JP2005061997A - 分離用素子及び分離用素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内部に持つナノ構造体を分子篩いとして利用する分離素子及び分離用素子の製造方法を提供することである。
【解決手段】 柱状の空孔を有する多孔体の該空孔内に材料を導入した後、該多孔体部材を除去して得られる柱状構造体を流路内の少なくとも一部に作製することで得られる、分離用素子であって、
該多孔体は、第一の成分を含み構成される柱状物質が第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されていることを特徴とする分離用素子及び分離用素子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生体由来高分子を分離する新規な素子に関するものであって、特にバイオテクノロジー、医学の分野におけるDNA又はタンパク質の分離・分析に供せられる分離用素子及びその製造方法に関する。
従来、バイオテクノロジーや医療の分野でのDNAやタンパク質等の生体高分子の分離・分析には電気泳動が広く用いられてきた。これはDNAの場合DNA分子自身が負電荷を持つため、またタンパク質分子の場合はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の存在下でほぼ同径で分子量に応じた長さの棒状形となりかつ多数のSDS−イオンが結合することで負電荷を持つようになるため、電界がかかると正極の方に移動する性質を利用したものである。この際、DNA分子やタンパク質分子をゲルの内部で電気泳動させると、ゲル高分子の網目が持つ分子篩い効果のためにDNA分子やタンパク質分子の移動速度は、分子の長さ(分子量に比例)に応じて変わる。DNA分子やタンパク質分子のゲル電気泳動による分離はこの性質を利用したものである。
電気泳動用ゲルとしては、アガロースに代表される多糖類や、親水性ポリマーが広く用いられている。親水性ポリマーとしては、アクリルアミドをモノマーとし、メチレンビスアクリルアミドで架橋したポリアクリルアミドゲルが主流である。ポリアクリルアミドゲルは、高い分離性能等を持つため広く使われている。
一方で、ゲルと同様に分子篩いやフィルターとしての効果が期待できるものとしてナノ構造体がある。
ナノ構造体の作製方法としては、従来の半導体加工技術を利用したものとは別に、材料の自己組織化(self−organization)現象を利用する手法がある。即ち、自然に形成される規則的な構造をべースに、新規な微細構造体を実現しようというものである。
この自己組織化現象を利用する手法では、ミクロンオーダーは勿論、ナノオーダーの構造体を簡易に実現できる可能性があるため、多くの研究が行われ始めている。
このような自己組織化手法として、ナノサイズの空孔を有するナノ構造体を制御良く大面積に形成できる陽極酸化が挙げられる。例えば、アルミニウムを酸性浴中で陽極酸化することで作製する陽極酸化アルミナが知られている。
アルミニウムの陽極酸化は、アルミニウム板あるいは基板上に形成されたアルミニウム膜を酸性電解質中で陽極酸化すると、多孔質酸化被膜(陽極酸化アルミナ)が形成される(例えば非特許文献1等参照)。この多孔質酸化被膜の特徴は、直径が数十nm〜数百nmの極めて微細な円柱状空孔(ナノホール)が、数十nm〜数百nmの間隔(セルサイズ)で平行に配列するという特異的な幾何学的構造を有することにある。この円柱状の空孔は、空孔間隔が数十nm以上の場合では、高いアスペクト比を有し、断面の径の一様性にも比較的優れている。この空孔の径及び間隔は、陽極酸化の際の酸の種類、電圧を調整することによりある程度の制御が可能である。具体的には電圧を低下させると空孔の間隔を低減できる。また、陽極酸化被膜の厚さ及び空孔の深さは、陽極酸化の時間を制御することにより、ある程度の制御が可能である。
特許文献1では、アルミナナノホールの被膜を剥離してその空孔をフィルターとして応用する可能性が示唆されている。
特開2001−162600号公報 (アールシー.フラネアス)RC.Furneaux、(ダブリュウ.アール.リッグバイ)W.R.Rigby&(エー.ピー.ダビットソン)A.P.Davidson"ネイチャー(Nature)"Vol.337、P147(1989)
上述したようにゲルはDNA分子やタンパク質分子の分離・分析に多用されているが、いくつかの改善点がある。
例えば、ゲルはその全質量の90%かそれ以上が水分であるため乾燥に弱く、機械強度も低い。これを補うためにゲルを平行なガラス板に挟む、キャピラリーに充填する、といった方法もあるが、根本的な解決方法ではない。更に電気泳動の際にはゲル全体を緩衝液の水槽に浸すか、ゲルを挟んだガラス板の両端の開口部を緩衝液と常に接触させる工夫が必要であるため、電気泳動装置の大幅な小型化は困難である。
また、ゲル作製時の作業者のスキルによりゲルのできが左右されるという問題もある。更に、アガロースは天然物であるため、性状に差が見られることが少なくない。一方、合成品であるアクリルアミドを重合させたポリアクリルアミドゲルには前述のことは少ないが、アクリルアミド自体が有害である。最近は、これらを避けるために、機械で作製されたポリアクリルアミドゲルが市販されているが、ポリアクリルアミドのアミド基は時間と共に加水分解してゲルとしての分離能が低下し、長期保存が難しい。
次に、ゲル電気泳動にもいくつかの問題がある。DNAやタンパク質をゲル電気泳動する方法は大きく分けて、平板状のスラブゲルを用いる方法とゲルを充填したキャピラリーカラムを用いる方法とがある。まず、一枚のゲルに複数種類のサンプルを泳動するスラブゲルの場合、高電圧を印加すれば、ジュール熱の影響により分子篩いの編み目の大きさが変わり分離能が低下する。サンプル中のDNAやタンパク質のバンドが広がり隣のDNAやタンパク質と重なってしまう、といった問題が生じる。この点、一本に一種類のサンプルを泳動するキャピラリーカラムではそのような問題は少なく、高電圧を印加して高速泳動をさせることが可能であるが、測定サンプル分だけキャピラリーを用意する必要があり、その上使用キャピラリーごとの再現性があまりよくない。そのため、DNAシークエンス等の多検体の分析には、未だにスラブゲルを使用しているのが実状である。
ところが今後発展が期待される、チップ上で全ての反応や検出を行うマイクロリアクタを考えたとき、DNAやタンパク質の分離工程部分もスラブゲルではなく無機構造物等で作製する必要が生じる。そこで、リソグラフィ等の従来の半導体製造技術を用いて柱状シリコンを作製する方法やアルミナナノホールを鋳型に用いて無機物の柱状構造体を作製する方法が提案されているが、これらの柱状構造物はせいぜい数百ナノメートルサイズで、DNAやタンパク質の大きさを考えたとき、大き過ぎるといわざるを得ない。
このような技術的背景により、本発明者らは種々の検討を加えた結果、ナノスケールの柱状構造を形成する新規なナノ構造材料を用いることで、ゲルと同様にDNA分子やタンパク質分子を泳動分離する方法を見出し、本発明に至った。
本発明は、内部に持つナノ構造体を分子篩いとして利用する分離素子を提供することである。
また、本発明は、上記のような分離用素子の製造方法を提供することである。
本発明の第一の発明は、
柱状の空孔を有する多孔体の該空孔内に材料を導入した後、該多孔体部材を除去して得られる柱状構造体を流路内の少なくとも一部に作製することで得られる、分離用素子であって、
該多孔体は、第一の成分を含み構成される柱状物質が第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されていることを特徴とする分離用素子である。
また本発明においては、前記分離用素子が前記液体の流入口と流出口を持つものである。
また本発明においては、前記分離用素子が液体中の生体由来化合物を分離する素子である。
また本発明においては、前記多孔体に化学的処理を施した後、前記空孔内に前記材料を導入してもよい。
また本発明においては、前記多孔体の成分がシリコン又はゲルマニウムであることが好ましい。
また本発明においては、前記柱状構造体の直径が0.5nm以上15nm未満であることが好ましい。
本発明の第二の発明は、
(a)基板を用意する工程、
(b)第一の成分を含み構成される柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体を用意する工程、
(c)該柱状物質を除去する除去工程、
(d)該除去工程により得られる柱状の空孔を有する多孔体の該空孔内に材料を導入する導入工程、
(e前記空孔内に材料を導入した多孔体上部に材料を形成する工程、
(f)前記部材を除去する工程、
を有することを特徴とする分離用素子の作製方法である。
また本発明においては、前記(b)工程の前に、基板上に流路を作製する工程を含むことが好ましい。
また本発明においては、前記(d)工程の前に、柱状の空孔を広げる工程を含んでもよい。
また本発明においては、前記(d)工程の前に、前記多孔体に化学的処理を施す工程を含んでもよい。
上記したように、本発明によれば、互いに共晶関係にある複数の成分からなるナノ構造体の一方の成分を除去して得られる多孔体薄膜の空孔内に金属、半導体等の材料を導入して柱状構造体を作製した上で、上部を材料で覆い柱状構造体を取り囲んだ成分を除去することによって、新規な分離用素子を簡便な方法で作製することができる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の分離素子の一例を示す概略図である。図1(a)は模式的上面図、また図1(b)は図1(a)の破線AA’に沿って切ったときの模式的断面図、図1(c)は(b)の丸で囲んだ柱状構造体が作り込まれた流路部分の流出入口付近をナノサイズで描いた模式図である。図1において11は基板、12は柱状構造体が作り込まれた流路、13は上部材料、14は上部材料の流路両端部分に開いた流出入口、15は柱状構造体である。
本発明の柱状構造体の形状は図1(c)のように、ほぼ円柱のものでもよいし、また楕円柱等の任意の形状が適応可能である。また、柱状構造体の直径(平均径を示す)2rは0.5nm以上15nm未満が好ましく、柱状構造体の間隔(平均間隔を示す)2Rは5nm以上15nm未満が好ましい。また、長さLは数μm以下が好ましく、より好ましくは1000nm以下である。これより長いと、水圧等で柱状構造体が破損し分離用素子として機能しなくなる恐れがある。ここで平均径とは、例えば、実際のSEM写真(約100nm×70nmの範囲)で観察される空孔部分をコンピュータで画像処理して、導出される値である。
なお、柱状構造体の柱状形状とは上記サイズを満足するものであれば、任意のアスペクト比(長さL/孔径2r)を有する形状を含むものである。なお、好ましいアスペクト比(長さL/孔径2r)は0.5〜1000の範囲である。
図1は、平坦な基板の上に流路の形状に柱状構造体が作製され上部材料が流路を区切る壁の機能を兼ねている、という構成であるが、図2の断面図のように、予め流路が作製された基板を用いその中に柱状構造体が作製された構成でもよい。
また流路の形状は、図1及び図2では単純な直線であるが、基板上に一組以上の流入口と流出口がつながった経路であれば特に限定されない。図3(a)の上面概略図のように流路が折り畳まれた形状でもよいし、(b)のように渦巻き状の形状でもよい。また、一つの基板上に複数の独立した流路とそれに対応した流出入口がある構成でもよい。また、複数の流入口があって、複数のサンプルが分離素子内で混合される又は/及び分離されて複数の流出口から流出するという構成でもよい。
次に図4を用いて、各工程について更に詳しく説明する。
(a)基板準備及び流路作製
ここで基板51の材質は、目的の柱状構造体を作製するプロセスに耐えうるものであれば、どのようなものでも良好に用いることができる。例えば、金属、シリコンウエハ又はガラス等が好ましく用いられる。また、基板の形状としては平滑な板状のものに限らず、曲面を有するもの、表面にある程度の凹凸や段差を有するもの等が挙げられるが、上部に作製される柱状構造体に不都合がなければ、特に限定されるものではない。
次に必要に応じて、この基板上に流路となる溝を作製する。この作製方法も特に限定されない。例えば、フォトリソグラフィや切削等が好ましく用いられる。
(b)第一の成分と第二の成分の混合薄膜領域作製
次に、基板もしくは溝を作製した基板上に第一の成分と第二の成分の混合薄膜を形成する。ここでいう前記混合薄膜とは第一の成分が微細な柱状の形態となって第二の成分のマトリクス中に分散されている材料を示す。このような構造体は互いに共晶系にある物質において形成されることが本発明者らの研究で明らかになっている。
共晶関係にある複数の成分は特に限定されないが、複数の成分のうち第一の成分をアルミニウム、第二の成分をシリコン又はゲルマニウムにした場合、本発明に好ましく用いることのできる混合薄膜領域が形成されることがわかっている。
上記第一の成分と第二の成分から目的にあった混合薄膜を形成するには、両者を非平衡状態にすればよい。これは、このような非平衡状態で物質を形成する成膜法で作製された共晶関係の二成分の混合薄膜53は、両者が準安定状態の共晶型組織となり、第一の成分が数nmレベル程度の径を持った第一の成分の柱状物質52を形成し、その周りを第二の成分の成分領域54が取り囲むように自己組織的に分離するからである。
両者を非平衡状態にする代表的な方法としてスパッタリング法がある。原料としての第一、第二の成分は、例えば、スパッタ装置の第一の成分のターゲット上に第二の成分のチップを配することで達成される。第二の成分のチップは、複数に分けて配置しても一つでもよい。但し、均一な第一の成分を含む柱状構造体を第二の成分領域内に均一に分散させるには、基板に対称(例えば同心円上)に配置しておくのがよい。また、所定量の第一の成分と第二の成分との粉末を焼成して作製した混合焼成物を構造体作製のターゲット材として用いることもできる。また、第一の成分と第二の成分のターゲットを別々に用意し、同時に両方のターゲットをスパッタリングする方法を用いてもよい。
形成される膜中の第二の成分の量は、例えば第一の成分がアルミニウムで第二の成分がシリコン又はゲルマニウムの場合、第一、第二両者の全量に対して20〜70atomic%が好ましく、より好ましくは25〜65atomic%、更に好ましくは30〜60atomic%である。シリコン又はゲルマニウム量がかかる範囲内であれば、シリコン又はゲルマニウム領域内にアルミニウムの柱状構造体が分散したアルミニウムシリコン又はアルミニウムゲルマニウム混合薄膜領域が得られる。
本発明において、アルミニウムの割合等を示すatomic%とは、例えば、シリコンとアルミニウム等の単原子の原子数の割合を示し、atom%あるいはat%とも記載され、例えば誘導結合型プラズマ発光分析法でアルミニウムシリコン混合膜中のシリコンとアルミニウムの量を定量分析したときの値である。
また、基板温度としては、200℃以下が好ましく、室温から150℃の範囲が特に好ましい。
第一の成分をアルミニウム、第二の成分をシリコン又はゲルマニウムとした場合、このような方法で第一、第二の成分の混合薄膜領域を形成すると、アルミニウムとシリコン又はゲルマニウムが準安定状態の共晶型組織となり、アルミニウムがシリコン又はゲルマニウムマトリックス中に数nmのスケールで分離した構造となる。そのときのアルミニウムはほぼ円柱状形状であり、その孔径は1〜15nmであり、間隔は3〜15nmである。
アルミニウムシリコン又はアルミニウムゲルマニウム混合薄膜領域のシリコンの量は、例えばアルミニウムターゲット上に置くシリコンチップの量を変えることで制御できる。
非平衡状態で成膜を行う場合、特にスパッタリング法の場合は、アルゴンガスを流したときの反応装置内の圧力は、0.2〜1Pa程度が好ましく、プラズマを形成するための出力は4インチターゲットの場合は150〜1000W程度が好ましい。これらの条件は、形成する材料の構造に対して最適になるように設定される。
非平衡状態で物質を形成する成膜法は、スパッタリング法が好ましいが抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着(EB蒸着)をはじめとする任意の非平衡状態で物質を形成する成膜法が適用可能である。
上記の様にして成膜された第一の成分と第二の成分の混合薄膜53は、第一の成分を主成分とする柱状物質52と、その周囲の第二の成分を主成分とする領域54を備える。
柱状構造体部52の組成は、第一の成分を主成分とするが、柱状構造の微細構造体が得られていれば、酸素、アルゴン及び窒素等の他の元素を含有していてもよい。なお、主成分とは、柱状構造体部の成分構成比において第一の成分の割合は80atomic%以上が好ましく、より好ましくは90atomic%以上をいう。
また、第一の成分の柱状構造体の周囲を取り囲んでいる第二の成分の領域54の組成は、柱状構造の微細構造体が得られていれば、酸素、アルゴン、窒素及び水素等の各種の元素を含有してもよい。なお、主成分とは、第二の成分の領域の成分構成比においてシリコンの割合が80atomic%以上が好ましく、より好ましくは90atomic%以上をいう。
なお、この構造体薄膜を作製する際に基板の一部をマスクしておき、流路の部分のみに構造体薄膜が形成されるようにしてもよい。
(c)空孔形成
上記の混合薄膜領域薄膜から第一の成分の柱状成分52のみを選択的にエッチングにより除去する。その結果、空孔56を有する第二の成分領域のみが残り、第二の成分の多孔質薄膜55が形成される。
ウエットエッチングに用いる溶液は、例えば、第一の成分がアルミニウム、第二の成分がシリコンの場合、アルミニウムを溶かしシリコンをほとんど溶解しない、リン酸、硫酸、塩酸及びクロム酸溶液等の酸が挙げられるが、エッチングによる空孔形成に不都合がなければ水酸化ナトリウム等のアルカリを用いることができ、特に酸の種類やアルカリの種類には限定されるものではない。また、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を混合したものを用いてもよい。またエッチング条件は、例えば、溶液温度、濃度、時間等は、作製するシリコン混合薄膜領域に応じて、適宜設定することができる。
次に記載する(c’−1)と(c’−2)工程は必須ではなく、第二の成分及び要求される半導体デバイスの性能に応じて行う工程である。
(c’−1)第二の成分混合薄膜領域の化学処理
後述する工程(d)以降のプロセスを簡便に行うため、工程(c)で作製した多孔質薄膜に対して化学処理を施し、多孔体の性質を変化させる工程を行ってもよい。この場合の化学処理とは、具体的には酸化処理等を示す。
この工程により第二の成分多孔質膜55は第二の成分の酸化物の多孔質膜57となる。
工程(c)で作製された第二の成分の多孔質膜の酸化方法としては、例えば第二の成分がシリコン又はゲルマニウムの場合、含酸素雰囲気中で加熱する方法の他、含水蒸気雰囲気中での加熱、陽極酸化、酸素プラズマに晒す等の任意の酸化方法が適用可能である。ここで、シリコン酸化物領域の組成は、シリコン酸化物を主成分とするが、アルゴンや窒素等の他の各種の元素や元素の酸化物を含有してもよい。例えば、第一の成分がアルミニウム、第二の成分がシリコンである場合、シリコン酸化物領域におけるシリコンの含有量は酸素を除く全ての元素に対して80atomic%以上が好ましく、より好ましくは85atomic%以上である。
なお、(c)工程で使用する溶液が同時に第二の成分の多孔質膜を酸化する場合、一つの溶液で一度に(c)工程と(c’−1)工程を行ってもよい。
(c’−2)空孔径の拡大
空孔径を拡大する工程は、柱状物質を除去した第二の成分の多孔質膜に対して行う方法、又は酸化物の多孔質膜に対して行う方法がある。
空孔径の拡大は、上記第二の成分又は第二の成分の酸化物の多孔質膜に対して第二の成分又は(c’−2)工程を行った場合は第二の成分の酸化物を溶解する溶液中に浸すポアワイド処理(孔径拡大処理)により、行われる。
上記溶液も特に空孔の拡大に問題がなければどのような酸及びアルカリを用いてもよい。また、数種類の酸溶液やあるいは数種類のアルカリ溶液を混合したものを用いてもよい。例えば、第二の成分がシリコンの場合、上記溶解用溶液としてはフッ化水素を薄めた酸溶液等、あるいは水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液が適している。また空孔孔径拡大(ポアワイド処理)条件は、例えば、溶液温度、濃度、時間等は、作製する空孔の大きさに応じて、適宜設定することができる。
(d)柱状構造体作製
工程(c)によって作製した多孔質薄膜の細孔内に目的の柱状構造体58を形成する材料を導入する。柱状構造体形成材料には金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、チタン、鉄等の金属類、シリコン等の半導体類の単体、合金、酸化物、窒化物等が用いられるがこれらに限らず、有機高分子化合物材料を用いてもよい。特に、薬品に侵され難い貴金属やニッケル等やシリコン及びシリコン酸化物が好ましい。
これら材料の導入方法は導電性の表面を有する基板を用いた場合には、電着プロセスによって、金属等を簡単に導入することができる。また、電着とそれに続く無電解析出で導入してもよい。また、電着プロセス等で空孔の底に触媒となる物質を形成し、その触媒の作用によって目的の材料を形成してもよい。
(e)上部材料形成
柱状の空孔に目的の材料を導入した多孔質薄膜の上部に材料59を形成する。
材料は、後述する第二の成分又は第二の成分を化学処理した材料を除去する工程(f)に耐えるものなら特に何でもよい。また透明な素材なら、素子内でサンプルが分離する様子が直接観察できる素子を作製できる。また、基板を鋳型で囲み樹脂等で固めると分離素子を安価に作製することができる。
また、この工程では同時に流路の両端に流出入口も作製する。
(f)第二の成分又は第二の成分の酸化物領域の除去
最後に、柱状構造体を取り囲む第二の成分又は第二の成分の酸化物領域58を除去し柱状構造体58を露出させる。処理に用いる溶液は工程(c’−2)の空孔を拡大する際に用いるものと同じである。この液を流出入口より添加して第二の成分又は第二の成分の酸化物領域を除去する。溶解除去条件は、例えば、溶液温度、濃度、時間等は、作製する分離用素子の大きさに応じて、適宜設定することができる。
また、必要に応じて柱状構造体形成材料表面に親水処理を施すとよい。例えば柱状構造体形成材料がシリコンなら表面にシラノール基を導入することができる。
以上、本発明の要旨を再度述べると、互いに共晶関係にある複数の成分からなる微細な構造を有する混合薄膜から一方の成分を除去して得られる多孔体薄膜の空孔内に金属、半導体等の材料を導入して柱状構造体を作製した上で、上部を材料で覆い柱状構造体を取り囲んだ成分を除去して作製された柱状の構造体をDNAやタンパク質等の生体分子のフィルターに用い、マイクロチップ等にも組み込みが容易な分離素子を作製し得たものである。
以下、実施例により本発明を詳述するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
<実施例1>
本実施例は、基板上に流路の形状の多孔質シリコン酸化物薄膜を作製し、その空孔中に電着にて金の構造体を作製し上部をアクリルで覆った上で内部のシリコン酸化物薄膜を除去して作製した図1に示した模式図のような分離用素子を用い、DNA断片を分離した例である。
なお、図1の(a)は分離用素子の上面模式図、(b)は分離用素子の断面図、(c)は(b)の破線の円部で囲んだ箇所をナノサイズで描いた模式図である。
(基板の準備)
まず、長さ11cm幅2cm厚さが1mmのシリコン基板を用意し、長さ10cm幅1cmの長方形の部分を除いてマスクをした上で、マグネトロンスパッタリング法によってタングステンを20nm積層した。
(多孔質シリコン酸化物薄膜の作製)
次に、このシリコン基板上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、1000nmの膜厚のアルミニウムとシリコンの混合膜を作製した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップを6枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:300Wとした。また、基板温度は室温(25℃)とした。
FE−SEM(電界放出走査型電子顕微鏡)にて、アルミニウムシリコン混合膜の上部及び断面を観察したところ、シリコン領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。また、アルミニウム柱状構造体の孔径は6nmであり、その平均中心間間隔は8nmであった。また、長さは1000nmであり、それぞれのアルミニウム柱状構造体部分はシリコン領域により互いに分離されていた。
また、誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP法)により、本実施例で作製したアルミニウムシリコン混合膜中の元素組成の分析を行った。なお、この分析用に用いたのはカーボン基板上に作製した膜である。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は37atomic%と求められた。以上のようにして、微細な柱状のアルミニウムを37atomic%含むアルミニウムシリコン混合膜の形成が確認された。この混合膜をX線回折分析で評価した。その結果、シリコンの回折ピークは認められず、シリコンは非晶質であることがわかった。一方、アルミニウムに関しては複数の回折線が見られ、アルミニウムは結晶性であることが示された。
このようなシリコンをアルミニウムとシリコンの全量に対して37atomic%含んだアルミニウムシリコン混合膜をリン酸5質量%中に24時間浸し、アルミニウム柱状構造体部分のみを選択的にエッチングして空孔を形成した、同時にシリコンをシリコン酸化物にした。この結果、ナノスケールの空孔が膜面に垂直に形成された多孔質シリコン酸化物の膜が形成された。広域電子エネルギー損失構造解析(EELS)により、シリコン酸化物が形成されたことが確認された。
FE−SEMにて、酸化後の膜を観察した。基板真上方向から見た表面の形状はシリコン酸化物に囲まれた空孔が二次元的に配列していた。空孔部の孔径は5nmであり、その平均間隔は約8nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察したところ、高さは1000nmであり、それぞれの空孔部分はシリコン酸化物領域により隔たれており互いに独立していた。
また、シリコン酸化物領域中のシリコンの含有量は、ICP法によって酸素を除く全ての原子に対して約90atomic%と求められた。
最後に、マスクを剥離した。この結果、基板上に長さ10cm幅1cmの帯状の多孔質シリコン酸化物薄膜が作製された。
(柱状構造体の作製)
このように作製された多孔質シリコン酸化物薄膜の空孔中に、下地のタングステンを電極として電着(電気メッキ)で金の柱状構造体を作製した。上記の工程で多孔質シリコン酸化物膜を作製した基板を市販の電気メッキ液(高純度化学研究所製金用電気メッキ液、商品コードK−24E)中に入れ、40℃に保持した酸性浴(pH=4.5)中において、0.5A/dm2の電流密度で電着を行った。
金の電着を行った後の膜は、純水で洗浄した後、FE−SEMで、表面及び断面の観察を行った。その結果、金が細孔中に均一に導入され、柱状構造を形成していることが確認された。
次に、このようにして作製された金を空孔内に有する多孔質シリコン酸化物薄膜の両端部分に流出入口となる外径の長径が1cm、短径が5mmの楕円柱形状のアクリルパイプを立て、パイプの内部に粘土を詰めた上で、基板上部全体に重合開始剤として過酸化ベンゾイルを1%添加したメチルメタアクリレートを注ぎ約2時間静置して重合固化した。
固化後、パイプ内の粘土を丁寧に掻き出し、金を空孔内に有する多孔質シリコン酸化物薄膜の表面を露出させた上で、両方のパイプ内に2%のフッ酸を滴下し約10分間静置した後、液をピペットで取り除いた。このフッ酸の滴下、静置、除去の工程を数回繰り返し、2つのパイプの間が貫通したことを確認した上で、再度この工程を行い、最後に一方のパイプから蒸留水を流し込み他方から流出させて洗浄した後、自然乾燥させた。この様にして作製した流路部分をFE−SEMにて観察したところ、流路全体のシリコン酸化物は全て除去され、柱状構造物が整然と並んでいることが確認できた。
この一連の作業により、長さ11cm幅2cmのシリコン基板上に長さ10cm幅1cmの流路を持つ分離用素子が完成した。
(DNA断片分離能の確認)
100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500及び2000bpのDNA断片が入った市販のDNAサイズマーカ(東洋紡(株)、100bpDNALadder、DNA−030)を1μLを10mMのTris−HCl(2−Amino−2−hydroxymethyl−1,3−propanediol Hydrochloride)水溶液(pH8.3)10μLに溶解し、更にエチジウムブロミドを0.5μg/mLになるように溶解したものを用意し、これをDNA断片混合液液とした。
このDNA断片混合液をピペットで1μL取り、乾燥させて流路内に水がない状態の分離用素子の一方の流出入口から静かに滴下し、約10分間室温で静置、滴下した液が流路内を拡散し反対側の流出入口まで達するのを待った。
次に、この分離用素子を上部からUVランプを照射したところ、透明アクリル樹脂を通して内部の流路に12本の蛍光を発する帯が目視でき、DNA断片混合液を添加した側の流出入口から約7.6cmのところにある100bpのDNA断片を先頭に、1.9cmのところにある2000bpの断片まで全ての断片が良好に分離していることが確認できた。
以上の結果より、多孔質シリコン酸化物薄膜を用いて作製した金の柱状構造体を持つ分離素子を用いてDNA断片を分離できることが確認できた。
<比較例1>
長さ11cm幅2cm厚さ5mmで端から0.5cmのところにDNA液添加用のウエルがある2.0%のアガロースゲルを用意した。これを10mMのTris−HCl水溶液(pH8.3)で満たした電気泳動槽に浸し、実施例1で用いたものと同じDNA断片混合液に最終濃度が30%になるようにグリセロールを添加したものをピペットで1.43μLアガロースゲルのウエルに入れ、100mAの定電流で約10分間室温で電気泳動を行った。
次に、アガロースゲルを上部からUVランプを照射したところ、ウエルよりプラス電極側に蛍光を発する帯が目視できた。ウエルから約8cmのところにある100bpのDNA断片から約3.6cmのところにある1000bpまでは糸を引いているような形状ではあるもののかろうじて独立した帯になっていたが、1500bpと2000bpは完全につながっており分離できていなかった。
以上の結果より、アガロースゲルでは100mA10分間の電気泳動は移動速度が速過ぎて1000bpより大きいDNA断片が分離できないことが確認できた。
<実施例2>
本実施例は、実施例1に空孔の拡大工程を追加して柱状構造体の径拡大を図った同様の分離用素子を用い、DNA断片を分離した例である。
実施例1と同様の方法で空孔構造を持つ多孔質シリコン酸化物薄膜を作製した。
次に、この基板を25℃に保った水酸化ナトリウム0.1mol/L中に1分間浸し、空孔の拡大を行った。
なお、空孔の拡大処理を行った多孔質シリコン酸化物薄膜をFE−SEMにて観察したところ、シリコン酸化物領域に囲まれた空孔が二次元的に配列していた。また、そのとき観察した空孔部の孔径は6.5nm、その平均間隔は8nm、高さは1000nmであり、それぞれの空孔部分はシリコン酸化物領域により隔たれており、互いに独立していた。なお、X線回折法で作製した試料を測定したところ、シリコンの結晶のピークは確認できず、シリコンは非晶質であった。
この後、実施例1と同様に多孔質シリコン酸化物薄膜の空孔内に金の柱状構造体を作製し、上部をアクリル樹脂で固め、流路内のシリコン酸化物を除去し分離素子を作製した。
(DNA断片分離能の確認)
次に、実施例1と同様のDNA断片混合液をピペットで1μL取り、乾燥させて流路内に水がない状態の分離用素子の一方の流出入口から静かに滴下し、約10分間室温で静置、滴下した液が流路内を拡散し反対側の流出入口まで達するのを待った。
次に、この分離用素子を上部からUVランプを照射したところ、透明アクリル樹脂を通して内部の流路に12本の蛍光を発する帯が目視でき、DNA断片混合液を添加した側の流出入口から約6.8cmのところにある100bpのDNA断片を先頭に、1.4cmのところにある2000bpの断片まで、実施例1に比べて高塩基数側が密になっているものの全ての断片が良好に分離していることが確認できた。
以上の結果より、実施例1に空孔拡大工程を追加して作製した多孔質シリコン酸化物薄膜を用いて作製したシリコンの柱状構造体を持つ分離素子を用いてDNA断片を分離した場合、空孔拡大工程を経ないで作製した分離素子より作製の手間が増えるもののわずかにDNAの移動速度が遅く、低塩基数側の分離能が若干良い分離素子ができることが確認できた。
<実施例3>
本実施例は、基板上に流路の形状の多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜を作製し、その空孔中に電着にて金粒子を付けた上でシリコンの柱状構造体を作製し上部をアクリルで覆った上で内部のゲルマニウム酸化物薄膜を除去して作製した図1に示した模式図のような分離用素子を用い、2種類のDNA断片を分離回収した例である。
(基板の準備)
まず、長さ11cm幅2cm厚さが1mmのシリコン基板を用意し、長さ10cm、幅1cmの長方形の部分を除いてマスクをした上で、マグネトロンスパッタリング法によって金を20nm積層した。
(多孔質シリコン酸化物薄膜の作製)
次に、このシリコン基板上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、1000nmの膜厚のアルミニウムとゲルマニウムの混合膜を作製した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムターゲット上に15mm角のゲルマニウムチップを4枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:300Wとした。また、基板温度は室温(25℃)とした。
なお、FE−SEMにて、アルミニウムゲルマニウム混合膜の上部及び断面を観察したところ、ゲルマニウム領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。また、アルミニウム柱状構造体の孔径は6nmであり、その平均中心間間隔は8nmであった。また、高さは1000nmであり、それぞれのアルミニウム柱状構造体部分はゲルマニウム領域により互いに分離されていた。
また、誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP法)により、本実施例で作製したアルミニウムゲルマニウム混合膜中の元素組成の分析を行った。その結果、ゲルマニウムのアルミニウムとゲルマニウムの全量に対する分量は37atomic%と求められた。以上のようにして、微細な柱状のアルミニウムを37atomic%含むアルミニウムゲルマニウム混合膜が形成された。この混合膜をX線回折分析で評価した。その結果、シリコンの回折ピークは認められず、シリコンは非晶質であることがわかった。一方、アルミニウムに関しては複数の回折線が見られ、アルミニウムは結晶性であることが示された。
このようなゲルマニウムをアルミニウムとゲルマニウムの全量に対して37atomic%含んだアルミニウムゲルマニウム混合膜をリン酸5質量%中に4時間浸し、アルミニウム柱状構造体部分のみを選択的にエッチングして空孔を形成した。この結果、ナノスケールの空孔が膜面に垂直に形成された多孔質ゲルマニウムの膜が形成された。
次に、FE−SEMにて、リン酸エッチングした上記多孔質ゲルマニウム薄膜を観察した。基板真上方向から見た表面の形状はゲルマニウム領域に囲まれた空孔が二次元的に配列しているものであった。空孔部の孔径は6nmであり、その平均間隔は約8nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察したところ、孔の深さは1000nmであり、それぞれの空孔部分はシリコン領域により隔たれており互いに独立していた。
次に、作製された多孔質ゲルマニウム薄膜を酸素雰囲気中で加熱した。ここでは、大気圧で酸素を50sccm流しながら、800℃で1時間加熱した。この結果、ゲルマニウム酸化物が作製された。ゲルマニウム酸化物の形成は、広域電子エネルギー損失構造解析(EELS)により確認された。
FE−SEMにて、酸化後の膜を観察した。基板真上方向から見た表面の形状はゲルマニウム酸化物に囲まれた空孔が二次元的に配列していた。空孔部の孔径は5nmであり、その平均間隔は約8nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察したところ、高さは1000nmであり、それぞれの空孔部分はゲルマニウム酸化物領域により隔たれており互いに独立していた。
また、ゲルマニウム酸化物領域中のゲルマニウムの含有量は、ICP法によって酸素を除く全ての原子に対して約90atomic%と求められた。
最後に、マスクを剥離した。この結果、基板上に長さ10cm幅1cmの帯状の多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜が作製された。
(柱状構造体の作製)
このように作製された多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜の空孔の底部に下地のタングステンを電極として電着を行い金粒子を付けた。電着は、市販の電気メッキ液(高純度化学研究所製金用電気メッキ液、商品コード:K−24E)を用い、40℃に保持した酸性浴(pH=4.5)中において、0.5A/dm2の電流密度で行った。
次に、この多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜を石英管の中に設置し気圧を13Pa以下にした後、アルゴンガスを流しながら440℃に加熱した。次に、石英管内にヘリウムガス中に10%の割合で混合したシランガスを50sccmの流量で60秒間供給した。この工程での時間は予め予備実験を行って決定した。上記の工程によって多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜の空孔底部の金粒子を触媒として柱状のシリコンが成長した。これをFE−SEMで観察を行ったところ、空孔の中にシリコンが形成された多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜が形成されている様子が観察された。X線回折分析を行った結果、シリコンの結晶に起因する回折線が認められ導入したシリコンは結晶性であることが確認された。
次に、このようにして作製されたシリコンを空孔内に有する多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜上に実施例1と同様の方法で一対の流入流出口を作り込んだ上で上部を透明アクリル樹脂で固めた。更に、実施例1のフッ酸の代わりに50%硝酸を用いて内部のゲルマニウムを除去し、内部を蒸留水で洗浄した後、自然乾燥させた。これをFE−SEMにて観察したところ、流路全体のゲルマニウム酸化物は全て除去され、柱状構造物が整然と並んでいることが確認できた。
次に、基板、柱状構造体、上部の全てがシリコンで構成された素子を酸素雰囲気中で加熱した。ここでは、大気圧で酸素を50sccm流しながら、800℃で2時間加熱した。この結果、流路内及び柱状構造体部分を含む素子表面部分のシリコンがシリコン酸化物になった素子が作製された。シリコン酸化物の形成は、広域電子エネルギー損失構造解析(EELS)により確認された。
この一連の作業により、長さ11cm幅2cmのシリコン基板上にシリコン酸化物の柱状構造体を持つ長さ10cm幅1cmの流路を持つ分離用素子が完成した。
(DNA断片の分離回収)
マルチクローニングサイトのEcoRIサイトに長さ約200bpのインサートを挿入してクローニングしたpUC18(2.69kBP)を制限素EcoRIで切断して、実施例1と同様に10mMのTris−HCl水溶液(pH8.3)10μLに溶解し、更にエチジウムブロミドを0.5μg/mLになるように溶解したものをDNA断片混合液として用意した。
分離用素子の流路を予め10mMのTris−HCl水溶液で満たし、流出入口にそれぞれシリコーンゴムのチューブを繋ぎ、一方のチューブの端を小型試験管に差込分離用素子から流出した液が溜まるようにし、もう一方のチューブには先ほどのDNA断片混合液を入れ、端を予め10mMのTris−HCl水溶液で満たしシリンジポンプに繋いだ。
次に、シリンジポンプを動かし、0.1μL/分の流速でチューブ内のDNA断片混合液を分離用素子内に送った。
約20分間ポンプを動かした後、分離用素子のポンプと反対側の流出入口から出て小型試験管に溜まった液を回収しA液とした。また、更に40分間ポンプを動かした後、小型試験管に溜まった液を回収しB液とした。
AB両液をエタノール沈殿法でDNAを沈殿させて濃縮した後、アガロースゲルに流してそれぞれのDNAを調べたところ、A液は約200bpのDNA断片のみ、B液は約3000bpのDNA断片のみであることがわかった。
以上の結果より、多孔質ゲルマニウム酸化物薄膜を用いて作製したシリコンの柱状構造体を持つ分離素子を用いてDNA断片を分離回収できることが確認できた。
<実施例4>
本実施例は、予め図3の(a)と同様に蛇行した溝を作製した基板に多孔質シリコン酸化物薄膜を作製し、その空孔中にニッケルの柱状構造体を作製し上部をアクリルで覆った上で内部のシリコン酸化物薄膜を除去して作製した図2に示すような分離用素子を用い、複数のタンパク質を分離回収した例である。
(基板の準備)
まず、長さ11cm幅15cm厚さが1mmのシリコン基板を用意し、流路となる部分を除いてマスクしてエッチングし、基板上に流路となる長さ約70cm幅2mm深さ約1μmの溝を作製した。エッチング時間は予め予備検討を行い決定した。次に、この基板上にマグネトロンスパッタリング法によってタングステンを20nm積層し、溝の内部及びマスク上にタングステンがスパッタされた基板を用意した。
(多孔質シリコン酸化物薄膜の作製)
次に、この流路を作製したシリコン基板上に、マスキングしたままマグネトロンスパッタリング法を用いて、1000nmの膜厚のアルミニウムとシリコンの混合膜を作製した。ターゲットには、直径が4インチ(101.6mm)の円形のアルミニウムターゲット上に15mm角のシリコンチップを6枚おいたものを用いた。スパッタ条件は、RF電源を用いて、Ar流量:50sccm、放電圧力:0.7Pa、投入電力:300Wとした。また、基板温度は室温(25℃)とした。
この後、マスクをマスク上に形成されたタングステン及びアルミニウムシリコン混合膜ごと剥離して、最初の工程で作製した溝の底部にタングステンとアルミニウムシリコン混合膜が重層したシリコン基板とした。
なお、FE−SEMにて、アルミニウムシリコン混合膜の上部及び断面を観察したところ、シリコン領域に囲まれた円形のアルミニウム柱状構造体が二次元的に配列していた。また、アルミニウム柱状構造体の孔径は6nmであり、その平均中心間間隔は8nmであった。また、高さは1000nmであり、それぞれのアルミニウム柱状構造体部分はシリコン領域により互いに分離されていた。
また、誘導結合型プラズマ発光分析法(ICP法)により、本実施例で作製したアルミニウムシリコン混合膜中の元素組成の分析を行った。なお、この分析用に用いたのはカーボン基板上に作製した膜である。その結果、シリコンのアルミニウムとシリコンの全量に対する分量は37atomic%と求められた。以上のようにして、微細な柱状のアルミニウムを37atomic%含むアルミニウムシリコン混合膜が形成された。この混合膜をX線回折分析で評価した。その結果、シリコンの回折ピークは認められず、シリコンは非晶質であることがわかった。一方、アルミニウムに関しては複数の回折線が見られ、アルミニウムは結晶性であることが示された。
次に、実施例1と同様にリン酸5質量%中に24時間浸し、アルミニウム柱状構造体部分のみを選択的にエッチングして空孔を形成し、同時にシリコンをシリコン酸化物にした。シリコン酸化物の形成は、広域電子エネルギー損失構造解析(EELS)により確認された。
FE−SEMにて、酸化後の膜を観察した。基板真上方向から見た表面の形状はシリコン酸化物に囲まれた空孔が二次元的に配列していた。空孔部の孔径は5nmであり、その平均間隔は約8nmであった。また、断面をFE−SEMにて観察したところ、高さは1000nmであり、それぞれの空孔部分はシリコン酸化物領域により隔たれており互いに独立していた。
また、シリコン酸化物領域中のシリコンの含有量は、ICP法によって酸素を除く全ての原子に対して約90atomic%と求められた。
この結果、基板上に長さ10cm幅1cmの帯状の多孔質シリコン酸化物薄膜が作製された。
(柱状構造体の作製)
このように作製された多孔質シリコン酸化物薄膜の空孔中に、タングステンを電極として電着とそれに続く無電解析出でニッケルの柱状構造体を作製した。まず、0.14M NiSO4、0.5M H3BO3からなる電界液中において、交流(35V、50Hz)電解を行い、細孔底部にニッケルを析出させた。この後、0.1M NiSO4、0.24M NaPH22、0.1M Na427からなるニッケル無電解析出浴を用い、細孔全体にニッケルの析出層を形成させた。この過程では、予め交流電解によって細孔底部に析出させたニッケルが触媒として働き、細孔へのニッケルの速やかな充填が起こると考えられる。
ニッケルの充填を行った後の薄膜の表面、及び断面のFE−SEM観察によって、細孔中にニッケルが均一に充填されていることが確認された。
次に、このようにして作製されたニッケルを空孔内に有する多孔質シリコン酸化物薄膜上に実施例1と同様の方法で一対の流入流出口を作り込んだ上で上部を透明アクリル樹脂で固めた。更に、実施例1と同様にフッ酸を用いて内部のシリコン酸化物を除去し、内部を蒸留水で洗浄した後、自然乾燥させた。これをFE−SEMにて観察したところ、流路全体のシリコン酸化物は全て除去され、ニッケルの柱状構造物が整然と並んでいることが確認できた。
この一連の作業により、長さ11cm幅15cmのシリコン基板上に長さ約70cm幅2mmの流路を持つ分離用素子が完成した。
(タンパク質分離能の確認)
Myosin(分子量は約205kDa)、β−galactosidase(118kDa)、BSA(85kDa)、Ovalbumin(47kDa)の4種類のタンパク質を青色に染色した混合液である市販の電気泳動用サイズマーカ(バイオラドラボラトリーズ(株)、プレステインドスタンダード High Range、#71605)を100μLを200mMTris−HCl、10%SDS水溶液(pH8.9)15mLに溶解して、タンパク質が立体構造を解き一本鎖になった水溶液を用意し、これをタンパク質混合液液とした。
このタンパク質混合液をシリンジポンプに入れ、ポンプと分離用素子の流出入口の一つと繋ぎ、0.25mL/minの流速で分離用素子に流した。分離用素子のもう一方の流出入口から出た液はフラクションコレクタで分画回収した。
回収した分画の各液の波長280nmの吸光光度を調べたところ、4つのピークがあることがわかった。そこで、これら4つの分画をまとめて、それぞれ分画A、分画B、分画C、分画Dとした。
次に、この分画A〜DをSDS−PAGE法で電気泳動し分子量を調べたところ、全て単一の分子量で、それぞれ、205kDa、118kDa、85kDa、47kDaであることがわかった。つまり、分画A中にはMyosinのみ、分画B中にはβ−galactosidaseのみ、分画C中にはBSAのみ、分画D中にはOvalbuminのみが含まれていることがわかった。
以上の結果から、多孔質シリコン酸化物薄膜を用いて作製したニッケルの柱状構造体を持つ分離素子を用いてタンパク質混合液中の4種類のタンパク質を分離回収できることが確認できた。
本発明のおいてマスクした基板を用いて流路形状に柱状構造体を作製した分離用素子の例を示す概略図である。 本発明において予め基板に流路を作製したから柱状構造体を作製した分離用素子の例を示す概略図である。 本発明のおいて流路の一例を示す概略図である。 本発明の分離用素子の製造方法の一例を示す説明図である。
符号の説明
11 基板
12 柱状構造体を有する流路
13 流路を区切る壁面及び上部材料
14 流出入口
15 柱状構造体
23 上部材料
51 基板
52 第一の成分の柱状物質
53 第一の成分と第二の成分の混合薄膜領域
54 第二の成分領域
55 第二の成分からなる多孔質薄膜
56 空孔
57 第二の成分の酸化物からなる多孔質薄膜
58 柱状構造体
59 上部材料

Claims (10)

  1. 柱状の空孔を有する多孔体の該空孔内に材料を導入した後、該多孔体部材を除去して得られる柱状構造体を流路内の少なくとも一部に作製することで得られる、分離用素子であって、
    該多孔体は、第一の成分を含み構成される柱状物質が第一の成分と共晶を形成し得る第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体から、該柱状物質を除去して形成されていることを特徴とする分離用素子。
  2. 前記分離用素子が流入口と流出口を持つ請求項1に記載の分離用素子。
  3. 前記分離用素子が液体中の生体由来化合物を分離する請求項1に記載の分離用素子。
  4. 前記多孔体に化学的処理を施した後、前記空孔内に前記材料を導入して得られる請求項1〜3のいずれかに記載の分離用素子。
  5. 前記多孔体の成分がシリコン又はゲルマニウムである請求項1〜4のいずれかに記載の分離用素子。
  6. 前記柱状構造体の直径が0.5nm以上15nm未満である請求項1〜5のいずれかに記載の分離用素子。
  7. (a)基板を用意する工程、
    (b)第一の成分を含み構成される柱状物質が、第一の成分と共晶を形成し得第二の成分を含み構成される部材中に分散している構造体を用意する工程、
    (c)該柱状物質を除去する除去工程、
    (d)該除去工程により得られる柱状の空孔を有する多孔体の該空孔内に材料を導入する導入工程、
    (e)前記空孔内に材料を導入した多孔体上部に材料を形成する工程、
    (f)前記部材を除去する工程、
    を有することを特徴とする分離用素子の作製方法。
  8. 前記(b)工程の前に、基板上に流路を作製する工程を含む請求項7に記載の分離用素子の作製方法。
  9. 前記(d)工程の前に、柱状の空孔を広げる工程を含む請求項7に記載の分離用素子の作製方法。
  10. 前記(d)工程の前に、前記多孔体に化学的処理を施す工程を有する請求項7に記載の分離用素子の作製方法。

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