなる積層体の厚み方向に温度差を30〜800℃発生させることによりB層とC層との界面を剥離させ、C層とD層からなる積層体を回収することを特徴とする積層体の回収方法。
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